(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593152
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】電子部品の検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
G01N21/956 B
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-248184(P2015-248184)
(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公開番号】特開2017-116263(P2017-116263A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐介
【審査官】
田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−001404(JP,A)
【文献】
特開2007−024510(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0276621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、前記基体の上面に備えられるAuを主成分とする金属膜と、前記金属膜上に接続されるAuを主成分とする凸状金属部材と、を備える電子部品に、光源からの光を照射して得られる画像から前記凸状金属部材の形成状態を検査する電子部品の検査方法であって、
前記金属膜の表面は、鏡面であり、前記光源からの光は、前記凸状金属部材の上方から照射され、第1ピーク波長を備えた第1光と、前記凸状金属部材の側方から照射され、前記第1ピーク波長と50nm以上離れた第2ピーク波長を備えた第2光と、を含むことを特徴とする電子部品の検査方法。
【請求項2】
前記第1光は赤色光であり、前記第2光は青色光である請求項1記載の電子部品の検査方法。
【請求項3】
前記金属膜及び前記凸状金属部材は、主成分として金を含む請求項1又は請求項2記載の電子部品の検査方法。
【請求項4】
前記凸状金属部材は、バンプ、ボール、ワイヤの接続部のいずれかである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電子部品の検査方法。
【請求項5】
前記電子部品は、半導体素子である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電子部品の検査方法。
【請求項6】
前記電子部品は、半導体素子を搭載した基板である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電子部品の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)などの電子部品は、配線を備えた基板と、基板上に載置される半導体素子と、配線と半導体素子とを接合する導電部材と、を備える。導電部材としては、ワイヤやバンプ等の金属部材が用いられる。これらの導電部材が、位置や形状などが適切に形成されているか否かの判別は、画像情報にてその形状を推定して行われる。例えば、バンプの検査方法として、青色光と白色光とを用いる方法が知られている(例えば、特許文献)。これにより、バンプの有無、バンプの台座位置、バンプ台座の直径、頭頂の面積、頭頂の位置を測定して合否を判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−221014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような検査方法は、例えば、基板上の平面電極がアルミニウムで、その平面電極の表面に形成されたバンプが金である場合など、平面電極とバンプとが分光反射率が大きく異なる材料の場合のバンプの検査方法としては有効である。しかしながら、分光反射率が近似している金属部材を平面電極とバンプの両方に用いる場合は、青色光と白色光とでは画像認識しにくい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態は、以下の構成を含む。
基体と、基体の上面に備えらえる
Auを主成分とする金属膜と、金属膜上に接続される
Auを主成分とする凸状金属部材と、を備える電子部品に、光源からの光を照射して得られる画像から凸状金属部材の形成状態を検査する電子部品の検査方法であって、
金属膜の表面は、鏡面であり、光源からの光は、凸状金属部材の上方から照射され、第1ピーク波長を備えた第1光と、凸状金属部材の側方から照射され、第1ピーク波長と50nm以上離れた第2ピーク波長を備えた第2光と、を含む電子部品の検査方法。
【発明の効果】
【0006】
以上により、電子部品の検査を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電子部品の検査方法を説明する模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電子部品の検査方法で得られる画像の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、比較の検査方法で得られる画像の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、比較の検査方法で得られる画像の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る電子部品の一部を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る電子部品の検査方法で得られる画像の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る電子部品の検査方法で得られる画像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための電子部品の検査方法を例示するものであって、本発明は、電子部品の検査方法を以下に限定するものではない。
【0009】
また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。尚、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0010】
図1は、本実施形態にかかる電子部品の検査方法を説明する模式図である。電子部品100の上方に、検査装置200が配置される。電子部品100と検査装置200との距離、大小関係等については、用いる電子部品100の種類や検査装置200の大きさ、性能等に応じて適宜選択することができる。
【0011】
(電子部品)
電子部品100は、基体10と、基体10上に設けられる金属膜20と、金属膜20上に設けられる凸状金属部材30を備える。金属膜20と凸状金属部材30とは、同一の金属を主成分として含む。基体10の上面は、後述の金属膜20の上面より大きい面積を備える。さらに金属膜20の上には、凸状金属部材30を備えるため、基体10金属膜20及び凸状金属部材30が形成可能な大きさの面積を備える。凸状金属部材30は、バンプ、ワイヤの一部であるボール(ボンディングボール)、ワイヤの一部である接続部(金属膜と接合される部分)等が挙げられる。
【0012】
電子部品100としては、発光素子や保護素子、トランジスタなどの半導体素子が挙げられる。例えば、電子部品100が青色半導体素子の場合、基体10は、絶縁性のサファイア基板と、窒化物系化合物半導体層と、半導体層の表面を覆う絶縁性の保護膜などを備えている。また、基体10上に設けられる金属膜20は、p電極又はn電極として機能する素子電極などである。
【0013】
また、電子部品100としては、上述の半導体素子を搭載するための基板(パッケージ等)も挙げられる。つまり、凸状金属部材が接着部材として2つの部品(例えば、搭載する部品と、搭載される側の部品)を接合する場合、その接合される2つの部品のいずれも、電子部品とする。電子部品100であるパッケージとしては、例えば、基体であるセラミックの上面に、金属膜である配線パターンを備えたセラミックパッケージが挙げられる。さらに、基体である樹脂成形体とリードフレームとを備え、そのリードフレームの表面に金属膜であるメッキを備えた樹脂パッケージが挙げられる。基体としてはこれらの他に、ガラスエポキシ樹脂に配線パターンを備えたガラエポ基板、ポリイミドに銅箔を貼り付けたフレキシブル基板など、公知の半導体装置用のパッケージとして知られているものを挙げることができる。
【0014】
金属膜20は、凸状金属部材と同一の金属を主成分として含む。その金属としては、Au(金)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)などが挙げられる。なお、主成分とは、配線部材中(金属膜を備える場合は金属膜中)70%以上を占める成分のことを指す。
【0015】
金属膜20は、印刷、電解メッキ、無電解メッキ、箔の貼り付け、蒸着、スパッタ等により形成することができる。また、金属膜20の厚みは特に問わないが、例えば、1μm〜10μm程度とすることができる。金属膜の表面は、表面粗さRaが1μm以下程度の粗面とすることができる。あるいは、鏡面であってもよい。
【0016】
(凸状金属部材)
凸状金属部材30は、金属膜20上に接続される部材であり、その高さ、幅(径)、形状等については問わない。凸状金属部材30としては、バンプ、又は、ワイヤの一部であるボール、ワイヤの一部である接続部等が挙げられる。
【0017】
図1は凸状金属部材30としてバンプ30Aを用いた場合を例示したものである。バンプは、キャピラリに挿通されたワイヤの先端をスパーク等により溶融して得られるボールを、金属膜上に当接させた後、キャピラリの先端で押圧して接合した後、キャピラリを横方向に移動させて切断して得られる部材を指す。バンプ30Aの形状は、例えば、上面視は略円形であり、断面視はキャピラリの先端で押圧された部分と、それより高い位置であって、上面視略中央に、ワイヤが切断された部分と、を有する。ただし、バンプの形状はキャピラリの動作等によって適宜変更することができる。
【0018】
図5は、ワイヤのボール部30Bと、ワイヤの接続部30Cとを備えている電子部品100Aを例示したものである。ボール部30Bは、上述のバンプの形成と同様に溶融したボールを金属膜上に当接して接合した部分をさし、ワイヤの接続部30Cは、ボール部30Bから延伸されたワイヤを、金属膜20上に当接し、超音波をかけてキャピラリを振動させると共にキャピラリの先端で押圧されて切断した部分を指す。ボールの形状は、上述のバンプと同様に適宜変更することができる。また、接続部の形状は、ワイヤの径よりも広い幅となるように押しつぶされた部分などを備えており、また、バンプやボールに比べると高さが低くなっている。ただし、ワイヤの接続部の形状はこれに限らない。
【0019】
(検査装置)
検査装置200は、2種類の光源である第1光源40と、第2光源50と、カメラ70と、レンズ80と、を備える。これらは、同軸配置されている。
【0020】
第1光源40は、電子部品100の基体10、バンプ30A、金属膜20の直上に配置されている。第1光源40から照射される第1光41は、直下方向、すなわち、基体10、バンプ30A、金属膜20の上面に向けて照射される。第1光源40は、第1光41として波長600nm〜700nmの範囲に主ピーク波長(第1ピーク波長)を備えるものが好ましい。さらに、第1光は赤色光が好ましい。第1光源40としては、このような第1光を出射可能な赤色LEDを用いるのが好ましい。赤色LEDは、1つの第1光源40に複数備えることもできる。また、第1光源は拡散照明が好ましい。
【0021】
第2光源50は、バンプ30Aの直上ではなく、バンプ30Aの周囲の直上、すなわち、金属膜20又は基体10の上方に配置されている。そして、第2光源50から照射される第2光51は、バンプ30Aの側方から光が照射されるように(側面に光が照射されるように)、バンプ30Aの上面に対して斜め上方向から照射される。第2光源50は、第2光として、第1ピーク波長と50nm以上離れた波長範囲に主ピーク波長(第2ピーク波長)を備えることが好ましい。第2ピーク波長としては、400nm〜500nmが好ましい。更に第2光は青色光が好ましい。このような第2光を出射可能な青色LEDを用いるのが好ましい。青色LEDは、1つの第2光源50に複数備えることが好ましく、凸状金属部材(バンプ等)の側面に第2光が照射可能なローアングル照明が好ましい。その場合、凸状金属部材の1側面に第2光を照射可能なローアングル照明を、複数用いてもよく、あるいは、凸状金属部材の複数の側面に第2光を照射可能なローアングル照明を用いてもよい。例えば、リング状に複数備えられたローアングル照明(リング照明)が好ましい。尚、第2光源は、凸状金属部材の側面に第2光が照射される位置に配置されればよいため、その一部がバンプの直上に位置していてもよい。
【0022】
第1光及び第2光51を同時に照射し、その画像をレンズ80を介してカメラ70で取り込む。
図2は、電子部品の上方に配置したカメラに取り込まれた凸状金属部材、金属膜、基体の画像の模式図を示す。また、比較例として、
図3は、第1光のみを照射して得られた凸状金属部材、金属膜、基体の画像の模式図であり、
図4は、第2光のみを照射して得られた凸状金属部材、金属膜、基体の画像の模式図である。
【0023】
図3に示すように、第1光のみを照射した場合、基体10の上面11と、金属膜の上面21とのコントラスト差は大きく、金属膜の縁部22は視認し易い。しかしながら、基体10の上面11と金属膜の上面21とのコントラスト差は大きい金属膜の上面21及び凸状金属部材の上面31、32と、金属膜の縁部33、34とのコントラスト差が小さく視認しにくい。つまり、金属膜の形状等は判別し易いものの、その上の凸状金属部材の位置及び形状が判別しにくい。
【0024】
また、
図4に示すように、第2光のみを照射した場合は、凸状金属部材の縁部33、34と、凸状金属部材の上面31、32及び金属膜20の上面21とのコントラスト差が大きいため視認し易い。しかしながら、基体10の上面11と金属膜の上面21とのコントラスト差が小さく視認しにくい。つまり、凸状金属部材の形状は視認し易いものの、金属膜の位置が視認しにくいため、凸状金属部材の位置が判別しにくい。
【0025】
これに対し、
図2のように第1光41と第2光51の両方を照射して得られた画像は、凸状金属部材の形成状態、すなわち、基体10上の金属膜の位置及び形状と、その金属膜上の凸状金属部材の位置及び形状の両方が判別し易い。これらを一度の検査で判別することができる。
【0026】
図5で示すように、凸状金属部材としてボール部30B及び接続部30Cを備えた電子部品100Aを、上述のような第1光源及び第2光源を同時に照射して得られた画像の一例を
図6、
図7に示す。
図6は、ボール部30Bの上面視画像、
図7は接続部30Cの上面視が蔵王を示す。
図6及び
図7では、基体の画像は省略しているが、実際は
図5に示すように基体10の上面11に金属膜20が備えられている。
図6は、ボール部30Bと、ワイヤ35とが画像に写り込んだ状態を例示している。基体の画像を省略しているため、金属膜の縁部は図示されていない。黒い部分は、
図5に示す金属膜20の上面21、凸状金属部材(ボール部)30Bの上面、及びワイヤ35の上面を示す。白い部分は、凸状金属部材(ボール部)30Bの縁部、及びワイヤ35の縁部を示す。
【0027】
また、
図7は、ワイヤの接続部30Cとワイヤ35とが画像に写りこんだ状態を例示している。基体の画像を省略しているため、金属膜の縁部は図示されてはいない。黒い部分は、
図5に示す金属膜20の上面21、凸状金属部材(接続部)30Cの上面及び、ワイヤ35の上面を示す。白い部分は、凸状金属部材(接続部)30Cの縁部及び、ワイヤ35の縁部を示す。これらに示すように、凸状金属部材の形状に関わらず、その輪郭をはっきりと視認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る電子部品の検査方法は、基体上に、同一の金属材料を含む金属膜及び凸状金属部材を備えた電子部品の検査に適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
100、100A…電子部品
10…基体
11…基体上面
20…金属膜
21…金属膜上面
22…金属膜縁部
30…凸状金属部材
30A…バンプ
30B…ボール
30C…接続部
31…第1上面
32…第2上面
33…第1縁部
34…第2縁部
35…ワイヤ
200…検査装置
40…第1光源
41…第1光
50…第2光源
51…第2光
60…第3光源
61…第3光
70…カメラ
80…レンズ