特許第6593982号(P6593982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593982
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/30 20060101AFI20191010BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20191010BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20191010BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20191010BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20191010BHJP
   H01M 10/6553 20140101ALI20191010BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20191010BHJP
【FI】
   H01M2/30 D
   H01M2/26 A
   H01M2/04 A
   H01M2/06 A
   H01M10/613
   H01M10/6553
   H01M10/653
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-182025(P2014-182025)
(22)【出願日】2014年9月8日
(65)【公開番号】特開2015-76402(P2015-76402A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2017年7月14日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0119633
(32)【優先日】2013年10月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲ヒュン▼徹
(72)【発明者】
【氏名】蘇 賢
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−119303(JP,A)
【文献】 特開2012−195278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20−34
H01M 2/00−08
H01M 10/60−667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2電極部を備えた電極組立体と、
前記電極組立体を収容し、一面が開口される電池ケースと、
前記電池ケースの前記開口された一面を密閉し、前記第1及び第2電極部とそれぞれ電気的に連結する第1及び第2端子部を備えたキャップ組立体と、を含む二次電池において、
前記第1及び第2端子部のうちいずれか一つと、前記キャップ組立体及び前記電池ケースとを連結し、上部面または下部面の一部には絶縁コーティング物質が蒸着されている絶縁コーティング部が形成されている可変プレートを複数枚含む可変部材をさらに含み、
前記複数の可変プレートが配置された分だけ電流の抵抗が可変されるとともに、前記絶縁コーティング部が形成されることによって、電流の移動が制限され抵抗を可変させるものであり、前記可変部材は、内部短絡時に電流の抵抗及び移動経路を可変させることによって、内部短絡時に発生した過電流による熱を下げることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記複数の可変プレートは、積層された構造で形成されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記可変プレートには、中央に上下に貫通された貫通ホールが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記上部面及び下部面の一部には絶縁コーティング物質が蒸着されていない上部無地部及び下部無地部がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
1つの前記可変プレートにおいて、前記上部無地部及び前記下部無地部は、互いに重畳しない位置に形成されることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記上部無地部は、前記可変プレートの貫通ホールを基準として一方側の上部に形成され、
前記下部無地部は、前記可変プレートの貫通ホールを基準として他方側の下部に形成されることを特徴とする請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記絶縁コーティング部は、ビニール、ゴム、ポリエチレン、ゲルマニウム、シリコン、シリカ、エポキシ、ポリマー、アルミナ、マグネシア及びセレンの中から選択された一つ以上の物質で形成されることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項8】
前記絶縁コーティング部には、少なくとも一つ以上の上下に貫通した絶縁ホールが形成されることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項9】
前記絶縁コーティング部は、少なくとも一つ以上の切開部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項10】
前記切開部は、前記絶縁コーティング部の一地点で一側端部を開放させることができるように切開されることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記電池ケース及び第1端子部は陽極であり、前記可変部材は、前記第1端子部の下部に締結されて正電荷を帯びることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
前記可変部材は、第1可変プレート、第2可変プレート及び第3可変プレートが順次に積層される構造で形成されており、
前記第2可変プレートの上部面及び下部面にアルミニウム薄膜層をさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記第1可変プレート、第2可変プレート及び第3可変プレートは、炭素C、鉄Fe、ニッケルNi、クロムCr、ケイ素Si、マンガンMn、リンP、及び硫黄Sの中から選択された少なくとも一つ以上の物質で形成されており、
前記第1可変プレート、第2可変プレート及び第3可変プレートは、それぞれ互いに異なる物質で形成されることを特徴とする請求項12に記載の二次電池。
【請求項14】
前記可変部材は、複数の可変プレート間に導電部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関し、より詳細には、電流の経路及び抵抗を可変させて、安全性が向上した二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子、通信などの産業が急速に成長するにつれてビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯型電子機器の普及が増加している。これに伴って、二次電池の使用量も増加している。前記二次電池は、携帯型電子機器のみならず、高出力及び高電力を必要とする電動工具、自動車、ボート、宇宙輸送手段、モトバイク、スクーター、航空輸送手段などの中・大型装置にも使用することができる。
【0003】
上記のような中大型の装置に利用される二次電池は、複数のセルを利用するので、電流の量が多くて外部に熱が発散できず、熱暴走のような問題があった。このため、内部短絡の時、陰極から陽極へ急激に伝達される大量のリチウムイオンと電子の移動速度を緩和し、電池の爆発や発火を防止するための様々な研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は上記の問題を解決するために案出されたもので、その目的は、内部短絡時に発生した過電流による熱を下げることができ、電池の安全性が向上する二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明による二次電池は、第1及び第2電極部を備えた電極組立体と、前記電極組立体を収容し、一面が開口される電池ケースと、前記電池ケースの前記開口された一面を密閉し、前記第1及び第2電極部とそれぞれ電気的に連結する第1及び第2端子部を備えたキャップ組立体と、を含み、前記第1及び第2端子部のうち少なくとも一つは、複数の可変プレートを含む可変部材と連結される。
【0006】
また、前記複数の可変プレートは、積層された構造で形成することができる。
【0007】
また、前記可変プレートには、中央に上下に貫通された貫通ホールが形成されていることができる。
【0008】
また、前記可変プレートの上部面または下部面には絶縁コーティング物質が蒸着されている絶縁コーティング部が形成されており、前記上部面及び下部面の一部には絶縁コーティング物質が蒸着されていない上部無地部及び下部無地部がそれぞれ形成されることができる。
【0009】
また、前記上部無地部及び前記下部無地部は、互いに重畳しない位置に形成されることができる。
【0010】
また、前記上部無地部は、前記可変プレートの貫通ホールを基準として一方側の上部に形成され、前記下部無地部は、前記可変プレートの貫通ホールを基準として他方側の下部に形成することができる。
【0011】
また、前記絶縁コーティング部は、ビニール、ゴム、ポリエチレン、ゲルマニウム、シリコン、シリカ、エポキシ、ポリマー、アルミナ、マグネシア及びセレンの中から選択された一つ以上の物質で形成することができる。
【0012】
また、前記絶縁コーティング部には、少なくとも一つ以上の上下に貫通した絶縁ホールが形成されることができる。
【0013】
また、前記絶縁コーティング部は、少なくとも一つ以上の切開部をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記切開部は、前記絶縁コーティング部の一地点で一側端部を開放させることができるように切開されることができる。
【0015】
また、前記電池ケース及び第1端子部は陽極であり、前記可変部材は、前記第1端子部の下部に締結されて正電荷を帯びることができる。
【0016】
また、前記可変部材は、第1可変プレート、第2可変プレート及び第3可変プレートが順次に積層された構造で形成されており、前記第2可変プレートの上部面及び下部面にアルミニウム薄膜層をさらに形成することができる。
【0017】
また、前記第1可変プレート、第2可変プレート及び第3可変プレートは、炭素C、鉄Fe、ニッケルNi、クロムCr、ケイ素Si、マンガンMn、リンP、及び硫黄Sの中から選択された少なくとも一つ以上の物質で形成されており、前記第1可変プレート、第2可変プレート及び第3可変プレートは、それぞれ互いに異なる物質で形成することができる。
【0018】
また、前記可変部材は、複数の可変プレート間に導電部材をさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明による二次電池によれば、複数の可変プレートで構成される可変部材を陽極端子に電気的に締結させ、内部短絡時に発生した過電流による熱を下げることができ、電池の安全性が向上するといった効果が得られる。
【0020】
また、本発明による二次電池によれば、可変部材に絶縁コーティング部、上部無地部及び下部無地部を形成して電流の移動を制御することができるだけでなく、抵抗を可変することができる。
【0021】
また、本発明による二次電池によれば、上部無地部及び下部無地部を相互に重畳しないように位置させ、電流の移動経路が長くなるため、流れる電流が最小化されて電池の熱蓄積が減少される。
【0022】
また、本発明による二次電池によれば、可変プレートに絶縁コーティング部を備えて、電流の移動経路を任意に制御できる。
【0023】
また、本発明による二次電池によれば、絶縁ホール及び切開部が備えられ、電流の移動経路がさらに長くなり、過電流発生時電流の移動量を減少させることができ、熱の発生が抑制される。
【0024】
また、本発明による二次電池によれば、互いに異なる素材の可変プレートを積層させ、抵抗が形成されるので、電流の移動速度を緩和し、電池の爆発及び発火が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の二次電池の外観を示す斜視図である。
図2】本発明のキャップ組立体8を分解した分解斜視図である。
図3】本発明の二次電池のA−A'線の一部断面図である。
図4図3の可変プレート12の断面を拡大した拡大図である。
図5A】本発明の他の実施形態による二次電池の可変プレートの前面を示した図である。
図5B】可変プレート12の裏面を示した図である。
図5C】可変プレートの断面図である。
図6A】本発明の他の実施形態による二次電池の可変プレートの前面を示した図である。
図6B】6Aを左から右へ180゜回転させた可変プレートの裏面を示した図である。
図7A】本発明の更なる他の実施形態による二次電池の可変プレートを示した図である。
図7B】本発明の更なる他の実施形態による可変部材の断面図である。
図7C】本発明の更なる他の実施形態による可変部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明について添付図面に示された実施形態に基づいて具体的に説明するが、本発明が図示された実施形態のみに限定されるものではない。本発明のその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によってより明確になるだろう。
【0027】
以下、本発明の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の二次電池100の外観を示す斜視図、図2は、本発明のキャップ組立体を分解した分解斜視図、図3は、本発明の二次電池100のA−A'線一部の断面図である。
【0028】
図1図3に示したように、本発明による二次電池100は、第1及び第2電極部を備えた電極組立体と、前記電極組立体を収容し、一面が開口される電池ケース7と、前記電池ケース7の開口された一面を密閉し、前記第1及び第2電極部とそれぞれ電気的に連結する第1及び第2端子部6を備えたキャップ組立体8と、を含む。
【0029】
前記のケース7は、正電荷を帯びており、矩形状に形成され、電極組立体及び電解液を収容する役目をする。図1では、前記ケース7を矩形状に図示しているが、円筒形、パウチ型及びコイン型などで製作可能であり、前記提示された形状に限定されるものではない。
【0030】
前記キャップ組立体8は、陽極の第1端子部2と陰極の第2端子部6とを備え、前記ケース7の上部に位置して前記ケース7を密閉する役目をし、キャッププレート1に電気的に連結する陽極の第1端子部2、陰極の第2端子部6、ガスケット3及び貫通部5などを含む。
【0031】
前記可変部材10は、図1及び図2に示したように、前記キャッププレート1と第1端子部2との間に位置し、陽極の第1端子部2と電気的に連結されて正電荷を帯びるようになる。前記可変部材10は、複数の可変プレート12が積層された構造で形成され、前記複数の可変プレート12と前記キャッププレート1及び第1端子部2が緊密に連結できるように前記可変プレート12の中央には上下に貫通された貫通ホール16が形成される。
【0032】
前記貫通ホール16は、前記可変プレート12と、キャッププレート1、及び第1端子部2が緊密に連結できるように貫通部5の大きさに対応するように、またはより大きく形成され、前記貫通孔16の断面積は、貫通部5の断面積よりも2倍ないし5倍以上になるように形成される。
【0033】
上記のように可変プレート12が複数備えられることにより、電流が前記複数の可変プレート12を貫通しつつ、抵抗によって電流の移動速度が減少し、これによって温度も低くなる。ここで、前記可変部材10は、図2及び図3に示したように、第1可変プレート13、第2可変プレート14及び第3可変プレート15が積層される構造で形成されうるが、前記構造で各可変プレート同士の間の抵抗を効果的に下げて、可変プレート12に電流を流すことができるように、第2可変プレート14の上部面及び下部面にアルミニウム薄膜層を形成することができる。
【0034】
上記のように中間層にアルミニウム薄膜層をさらに形成することにより300〜600℃の温度でアルミニウム薄膜層が溶けてしまい、下部と上部に位置する第1可変プレート13と第3可変プレート15とを連結させて抵抗を減少させる。また、前記第1可変プレート13、第2可変プレート14及び第3可変プレート15などを含む可変部材10は、導電物質、より詳細には、炭素C、鉄Fe、ニッケルNi、クロムCr、ケイ素Si、マンガンMn、リンP、及び硫黄Sの中から選択された少なくとも一つ以上の物質で形成される。しかし、前記導電物質に限定されるものではなく、電気的に接続可能な物質であれば適用可能である。また、前記第1可変プレート13、第2可変プレート14及び第3可変プレート15は、抵抗が向上するようにそれぞれ互いに異なる材料で形成することが望ましい。
【0035】
図4は、図3の可変プレート12の断面を拡大した拡大図である。図4に示したように、前記可変プレート12は、絶縁コーティング部20、上部無地部22及び下部無地部24を含む。
【0036】
前記絶縁コーティング部20は、可変プレート12の上部面または下部面に電流が流れることができないように絶縁性物質でコーティングした領域を指す。前記絶縁性物質は、ビニール、ゴム、ポリエチレン、ゲルマニウム、シリコン、シリカ、エポキシ、ポリマー、アルミナ、マグネシア及びセレンの中から選択された一つ以上の物質を用いてコーティングすることが望ましいが、これに限定されるものではなく、電気的に絶縁可能な物質であれば構わない。また、前記可変プレート12の側面にも大量の電流通電の最小化のために絶縁コーティング部20を備えることが望ましい。
【0037】
前記上部無地部22は、可変プレート12の上部面に絶縁コーティング物質が蒸着されていない領域を指し、前記下部無地部24は、前記可変プレート12の下部面に絶縁コーティング物質が蒸着されていない領域を指す。以下、後述する図5A及び5Bを参照すると、前記上部無地部22と下部無地部24は、電流が移動できる領域へ互いに重畳しない位置に形成される。より詳細には、前記上部無地部22は、可変プレート12の貫通ホール16を基準として一方側の上部に形成され、前記下部無地部24は、前記可変プレートの貫通ホール16を基準として他方側の下部に形成される。このため、上部無地部22を介して入ってきた電流が下部無地部24へ移動する経路が長くなり、電流の量を減少させることができる。
【0038】
ここで、複数の可変プレートを積層する場合、図4に示したように、第1可変プレート13の上部無地部は、第2可変プレート14の下部無地部と対向するように、また第2可変プレート14の上部無地部は、第3可変プレート15の下部無地部と対向するように形成されることが望ましい。上記のように上部無地部及び下部無地部が位置することで、複数の可変プレート12を電気的に連結させることができる。図4では、第2可変プレート14及び第3可変プレート15の下部面に絶縁コーティング部20が形成された形状を図示しているが、これに限定されるものではなく、前記第2可変プレート14及び第3可変プレート15の下部面全体を無地部で形成してもよい。
【0039】
図5Aは、本発明の他の実施形態による二次電池100の可変プレート12の前面を示した図であり、図5Bは、可変プレート12の裏面を示した図であり、図5Cは、可変プレート12の断面図である。
【0040】
図5A及び図5Bに示したように、絶縁コーティング部20には、少なくとも一つ以上の上下に貫通された絶縁ホール30が形成されることができる。前記絶縁ホール30は、前記絶縁コーティング部20に形成されて可変プレート12の裏面12bの下部無地部22を介して入ってきた電流が可変プレートの前面12aの上部無地部24へ移動する移動経路が長くなるように形成されることが望ましい。上記のように、絶縁ホール30がさらに形成されると、電流が流れる経路が狭く限定されるので、電流の移動量が減ることになる。
【0041】
図6Aは、本発明のまた他の実施形態による二次電池100の可変プレート12の前面を示した図であり、図6B図6Aを左から右へ180゜回転させた可変プレート12の裏面を示した図である。図6に示したように、前記絶縁コーティング部20は、少なくとも一つ以上の切開部40をさらに含むことができる。
【0042】
前記切開部40は、前記絶縁コーティング部20の一地点で一側端部を開放させることができるように切開されて形成される。より詳細には、電流が移動する経路が長く形成されるように、図6に示したように、上部無地部22の一側、下部無地部24の一側に形成することが望ましい。しかし、前記の切開部40の位置、形状及びサイズは、図6に示された構造に限定されるものではなく、別の位置、形状またはサイズで形成することができる。上記のように可変プレート12の絶縁コーティング部20に切開部40がさらに形成されることにより、可変プレート12を移動する電流の移動経路をより効率的に調整することができる。
【0043】
図7Aは、本発明の更なる他の実施形態による二次電池の可変プレート12を示した図であり、図7Bは、本発明の更なる他の実施形態による可変部材10断面図であり、図7Cは、本発明の更なる他の実施形態による可変部材10断面図である。図7に示したように、前記可変部材10は、複数の可変プレート12の間に導電部材50をさらに備えることができる。
【0044】
前記導電部材50は、電流が流れるようにアルミニウムAl、インジウムIn、銀Ag、銅Cuの中から選択された少なくとも一つ以上の物質で形成されることが望ましい。
【0045】
前記導電部材50は、図7Aに示したように、可変プレート12の上部無地部22または下部無地部24に対応するサイズで備えられて一体で形成されてもよい。しかし、前記図7Aに示された形状及びサイズに限定されるものではなく、様々な形状で形成されることができる。
【0046】
図7Bは、本発明の更なる他の実施形態による可変部材10の断面図である。図7Bに示されたように、第1可変プレート13、第2可変プレート14及び第3可変プレート15が積層された構造で、第2可変プレート14及び第3可変プレート15の下部面がすべて下部無地部で形成された場合、導電部材50は、第1可変プレート13と第2可変プレート14との間、及び第2可変プレート14と第3可変プレート15との間に備えられる。より詳細には、第1可変プレート13の上部無地部の上部面及び第2可変プレート14の上部無地部の上部面に備えられる。
【0047】
前記導電部材50の高さh2は、絶縁コーティング部20の高さh1に対応するように形成される。また、導電部材50は、上部無地部のサイズに対応するように形成されることが望ましい。このため、第1可変プレート13、第2可変プレート14及び第3可変プレート15の積層の時、段差の発生なしに可変プレートを緊密に結合させることができる。
【0048】
図7Cは、本発明の更なる他の実施形態による可変部材10の断面図である。図7Cに示されたように、第1可変プレート13、第2可変プレート14及び第3可変プレート15が積層された構造で、第1可変プレート13ないし第3可変プレート15の上部面及び下部面に絶縁コーティング部20が形成された場合、導電部材50の高さh3は、第1可変プレート13と第2可変プレート14との間に発生した段差、及び第2可変プレート14と第3可変プレート15との間に発生した段差(h1+h1=h3)に対応するように形成される。また、第1可変プレート13の上部無地部と第2可変プレート14の下部無地部との間に発生した段差、及び第2可変プレート14の上部無地部と第3可変プレート15の下部無地部に対応する形状で形成されることが望ましい。上記のように導電部材50が形成されることにより、可変プレート12の間の段差によって電流が連結されない可能性を排除することができる。
【0049】
このように、二次電池は、キャッププレートと端子との間に可変部材を備えて、内部短絡の時、陰極から陽極に急激に伝達される多量のリチウムイオンと電子の移動速度を調節することができ、急激な熱の発生による電池の爆発や発火を抑制し、電池の安全性を向上させることができる。また、上部無地部及び下部無地部を互いに重畳しないように位置させて移動する電流の経路を長くすることで、電池に蓄積される熱を減少させることができる。また、絶縁ホール及び切開部が備えられ、電流の移動経路がさらに長くなり、過電流発生時の電流の移動量を減少させることができ、熱の発生を抑制することができる。
【0050】
以上のように、本発明の最も好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されるか、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者にとって様々な変形や変更が可能であることはもちろんであり、斯かる変形や変更が本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
100 二次電池、
1 キャッププレート、
2 第1端子部、
3 ガスケット、
4 絶縁部材、
5 貫通部、
6 第2端子部、
7 電池ケース、
8 キャップ組立体、
10 可変部材、
12 可変プレート、
12a 可変プレートの前面、
12b 可変プレート裏面、
13 第1可変プレート、
14 第2可変プレート、
15 第3可変プレート、
16 貫通ホール、
20 絶縁コーティング部、
22 上部無地部、
24 下部無地部、
30 絶縁ホール、
40 切開部、
50 導電部材
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C