(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゲート構造を形成し、基板の中で前記ゲート構造の第一側に隣接した第一ソース/ドレイン構造を形成し、前記基板の中で前記ゲート構造の第二側に隣接した第二ソース/ドレイン構造を形成する工程と、
前記基板の上に第一誘電材料を堆積させ、前記ゲート構造の上にある層が露出されるまで前記第一誘電材料を除いた後、前記第一誘電材料と露出された前記ゲート構造の上にある層との上に第二誘電材料を堆積することにより、前記ゲート構造、前記第一ソース/ドレイン構造および前記第二ソース/ドレイン構造を被覆する層間誘電層を前記基板の上に堆積する工程と、
前記第二誘電材料を堆積させた後、前記第一ソース/ドレイン構造の上で前記層間誘電層の前記第一誘電材料と前記第二誘電材料とを貫通して第一導電構造を形成する工程と、
前記第二誘電材料を堆積させた後、前記第二誘電材料を貫通して前記層間誘電層の前記第一誘電材料の中まで延びる第二トレンチをエッチングすることにより、前記第二ソース/ドレイン構造の上の前記層間誘電層の中に第二導電構造を形成する工程と、
を備え、
前記第一誘電材料の一部は、前記第二導電構造と前記第二ソース/ドレイン構造との間にあること
を特徴とする半導体構造の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の開示は、多くの異なる実施態様や例を提供して本発明の異なる特徴を実行する。素子や配置の特定の例が以下で記述されて、本開示を簡潔にする。これらは、単なる例であって、本発明を限定するものではない。例えば、記述中の第二特徴上の第一特徴の形成は、第一、および第二特徴が直接接触して形成される実施態様を含み、且つ、追加特徴が、第一、および第二特徴間に形成される実施態様も含み、第一、および第二特徴は、直接接触しない。このほか、本開示は、各種例で、参照符号、および/または、文字を繰り返し使用する。この繰り返しは、簡潔、且つ、はっきりさせる目的であり、討論される各種実施態様、および/または、配置間の関係を定めるものではない。
【0010】
さらに、空間的相対語、例えば、“真下”、“底”、“底部”、“上”、“上部”等は、記述を判りやすくするために用いられ、図に示される一素子や特徴ともうひとつの素子や特徴との関係を示す。空間的相対語は、図で示される方向に加え、使用や操作において、装置の異なる方向を包含することを意図する。装置は、適切な方向に置かれ(90度回転、または、その他の方向で)、且つ、ここで用いられる空間的相関記述は同様に解釈される。
【0011】
半導体構造とその製造方法の実施態様が提供される。半導体構造は、ゲート構造、ゲート構造に隣接して形成されるソース/ドレイン構造、およびソース/ドレイン構造を被覆する層間誘電層、を有する。第一導電構造は、ソース/ドレイン構造上に層間誘電層を通って形成され、ソース/ドレイン構造と接続される。第二導電構造は、層間誘電層中に形成されるが、どのソース/ドレイン構造にも接触しないので、半導体構造は、データ保存のメモリ構造として用いられる。
【0012】
図1Aから
図1Dは、いくつかの実施態様による半導体構造100aを形成する各種段階の断面図である。
図1Aに示されるように、いくつかの実施態様による基板102が提供される。基板102は、半導体ウェハ、例えば、シリコンウェハである。選択的、または、追加で、基板102は、元素半導体材料、合成半導体材料、および/または、合金半導体材料を有する。元素半導体材料の例は、これに限定されないが、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、および/または、ダイアモンドである。合成半導体材料の例は、これに限定されないが、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウムリン、リン化インジウム、ヒ化インジウム、および/または、アンチモン化インジウムである。合金半導体材料の例は、これに限定されないが、SiGe、GaAsP、AlInAs、AlGaAs、GaInAs、GaInP、および/または、GaInAsPである。
【0013】
図1Aに示されるように、ゲート構造104が基板102上に形成される。いくつかの実施態様において、ゲート構造104は、ゲート誘電層106とゲート電極層108を有する。
【0014】
いくつかの実施態様において、ゲート誘電層106は、高k誘電材料、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属ケイ酸塩、遷移金属酸化物、遷移金属窒化物、遷移金属ケイ酸塩、または、金属酸窒化物で形成される。高k誘電材料の例は、これに限定されないが、酸化ハフニウム(HfO
2)、ハフニウム酸化ケイ素(HfSiO)、ハフニウム酸窒化ケイ素(HfSiON)、ハフニウムタンタル酸化物(HfTaO)、ハフニウム酸化チタン(HfTiO)、ハフニウム酸化ジルコニウム(HfZrO)、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、ハフニウムジオキシド−アルミナ(HfO
2−Al
2O
3)合金、あるいは、その他の適切な誘電材料を含む。
【0015】
いくつかの実施態様において、ゲート電極層108は、導電材料、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、チタニウム、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、TaC、TaSiN、TaCN、TiAl、TiAlN、または、その他の適切な導電材料で形成される。いくつかの実施態様において、ゲート電極層108はポリシリコンで形成される。
【0016】
図1Aに示されるように、ハードマスク層110がゲート構造104上に形成される。いくつかの実施態様において、ハードマスク層110は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または、炭化ケイ素で形成される。
【0017】
この他、
図1Aに示されるように、シーリング層112が、ゲート構造104とハードマスク層110の側壁上に形成される。シーリング層112は、後続処理中で、ゲート構造104がダメージを受けたり損失したりしないように保護し、且つ、後続処理での酸化も防止する。いくつかの実施態様において、シーリング層112は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、または、その他の適切な誘電材料で形成される。シーリング層112は、単一層、または、複数層を有する。
【0018】
いくつかの実施態様によると、スペーサ114が、さらに、シーリング層112上に形成される。いくつかの実施態様において、スペーサ114は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、または、その他の適切な材料で形成される。
【0019】
図1Aに示されるように、第一ソース/ドレイン構造116、および第二ソース/ドレイン構造118が、基板102中のゲート構造104に隣接して形成される。特に、第一ソース/ドレイン構造116が、ゲート構造104の第一側に形成され、第二ソース/ドレイン構造118が、ゲート構造104の第二側に形成される。つまり、第一ソース/ドレイン構造116、および第二ソース/ドレイン構造118が、ゲート構造104の反対側で形成される。
【0020】
いくつかの実施態様において、第一ソース/ドレイン構造116、および第二ソース/ドレイン構造118は、注入プロセス、または、エピタキシャル(epi)プロセスを用いて形成される。いくつかの実施態様において、第一ソース/ドレイン構造116、および第二ソース/ドレイン構造118は、Ge、SiGe、InAs、InGaAs、InSb、GaAs、GaSb、InAlP、InP等を有する。
【0021】
いくつかの実施態様によると、
図1Aに示されるように、第一ソース/ドレイン構造116、および第二ソース/ドレイン構造118を基板102中に形成後、層間誘電層120が基板102上に形成される。
いくつかの実施態様において、層間誘電層120は、第一層119(第一誘電層)(第一誘電材料)と第二層121(第二誘電層)(第二誘電材料)を有する。
いくつかの実施態様において、基板102上に誘電材料を蒸着すると共に、誘電材料を研磨して、ハードマスク層110の上面を露出することにより、第一層119が形成される。従って、いくつかの実施態様によると、第一層119の上面は、ハードマスク層110の上面とほぼ同じ高さである。
いくつかの実施態様において、第一層119の厚さT
119は、約300オングストローム〜約1000オングストロームの範囲である。このほか、厚さT
119は、基板102の上面とハードマスク層110の上面間の距離であるとみなされる。
【0022】
このほか、いくつかの実施態様によると、第二層121は、第一層119とゲート構造104上に形成され、厚さT
121は、約300オングストローム〜約1200オングストロームの範囲である。このほか、いくつかの実施態様によると、厚さT
119と厚さT
121の合計は、層間誘電層120の厚さに等しい。
【0023】
第一層119と第二層121は、同じ、または、異なる誘電材料、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、リンシリケートガラス(PSG)、ボロンリンシリケートガラス(BPSG)、および/または、その他の適切な誘電材料で形成される。層間誘電層120は、化学気相蒸着(CVD)、物理気相蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、スピンオンコート、または、その他の適切なプロセスを用いて形成する。
【0024】
図1Bに示されるように、層間誘電層120形成後、第一トレンチ122が、層間誘電層120を通って形成される。このほか、第一トレンチ122が、第一ソース/ドレイン構造116上に形成され、第一ソース/ドレイン構造116が、第一トレンチ122により露出する。いくつかの実施態様において、第一トレンチ122が第一マスクを用いて形成されると共に、第一マスクにより、層間誘電層120をエッチングする。いくつかの実施態様において、第一トレンチ122は、第一深さD
1が約600オングストローム〜約2200オングストロームの範囲である。
図1Bに示されるように、第一トレンチ122は、層間誘電層120を完全に貫通するので、第一トレンチ122の第一深さD
1も、層間誘電層120の厚さとして定義される。
【0025】
いくつかの実施態様によると、
図1Cに示されるように、第一トレンチ122形成後、第二トレンチ124と第三トレンチ126が、層間誘電層120中に形成される。いくつかの実施態様において、マスクを用いて第二トレンチ124と第三トレンチ126が形成されると共に、同じパターン化プロセスで、マスクにより、層間誘電層120とハードマスク層110をエッチングする。
【0026】
特に、第二トレンチ124が第二ソース/ドレイン構造118上に形成され、第三トレンチ126がゲート構造104上に形成される。
図1Cに示されるように、第一トレンチ122と異なり、第二トレンチ124は、層間誘電層120中に形成されるが、層間誘電層120を貫通しない。従って、第二ソース/ドレイン構造118は、第二トレンチ124により露出しない。いくつかの実施態様において、第二トレンチ124は、第一トレンチ122の第一深さD
1より小さい第二深さD
2を有する。いくつかの実施態様において、第二深さD
2は、約300オングストローム〜約2185オングストロームの範囲である。
【0027】
このほか、第三トレンチ126が、ゲート構造104上に形成される。
図1Cに示されるように、第三トレンチ126は、ゲート構造104上で、層間誘電層120とハードマスク層110を通って形成される。従って、ゲート構造104の上面は第三トレンチ126により露出する。
【0028】
いくつかの実施態様において、第三トレンチ126は、第二トレンチ124の第二深さより小さく、さらに、第一トレンチ122の第一深さD
1より小さい第三深さD
3を有する。いくつかの実施態様において、第三深さD
3は、約300オングストローム〜約600オングストロームの範囲である。
【0029】
第一トレンチ122、第二トレンチ124、および第三トレンチ126形成後、それぞれ、第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132が、第一トレンチ122、第二トレンチ124、および第三トレンチ126中に形成される。
【0030】
いくつかの実施態様において、第一導電構造128は、バリア層134と導電層136を有する。バリア層134が、第一トレンチ122の側壁と底部に形成され、導電層136がバリア層134上に形成される。いくつかの実施態様において、バリア層134は窒化タンタルから形成されるが、その他の材料、例えば、タンタル、チタニウム、窒化チタン等を用いてもよい。
【0031】
いくつかの実施態様において、導電層136は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、ニッケルシリサイド(NiS)、コバルトシリサイド(CoSi)、炭化タンタル(TaC)、窒化タンタルシリサイド(TaSiN)、タンタル炭窒化物(TaCN)、チタンアルミナイド(TiAl)、チタンアルミナイド炭化物(TiAlN)、その他の適切な導電材料、または、それらの組み合わせで形成される。
【0032】
いくつかの実施態様において、第二導電構造130は、さらに、バリア層138と導電層140を有する。バリア層138は、第二トレンチ124の側壁と底部に形成され、導電層140は、バリア層138上に形成される。いくつかの実施態様において、バリア層138は窒化タンタルから形成されるが、その他の材料、例えば、タンタル、チタン、窒化チタン等を用いてもよい。
【0033】
いくつかの実施態様において、導電層140は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、ニッケルシリサイド(NiS)、コバルトシリサイド(CoSi)、炭化タンタル(TaC)、窒化タンタルシリサイド(TaSiN)、タンタル炭窒化物(TaCN)、チタンアルミナイド(TiAl)、チタンアルミナイド炭化物(TiAlN)、その他の適切な導電材料、または、それらの組み合わせで形成される。
【0034】
いくつかの実施態様において、第三導電構造132は、さらに、バリア層142と導電層144を有する。いくつかの実施態様において、バリア層142は、バリア層134を形成するために用いられる同じ材料で形成される。いくつかの実施態様において、導電層144は、導電層136を形成するために用いられる同じ材料で形成される。
【0035】
いくつかの実施態様において、第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132は、同じ蒸着プロセスで形成され、同じ導電材料を有する。いくつかの実施態様において、第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132は別々に形成され、且つ、異なる導電材料を有する。例えば、第二導電構造130の形成に用いられる材料は、そのアプリケーションに従って選択されて、メモリ構造として機能する(詳細は以下で記述する)。
【0036】
図1Dに示されるように、第一導電構造128が層間誘電層120を通って形成され、よって、層間誘電層120の厚さと同じ第一深さD
1を有する。このほか、
図1Cに示されるように、第一ソース/ドレイン構造116は、第一トレンチ122により露出するので、第一トレンチ122中に形成される第一導電構造128は、第一ソース/ドレイン構造116と直接接触する。
【0037】
一方、第二導電構造130は層間誘電層120中に形成されるが、層間誘電層120を貫通せず、よって、第二導電構造130は、第一導電構造128の第一深さD
1より小さい第二深さD
2を有する。このほか、
図1Cに示されるように、第二ソース/ドレイン構造118は、第二トレンチ124により露出しないので、第二トレンチ124中に形成される第二導電構造130は、第二ソース/ドレイン構造118と直接接触しない。
【0038】
図1Dに示されるように、半導体構造100aは、第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132を有する。第一導電構造128の上面は、第二導電構造130の上面、および第三導電構造132の上面と同じ高さである。このほか、第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132の上面も、層間誘電層120の上面と同じ高さである。
【0039】
さらに、層間誘電層120の厚さとほぼ等しい第一導電構造128の第一深さD
1は、第二導電構造130の深さD
2より大きい。これにより、層間誘電層120は第一導電構造128により貫通するが、第二導電構造130により貫通しない。従って、第二導電構造130、および第二ソース/ドレイン構造118は、層間誘電層120の一部146により分離する。
いくつかの実施態様において、層間誘電層120の一部146は、厚さT
aが約15オングストローム〜約500オングストロームの範囲である。ある具体例において、層間誘電層120の一部146の厚さT
aと第一層119の厚さT
119の比率は、約1/20〜約1/2の範囲である。いくつかの実施態様において、一部146の厚さT
aと第二深さD
2の比率は、約1/20〜約1/2の範囲である。
【0040】
前述のように、第一トレンチ122が層間誘電層120を通って形成されるけれども、第二トレンチ124が層間誘電層120中に形成されるが、層間誘電層120を貫通しない。よって、一部146は、第二導電構造130と第二ソース/ドレイン構造118間に残される。従って、一部146が、半導体構造100a中のデータ保存に用いられる。
しかし、一部146厚さT
aが厚すぎる場合、半導体構造100aの操作電圧が大きくなりすぎる。一方、一部146の厚さT
aが小さすぎる場合、一つの段階からもう一つの段階に切り換えることができない。
【0041】
一部146の厚さT
aは、第二導電構造130の深さD
2を変化させることにより調整され、第二導電構造130の深さD
2は、第二トレンチ124を形成するのに用いられるエッチングプロセスの条件を変化させることにより、および/または、層間誘電層120を形成するのに用いられる材料を変化させることにより制御される。
【0042】
いくつかの実施態様において、上述のプロセスはFinFET製造プロセスに適用されるが、平面トランジスタ製造プロセスにも適用できる。前述のように、第二トレンチ124は、第三トレンチ126を形成するのに用いられるプロセスで形成される。これにより、追加のマスキングプロセスが不要である。従って、前述のプロセスは、ロジックデバイスを形成するための現存のプロセスと互換性があり、追加の複雑なプロセス、例えば、追加のマスキングプロセスを使用する必要がない。
【0043】
図2Aから
図2Cは、いくつかの実施態様による半導体構造100bを形成する各種段階の断面図である。第二トレンチ124bと第三トレンチ126bが別々に形成されることを除いて、半導体構造100bは、
図1Aから
図1Dで記述される半導体構造100aと類似する、または、同じである。半導体構造100bの形成に用いられる材料とプロセスは、前述の半導体構造100aを形成する材料とプロセスと同じ、または、類似するので、ここでは繰り返さない。
【0044】
特に、いくつかの実施態様によると、
図1Aと
図1Bに示される前の記述のプロセスが実行される。
図2Aに示されるように、いくつかの実施態様によると、第一トレンチ122を層間誘電層120中に形成した後、第二トレンチ124bを形成する。
図2Bに示されるように、いくつかの実施態様によると、第二トレンチ124b形成後、第三トレンチ126bを形成する。
【0045】
つまり、
図1Cに示される第二トレンチ124と第三トレンチ126と異なり、第二トレンチ124bと第三トレンチ126bは、異なるパターン化プロセスにより形成される。第二トレンチ124bと第三トレンチ126bは別々に形成されるので、第二トレンチ124bの第二深さD
2がうまく制御され、且つ必要であれば、調整することができる。
【0046】
第一トレンチ122、第二トレンチ124b、および第三トレンチ126bの形成後、第一導電構造128b、第二導電構造130b、および第三導電構造132bを、それぞれ、第一トレンチ122、第二トレンチ124b、および第三トレンチ126b中に形成する。
図2Cに示されるように、第一導電構造128bは、第一ソース/ドレイン構造116と直接接触し、第二導電構造130bは、第二ソース/ドレイン構造118と直接接触しない。
【0047】
このほか、いくつかの実施態様によると、第一導電構造128b、第二導電構造130b、および第三導電構造132bは、さらに、バリア層134、138と142、および、導電層136、140と144を有する。第一導電構造128b、第二導電構造130b、および第三導電構造132bの形成に用いられる材料は、
図Dに示される第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132の形成に用いられる材料に類似する、または、同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0048】
図2Aと
図2Bに示されるように、第二トレンチ124bと第三トレンチ126bは、別々に形成される。つまり、追加のマスキングプロセスを使用して、第二トレンチ124bを形成する。これにより、第二トレンチ124b中に形成された第二導電構造130bの第二深さD
2は、第三トレンチ126b中に形成される第三導電構造132bの形成により制限されることなく調整することができる。第二深さD
2がさらに自由に、且つ、別々に調整できるので、一部146の厚さT
bは、その応用に従って調整することができる。例えば、一部146の厚さT
bは調整できるので、形成された半導体構造100bは、改善された抵抗、および/または、操作電圧を有する。いくつかの実施態様において、一部146bの厚さT
bは、10オングストローム〜約500オングストロームの範囲である。
【0049】
図3Aから
図3Dは、いくつかの実施態様による半導体構造100cを形成する各種段階の断面図である。第二トレンチ124cの形成が
図1Aから
図1Dと異なることを除いて、半導体構造100cは、
図1Aから
図1Dに記述される半導体構造100aに類似する、または、同じである。半導体構造100cの形成に用いられる材料とプロセスは、半導体構造100aの形成に用いられる材料とプロセスと同じ、または、類似し、先に記載されているのでここでは繰り返さない。
【0050】
特に、
図3Aに示されるように、いくつかの実施態様によると、第一トレンチ122cが第一ソース/ドレイン構造116上に形成されるとき、仮トレンチ324が、さらに、第二ソース/ドレイン構造118上に形成される。
図3Aに示されるように、第一トレンチ122c、および第二トレンチ124cは、共に、層間誘電層120を通って形成される。これにより、第一ソース/ドレイン構造116は第一トレンチ122cによって露出し、第二ソース/ドレイン構造118は仮トレンチ324によって露出する。いくつかの実施態様において、仮トレンチ324の深さは、第一トレンチ122cの深さD
1にほぼ等しい。
【0051】
いくつかの実施態様によると、
図3Bに示されるように、仮トレンチ324形成後、第三トレンチ126cが、層間誘電層120とハードマスク層110を通って形成される。いくつかの実施態様によると、
図3Cに示されるように、第一トレンチ122、仮トレンチ324、および、第三トレンチ126bの形成が完了した後、追加誘電層325が、仮トレンチ324の底部に形成される。
【0052】
特に、追加誘電層325を仮トレンチ324の底部に蒸着して、第二トレンチ124cを形成し、第二トレンチ124cは、第二ソース/ドレイン構造118を露出しない。
いくつかの実施態様において、追加誘電層325は、厚さT
325が約10オングストローム〜約2000オングストロームの範囲である。
いくつかの実施態様において、追加誘電層325は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、リンシリケートガラス(PSG)、ボロンリンシリケートガラス(BPSG)等で形成される。注意すべきことは、追加誘電層325は、一つ、または、複数の誘電材料で形成される一つ、または、複数の層を有する。
【0053】
第一トレンチ122、第二トレンチ124b、および第三トレンチ126b形成後、第一導電構造128c、第二導電構造130c、および第三導電構造132cを、それぞれ、第一トレンチ122c、第二トレンチ124c、および第三トレンチ126c中に形成する。このほか、いくつかの実施態様によると、第一導電構造128c、第二導電構造130c、および第三導電構造132cは、さらに、バリア層134、138と142、および導電層136、140と144を有する。第一導電構造128c、第二導電構造130c、および第三導電構造132cの形成に用いる材料は、
図1Dに示される、先述の第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132の形成に用いられる材料と類似、または、同じなので、ここでは繰り返さない。
【0054】
図3Dに示されるように、第二導電構造130cが、追加誘電層325により、第二ソース/ドレイン構造118から形成される。つまり、第一導電構造128cは、第一ソース/ドレイン構造116と直接接触するが、第二導電構造130cは、第二ソース/ドレイン構造118と直接接触しない。
【0055】
このほか、追加誘電層325は、個別処理で形成される。これにより、追加誘電層325の厚さと材料は、その応用に従って調整できる。いくつかの実施態様において、追加誘電層325、および層間誘電層120は、異なる材料で形成される。
【0056】
図3Aから
図3Cに示されるように、第二トレンチ124cは、仮トレンチ324を形成し、仮トレンチ324の底部に、追加誘電層325を蒸着することにより形成される。これにより、第二深さD
2は、追加誘電層325を指定された厚さに蒸着することにより調整される。従って、第二深さD
2は、さらに自由に別々に調整でき、第三トレンチ126bの形成により制限されない。
【0057】
このほか、第二導電構造130cが第二トレンチ124c中に形成されるので、第二導電構造130cは、追加誘電層325により、第二ソース/ドレイン構造118から分離される。つまり、
図3Cと
図3Dに示されるように、第二導電構造130c、および第二ソース/ドレイン構造118は、追加誘電層325の厚さT
325に等しい距離T
cにより互いに分離され、いくつかの実施態様において、距離T
c(すなわち、追加誘電層325の厚さT
325)は、10オングストローム〜約2000オングストロームの範囲である。
【0058】
さらに、追加誘電層325の厚さと材料は、その応用に従って変化するので、形成された半導体構造100cは、指定された抵抗、および/または、操作電圧を有することができる。これにより、半導体構造100cの機能はさらに多様性があり、各種アプリケーションに適用することができる。
【0059】
図4Aから
図4Cは、いくつかの実施態様による半導体構造100dを形成する各種段階の断面図である。第二トレンチ124dの形成が、
図1Aから
図1Dと異なることを除いて、半導体構造100dは、
図1Aから
図1Dに記述される半導体構造100aに類似する、または、同じである。半導体構造100dの形成に用いられる材料とプロセスは、先述の半導体構造100aの形成に用いられる材料とプロセスと同じ、または、類似するので、ここでは繰り返さない。
【0060】
特に、いくつかの実施態様によると、
図4Aに示されるように、第一トレンチ122dは、第一ソース/ドレイン構造116上で、層間誘電層120を通って形成され、第三トレンチ126dは、ゲート構造104上で、層間誘電層120とハードマスク層110を通って形成される。このほか、仮トレンチ324dを、第二ソース/ドレイン構造118上に形成する。
【0061】
第一トレンチ122dの形成に用いる方法と材料は、
図1B、
図2Aと
図3Aに示される第一トレンチ122の形成に用いられる方法と材料に類似する、または、同じで、第三トレンチ126dの形成に用いられる方法と材料は、
図1C、
図2B、および
図3B中の第三トレンチ126、126b、126cを形成する方法と材料に類似する、または、同じである。このほか、仮トレンチ324dの形成に用いられる方法と材料は、
図1C、
図2B、および
図3C中の第二トレンチ124、124b、124cの形成に用いられる方法と材料に類似する、または、同じである。いくつかの実施態様によると、例えば、仮トレンチ324d、および第三トレンチ126dは、同じパターン化プロセスで形成される。
図4Aに示されるように、一部146dは、仮トレンチ324d、および第二ソース/ドレイン構造118間に残され、一部146dは厚さT
146dを有する。
【0062】
いくつかの実施態様によると、
図4Bに示されるように、仮トレンチ324d形成後、追加誘電層325dを、仮トレンチ324dの底部に形成する。特に、追加誘電層325dを、仮トレンチ324d底部に蒸着して、第二トレンチ124dを形成する。
【0063】
いくつかの実施態様において、追加誘電層325dは、厚さT
325dが、約5オングストローム〜約500オングストロームの範囲である。いくつかの実施態様において、追加誘電層325dは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、リンシリケートガラス(PSG)、ボロンリンシリケートガラス(BPSG)等である。注意すべきことは、追加誘電層325dは、一つ、または、複数の誘電材料で形成される一つ、または、複数の層を有する。いくつかの実施態様において、追加誘電層325d、および層間誘電層120は、異なる誘電材料で形成される。
【0064】
第一トレンチ122、第二トレンチ124d、および第三トレンチ126形成後、第一導電構造128d、第二導電構造130d、および第三導電構造132dは、それぞれ、第一トレンチ122、第二トレンチ124d、および第三トレンチ126中に形成する。このほか、いくつかの実施態様によると、第一導電構造128d、第二導電構造130d、および第三導電構造132dは、さらに、バリア層134、138、142、および導電層136、140、144を有する。第一導電構造128d、第二導電構造130d、および第三導電構造132dの形成に用いられる方法と材料は、
図1Dに示される第一導電構造128、第二導電構造130、および第三導電構造132の形成に用いられる方法と材料に類似する、または、同じであるので、これらの説明はここでは繰り返さない。
【0065】
図4Cに示されるように、第二導電構造130dは、層間誘電層120と追加誘電層325dにより、第二ソース/ドレイン構造118から分離される。つまり、第一導電構造128dは、第一ソース/ドレイン構造116と直接接触するが、第二導電構造130dは、第二ソース/ドレイン構造118と直接接触しない。
【0066】
このほか、追加誘電層325dの厚さと材料は、その応用に従って調整できる。いくつかの実施態様において、追加誘電層325および層間誘電層120は、異なる材料で形成される。
【0067】
図4Bに示されるように、追加誘電層325dが、仮トレンチ324d中に形成されるので、第二導電構造130d、および第二ソース/ドレイン構造118は、層間誘電層120の一部146d、および追加誘電層325dにより分離される。
従って、第二導電構造130d、および第二ソース/ドレイン構造118は、追加誘電層325dの厚さT
325d、および層間誘電層120の一部146dの厚さT
146dの合計に等しい距離T
dにより分離される。いくつかの実施態様において、距離T
dは、15オングストローム〜約1000オングストロームの範囲である。
【0068】
同様に、追加誘電層325dの厚さと材料は、その応用に従って変化するので、得られた半導体構造100dは、指定された抵抗、および/または、操作電圧を有することができる。これにより、半導体構造100dの機能はさらに多様性があり、且つ、各種アプリケーションに適用することができる。
【0069】
前述のように、第二導電構造、例えば、第二導電構造130、130b、130c、および130dは、どのソース/ドレイン構造、例えば、第二ソース/ドレイン構造118に直接接触せずに形成される。つまり、誘電材料、例えば、一部146、146b、および146d、および追加誘電層325と325dにより、第二導電構造がそれの下のソース/ドレイン構造から分離される。第二導電構造とソース/ドレイン構造間に位置する誘電材料はデータ保存に用いられる。従って、半導体構造、例えば、前述の半導体構造100a、100b、100c、および100dは、メモリユニット、例えば、ワンタイムPROM(one−time programmable、OTP)メモリユニット、または、抵抗変化型メモリ(RRAM;登録商標)ユニットとして用いられる。
【0070】
半導体構造とその製造方法の実施態様が提供される。半導体構造は、基板上に形成されたゲート構造、および基板のゲート構造の反対側に形成された第一、および第二ソース/ドレイン構造を有する。導電構造は、第一ソース/ドレイン構造上に形成され、且つ、第一ソース/ドレイン構造と直接接触する。このほか、第二導電構造は、第二ソース/ドレイン構造上に形成されるが、第二ソース/ドレイン構造と直接接触しない。つまり、誘電部分は、第二ソース/ドレイン構造と第二導電構造間に位置して、それらを分離する。このほか、第二ソース/ドレイン構造と第二導電構造間の誘電部分は、メモリユニット中のデータ保存に用いられる。
【0071】
いくつかの実施態様において、半導体構造が提供される。半導体構造は、基板、および、基板上に形成されるゲート構造を有する。半導体構造は、さらに、第一ソース/ドレイン構造、およびゲート構造に隣接して基板中に形成される第二ソース/ドレイン構造を有する。半導体構造は、さらに、基板上に形成されて、ゲート構造、第一ソース/ドレイン構造、および第二ソース/ドレイン構造を被覆する層間誘電層を有する。半導体構造は、さらに、第一ソース/ドレイン構造上の層間誘電層中に形成される第一導電構造を有する。半導体構造は、さらに、第二ソース/ドレイン構造上の層間誘電層中に形成される第二導電構造を有する。このほか、第一導電構造は、第一ソース/ドレイン構造と直接接触し、第二導電構造は、第二ソース/ドレイン構造と直接接触しない。
【0072】
いくつかの実施態様において、半導体構造が提供される。半導体構造は、基板、および基板上に形成されるゲート構造を有する。半導体構造は、さらに、基板中のゲート構造の第一側に隣接して形成される第一ソース/ドレイン構造を有する。半導体構造は、さらに、基板中のゲート構造の第二側に隣接して形成される第二ソース/ドレイン構造を有する。半導体構造は、さらに、基板上に形成されて、ゲート構造、第一ソース/ドレイン構造、および第二ソース/ドレイン構造を被覆する層間誘電層を有する。半導体構造は、さらに、第一ソース/ドレイン構造上で、層間誘電層を通じる第一導電構造を有する。半導体構造は、さらに、第二ソース/ドレイン構造上の層間誘電層中に形成される第二導電構造を有する。このほか、第一導電構造は、第一ソース/ドレイン構造と直接接触し、第二導電構造、および第二ソース/ドレイン構造は、層間誘電層の一部により分離される。
【0073】
いくつかの実施態様において、半導体構造の製造方法が提供される。半導体構造の製造方法は、基板上に、ゲート構造を形成する工程、およびゲート構造に隣接して基板中に、第一ソース/ドレイン構造、および第二ソース/ドレイン構造を形成する工程、を有する。半導体構造の製造方法は、さらに、基板上に層間誘電層を形成して、ゲート構造、第一ソース/ドレイン構造、および第二ソース/ドレイン構造を被覆する工程を有する。半導体構造の製造方法は、さらに、層間誘電層を通って、第一トレンチを形成し、第一ソース/ドレイン構造を露出する工程を有する。半導体構造の製造方法は、さらに、第二ソース/ドレイン構造上の層間誘電層中に、第二トレンチを形成する工程を有し、第二ソース/ドレイン構造は第二トレンチにより露出しない。半導体構造の製造方法は、さらに、第一トレンチ中に、第一導電構造を形成する工程、および第二トレンチ中に、第二導電構造を形成する工程、を有する。
【0074】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。