【文献】
四谷 任,Fundamentals for Electrical Resistance Measurement at Low Temperatures,低温工学,日本,1991年10月17日,Vol.27 No.3(1992),217-220
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の配線が形成される基板の該配線パターンの導通検査を行うとともに、該導通検査を行う際に該各配線上に予め設定される二つの検査点の、夫々に一対の接触子を導通接触させて、該検査点間にて四端子測定を実施する基板検査装置であって、
前記検査点間に電力を供給する電源手段と、
前記複数の接触子毎に対応する、前記電源手段の上流側と接続される上流側電力端子と、
前記複数の接触子毎に対応する、前記電源手段の下流側と接続される下流側電力端子と、
前記検査点間の電圧を検出する検出手段と、
前記複数の接触子毎に対応する、前記検出手段の上流側と接続される上流側検出端子と、
前記複数の接触子毎に対応する、前記検出手段の下流側と接続される下流側検出端子と、
前記複数の接触子毎に対応するとともに、該複数の接触子を接続する接続端子と、
前記各配線に設定される前記二つの検査点のうち、一方に対して前記上流側電力端子と前記上流側検出端子とを選出し、他方に対して前記下流側電力端子と前記下流側検出端子とを選出する選出手段と、
前記電源手段、前記検出手段と前記選出手段を夫々動作させて、前記四端子測定を実施するための測定処理を促す制御手段とを備えており、
前記制御手段は、
前記複数の配線に対して前記選出手段により選出される、複数の前記上流側検出端子に対応する接触子と複数の前記下流側検出端子に対応する接触子とを、前記接続端子と前記各配線とを介して、前記上流側電力端子と前記下流側電力端子とに対応する接触子は含まずに直列接続させ、
前記直列接続された直列回路における、一端となる接触子と他端となる接触子との間に、前記一端となる接触子と前記他端となる接触子とを用いて前記電源手段から電力を供給させ、前記一端となる接触子と前記他端となる接触子との間について前記一端となる接触子と前記他端となる接触子とを用いて前記検出手段により電圧値を検出させ、該電圧値を基に該直列接続された接触子と該検査点の導通接触状態を判断することを特徴とする基板検査装置。
前記制御手段は、前記直列回路に前記電源手段から電力を供給させる際に、上流側から電力を供給した後に、下流側から前記電力を供給して、前記導通接触状態を判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
複数の配線が形成される基板の該配線パターンの導通検査を行うとともに、該導通検査を行う際に該各配線上に予め設定される二つの検査点の、夫々に一対の接触子を導通接触させて、該検査点間を測定するための測定用の電力を供給するための上流側電力端子と下流側電力端子と、該検査点間の測定を行うための上流側検出端子と下流側検出端子を用いて該検査点間の四端子測定を実施する基板検査方法であって、
前記複数の配線に接触される複数の前記上流側検出端子に対応する接触子と前記複数の配線に接触される複数の前記下流側検出端子に対応する接触子とを前記各配線を介して、前記上流側電力端子と前記下流側電力端子とに対応する接触子は含まずに直列接続し、
前記直列接続された直列回路における、一端となる接触子と他端となる接触子との間に、前記一端となる接触子と前記他端となる接触子とを用いて電力を供給して、前記一端となる接触子と前記他端となる接触子との間について前記一端となる接触子と前記他端となる接触子とを用いて電気的測定を行い、
前記電力と前記電気的測定結果から、前記直列接続された接触子間の電気的特性を算出し、
算出された前記電気的特性を基に、前記直列接続された接触子と前記検査点との導通接触状態を判定することを特徴とする基板検査方法。
【背景技術】
【0002】
基板上に形成される配線は、この基板に載置されるICや半導体部品又はその他の電子部品に電気信号を送受信するために用いられる。このような配線は、近年の電子部品の微細化に伴って、より微細に且つ複雑に形成されるようになるとともに、より低抵抗に形成されている。
【0003】
このように基板の配線の微細化が進むにつれて、その配線の良/不良(良否)を検査する精度の高さが要求されている。配線の微細化が進めば進むほど、配線自体の抵抗値が小さいものとなり、僅かな誤差や精度の悪さにより、配線の抵抗値の良否を正確に検査できない問題がある。
特に、基板に形成される信号配線は、微細で抵抗値が小さく形成されるため、二端子測定方法では接触抵抗値の影響を大きく受けて、正確な抵抗値を算出することができない問題点を有していた。このような問題点を解決するために、接触抵抗値の影響を受けない四端子測定方法が用いられている。
【0004】
この四端子測定方法では、この接触抵抗値を無視して測定を行うことができるため、検査対象となる配線間の各検査点に電力供給用の端子(接触子)と検出測定用の端子を夫々接触させて、検査を実施している。
【0005】
このように基板に形成される配線の微細化が進むと、四端子測定方法のための検査用治具に備えられる複数の接触子のピッチを狭ピッチにしなければならなくなる。特に、四端子測定方法のための電力供給用の接触子と検出測定用の接触子(一対の接触子)の接触子間が極めて狭く形成される必要が生じる。
【0006】
四端子測定法が実施される場合には、上記の如く、一つの検査点に二本の接触子が導通接触する必要がある。このため、検査点間の抵抗値を四端子測定法にて測定する場合には、まずは、検査点に二つの接触子が導通接続されているかを確認する必要がある。従来の接触子の導通接触確認の方法では、例えば、予め設定される検査点に二本の接触子が導通接触しているか確認するために、一方の接触子へ電流を供給し、導通接触しているであろう検査点を介して他方の接触子からこの電流が検出できるかどうかの確認が実施されていた。このため、他方の接触子から電流が検出できない場合には、一方又は他方の接触子が検査点と導通接触していないと判断して、検査用治具と基板を離反させ、再度検査用治具と基板を当接させることで、良好な導通接触を図ることになる。
【0007】
このような従来の確認方法では、夫々の検査点に二本の接触子が当接されており、検査点毎に当接する二本の接触の導通接触を確認する必要がある。このような従来の四端子測定方法では、まず、一方端となる検査点に当接する接触子の導通接触を確認するための測定を行い、次に、他方端となる検査点Tに当接する接触子の導通接触を確認するための測定を行った後、一方端となる検査点Tと他方端となる検査点T間の抵抗値を測定することなる。このため、通常の二端子測定方法の場合と比して、測定回数が3倍となり、検査時間の増加により生産性の低下の原因となっていた。
【0008】
特許文献1に開示される文献には、四端子測定法における二つの接触子と検査点との導通接触(コンタクトチェック)を行う方法が開示されている。この特許文献1には、コンタクトチェックに要する時間を短縮することを目的として、検査対象となる一方端に当接する二本の接触子を夫々直列接続して、接触子の導通接触の確認を実施している。
【0009】
しかしながら、この特許文献1に開示される技術では、検査対象間の一方端の検査点に導通接続された接触子を並列接続して測定検査が実施された後、検査対象間の他方端の検査点に導通接続された接触子を並列接続して測定検査が実施されることになる。このため、少なくとも、コンタクトチェックのために二回の検査測定が実施されることになる。
【0010】
また、この特許文献1に開示される技術では、二本の接触子が短絡している場合には、検査点と導通接触されていなくても、閉回路が形成されてしまい、接触子が検査点に導通接触していると誤って判断されることとなった。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明にかかる基板検査装置の概略構成図である。
本発明にかかる基板検査装置1は、電源手段2、検出手段3、接続端子4、制御手段5、記憶手段51、選出手段52、算出手段53、判定手段54、電流検出手段6、切替手段7、電力端子8、検出端子9と、表示手段10を有している。
【0017】
この基板検査装置1は、基板に形成される複数の配線(検査点間)Rx上に設定される検査点に導通接触するために接触子(コンタクトプローブ)CPが用いられている。この接触子CPにより、所定検査点に対して所定電位や電流を与えたり、所定検査点から電気的特性(電気信号)を検出したりすることができる。
なお、
図1では、検査対象となる基板やプローブCPが当接する検査点は表示されていないが、このプローブCPが基板上に設定される配線の検査点に対して、夫々接触されることになる。また、プローブCPが四本示されているが、配線に設定される検査点の数や位置は限定されるものではなく、配線の数や位置に応じて設定され、配線の導通検査が行われる場合には、配線上に予め設定される二つの検査点に夫々二本のプローブCPが導通接触するよう配置されている。なお、検査点に導通接触する接触子CP間の抵抗値が算出されることで、配線の良/不良の判定が実施されることになる。本発明は、
図1で示される如く、四端子測定法を用いて配線間の抵抗値を算出することができるように、電力端子8と検出端子9が設けられている。これらの端子を切り替えることにより、検査点間の四端子測定を可能にしている。
【0018】
例えば、
図2では、基板CBの配線Wに対して、検査点P1と検査点P2が設定され、夫々の検査点P1・P2に二つの接触子CPが導通接触している。この
図2でしめされる場合には、配線W1の四端子測定が実施されることになる。この配線W1が四端子測定される場合には、例えば、検査点P1に導通接触する接触子CP1を上流側電力端子81が電源手段2の上流側と接続され、検査点P2に導通接触する接触子CP4を下流側電力端子82が電源手段2の下流側と接続される。また、検査点P1に導通接触する接触子CP2を上流側検出端子91が検出手段3の上流側と接続され、検査点P2に導通接触する接触子CP3を下流側検出端子92が検出手段3の下流側と接続されることになる。このような接続が実施された後、電源手段2から測定電力(電流)が供給されて、検出手段3が電圧値を検出することで、検査点間である配線W1の抵抗値が算出されることになる。
【0019】
電源手段2は、検査対象の配線(配線上に設定される検査点と配線上に設定される検査点の間(検査点間))に、配線の良/不良を判定するための検査を行うための電力を与える。より具体的には、この電源手段2は、例えば、可変電圧源や電流コントローラを用いることができ、導通検査を行うため所定電位を与える電圧を適宜に調整して、所定の電流を供給するように設定することができる。なお、この電源手段2は、検査点間に0〜500V程度の大きさの電圧を与えることができるように設定されており、また、この電源手段2が供給する電流の大きさは、0〜1A程度の大きさに設定されており、例えば、20mAの電流を供給することができる。
【0020】
検出手段3は、電源手段2が電力を供給する検査点間の電位差(電圧)を検出する。この検出手段3は、例えば、電圧計を用いるこができるが特に限定されるものではなく、検査点間の電圧を検出することができれば構わない。なお、この検出手段3は、検査点間の電圧を検出することができるので、電源手段2が印加する検査点間の電圧を管理するために用いることもできる。
【0021】
接続端子4は、複数の接触子CPを直列に接続することができる。この接続端子4は、各接触子CPに対応して設けられており、所定の接触子同士を接続することができる。例えば、
図1で示される実施形態では、四本の接触子CP(CP1〜CP4)に対して、夫々接続端子4が配置されており、例えば、接触子CP1と接触子CP2を直列接続する場合には、接触子CP1に対応する接続端子4と、接触子CP2に対応する接続端子4が接続されることになる。なお、
図1の実施形態では、接続端子4にはスイッチ素子SW5が備えられており、このスイッチ素子SW5のON/OFF切替制御を行うことによって、接触子同士の接続を行うことになる。この
図1の実施形態では、夫々の接続端子4が一本の線に接続されている状態を示しているが、このような接続に限定されるものではなく、接続される接触子CPの数とその接続状態に応じて、このような接続に利用される線も複数設けられることになる。その具体的な説明は後述する。
【0022】
この接続端子4は、接触子CPが検査点Pに導通接触しているか否かを判断するために用いられる。詳細は後述するが、各検査点Pに当接するとともに四端子測定法が実施される際に検出端子9として利用される接触子CPを、この接続端子4を用いて直列接続して判断が実施されることになる。なお、この場合、検出端子9として利用される接触子CPが直列接続されることにより、閉回路が形成され、この閉回路に電力を供給して、導通状態が測定される。この測定された測定状態から、検出端子9として利用される接触子CPの導通状態が判断されることになる。例えば、検出端子9として利用される接触子CPが検査点Pに当接していれば、この閉回路に電力(電流)が供給され、直列接続された箇所の抵抗値を算出することができる。しかしながら、接触子CPが検査点に導通接触していない場合には、この閉回路に電力が供給されず、直列接続された箇所の抵抗値を算出できないことになる。このようにして、検出端子9として利用される接触子CPが検査点Pに当接しているか否かを判断することになる。
【0023】
制御手段5は、基板検査装置1が基板CBの導通検査を行うための処理信号の送受信や、受信された電気信号を基に所定の演算を実施したり、これらの電気信号を基に接触子CPと検査点Pとの導通接触状態を判断したりする。この制御手段5には、記憶手段51、選出手段52、算出手段53と判定手段54が備えられている。
【0024】
記憶手段51は、基板CBの検査を実施するための情報が格納されており、検査点間に印加される電流値の情報(電流情報)、検出される電圧の電圧値の情報(電圧情報)、各検査点の座標情報や検査順序等の情報が格納されている。例えば、
図2で示される如く、検査対象となる基板CBの配線上に第一検査点P1と第二検査点P2が設定される場合には、記憶手段51は第一検査点P1と第二検査点P2の基板上の座標情報や、第一検査点P1に接続される接触子CP1を上流側電力端子81として利用されるための情報や、接触子CP2が上流側検出端子91として利用される等の検査を実施するための情報が格納されている。これらの記憶手段51に格納される情報は、後述する選出手段52の動作を促す情報であり、これらの情報を基に選出手段52等を動作させることで検査が実施されることになる。また、この記憶手段51は、測定された配線(第一検査点P1と第二検査点P2の検査点間)の電流値や電圧値等、更には算出された抵抗値等の情報や、接触子CPと検査点Pとの導通接触の判断結果が情報として格納されることになる。この記憶手段51に記憶される各情報は、予め設定されるものに関しては、基板の配線や検査点に関する情報として紐付けされて適宜設定されまた記憶される。
【0025】
算出手段53は、記憶手段51に記憶される情報や数値を基に所定の処理を行う。この算出手段53は、電源手段2が検査点間へ電流を供給する電流情報と、検出手段3がこの検査点間から測定して得られる電圧情報とを基に、検査点間の抵抗値である抵抗情報を算出する。この場合、この算出手段53が行う具体的な算出方法は、電圧情報(=V)を電流情報(=I)で除することにより、抵抗情報(=R)が算出されることになる(算出式:R=V/I)。この算出手段53により算出される抵抗情報(抵抗値R)は、算出された検査点間の情報と合わせて記憶手段51に格納される。
【0026】
算出手段53は、上記の如く、所定の検査点間の抵抗値を算出することができ、配線W上に設定される検査点間の導通検査を行うための抵抗値(第一抵抗値)を算出する場合と、接触子CPと検査点Pとの導通接触状態を判断するための抵抗値(第二抵抗値)を算出する場合と二つの場合の抵抗値を算出することができる。いずれかの場合も算出された抵抗値は記憶手段51に格納されるとともに、後述する判定手段54にて利用される。
【0027】
判定手段54は、算出手段53が算出した抵抗値を基に所定の判定を行う。この判定手段54は、第一抵抗値を基に配線の良不良を判定する。例えば、この判定手段54は、第一抵抗値と予め設定される基準抵抗値を比較して、検査点間(配線)の良/不良を判定する。より具体的には、基準抵抗値を予め良品の基板の検査点間の抵抗値から抽出しておき、この抵抗値を基に良品として判定できる所定幅の数値を設定して、記憶手段51に記憶させておく。そして、判定手段54が、算出された第一抵抗値がこの所定幅内に存在すれば、「良品」と判定し、この所定幅以外に存在すれば「不良」と判定するように設定することができる。この判定手段54が判定する結果は、判定結果情報として記憶手段51に格納されることになる。この判定手段54が「不良」と判定した場合には、配線が不良である旨とこの基板自体も不良である旨が記憶手段51に格納されることになる。
【0028】
判定手段54は、また、第二抵抗値を基に、接触子CPと検査点Pの導通接触状態の良不良を判定する。例えば、この判定手段54は、第二抵抗値と予め設定される基準抵抗値を比較して、導通接触状態の良/不良を判定する。接触子CPと検査点Pの導通状態が良好である場合には、上記する直列接続された接触子CPによる閉回路に電力が供給されることになるため、所定の抵抗値を算出することができる。このため、検出端子9として利用される接触子CPを直列接続した場合の抵抗値を設計上の数値を算出し、この抵抗値を基に導通接触状態が良好として判定できる所定幅の数値を設定して、記憶手段51に記憶させておく。そして、第一抵抗値の場合と同様、判定手段54がこの算出された第二抵抗値がこの所定幅内に存在すれば、「接触状態が良好」と判定し、この所定幅以外に存在すれば「接触状態が不良」と判定するように設定することができる。この判定手段54が判定する結果は、判定結果情報として記憶手段51に格納されることになる。この判定手段54が「不良」と判定した場合には、基板と検査用治具を一度離間して、再度当接させて、導通接触状態を判断することになる。なお、この第二抵抗値を判定するための基準抵抗値は、上記の如き設定することができるが、検出端子9として利用される接触子CPと検査点Pの接触状態は、電気的な導通が存在するか否かであり、直列接続される接触子CPが電気的な閉回路を形成して電流が流れるか否かであることを考慮して、基準抵抗値を設定することもできる。
【0029】
本基板検査装置1には、図示しない移動手段を備えている。この移動手段は、検査用治具(図示せず)を基板CBに接近させたり離反させたりする。この移動手段により、検査用治具は、基板と当接したり、離間されたりする。検査用治具の移動は、検査点に接触していた一対の接触子を、基板に対して平面方向(x軸方向及び/又はy軸方向及び/又はθ回転方向の組み合わせによる移動)に移動させても良いし、検査点から離間させて再度接触させても良いし(z軸方向の移動)、これらを組み合わせても良い。なお、この移動手段により、接触子CPと検査点Pとの導通接触が不良である場合には、導通接触状態が良好となるよう再当接されることになる。
【0030】
選出手段52は、基板CBの複数の配線の検査点Pから検査点間となる検査対象を設定するために、基板上に設定される検査点Pを選出して、検査点間を特定する。この選出手段52が検査点間を特定することにより、順次、検査が行われる検査点間が選出され、全ての検査点間の検査が実行される。なお、この選出手段52は、二つの検査点Pを検査点間として選出し、全ての配線の抵抗値測定が完了するまで、検査点(検査点間)が選出され続ける。
【0031】
この選出手段52が行う検査対象の配線W(検査点間)の選出方法は、予め記憶手段51に検査対象となる検査点間の順番が設定され、この順番に従って検査点間が選出される方法を例示することができる。この選出方法は特に限定されるものではなく、検査対象となる検査点が順序良く選出される方法であれば特に限定されない。
【0032】
この選出手段52は、四端子測定の場合、選出される二つの検査点Pに、上流側電力端子81及び下流側電力端子82と、上流側検出端子91と下流側検出端子92が夫々選出される。具体的には、検査対象となる配線Wが選出された場合には、配線Wの検査点P1と検査点P2が選出され、まず、検査点P1に上流側電力端子81と上流側検出端子91が接続するよう選出され、検査点P2に下流側電力端子82と下流側検出端子92が接続するよう選出される。
【0033】
本基板検査装置1では、検査対象となる検査点間の導通検査を実施するために電力を供給することができるように、一方の検査点側に上流側電力端子81が電気的に接続され、他方の検査点側に下流側電力端子82が電気的に接続されることになる。また、検査点間の電圧を測定するため、一方の検査点側に上流側検出端子91が電気的に接続され、他方の検査点側に下流側電力端子92が電気的に接続されることになる。
【0034】
例えば、
図2で示される場合、基板CBの配線Wに第一検査点P1と第二検査点P2が設定されており、この検査点間の抵抗値を検査対象として、四端子測定により検査する場合について説明する。第一検査点P1に二本の接触子CP1と接触子CP2が当接され、第二検査点P2にも二本の接触子CP3と接触子CP4が当接される。なお、この
図2では、接触子CP1と接触子CP2が、また、接触子CP3と接触子CP4が、一対の接触子として設定されていることになる。
【0035】
この場合、検査点間の抵抗値を測定する際には、例えば、第一検査点P1に当接される片方の接触子CP1のスイッチ素子SW1がONされて、電源手段2の上流側と接続される上流側電力端子81と電気的に接続される。また、他方の接触子CP2のスイッチ素子SW3がONされて、検出手段3の上流側と接続される上流側検出端子91と電気的に接続される。また、第二検査点P2に当接される片方の接触子CP3のスイッチ素子SW4がONされて、検出手段3の下流側と接続される下流側検出端子92と電気的に接続される。他方の接触子CP4のスイッチ素子SW2がONされて、電源手段2の下流側と接続される下流側電力端子82と電気的に接続される。
【0036】
このようにスイッチ素子SWをON又はOFF制御することにより、第一検査点P1と第二検査点P2の検査点間に電力を供給するとともにこの検査点間の電圧を検出することができ、これらの電流値(電流情報)と電圧値(電圧情報)から、検査点間の抵抗値を算出手段53により算出させる。なお、上記説明でのスイッチのON/OFF動作は特に限定されるものではなく、上流側と下流側は入れ替えることができる。
【0037】
選出手段52は、接続手段4による接触子CP同士の導通接続も制御することができる。接続手段4は、接触子CP毎に対応するスイッチ素子SW5が設けられており、このスイッチ素子SW5がON/OFFすることで接触子CPを接続させることがきる。例えば、
図3で示される如き二つの配線W1と配線W2が検査対象として存在する場合、接触子CP1と接触子CP2が配線W1の検査点P3と当接し、接触子P3と接触子P4が配線W2の検査点P4と当接する場合、例えば、接触子CP2と接触子CP3を導通接続する際には、接触子CP2に対応する接続手段4のスイッチ素子SW5がONすると同時に接触子CP3に対応する接続手段4にスイッチ素子SW5がONする。このように二つのスイッチ素子SW5がONすることにより、接触子CP2と接触子CP3が直列接続されることになる。なお、この場合、接触子CP2と接触子CP3に夫々対応するスイッチ素子SW1〜スイッチ素子SW4はOFFされている。なお、
図3では、説明の都合上、配線W1と配線W2とは一部が示されている。
【0038】
切替手段7は、各接触子CPに導通接続される複数のスイッチ素子SWから構成されている。この切替手段7は、選出手段52からの動作信号により、ON/OFFの動作が制御される。このため、この切替手段7のスイッチング動作により、検査対象となる検査点間(配線)の選択を行うことができたり、所望する接触子CP同士を接続したりすることができる。
【0039】
電力端子8は、検査対象の検査点間に電力を供給するために、各配線上の検査点と接触子CPを介して接続される。この電力端子8は、電源手段2の上流側(正極側)と配線を接続する上流側電力端子81と、電源手段2の下流側(負極側)又は検出手段21と検査点とを接続する下流側電力端子82を有している。この電力端子8の上流側電力端子81及び下流側電力端子82は、保護抵抗を介して検査点と導通するよう設けられても良い。これらの上流側電力端子81と下流側電力端子82は、夫々に切替手段7のスイッチ素子SWを有しており、この切替手段7のスイッチ素子SWのON/OFF動作により、接続状態/未接続状態が設定されることになる。この保護抵抗は、静電気放電(electro-static discharge)保護用の抵抗として利用される。
【0040】
検出端子9は、検査点間の電気的特性を検出するための電圧を検出するために、各配線の検査点と接触子CPを介して接続される。この検出端子9は、検出手段3の上流側(正極側)と配線の検査点を接続する上流側検出端子91と、検出手段3の下流側(負極側)と配線の検査点を接続する下流側検出端子92を有してなる。この検出端子9の上流側検出端子91及び下流側検出端子92は、保護抵抗を介して配線の検査点Pと導通するよう設けられても良い。これらの上流側検出端子91と下流側検出端子92は、電力端子8と同様、夫々に切替手段7のスイッチ素子SWを有しており、この切替手段7のスイッチ素子SWのON/OFF動作により、接続状態/未接続状態が設定されることになる。
【0041】
電力端子8、検出端子9及び接続端子4は、
図1で示される如く、検査点に導通接触する一本の接触子CPに対して、五つの端子が配置されることになるとともに、接触子CPとの導通接続を各端子のON/OFF制御を行う五つのスイッチ素子SW(SW1〜SW5)が備えられている。なお、
図1では、上流側電力端子81の動作を制御するスイッチ素子を符号SW1とし、上流側検出端子91の動作を制御するスイッチ素子を符号SW3とし、下流側電力端子82の動作を制御するスイッチ素子を符号SW2とし、下流側検出端子92の動作を制御するスイッチ素子を符号SW4とし、接続端子4との導通接続を制御するためのスイッチ素子を符号SW5として示している。
【0042】
この
図1の基板検査装置1の概略構成では、電源手段2が検査点間に所定の電位を供給した場合の検査点間での電気的特性を検出するための電流検出手段6が配置される。この電流検出手段6は、電気的特性(電流値)を検出することができる。この電流検出手段6は、電源手段2が所定電位を与えた場合の電流の大きさを検出することでき、また、検出した電流値を基に電源手段2へ供給する電流をフィードバック制御することもできる。電流検出手段6には、例えば電流計を用いることができる。
【0043】
表示手段10は、基板や検査点間の測定結果や検査結果を表示する。また、この表示手段10は、制御手段5が検査用治具の接触子CPと検査点Pの導通接触不良を検出した場合にその旨を表示したり、この不良状態を通知して再度基板と検査用治具の当接をやり直すよう促す通知を表示したりする。この表示手段10が表示する検査の表示方法や通知方法は、例えば、検査を行った導通接触状態に関して「良好」、「不良」や「異常」や「再当接」等を表示するように機能させることができる。
以上が本発明に係る基板検査装置1の構成の説明である。
【0044】
次に本発明にかかる基板検査装置の動作について説明する。
図4は、本発明にかかる基板検査装置1の動作についてのフローチャートを示す。本発明の基板検査装置1は、検査用治具に設けられる複数の接触子CPが所望する検査点Pと確実に導通接触状態であるかどうかを容易に確認することにある。
【0045】
まず、基板検査装置1の記憶手段51に検査を実行するために、検査対象となる基板の情報を入力する(S1)。このとき、検査対象となる検査点の位置情報や、検査順序となる検査点間の情報や、基板上に設定される検査点間の設計情報などが入力される。検査対象となる基板Tの検査点間に印加される電流の電流情報や、基板の種類などの情報も記憶手段51に記憶される。また、検査点間の良/不良を判定するための基準抵抗値が、夫々の検査点間に応じてこの記憶手段51に格納される。さらに、検査用治具の接触子CPと検査点Pとの接続を確認するために、各検査点Pの四端子測定法を実施するために検出端子9と導通接触する接触子CPの情報と、これらの接触子CPを直列接続するための接続端子4の情報が格納されることになる。
【0046】
次に、基板検査装置1に上記の如き検査を実施するために必要な情報が格納されると、基板検査装置1に検査対象となる基板CBが載置台に載置される。この基板CBが所定の位置に載置されると所定の検査位置に搬送される。所定の検査位置に搬送された基板CBは、例えば、その表裏面側から多針状の基板検査用治具(複数の接触子を備える検査用治具)が、各検査点に一対の接触子が必要に応じて夫々当接するように、この基板CBを挟持するように配置され、検査の実行準備がなされる(S2)。
【0047】
検査用治具が基板CBに当接されると、検査点Pに対して二本の接触子CPが導通接触している必要がある。このため、これらの接触子CPが検査点Pに導通接触することを確認するために、まず、選出手段52が検査点Pに導通接触する接触子CPのうち検出端子9と接続される接触子CPが選出される。このとき、この選出される接触子CPは、直列接続されるように、接続端子4のスイッチ素子SW5が接続されることになる(S3)。
【0048】
図5は、基板CBの検査点P(検査点P1〜検査点P8)に対して、夫々二本の接触子CPが当接している状態を示した概略図であり、
図6は、検出端子9に接続される接触子CPを直列接続して、これらの接触子CPと検査点Pとの導通接触状態を確認する様子を示す概略図である。
図5及び
図6では、基板CBに四つの配線が形成され、夫々の端部に検査点P(P1〜P8)が設けられている。これらの検査点Pに接触子CP1〜接触子CP16が当接される。この
図5及び
図6を用いて、本発明の動作について説明する。なお、これらの接触子CPに対応する上流側電力供給端子81及び下流側電力供給端子82と、上流側検出端子91と下流側検出端子92と接続端子4が備えられているが、図面ではこれら全てを示しておらず、説明の都合上、接触子CPに対して、検査点Pと接触子CPの導通接触の状態を確認する場合に使用される端子とそのスイッチ素子SW(スイッチ素子SW1〜スイッチ素子SW5)のみを示している。また、スイッチ素子SWを使用しない箇所に関しては、スイッチ素子SWとして、どのスイッチ素子SWにも接続されず、解放状態に設定していることを示している。
【0049】
まず、これらの接触子CPの中から、検出端子9と接続される接触子CPが選出される。接続される接触子CPが選出されると、これらの接触子CPを直列接続させるよう接続端子4のスイッチ素子SW5がON/OFF動作する。
【0050】
この
図5で示される接触子CPのうち、検出端子9と接続される接触子CPは、接触子CP2、接触子CP4、接触子CP6、接触子CP9、接触子CP12、接触子CP13と接触子CP15となる。このうち、接触子CP2と接触子CP13は、上流側電力供給端子81と下流側電力供給端子82、更には、上流側検出端子91と下流側検出端子92と夫々接続されることになる。接触子CP2は、スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW3がONされて、電源手段2と検出手段3と夫々接続される。接触子CP13は、スイッチ素子SW2スイッチ素子SW4がONされて、電源手段2と検出手段3と夫々接続されることになる。また、接触子CP4、接触子CP6、接触子CP9、接触子CP12と接触子CP15は、検出端子9と接続される接触子CP(接触子CP2、接触子CP4、接触子CP6、接触子CP9、接触子CP12、接触子CP13と接触子CP15)が直列接続されるように、接続端子4を接続するスイッチ素子SW5がONされることになる。
【0051】
このとき、接触子CP1、接触子CP3、接触子CP5、接触子CP8、接触子CP10、接触子CP11、接触子CP14と接触子CP16は夫々いずれの端子とも接続されておらず、夫々の各スイッチ素子SW(スイッチ素子SW1〜スイッチ素子SW5)はOFFされている(
図6参照)。このようにして、検出端子9に接続される接触子CPのみの閉回路が形成される。
【0052】
図6で示される閉回路が形成されると、電源手段2は電力を供給する。電力供給手段2が電流を供給すると、この電流は、接触子CP2を介して、接触子CP4、接触子CP7、接触子CP6、接触子CP9、接触子CP12、接触子CP15と接触子CP13を経由して電源手段2へ戻ることになる。つまり、四端子測定法が実施される際に、検出端子9と接続される接触子CPが全て直列接続されていることになる。また、検出手段3と、接触子CP2と接触子CP13が接続されているので、この間の電圧値を測定することができる。このとき、選出手段52が各切替手段7のスイッチ素子SWのON/OFF動作の制御を行うことで、上記の閉回路を形成するとともに、検出手段3による電圧値の測定が行われる(S4)。
【0053】
電圧値の測定が実施されると、電源手段2からの電流値と検出手段3からの電圧値を基に、算出手段53により抵抗値が算出される(S5)。この抵抗値を基に、検出端子9と接続される接触子CPと検査点Pとの導通接触の状態が判定される。この抵抗値が基準抵抗値の範囲内に存在すれば、接触子CPの導通接触状態が良好であると判定する(S6)。一方、この抵抗値が基準抵抗値の範囲外に存在すれば、接触子CPの導通接触状態が不良であると判定する(S7)。
【0054】
接触子CPの導通接触状態が良好であれば、基板CBの配線の四端子測定法による抵抗値の測定が開始される(S8)。一方、接触子CPの導通接触状態が不良であれば、検査用治具を基板CBから離反させる。その後、再度検査用治具が基板CBを挟持するように、検査用治具を移動させる(S2)。
【0055】
本発明では、電力供給端子8に接続される接触子CPの検査点Pとの導通接触状態は確認していないが、電力供給端子8は、検査点間の抵抗値の測定を実施する際に、検査点間へ電力を供給することになる。このため、電力供給端子8に接続される接触子CPが検査点Pと導通接触状態が不良であれば、電力が供給されることができないため、その影響が検出手段3へ反映されることになる。このときに、電力供給端子8に接続される接触子CPが、検査点Pとの導通接触状態が不良であることがわかる。この後、検査用治具を基板CBと離反させて、再度挟持するようにしても良い。
【0056】
また、配線自体に不良が存在し、検出端子9に接続される接触子CPを直列に接続して、導通接触の状態を確認する場合に影響を与える場合があるが、配線自体に不良が存在する場合と接触子CPの導通接触不良との発生する確率は、接触子CPによる導通接触の不良状態が発生する確率がはるかに大きい。このため、まずは、接触子CPの導通接触の不良状態を検出することが、検査効率を向上させることになる。
【0057】
検出端子9に接続される接触子CPを直列接続して導通接触状態を判定する場合には、電源手段2から行われる電力供給では、一度電力が供給されて判定された後、逆極の電力(例えば、正極・負極の入れ替えや供給される電流を逆向きとする等)を供給することもできる。このように、一度目に供給される電流と、二度目に供給される電流との電流の向き又は正負を入れ替えることにより、検査点Pに酸化膜が形成されていた場合であっても、この酸化膜を除去することができ、より精度良く二回の検査を実施することができる。
【0058】
検出端子9に接続される接触子CPの検査点Pの導通接触状態時に、上記の如き極性の相違する電流を供給することで、検査点Pの表面に形成される酸化膜をも除去することができ、従来検査対象を測定する直前に行っていた酸化膜除去に関しても、一度に実施することが可能となり、極めて検査効率を向上させることができる。
以上が、本基板検査装置の基本動作の説明である。