特許第6595845号(P6595845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595845
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20191010BHJP
   B65G 47/30 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B65G47/14 A
   B65G47/30 L
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-167055(P2015-167055)
(22)【出願日】2015年8月26日
(65)【公開番号】特開2017-43459(P2017-43459A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田島 秀朗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 保
(72)【発明者】
【氏名】岡田 宏
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀和
【審査官】 松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−132318(JP,U)
【文献】 実開昭61−142715(JP,U)
【文献】 特開2007−161315(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/092723(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00−47/32
B65G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物品が載置される搬送面を有するコンベアと、
前記搬送面の上方に搬送方向に対し傾斜方向に延設され、かつ横断面の中心を通る中心線に対し周方向で異径となる横断面を有する斜向ガイドと、
前記斜向ガイドを前記中心線を中心として回転させるための駆動部と、
を備え、
前記斜向ガイドは角形状の横断面を有し、
前記斜向ガイドを前記駆動部によって回転させ、前記搬送面上の被搬送物品を前記斜向ガイドで前記搬送面の幅方向に案内しながら、前記被搬送物品の整列及び姿勢制御を行うことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記斜向ガイドは、
前記被搬送物品に対して片側からのみ案内するように配置されると共に、
前記駆動部によって前記被搬送物品に接する面が下向きに回転することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記斜向ガイドが第1の斜向ガイドと前記第1の斜向ガイドの搬送方向下流側に配置された第2の斜向ガイドとで構成され、
前記第1の斜向ガイドは、その前端が前記搬送面の中央域に配置されると共に、搬送方向下流側に向けて前記搬送面の幅方向外側へ傾斜するように配置され、
前記第2の斜向ガイドは、その前端が前記第1の斜向ガイドの後端より前記搬送面の幅方向外側に位置し、搬送方向下流側へ向かって前記搬送面の中央寄りに傾斜するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1の斜向ガイド及び前記第2の斜向ガイドは夫々一対の斜向ガイドで構成され、
前記一対の斜向ガイドは前記搬送面の長手方向中心線に対し左右対称に配置され、
前記第1の斜向ガイドを構成する一対の斜向ガイドの前端は、前記搬送面の中央域で前記被搬送物品の通過を阻むように互いに接近してことを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1の斜向ガイドは第1のコンベアに設けられ、前記第2の斜向ガイドは前記第1のコンベアが形成する搬送面と連続した搬送面を形成する第2のコンベアに設けられ、
前記第2のコンベアが形成する第2の搬送面の搬送速度は、前記第1のコンベアが形成する第1の搬送面の搬送速度より大きいことを特徴とする請求項3又は4に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送中に被搬送物品の整列及び姿勢制御が可能な搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品工場で製造される食品、例えばハンバーガのパテイ、コロッケ、メンチカツ等は、コンベアで搬送されながらフリーザなどの連続搬送式冷凍装置で急速冷凍された後、包装及び梱包されて出荷される。ばら物の食材はトレイに入れられ、コンベアで搬送されながら急速冷凍される場合もある。
冷凍装置から連続的にコンベアに排出される冷凍食品はグループ分けして包装し梱包する必要があるため、コンベアで搬送中に整列させかつ姿勢を揃える必要がある。そのため、搬送中にこれらを自動的に行うことができる装置が今まで多数提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンベアの搬送方向に沿って被搬送物品をガイドするガイドと回転する軸体とが延設された搬送装置が開示されている。この装置では、板状の被搬送物品をコンベアと軸体との両方に渡して載置し、被搬送物品をコンベアで搬送しながら軸体の回転力で被搬送物品を上記ガイドに当てることで整列及び姿勢制御を行う。
特許文献2には、コンベアが形成する搬送面上に載置された多数の被搬送物品を仕切り壁によって搬送面上に並列に形成された多数の整列路に均等に振り分けることで、被搬送物品を整列させて送り出す整列搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−103845号公報
【特許文献2】特開2012−082046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された搬送装置は、被搬送物品を1個毎にコンベア及び軸体に載置して整列させるため、多数の被搬送物品を取り扱う場合には不向きである。
特許文献2に開示された搬送装置は、多数の被搬送物品を取り扱うことが可能であるが、装置構成が大掛かりかつ高コストとならざるを得ないという問題がある。
また、整列未達又は姿勢制御未達の被搬送物品を監視し、これらの不具合をなくす作業員を配置する必要がある。
【0006】
本発明の少なくとも一実施形態は、上記課題に鑑み、簡易かつ低コストな手段で、被搬送物品の整列及び姿勢制御を確実に行い、これによって、監視する作業員を低減できる搬送装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る搬送装置は、
被搬送物品が載置される搬送面を有するコンベアと、
前記搬送面の上方に搬送方向に対し傾斜方向に延設され、かつ横断面の中心を通る中心線に対し周方向で異径となる横断面を有する斜向ガイドと、
前記斜向ガイドを前記中心線を中心として回転させるための駆動部と、
を備え、
前記斜向ガイドを前記駆動部によって回転させ、前記搬送面上を搬送する被搬送物品を前記斜向ガイドで前記搬送面の幅方向に案内しながら、前記被搬送物品の整列及び姿勢制御を行う。
【0008】
上記構成(1)において、上記構成の異径横断面を有する斜向ガイドを回転させ、該斜向ガイドに被搬送物品を断続的に接触させることで被搬送物品に振動を発生させる。この振動の発生と被搬送物品が斜向ガイドに接した時に発生する摩擦とによって、被搬送物品に対して被搬送物品を整列させかつ姿勢制御させる作用を付与できる。搬送中にかかる作用により被搬送物品が自動的に整列及び姿勢制御されるため、整列未達又は姿勢制御未達の被搬送物品を監視し不具合を直す作業員の数を低減できる。
なお、被搬送物品には、斜向ガイドの横断面の異径形状及び斜向ガイドの回転速度に応じた振動数による振動が発生する。
また、被搬送物品が振動することで、被搬送物品と斜向ガイド間の引っ掛かりと、搬送面と斜向ガイド間への被搬送物品の詰まりを抑制できる。
上記構成の斜向ガイドは、例えば、矩形状、楕円形状等の横断面を有する。他方、正円の横断面を有する斜向ガイドは上記構成の斜向ガイドには含まれない。正円の横断面を有する斜向ガイドに被搬送物品が接しても被搬送物品に振動は発生しないため、整列作用及び姿勢制御作用は起きない。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記斜向ガイドは、
前記被搬送物品に対して片側からのみ案内するように配置されると共に、
前記駆動部によって前記被搬送物品に接する面が下向きに回転する。
上記構成(2)によれば、上記斜向ガイドは被搬送物品が接する面が下向きに回転するため、被搬送物品には下向きの力が作用する。これによって、被搬送物品が搬送面上から飛び上がることなく、被搬送物品の整列及び姿勢制御が可能となる。
また、上記斜向ガイドは被搬送物品に対し片側からのみ接し、他方は開放されているので、斜向ガイドによって被搬送物品に過度の力が加わっても、被搬送物品mは斜向ガイドから離れる方向へ逃げることができる。従って、斜向ガイドが下向きに回転しても、被搬送物品が搬送面と斜向ガイドとの間に入り込み、詰まりを生じるおそれはない。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(2)において、
前記斜向ガイドが第1の斜向ガイドと前記第1の斜向ガイドの搬送方向下流側に配置された第2の斜向ガイドとで構成され、
前記第1の斜向ガイドは、その前端が前記搬送面の中央域に配置されると共に、搬送方向下流側に向けて前記搬送面の幅方向外側へ傾斜するように配置され、
前記第2の斜向ガイドは、その前端が前記第1の斜向ガイドの後端より前記搬送面の幅方向外側に位置し、搬送方向下流側へ向かって前記搬送面の中央寄りに傾斜するように配置されている。
上記構成(3)によれば、第1の斜向ガイドに案内された被搬送物品は次に第2の斜向ガイドに案内される。こうして、被搬送物品に対し第1の斜向ガイド及び第2の斜向ガイドで順に案内しながら整列作用及び姿勢制御作用を付与できるため、被搬送物品の整列効果及び姿勢制御効果を向上できる。
【0011】
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(3)において、
前記第1の斜向ガイド及び前記第2の斜向ガイドは夫々一対の斜向ガイドで構成され、
前記一対の斜向ガイドは前記搬送面の長手方向中心線に対し左右対称に配置され、
前記第1の斜向ガイドを構成する一対の斜向ガイドの前端は、前記搬送面の中央域で前記被搬送物品の通過を阻むように互いに接近している。
上記構成(4)によれば、上記構成(3)と同様に、被搬送物品に対する整列効果及び姿勢制御効果を向上できると共に、第1の斜向ガイド及び第2の斜向ガイドを夫々一対の斜向ガイドで構成することで、搬送面のほぼ全域で被搬送物品に対し整列及び姿勢制御を施すことができる。
また、第1の斜向ガイドを構成する一対の斜向ガイドの前端が被搬送物品の通過を阻み、搬送面中央域の被搬送物品を一対の第1の斜向ガイドに沿って搬送面幅方向へ案内するので、搬送面中央域に集中した被搬送物品を搬送面幅方向へ分散させることができる。これによって、被搬送物品の整列及び姿勢制御が容易になる。
【0012】
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(3)又は(4)において、
前記第1の斜向ガイドは第1のコンベアに設けられ、前記第2の斜向ガイドは前記第1のコンベアが形成する搬送面と連続した搬送面を形成する第2のコンベアに設けられ、
前記第2のコンベアが形成する第2の搬送面の搬送速度は、前記第1のコンベアが形成する第2の搬送面の搬送速度より大きい。
上記構成(5)によれば、上記第2の搬送面の搬送速度を上記第1の搬送面の搬送速度より大きくすることで、被搬送物品の重なりを搬送方向へ分散させることができ、これによって、斜向ガイドによる整列及び姿勢制御を促進できる。
【0013】
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(7)の何れかにおいて、
前記斜向ガイドは矩形状の横断面を有する。
上記構成(6)によれば、斜向ガイドが矩形状の横断面を有することで、斜向ガイドに接する被搬送物品に対し斜向ガイドが断続的に当り、被搬送物品に効果的に振動を発生させることができる。
【0014】
(7)幾つかの実施形態では、前記構成(6)において、
前記斜向ガイドは六角形の横断面を有する。
上記構成(7)によれば、斜向ガイドとして六角形の横断面を有する六角棒を用いることで低コスト化できると共に、被搬送物品に整列作用及び姿勢制御作用を与える上で好適な振動数の振動を発生させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、被搬送物品の搬送中に、回転する斜向ガイドによって被搬送物品を自動的に整列及び姿勢制御させることができると共に、被搬送物品と斜向ガイド間の引っ掛かりや搬送面と斜向ガイド間への被搬送物品の詰まりを抑制できる。これによって、被搬送物品の搬送状態を監視し除去するための作業員を低減できる。
また、斜向ガイドの形状を工夫し、かつ斜向ガイドを回転するための駆動部を備えるだけの簡易かつ低コストな手段で、上記作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る搬送装置の平面図である。
図2】一実施形態に係る搬送装置の正面図である。
図3図1中のA―A線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0018】
本発明の少なくとも一実施形態に係る搬送装置10を図1図3に示す。
搬送装置10は、図1及び図2に示すように、被搬送物品mを搬送するためのコンベア12(12a、12b、12c、12d)を備えている。コンベア12は水平方向に形成される搬送面13(13a、13b、13c、13d)を有し、被搬送物品mは搬送面13上に載置され、搬送方向(矢印a方向)へ搬送される。
また、搬送面13の上方に搬送方向に対し傾斜した方向に延設された斜向ガイド14a〜14fを備え、斜向ガイド14a〜14fの横断面は、図3に示すように、横断面の中心を通る中心線Cに対し周方向で異なる径を有する。
また、斜向ガイド14a〜14fを中心線Cを中心として回転させる駆動部16a〜16fを備えている。
【0019】
図示した実施形態では、コンベア12は搬送方向上流から下流に連続的に配置されるコンベア12a、12b、12c及び12dで構成され、コンベア12a〜12dは連続した搬送面13a〜13dを形成する。
駆動部16a〜16fはモータで構成され、該モータの出力軸の回転は動力伝達ベルト18を介して斜向ガイド14a〜14fに伝達される。モータ16c〜16fは搬送面13cよ及び13dの上方で該搬送面の幅方向に架設された架台20に載置固定される。
【0020】
駆動部16a〜16fで斜向ガイド14a〜14fを回転させると、該斜向ガイドによって案内される被搬送物品mに該斜向ガイドの表面が断続的に当る。これによって、被搬送物品mに振動が発生する。この振動の発生と被搬送物品mが該斜向ガイドに接した時に発生する摩擦とによって、被搬送物品mに整列作用及び姿勢制御作用が付与される。
被搬送物品mには、斜向ガイドの横断面の異径形状及び斜向ガイドの回転速度に応じた振動数による振動が発生する。そのため、斜向ガイドの横断面の異径形状を適宜選定することで、被搬送物品mに対し整列効果及び姿勢制御効果を高めるための所望の振動数の振動を発生させることができる。
これによって、搬送面13上を搬送される被搬送物品mは、斜向ガイド14a〜14fで搬送面13の幅方向へ案内されながら、整列及び姿勢制御される。
【0021】
被搬送物品mは、例えば、ハンバーガのパテイ、コロッケ、メンチカツ等の冷凍食品であり、あるいはトレイに入れられた冷凍食品である。これらの冷凍食品は、フリーザなどの連続搬送式冷凍装置で急速冷凍された後、該連続搬送式冷凍装置からコンベア12aの搬送面13a上に搬出され、搬送方向へ搬送される。
【0022】
図1に示す実施形態では、コンベア12の上流側部位、即ち、コンベア12aとコンベア12bとの境界領域に、一対のガイド部材22a及び22bで構成された幅寄せガイド22が設けられている。ガイド部材22a及び22bは、搬送面13の幅方向中心を通り搬送方向に沿う中心線Cに対して左右対称に配置される。即ち、ガイド部材22a及び22bは、互いの前端が接し、搬送方向下流端に向けて搬送面幅方向外側へ傾斜した直線状のガイドである。
被搬送物品mが搬送面13aの幅方向中央域に集中したとき、幅寄せガイド22によって被搬送物品mは中央域から搬送方向外側域に分散させることができる。
【0023】
例示的な実施形態では、図1に示すように、斜向ガイド14a〜14fは、夫々の配置された搬送面13の領域において、被搬送物品mに対して片側からのみ案内するように1本の斜向ガイドで構成される。
また、図3に示すように、斜向ガイド14a〜14fは、駆動部16a〜16fによって被搬送物品mに接する面が下向きに回転する。
これによって、被搬送物品mには下向きの力が作用するため、被搬送物品mが搬送面上から飛び上がることなく、被搬送物品mを整列及び姿勢制御できる。
また、被搬送物品mの一方の側は開放されているため、斜向ガイド14a〜14fによって被搬送物品mに過度の力が加わっても、被搬送物品mは斜向ガイド14a〜14fから離れる方向へ逃げることができ、これによって、該斜向ガイドに対する被搬送物品mの引っ掛かりや斜向ガイドと搬送面13間での被搬送物品mの詰まりを抑制できる。
【0024】
例示的な実施形態では、図1に示すように、斜向ガイド14c又は14d(第1の斜向ガイド)は、夫々これらの前端が搬送面13cの中央域に配置されると共に、搬送方向下流端に向けて搬送面13の幅方向外側へ傾斜するように配置される。
斜向ガイド14e又は14f(第2の斜向ガイド)は、夫々これらの前端が斜向ガイド14c及び14dの後端より搬送面13の幅方向外側域に位置すると共に、搬送方向下流端に向かって搬送面13dの中央寄りに傾斜するように配置されている。
図1に示す実施形態では、斜向ガイド14c及び14dの前端は中心線C近傍に位置すると共に、斜向ガイド14e及び14fの前端は夫々搬送面13の外側縁に位置し、斜向ガイド14c〜14fは長手方向に直線状に形成されている。
かかる斜向ガイド14c〜14fの配置により、斜向ガイド14c又は14dによって案内された被搬送物品mは、次に斜向ガイド14e又は14fによって案内され、2段階に亘り整列作用及び姿勢制御作用を受ける。
【0025】
例示的な実施形態では、図1に示すように、斜向ガイド14c及び14dは搬送面13cの幅方向で左右対称に配置され、これら斜向ガイドの前端は搬送面13cの中央域で互いに接している。
また、斜向ガイド14e及び14fは中心線C1に対し左右対称に配置されている。
図1に示した実施形態では、斜向ガイド14c及び14dの前端は中心線C近傍で接している。
かかる斜向ガイド14c〜14fの配置により、搬送面13のほぼ全域で斜向ガイド14c又は14dと斜向ガイド14e又は14fとによる整列作用及び姿勢制御作用が被搬送物品mに付与される。また、搬送面13cの中央域に被搬送物品mが集中した場合、被搬送物品mを搬送面13cの幅方向へ分散させることができる。
【0026】
図1に示す実施形態では、斜向ガイド14a及び14bが幅寄せガイド22と斜向ガイド14a及び14bとの間の搬送面13b及び13cに設けられている。斜向ガイド14a及び14bはこれらの前端が夫々搬送面13bの外側縁に配置されると共に、搬送方向下流側へ向けて搬送面13の中央寄りに直線状に傾斜している。そして、斜向ガイド14a及び14bの後端は斜向ガイド14c及び14dの前端より搬送面13の幅方向外側に位置している。
かかる斜向ガイド14a及び14bと斜向ガイド14c及び14dとの配置によっても、被搬送物品mに対し2段階の整列作用及び姿勢制御作用を付与できる。
【0027】
例示的な実施形態では、図1に示すように、斜向ガイド14c及び14dはコンベア12c(第1のコンベア)に設けられ、斜向ガイド14e及び14fはコンベア12d(第2のコンベア)に設けられる。そして、コンベア12dが形成する搬送面13d(第2の搬送面)の搬送速度はコンベア12cが形成する搬送面13c(第1の搬送面)より大きくなるように構成されている。
これによって、被搬送物品mが一部の搬送面に集中している場合、集中した被搬送物品mを搬送方向へ分散できる。
【0028】
例示的な実施形態では、図3に示すように、斜向ガイド14a〜14fは矩形状の横断面を有する。
図3に示す実施形態では、斜向ガイド14a〜14fは六角形の横断面を有する。
これによって、該斜向ガイドの表面が被搬送物品mに断続的に接することで、被搬送物品mに振動を発生させ、この振動の発生と被搬送物品mが斜向ガイドに接した時に発生する摩擦とによって、被搬送物品mに整列作用及び姿勢制御作用を付与できる。
【0029】
図1及び図2に示す実施形態では、コンベア12dの中心線Cに沿って2本のガイド24a及び24bが並列に設けられ、搬送方向に延設されている。ガイド24a及び24bは斜向ガイド14a〜14fと同様に中心線Cに対し周方向で異径となる横断面、例えば六角形の横断面を有すると共に、駆動部16g及び16hで中心線Cを中心に回転可能に構成される。
コンベア12cの搬送面13cに搬入された被搬送物品mは、斜向ガイド14eとガイド24aに挟まれた先細の搬送面及び斜向ガイド14fとガイド24bとに囲まれた先細の搬送面に搬入され、斜向ガイド14e及び14f又はガイド24a及び24bから整列作用及び姿勢制御作用を受けながら搬送される。そして、上記先細の搬送面で1列に整列される。
【0030】
コンベア12dの下流端にはコンベア12eが接続され、コンベア12dとコンベア12eとは連続した搬送面を形成している。コンベア12eの搬送面13e上には、中心線C1に沿って平行に配置された4本のガイド28a〜28dによって、搬送方向に平行な2本の搬送路26a及び26bが形成されている。
ガイド28a〜28dはガイド24a及び24bと同様の構成及び機能と有し、夫々駆動部16i〜16lによって中心線Cを中心に回転される。
整列及び姿勢制御された状態で搬送路26a及び26bに搬入された被搬送物品mは、ガイド28a〜28dによって整列及び姿勢制御された状態を維持しながら、コンベア12eの下流端に設けられた包装機(不図示)で包装され、あるいは梱包機(不図示)で梱包される。
【0031】
幾つかの実施形態によれば、被搬送物品mは搬送中に斜向ガイド14a〜14fによって整列作用及び姿勢制御作用を受け、搬送中に自動的に整列及び姿勢制御される。また、被搬送物品mが振動することで、被搬送物品mと斜向ガイド間の引っ掛かりを抑制できると共に、搬送面と斜向ガイド間への被搬送物品mの詰まりを抑制できる。
これによって、被搬送物品mを円滑に搬送できるため、被搬送物品mの搬送状態を監視し、不具合を直すための作業員を低減できる。
また、斜向ガイド14a〜14fの形状を工夫し、かつ駆動部16a〜16fを備えるだけの簡易かつ低コストな手段で、上記作用効果を得ることができる。
【0032】
例示的な実施形態によれば、図3に示すように、1本の斜向ガイドによって被搬送物品mを片側からのみ案内し、かつ斜向ガイドを被搬送物品mに対して下向きに回転させるようにしたので、被搬送物品が搬送面上から飛び上がることなく、被搬送物品の整列及び姿勢制御を行うことができる。
また、被搬送物品mの片側は開放されているので、斜向ガイド14a〜14fによって被搬送物品mに過度の力が加わっても、被搬送物品mは斜向ガイド14a〜14fから離れる方向へ逃げることができ、従って、被搬送物品mが搬送面13と斜向ガイドとの間に入り込み、詰まりを生じるおそれはない。
【0033】
例示的な実施形態によれば、図1に示すように、斜向ガイド14a及び14cの配置又は斜向ガイド14b及び14dの配置により、被搬送物品mに対し2段階に亘り整列作用及び姿勢制御作用を付与できるため、被搬送物品mの整列効果及び姿勢制御効果を向上できる。
また、斜向ガイド14a及び14cの配置又は斜向ガイド14b及び14dの配置においても、同様のことが言え、これらの斜向ガイドによっても整列効果及び姿勢制御効果を向上できる。
【0034】
例示的な実施形態によれば、図1に示すように、斜向ガイド14a及び14cと斜向ガイド14b及び14dとを中心線Cを中心として左右対称に配置することで、搬送面全域の被搬送物品mに対し整列効果及び姿勢制御効果を向上できる。
また、斜向ガイド14a〜14dの配置においても同様のことが言える。
さらに、斜向ガイド14c及び14dは前端が互いに接することで被搬送物品mの通過を阻止でき、かつ搬送方向下流側に向かって搬送面搬送方向外側へ傾斜しているので、被搬送物品mが搬送面の中央域に集中した場合、被搬送物品mを搬送面幅方向へ分散できる作用効果を有する。
【0035】
例示的な実施形態によれば、コンベア12dの搬送面13dの搬送速度をコンベア12cの搬送面13cの搬送速度を大きくしたことで、被搬送物品mが一部の搬送面に集中している場合、集中した被搬送物品mを搬送方向へ分散させることができる。
例示的な実施形態によれば、斜向ガイド14a〜14fは矩形状の横断面、特に六角形の横断面を有するので、被搬送物品mに対して整列効果及び姿勢制御効果を高めることができる最適な振動数を有する振動を発生させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、簡易かつ低コストな手段で、コンベア上の被搬送物品の整列及び姿勢制御を自動的に行い、円滑な搬送を可能にする。これによって、搬送状態を監視する作業員の数を低減できる。
被搬送物品として、例えば多数の冷凍した食品を包装又は梱包する作業に適用できる。
【符号の説明】
【0037】
10 搬送装置
12(12a、12b、12c、12d、12e) コンベア
13(13a、13b、13c、13d、13e) 搬送面
14a、14b、14c、14d、14e、14f 斜向ガイド
16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l モータ(駆動部)
18 動力伝達ベルト
20 架台
22 幅寄せガイド
22a、22b ガイド部材
24a、24b、28a、28b、28c、28d ガイド
26a、26b 搬送路
、C 中心線
図1
図2
図3