特許第6593062号(P6593062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593062
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20191010BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20191010BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20191010BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20191010BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20191010BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20191010BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20191010BHJP
   F21V 11/08 20060101ALI20191010BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20191010BHJP
【FI】
   H01L33/50
   H01L33/00 H
   F21S2/00 100
   F21V9/30
   F21V3/00 320
   F21V3/02
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21V19/00 450
   F21V11/08
   F21Y115:00
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-187550(P2015-187550)
(22)【出願日】2015年9月25日
(65)【公開番号】特開2017-63115(P2017-63115A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】末永 良馬
【審査官】 百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−509516(JP,A)
【文献】 特開2011−158859(JP,A)
【文献】 特開2013−191667(JP,A)
【文献】 特表2007−531302(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0228868(US,A1)
【文献】 特開2015−135461(JP,A)
【文献】 特表2015−506546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
F21K 9/00−9/90
F21S 2/00−45/70
F21V 19/00−19/06
F21V 3/00
F21V 3/02
F21V 9/30
F21V 11/08
F21V 19/00
F21Y 115/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光面に波長変換部材を備えた第1光源と、
前記第1発光面と離間して対向する第2発光面を備え、波長変換部材を備えない第2光源と、
前記第2発光面からの光は、前記波長変換部材に照射されることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第1発光面と前記第2発光面は、面対称に配置されている請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1発光面は、その発光中心が前記第2発光面よりも上側に位置している請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1発光面と前記第2発光面は、平行に配置されている請求項1記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1光源と前記第2光源は、基体上に載置されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1光源及び前記第2光源の上部にカバーを備え、該カバーは前記第1光源及び前記第2光源からの光が取り出される貫通孔を備える請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記貫通孔の開口面積は、前記第1発光面と前記第2発光面の面積の総和よりも小さい請求項6記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子を用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体である発光素子と、発光素子からの光を異なる波長の光に変換する蛍光体とを用いたLED(発光ダイオード)などの発光装置が、一般照明、街路灯、車載ヘッドランプ等の光源として利用されている。発光装置の高輝度化を実現するために、複数の発光素子が搭載された発光装置が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−339060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の発光素子を用いると、それに伴い発光装置の発光面積も大きくなるため、2次レンズで配光を制御しにくくなる。また、発光装置の輝度を高めるためには電流密度を高める方法が考えられるが、電流密度に応じて信頼性のリスクも高まるため、単一の発光素子では得られる輝度に限界がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するために、以下の構成を含む。
第1発光面に波長変換部材を備えた第1光源と、第1発光面と離間して対向する第2発光面を備え、波長変換部材を備えない第2光源と、を有し、第2発光面からの光は、波長変換部材に照射されることを特徴とする発光装置。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成により、第1発光素子からの光が照射される波長変換部材に、第2光源からの光も照射されることができる。これにより、波長変換部材を励起する励起光が増分されることになり、単一の発光素子では得られなかった高い輝度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る発光装置を示す概略斜視図である。
図2A図2Aは、第1光源を示す概略斜視図である。
図2B図2Bは、図2Aに第1光源のA−A線における概略断面図である。
図3A図3Aは、第2光源を示す概略斜視図である。
図3B図3Bは、図3Aに第2光源のB−B線における概略断面図である。
図4図4は、一実施形態に係る発光装置を一部拡大した概略断面図である。
図5A図5Aは、一実施形態に係る発光装置を一部拡大した概略断面図である。
図5B図5Bは、一実施形態に係る発光装置を一部拡大した概略断面図である。
図6図6は、一実施形態に係る発光装置を一部拡大した概略断面図である。
図7図7は、一実施形態に係る発光装置を一部拡大した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態や実施例において説明する内容は、他の実施の形態や実施例にも適用可能である。
各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していること
がある。また、発光装置の光軸を垂直方向とし、この方向に光を取り出すものとして説明する。
【0009】
実施形態にかかる発光装置は、第1光源と、第2光源と、の少なくとも2つの光源を備えている。第1光源は第1発光面を備え、第2光源は第2発光面を備えており、それぞれの光軸は発光装置の光取り出し方向(光軸方向)とは異なる方向に向いている。さらに、第1発光面と第2発光面とは離間して対向するように配置されている。換言すると、第1光源の第1光軸方向に第2光源の第2発光面が位置しており、第2光源の第2光軸方向に第1光源の第1発光面が位置している。
【0010】
第1光源は、第1発光素子と、第1発光素子の第1発光面側に設けられる波長変換部材と、を備える。第1光源の第1発光面からは、第1発光素子からの光と、波長変換部材からの光との混色光が取り出される。
【0011】
第2光源は、第2発光素子を備えており、波長変換部材を備えていない。すなわち、第2光源の第2発光面からは、第2発光素子からの光が変換されずそのまま取り出される。
【0012】
第2光源からの光は、第1発光面側に向けて放射されるため、第1光源に設けられている波長変換部材は、第2光源からの光によっても励起される。つまり、第1光源の波長変換部材は、第1発光素子からの光と第2発光素子からの光との両方が照射される。そして、最終的に第1発光素子からの光と、第2発光素子からの光と、波長変換部材からの光と、が混色された光が、発光装置の光取り出し部から外部に放出される。
【0013】
このように、一方の光源に設けられた波長変換部材に、その光源内の発光素子からの光だけでなく、光源外の発光素子からの光をも照射されることで、波長変換部材の波長変換効率を向上させ、より高輝度の光を外部に放出することができる。高輝度は高出力と言い換えることもできる。また、2つの光源を、それぞれ発光装置の光取り出し部に向けて並べて配置する場合に比して、発光装置としての発光部の大きさを、小さくすることができる。すなわち、より高密度の光を、小さい発光面積で取り出すことができる。
【0014】
第1光源及び第2光源の構成は、後述のように種々選択することができ、第1発光面と第2発光面とがなす角度については、15度〜45度とすることが好ましく、これにより光取り出し効率が向上する。更に、25度〜35度とすることで、より光取り出し効率が向上するため好ましい。尚、波長変換部材を備えた第1光源は、第1発光面を、発光装置の光取り出し部側に光軸が向くように(上斜め向きに)傾斜させて配置させる。
【0015】
また、第1発光面と第2発光面とは、発光装置の光軸と成す角度がそれぞれ同じ角度で傾斜して配置することができる。さらに、第1発光面の中心と発光装置の光取り出し部との距離が、第2発光面の中心と発光装置の光取り出し部との距離が同じになるように配置されていてもよく、あるいは、異なる距離となるように配置してもよい。また、第1発光面と第2発光面とは、平行になるように配置することもできる。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1に係る発光装置の一例を図1に示す。また、第1光源の一例を図2A図2Bに示し、第2光源の一例を図3A図3Bに示す。また、実施形態1に係る発光装置の一部拡大図(発光面近傍)の一例を図4に示す。
【0017】
発光装置1は、基体30と、第1光源10と、第2光源20と、を備えている。基体30は、上面側に基板固定部32を備え、下面側に放熱部34を備えている。基板固定部32は、第1光源10と第2光源20とをそれぞれ固定可能なように、対向する固定面を一対備えている。それぞれの固定面に第1光源10と第2光源20が固定されている。さらに、一対の基板固定部32の一方の上面から他方の上面に渡るようにカバー40が載置されている。詳細には、第1光源10及び第2光源20の上部にカバー40が備えられる。カバー40は、一対の基板固定部32の間の上部に光取り出し部42である貫通孔を備えており、この貫通孔が発光装置1の光取り出し部(発光部)となる。前述のように、発光装置1の光軸を垂直方向としたが、詳細には、この貫通孔の中央を通る垂線が発光装置1の光軸である。
【0018】
第1光源10は、基板14と、基板14上に載置された第1発光素子12aと、第1発光素子12aの上面に配置された封止部材18と、を備えている。第1光源10の封止部材18は波長変換部材を含む。第2光源20は、基板24と、基板24上に載置された第2発光素子22と、を備える。第1光源10と第2光源20とは、それぞれ第1発光面10Aと第2発光面20Aとが離間して対向するように配置されている。
【0019】
実施形態1では、第1光源10と第2光源20とは、第1発光面10Aと第2発光面20Aとが、発光装置1の光軸に対して同じ角度だけ傾斜するように配置される。詳細には第1発光面10Aと第2発光面20Aとは光軸を基準として面対称(鏡面対称)となるように配置される。第1発光面10Aと第2発光面20Aとは、同じ形状、同じ大きさのものを用いることができるが、異なる形状、異なる大きさのものを用いることもできる。そのため、ここで第1発光面と第2発光面とが面対称となるように配置する、とは、その発光面の中心が面対称となる位置になるように配置することを意味する。
【0020】
尚、第1光源10と第2光源20とは、それぞれ、異なる大きさの基板を用いてもよく、また同じ大きさの基板であっても発光素子が異なる位置に載置されてもよい。つまり、第1光源10の全体と第2光源20の全体とが面対称となる必要はなく、あくまでも、第1発光面10Aと第2発光面20Aとが面対称となるように配置されていればよい。
【0021】
このように、第1発光面10Aと第2発光面20Aとを、発光装置1の光軸に対して面対称となるように配置させる場合、第1発光面10Aと第2発光面20Aとがなす角度Θは、15度〜45度が好ましく、更に、25度〜35度が好ましい。
【0022】
(実施形態2)
実施形態2に係る発光装置の一部拡大した一例を図5A図5Bに示す。実施形態2では、第1光源10の第1発光面10Aの高さと第2光源20の第2発光面20Aの高さとが異なるように配置されている。詳細には、第1発光面10Aの発光中心の位置が、第2発光面20Aの発光中心の位置よりも上側に位置するように配置される。換言すると、第1発光面が貫通孔(光取り出し部)42に近い位置に配置される。
【0023】
第1発光面10Aと第2発光面20Aとは、例えば、図5Aに示すように、第2発光面20Aの光軸が、第1発光面10Aの中心を通るように配置することができる。このように2つの光源を配置することで、第1発光面10Aからの光が、第2発光面20Aに当たりにくくすることができ、カバー40の光取り出し部(貫通孔)42からの光取り出し効率を向上させることができる。
【0024】
さらに、第1光源10と第2光源20との距離は、図5Bに示すように、より近接するように配置させることができる。詳細には、第2発光面20Aが、第1発光面10Aの延長上に位置するように配置することができる。このように配置させることで、発光装置を上方向から見ると、第1発光面10Aと第2発光面20Aとが連続するように配置されていることになる。つまり、カバーの貫通孔42の上側から視認すると、第1発光面10Aと第2発光面20Aの間に、発光しない領域が存在しない。これにより、2つの光源(第1発光面と第2発光面)があたかも1つの光源であるかのように視認することができる。
【0025】
(実施形態3)
実施形態3に係る発光装置の一部拡大した一例を図6に示す。第1光源10は、第1発光面10Aが発光装置の光軸に対して傾斜するように配置されている。第2光源20は、第2発光面20Aが発光装置の光軸と平行になるように、すなわち、第2光源20の光軸が、発光装置の光軸に対して垂直になるように配置されている。
【0026】
このように配置させることで、第2光源20からの光が、発光装置の光取り出し部42から直接外部に放出されにくくすることができ、色ムラを低減することができる。
【0027】
(実施形態4)
実施形態4に係る発光装置の一部拡大した一例を図7に示す。第1光源10の第1発光面10Aは、光取り出し部の方向に向いて配置される。第2光源20の第2発光面20Aが、発光装置の光取り出し部の方向とは反対方向に向くように傾斜して(下斜め方向を向いて)配置される。このように配置されることで、第2光源からの光が、発光装置の光取り出し部から外部に放出されにくくすることができる。
【0028】
また、本実施形態において、第2発光面20Aは、第1発光面10Aと平行になるように配置されてもよい。つまり、光取り出し部に対して、上斜め向きの第1発光面10Aと、下斜め向きの第2発光面20Aとを平行して配置させる。このように配置されることで、本実施形態4の発光装置は、第2光源からの光を、効率よく第1光源10に向けて出射することができ、第2光源での光変換をより効率よく行うことができる。
【0029】
以上のような各実施形態について用いられる部材について、以下、詳説する。
【0030】
(第1光源)
第1発光面を備えた第1光源は、第1発光素子と波長変換部材とを備えている。波長変換部材は、第1発光素子からの光を異なる波長の光に変換する。波長変換部材は、第1発光素子よりも第1発光面側に設けられており、第1発光素子からの光と、波長変換部材からの光との混色光が、第1発光面から放出される。
【0031】
第1光源は、第1発光素子と波長変換部材のほかに、これらを載置させる基板を備えるのが好ましい。さらに、第1光源は、基板と第1発光素子とを接合する接合部材を備えるのがより好ましい。波長変換部材は、蛍光体と透光性部材とを備えており、発光素子を被覆するように設けられる。また、基板と発光素子とを電気的に導通させる導電部材(導電性の接合部材、ワイヤ等)を備える。その他、ツェナーダイオードなどの保護素子や、サブマウント等を備えていてもよい。このような、第1光源として、例えば、表面実装型のLEDを基板に実装させたもの、ランプタイプのLEDを基板に実装させたもの、COB(Chip on Board)などがあげられる。後述では、発光素子と波長変換部材とを分けて説明しているが、例えば表面実装型のLEDを基板に実装した第1光源の場合、1つのLEDに発光素子と波長変換部材とが備えられており、そのLEDには発光素子と波長変換部材との加え、被覆部材や保護部材、あるいは、パッケージなどを備えていてもよい。
【0032】
(基板)
基板は、その上に発光素子を載置するための部材であり、発光素子が載置可能な面積及び形状の載置面を備える。基板は、放熱性の高い部材を用いることが好ましく、絶縁性又は導電性のものを用いることができる。好ましい材料としては、AlN、SiC、Al、ムライト、LTCC等のセラミック、シリコーン樹脂、シリコーン変成樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変成樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、BTレジン、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、又はポリフタルアミド(PPA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート等の熱可塑性樹脂等の樹脂、Cu、Fe、Al等の金属などが挙げられる。更に、実装される発光素子への給電が可能な配線を備えていてもよい。
【0033】
また、基板の表面は、第1光源からの光、及び、第2光源からの光に対する反射率が高いことが好ましい。特に発光素子が載置される面は、第1光源からの光、及び第2光源からの光に対する反射率が高いことが好ましい。例えば、反射率は、光源からの光に対する反射率を、70%以上、80%以上、90%以上とすることができる。上記の基板そのものを、この範囲の反射率とするほか、基板表面を被覆する光反射部材を設けることができる。光反射部材の材料としては、例えば、絶縁材料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウムなどを用いることができる。また、導電材料としては、Ag、Alなどを用いることができる。
【0034】
基板の外形形状としては、平板状が好ましい。ただし、基板の外形形状は、これに限られるものではなく、四角柱や三角柱などの角柱体、四角錐や三角錐などの角錐体、あるいは角錐台体や、更には、これらを組み合わせた形状等が挙げられ、その一部に切り欠きや凹凸、更には曲面を有していてもよい。
【0035】
(第1発光素子)
発光素子は、半導体発光素子を備える。基板上に、1個の発光素子が配置されていてもよく、あるいは2以上の発光素子が配置されてもよい。波長変換部材を励起可能な波長の光を発光可能なもののみを用いてもよく、あるいは、実質的に波長変換部材を励起しない波長の光を発光する発光素子を用いてもよい。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いたものを用いることができる。
【0036】
これらのうち、少なくとも、主波長が430nm〜490nmである青色系の光を出射可能な窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた発光素子を用いるのが好ましい。
【0037】
発光素子は、その大きさ(第1発光面側の面積)は、例えば、0.1mm〜2.0mmなどとすることができる。発光素子を複数備える場合は、その合計の値である。
【0038】
発光素子は、基板の上に、フェイスアップ実装又はフリップチップ実装されるものの、いずれでも用いることができ、好ましくはフリップチップ実装されるものである。フリップチップ実装することで、発光素子と透光性部材との間に、ワイヤなどを介することなく配置させることができる。
【0039】
(波長変換部材)
波長変換部材は、蛍光体と、それを保持する透光性部材とを備えるものであり、第1光源に設けられ、第1発光素子からの光を異なる波長の光に変換する部材である。また、波長変換部材は、第2光源の第2発光素子からの光も同様に、異なる波長に変換する部材である。
【0040】
蛍光体としては、粒状のものが用いられており、これらを固定するために、樹脂、ガラス、セラミックなどの透光性材料と併用して用いられており、さらに、光拡散剤などを含んでいてもよく、これらを含めて波長変換部材が構成されている。
【0041】
波長変換部材は、第1光源において、発光素子を直接又は間接的に被覆するように配置されるものであり、例えば、基板上に載置された発光素子上に、ポッティング、塗布、印刷、電着、スプレーなどの方法で設けてもよく、あるいは、板状又はシート状に成形したものを、発光素子上に貼り付けるなどの方法で設けてもよい。波長変換部材と発光素子とを間接的に被覆する場合、これらの間に透光性の部材(樹脂等)を介在させてもよいし、空間を介在させてもよい。
【0042】
例えば、第1光源として、発光素子と波長変換部材とを備えたLEDと、そのLEDを実装した基板と、を備えるものについて説明する。LEDとしては、凹部を備えたパッケージに第1発光素子が載置されたような構成の場合、パッケージ(フレームインサート樹脂パッケージ、セラミックパッケージ、ガラスエポキシパッケージ、メタルパッケージ等)の凹部内に、ポッティングなどで波長変換部材を設けるのが好ましい。
【0043】
また、LEDとしては、凹部を備えたパッケージではなく、発光素子の側面を光反射性の樹脂で被覆した構成のもの、又は、発光素子を基板上に載置したCOBなどを用いることができる。
【0044】
波長変換部材として、シートまたは板を用いる場合は、その厚みとしては、目的とする色調や用いる蛍光体の特性(発光波長、組成等)、発光素子の特性(数、発光波長、組成等)等に応じて適宜選択することができる。さらに、波長変換部材の厚みは、均一なものが好ましいが、部分的に厚い部分や薄い部分があっても構わない。さらに、波長変換部材が第1発光面を構成する場合、その表面は、平面のほか、凸面、凹面、プリズム面などとすることもできる。
【0045】
蛍光体は、フィッシャーサブシーブサイザーズナンバー(F.S.S.S.No.)測定法による平均粒径(Dバー)が2.5〜30μm程度とすることが好ましい。
【0046】
蛍光体としては、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、Ce(セリウム)で賦活されたYd(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Ceで賦活されたLAG(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Eu(ユーロピウム)及び/又はCr(クロム)で賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al−SiO)系蛍光体、Euで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF(KSiF:Mn)系蛍光体などを挙げることができる。また、量子ドット蛍光体も用いることができる。
【0047】
波長変換部材を構成する部材としては、蛍光体と透光性部材とを含むことが好ましい。透光性部材としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂、ガラス、セラミック等が挙げられる。また、透光性材料を用いずに、蛍光体のみを固めたものを用いてもよい。
【0048】
(接合部材)
接合部材は、基板の載置面上に、第1発光素子を固定する部材である。載置する発光素子の種類によって導電性接合部材又は絶縁性接合部材のいずれかを選択することができる。例えば、絶縁性基板であるサファイア上に窒化物半導体層を積層させた発光素子をフェイスアップ実装(絶縁性基板側を2次基板に実装)する場合、接合部材は絶縁性でも導電性でも良い。SiC基板などの導電性基板を用いる場合や、絶縁性基板を用いた発光素子をフリップチップ実装する場合は、導電性の接合部材を用いることで導通を図ることができる。絶縁性の接合部材としては、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、それらの変性樹脂、ハイブリッド樹脂等を用いることができる。これらの樹脂を用いる場合は、半導体発光素子からの光や熱による劣化を考慮して、発光素子裏面にAlやAg膜などの反射率の高い金属層や誘電体反射膜を設けることができる。この場合、蒸着、スパッタ、薄膜を接合させる、などの方法を用いることができる。また、導電性の接合部材としては、銀、金、パラジウムなどの導電性ペーストや、Au−Sn共晶などのはんだ、低融点金属等のろう材、Au、Cuなどのバンプなどを用いることができる。さらに、これら接合部材のうち、特に透光性の接合部材を用いる場合は、その中に発光素子からの光を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光部材を含有させることもできる。
【0049】
(その他の部材)
第1光源には、ワイヤを備えていてもよい。例えば、発光素子をフェイスアップ実装する場合は、第1発光素子の電極と基板の配線とを、ワイヤを用いて接合する。ワイヤとしては、銅、白金、アルミニウム等の金属及び少なくともそれらの金属を含有する合金を用いた導電性ワイヤが挙げられる。特に、熱抵抗等に優れた金を用いるのが好ましい。
【0050】
第1光源には、第1発光素子からの光を反射する光反射部材を備えていてもよい。例えば、基板上に実装された第1発光素子の側面を覆うように、光反射部材を設けてもよい。また、光反射部材は、第1発光素子と基板の間に設けてもよく、また、第1発光素子を複数備える場合は、第1発光素子と第1発光素子の間に光反射部材を設けてもよい。この場合、発光素子の側面に接するように光反射部材を設けてもよく、あるいは、透光性の樹脂や、絶縁性の無機材料(例えばSiOやAl等)等を介して発光素子の側面に形成されていてもよい。
【0051】
光反射部材は、無機粒子を含有する樹脂やガラスで構成することができる。光反射部材の母材となる樹脂やガラスは、目的や用途等に応じて種々選択することができ、なかでもシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂が好ましく、特に耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂がより好ましい。光反射部材は、印刷工法などにより形成することができるので、無機粒子を高濃度に含有させることができる。また、光反射部材は、粘度や流動性の調整のため、シリカ(アエロジル)などを添加されてもよい。
【0052】
光反射部材に添加される無機粒子の屈折率は、例えば1.8以上であって、光を効率的に散乱し高い光取り出し効率を得るために、2以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましい。光反射部材の母材の樹脂やガラスと無機粒子の屈折率差は、例えば0.4以上であって、光を効率的に散乱し高い光取り出し効率を得るために、0.7以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。また、無機粒子の濃度は、好ましい光反射特性や形成のしやすさ等を考慮して、10重量パーセント濃度(wt%)以上60重量パーセント濃度以下であることが好ましく、20重量パーセント濃度以上50重量パーセント濃度以下であることがより好ましい。無機粒子の平均粒径(メジアン径)は、高い効率で光散乱効果を得られることが可能な0.08μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。無機粒子は、白色であることが好ましい。具体的には、無機粒子は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウムなどを用いることができる。なかでも、酸化チタンは、水分などに対して比較的安定で且つ高屈折率であり、また熱伝導性にも優れるため、好ましい。
【0053】
第1光源は、第1発光素子に加え、ツェナーダイオード等の保護素子を備えていてもよい。保護素子は、基板に載置されていてもよく、あるいは、基板を支持する基体上に載置されていてもよい。
【0054】
(第2光源)
第2光源は、第2発光素子を備える。第2光源は、波長変換部材を備えない以外は、第1光源と同様の部材を用いることができる。
【0055】
第1光源では、第1発光素子を被覆する波長変換部材を備えているのに対し、第2光源では、波長変換しない封止部材で被覆されている。この封止部材は、発光素子を直接又は間接的に被覆するように配置されるものであり、例えば、基板上に載置された発光素子上に、ポッティング、塗布、印刷、電着、スプレーなどの方法で設けてもよい。詳細には、基板として凹部を備えたパッケージ(フレームインサート樹脂パッケージ、セラミックパッケージ、ガラスエポキシパッケージ、メタルパッケージ等)の場合、ポッティングなどで波長変換部材を設けるのが好ましい。
【0056】
(基体)
基体は、第1光源と第2光源とを一体的に保持するための部材であり、これらが離間して対向するように固定可能なように対向する一対の固定面を備えた基板固定部を備える。基体は、放熱性に優れた金属を用いるのが好ましく、例えばCu、Al等が挙げられる。また、例えば図1に示したように、フィンを備えた放熱部と熱的に連続するように構成されていてもよい。また、基体は、その表面で光を反射しにくいようにすることが好ましく、例えば、黒色などの暗色系とすることが好ましい。
【0057】
(カバー)
カバーは、発光装置の発光部(光取り出し部)となる貫通孔を備えており、基体に固定される。貫通孔は、その大きさや形状は、目的とする配向特性等に応じて適宜選択することができる。例えば、四角形、三角形、円形、多角形、楕円形、及びこれらを組み合わせた複合的な形状としてもよい。貫通孔の開口径(開口面積)は、第1発光面の面積と第2発光面の面積の総和よりも小さい面積、又は、大きい面積、又は、同じ大きさとすることができる。発光装置にカバーを設けることで、第2光源からの光が直接外部に放出されるのを抑制することができる。
【0058】
また、貫通孔の内側面は、発光装置の光軸に垂直でもよく、傾斜していてもよい。また、貫通孔の内側面は、段差を備えていても構わない。カバーは、光を遮断する遮光性の材料を用いるのが好ましく、例えば、金属板などが好ましい。
【0059】
尚、図1で示した発光装置は、その内部構成が分かりやすいように、第1光源と第2光源は、上面側に貫通孔を備えたカバーを備えた例を示している。つまり、カバーで覆われていない領域を備えている例を示しているが、カバーの貫通孔以外から外部に光が放出されないよう、更なるカバーを備えることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の発光装置は、各種一般照明、スキャナ、プロジェクタ、車載ヘッドランプなどに利用することができる
【符号の説明】
【0061】
1…発光装置
10…第1光源
10A…第1発光面
12…第1発光素子
12a…半導体積層体
12b…電極
14…基板
16…被覆部材
18…封止部材(波長変換部材)
20…第2光源
20A…第2発光面
22…第2発光素子
22a…半導体積層体
24a…電極
24…基板
26…被覆部材
27…封止部材
30…基体
32…基板固定部
34…放熱部
40…カバー
42…貫通孔(光取り出し部)
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7