(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
[基板製造用キャリア部材]
まずは、
図1に示す基板製造用キャリア部材5を参照しながら本発明の基板製造用キャリア部材(以下、単にキャリア部材と称することがある。)の一態様について説明する。なお、必要に応じて
図1に記載の番号を付して説明するが、たとえ番号が付与されていても以下の説明は
図1の構成に限定されず、本発明の基板製造用キャリア部材全般を対象とする説明である。
本発明のキャリア部材は、絶縁層1の片面又は両面に第1金属層2が配置されており、第1金属層2の一面に接着層3が配置され、さらに接着層3の一面にキャリア付き金属箔4が配置されている。ここで、本発明のキャリア部材は、基板、より詳細にはコアレス基板の製造に用いられるキャリア部材であるため、キャリア付き金属箔4の一面に形成されることになるビルドアップ層をあとで切り離す必要があるため、キャリア付き金属箔4のキャリアと金属箔とを切り離すべく、キャリア付き金属箔4のキャリアと金属箔との引き剥がし強度が、第1金属層2と接着層3との引き剥がし強度よりも0.4kN/m以上小さくなっている。なお、キャリア付き金属箔4において、キャリアと金属箔のいずれが接着層3側に位置していてもよい。
【0009】
キャリア付き金属箔のキャリアと金属箔との引き剥がし強度は、第1金属層2と接着層3との引き剥がし強度よりも0.4kN/m以上小さく、0.6kN/m以上小さくてもよく、0.7kN/m以上小さくてもよい。キャリア付き金属箔のキャリアと金属箔との引き剥がし強度が、第1金属層2と接着層3との引き剥がし強度よりも0.4kN/m以上小さくすることにより、第1金属層2と接着層3との剥離が十分に抑制される。
次に、第1金属層2と接着層3との引き剥がし強度と、キャリア付き金属箔4のキャリアと金属箔との引き剥がし強度のそれぞれについて説明するが、両者が上記関係を満たすことを前提としたものである。
第1金属層2と接着層3との引き剥がし強度は、0.4kN/m以上であってもよく、0.6kN/m以上であってもよい。上限に特に制限はないが、3kN/m以下であってもよく、2kN/m以下であってもよく、1.5kN/m以下であってもよい。
一方、キャリア付き金属箔4のキャリアと金属箔との引き剥がし強度は、0.005〜0.05kN/mであってもよく、0.005〜0.03kN/mであってもよい。キャリア付き金属箔4のキャリアと金属箔との引き剥がし強度が0.005kN/m以上であれば、基板製造工程での加熱や薬品等による意図しない剥離が起こり難い傾向にあり、0.03kN/m以下であれば、ビルドアップ層の分離の際に、キャリア付き金属箔4のキャリアと金属箔との剥離が容易となる傾向にある。
なお、本明細書において、引き剥がし強度は全て実施例に記載の方法に従って測定した値である。
【0010】
本発明のキャリア部材の厚みは50〜2000μmであり、且つ第1金属層1の厚みが10〜210μm及びキャリア付き金属箔4全体の厚みが5〜120μmである。このような構成を採ることによって、キャリア部材の剛性が高まり、どのような構成材料を用いてもそり量の低減効果が高まる。
なお、第1金属層1の厚みは、前述のとおり10〜210μmであるが、12〜210μmであってもよく、35〜210μmであってもよく、45〜210μmであってもよく、50〜210μmであってもよい。第1金属層1の厚みが10μm以上であるとそり量の低減効果が大きい。第1金属層1の厚みが210μm以下であると、キャリア部材が重くなり過ぎず、ハンドリング性が良好となる。第1金属層1の厚みは、前記範囲の中でも、160μm以下であってもよく、140μm以下であってもよく、120μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
また、キャリア付き金属箔全体の厚みは、前述のとおり5〜120μmであるが、5〜80μmであってもよく、5〜40μmであってもよい。キャリア付き金属箔全体の厚みが5μm以上であると、そり量の低減効果が大きい。キャリア付き金属箔全体の厚みが120μm以下であると、キャリア部材が重くなり過ぎず、ハンドリング性が良好となる。
なお、キャリア部材の厚みは、50〜2000μmであってもよく、200〜1500μmであってもよく、400〜1000μmであってもよい。
なお、層の厚みは、キャリア部材のコーナー部分の4箇所と中央部分の1箇所の計5箇所を10mm角に切り取り、断面を研磨し、SEM(走査電子顕微鏡「S−3400N」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定することができる。但し、市販品を用いる場合には、カタログに記載の厚みを参照することができる。
以下、本発明のキャリア部材の各層について詳細に説明する。
【0011】
〔絶縁層〕
絶縁層は、基板製造工程での加熱や薬品等に耐えられるものであれば特に制限されず、例えば、熱硬化性樹脂基板、熱可塑性樹脂基板等でもよいし、骨基材で補強した熱硬化性樹脂基板、骨基材で補強した熱可塑性樹脂基板等のプリプレグでもよい。
熱硬化性樹脂基板に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。また、特にこれらに制限されず、公知の熱硬化性樹脂を使用できる。これらの中でも、成形性及び電気絶縁性に優れる点で、エポキシ樹脂、シアネート樹脂から選択してもよく、エポキシ樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
また、熱可塑性樹脂基板に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
補強用に使用し得る骨基材としては、例えば、ガラスファイバ、カーボンファイバ、ボロンファイバ等の無機ファイバ;綿、紙、麻等の天然繊維;銅線、アルミ線、ステンレス線等の金属繊維;アラミド繊維、ポリアクリレート繊維等の有機繊維の織布又は不織布などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
プリプレグとしては、具体的には、ガラス織布プリプレグ、ガラス不織布プリプレグ、アラミド不織布プリプレグ等が挙げられる。
絶縁層の厚みは、0.05mm〜5mmであってもよい。0.05mm以上であれば、基板の保持強度が保たれる傾向にあり、5mm以下であれば、製造工程でのハンドリング性が良好となる傾向にある。
【0012】
〔第1金属層〕
第1金属層の厚みが前記範囲内であれば、第1金属層の材料に特に制限はないが、例えば、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。これらの中でも、そり量の低減の観点等から、金属層の材料としては、銅、アルミニウムから選択してもよく、銅であってもよい。
第1金属層としては、電解箔及び圧延箔のいずれを使用することもできる。
【0013】
第1金属層は、第1金属層と接着層との引き剥がし強度を高める観点から、前記絶縁層側ではない一面が粗化処理されていてもよい。
粗化処理の方法に特に制限はなく、黒化処理、機械研磨、化学研磨等を利用できる。機械研磨としては、例えば、サンドブラスト、液体ホーニング、ブラシ研摩等が挙げられ、化学研磨としては、酸溶液又はアルカリ溶液を用いて表面を粗化する方法が挙げられる。化学研磨の方法としては、マイクロエッチング剤を用いたマイクロエッチング法を採用できる。該マイクロエッチング剤としては、例えば、メック株式会社製の有機酸系マイクロエッチング剤である、「メックエッチボンドCZ−8100」及び「メックエッチボンドCZ−8101」等が挙げられる。
【0014】
〔接着層〕
接着層の材料は、基板製造工程での加熱や薬品等に耐えられるものであれば特に制限はない。接着層は、樹脂シート、樹脂フィルム又はプリプレグからなる層であってもよい。
樹脂シート及び樹脂フィルムは、前記熱硬化性樹脂又は前記熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物(それぞれ、熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物と称する。)をシート状又はフィルム状に成形したものであり、一般的には接着シート又は接着フィルム等と称されることもある。前記熱硬化性樹脂組成物及び前記熱可塑性樹脂組成物はいずれも、無機充填剤等の添加剤を含有していてもよい。また、前記熱硬化性樹脂組成物及び前記熱可塑性樹脂組成物は、有機溶剤を含有させてワニスの状態とすると、樹脂シート又は樹脂フィルムを成形し易くなる傾向にある。
プリプレグとしては、前記絶縁層に用いられるプリプレグと同様に説明され、絶縁層と同じプリプレグを利用することもでき、また、そりの低減の観点から、絶縁層と同じプリプレグを利用してもよい。
接着層の厚みは、5〜200μmであってもよく、20〜100μmであってもよい。
【0015】
〔キャリア付き金属箔〕
キャリア付き金属箔とは、金属箔から容易に剥離可能なキャリアが金属箔に配置されたものである。本発明のキャリア部材にキャリア付き金属箔を用いることで、キャリア付き金属箔におけるキャリアと金属箔との引き剥がし強度を、第1金属層と接着層との引き剥がし強度よりも小さくすることができ、後述する基板の製造が容易となる。
キャリア付き金属箔のキャリアの材料としては、例えば、銅箔、銅合金箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、亜鉛箔等が挙げられる。これらの中でも、銅箔、銅合金箔から選択してもよい。また、キャリア付き金属箔の金属箔もキャリアの材料と同じものが挙げられる。なお、銅合金箔としては、チタン銅箔、タングステン銅箔、ベリリウム銅箔、黄銅箔等が挙げられる。
キャリア付き金属箔のキャリア及び金属箔としては、電解箔及び圧延箔のいずれを使用することもできる。
キャリア付き金属箔のキャリアの厚みと金属箔の厚みの比率[キャリア:金属箔]は、50:1〜2:1であってもよく、20:1〜2:1であってもよい。
また、キャリア付き金属箔全体の厚みは、10〜200μmであってもよく、10〜100μmであってもよく、10〜80μmであってもよい。
なお、キャリア付き金属箔のキャリアと金属箔とは、いずれが接着層側に位置していてもよい。
【0016】
[基板の製造方法]
本発明はさらに、前記基板製造用キャリア部材を用いた基板の製造方法、より詳細にはコアレス基板の製造方法を提供する。より具体的には、前記基板製造用キャリア部材におけるキャリア付き金属箔の一面にビルドアップ層を形成した後、前記キャリア付き金属箔のキャリアと金属箔とを分離する工程を有する、基板の製造方法を提供する。
ビルドアップ層の形成方法に特に制限はなく、公知の方法を採用できる。例えば、ビルドアップ層は次の方法によって形成できる(
図2参照)。
まず、前記基板製造用キャリア部材上に絶縁層6を配置するか、又は必要に応じてソルダーレジスト層を配置してから、該ソルダーレジスト層上に絶縁層6を配置する。該絶縁層6の材料としては、例えば前記絶縁層の説明における熱硬化性樹脂基板及び熱可塑性樹脂基板が挙げられる。なお、前記基板製造用キャリア部材上には接着層を配置した上で、絶縁層6を配置又は前記ソルダーレジスト層と絶縁層6とを配置してもよい。
次いで、ドリル切削方法、又はYAGレーザーもしくはCO
2レーザー等を用いるレーザー加工方法などによってビアホール7を形成した後、必要に応じて表面粗化処理及びデスミア処理を行なう。続いて、サブトラクティブ法、フルアディティブ法、セミアディティブ法(SAP:Semi Additive Process)又はモディファイドセミアディティブ法(m−SAP:modified Semi Additive Process)等によって回路パターン8を形成する。以上の過程を繰り返すことによって、ビルドアップ層9が形成される。ビルドアップ層9の最外層には、さらにソルダーレジスト層を設けてもよい。該ソルダーレジスト層の材料としては公知の材料を用いることができ、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から選択される少なくとも1種であってもよい。該ソルダーレジスト層は、はんだ付けの際に回路パターンにはんだが塗布されないように保護する役目を果たす。
また、ビスドアップ層9は、前記基板製造用キャリア部材の片面に形成してもよいし、両面に形成してもよい。
ビルドアップ層9を形成した後、前記キャリア付き金属箔のキャリアと金属箔とを分離することによって、いわゆる「コアレス基板」が得られる。そり量が低減されて意図しない剥離が抑制され、それによって基板中の製品有効面積を大きく維持できる本発明の基板製造用キャリア部材を用いるため、コアレス基板を高い生産効率で製造できる。
【実施例】
【0017】
以下、実施例により本発明の説明をする。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0018】
[測定方法]
各実施例及び比較例において、以下の方法により、そり量の測定を行った。
【0019】
(A.そり量の測定方法)
各例で製造したビルドアップ用基板から500mm角の試験用サンプルを切り出し、製品を水平な定盤の上に基板のそり方向(凸面)を上にして配置し、定盤と製品の間に生じた最大の隔たり(間隙)をシクネスゲージ(東京シクネス株式会社製、0.1mm刻みの間隙測定用)を用いて測定した。
【0020】
また、引き剥がし強度の測定は以下の方法に従って行った。
(B.第1金属層と接着層との引き剥がし強度の測定方法)
各例で得られた基板製造用キャリア部材を用いて、テンシロン(ヤマト科学株式会社製)によって第1金属層と接着層との引き剥がし強度を測定した。測定は両面で実施し、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0021】
(C.キャリア付き金属箔のキャリアと金属箔との引き剥がし強度の測定方法)
使用する前のキャリア付き金属箔を用いて、テンシロン(ヤマト科学株式会社製)によってキャリアと金属箔との引き剥がし強度を測定した。結果を表1に示す。
【0022】
[実施例1]
厚み0.1mmのプリプレグ(I)「GEA−679FG」(日立化成株式会社製)の両面に、第1金属層(A1)「GTS−MP−70」(銅箔、古河電気工業株式会社製)を配置し、175℃、90分、3.0MPaの条件でプレスを行った。得られた銅張積層板について、メック株式会社製「メックエッチボンド(登録商標)CZ−8101」を用い、第1金属層(A1)の表面に処理温度30℃、スプレー圧0.2MPaの条件で表面の粗化処理〔算術平均粗さ(Ra):1μm〕を行った。
さらに銅張積層板の両面に前記プリプレグ(I)及びキャリア付き銅箔(B1)「MT18EX−3」(三井金属株式会社製)をキャリアが最外層となるように配置し、上記同条件にてプレスを行い、基板製造用キャリア部材を得た。
得られた基板製造用キャリア部材の両面にアディティブ用絶縁樹脂接着シート(C1)「ABF−GX−13」(味の素ファインテクノ株式会社製)を配置し、100℃、0.5Nk/m、40秒の条件で真空ラミネートを実施した。その後、180℃で30分仮硬化を行い、ビルドアップ用基板(1)を得た。
得られたビルドアップ用基板(1)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0023】
[実施例2]
実施例1において、第1金属層(A1)の代わりに第1金属層(A2)「GTS−12」(銅箔、古河電気工業株式会社製)を使用したこと以外は同様に操作を行い、ビルドアップ用基板(2)を得た。
得られたビルドアップ用基板(2)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0024】
[実施例3]
実施例1において、キャリア付き銅箔(B1)の代わりにキャリア付き銅箔(B2)「DTH−TZA−5」(古河電気工業株式会社製)を使用したこと以外は同様に操作を行い、ビルドアップ用基板(3)を得た。
得られたビルドアップ用基板(3)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0025】
[比較例1]
厚み0.1mmのプリプレグ(I)「GEA−679FG」(日立化成株式会社製)1枚の両面にキャリア付き銅箔(B1)「MT18EX−3」(三井金属株式会社製)を配置し、175℃、90分、3.0MPaの条件でプレスし、基板製造用キャリア部材を得た。得られた基板製造用キャリア部材の両面にアディティブ用絶縁樹脂接着シート(C1)を配置し、100℃、0.5Nk/m、40秒の条件で真空ラミネートを実施した。その後、180℃で30分仮硬化を行い、ビルドアップ用基板(4)を得た。
得られたビルドアップ用基板(4)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0026】
[比較例2]
比較例1において、プリプレグ(I)を3枚重ねて用いたこと以外は同様にして操作を行い、ビルドアップ用基板(5)を得た。
得られたビルドアップ用基板(5)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0027】
[比較例3]
実施例1において、第1金属層(A1)の表面に粗化処理を行わなかったこと以外は同様にして操作を行い、ビルドアップ用基板(6)を得た。
但し、基板製造用キャリア部材の両面にアディティブ用絶縁樹脂接着シート(C1)を配置して真空ラミネートした時に、第1金属層と接着層の間で剥離の発生が目視により確認された。
得られたビルドアップ用基板(6)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0028】
[参考例1]
実施例1において、キャリア付き銅箔(B1)の代わりに、キャリアと銅箔との引き剥がし強度が0.003kN/mであるキャリア付き銅箔(B3)「MT18EX−3(引き剥がし強度調製品)」(三井金属株式会社製)を用いたこと以外は同様にして操作を行い、ビルドアップ用基板(7)を得た。
但し、基板製造用キャリア部材の両面にアディティブ用絶縁樹脂接着シート(C1)を配置して真空ラミネートした時に、キャリアと銅箔の間で剥離の発生が目視により確認された。
得られたビルドアップ用基板(7)のそり量を前述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1より、実施例1〜3で得た基板製造用キャリア部材は、両面にアディティブ用絶縁樹脂接着シート(C1)を配置して前記条件にて真空ラミネートし、さらに仮硬化した後のビルドアップ用基板のそり量が少なかった。
一方、比較例1及び2で得た、第1金属層を有さない基板製造用キャリア部材は、両面にアディティブ用絶縁樹脂接着シート(C1)を配置して前記条件にて真空ラミネートし、さらに仮硬化した後のビルドアップ用基板のそり量が多かった。また、比較例3では、第1金属層と接着層の間で剥離が確認されており、生産性が低下するため工業的に不利である。