特許第6594431号(P6594431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594431
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】イオン濃度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/26 20060101AFI20191010BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20191010BHJP
   G01N 27/333 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G01N27/26 371G
   G01N27/26 371D
   G01N27/26 371F
   G01N27/416 351A
   G01N27/416 351J
   G01N27/333 331Z
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-535285(P2017-535285)
(86)(22)【出願日】2016年7月1日
(86)【国際出願番号】JP2016069617
(87)【国際公開番号】WO2017029893
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2018年2月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-162451(P2015-162451)
(32)【優先日】2015年8月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 祥人
(72)【発明者】
【氏名】小沢 理
(72)【発明者】
【氏名】小野 哲義
(72)【発明者】
【氏名】三宅 雅文
【審査官】 櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/034169(WO,A1)
【文献】 特開2005−114697(JP,A)
【文献】 特開昭54−119989(JP,A)
【文献】 実開昭62−203450(JP,U)
【文献】 国際公開第2014/181632(WO,A1)
【文献】 特表2003−530135(JP,A)
【文献】 特開2012−002504(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0132274(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3128892(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26−27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物質を含む測定溶液が導入される流路又は容器に接し、前記測定溶液に含まれるイオンの濃度の連続測定に使用される第1の電極と、イオンの濃度の測定に関わる情報を記憶する、外部からあるレベル以上の強さの電波を受信しない限り、応答する電波を発しないセミアクティブタイプのICタグからなる半導体メモリとを有する少なくとも1つの第1のカートリッジと、
第2の電極を有する第2のカートリッジと、
前記第1の電極と前記第2の電極の電位差を測定する電位計と、
前記半導体メモリとの間で、前記情報を読み取る情報読み取り部と、
前記情報読み取り部が前記半導体メモリと前記情報を通信する第1の期間と、前記電位計が前記電位差を測定する第2の期間とが重ならないように制御する制御部と
を有するイオン濃度測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
データの書き込みが可能な前記半導体メモリに対し、前記情報を書き込む情報書き込み部を更に有し、
前記制御部は、前記情報書き込み部が前記半導体メモリと前記情報を通信する第3の期間が、前記第2の期間と重ならないように制御する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報は、輸送保管時の情報、及び/又は、測定毎に取得若しくは更新される情報である
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記制御部は、装置内部の弁を開閉する第3の期間が、前記第2の期間と重ならないように制御する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報は、製造時に決定付けられる前記第1の電極及び/又は前記第2の電極に固有の情報、及び/又は、前記流路又は容器に固有の情報である
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記第2のカートリッジは、前記情報を記憶する第2の半導体メモリを有する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項7】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記第1及び第2のカートリッジは装置本体に対して着脱可能である、又は、前記半導体メモリは前記第1及び第2のカートリッジに対して着脱可能である
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項8】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
外来の電磁ノイズを抑制する電磁シールドを更に有する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項9】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
特定のイオン濃度の測定に関わる情報を記憶する第2の半導体メモリを有する試薬容器を更に有し、
前記制御部は、前記第2の半導体メモリとの間で前記情報を通信する第3の期間が、前記第2の期間と重ならないように制御する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項10】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報読み取り部は、前記半導体メモリと有線通信方式により通信する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項11】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報読み取り部は、前記半導体メモリと無線通信方式により通信する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項12】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
複数の前記第1のカートリッジが1つの一体型カートリッジとして構成されており、前記半導体メモリは前記一体型カートリッジに対して1つだけ装着される
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項13】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記第2のカートリッジと、1つ又は複数の前記第1のカートリッジとが1つの一体型カートリッジとして構成されており、前記半導体メモリは前記一体型カートリッジに対して1つだけ装着される
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項14】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報読み取り部は、周波数分割方式、信号レベルの違いによる分割方式、及び、符号分割方式のいずれか又は組み合わせにより、又は、通信帯域の分割多重化方式により前記情報を通信する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項15】
請求項2に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報書き込み部は、周波数分割方式、信号レベルの違いによる分割方式、及び、符号分割方式のいずれか又は組み合わせにより、又は、通信帯域の分割多重化方式により前記情報を通信する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項16】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
標準溶液、内部標準液および前記測定溶液での測定を連続して行い、
前記制御部は、
前記標準溶液、内部標準液および前記測定溶液での測定のそれぞれにおいて、前記情報読み取り部が前記半導体メモリと前記情報を通信する第1の期間と、前記電位計が前記電位差を測定する第2の期間とが重ならないように制御する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項17】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
複数の測定を連続して行い、
前記制御部は、
複数の前記測定のそれぞれにおいて、前記電位計が前記電位差を測定する第2の期間と重ならないように前記情報読み取り部が前記半導体メモリと前記情報を通信する前記第2の期間とは重ならない第1の期間を設けるように制御する
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項18】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記情報読み取り部は、
製造時に決定付けられる電極固有の情報であるイオンの種類、ロット番号、シリアル番号、有効期限、製造日、適正出力範囲、警報条件、輸送保管時の情報である温度、湿度、気圧、加速度の時間プロファイル、また測定毎に取得または更新される情報である測定施設、測定装置、測定担当者、測定チャンネル、測定日時、使用した試薬(標準溶液、希釈液)の種類及び組成、pH、反応時間、撹拌時間、試料分取量、希釈液量、希釈倍率、導入液量、導入時間、導入流量、導入流速、温度、湿度、圧力、測定サイクル時間、測定待ち時間、データ取得時間、データ取得回数、電位、測定結果である各イオンの濃度、電極の抵抗やインピーダンス、測定試料数、スロープ感度、電位安定性、同時再現性、選択性、補正係数、時間応答特性、感度、検量線再測定条件、データ処理アルゴリズム、交換パーツの情報のうちから選択されるいずれか1以上の情報を読み取る
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【請求項19】
請求項1に記載のイオン濃度測定装置において、
前記第1のカートリッジに測定溶液を送液する送液手段を有する、
ことを特徴とするイオン濃度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生体試料中のイオンを測定するイオン濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料(例えば血清や尿)中のイオンの濃度を分析する方法には、電量滴定法、炎光光度法、イオン選択性電極法などがある。イオン選択性電極法は、イオン選択性電極を参照電極と共に試料液に浸すだけで、試料中のイオン濃度を定量できるため、現在広く利用されている。
【0003】
イオン濃度測定装置は、小型化と自動化が可能である。この利点を活かし、臨床検査の分野では、イオン濃度測定装置が生化学自動分析装置に組み込まれて利用されている。イオン選択性電極法を採用するイオン濃度測定装置は、測定対象とするイオンに対応するイオン選択性電極と参照電極とを有している。この種のイオン濃度測定装置は、イオン選択性電極に現れる電位と参照電極に現れる電位との差(電位差)を測定することにより、試料中の各種のイオン濃度を測定する。
【0004】
一方で、臨床検査機器においては、医療ミスの削減及びミス発生時の早期対応を目的として、機器や使用条件などに関連する情報(識別コード、使用期間、使用状態等)を記録することが求められている。この要求に応えるため、この種の情報の記録する記憶媒体をイオン選択性電極のカートリッジに実装する手法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この手法の場合、機器が故障しても、故障した機器から取り外したカートリッジを他の機器に付け替えれば、記憶媒体に記録されている情報を、付け替え先の機器に引き継いで測定を継続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2011/034170
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、ICタグとの間で情報を読み書き可能なシステムも注目されている。この種の仕組みは、前述したカートリッジ側に搭載された記憶媒体との情報の読み書きにも応用することができる。しかし、カートリッジに実装されている電極のインピーダンスは高い。このため、イオン濃度の測定中に情報の読み書きが行われると、その際に発生する電波(電磁波)が、電位差の計測結果に影響を与えてしまう。具体的には、情報の読み書きの際に発生する電波(電磁波)がノイズとして計測結果に混入し、測定精度が低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。本明細書は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、カートリッジに搭載された半導体メモリから情報を読み取る期間と、イオンの濃度を測定する期間とが重ならないように制御する制御部を有するイオン濃度測定装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カートリッジ側に半導体メモリが搭載されている場合にも、精度の低下を気にすることなくイオンの濃度を測定することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】電極を実装するカートリッジの外観構成例を示す図。
図1B】電極を実装するカートリッジの外観構成例を示す図。
図1C】電極を実装するカートリッジを鎖線I−I(図1A)に沿って破断して示す図。
図2】実施例1で使用するイオン濃度測定装置の概略構成を示す図。
図3図2に示すイオン濃度測定装置の動作例1(標準溶液の測定)を説明するフローチャート。
図4】動作例1に対応するタイムチャート。
図5図2に示すイオン濃度測定装置の動作例2(内部標準液の測定)を説明するフローチャート。
図6図2に示すイオン濃度測定装置の動作例3(検体の測定)を説明するフローチャート。
図7図2に示すイオン濃度測定装置の動作例4(連続測定)を説明するフローチャート。
図8図2に示すイオン濃度測定装置の動作例5(他の送受信タイミングの例)を説明するフローチャート。
図9図2に示すイオン濃度測定装置の動作例6(他の送受信タイミングの例)を説明するフローチャート。
図10】動作例6に対応するタイムチャート。
図11】実施例2で使用するイオン濃度測定装置の概略構成を示す図。
図12図11に示すイオン濃度測定装置の動作例1(標準溶液の測定)を説明するフローチャート。
図13図11に示すイオン濃度測定装置の動作例2(内部標準液の測定)を説明するフローチャート。
図14図11に示すイオン濃度測定装置の動作例3(検体の測定)を説明するフローチャート。
図15図11に示すイオン濃度測定装置の動作例4(他の送受信タイミングの例)を説明するフローチャート。
図16図11に示すイオン濃度測定装置の動作例4(他の送受信タイミングの例)を説明するフローチャート。
図17】試薬容器にメモリを搭載する例を示す図。
図18】イオン濃度測定装置の他の構成例を示す図(情報読み書き部を複数有する例)。
図19】独立端子方式の有線通信路を通じて半導体メモリに接続する例を説明する図。
図20】共有端子方式の有線通信路を通じて半導体メモリに接続する例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0011】
(1)カートリッジの構成
まず、イオン濃度測定装置に搭載されるイオン選択性電極のカートリッジの構成例を説明する。本実施例の場合、カートリッジは、イオン濃度測定装置の装置本体に対してユーザが着脱自在に装着できるものとする。従って、イオン濃度測定装置が故障した場合、ユーザは装置本体からカートリッジを取り外し、別のイオン濃度測定装置に装着することができる。もっとも、カートリッジは、専門家によるメンテナンス作業以外では、イオン濃度測定装置から取り外すことができないように設計されていても良い。
【0012】
図1Aは、カートリッジ101の6面図のうちの一つであり、流路102の開口部が形成された側面(Z−Y面)について表している。図1Bは、カートリッジ101を貫くように形成された流路102と直交する方向から見た側面(Z−X面)について表している。図1Cは、図1Aに示す鎖線I−Iに沿ってカートリッジ101を破断して示す断面図(Z−X面)である。図1A図1Cに示すように、本実施例によるイオン選択性電極は、カートリッジ101、流路102、ICタグ103、内部電極104、内部液105、感応膜106から構成される。カートリッジ101の外観は直方体形状であり、その側面の1つにICタグ103が取り付けられている。測定対象とするイオンに対応するイオン選択性電極(第1の電極)を実装するカートリッジ101と、参照電極(第2の電極)を実装するカートリッジ101は以下の点を除いて基本的に同じ構成を有している。即ち、イオン選択性電極は目的イオンに選択的に応答する感応膜106を備える。参照電極は、参照電極液に一定量含まれるイオンに応答する感応膜106、あるいは、試料中に含まれるイオンの濃度に依らずに一定の電位を出力する参照電極膜106A、を備える。従って、以下イオン選択性電極と参照電極とを総称して、単に「電極」と記す。
【0013】
図1A図1Cは、1つのカートリッジ101内に1つの電極が実装される場合の構造を表している。この場合、イオン選択性電極とカートリッジ101とは一対一に対応する。従って、以下電極と、その機能を実装するカートリッジ101とを、基本的に同じ意味で用いる。一方、1つのカートリッジ101内に複数の電極が実装される構成も考えられる。この場合、1つのカートリッジ101に複数種類のイオン選択性電極(第1の電極)が実装されていても良いし、1つのカートリッジ101に1又は複数のイオン選択性電極(第1の電極)と参照電極(第2の電極)が実装されていても良い。このように、1つのカートリッジ101に複数の電極が実装される場合、カートリッジ101内には電極の種類の数に対応する容器101Aが個別に内蔵される。なお、複数の電極がカートリッジ101に実装される場合、ICタグ103はカートリッジ101に対して1つのみ搭載されていれば良い。
【0014】
カートリッジ101は、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂で構成されている。流路102は、測定対象物質を含む溶液が導入される管として形成され、カートリッジ101の一方の側面から他方の側面まで貫通している。流路102の直径は、例えば0.1〜1mm(ミリメートル)程度であり、その内容量は例えば数ピコリットル〜数マイクロリットル程度である。カートリッジ101の内部には容器101Aが形成されている。容器101Aは、例えば数ミリリットル程度の容積を有している。容器101Aの底部は感応膜106によって形成され、容器101Aの内側は感応膜106を挟んで流路102と接している。容器101Aは、内部液105で充填されている。この内部液105と内部電極104の一端とが接触している。内部電極104(が内部液と接触する側の端部)は、例えば銀/塩化銀、白金等で構成される。内部電極104(が内部液と接触しない側の端部)は、電極の出力端子も兼ねている。
【0015】
内部液105は、例えばグラファイトと液体オイルの混合体を使用する。混合体は、グラファイトと液体オイルを例えば重量比1:2で混合したものを使用する。なお、グラファイトと液体オイルの混合には乳鉢を用いる。液体オイルは、想定される使用環境である0〜50℃において液体の状態であることが好ましい。液体オイルが液体の状態であることで、(1)一価の陽イオンに対する応答の向上、(2)感応膜106との密着性の確保、(3)液体中におけるイオンの動作速度の向上が期待される。また、使用される条件下で液体であれば、液体オイルは、前述した温度範囲の全てにおいて液体である必要はない。液体オイルには、水と混和しない物質(例えばパラフィンなどのアルカン、Pure Appl. Chem., Vol. 72, No. 10, pp. 1851-2082, 2000に記載されているDOA,DOP,DOS,oNPOEなどの可塑剤、フッ素系高分子、フッ素系オイル)を用いることができる。また、内部液105に水溶液を用いる場合には、測定対象イオンを含み、いわゆる塩橋として知られる各種の電解質水溶液を使用することができる。特に、電解質水溶液にアガロース等の高分子を添加したゲル状の内部液は、機械的安定性が高いため好適に使用できる。さらに、防腐効果を有する物質、例えばほう酸などを加えることで、長期保管時において、内部液中での雑菌の繁殖を抑制することが可能となる。
【0016】
感応膜106には、Pure Appl. Chem., Vol.72, No.10, pp.1851-2082, 2000に記載されているようなリチウム、ナトリウム、カリウムなどのイオン選択膜が用いられる。感応膜106に用いるイオン選択膜には、これらの他、塩素、カルシウム、マグネシウム、重炭酸、亜鉛、銅、鉄を選択的に透過するイオン選択膜も使用することができる。
【0017】
ICタグ103は、送信回路、小規模な論理回路、半導体メモリを格納するICチップを基板上に実装し、それらを樹脂で封止した構成を有している。ICタグ103の搭載場所は、図示した場所に限定されず、流路102と内部電極104が位置する場所以外であれば、カートリッジ101の任意の箇所に搭載することができる。ICタグ103は、例えば絶縁した上で、内部液105の中に搭載することもできる。
【0018】
本実施例では、ICタグ103として、RFID(Radio Frequency Identification)タグを採用する。もっとも、ICタグ103はRFIDタグに限らない。例えば非接触で情報を読み取ることが可能なICタグ、非接触で情報を書き込むことが可能なICタグ、非接触で情報を読み書き可能なICタグを用いることができる。また、ICタグ103は、電気配線(有線路)を通じて外部と通信可能でも良い。また、ICタグ103には、リードオンリー型の半導体メモリを搭載しても良い。この場合、ICタグ103には、アンテナに接続される送信回路が搭載される。リードオンリー型の半導体メモリ(ROM:Read Only Memory)は、ICタグ103に、製造時に決定付けられる電極に固有の情報(例えば使用寿命、電極スロープ値)、流路102に固有の情報、容器101Aに固有の情報のように静的な情報のみを記憶する場合に好適である。
【0019】
ICタグ103には、読み書き可能な半導体メモリを搭載することもできる。この場合、ICタグ103には、受信回路も搭載される。読み書き可能な半導体メモリは、静的な情報に加え、動的な情報(例えば輸送保管時の情報、測定毎に取得若しくは更新される情報)を記憶する場合に適している。読み書き可能な半導体メモリには、PROM(Programmable ROM)と呼ばれる少なくとも1回は書き込み可能なROM、EPROM(Erasable ROM)と呼ばれる紫外線などにより消去して再利用可能なROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)と呼ばれる電気的に消去して再利用可能なROM、RAM(Random Access Memory)と呼ばれる読取と書込みの両方が可能なメモリ、SRAM(Static RAM)と呼ばれるリフレッシュ不要なRAM、DRAM(Dynamic RAM)と呼ばれるリフレッシュが必要なRAM、フラッシュメモリ(不揮発性のRAM)、FRAM(Ferroelectric RAM)(登録商標)と呼ばれる不揮発性と高速性を両立するRAMなどを用いることができる。後述する実施例では、前述した各種のメモリのうち、電源やリフレッシュ無しに情報を保持することができ、しかも情報を簡単に書き換えることができるフラッシュメモリやFRAM(登録商標)をICタグ103に使用する。
【0020】
RFIDタグには、大別してパッシブタイプとアクティブタイプがある。前者は読み書き装置から電波などを受け、それをエネルギー源として動作するもので、電源を内蔵する必要がない。後者は電源を内蔵したタグであり、通信距離が長い。後述する実施例ではパッシブタイプのRFIDタグを用いるが、アクティブタイプのRFIDタグや両者の特長を兼備するセミアクティブタイプのRFIDタグを採用することもできる。通常、アクティブタイプのRFIDタグは、電池によって動作する。このため、アクティブタイプのRFIDタグは、パッシブタイプのRFIFタグに比べて通信距離が長く、情報読み書き部からのアクセスに関係なくデータを周期的に送信できるという特長がある。そのため、アクティブタイプのRFIDタグは、通常、人や物の所在を管理する用途に使用される場合が多い。
【0021】
ところが、アクティブタイプのRFIDタグをICタグ103にそのまま適用すると、電位差の測定のタイミングとRFIDタグが電波(電磁波)を発するタイミングとが重複する可能性が高くなる。このタイミングの重複は、前述したように、電位差の測定結果の精度の低下をまねくことになる。
【0022】
そこで、後述する実施例では、例えば外部からあるレベル以上の強さの電波(電磁波)を受信しない限り、応答する電波(電磁波)を発しないRFIDをICタグ103に搭載する。このように、起動の際にパッシブ方式で起動し、かつ、電源を内蔵するタイプのICタグ103をセミアクティブタイプのICタグと呼ぶこともある。好ましい実施例では、セミアクティブタイプのICタグ103を用いることにより、電位差の測定のタイミングと電波(電磁波)を発するタイミングの重複を回避しつつ、通信距離を大きくとれるという特長を享受でき、さらに電池寿命も長くできる。
【0023】
情報の読み取り、及び/又は、書き込みの際に用いる通信方式(搬送波)には、電波、電磁誘導など各種の電磁波を採用することができる。特に電磁誘導や電波は好適である。前者の場合は135kHz帯や13.56MHz帯、後者の場合は433MHz帯、900MHz帯、2.45GHz帯など各種の周波数帯を採用できる。例えば135kHz帯は歴史的に長い実績があり、水分の影響を受け難い特長がある。一方、例えば900MHz帯は大きなアンテナを用いなくても、到達距離が数メートルと長い特長がある。送信回路や受信回路は、基本的に、アンテナ、同調回路、増幅回路などからなり、前記通信方式のための各種回路が開発されている。論理回路は、各種の半導体素子等を組み合わせて構成しても良いし、処理の内容や回路サイズの制約に応じて集積回路やマイクロプロセッサなどを採用しても良い。
【0024】
ICタグ103は、コイン型、ラミネート、ラベルなど形状を問わず適用でき、カートリッジ101に直接印刷することで形成することもできる。なお、イオン濃度測定装置は水溶液を使用するため、ICタグ103は、防水性を有するとより好適である。また、ICタグ103は、カートリッジ101に対して着脱可能であってもよい。ICタグ103がカートリッジ101に対して着脱可能であれば、例えば製造者が使用済みカートリッジ101を回収する際に、ICタグ103をカートリッジ101から取り外して再利用することができ、カートリッジ101の製造原価を低減することができる。また、ICタグ103が他の種類の装置や部品にも採用され、事実上の標準として広く用いられ、回収流通市場が形成されている場合には、これらの回収流通市場から入手したICタグ103を再利用しても良い。
【0025】
(2)実施例1
(2−1)装置の全体構成
図2に、前述したカートリッジ101を搭載するイオン濃度測定装置200の構成例を示す。イオン濃度測定装置200は、測定ユニット201、制御部202、演算記録部203、出力部204を有している。測定ユニット201には、制御部202、演算記録部203、出力部204が接続されている。
【0026】
測定ユニット201は、希釈槽211、検体分注ノズル212、希釈液分注ノズル213、内部標準液分注ノズル214、吸引ノズル215、配管216、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220、配管221、ポンプ222、電位計測部223、情報読み書き部224が含まれている。ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220は、いずれも図1A図1Cを用いて説明したカートリッジ101の構造を有している。
【0027】
以下では、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220を総称して「カートリッジ」と呼ぶことがあり、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219を総称して「イオン選択性電極カートリッジ」と呼ぶことがある。
【0028】
ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220に形成された流路102(図1A図1C)は互いに連結され、一本の流路を形成する。配管216はナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217の流路102の一方の開口に連結され、配管221は参照電極カートリッジ220の流路102の一方の開口に連結されている。
【0029】
測定ユニット201の筐体には電磁シールドが施されている。この電磁シールドにより、測定ユニット201の内部は、外部からの電磁ノイズの影響を受けずに動作することができる。検体分注ノズル212、希釈液分注ノズル213、内部標準液分注ノズル214は、それぞれ血清検体、希釈液、内部標準液を希釈槽211に分注吐出するために用いられる。吸引ノズル215は、図中矢印で示すように上下に動くことができ、希釈槽211内の溶液をポンプ222の駆動力により吸引することができる。
【0030】
希釈槽211から吸引された溶液は、配管216を通じて、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220、配管221、ポンプ222へと流れる。ポンプ222を通過した溶液は廃棄される。ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220に搭載された内部電極104の一端は、いずれも電位計測部223に接続されている。情報読み書き部224は、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220の近傍に配置される。
【0031】
(2−2)動作例
以下、イオン濃度測定装置200において実行される動作を説明する。後述する各フローチャートは、制御部202によってコントロールされる測定ユニット201の動作を示している。
【0032】
(2−2−1)動作例1(標準溶液の測定)
図3に、標準溶液を測定する場合の動作例を示す。図4に、その動作例に対応するタイムチャートを示す。まず、測定ユニット201が、検体分注ノズル212を用いて標準溶液を希釈槽211に吐出する(S301)。次に、測定ユニット201は、希釈液分注ノズル213を用いて希釈液を希釈槽211に吐出する(S302)。これにより、標準溶液が希釈される。なお、希釈液で標準溶液を希釈しない方法も採用できる。その場合、S302の動作は省略する。
【0033】
続いて、測定ユニット201は、吸引ノズル215とポンプ222を用い、希釈槽211内の標準溶液を吸引する(S303)。この結果、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220の流路102は標準溶液で満たされる。この後、測定ユニット201は、電位計測部223を用い、参照電極を基準としたイオン選択性電極カートリッジ(ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219)の各電極の電位を計測する。具体的には、イオン選択性電極カートリッジの内部電極104と、参照電極カートリッジ220の内部電極104との電位差を計測する(S304)。電位の計測は、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219について時分割に実行される。
【0034】
電位の計測後、情報読み書き部224が電波の発信を開始する(S305)。この際、測定ユニット201は、各カートリッジに搭載されたICタグ103と情報読み書き部224との間で後述する情報を送受信する(S306)。情報の送受信が終了すると、測定ユニット201は、情報読み書き部224による電波の発信を終了する(S307)。
【0035】
図3及び図4から明らかな通り、電極の電位を計測する工程(S304)は、情報読書き部224が電波の発信を開始する工程(S305)、情報を送受信する工程(S306)、電波の発信を終了する工程(S307)のいずれからも時間的に独立している。従って、情報読み書き部224やICタグ103からの電波によって各電極から測定される電位が影響を受けることがなく、高い測定精度をもって電位を計測できる。勿論、機器やその使用条件などに関連する情報をICタグ103に記録することができる。なお、以上説明した標準溶液を測定する動作を2種類の標準溶液について実行することで、測定された電位から各電極のスロープ感度を求めることができる。
【0036】
(2−2−2)動作例2(内部標準液の測定)
図5に、内部標準液を測定する場合の動作例を示す。まず、測定ユニット201は、内部標準液分注ノズル214を用いて内部標準液を希釈槽211に吐出する(S501)。次に、測定ユニット201は、吸引ノズル215とポンプ222を用い、希釈槽211内の内部標準液を吸引する(S502)。これにより、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220の流路102は内部標準液で満たされる。
【0037】
この後、測定ユニット201は、電位計測部223を用いて参照電極を基準とした各電極の電位を計測する(S503)。電位の計測後、情報読み書き部224が電波の発信を開始する(S504)。この際、各カートリッジに搭載されたICタグ103と情報読み書き部224との間で情報が送受信される(S505)。情報の送受信が終了すると、測定ユニット201は、情報読み書き部224による電波の発信を終了する(S506)。
【0038】
この動作例に対応するタイムチャートは図4と同様であり、主要な相違点は、標準溶液の吐出と希釈液の吐出の工程の代わりに、内部標準液を吐出する工程を採用する点である。以上の内部標準液を測定する動作の結果得られた電位と、スロープ感度及び標準溶液の電位とから、内部標準液に含まれる各イオンの濃度が求められる。
【0039】
(2−2−3)動作例3(検体の測定)
図6に、検体を測定する場合の動作例を示す。まず、測定ユニット201は、検体分注ノズル212を用いて検体を希釈槽211に吐出する(S601)。次に、測定ユニット201は、希釈液分注ノズル213を用いて希釈液を希釈槽211に吐出する(S602)。これにより、検体が希釈される。なお、希釈液で検体を希釈しない方法も採用できる。その場合、S602の動作は省略する。
【0040】
続いて、測定ユニット201は、吸引ノズル215とポンプ222を用い、希釈槽211内の試料液を吸引する(S603)。これにより、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220の流路102は検体を含む試料液で満たされる。
【0041】
この後、測定ユニット201は、電位計測部223を用いて参照電極を基準とした各電極の電位を計測する(S604)。電位の計測後、情報読み書き部224が電波の発信を開始する(S605)。この際、各カートリッジに搭載されたICタグ103と情報読み書き部224との間で情報が送受信される(S606)。情報の送受信が終了すると、情報読み書き部224が電波の発信を終了する(S607)。
【0042】
この場合のタイムチャートも図4と同様であり、主要な相違点は、標準溶液の吐出の工程の代わりに、検体を吐出する工程を採用する点である。以上の検体を測定する動作の結果得られた電位と、スロープ感度並びに内部標準液の電位と濃度とから、また必要に応じて希釈率を考慮することにより、検体中の各イオン濃度が求められる。
【0043】
(2−2−4)動作例4(連続測定)
動作例1〜3では、標準溶液、内部標準液および検体の測定を別々に行ったが、これらの測定を一連の流れとして実行することもできる。図7に、連続的に各測定を実行する場合の動作例を示す。まず、測定ユニット201は、内部標準液の測定(S701)を行う。このS701は、図5に示す工程に対応する。続いて、測定ユニット201は、標準溶液の測定(S702)を行う。このS702は、図3に示す工程に対応する。その後、測定ユニット201は、内部標準液の測定(S703)を行う。このS703も、図5に示す工程に対応する。続いて、測定ユニット201は、検体の測定(S704)を行う。このS704は、図6に示す工程に対応する。さらに、測定ユニット201は、内部標準液の測定(S705)を行う。このS705も図5に示す工程に対応する。
【0044】
連続的に各測定を実行する場合、n番目の測定の情報はn+1番目の測定の前に送受信しても良い。また、一連の測定が途切れるタイミングにあたるアイドルタイム(待機時間)に情報を送受信しても良い。
【0045】
(2−2−5)動作例5(送受信タイミングの他の例)
情報の送受信のタイミングは、動作例1〜3のように、標準溶液、内部標準液および検体の測定後に限定されるものではなく、電位の測定期間と電波発信期間とが重ならなければいつでも良い。例えば図8に示すように電位の測定前に電波の発信を実行しても良いし、図9図10に示すように電位測定の前処理(溶液の吐出/吸引)と並列して電波の発信を実行しても良い。
【0046】
図8及び図9では、標準溶液を測定する場合を例示したが、標準溶液に代えて内部標準液や検体を測定する場合でも同様である。ちなみに図10に示すように、電位計測の前に電波による情報の送受信を行う場合は、あるサイクルで取得した電位計測結果を記録するために、次回以降の通信サイクルにおける電波による情報の送受信を利用することができる。
【0047】
(2−3)イオン濃度の測定に関わる情報の例
ICタグ103に格納する情報には、製造時に決定付けられる電極固有の情報であるイオンの種類、ロット番号、シリアル番号、有効期限、製造日、適正出力範囲、警報条件などの他、輸送保管時の情報である温度、湿度、気圧、加速度などの時間プロファイル、また測定毎に取得または更新される情報である測定施設、測定装置、測定担当者、測定チャンネル、測定日時、使用した試薬(標準溶液、希釈液)の種類及び組成、pH、反応時間、撹拌時間、試料分取量、希釈液量、希釈倍率、導入液量、導入時間、導入流量、導入流速、温度、湿度、圧力、測定サイクル時間、測定待ち時間、データ取得時間、データ取得回数、電位、測定結果である各イオンの濃度、電極の抵抗やインピーダンス、測定試料数、スロープ感度、電位安定性、同時再現性、選択性、補正係数、時間応答特性、感度、検量線再測定条件、データ処理アルゴリズム、交換パーツの情報等がある。
【0048】
(2−4)情報の読み書き動作例
ここでは、カートリッジ101の製造時からその回収までに実行される情報の読み書き動作例を説明する。まず、カートリッジ101の製造時、電極固有の情報をICタグ103に書き込む。その後、流通業者や倉庫業者などから提供される輸送保管時の情報を、各時点で、ICタグ103に書き込む。なお、輸送保管時の情報は、流通業者や倉庫業者が、カートリッジ101に搭載されるICタグ103とは別のICタグ(例えば流通過程で使用する流通箱、コンテナ、トラック、船、飛行機などに搭載される)から収集することが可能である。
【0049】
イオン濃度測定装置200によるイオン濃度の測定時には、電極固有の情報のうち少なくともシリアル番号など電極を特定できる情報をICタグ103から読み出す。また、必要に応じ、輸送保管時の情報を読み出しておくことも可能である。そして測定毎に取得又は更新される情報をICタグ103に随時書き込む。なお、回収されたカートリッジ101のICタグ103から、固有の情報、輸送保管時の情報、測定毎に取得又は更新される情報を読み出し、それらをイオン濃度測定装置の改良情報として用いることもできる。
【0050】
(2−5)小括
本実施例に係るイオン濃度測定装置200を用いれば、高い測定精度を損なうことなく、機器や使用条件などに関連する情報をICタグ103に記録し、又は読み出すことができる。また、イオン濃度の測定期間(電位差の測定期間)以外は、ICタグ103との情報の読み書きに利用できるため、測定作業の効率化を図ることができる。さらに、頻繁に情報を更新することが可能なため、常に最新の情報を取得して装置運用へ反映させることができる。
【0051】
(3)実施例2
(3−1)装置の全体構成
図11に、本実施例で使用するイオン濃度測定装置1100の構成例を示す。図11には、図2との対応部分に同一符号を付して示す。イオン濃度測定装置1100は、基本的に実施例1と同様の構成を有しているが、以下の点で異なっている。
【0052】
1つ目の相違点は、参照電極カートリッジ220(第2のカートリッジ)が、イオン選択性電極カートリッジ(第1のカートリッジ)から分離されている点である。具体的には、イオン選択性電極カートリッジは、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219に対応する。このため、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219と参照電極カートリッジ220は、配管1111、弁1112、ジャンクション1113、配管1114を順に介して接続されている。なお、ジャンクション1113には、配管221を通じてポンプ222が接続されている。
【0053】
2つ目の相違点は、参照電極カートリッジ220に対して参照液1119の供給流路が接続されている点である。この供給流路は、配管1115、弁1116、配管1117で構成される。なお、参照液1119は、参照液容器1118に格納されている。弁1112及び1116の開閉は、制御部202によって制御される。
【0054】
本実施例の場合も、検体分注ノズル212は血清検体を希釈槽211に分注吐出し、希釈液分注ノズル213は希釈液を希釈槽211に分注吐出し、内部標準液分注ノズル214は内部標準液を希釈槽211に分注吐出する。吸引ノズル215は上下に動くことができ、希釈槽211内の溶液をポンプ222の駆動力により吸引することができる。
【0055】
弁1112が開き、弁1116が閉じている場合、ポンプ222の駆動によって吸引された溶液は、配管216を通じてイオン選択性電極カートリッジの流路に導入され、さらに、配管1111、ジャンクション1113、配管221を通じて廃棄される。一方、弁1112が閉じ、弁1116が開いている場合、ポンプ222の駆動によって参照液1119が配管1117を通じて吸引され、参照電極カートリッジ220の流路102に導入され、さらに、配管1114、ジャンクション1113、配管221を通じて廃棄される。
【0056】
ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220に搭載された内部電極104の一端は、いずれも電位計測部223に接続されている。情報読み書き部224は、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219、参照電極カートリッジ220の近傍に配置される。
【0057】
(3−2)動作例
以下、イオン濃度測定装置1100において実行される動作を説明する。後述する各フローチャートは、制御部202によってコントロールされる測定ユニット1101の動作を示している。
【0058】
(3−2−1)動作例1(標準溶液の測定)
図12に、標準溶液を測定する場合の動作例を示す。まず、測定ユニット1101は、弁1112を閉じ、弁1116を開ける(S1201)。次に、測定ユニット1101は、ポンプ222を用いて参照液1119を参照液容器1118から吸引する(S1202)。これにより、参照電極カートリッジ220の流路102、配管1114、ジャンクション1113は参照液1119で満たされる。この後、測定ユニット1101は、検体分注ノズル212を用いて標準溶液を希釈槽211に吐出する(S1203)。続いて、希釈液分注ノズル213を用いて希釈液を希釈槽211に吐出する(S1204)。これにより、標準溶液が希釈される。なお、希釈液で標準溶液を希釈しない方法も採用できる。その場合、S1204の動作は省略する。
【0059】
この後、測定ユニット1101は、弁1112を開け、弁1116を閉じる(S1205)。次に、測定ユニット1101は、吸引ノズル215とポンプ222を用いて希釈槽211内の標準溶液を吸引する(S1206)。これにより、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択・BR>ォ電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219の流路102、配管1111、ジャンクション1113は標準溶液で満たされる。
【0060】
この時、イオン選択性電極カートリッジと参照電極カートリッジ220とは、溶液で満たされた配管1111、1114とジャンクション1113とで接続されている。従って、測定ユニット1101は、電位計測部223を用いて参照電極を基準としたイオン選択性電極カートリッジの各電極の電位を計測することができる(S1207)。電位の計測は、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219について時分割に実行される。
【0061】
電位の計測後、情報読み書き部224が電波の発信を開始する(S1208)。この際、測定ユニット1101は、各カートリッジに搭載されたICタグ103と情報読み書き部224との間で情報を送受信する(S1209)。情報の送受信が終了すると、測定ユニット1101は、情報読み書き部224による電波の発信を終了する(S1210)。なお、以上説明した標準溶液を測定する動作を2種類の標準溶液について実行することで、測定された電位から各電極のスロープ感度を求めることができる。
【0062】
(3−2−2)動作例2(内部標準液の測定)
図13に、内部標準液を測定する場合の動作例を示す。まず、測定ユニット1101が、弁1112を閉じ、弁1116を開ける(S1301)。次に、測定ユニット1101は、ポンプ222を用いて参照液1119を参照液容器1118から吸引する(S1302)。これにより、参照電極カートリッジ220の流路102、配管1114、ジャンクション1113は参照液1119で満たされる。この後、測定ユニット1101は、内部標準液分注ノズル214を用いて内部標準液を希釈槽211に吐出する(S1103)。これにより、内部標準液が希釈される。
【0063】
この後、測定ユニット1101は、弁1112を開き、弁1116を閉じる(S1304)。次に、測定ユニット1101は、吸引ノズル215とポンプ222を用いて希釈槽211内の内部標準液を吸引する(S1305)。これにより、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219の流路102、配管1111、ジャンクション1113は内部標準液で満たされる。
【0064】
この時、イオン選択性電極カートリッジと参照電極カートリッジ220とは、溶液で満たされた配管1111、1114とジャンクション1113とで接続されている。従って、測定ユニット1101は、電位計測部223を用いて参照電極を基準としたイオン選択性電極カートリッジの各電極の電位を計測することができる(S1306)。
【0065】
電位の計測後、情報読み書き部224が電波の発信を開始する(S1307)。この際、測定ユニット1101は、各カートリッジに搭載されたICタグ103と情報読み書き部224との間で情報を送受信する(S1308)。情報の送受信が終了すると、情報読み書き部224が電波の発信を終了する(S1309)。以上の内部標準液を測定する動作の結果得られた電位と、スロープ感度及び標準溶液の電位とから、内部標準液に含まれる各イオンの濃度が求められる。
【0066】
(3−2−3)動作例3(検体の測定)
図14に、検体を測定する場合の動作例を示す。まず、測定ユニット1101が、弁112を閉じ、弁1116を開ける(S1401)。次に、測定ユニット1101は、ポンプ222を用いて参照液1119を参照液容器1118から吸引する(S1402)。これにより、参照電極カートリッジ220の流路102、配管1114、ジャンクション1113は参照液1119で満たされる。この後、測定ユニット1101は、検体分注ノズル212を用いて検体を希釈槽211に吐出する(S1403)。続いて、測定ユニット1101は、希釈液分注ノズル213を用いて希釈液を希釈槽211に吐出する(S1404)。これにより、検体が希釈される。なお、希釈液で検体を希釈しない方法も採用できる。その場合、S1404の動作は省略する。
【0067】
この後、測定ユニット1101は、弁1112を開き、弁1116を閉じる(S1405)。次に、測定ユニット1101は、吸引ノズル215とポンプ222を用いて希釈槽211内の試料液を吸引する(S1406)。これにより、ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ217、カリウムイオン選択性電極カートリッジ218、塩化物イオン選択性電極カートリッジ219の流路102、配管1111、ジャンクション1113は検体を含む試料液で満たされる。
【0068】
この時、イオン選択性電極カートリッジと参照電極カートリッジ220とは、溶液で満たされた配管1111、1114とジャンクション1113とで接続されている。従って、測定ユニット1101は、電位計測部223を用いて参照電極を基準としたイオン選択性電極カートリッジの各電極の電位を計測することができる(S1407)。
【0069】
電位の計測後、情報読み書き部224が電波の発信を開始する(S1408)。この際、測定ユニット1101は、各カートリッジに搭載されたICタグ103と情報読み書き部224との間で情報を送受信する(S1409)。情報の送受信が終了すると、情報読み書き部224が電波の発信を終了する(S1410)。以上の検体を測定する動作の結果得られた電位と、スロープ感度並びに内部標準液の電位と濃度とから、また必要に応じて希釈率を考慮することにより、検体中の各イオン濃度が求められる。
【0070】
(3−2−4)動作例4(送信タイミングの他の例)
情報の送受信のタイミングは、動作例1〜3のように、標準溶液、内部標準液および検体の測定後に限定されるものではなく、電位の測定期間と、電波発信期間や弁の開閉期間とが重ならなければいつでも良い。例えば図15に示すように電位の測定前に電波の発信を実行しても良いし、図16に示すように電位測定の前処理(溶液の吐出/吸引)と並列して電波の発信を実行すると共に、それら期間と弁の開閉期間と電位の測定期間とが互いに重ならないように設定しても良い。ここで、弁の開閉期間と電位の測定期間とが重ならないようにするのは、弁の機械的動作に伴って発生する誘導電流が通信に影響を及ぼさないようにするためである。図15および図16では、標準溶液を測定する場合を例示したが、標準溶液に代えて内部標準液や検体を測定する場合でも同様である。
【0071】
(3−2−5)動作例5(連続測定)
動作例1〜3では、標準溶液、内部標準液および検体の測定を別々に行ったが、これらの測定を実施例1の場合と同様に一連の流れとして実行することもできる。この場合、n番目の測定の情報はn+1番目の測定の前に送受信を行うことも可能である。また、一連の測定が途切れるタイミングにあたるアイドルタイム(待機時間)に情報を送受信することもできる。
【0072】
(3−3)小括
本実施例に係るイオン濃度測定装置1100を用いれば、高い測定精度を損なうことなく、機器やその使用条件などに関連する情報をICタグ103に記録し、又は読み出すことができる。また、イオン濃度の測定期間(各電極の電位の測定期間)や弁の開閉期間以外は、ICタグ103との情報の読み書きに利用できるため、測定作業の効率化を図ることができる。さらに、頻繁に情報を更新することが可能なため、常に最新の情報を取得して装置運用へ反映させることができる。
【0073】
(4)他の実施例
(4−1)検体
前述の実施例1及び2においては、測定対象とする検体の例として血清を用いたが、他に血液、血漿、髄液、尿、胃液、腸液、胆汁、唾液、涙等の体液や細胞抽出液などの生体に由来する溶液、透析液、輸液、栄養剤、薬剤などの医療に用いる溶液等もあげられ、これらの溶液は血清の測定と同様の構成、手順で測定することができる。
【0074】
(4−2)電磁シールド
前述の実施例1及び2においては、測定ユニットの筐体に電磁シールドを施す場合について説明した。これは、外部からの電磁ノイズの影響を抑制することが目的である。なお、実施例1及び2においては、1台のイオン濃度測定装置に対して1台の測定ユニットを搭載する場合について説明しているが、1台のイオン濃度測定装置に対して複数台の測定ユニットを設置する場合も想定される。また、生化学自動分析装置の一部としてイオン濃度測定装置を組み込む場合も想定される。これらの場合、近接する他の測定ユニットからの電磁ノイズが、情報読み書き部224とICタグ103との情報の読み書きに悪影響を及ぼすおそれがある。
【0075】
また、イオン濃度測定装置を設置する場所は、医療機関の臨床検査部や検査センターが主であり、イオン濃度測定装置以外の測定機器も多数設置されている可能性がある。このため、これら他の測定機器や測定機器に取り付けられているICタグから電磁ノイズが多く発生している可能性がある。さらには、昨今の臨床検査自動化に伴い、採血管、採尿管、試験管などの検体容器にRFIDタグが取り付けられている場合も多数あり、これらのタグからの電磁ノイズも無視できない可能性がある。
【0076】
これら外部からの電磁ノイズを抑制することにより、測定ユニットに搭載されている各カートリッジに搭載されたICタグ103との間で誤った情報を読み書きすることを防止できる。さらに、これら外部からの電磁ノイズを抑制することにより、測定ユニットに搭載されていない各カートリッジのICタグ103との間で誤った情報を読み書きすることも防止できる。電磁シールドはICタグ103との情報の読み書きに悪影響を及ぼす電磁ノイズを抑制できればよく、例えば金属板、金網、金属膜、金属溶射、導電塗装、導電性プラスチック等が使用可能である。
【0077】
(4−3)ICタグの搭載場所
前述の実施例1及び2においては、いずれも各カートリッジにICタグ103を搭載する例ついて説明したが、イオン選択性電極カートリッジにのみ搭載しても良い。また、図17に示すように、内部標準液、希釈液、参照液などを格納する試薬容器1701にICタグ103を搭載しても良い。カートリッジ101と試薬容器1701の両方にICタグ103を搭載する場合、情報読み書き部224は、図11に示すようにイオン濃度測定装置1100に1つのみ搭載しても良いし、図18に示すイオン濃度測定装置1600に示すように2つ搭載しても良い。なお、情報読み書き部224A及び224Bの搭載位置は任意である。
【0078】
(4−4)インターネット接続
前述の実施例1及び2においては、イオン濃度測定装置を単独で使用する場合について説明したが、ICタグ103を構成する半導体メモリを、インターネット上のドライブとして管理可能としても良い。
【0079】
(4−5)情報読み書き部1
前述の実施例1及び2においては、測定ユニット内に専用の情報読み書き部を配置する場合について説明したが、例えばスマートフォン、タブレット端末などの汎用の携帯情報処理装置を搭載しても良い。汎用の携帯情報処理装置は、測定ユニットに対して固定ではなく着脱可能な状態にしておくことも可能である。
【0080】
(4−6)情報読み書き部2
前述の実施例1及び2においては、ICタグ103を構成する半導体メモリが読み書き可能であるため、イオン濃度の測定に関わる情報をICタグ103に対して読み書きする情報読み書き部224を測定ユニットに搭載した。しかし、ICタグ103として想定される半導体メモリがROMである場合には、測定ユニット内に情報読み取り部のみを配置すれば良い。また、測定ユニットには、情報の読み取り専用の情報読み取り部(装置)の他に、情報の書き込み専用の情報書き込み部(装置)を別途搭載しても良い。
【0081】
(4−7)有線通信方式
前述の実施例1及び2においては、情報読み書き部224がICタグ103と電波を発する(すなわち、無線通信方式により通信する)場合について説明した。しかし、電気接点を有する有線通信方式のICタグ103を使用し、情報読み書き部224との通信を有線通信方式で行っても良い。
【0082】
図19に、有線通信方式に対応するカートリッジ101の一例を示す。図19の場合、カートリッジ101は2つの端子1901、1902を備えている。端子1901はICタグ103Aへの情報の読み書き用であり、端子1902は電位計測用である。ICタグ103Aは、半導体メモリ1903とトランシーバ1904で構成されている。ICタグ103Aに対する情報の読み書きは、情報読み書き部224側のトランシーバ1904を通じて行われる。また、内部電極104の出力信号は、端子1902に接続されたアンプ1905によって増幅され、電位計測部223に与えられる。
【0083】
図20に、有線通信方式に対応するカートリッジ101の別の一例を示す。図20の場合、カートリッジ101は端子2001を1つのみを備えている。つまり、図20に示すカートリッジ101は、情報(デジタル信号)の読み書きと内部電極104の出力信号(アナログ信号)の読出しとが1つの端子2001を通じて時分割に実行される。情報(デジタル信号)の読み書きに使用される信号経路と内部電極104の出力信号の信号経路とはコンデンサ2002によって分離される。情報(デジタル信号)の周波数成分は高いためコンデンサ2002を通過することができるが、内部電極104の出力信号(アナログ信号)は基本的に直流成分であるのでコンデンサ2002を通過することができない。カートリッジ101の外部においても、2つの信号経路はコンデンサ2003によって分離されている。なお、図20の構成の場合、内部電極104側の信号経路上にはアンプ2004が接続されている。端子2001に十分な大きさの出力信号(アナログ信号)を出力するためである。
【0084】
(4−8)時間分割方式以外のノイズ抑制方法
前述の実施例1及び2においては、「情報を読み書きするタイミング」と「内部電極104の電位を測定するタイミング」が互いに重ならないようにして(すなわち、時間分割通信方式により)、測定結果へのノイズの混入の抑制を図っている。しかし、時間分割通信方式に加えて、周波数分割方式、信号レベルの違いによる分割方式、符号分割方式を組み合わせることができる。勿論、通信帯域を分割多重化して送信し、受信後に分離する方法(通信帯域の分割多重化方式)も可能である。上記のような方法を組み合わせることで、ノイズの混入を限りなく低レベルに抑制することが可能となる。
【0085】
(4−9)測定対象とするイオン種
前述の実施例1及び2におけるイオン濃度測定装置は、前述したイオン種の濃度の測定に限定されることはなく、任意のイオン種の濃度の測定に適用することができる。
【0086】
(4−10)その他
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の一部を削除すること、他の実施例の構成と置き換えること、他の実施例の構成を追加することもできる。
【0087】
上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより(すなわちソフトウェア的に)実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
【符号の説明】
【0088】
101…カートリッジ
102…流路
103、103A…ICタグ
104…内部電極
105…内部液
106…感応膜
106A…参照電極膜
201、1101…測定ユニット
202…制御部
203…演算記録部
204…出力部
211…希釈槽
212…検体分注ノズル
213…希釈液分注ノズル
214…内部標準液分注ノズル
215…吸引ノズル
216、221、1111、1114、1115、1117…配管
217…ナトリウムイオン選択性電極カートリッジ
218…カリウムイオン選択性電極カートリッジ
219…塩化物イオン選択性電極カートリッジ
220…参照電極カートリッジ
222…ポンプ
223…電位計測部
224、224A、224B…情報読み書き部
1112、1116…弁
1113…ジャンクション
1118…参照液容器
1119…参照液
1701…試薬容器
1901、1902、2001…端子
1903…半導体メモリ
1904…トランシーバ
1905、2004…アンプ
2002、2003…コンデンサ
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
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図18
図19
図20