特許第6594979号(P6594979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーエルエー−テンカー コーポレイションの特許一覧

特許6594979光コンバイナ/スプリッタを有する二波長二重干渉計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594979
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】光コンバイナ/スプリッタを有する二波長二重干渉計
(51)【国際特許分類】
   G01B 9/02 20060101AFI20191010BHJP
   G01B 11/24 20060101ALN20191010BHJP
   G01B 11/06 20060101ALN20191010BHJP
【FI】
   G01B9/02
   !G01B11/24 D
   !G01B11/06 G
【請求項の数】35
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-527236(P2017-527236)
(86)(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公表番号】特表2017-538113(P2017-538113A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】US2015061938
(87)【国際公開番号】WO2016081874
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2018年11月8日
(31)【優先権主張番号】62/083,113
(32)【優先日】2014年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/945,847
(32)【優先日】2015年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン デンペン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン イー
(72)【発明者】
【氏名】ジェン ジエ−フェイ
【審査官】 齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−031113(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/003852(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0310378(US,A1)
【文献】 特表2003−515151(JP,A)
【文献】 特表2005−513429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/02
G01B 11/06
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャネルおよび少なくとも第2のチャネルを含む二重干渉計サブシステムと、
照明光源とを含むシステムであって、前記照明光源が、
第1の入力経路に沿って配置されていて第1の波長の光を生成すべく構成された第1のレーザ光源と、
少なくとも第2の入力経路に沿って配置されていて少なくとも第2の波長の光を生成すべく構成された少なくとも第2のレーザ光源と、
前記第1のレーザ光源の出力端および前記少なくとも第2のレーザ光源の出力端に光学的に接続されたコンバイナ/スプリッタ素子とを含み、
前記コンバイナ/スプリッタ素子が、前記第1の波長の光と、前記少なくとも第2の波長の光とを結合すべく構成されていて、
前記コンバイナ/スプリッタ素子が更に、前記第1の入力経路からの前記第1の波長の光の第1の部分と、前記少なくとも第2の入力経路からの前記少なくとも第2の波長の光の第1の部分とを前記二重干渉計サブシステムの前記第1のチャネルへ伝送すべく構成されていて、
前記コンバイナ/スプリッタ素子が更に、前記第1の入力経路からの前記第1の波長の光の第2の部分と、前記少なくとも第2の入力経路からの前記少なくとも第2の波長の光の第2の部分とを前記二重干渉計サブシステムの前記少なくとも第2のチャネルへ伝送すべく構成されているシステム。
【請求項2】
前記二重干渉計サブシステムが二波長二重フィゾー干渉計(DWDFI)サブシステムを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンバイナ/スプリッタ素子がファイバ束コンバイナ/スプリッタ(FBCS)を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記照明光源の前記第1の入力経路が、前記第1のレーザ光源から前記コンバイナ/スプリッタ素子へ光を伝送する第1の複数の光ファイバを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記照明光源の少なくとも第2の入力経路が、前記少なくとも第2のレーザ光源から前記コンバイナ/スプリッタ素子へ光を伝送する少なくとも第2の複数の光ファイバを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記照明光源の第1の出力経路が、前記コンバイナ/スプリッタ素子から前記二重干渉計サブシステムの前記第1のチャネルへ光を伝送する第1の複数の光ファイバを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記照明光源の少なくとも第2の出力経路が、前記コンバイナ/スプリッタ素子から前記二重干渉計サブシステムの少なくとも第2のチャネルへ光を伝送する少なくとも第2の複数の光ファイバを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
第1の出力経路が第1の強度レベルで光を伝送し、少なくとも第2の出力経路が第1の強度レベルとは異なる第2の強度レベルで光を伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の入力経路が第1の入力光ファイバ束により画定され、前記第2の入力経路が第2の入力光ファイバ束により画定され、第1の出力経路が第1の出力光ファイバ束により画定され、第2の出力経路が第2の出力光ファイバ束により画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の入力光ファイバ束、前記第2の入力光ファイバ束、前記第1の出力光ファイバ束または前記第2の出力光ファイバ束のうち少なくとも1個が複数の光ファイバを含んでいる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の光ファイバが10〜1000個の光ファイバを含んでいる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の出力経路の前記第1の出力光ファイバ束の光ファイバ、および前記少なくとも第2の出力経路の前記第2の出力光ファイバ束の光ファイバが不規則に分布している、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のレーザ光源または前記第2のレーザ光源の少なくとも一方がダイオードレーザである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のレーザ光源または前記第2のレーザ光源の少なくとも一方が調整可能ダイオードレーザである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のレーザ光源が、紫外光、可視光、または近赤外光のうち少なくとも1個を含む光を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも第2のレーザ光源が、紫外光、可視光、または近赤外光のうち少なくとも1個を含む光を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のレーザ光源および前記少なくとも第2のレーザ光源が同時に光を発する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のレーザ光源および前記少なくとも第2のレーザ光源が異なる時点で光を発する、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の入力経路に沿って伝送される光の強度が、前記少なくとも第2の入力経路に沿って伝送される光の強度とは異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記二重干渉計サブシステムの前記第1のチャネルへ伝送される光の強度が、前記二重干渉計サブシステムの前記少なくとも第2のチャネルへ伝送される光の強度とは異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
第1のチャネルおよび少なくとも第2のチャネルを含む光学サブシステムと、
照明光源を含むシステムであって、前記照明光源が、
第1の入力経路に沿って配置されていて第1の波長の光を生成すべく構成された第1のレーザ光源と、
少なくとも第2の入力経路に沿って配置されていて少なくとも第2の波長の光を生成すべく構成された少なくとも第2のレーザ光源と、
前記第1のレーザ光源の出力端および前記少なくとも第2のレーザ光源の出力端に光学的に接続されたコンバイナ/スプリッタ素子とを含み、
前記コンバイナ/スプリッタ素子が、前記第1の波長の光と、前記少なくとも第2の波長の光とを結合すべく構成されていて、
前記コンバイナ/スプリッタ素子が更に、前記光学サブシステムの前記第1のチャネルへの第1の出力経路と、前記光学サブシステムの少なくとも第2のチャネルへの少なくとも第2の出力経路とに沿って進むように前記結合光を分割すべく構成されているシステム。
【請求項22】
前記コンバイナ/スプリッタ素子がファイバ束コンバイナ/スプリッタ(FBCS)を含んでいる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の出力経路の光ファイバおよび前記少なくとも第2の出力経路の光ファイバが不規則に分布している、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1のレーザ光源または前記第2のレーザ光源の少なくとも一方がダイオードレーザである、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1のレーザ光源または前記第2のレーザ光源の少なくとも一方が調整可能ダイオードレーザである、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の入力経路が第1の入力光ファイバ束により画定され、前記第2の入力経路が第2の入力光ファイバ束により画定され、前記第1の出力経路が第1の出力光ファイバ束により画定され、前記第2の出力経路が第2の出力光ファイバ束により画定される、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1の入力光ファイバ束、前記第2の入力光ファイバ束、前記第1の出力光ファイバ束または前記第2の出力光ファイバ束のうち少なくとも1個が複数の光ファイバを含んでいる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の光ファイバが10〜1000個の光ファイバを含んでいる、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1のレーザ光源が、紫外光、可視光、または近赤外光のうち少なくとも1個を含む光を生成する、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも第2のレーザ光源が、紫外光、可視光、または近赤外光のうち少なくとも1個を含む光を生成する、請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1のレーザ光源および前記少なくとも第2のレーザ光源が同時に光を発する、請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1のレーザ光源および前記少なくとも第2のレーザ光源が異なる時点で光を発する、請求項21に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の光源からの光の強度が、前記少なくとも第2の光源からの光の強度とは異なる、請求項21に記載のシステム。
【請求項34】
前記光学サブシステムの前記第1のチャネルへ伝送される光の強度が、前記光学サブシステムの前記少なくとも第2のチャネルへ伝送される光の強度とは異なる、請求項21に記載のシステム。
【請求項35】
第1の入力経路に沿って進む第1の波長の光を生成するステップと、
少なくとも第2の入力経路に沿って進む少なくとも第2の波長の光を生成するステップと、
前記第1の入力経路からの前記第1の波長の光と、前記少なくとも第2の入力経路からの前記少なくとも第2の波長の光とを結合するステップと、
光学システムの第1のチャネルと、前記光学システムの少なくとも第2のチャネルとに入射するように前記結合光を分割するステップを含む方法において、前記第1のチャネルおよび前記少なくとも第2のチャネルが、前記第1の入力経路からの前記第1の波長の光の一部および前記少なくとも第2の入力経路からの前記少なくとも第2の波長の光の一部を受光する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、干渉分光法の分野に関し、特に光コンバイナ/スプリッタを有する二波長二重干渉計に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、米子機特許法第119条(e)の下で、Dengpeng Chen、Yi Zhang、およびJeff Zhangを発明者とする2014年11月21日出願の米国仮出願第62/083113号「DUAL WAVELENGTH DUAL FIZEAU INTERFEROMETER(DWDFI) WITH FIBER BUNDLE COMBINER/SPLITTER(FBCS)」を優先権主張するものであり、その全文を本明細書に引用している。
【0003】
干渉分光法は、半導体ウエーハその他任意の半導体または非半導体基板等のサンプルの1個以上の空間特性を、当該サンプルの試験表面から反射された照射に関連付けられた情報に基づいて測定するための有用な技術である。半導体の製造はより高いレベルの正確性および精度を絶えず必要とするため、最新の製造技術の要求を満たすべく干渉分光技術の向上が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0040519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位相シフト干渉分光法は、より高い測定正確性、コントラスト非感受性、照明の均一性、および固定格子点で得られる位相を含むがこれらに限定されない他の干渉分光技術よりも優れた多くの利点をもたらす。サンプルに対して干渉分光法を実行する改良された方法およびシステムを提供するが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1個以上の実施形態による、2個以上のレーザからの結合光を光学サブシステムの2個以上のチャネルへ伝送するシステムを開示する。一実施形態において、本システムは、第1のチャネルおよび少なくとも第2のチャネルを含む光学サブシステムを含んでいる。別の実施形態において、本システムは照明光源を含んでいる。別の実施形態において、照明光源は、第1の入力経路に沿って配置されていて第1の波長の光を生成すべく構成された第1のレーザ光源を含んでいる。別の実施形態において、照明光源は、少なくとも第2の入力経路に沿って配置されていて少なくとも第2の波長の光を生成すべく構成された少なくとも第2のレーザ光源を含んでいる。別の実施形態において、照明光源はコンバイナ/スプリッタ素子を含み、コンバイナ/スプリッタ素子は第1のレーザ光源の出力端および少なくとも第2のレーザ光源の出力端に光学的に接続されている。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子は、第1の波長の光と、少なくとも第2の波長の光とを結合すべく構成されている。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子は更に、光学サブシステムの第1のチャネルへの第1の出力経路と、光学サブシステムの少なくとも第2のチャネルへの少なくとも第2の出力経路とに沿って進むように結合光を分割すべく構成されている。
【0007】
本開示の1個以上の実施形態による、二波長二重干渉計サブシステムの2個以上のレーザから2個以上のチャネルへ結合光を伝送するシステムを開示する。一実施形態において、本システムは、第1のチャネルおよび少なくとも第2のチャネルを含む二重干渉計サブシステムを含んでいる。別の実施形態において、本システムは照明光源を含んでいる。別の実施形態において、照明光源は、第1の入力経路に沿って配置されていて第1の波長の光を生成すべく構成された第1のレーザ光源を含んでいる。別の実施形態において、照明光源は少なくとも第2の入力経路に沿って配置されていて少なくとも第2の波長の光を生成すべく構成された少なくとも第2のレーザ光源を含んでいる。別の実施形態において、照明光源はコンバイナ/スプリッタ素子を含み、コンバイナ/スプリッタ素子は、第1のレーザ光源の出力端および少なくとも第2のレーザ光源の出力端に光学的に接続されている。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子は、第1の波長の光と、少なくとも第2の波長の光とを結合すべく構成されている。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子は更に、第1の入力経路からの第1の波長の光の第1の部分と、少なくとも第2の入力経路からの少なくとも第2の波長の光の第1の部分とを二重干渉計サブシステムの第1のチャネルへ伝送すべく構成されている。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子は更に、第1の入力経路からの第1の波長の光の第2の部分と、少なくとも第2の入力経路からの少なくとも第2の波長の光の第2の部分とを二重干渉計サブシステムの少なくとも第2のチャネルへ伝送すべく構成されている。
【0008】
本開示の1個以上の実施形態による、2個以上のレーザから光学サブシステムの2個以上のチャネルへ結合光を伝送する方法を開示する。一実施形態において、本方法は、第1の入力経路に沿って進む第1の波長の光を生成するステップを含んでいる。別の実施形態において、本方法は、少なくとも第2の入力経路に沿って進む少なくとも第2の波長の光を生成するステップを含んでいる。別の実施形態において、本方法は、第1の入力経路からの第1の波長の光と、少なくとも第2の入力経路からの少なくとも第2の波長の光とを結合するステップを含んでいる。別の実施形態において、本方法は、光学システムの第1のチャネルと、光学システムの少なくとも第2のチャネルとに入射するように結合光を分割するステップを含み、第1のチャネルおよび少なくとも第2のチャネルは、第1の入力経路からの第1の波長の光の一部および少なくとも第2の入力経路からの少なくとも第2の波長の光の一部を受光する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
当業者は添付図面を参照することにより本開示の多くの利点に対する理解が深まろう。
図1A】、本開示の1個以上の実施形態による、照明光源の2個以上のレーザから結合光を光学サブシステムの2個以上のチャネルへ伝送するシステムを示すブロック図である。
図1B】本開示の1個以上の実施形態による、照明光源の2個以上のレーザからの結合光を二波長二重干渉計システムの2個以上のチャネルへ伝送するシステムを示すブロック図である。
図1C】本開示の1個以上の実施形態による、2個以上のレーザからの光とを結合する照明光源のコンバイナ/スプリッタ素子を示す簡略模式図である。
図1D】本開示の1個以上の実施形態による、コンバイナ/スプリッタ素子、および2個以上のレーザからの光とを結合する光ファイバ束の組の個々の光ファイバを示す簡略模式図である。
図1E】本開示の1個以上の実施形態による、3個以上のレーザからの光とを結合する照明光源のコンバイナ/スプリッタ素子を示す簡略模式図である。
図1F】本開示の1個以上の実施形態による、2個の光ファイバ終端間の距離を制御することにより選択された光路に沿った強度の調整を示すブロック図である。
図1G】本開示の1個以上の実施形態による、2個の光ファイバ終端間の距離を制御することにより選択された光路に沿った強度の調整を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による、照明光源の2個以上のレーザから結合光を光学サブシステムの2個以上のチャネルへ伝送する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に示す開示内容について詳細に述べる。
【0011】
図1A〜2に、照明光源の2個以上のレーザから結合光を光学サブシステムの2個以上のチャネルへ伝送するシステムおよび方法を示す。本開示の実施形態は、複数の光源からの光を結合または混合し、次いで二波長二重フィゾー干渉計(DWDFI)システム、検査システム、または光学計測システム等、但しこれらに限定されない光学システムまたはサブシステムの複数のチャネルへ向けて結合光を分割することを目的とする。本開示のいくつかの実施形態は、DWDFIシステムを利用したウェーハ形状およびウェーハ厚さ変化の測定を目的とする。本開示の実施形態は、本開示の干渉分光システムのダイナミックレンジの拡大に有用であり、高傾斜ウェーハ、フィルムが堆積されたウェーハおよび/またはパターン化ウェーハを測定する場合の精度を向上させる。
【0012】
図1Aに、本開示の1個以上の実施形態による、照明光源の2個以上のレーザから結合光を光学サブシステムの2個以上のチャネルへ伝送するシステム100を示す。
【0013】
一実施形態において、システム100は照明光源101を含んでいる。一実施形態において、照明光源101は、第1の光源104および第2の光源105を含んでいる。第1の光源104および第2の光源105は、2個以上のレーザを含む、但しこれに限定されない、光学分野で公知の任意の光源を含んでいてよい。例えば、第1の光源104および第2の光源105は、第1のダイオードレーザおよび第2のダイオードレーザ光源を含んでいてよいが、これに限定されない。例えば、第1の光源104および第2の光源105は、第1の調整可能ダイオードレーザおよび第2の調整可能ダイオードレーザ(TDL)を含んでいてよいが、これに限定されない。別の実施形態において、第1の光源104と第2の光源105は異なる波長の光を生成する。例えば、第1の光源104は第1の波長λを有する光を発し、第2の光源105は第2の波長λを有する光を発する。
【0014】
別の実施形態において、照明光源101はコンバイナ/スプリッタ素子106を含んでいる。コンバイナ/スプリッタ素子106は、複数の光信号を結合または多重化し、次いで結合/多重化された光信号を分割するのに適した任意の光学素子または装置を含んでいてよい。一実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、ファイバ束コンバイナ/スプリッタ(FBSC)を含んでいる。例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、光学分野で公知の任意のFBSCを含んでいてよい。
【0015】
別の実施形態において、照明光源101は、光路108〜111を画定する光ファイバ束の組を含んでいる。ファイバ束は、第1および第2の光源104からコンバイナ/スプリッタ素子106に光を中継し、更にコンバイナ/スプリッタ素子106から光学サブシステム101の第1および第2のチャネルへ結合光を中継すべく機能する。
【0016】
一実施形態において、第1の光源104が第1の入力経路108に沿って進む第1の波長λの光を発し、第2の光源105が第2の入力経路109に沿って進む第2の波長λの光を発する。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の入力経路108からの第1の波長λの光と、第2の入力経路109からの第2の波長λの光とを結合する。次いで、コンバイナ/スプリッタ素子106は、光学サブシステム102の第1のチャネル(チャネル1)への第1の出力経路110と、光学サブシステム102の第2のチャネル(チャネル2)への第2の出力経路111とに沿って進むように結合光を分割する。この点に関して、コンバイナ/スプリッタ素子106は、光学サブシステム101のチャネル1およびチャネル2の両方において第1の光源104からの光と第2の光源105からの光を混合する。例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の入力経路108からの第1の波長λの光および第2の入力経路109からの第2の波長λの光を第1の出力経路110に沿って光学サブシステム102のチャネル1へ伝送することができる。更に、コンバイナ/スプリッタ素子106はまた、第1の入力経路108からの第1の波長λの光および第2の入力経路109からの第2の波長λの光を第2の出力経路111に沿って光学サブシステム102のチャネル2へ伝送することができる。
【0017】
この点に関して、チャネル1およびチャネル2は共に第1の波長λおよび第2の波長λの光を受光する。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、チャネル1およびチャネル2における第1の波長λおよび第2の波長λの相対的な光量を制御すべく第1および第2の光源104、105からの光を結合および分割することができる。例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、チャネル1およびチャネル2が受光するλ光およびλ光の含有率を制御すべく光の伝送を制御することができる。
【0018】
システム100の光学サブシステム102は、異なる波長の光および/または他の光学特徴を有する複数のチャネルを必要とする当分野で公知の任意の光学サブシステム、システムまたはツールを含んでいてよい。一実施形態において、システム100の光学サブシステム102は二波長二重干渉計システムを含んでいる。
【0019】
図1Bに、光学サブシステムが本開示の1個以上の実施形態による二波長二重干渉計である場合のシステム100を示す。本明細書において、上述の説明例および実施形態が別途明記しない限り図1Bにも適用されるものと解釈すべきである点に注意されたい。
【0020】
一実施形態において、光学サブシステム101は、二波長フィゾー二重(DWFDI)干渉計である。システム100は、サンプルの1個以上の空間特徴、例えば形状変化、厚さ変化および/またはサンプルの他の空間パラメータ変化を測定すべく構成されていてよい。別の実施形態において、DWFDUシステムは、サンプルに対してパターン化されたウェーハ外形(PWG)測定を実行すべく適合されていてよく、これにより干渉計システム100により測定されたサンプル傾斜(例:ウェーハ傾斜)のダイナミックレンジが、サンプル(例えばウェーハ)測定結果の異なる領域を縫合することにより拡張される。更に、各領域は、システム100の空腔内で所与のサンプルを傾けることにより視準されていてよい。
【0021】
二波長二重干渉計に関する記述が2005年1月25日出願の米国特許第6,847,458号に開示されており、その全文を本明細書に引用している。二波長二重干渉計に関する記述が2011年11月29日出願の米国特許第8,068,234号に開示されており、その全文を本明細書に引用している。二波長二重干渉計に関する記述が2014年10月2日公開の米国公開特許第2014/0293291号に開示されており、その全文を本明細書に引用している。高傾斜サンプルの形状および厚さの測定に用いられる二波長二重干渉計に関する記述が2010年12月7日出願の米国特許第7,847,954号に開示されており、その全文を本明細書に引用している。本開示が、単に説明目的で提示する図1Bに示す光学的構成に限定されない点に注意されたい。本開示が、波長調整可能な照明光源を位相シフトのために利用すべく構成された任意の位相シフト干渉分光システムにも拡張できる点を認識されたい。従って、システム100の以下の説明は本開示を一切限定するものではない。
【0022】
一実施形態において、システム100の光学サブシステム102は、2個の干渉計150および151を含んでいる。一実施形態において、本開示を通じて記述するように、DWFDIシステム100は照明光源101を含み、当該照明光源101は更に、チャネル1およびチャネル2を介して干渉計150、151へ光を伝送するべく構成されている。この点に関して、DWFDIシステム100は、測定値を位相シフトさせるために照明光源101のコンバイナ/スプリッタ101からの結合光信号を利用すべく構成されている。
【0023】
一実施形態において、システム100の光チャネル1、2は、照明光源101の出力経路110、111から干渉計入力端152、153へ結合光を伝送すべく構成された光ファイバ128、129を含んでいる。一実施形態において、干渉計入力端152、153は、1個以上の光ファイバ128、129と直列接続された1個以上の光学素子を含んでいる。別の実施形態において、干渉計入力端152、153は光ファイバ128、129を含んでいてよい。干渉計入力端152、153は、照明光源101の出力経路110、111からの結合光の少なくとも一部を位相シフト干渉計150、152に誘導することができる。
【0024】
一実施形態において、干渉計150、151は各々、干渉計入力端152、153から光を受光すべく構成された1個以上の偏光ビームスプリッタ112、113を含んでいる。別の実施形態において、ビームスプリッタ112、113は、一部の光を四分の一波長板154、155(例:偏光ビームスプリッタ112、113の偏光方向に対して45度に配置された)に誘導する。偏光ビームスプリッタ112,113、および四分の一波長板154、155で透過する光は円形に偏光させることができる。円形に偏光された光は次いで、サンプル118の直径よりも大きい直径のビームに光を視準すべく構成されたレンズ114、115により受光することができる。1個以上のレンズ114、115はまた、視準されたビームを基準平板116、117(例:平行な基準平面)に誘導することができる。サンプル118は、基準平板116、117により画定される空腔119の中央に配置されていてよい。別の実施形態において、視準されたビームは、基準平板116、117を透過してサンプル118へ伝送されてもよい。
【0025】
別の実施形態において、各々の透過ビームの第1の部分がサンプル118の1個以上の表面120、121に誘導される。更に、各々の透過ビームの第2の部分が1個以上の透過基準平板117、116の反対側に位置する基準平板116、117の基準面に誘導される。例えば、基準平板116からの透過ビームの第1の部分はサンプル118の試験表面120に誘導される一方、基準平板116からの透過ビームの第2の部分は基準平板116の基準面に誘導されてよい。同様に、基準平板117からの透過ビームの第1の部分はサンプル118の表面121に誘導される一方、基準平板117からの透過ビームの第2の部分は基準平板116の基準面に誘導されてよい。
【0026】
別の実施形態において、システム100は検出器122、123を含んでいる。検出器122、123は、1個以上のCCD検出器、1個以上のTDI−CCD検出器、1個以上のCMOS検出器、または当分野で公知の他の任意の光センサを含んでいてよいが、これらに限定されない。一実施形態において、検出器122、123は、サンプル118の1個以上の表面120、121から反射された照明の部分を検出すべく構成されていてよい。別の実施形態において、検出器122、123は、基準平板116、117の対応する基準面から反射された光の部分を検出すべく構成されている。別の実施形態において、システム100は、検出器122、123と通信可能に接続された1個以上のコントローラ126,127を含んでいる。別の実施形態において、1個以上のコントローラ126、127は、検出器122、123から検出された光に関連付けられた情報を取得する。別の実施形態において、コントローラ126、127はメモリに保存されたプログラム命令から測定アルゴリズムを実行して、サンプル118からの測定値に基づいて、サンプル118の1個以上の空間特徴を判定することができる。位相シフト干渉分光システムによりサンプルの空間特徴を判定する測定アルゴリズムが当分野で公知である。当分野で公知の任意の測定処理をシステム100および1個以上コントローラ126、127により実行できる点に注意されたい。
【0027】
本開示ではシステム100を二波長二重干渉計システムとして記述しているが、当該実装方式は、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、単に説明目的で提示するものである。例えば、本開示の照明光源101は、複数チャネル検査、計測等を含むがこれらに限定されない、複数の光チャネルを要する任意の光学設定に基づいて実装されてよい。本開示は上述以外の点で、コンバイナ/スプリッタ素子106に関連する各種の実施形態について記述しており、これらは複数の波長倍数チャネル能力を要する任意の光学サブシステムに適用可能である。
【0028】
図1Cは、本開示の1個以上の実施形態による、2個のレーザからの光とを結合する照明光源のコンバイナ/スプリッタ素子106を示す。一実施形態において、第1の入力光ファイバ束108は第1の波長λの光をコンバイナ/スプリッタ素子106へ伝送し、第2の入力光ファイバ束109は第2の波長λの光をコンバイナ/スプリッタ素子106へ伝送する。別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の波長λの光および第2の波長λの光を結合(または多重化)する。次いで、コンバイナ/スプリッタ素子106は光を、第1の出力光ファイバ束110と、第2の出力光ファイバ束111とに沿って進むように分割する。この点に関して、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110が第1の波長λの光および第2の波長λの光の両方を受光すべく結合光を分割する。また、第2の出力光ファイバ束111もまた、第1の波長λの光および第2の波長λの光の両方を受光する。別の実施形態において、第1および第2の出力光ファイバ110、111は、2個のビームを出力すべく選択された光学サブシステム(例:DWFDIサブシステム)に接続されているため、各ビームが第1の波長λの光および第2の波長λの光を含んでいる。
【0029】
別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1および第2の出力光ファイバ束110、111が第1の波長λの光および第2の波長λの光を選択された割合で受光すべく結合光を分割する。例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力ファイバ束110の個々のファイバの第1の断片が第1の波長λの光を搬送し、第1の出力ファイバ束の残りの個々のファイバが第2の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。更に、コンバイナ/スプリッタ素子106はまた、第2の出力ファイバ束110の個々のファイバの第1の断片が第2の波長λの光を搬送し、第2の出力ファイバ束の残りの個々のファイバが第1の波長λの光を搬送すべく結合光を誘導することができる。
【0030】
例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110のファイバの50%および第2の光ファイバ束111のファイバの50%が第1の波長λの光を搬送し、第1の光ファイバ束110のファイバの50%および第2の光ファイバ束111のファイバの50%が第2の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。本開示が、単に説明目的で提示する光成分の均等な分割に限定されない点に注意されたい。むしろ、コンバイナ/スプリッタ素子106が光成分の任意の結合を行う点を認識されたい。
【0031】
例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110のファイバの60%が第1の波長λの光を搬送し、第1の光ファイバ束110のファイバの40%が第2の波長λの光を搬送する一方、第2の出力光ファイバ束111のファイバの40%が第1の波長λの光を搬送し、第2の光ファイバ束111のファイバの60%が第2の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。別の例として、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110のファイバの75%が第1の波長λの光を搬送し、第1の光ファイバ束110のファイバの25%が第2の波長λの光を搬送する一方、第2の出力光ファイバ束111のファイバの25%が第1の波長λの光を搬送し、第2の光ファイバ束111のファイバの75%が第2の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。より一般的には、一実施形態において、二波長実装方式の場合、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110のファイバのN%が第1の波長λの光を搬送し、第1の光ファイバ束110のファイバのM%が第2の波長λの光を搬送する一方、第2の出力光ファイバ束111のファイバのM%が第1の波長λの光を搬送し、第2の光ファイバ束111のファイバのN%が第2の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができ、ここにNおよびMは0〜100の範囲にある。
【0032】
別の実施形態において、第1および第2の光ファイバ束110、111の光ファイバは、出力ファイバの終終端が不規則に分布するように配置されている。光束の光ファイバ110、111の分布が、出力ファイバ110、111の出力端で均一な光分布を実現するのに役立つ点に注意されたい。
【0033】
再び図1Bを参照するに、光源104、105が選択された任意の波長または波長範囲の光を生成すべく選択可能である点に注意されたい。例えば、光源104、105は各々、紫外、可視、または近赤外スペクトル領域の光を発することができる1個以上のレーザ光源を含んでいてよい。例えば、第1の光源104は、635または639nmの波長で光を発するTDLを含んでいてよいが、これに限定されない。これらの波長値がウェーハ形状およびPWG測定の実行に一般に用いられる波長値に対応する点に注意されたい。第2の波長λの選択が、対応する検出器(例:検出器122、123)のスペクトル応答範囲、対応する光学サブシステムに存在する光学素子、光学コーティングの存在等を含むがこれらに限定されない多くの要因に依存し得る点に注意されたい。例えば、第2の光源105は、近赤外スペクトル(例:850nm)の波長で光を発するTDLを含んでいるがこれに限定されない。
【0034】
一実施形態において、2個以上の光源104、105は、異なる時点で光を生成/発光すべく(例えばコントローラ毎に)制御される。別の実施形態において、2個以上の光源104、105は、同時に光を生成/発光すべく(例えばコントローラ毎に)制御される。別の実施形態において、光源104、105が同時に動作する場合、2個の光源104、105の出力が、1個以上のフィルタおよび/または1個以上のアルゴリズムを介して分割される。ウェーハ外形測定の場合、いくつかの実施形態において、通常の/低傾斜ウェーハ、無フィルムウェーハ、および未パターン化ウェーハから充分な測定値を得るために単一の光源だけで済む。ウェーハ外形測定が、例えば高傾斜ウェーハ、有フィルムウェーハ、およびパターン化ウェーハ用に測定能力を向上させるために第2の波長を必要とする場合、2個のレーザを同時にまたは別々に用いてもよい。この点に関して、光源104、105の別々または同時動作からのデータを用いてウェーハ外形情報を計算してもよい。
【0035】
別の実施形態において、出力ファイバ束110、111から伝送された光は、1個以上の光学素子により処理される。例えば、システム100は、1個以上の回転すりガラス素子および/またはビームホモジナイザ(図示せず)を含んでいてよい。この点に関して、出力ファイバ束110、111からの光は、DWDFIサブシステムのチャネル1およびチャネル2に入射する前に回転すりガラス素子を透過して伝送されてよい。
【0036】
図1Dに、本開示の1個以上の実施形態による、2個のレーザからの光とを結合する照明光源のコンバイナ/スプリッタ素子の光ファイバ束108、109、110、111の個々のファイバを示す。光ファイバ束108〜111は、任意の個数の光ファイバを含んでいてよい。例えば、各々の光ファイバ束は、10〜1000個のファイバを含んでいてよいが、これに限定されない。例えば、図1Dは、各光ファイバ束108〜111が37個の光ファイバを含む場合を示している。別の例として、各光束108〜111が100個の光ファイバを含む二波長結合の場合、第1の入力光束108の100個の光ファイバの全てが第1の波長λの光を搬送し、第2の入力光束109の100個の光ファイバの全てが第2の波長λの光を搬送する。更に、第1の入力光束108の第1の選択された個数の光ファイバは第1の出力光束110へ送られる一方、第1の入力光束108の第2の選択された個数の光ファイバは第2の出力光束111へ送られる。同様に、第2の入力光束109の第1の選択された個数の光ファイバは第1の出力光束110へ送られる一方、第2の入力光束109の第2の選択された個数の光ファイバは第2の出力光束111へ送られる。図1Dは、第1および第2の出力光束110、111の光ファイバの50%が第1の波長λの光を搬送し、光ファイバの残りの50%が第2の波長λの光を搬送する場合を示している。当該構成は本開示を限定するものではなく、単に説明目的で提示している点に注意されたい。
【0037】
図1Eに、本開示の1個以上の実施形態による、3個以上のレーザからの光とを結合する照明光源のコンバイナ/スプリッタ素子を示す。本開示の大部分が2個のレーザ光源(例:104、105)を用いるシステム100の実装に焦点を当てているが、本開示のシステム100が2個のレーザ光源に限定されない。システム100、照明光源101、およびコンバイナ/スプリッタ素子106は任意の個数のレーザまたは光源を用いる動作に拡張できる点を認識されたい。
【0038】
一実施形態において、図1Eに示すように、照明光源101は3個のレーザ光源104、105、および140を含んでいる。別の実施形態において、各々の光ファイバ束108、109、および140は、各々のレーザ光源104、105、および140からの光をコンバイナ/スプリッタ素子106へ伝送する。例えば、第1の入力光ファイバ束108は第1の波長λの光をコンバイナ/スプリッタ素子106へ伝送し、第2の入力光ファイバ束109は第2の波長λの光をコンバイナ/スプリッタ素子106へ伝送し、第3の入力光ファイバ束142は第3の波長λの光をコンバイナ/スプリッタ素子106へ伝送する。本構成が、N個以下の入力光源および光ファイバ束を含む任意の個数の照明光源および入力光ファイバ束に拡張できる点に注意されたい。
【0039】
別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の波長λの光、第2の波長λの光、および第3の波長λの光を結合(または多重化)する。
【0040】
別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110、第2の出力光ファイバ束111、および第3の出力光ファイバ束143に沿って進むように結合光を分割する。例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力光ファイバ束110が第1の波長λの光、第2の波長λの光、および第3の波長λの光を受光すべく結合光を分割することができる。更に、第2の出力光ファイバ束111および第3の出力光ファイバ束143もまた、第1の波長λの光、第2の波長λの光、および第3の波長λの光を受光する。
【0041】
別の実施形態において、第1、第2、および第3の出力光ファイバ110、111、143は、光学サブシステムに3個のビームを出力すべく光学サブシステム(例:DWFDIサブシステム、検査システム、計測システム等)の選択された複数のチャネル(例:3個のチャネル)に接続されている(図示せず)ため、各ビームは、第1の波長λの光、第2の波長λの光、および第3の波長λの光を含んでいる。本構成が、N個以下の光チャネルを含む任意の個数の入力光チャネル有する光学サブシステムに拡張できる点に注意されたい。
【0042】
上述のように、別の実施形態において、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1、第2、および第3の出力光ファイバ束110、111、143が第1の波長λの光、第2の波長λの光、および第3の波長λの光を選択された割合で受光すべく結合光を分割する。
【0043】
例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第1の出力ファイバ束110の個々のファイバの第1の断片が第1の波長λの光を搬送し、第1の出力ファイバ束110の個々のファイバの第2の断片が第2の波長λの光を搬送し、第1の出力ファイバ束110の個々のファイバの第3の断片が第3の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。更に、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第2の出力ファイバ束111の個々のファイバの第1の断片が第1の波長λの光を搬送し、第2の出力ファイバ束111の個々のファイバの第2の断片が第2の波長λの光を搬送し、第2の出力ファイバ束111の個々のファイバの第3の断片が第3の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。更に、コンバイナ/スプリッタ素子106は、第3の出力ファイバ束143の個々のファイバの第1の断片が第1の波長λの光を搬送し、第3の出力ファイバ束143の個々のファイバの第2の断片が第2の波長λの光を搬送し、第3の出力ファイバ束143の個々のファイバの第3の断片が第3の波長λの光を搬送すべく結合光を分割することができる。再び、本開示の全体を通じて述べているように、本構成が任意の個数のレーザ光源、入出力光ファイバ束、および任意の割合の波長構成要素に拡張できる点に注意されたい。
【0044】
図1F〜1Gに、本開示の1個以上の実施形態による、2個の光ファイバの終端間の距離を制御することにより、選択された光路に沿って強度を調整すべく構成された照明光源およびコンバイナ/スプリッタ素子を示す。
【0045】
別の実施形態において、各種の入力ファイバ束108、109および/または出力ファイバ束110、111に沿って進む光の強度が制御される。一実施形態において、1個以上ファイバ束108〜111に沿って進む光の強度は、1個以上のファイバ束108〜111に沿って「隙間」を含めることにより制御される。次いで隙間のサイズを制御することができる(例えば、コントローラ(図示せず)に接続された起動装置を介して制御される)。ファイバ終端間の隙間のサイズを制御することにより、隙間を横断して所与のファイバ束を下って伝送される光の強度が制御される。例えば、図1E、1Fに示すように、ファイバ断面間の距離d1〜d4が制御されることにより、ファイバ間の所与の隙間の下流にあるファイバ断面へ伝送される光の強度を制御する。例えば、図1Fに示すような第1の入力光ファイバ束108の場合、第1のファイバ断面130と第2のファイバ断面132と間の距離d1を制御することにより、第1のファイバ断面130から第2のファイバ断面132へ伝送される光の強度を制御することができる。この点に関して、下流のファイバ断面へ伝送される光の強度は、所与の隙間のサイズに反比例する。この強度制御機構が本開示全体を通じて記述している入出力ファイバ束断面のいずれにも適用できる点に注意されたい。
【0046】
一実施形態において、入力および/または出力ファイバ束108〜111に沿って伝送される光は異なる物理特性を有していてよい。また、異なる波長特性を有するために、本開示全体を通じて述べたように、光は多くの異なる物理特性をも有していてよい。例えば、入力および/または出力ファイバ束に沿って伝送される光は、異なる強度、異なる偏光特性、異なる変調特徴等を有していてよい。例えば、第1の入力光ファイバ束108により伝送される光は1個以上の第1の物理特性を有していてよく、一方、第2の入力光ファイバ束109により伝送される光は、第1の物理特性とは異なる1個以上の第2の物理特性を有している。例えば、第1の入力光ファイバ束108により伝送される光は第1の強度を有していてよく、一方、第2の入力光ファイバ束109により伝送される光は、第1の強度とは異なる第2の強度を有している。別の例において、第1の入力光ファイバ束108により伝送される光は第1の偏光特性を有していてよく、一方、第2の入力光ファイバ束109により伝送される光は、第1の偏光特性とは異なる第2の偏光特性を有している。別の例において、第1の入力光ファイバ束108により伝送される光は第1の変調周波数を有していてよく、一方、第2の入力光ファイバ束109により伝送される光は、第1の変調周波数とは異なる第2の変調周波数を有している。伝送される光の物理特性のこのような差異は本開示を通じて記述する光ファイバ束のいずれにも拡張できる点に注意されたい。
【0047】
図2に、本開示の1個以上の実施形態による、照明光源の2個以上のレーザから結合光を光学サブシステムの2個以上のチャネルへ伝送する方法を記述するフロー図を示す。本開示の以下の部分を通じて記述する方法は、上述のシステム100の観点から記述されているが、以下の方法がシステム100の構造的および光学的構成に限定されない点に注意されたい。むしろ、方法200が更なる構造的および光学的構成に拡張できる点を認識されたい。
【0048】
ステップ202において、第1の波長λの光を生成して第1の入力経路108に沿って誘導する。ステップ204において、第2の波長λの光を生成して第2の入力経路109に沿って誘導する。ステップ206において、第1の波長λの光および第2の波長λの光を結合する(例えば、コンバイナ/スプリッタ素子106により結合する)。ステップ209において、第1のチャネルおよび第2のチャネルが共に第1の波長λおよび第2の波長λの光を受光するように、結合光を光学サブシステムの第1のチャネル(チャネル1)および第2のチャネル(チャネル2)に分割する。
【0049】
本明細書において方法200の実装方式について述べているが、本発明の本質から逸脱することなく方法200の各種ステップを様々な仕方で包含、除外、再配置、および/または実行してもよいことが更に考えられる。従って、方法200の上述の実施形態および実装方式は単に例示的に含まれているに過ぎず、本開示を一切限定するものではない。
【0050】
本開示を通じて記述する各種ステップが単一のコンピュータシステムにより、または代替的に複数のコンピュータシステムにより実行されてよい点を認識されたい。更に、本システムの異なるサブシステムは、上述のステップ少なくとも一部の実行に適したコンピュータシステムを含んでいてよい。従って、上述の説明は、本発明を限定するものではなく、単に例示的に過ぎないと解釈すべきである。更に、1個以上のコンピュータシステムは、本明細書に記述する任意の方法の他の任意のステップ(群)を実行すべく構成されていてよい。
【0051】
本コンピュータシステムは、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または当分野で公知の他の任意の装置を含んでいてよいが、これらに限定されない。一般に、用語「コンピュータシステム」は広義には、メモリ媒体からの命令を実行する1個以上のプロセッサを有する任意の装置を含むものとして定義できる。
【0052】
本明細書に記述しているような方法を実行するプログラム命令は、搬送媒体を介して伝送または搬送媒体に保存することができる。搬送媒体は、導線、ケーブル、または無線伝送リンク等の伝送媒体であってよい。搬送媒体はまた、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、あるいは磁気テープ等の記憶媒体を含んでいてよい。
【0053】
本明細書に記述する方法の全ては、本方法の実施形態の1個以上のステップの結果を記憶媒体に保存するステップを含んでいてよい。当該結果は本明細書に記述するいずれの結果を含んでいてよく、当分野で公知の任意の仕方で保存されていてよい。記憶媒体は、本明細書に記述する任意の記憶媒体、または当分野で公知の他の任意の適当な記憶媒体を含んでいてよい。これらの結果は、保存された後で記憶媒体内でアクセス可能であって、本明細書に記述する任意の方法またはシステム実施形態により利用すること、ユーザーへの表示用にフォーマット化すること、および別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステム等により利用することができる。更に、これらの結果は「永久に」「半永久的に」一時的に、またはある期間にわたり保存することができる。例えば、記憶媒体はランダムアクセスメモリ(RAM)であってよく、これらの結果は記憶媒体に必ずしも無期限に残る訳ではない。
【0054】
上述の方法の各実施形態が、本明細書に記述する他の任意の方法(群)の他の任意のステップ(群)を含んでいてよいことが更に考えられる。また、上述の方法の各実施形態が、本明細書に記述するシステムのいずれによっても実行可能である。
【0055】
当業者には、装置および/または処理を本明細書に開示するように記述し、その後、このように記述された装置をおよび/または処理を工学的手法を用いてデータ処理システムに組み込むことが当分野では一般的である点が認識されよう。すなわち、本明細書に記述する装置および/または処理の少なくとも一部を、合理的な量の実験を介してデータ処理システムに組み込むことができる。当業者には、典型的なデータ処理システムが一般に、システムユニット筐体、ビデオ表示装置、揮発性および不揮発メモリ等のメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサ等のプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザーインターフェース、およびアプリケーションプログラム等の計算実体、タッチパッドまたは画面等の1個以上の対話装置、および/またはフィードバックループおよび制御モーターを含む制御システム(例:位置および/または速度の検出用フィードバック、部品および/または量を移動および/または調整する制御モーター)、のうち1個以上を含む点を認識されよう。典型的なデータ処理システムは、任意の適当な市販製品、例えばデータ計算/通信および/またはネットワークコンピューティング/通信システムに典型的に見られるものを利用して実装可能である。
【0056】
本明細書に記述する本主題の特定の態様を図示および説明してきたが、当業者には、本明細書の開示内容に基づいて、本明細書に記述する主題およびそのより広範な態様から逸脱することなく変更および修正を加えることができ、従って、添付の請求項が自身の範囲内でそのような変更および修正を、本明細書に記述する主題の真の趣旨および範囲内に含まれるように全て含むことが明らかであろう。更に、本発明が添付の請求項により規定される点を理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2