特許第6595945号(P6595945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6595945-ピラニ真空計 図000002
  • 特許6595945-ピラニ真空計 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595945
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ピラニ真空計
(51)【国際特許分類】
   G01L 21/12 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   G01L21/12
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-73834(P2016-73834)
(22)【出願日】2016年4月1日
(65)【公開番号】特開2016-218050(P2016-218050A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】特願2015-100408(P2015-100408)
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】福原 万沙洋
(72)【発明者】
【氏名】中島 豊昭
(72)【発明者】
【氏名】宮下 剛
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 憲
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−249617(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/057148(WO,A1)
【文献】 米国特許第6619131(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0006800(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 21/12
G01L 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に装着可能な筒状のエンベロップと、このエンベロップ内に設けられる線状
のフィラメントと、測定対象物への装着方向を前としてエンベロップの後側を気密保持す
る第1の端子台と、第1の端子台に相互に電気的に絶縁して貫装される複数本の接続端子
と、エンベロップ内でいずれかの接続端子により支持される前後方向に長手の第1のフィ
ラメントサポートとを備え、フィラメントが第1のフィラメントサポートの前端部といず
れか他の接続端子との間に架設されるピラニ真空計において、
エンベロップ内で第1の端子台の前側に位置させて第2の端子台を更に備え、接続端子
が第1の端子台に貫装される第1部分と第2の端子台に貫装される第2部分と第1部分と
第2部分とを互い連結する第3部分とに分けて構成され、第2の端子台と第1のフィラメ
ントサポートの前端部とを夫々保持する保持部と両保持部間を連結する連結部とを有する
第2のフィラメントサポートを設けてなることを特徴とするピラニ真空計。
【請求項2】
前記第2のフィラメントサポートは、前記保持部と前記連結部とを一体に備えて前記第
2の端子台と前記第1のフィラメントサポートとを格納する筒体で構成されることを特徴
とする請求項1記載のピラニ真空計。
【請求項3】
前記第1のフィラメントサポートと前記第2のフィラメントサポートとが一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のピラニ真空計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラニ真空計に関し、より詳しくは、振動や衝撃によるフィラメントの断線を効果的に抑制できる構造を持つものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のピラニ真空計は例えば特許文献1で知られている。このものは、気密容器や真空チャンバなどの測定対象物に装着可能な筒状のエンベロップと、このエンベロップの内に設けられる線状のフィラメントと、測定対象物への装着方向を前としてエンベロップの後側を気密保持する端子台と、端子台に相互に電気的に絶縁して貫装される複数本の接続端子とを備える。また、エンベロップ内でいずれかの接続端子により支持される前後方向に長手のフィラメントサポートを更に備え、フィラメントは、フィラメントサポートの前端部と、いずれか他の接続端子との間に架設されている。一般に、フィラメントサポートは、線径がφ1mm程度の金属製線材で構成されている。
【0003】
ここで、上記従来例のものでは、例えば測定対象物からの振動や衝撃が加わった場合、フィラメントとフィラメントサポートとは、夫々が連結される接続端子を起点として互いに独立して揺動することになる。その結果、フィラメントに不要な引張張力が作用する場合があり、これに起因してフィラメントが断線するという不具合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2006/057148号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、振動や衝撃によるフィラメントの断線を効果的に抑制できる構造を持つピラニ真空計を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のピラニ真空計は、測定対象物に装着可能な筒状のエンベロップと、このエンベロップ内に設けられる線状のフィラメントと、測定対象物への装着方向を前としてエンベロップの後側を気密保持する第1の端子台と、第1の端子台に相互に電気的に絶縁して貫装される複数本の接続端子と、エンベロップ内でいずれかの接続端子により支持される前後方向に長手の第1のフィラメントサポートとを備え、フィラメントが第1のフィラメントサポートの前端部といずれか他の接続端子との間に架設され、エンベロップ内で第1の端子台の前側に位置させて第2の端子台を更に備え、接続端子が第1の端子台に貫装される第1部分と第2の端子台に貫装される第2部分と第1部分と第2部分とを互い連結する第3部分とに分けて構成され、第2の端子台と第1のフィラメントサポートの前端部とを夫々保持する保持部と両保持部間を連結する連結部とを有する第2のフィラメントサポートを設けてなることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第2のフィラメントサポートで第2の端子台と第1のフィラメントサポートとが一体に保持される構成となり、例えば測定対象物からの振動や衝撃が加わった場合、接続端子の第3部分を起点として、第2のフィラメントサポートで保持される第2の端子台と第1のフィラメントサポートとが一体に揺動するため、フィラメントに不要な引張張力が作用することが防止される。従って、本発明のピラニ真空計は、振動や衝撃によるフィラメントの断線を効果的に抑制できる構造を持つものとなる。
【0008】
また、本発明においては、前記第2のフィラメントサポートは、前記保持部と前記連結部とを一体に備えて前記第2の端子台と前記第1のフィラメントサポートとを格納する筒体で構成されることが好ましい。これによれば、第2の端子台と第1のフィラメントサポートとを一体に保持する構成を簡単に実現できてよい。更に、前記第1のフィラメントサポートと前記第2のフィラメントサポートとが一体に形成されている構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態のピラニ真空計の構成を説明する断面図。
図2図1に示すピラニ真空計に振動が発生した状態を示す部分省略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のピラニ真空計を説明する。以下においては、図外の測定対象物に対する装着方向を「前(図1中、上方向)」、その取外方向を「後(図1中、下方向)」として方向を示す用語を用いる。
【0011】
図1を参照して、PGは、本実施形態のピラニ真空計である。ピラニ真空計PGは、前端に取付フランジ11を備える筒状のエンベロップ1を備える。エンベロップ1の後端は第1の端子台2により気密に閉塞されている。第1の端子台2には、相互に電気的に絶縁させ且つ気密保持させて複数本(図1中、二本)の接続端子3,3の第1部分3aが貫装されている。第1の端子台2は、所謂ハーメチックシールで構成することができる。
【0012】
エンベロップ1内で第1の端子台2の前側に位置させて第2の端子台4が設けられている。第2の端子台4には、接続端子3,3の第2部分3bが相互に電気的に絶縁させて貫装されている。この場合、第2の端子台4は、径方向(前後方向と直交する方向)にのびて第1部分3aと第2部分3bとを互い連結する接続端子3,3の第3部分3cで支持されている。第2の端子台4もまた所謂ハーメチックシールで構成することができる。なお、接続端子3,3の各部分3a,3b,3cは、複数本の金属製ピン状部材を半田や溶接等により互いに連結して形成することができ、また、一本の金属製ピン状部材をZ字状に成形して一体で形成することもできる。
【0013】
エンベロップ1内には、一方の接続端子3の第2部分3bで支持させて、前後方向(図1中、上下方向)に長手の第1のフィラメントサポート5が設けられている。第1のフィラメントサポート5は、前端部をエンベロップ1の内方に向けて屈曲させた金属製の棒状または板状の部材で構成される。この場合、例えば、第1のフィラメントサポート5の下端部を第2の端子台4に貫装し、接続端子3の第2部分3b及び第3部分3cを第1のフィラメントサポート5と一体に形成するようにしてもよい。第1のフィラメントサポート5前端の屈曲部分51と、他方の接続端子3の第2部分3bとの間には、線状のフィラメント6が架設されている。フィラメント6としては、線径がφ25μm程度の金属製線材が用いられる。そして、第2の端子台4と第1のフィラメントサポート5の屈曲部分51とを夫々保持する保持部71,72と両保持部71,72間を連結する連結部73とを有する第2のフィラメントサポート7が設けられている。
【0014】
本実施形態では、第2のフィラメントサポート7は、保持部71,72と連結部73とを一体に備えて第2の端子台4と第1のフィラメントサポート5とを格納する金属製の筒体で構成されている。この場合、筒体としての第2のフィラメントサポート7の下端が開口され、この開口を介して第2の端子台4に嵌着されている。他方、第2のフィラメントサポート7の上端は閉塞され、この上端面に屈曲部分51が接合されている。また、第2のフィラメントサポート7の側壁には、フィラメント6を臨む開口74が開設されている。なお、特に図示して説明しないが、第2のフィラメントサポート7には、接続端子3の第2部分3bからフィラメント6、第1のフィラメントサポート5を経て他の接続端子3の第2部分3bに流れる電流をショートしないように適宜絶縁体が設けられる。
【0015】
上記実施形態によれば、第2のフィラメントサポート7で第2の端子台4と第1のフィラメントサポート5とが一体に保持される構成となり、例えば測定対象物からの振動や衝撃が加わった場合、図2に示すように、接続端子3,3の第3部分3bを起点として、第2のフィラメントサポート7で保持される第2の端子台4と第1のフィラメントサポート5とが一体に揺動するため、フィラメント6に不要な引張張力が作用することが防止される。従って、本実施形態のピラニ真空計PGは、振動や衝撃によるフィラメント6の断線を効果的に抑制できる構造を持つものにできる。
【0016】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、第2のフィラメントサポート7を筒体で形成したものを例に説明したが、第2のフィラメントサポート7で第2の端子台4と第1のフィラメントサポート5とが一体に保持されるものであれば、上記に限定されるものではなく、保持部71,72と連結部73とを別部品で構成することもできる。また、上記実施形態では、接続端子3,3の第1部分3aと第2部分3bとをこれらに直交するように配置される第3部分3cで連結したものを例に説明したが、振動発生時に、第3部分3bを起点として、第2のフィラメントサポート7で保持される第2の端子台4と第1のフィラメントサポート5とが一体に揺動するものであれば、その形態は問わない。
【0017】
更に、上記実施形態では、第1のフィラメントサポート5と第2のフィラメントサポート7とを別体とし、第2のフィラメントサポート7で第2の端子台4と共に第1のフィラメントサポート5を一体に保持させるものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、フィラメントサポートの製造時、公知の方法で第1のフィラメントサポート5と第2のフィラメントサポート7とを一体に形成することもできる。
【符号の説明】
【0018】
PG…ピラニ真空計、1…エンベロップ、2…第1の端子台、3,3…接続端子、3a…第1部分(接続端子)、3b…第2部分(接続端子)、3c…第3部分(接続端子)、4…第2の端子台、5…第1のフィラメントサポート、6…フィラメント、7…第2のフィラメントサポート。
図1
図2