特許第6594232号(P6594232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594232
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】即席フライ麺の製造装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20191010BHJP
   A23L 7/109 20160101ALI20191010BHJP
【FI】
   A47J37/12 361
   A23L7/109 J
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-45252(P2016-45252)
(22)【出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2017-158765(P2017-158765A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】日比 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】東田 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】早川 光治
(72)【発明者】
【氏名】新開 大介
【審査官】 田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−328923(JP,A)
【文献】 実開昭56−111925(JP,U)
【文献】 特開昭60−029117(JP,A)
【文献】 特開昭57−125723(JP,A)
【文献】 特開2004−229906(JP,A)
【文献】 特開昭53−032170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
A23L 7/109
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライ油槽と、
前記フライ油槽の上流に配置され、リテーナに麺線群を投入する麺線供給機構と、
前記フライ油槽の第1の領域において、前記リテーナをフライ油に部分的に浸漬させた状態で水平に移送し、これに連続して、前記フライ油槽の第2の領域において、前記リテーナをフライ油の油面以下に浸漬した状態で水平に移送するフライ麺線群移送機構と、
前記フライ油槽の底部に設けられた吸い込み口からフライ油を回収し、再加熱したフライ油を前記フライ油槽の底部に設けられた複数の噴出し口から前記フライ油槽へ供給するフライ油循環機構と、
前記フライ油槽の上流底部に設けられた噴出し口の少なくとも1つにおいて、流入するフライ油が直接リテーナに当たるのを防止する延長板を備え、
前記延長板は複数の孔を有し、
前記フライ油循環機構から供給されるフライ油は、前記延長板の左右、前面、及び複数の孔から前記フライ油槽へ流入可能である、ことを特徴とするフライ麺塊製造装置。
【請求項2】
前記第1の領域において、フライ油の油面レベルを測定するセンサをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のフライ麺塊製造装置。
【請求項3】
前記センサにより測定された前記油面レベルに基づいて、前記フライ油循環機構へ供給する新油の供給量を制御する新油供給機構と、
をさらに備え、
油面の変動範囲は±5mm以下である、
ことを特徴とする、請求項2に記載のフライ麺塊製造装置。
【請求項4】
前記各噴出し口から供給されるフライ油の流量を制御するフライ油流量制御機構をさらに備え、前記フライ油槽の上流に設けられた噴出し口から供給されるフライ油の流量は、下流に設けられた噴出し口から供給されるフライ油の流量と比べて少なくなるように制御される、請求項に記載のフライ麺塊製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎密が少なく、均一にフライされた即席フライ麺の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
即席麺は、常温での長期保存が可能で、調理が簡便、かつ安価に提供される優れた加工食品である。特に容器入り即席麺は、容器に熱湯を注ぐだけで喫食できるため様々な場面で重用されている。
【0003】
現在のカップ型容器入り即席麺の多くは、その麺塊の上面が平坦、かつ密であり、下部が疎の状態であるのが一般的である(特許文献1)。
【0004】
特許文献1に開示されている容器付スナック麺の製造法では、側面に小孔を有し底部を網目に形成した金属製のカップ状型(リテーナ)に麺線を充填して施蓋し、これをフライ油中に浸漬するため、麺線中の水分蒸発により麺線が浮上し、その上面は蓋に密着して平坦となり、かつ上部が密で下部が疎の状態の麺塊を成形することができる。
【0005】
このように麺塊の上面を平坦かつ密にしているため乾燥野菜などの具材を添入した場合、具が麺塊の中へ混入せず、喫食時に麺体の上部で復元し、食欲を増進する効果を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭50−38693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、麺線を充填して施蓋したリテーナ全体をフライ油へ浸漬した場合、麺線の水分蒸発によるフライ油の吹き上がりによって麺線群が浮上して蓋付近に集中するため、リテーナ内の油の対流が悪くなり、麺線の密度が高い部分についてフライが不十分になる課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、リテーナを搬送しながら効率良く、かつ均一にリテーナ内の麺線群をフライ乾燥する方法を鋭意研究した結果、(1)リテーナを部分的にフライ油に浸漬(以下、「ハーフフライ」と呼ぶ)すると、フライ油に浸漬した麺線群がリテーナ底部に固着し、麺線の水分蒸発によってフライ油が吹き上がるため、麺線群全体が上方へ膨張すること、(2)吹き上がるフライ油によって、上方へ膨張した麺線群も部分的にフライされること、(3)リテーナ全体をフライ油へ浸漬(以下、「ディープフライ」と呼ぶ)すると、膨張によって嵩高くなった麺塊形状が固定化されるため、麺線間へのフライ油の油回りが良くなり、均一に、かつ効率良く麺塊をフライ乾燥することが可能となることを見出し、当該方法を機械生産として実施可能な製造装置である本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本願第一の発明は、フライ油槽と、フライ油槽の上流に配置され、リテーナに麺線群を投入する麺線供給機構と、フライ油槽の第1の領域において、リテーナをフライ油に部分的に浸漬させた状態で移送し、これに連続して、フライ油槽の第2の領域において、リテーナをフライ油の油面以下に浸漬した状態で移送するフライ麺線群移送機構と、を備えたフライ麺塊製造装置に関する。
【0010】
本願第二の発明は、上記第1の領域において、フライ油の油面レベルを測定するセンサをさらに備えたことを特徴とする本願第一の発明に係るフライ麺塊製造装置に関する。
【0011】
本願第三の発明は、フライ油槽のフライ油を回収し、再加熱したフライ油をフライ油槽へ供給するフライ油循環機構と、センサにより測定された油面レベルに基づいて、フライ油循環機構へ供給する新油の供給量を制御する新油供給機構と、をさらに備えたことを特徴とする本願第二の発明に係るフライ麺塊製造装置に関する。
【0012】
本願第四の発明は、フライ油槽は、フライ油循環機構へフライ油を回収する吸い込み口と、フライ油循環機構からフライ油の供給を受ける複数の噴出し口とを備えることを特徴とする本願第三の発明に係るフライ麺塊製造装置に関する。
【0013】
本願第五の発明は、各噴出し口から供給されるフライ油の流量を制御するフライ油流量制御機構をさらに備え、フライ油槽の上流に設けられた噴出し口から供給されるフライ油の流量は、下流に設けられた噴出し口から供給されるフライ油の流量と比べて少なくなるように制御される、本願第四の発明に係るフライ麺塊製造装置に関する。
【0014】
本願第六の発明は、フライ油槽の上流底部に設けられた噴出し口の少なくとも1つに、複数の孔を有する延長板を備え、フライ油循環機構から供給されるフライ油は、延長板の左右、前面、及び複数の孔からフライ油槽へ流入可能である、ことを特徴とする本願第五の発明に係るフライ麺塊製造装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るフライ麺塊製造装置の側面模式図である。
図2】本発明に係るフライ油槽とフライ油循環機構の上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施態様について図1図2を参照しつつ説明する。但し、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【0017】
図1に示す本発明のフライ麺塊製造装置は、フライ油槽1と、フライ油槽1に注入されたフライ油2と、麺線群9を収納可能な複数のカップ状容器を備えたリテーナ本体31と、リテーナ本体31が装着された無端状の搬送コンベア3(リテーナ本体コンベア)と、フライ処理される麺線群9が麺線供給機構5によってリテーナ本体31のカップ状容器へ収納された後、フライ油中に進入する前に上部から被される図示しないリテーナ蓋体41が装着された無端状の搬送コンベア4(リテーナ蓋体コンベア)と、それぞれのコンベアが搬送できるように搬送チェーン(32、42)が巻きつけられたスプロケット(33、34、43、44)と、当該スプロケットに駆動を伝達する図示しない駆動モーターと、フライ油槽1のフライ油2の油面レベルを測定する油面レベルセンサ7と、フライ油槽1のフライ油2を回収し、再加熱したフライ油をフライ油槽1へ供給するフライ油循環機構8と、フライ油循環機構へ供給する新油の供給量を制御する新油供給機構、各噴出し口から供給されるフライ油の流量を制御するフライ油流量制御機構、及び旧油タンクより構成される。
【0018】
―リテーナ本体コンベア―
図1に示すように、本発明のリテーナ本体コンベア3は、リテーナ本体31が連続して配設された無端の搬送チェーン32より構成され、二段階で麺線群9をフライできるように構成される。搬送チェーン32は、第一スプロケット33と第二スプロケット34との間に巻きかけられており、図示しない駆動モーターによって駆動される。また、搬送チェーンの上側走行路を搬送往路、下側走行路を搬送復路として、時計回りに循環走行する。
【0019】
なお、搬送チェーン32およびスプロケット33、34は、リテーナ本体コンベア3の幅方向に隔てて一対を成して設けられており、複数のリテーナ本体31が一対の搬送チェーン32の間に架け渡されている。また、各リテーナ本体31には通液性の複数のカップ状容器が配置されている。
【0020】
本発明に係るフライ麺塊製造装置においては、麺線供給機構5によって麺線群9がカップ状容器に収納されたリテーナ本体31は、搬送往路において斜め下方向に運ばれ、図示しないリテーナ蓋体41がカップ状容器の開口部を覆った後、フライ油で満たされたフライ油槽1に進入する。そして、各カップ状容器に収納された麺線群9を、フライ油槽内のフライ油に一定の浸漬率で浸漬しながら、フライ油槽1内のフライ油中を水平に通過するように走行する。この工程を本願では「ハーフフライ」と呼ぶ。ここで、麺線群の浸漬率は、リテーナの底部から油面までの高さを麺線群の高さで割った値を百分率で表した値、リテーナの浸漬率は、リテーナの底部から油面までの高さをリテーナの高さで割った値を百分率で表した値であり、リテーナ全体、または麺線群全体がフライ油に浸漬した状態では、浸漬率はそれぞれ100%となる。
【0021】
ハーフフライの後、リテーナ本体31はさらに斜め下方向へ移動し、リテーナ本体31全体が完全にフライ油へ浸漬した状態で、フライ油槽1内のフライ油中を水平に通過する。この工程を本願では「ディープフライ」と呼ぶ。ここで、ハーフフライからディープフライへ移行する際におけるリテーナ本体コンベア3の傾きは7°〜9°とすることが好ましい。
【0022】
ディープフライの後、リテーナ本体31はフライ油槽1から斜め上方向へ引き上げられ、カップ状容器から麺塊を取り出した後、反転して復路を走行する。搬送チェーン31は、フライ油槽1を囲むように配置されているため、フライ油槽1下方部を搬送復路として走行する。
【0023】
なお、ハーフフライ、およびディープフライにおけるフライ時間は、それぞれの工程が実施されるフライ油槽の長手方向における距離とリテーナ本体31の搬送速度によって決定される。
【0024】
―リテーナ蓋体コンベア―
図1に示すように、本発明のリテーナ蓋体コンベア4は、フライ処理する麺線群をリテーナ本体31のカップ状容器に収納した後、リテーナ蓋体41により各カップ状容器の開口部を覆うように構成される。
【0025】
リテーナ蓋体コンベア4では、複数のリテーナ蓋体41が無端の搬送チェーン42に配設される。搬送チェーン42は、第三スプロケット43と第四スプロケット44との間に巻きかけられており、リテーナ本体コンベア3と同調するよう、リテーナ本体コンベア3の図示しない駆動モーターによって駆動される。また、搬送チェーン42の下側走行路を搬送往路、上側走行路を搬送復路として、反時計回りに循環走行する。
【0026】
リテーナ蓋体41には、通液性を確保するために複数の孔が設けられている。
【0027】
―フライ油槽―
図1に示すように、フライ油槽1の長手方向の中央底部には、フライ油循環機構8へフライ油を回収するための吸い込み口11が設けられ、吸い込み口11を挟んで上流側(リテーナ本体31がフライ油に投入される側)及び下流側(リテーナ本体31がフライ油から引き上げられる側)には、フライ油循環機構8から加熱されたフライ油を供給するための噴出し口がそれぞれ2か所設けられている。フライ麺塊の生揚げを防ぐためには、上流及び下流に少なくとも1カ所噴出し口を設けることが望ましい。また、本発明に係るフライ麺塊製造装置では、各噴出し口が図2に示すようにそれぞれ8つの開口部を備えているが、その数は適宜選択することができる。
【0028】
吸い込み口11は、その開口幅が吸い込み方向へ向けて次第に狭くなるテーパー形状を有している。これにより、フライ油槽1内に不要な渦流を生じさせることなく、フライ油を吸い込むことが可能となる。また、フライ油槽1の幅方向に吸い込み口11が延在しているため、下流の噴出し口14、15から供給されたフライ油が吸い込み口11を越えて上流側に流れ込み、その抵抗によってリテーナ底部に固着した麺塊が剥離し、固定化されていない麺塊形状が崩れるのを防ぐことができる。
【0029】
―フライ油循環機構―
フライ油循環機構8は、吸い込み口11からフライ油を回収し、異物を除去するストレーナ84と、熱交換器フライ油回収管86を介してストレーナ84から流入するフライ油を加熱する熱交換器81と、熱交換器81から各噴出し口へ加熱されたフライ油を供給する熱交換器フライ油供給管87と、フライ油共通供給管83と、フライ油共通供給管83から各噴出し口へ供給されるフライ油の流量を制御するバルブ89と、新油を貯蔵する新油タンク82と、ストレーナ84を介して新油を熱交換器81へ供給する新油供給管85より構成される。なお、新油は回収されたフライ油と混合され、熱交換器81において加熱される。また、新油の供給量は比例バルブ80により制御される。
【0030】
本発明に係るフライ麺塊製造装置では、フライ油槽1へのフライ油の供給量を制御するため、ハーフフライを実施する第1の領域において、少なくとも1つの油面レベルセンサ7を設けている。油面レベルセンサ7は、油面の変動を測定できる液面センサであればいかなるセンサでも良いが、mm単位の精度で油面の変動を検知する機能を有することが望ましく、例えば、ガイドパルス式のレベルセンサを使用することができる。
【0031】
フライ油はその一部が麺塊に吸収されるため、フライ油槽1内のフライ油は生産を続けるにしたがって減少していく。従来のフライ麺の製造では、フライ油の油面の変動は大きな問題とはならなかったが、ハーフフライにおける麺線群のフライ油への浸漬率は、フライ効率及び麺塊の形状に大きな影響を及ぼす。そのため、本発明に係るフライ麺塊製造装置では、ハーフフライを実施する第1の領域に油面レベルセンサ7を設け、油面の変動が所定範囲となるように新油タンク82からストレーナ84へ供給される新油の量を比例バルブによってフィードバック制御する新油供給機構を備えている。なお、麺塊形状安定の観点から、油面の変動範囲は±5mm以下、好ましくは±3mm以下であることが望ましい。
【0032】
上記のようにハーフフライを実施する第1の領域において油面レベルを測定し、測定結果に応じて比例バルブ80により新油の供給量を制御することで、ハーフフライを実施する第1の領域における油面レベルの変動を最小化し、良好なフライ効率を得るのに適した麺塊群の浸漬率を機械生産においても安定的に得ることが可能となる。
【0033】
また、本発明に係るフライ麺塊製造装置は、図示しないフライ油流量制御機構により各バルブ89の開口率をそれぞれ制御し、これにより各噴出し口からフライ油槽1へ供給されるフライ油の流量を変更可能となるように構成される。
【0034】
この際、フライ油槽の上流に供給されるフライ油の流量は、下流と比べて小さくなるように各バルブ89の開口率を制御することが望ましい。フライ麺塊を機械生産する場合、麺線群を収納したリテーナ本体を搬送しながらフライ油に浸漬するため、麺線群はフライ油の抵抗を受けやすい。フライ油槽の上流に設けられた噴出し口からのフライ油の流量が、下流に設けられた噴出し口からの流量と比べて小さくなるように各バルブ89の開口率を制御することで、リテーナ底部に固着している麺塊が剥離して浮上し、その形状が崩れるのを防ぐことが可能となる。具体的には、下流に設けられた噴出し口からフライ油槽に供給されるフライ油の単位時間あたりの総流量を1とした場合、上流に設けられた噴出し口からの単位時間あたりの総流量は0.9以下、より好ましくは0.85以下の範囲とすることが望ましい。
【0035】
なお、フライ油槽の上流に供給されるフライ油の流量を下流と比べて小さくした場合、同じフライ油槽内であっても上流の油面レベルは下流と比べて低くなる。そのため、ハーフフライにおける麺線群のフライ油への浸漬率を所定範囲に制御するには、ハーフフライを行う第1の領域における油面レベルの測定が必要となる。
【0036】
―延長板―
本発明に係るフライ麺塊製造装置では、第2噴出し口13に複数の孔61を備えた延長板6を設けている。噴出し口より加熱されたフライ油が対流によってリテーナ本体31に向けて上昇すると、リテーナ本体31のカップ状容器底面に固着した麺塊が剥離して浮上し、麺塊形状が崩れる場合がある。これは、麺塊の形状が固定化されておらず、リテーナ本体31と噴出し口との距離が近いハーフフライからディープフライに移行した直後に生じやすい。そのため、本発明に係るフライ麺塊製造装置では、ハーフフライからディープフライに移行した直後の領域に設けられた第2噴出し口13に延長板6を設け、加熱されたフライ油が直接リテーナ本体31に直接当たるのを防止している。
【0037】
また、フライ油循環機構から供給されるフライ油には多数の気泡が含まれており、気泡が大きいと麺塊がカップ状容器底面から剥離して浮上する要因となる。延長板6には複数の孔61が設けられているため、気泡の径を小さくし、大きい気泡がリテーナ本体31を直撃するのを回避することが可能となる。
【0038】
さらに、本発明に係るフライ麺塊製造装置では、延長板6の左右側面とフライ油槽の内側面間に一定の空隙を設けている。各空隙は、5cm〜15cmの幅を有することが望ましい。上方にリテーナ本体31にカップ状容器が存在しない延長板6の左右にフライ油が流通可能な空隙を設けることで、第2噴出し口13から供給されるフライ油の流れがリテーナ本体31に集中するのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 フライ油槽
11 吸い込み口
12 第1噴出し口
13 第2噴出し口
14 第3噴出し口
15 第4噴出し口
16a,16b フライ油第1供給管
17a,17b フライ油第2供給管
18a,18b フライ油第3供給管
19a,19b フライ油第4供給管
2 フライ油
21 油面
3 リテーナ本体コンベア
31 リテーナ本体
32 搬送チェーン(リテーナ本体コンベア用)
33 スプロケット(リテーナ本体コンベア用)
34 スプロケット(リテーナ本体コンベア用)
4 リテーナ蓋体コンベア
41 リテーナ蓋体
42 搬送チェーン(リテーナ蓋体コンベア用)
43 スプロケット(リテーナ蓋体コンベア用)
44 スプロケット(リテーナ蓋体コンベア用)
5 麺線供給機構
6 延長板
61 孔
7 油面レベルセンサ
8 フライ油循環機構
80 比例バルブ
81 熱交換器
82 新油タンク
83 フライ油共通供給管
84 ストレーナ
85 新油供給管
86 熱交換器フライ油回収管
87 熱交換器フライ油供給管
88 ポンプ装置
89 バルブ
9 麺線群
図1
図2