特許第6593997号(P6593997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593997
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】バスバーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20191010BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20191010BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20191010BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/34 B
   H01M2/30 D
   H01M2/10 M
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-19377(P2015-19377)
(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公開番号】特開2015-149281(P2015-149281A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2017年12月26日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0012438
(32)【優先日】2014年2月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】崔 洪 根
(72)【発明者】
【氏名】▲裴▼ ▲眠▼ 徹
(72)【発明者】
【氏名】鄭 ▲益▼ 在
(72)【発明者】
【氏名】魯 ▲日▼ 桓
(72)【発明者】
【氏名】李 智 浩
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−059362(JP,A)
【文献】 特開平11−102681(JP,A)
【文献】 特開平11−086831(JP,A)
【文献】 特開2013−214498(JP,A)
【文献】 特開2012−238562(JP,A)
【文献】 特開2014−003008(JP,A)
【文献】 特開2001−196103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20 − 2/34
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に配列されて、前記第1方向に垂直である第2方向に離隔された第1及び第2電極端子をそれぞれ含む第1セルと、前記第1セルに隣接する第2セルとを連結するバスバーモジュールにおいて、
前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子とを互いに電気的に連結するバスバーと、
前記バスバーを収容する絶縁部を含み、
前記バスバーは、前記第1セルの前記第1電極端子の突出形状に相補的な形状を有する第1窪み装着部と、
前記第2セルの前記第2電極端子の突出形状に相補的な形状を有する第2窪み装着部と、を含み、
前記第1及び第2窪み装着部は、前記第1セルの前記第1電極端子と前記第2セルの前記第2電極端子とスライド結合ができ、
前記絶縁部は、前記第1セルと第2セルとの間に延びるスペーサを含むことを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項2】
前記第1及び第2窪み装着部は、前記第2方向に平行な方向に前記第1セルの前記第1電極端子と前記第2セルの前記第2電極端子とスライド結合ができることを特徴とする請求項1に記載のバスバーモジュール。
【請求項3】
前記絶縁部は、前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子との間で、前記第1セルの上面と前記第2セルの上面に接触する水平部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のバスバーモジュール。
【請求項4】
前記スペーサは、前記第1セルと第2セルとの間に所定の間隔を維持させるために前記水平部材から延びることを特徴とする請求項3に記載のバスバーモジュール。
【請求項5】
前記スペーサは、前記第1セルと第2セルの外側から前記所定の間隔によって定義される前記第1セルと第2セルとの間の空間に、前記スペーサを介して延びる少なくとも一つの貫通ホールを含むことを特徴とする請求項4に記載のバスバーモジュール。
【請求項6】
前記スペーサは、前記第1セルと第2セルの外側から前記所定の間隔によって定義される前記第1セルと第2セルとの間の空間に、前記スペーサの外側面上から延びる少なくとも一つの貫通溝を含むことを特徴とする請求項4に記載のバスバーモジュール。
【請求項7】
前記スペーサは、前記第1窪み装着部と前記第2窪み装着部との間に位置することを特徴とする請求項4に記載のバスバーモジュール。
【請求項8】
前記第1窪み装着部は、前記第2セルの前記第2電極端子から最も遠い位置の前記第1セルの前記第1電極端子の側面とスライド結合が可能であり、前記第2窪み装着部は、前記第1セルの前記第1電極端子から最も遠い位置の前記第2セルの前記第2電極端子の側面とスライド結合ができることを特徴とする請求項4に記載のバスバーモジュール。
【請求項9】
前記第1窪み装着部は、前記第1セルの前記第1電極端子の側面に位置する第1ガイド溝とスライド結合される第1ガイド部を含み、前記第2窪み装着部は、前記第2セルの前記第2電極端子の側面に位置する第2ガイド溝とスライド結合される第2ガイド部を含むことを特徴とする請求項8に記載のバスバーモジュール。
【請求項10】
前記バスバーは、前記第1ガイド溝への前記第1ガイド部のスライド及び前記第2ガイド溝への前記第2ガイド部のスライドを制限するために、前記第1窪み装着部及び第2窪み装着部のうち少なくとも一つの一端に位置するストッピング部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のバスバーモジュール。
【請求項11】
前記第1ガイド部または第2ガイド部の少なくとも一面は、複数の固定突起を含むことを特徴とする請求項9に記載のバスバーモジュール。
【請求項12】
前記絶縁部は、前記バスバーの外側面を覆う蓋部を含むことを特徴とする請求項3に記載のバスバーモジュール。
【請求項13】
前記バスバーは、前記蓋部と前記水平部材との間の収容溝に存在することを特徴とする請求項12に記載のバスバーモジュール。
【請求項14】
第1方向に配列されて、第2方向に離隔された第1及び第2電極端子をそれぞれ含む少なくとも一つの第1セル及び第2セルと、
前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子とを連結するバスバーモジュールと、を含み、
前記バスバーモジュールは、前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子とを互いに電気的に連結するバスバーと、
前記バスバーを収容する絶縁部と、を含み、
前記絶縁部は、前記第1セルと第2セルとの間に延びるスペーサを含み、
前記第1セルの第1電極端子は、前記第2セルの第2電極端子の反対側に向かう前記第1セルの第1電極端子の側面に第1ガイド溝を含み、
前記第1ガイド溝は、第2方向に延びて、前記第2方向は前記第1方向に直交して前記第1セルの上面に平行し、
前記第2セルの第2電極端子は、前記第1セルの第1電極端子の反対側に向かう前記第2セルの第2電極端子の側面に第2ガイド溝を含み、
前記第2ガイド溝は、前記第2方向に延びて、
前記バスバーは、前記バスバーが前記第2方向にスライド移動することによって前記バスバーモジュールが前記第1セル及び第2セルとスライド結合可能になるように、前記第1ガイド溝とスライド結合される第1ガイド部を具備する第1窪み部を含む第1窪み装着部と、
前記第2ガイド溝とスライド結合される第2ガイド部とを具備する第2窪み部を含む第2窪み装着部と、
を含むことを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項15】
前記絶縁部は、前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子との間で前記第1方向に延びて、前記第1セルの上面及び前記第2セルの上面と接触する水平部材をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のバスバーモジュール。
【請求項16】
前記スペーサは、前記第1セルと第2セルとの間に所定の間隔を維持するために、前記水平部材から前記第1方向及び第2方向に直交する第3方向に延びることを特徴とする請求項15に記載のバスバーモジュール。
【請求項17】
底部に離隔された第1セルの第1電極端子の突出形状に相補的な形状を有する第1窪み装着部と、第2セルの第2電極端子の突出形状に相補的な形状を有する第2窪み装着部を含み、前記第1セルの前記第1電極端子と前記第2セルの前記第2電極端子とスライド結合ができるバスバーと、
前記バスバーと結合されて、前記バスバーの底部から遠くなる方向に下方へ延びて絶縁物質からなるスペーサを含む絶縁部と、
を含むことを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項18】
前記バスバーは、伝導性材質であり、前記バスバーの底部の端部に位置するガイド部、及び前記第1及び第2窪み装着部の間に位置して前記第1及び第2窪み装着部から段差のある中間部を含み、
前記絶縁部は、前記バスバーの上面を覆う上部絶縁部、及び前記バスバーの底部の中間部を覆う下部絶縁部を含み、
前記下部絶縁部から延びる前記スペーサは、前記スペーサを介して延びる少なくとも一つの貫通ホール、または前記スペーサの外部表面上から延びる少なくとも一つの貫通溝を含むことを特徴とする請求項17に記載のバスバーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電源供給装置は、一端に正極、他端に負極をそれぞれ有する複数のバッテリーセルによって構成されるバッテリーセル集合体を含み、要求される電圧を得るために複数のバッテリーセルは互いに直列連結される。この時、直列連結は、別途の連結部材を介して行われて、バッテリーセル集合体に属する相互隣接した一対のバッテリーセルのうち、いずれか一つのバッテリーセルの正極が前記連結部材を介して他の一つのバッテリーセルの負極に連結されるような方式である。このような連結部材の使用は、電源供給装置を組立てるための煩わしい工程を必要とするという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許2007−0080871号
【特許文献2】韓国公開特許2012−0125874号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、上記の問題を解決するために案出されたもので、その目的は、異種金属間の溶接性低下の問題点なしにセル端子間の便利な直列連結ができるようにして、事故を予防することができるバスバーを提供することである。
【0005】
さらに、本発明の他の目的は、下記の実施例を通じて当業者によって導出されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明の好ましい一実施例によれば、第1方向に配列されて、前記第1方向に垂直である第2方向に離隔された第1及び第2電極端子をそれぞれ含む第1セルと、前記第1セルに隣接する第2セルとを連結するバスバーモジュールにおいて、
前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子とを互いに電気的に連結するバスバーと、前記バスバーを収容する絶縁部とを含むが、前記バスバーは、前記第1電極端子の突出形状に相補的な形状を有する第1窪み装着部と、前記第2電極端子の突出形状に相補的な形状を有する第2窪み装着部とを含み、前記第1及び第2窪み装着部は、前記第1及び第2電極端子とスライド結合ができることを特徴とするバスバーモジュールが提供される。
【0007】
また、前記第1及び第2窪み装着部は、前記第2方向に平行な方向に前記第1及び第2電極端子とスライド結合ができる。
【0008】
また、前記絶縁部は、前記第1セルと第2セルとの間に延びるスペーサを含むことができる。
また、前記絶縁部は、前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子との間で、前記第1セルの上面と前記第2セルの上面に接触する水平部材をさらに含むことができる。
【0009】
また、前記スペーサは、前記第1セルと第2セルとの間に所定の間隔を維持させるために前記水平部材から延びることができる。
【0010】
また、前記スペーサは、前記第1セルと第2セルの外側から前記所定の間隔によって定義される前記第1セルと第2セルとの間の空間に前記スペーサを介して延びる少なくとも一つの貫通ホールを含むことができる。
【0011】
また、前記スペーサは、前記第1セルと第2セルの外側から前記所定の間隔によって定義される前記第1セルと第2セルとの間の空間に前記スペーサの外側面上から延びる少なくとも一つの貫通溝を含むことができる。
【0012】
また、前記スペーサは、前記第1窪み装着部と前記第2窪み装着部との間に位置することができる。
【0013】
また、前記第1窪み装着部は、前記第2電極端子から最も遠い位置の前記第1電極端子の側面とスライド結合が可能であり、前記第2窪み装着部は、前記第1電極端子から最も遠い位置の前記第2電極端子の側面とスライド結合ができる。
【0014】
また、前記第1窪み装着部は、前記第1電極端子の側面に位置する第1ガイド溝とスライド結合される第1ガイド部を含み、前記第2窪み装着部は、前記第2電極端子の側面に位置する第2ガイド溝とスライド結合される第2ガイド部を含むことができる。
【0015】
また、前記バスバーは、前記第1ガイド溝への前記第1ガイド部のスライド及び前記第2ガイド溝への前記第2ガイド部のスライドを制限するために前記第1窪み装着部及び第2窪み装着部のうち少なくとも一つの一端に位置するストッピング部をさらに含むことができる。
【0016】
また、前記第1ガイド部または第2ガイド部の少なくとも一面は、複数の固定突起を含むことができる。
【0017】
また、前記絶縁部は、前記バスバーの外側面を覆う蓋部を含むことができる。
【0018】
また、前記バスバーは、前記蓋部と前記水平部材との間の収容溝に存在することができる。
【0019】
また、本発明の好ましい一実施例によれば、第1方向に配列されて、第2方向に離隔された第1及び第2電極端子をそれぞれ含む少なくとも一つの第1セル及び第2セルと、前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子とを連結するバスバーモジュールと、を含むが、前記バスバーモジュールは、前記第1セルの第1電極端子と前記第2セルの第2電極端子を互いに電気的に連結するバスバー、及び前記バスバーを収容する絶縁部とを含み、前記絶縁部は、前記第1セルと第2セルとの間に延びるスペーサを含むことを特徴とするバッテリーモジュールが提供される。
【0020】
また、本発明の好ましい一実施例によれば、底部に離隔された第1窪み装着部と第2窪み装着部とを含むバスバーと、前記バスバーと結合されて、前記バスバーの底部から遠くなる方向に下方に延びるスペーサとを含む絶縁部(前記スペーサは絶縁物質からなる)を含むことを特徴とするバスバーモジュールが提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、異種金属間の溶接性低下の問題点なしにセル端子間便利な直列連結が可能であるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、バスバーの外部露出による安全事故を未然に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールがバッテリーセルに装着される前と後の状態を示す図面である。
図1B】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールがバッテリーセルに装着される前と後の状態を示す図面である。
図2】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールの斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールの分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールを底面から見た斜視図である。
図5】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールを底面から見た分解斜視図である。
図6】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールがセルに装着された状態に対する部分拡大図である。
図7】本発明の一実施例に係るバスバーモジュールがセルに装着された状態の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示して詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。各図面を説明しながら類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用した。
【0025】
以下、本発明に係る実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
一般に、二次電池は、正極、負極、及びセパレーターがゼリーロールの形態で乾燥した電極組立体をケースの開放部を介して内部に装入し、キャップ組立体で前記開放部を覆った構造を有している。
【0027】
そして、電極組立体の端部には集電板が設置されており、この集電板は再びキャップ組立体に設けられた端子ユニットと電気的に連結される。したがって、キャップ組立体の端子ユニットに外部端子を連結すれば、電極組立体から発生された電流が前記集電板と前記キャップ組立体の端子ユニットを経由して外部端子に供給される。
【0028】
ここで、端子ユニットは、集電板と連結された正極端子及び負極端子、そして、バスバーを連結するために前記正極端子及び負極端子に結合させる端子プレートなどを具備しており、正極端子または負極端子と端子プレートとの間の結合や、端子プレートとバスバーとの間の結合はレーザー溶接によって行われる。
【0029】
ところで、正極端子と負極端子は、通常互いに異なる金属材質で作られるため、二つの中でいずれか一つの金属材質で端子プレートを作ると、互いに異なる異種金属間溶接をすることになる方は、溶接性が落ちてしまい、接合強度が相対的に弱くなる。すなわち、一般に正極端子は、アルミニウム材質で作られて、負極端子は銅材質で作られるので、端子プレートをアルミニウムや銅の中でいずれか一つで作るようになれば、端子プレートは正極端子または負極端子の中でいずれか一方とは互いに異なる素材で作らることになり、このように異種金属間の接合になる所では、融点が違って一般的なレーザー溶接では溶接性が低下するという問題が発生するのである。
【0030】
また同様に、端子プレートが正極端子と負極端子それぞれの材質と同一の金属で作られる場合にも、各端子と該端子プレートとの間の溶接性は改善されうるが、端子プレートらの間を連結するバスバーを溶接する時には、同一に異種金属間の溶接性低下の問題が少なくとも一方では発生する。
【0031】
このような異種金属間の溶接時に発生する溶接性低下の問題を解決するために、ナット結合方式を考慮して見ることもできるが、これは作業工数の増大をもたらすという問題を有している。
【0032】
また、アルミニウムや、銅材質で作られたバスバーが外部に露出した状態で存在する場合、安全上の危険性も存在するようになる。
【0033】
したがって、本発明のバスバーモジュールによれば、異種金属間の溶接性低下の問題点なしにセル端子間便利な直列連結が可能であり、バスバーの外部露出による事故を未然に防止することができる長所があるところ、以下、図面を参照してより詳細に説明する。
【0034】
図1A及び図1Bは、本発明の一実施例に係るバスバーモジュール100がバッテリーセル10、20に装着される前と後の状態を示す図面である。そして、図2は、本発明の一実施例に係るバスバーモジュール100の斜視図、図3は分解斜視図、図4は底面から見た斜視図、図5は底面から見た分解斜視図をそれぞれ示す。
【0035】
図1ないし図5に示されたように、本発明の一実施例に係るバスバーモジュール100は、隣接する第1セル10と第2セル20を互いに電気的に連結し、バスバー110及び絶縁部120を含む。説明の便宜のために、第1セル10と第2セル20とが配列される方向を第1方向に定義する。
【0036】
まず、バスバーモジュール100が装着されるセル10、20についてよく調べて見ると、セル10、20は、一例として、一次電池または二次電池などの多様な形態のバッテリーセルでありうる。
【0037】
本発明では説明の便宜のために、セル10、20が二次電池であることを仮定して説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、セルはリチウム二次電池を含めて多様な二次電池でありうる。
【0038】
このようなセル10、20は、電極組立体(図示せず)及び電極端子11、12、21、22を含む。
【0039】
より詳細には、電極組立体(図示せず)は、正極、セパレーター、及び負極を含もに、巻取型または積層型で形成された状態でセル10、20に収容される。そして、電極端子11、12、21、22は、セル内部の電極組立体と連結されて、セルが外部と電気的に連結されるための経路を提供する。
【0040】
以下では説明の便宜のために、第1セル10は、第1方向に垂直方向(以下、「第2方向」という。)に離隔された第1−1電極端子11と第1−2電極端子12とを含み、順にそれぞれ正極と負極であると仮定し、第2セル20をも同様に第2方向に離隔された第2−1電極端子21と第2−2電極端子22とを含み、順にそれぞれ正極と負極であると仮定する。
【0041】
図1に示されたように、複数個のセル10、20は、互いに突き合わせて第1方向に配列することができ、この時、セル10、20は電気的に互いに連結されるようになる。すなわち、複数個のセル10、20は、直列または並列で互いに連結することができ、直列連結のために、図1に示されたように、セル10、20は電極11、12、21、22が交互に正極と負極が互いに行き違うように配列されることができる。
【0042】
一例として、第1セル10と第2セル20の直列連結のために、第1セル10の第1−1電極端子11と第2セル20の第2−2電極端子22とがバスバーモジュール100を介して互いに連結することができる。
【0043】
以下では、第1セル10と第2セル20とが互いに突き合わせて配列されて、本発明のバスバーモジュール100によって直列連結される場合を中心に説明する。
【0044】
上記のように、第1セル10と第2セル20との直列連結のために、第1セル10の第1−1電極端子11と第2セル20の第2−2電極端子22とが互いに電気的に連結されることができる。このために、本発明の一実施例に係るバスバー110は、伝導性材質のプレート形状でなるが、第1−1電極端子11に安着される第1窪み装着部111、及び第2−2電極端子22に安着される第2窪み装着部112を含むことができる。この時、第1、第2窪み装着部111、112が電極端子11、22に安定的に安着されうるように、窪み装着部111、112は、電極端子11、22の形状と相応する形状を有することが好ましい。一例として、第1、第2窪み装着部111、112は、突き出た電極端子11、22の形状に嵌め込むことができる凹んだ形状を有することができる。
【0045】
また、図1ないし図5に示されたように、第1セル10の第1−1電極端子11の一面には、セルの幅方向に延びる第1−1ガイド溝11−1が形成されて、この時、バスバー110は第1窪み装着部111の内部に突出されて第1−1ガイド溝11−1にスライド結合される第1ガイド部113を含むことができる。
【0046】
言い換えれば、第1窪み装着部111は、第2電極端子22から最も遠い位置の第1電極端子11の側面とスライド結合可能になるように、第1電極端子の側面に位置する第1ガイド溝11−1とスライド結合される第1ガイド部113を含むことができる。
【0047】
対称的に、第2セル20の第2−2電極端子22の一面には、セルの幅方向に延びる第2−2ガイド溝22-1が形成されて、バスバー110は、第2窪み装着部112の内部に突出されて第2−2ガイド溝22−1にスライド結合される第2ガイド部114を含むことができる。
【0048】
言い換えれば、第2窪み装着部112は、第1電極端子11から最も遠い位置の第2電極端子22の側面とスライド結合可能になるように、第2電極端子の側面に位置する第2ガイド溝22−1とスライド結合される第2ガイド部114を含むことができる。
【0049】
要するに、本発明の一実施例に係るバスバーモジュール100は、複数個のセル10、20の直列連結のために、第1セル10の正極である第1−1電極端子11と第2セル20の負極である第2−2電極端子22を互いに連結するが、電極端子11、22に形成されたガイド溝11−1、22−1にスライド結合されるガイド部113、114を介して第1、第2窪み装着部111、112が電極端子11、22に安着される方式でセル10、20を直列連結する。
【0050】
この時、図1ないし図5に示されたように、バスバーモジュール100は、ガイド溝11−1、22−1にガイド部113、114がスライド結合される方向(矢印方向)に挿入されることが好ましい。反対に挿入される場合には、他の電極端子12、21との干渉によって結合が相対的に容易ではない。
【0051】
そして、ガイド部113、114のガイド溝11−1、22−1へのスライド結合が終了するように、バスバー110は、第1及び第2窪み装着部111、112の終端に形成されるストッピング部115、116をさらに含むことができる。一例として、ストッピング部115、116は、第1及び第2窪み装着部111、112の終端に段差形状で形成されることができる。
【0052】
すなわち、第1及び第2窪み装着部111、112の前端が第2方向に並行な方向に電極端子11、22に入り込むことによって、ガイド部113、114はガイド溝11−1、22−1にスライド結合され、第1及び第2窪み装着部111、112の終端に位置するストッピング部115、116によってスライド結合が終了する。
【0053】
一方、図6は、本発明の一実施例に係るバスバーモジュール100がセル10、20に装着された状態に対する部分拡大図で、図6に示されたように、バスバー110のガイド部113、114には固定突起117、118が形成されることができる。これによって、ガイド部113、114がガイド溝11−1、22−1にスライド結合された後、バスバーモジュール100の任意離脱が防止されることができる。この時、図6に示されたように、ガイド部の固定突起117、118に対応して、電極端子にもガイド溝11−1、22−1に突出する固定突起が形成されることができ、これはバスバーモジュール100を電極端子に一層堅固に固定する。
【0054】
図面には示されなかったが、出力上昇のために追加的なバッテリーセルが第1、第2セルと並んで配列されることができ、第3セル(図示せず)が第2セル20と互いに突き合わせて追加で配列される場合、セル間の直列連結のために、第2セル20の第2−1端子21は、第3セルの負極端子である第3−2電極端子と連結することができる。
【0055】
この時にも、第2セルと第3セルとの直列連結には、本発明のバスバーモジュールが適用することができ、バスバーモジュール(図示せず)は、第2セル20と第3セル(図示せず)の電極端子に形成されたガイド溝にスライド結合されるガイド部を介して第2セルと第3セルの電極端子に安着される方式でセルらを直列連結することができる。
【0056】
第1セル10と第2セル20とを連結するためのバスバーモジュール100と対比して、第2セル20と第3セル(図示せず)とを連結するバスバーモジュール(図示せず)は、挿入方向が反対に変更されたことを除いた残りの構成は同一であるため、より詳細な説明は略する。
【0057】
上記のように、本発明の一実施例に係るバスバー110は、電極端子11、22に形成されたガイド溝11−1、22−1に対応するガイド部113、114を介してスライド結合方式を提供する。したがって、本発明によれば、異種金属間の溶接性低下のような問題点なしにセル間の便利な直列連結が可能である。
【0058】
続いて、図1ないし図5を参照すれば、本発明の一実施例に係る絶縁部120は、前記バスバー110を収容する収容溝122を具備する。この時、絶縁部120は、バスバー110の外側面を覆う蓋部を含むことができ、したがって、バスバーは蓋部と水平部材との間の収容溝に存在することができる。
【0059】
収容溝122は、バスバー110と相応する形状を有することが好ましく、絶縁部120にあらかじめ形成されている収容溝122にバスバー110が挿入される方式で収容することができる。また、本発明の他の実施例によれば、バスバー110は絶縁部120にインサート射出方式で収容することもできる。
【0060】
基本的に絶縁部120は絶縁材質で成り、バスバー110を介して流れる電気が短絡することを防止し、前記バスバー110は絶縁部120に形成された収容溝122に収容された状態で電極端子11、22に結合されるようになる。すなわち、絶縁部120はバスバー110を絶縁させる機能とともにバスバー110と電極端子11、22との結合を容易にする機能を遂行する。
【0061】
また、本発明の一実施例に係る絶縁部120は、互いに直列連結される第1セル10と第2セル20との整列のための水平部材124及びスペーサ126を含む。より詳細には、図7は、本発明の一実施例に係るバスバーモジュール100がセル10、20に装着された状態の左側面図で、図7に示されたように、水平部材124は絶縁部120の下部へ延長形成されて、段差形状で具備されて第1セル10と第2セル20との上面に接触する方式でセルらの水平整列をガイドする。
【0062】
すなわち、水平部材124は、バスバーモジュール100がセル10、20の電極端子11、22に挿入される時、第1−1電極端子11が置かれる第1セル10の上面及び第2−2電極端子22が置かれる第2セル20の上面に接触されて、第1セルと第2セルとの高さが同一に維持するようにすることで、セル間の水平整列をガイドする。このために、水平部材124は、図1ないし図7に示されたように、バスバー110の第1窪み装着部111と第2窪み装着部112との間に位置して、全体的に平坦に形成されることが好ましい。
【0063】
次に、スペーサ126は、前記水平部材124上から垂直下方へ延長形成されて、直列連結されるセルら10、20の間に所定の間隔を維持させる。すなわち、スペーサ126は、水平部材124上から下部へ延長形成されてバスバー110の第1窪み装着部111と第2窪み装着部112との間に位置して、バスバーモジュール100がセル10、20の電極端子11、22に挿入される時、第1セル10の一面と第2セル20の一面とに接触されてセル間の適正離隔距離を確保する。
【0064】
このように、スペーサ126によってセル10、20間の適正離隔距離が確保されることで、セルの間に通風が円滑になされるようにすることができる。この時、セルの間の通風がより円滑になされるように、図7に示されたように、スペーサ126の内部にはセルの幅方向に延びる貫通ホール1262が形成することができ、スペーサ126の外側面には、セルの幅方向に延びる貫通溝1264がさらに形成されることができる。
【0065】
一方、絶縁部120を構成する水平部材124及びスペーサ126は、同一の絶縁材質で一体に形成されることができ、一体に形成される絶縁部120の特性上バスバー110は、前述したように、インサート射出方式で絶縁部120に収容することができる。
【0066】
また、本発明では説明の便宜のために、セル間ぼ水平整列をガイドする水平部材124が第1セルと第2セルとの上面に接触する状態で存在し、セル間の間隔を維持するスペーサ126もまた第1セルと第2セルとの一面に接触する状態で存在するものと仮定して説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、接触はバスバーモジュール100が電極端子11、22に入り込む過程で一時的になされることができ、入り込みが終了した時点で水平部材124とスペーサ126の中で少なくとも一つはセルと接触されていない状態で存在することもできる。
【0067】
このように、本発明の一実施例に係る絶縁部120によってバスバー110の外部露出による安全事故を未然に防止することができ、バスバー110の電極端子への結合がガイドされるだけでなく、セル間の水平整列及びセル間の通風円滑による冷却效果の増大を期待することができる。
【0068】
以上のように、本発明では具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例及び図面によって説明したが、これは本発明のより全般的な理解のために提供されたものであるあるだけで、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、以上のような記載から多様な修正及び変形が可能である。したがって、本発明の思想は説明された実施例に限って決まってはならず、後述する特許請求の範囲のみならず、特許請求の範囲と均等または等価的変形のあるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するといえる。
【符号の説明】
【0069】
10、20 バッテリーセル、
11、12、21、22 電極端子、
11−1、22−1 ガイド溝、
100 バスバーモジュール、
110 バスバー、
111、112 窪み装着部、
113、114 ガイド部、
115、116 ストッピング部、
117、118 固定突起、
120 絶縁部、
122 収容溝、
124 水平部材、
126 スペーサ、
1262 貫通溝、
1264 貫通ホール
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7