【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る搬送装置は、
被搬送物品が載置される搬送面を有するコンベアと、
前記搬送面の上方に搬送方向に対し傾斜方向に延設され、かつ横断面の中心を通る中心線に対し周方向で異径となる横断面を有する斜向ガイドと、
前記斜向ガイドを前記中心線を中心として回転させるための駆動部と、
を備え、
前記斜向ガイドを前記駆動部によって回転させ、前記搬送面上を搬送する被搬送物品を前記斜向ガイドで前記搬送面の幅方向に案内しながら、前記被搬送物品の整列及び姿勢制御を行う。
【0008】
上記構成(1)において、上記構成の異径横断面を有する斜向ガイドを回転させ、該斜向ガイドに被搬送物品を断続的に接触させることで被搬送物品に振動を発生させる。この振動の発生と被搬送物品が斜向ガイドに接した時に発生する摩擦とによって、被搬送物品に対して被搬送物品を整列させかつ姿勢制御させる作用を付与できる。搬送中にかかる作用により被搬送物品が自動的に整列及び姿勢制御されるため、整列未達又は姿勢制御未達の被搬送物品を監視し不具合を直す作業員の数を低減できる。
なお、被搬送物品には、斜向ガイドの横断面の異径形状及び斜向ガイドの回転速度に応じた振動数による振動が発生する。
また、被搬送物品が振動することで、被搬送物品と斜向ガイド間の引っ掛かりと、搬送面と斜向ガイド間への被搬送物品の詰まりを抑制できる。
上記構成の斜向ガイドは、例えば、矩形状、楕円形状等の横断面を有する。他方、正円の横断面を有する斜向ガイドは上記構成の斜向ガイドには含まれない。正円の横断面を有する斜向ガイドに被搬送物品が接しても被搬送物品に振動は発生しないため、整列作用及び姿勢制御作用は起きない。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記斜向ガイドは、
前記被搬送物品に対して片側からのみ案内するように配置されると共に、
前記駆動部によって前記被搬送物品に接する面が下向きに回転する。
上記構成(2)によれば、上記斜向ガイドは被搬送物品が接する面が下向きに回転するため、被搬送物品には下向きの力が作用する。これによって、被搬送物品が搬送面上から飛び上がることなく、被搬送物品の整列及び姿勢制御が可能となる。
また、上記斜向ガイドは被搬送物品に対し片側からのみ接し、他方は開放されているので、斜向ガイドによって被搬送物品に過度の力が加わっても、被搬送物品mは斜向ガイドから離れる方向へ逃げることができる。従って、斜向ガイドが下向きに回転しても、被搬送物品が搬送面と斜向ガイドとの間に入り込み、詰まりを生じるおそれはない。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(2)において、
前記斜向ガイドが第1の斜向ガイドと前記第1の斜向ガイドの搬送方向下流側に配置された第2の斜向ガイドとで構成され、
前記第1の斜向ガイドは、その前端が前記搬送面の中央域に配置されると共に、搬送方向下流側に向けて前記搬送面の幅方向外側へ傾斜するように配置され、
前記第2の斜向ガイドは、その前端が前記第1の斜向ガイドの後端より前記搬送面の幅方向外側に位置し、搬送方向下流側へ向かって前記搬送面の中央寄りに傾斜するように配置されている。
上記構成(3)によれば、第1の斜向ガイドに案内された被搬送物品は次に第2の斜向ガイドに案内される。こうして、被搬送物品に対し第1の斜向ガイド及び第2の斜向ガイドで順に案内しながら整列作用及び姿勢制御作用を付与できるため、被搬送物品の整列効果及び姿勢制御効果を向上できる。
【0011】
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(3)において、
前記第1の斜向ガイド及び前記第2の斜向ガイドは夫々一対の斜向ガイドで構成され、
前記一対の斜向ガイドは前記搬送面の長手方向中心線に対し左右対称に配置され、
前記第1の斜向ガイドを構成する一対の斜向ガイドの前端は、前記搬送面の中央域で前記被搬送物品の通過を阻むように互いに接近している。
上記構成(4)によれば、上記構成(3)と同様に、被搬送物品に対する整列効果及び姿勢制御効果を向上できると共に、第1の斜向ガイド及び第2の斜向ガイドを夫々一対の斜向ガイドで構成することで、搬送面のほぼ全域で被搬送物品に対し整列及び姿勢制御を施すことができる。
また、第1の斜向ガイドを構成する一対の斜向ガイドの前端が被搬送物品の通過を阻み、搬送面中央域の被搬送物品を一対の第1の斜向ガイドに沿って搬送面幅方向へ案内するので、搬送面中央域に集中した被搬送物品を搬送面幅方向へ分散させることができる。これによって、被搬送物品の整列及び姿勢制御が容易になる。
【0012】
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(3)又は(4)において、
前記第1の斜向ガイドは第1のコンベアに設けられ、前記第2の斜向ガイドは前記第1のコンベアが形成する搬送面と連続した搬送面を形成する第2のコンベアに設けられ、
前記第2のコンベアが形成する第2の搬送面の搬送速度は、前記第1のコンベアが形成する第2の搬送面の搬送速度より大きい。
上記構成(5)によれば、上記第2の搬送面の搬送速度を上記第1の搬送面の搬送速度より大きくすることで、被搬送物品の重なりを搬送方向へ分散させることができ、これによって、斜向ガイドによる整列及び姿勢制御を促進できる。
【0013】
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(7)の何れかにおいて、
前記斜向ガイドは矩形状の横断面を有する。
上記構成(6)によれば、斜向ガイドが矩形状の横断面を有することで、斜向ガイドに接する被搬送物品に対し斜向ガイドが断続的に当り、被搬送物品に効果的に振動を発生させることができる。
【0014】
(7)幾つかの実施形態では、前記構成(6)において、
前記斜向ガイドは六角形の横断面を有する。
上記構成(7)によれば、斜向ガイドとして六角形の横断面を有する六角棒を用いることで低コスト化できると共に、被搬送物品に整列作用及び姿勢制御作用を与える上で好適な振動数の振動を発生させることができる。