特許第6595989号(P6595989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6595989取り外し可能なインターフェイスを有する誘電体導管アセンブリを使用したプラズマ発生システム及び関連するアセンブリの取り付け方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595989
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】取り外し可能なインターフェイスを有する誘電体導管アセンブリを使用したプラズマ発生システム及び関連するアセンブリの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20191010BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20191010BHJP
【FI】
   H05H1/46 L
   !H01L21/302 101C
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-528021(P2016-528021)
(86)(22)【出願日】2014年10月27日
(65)【公表番号】特表2017-503307(P2017-503307A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】US2014062448
(87)【国際公開番号】WO2015073198
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年10月25日
(31)【優先権主張番号】61/905,722
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/246,419
(32)【優先日】2014年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ング シウ タング
(72)【発明者】
【氏名】リー チャンフン
(72)【発明者】
【氏名】ダオ フウトリ
(72)【発明者】
【氏名】コトレアール ロベルト セサール
【審査官】 大門 清
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−218431(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0023589(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0149224(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0102031(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/089061(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0260972(US,A1)
【文献】 特開2004−165594(JP,A)
【文献】 特開2003−249493(JP,A)
【文献】 特開平10−241896(JP,A)
【文献】 特表2003−506888(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/125286(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H05H 1/46、
H05H 1/26、1/44
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部チャンバ、入力ポート、及び出力ポートを形成するエンクロージャ本体と、
内部チャンバ内に配置され、エンクロージャ本体の内側表面にライナーを形成する誘電体導管アセンブリであって、誘電体導管アセンブリは、
入力ポートに隣接する第1通路を囲み、内部チャンバから取り外し可能な第1交差導管セグメントと、
出力ポートに隣接する第2通路を囲み、内部チャンバから取り外し可能な第2交差導管セグメントと、
第2交差導管セグメントから末端部まで延びる少なくとも2つの平行導管セグメントであって、各平行導管セグメントは、第2通路と連通する内側空間を取り囲み、第1交差導管セグメントは、平行導管セグメントの末端部を受け入れるための少なくとも2つの開口部を有する少なくとも2つの平行導管セグメントとを含む誘電体導管アセンブリとを含むプラズマ発生システム。
【請求項2】
第1交差導管セグメント、第2交差導管セグメント、及び少なくとも2つの平行導管セグメントは、石英を含む材料を含み、エンクロージャ本体は、アルミニウムを含む材料で形成される、請求項1記載のプラズマ発生システム。
【請求項3】
エンクロージャ本体の入力ポートは、前駆体ガスを通す通路を含む取り外し可能な入力プラグを受け入れ、入力ポートは、それを通して第1交差導管セグメントの挿入及び除去を可能にする寸法を含む、請求項1記載のプラズマ発生システム。
【請求項4】
第1交差導管セグメントの幅と、少なくとも2つの平行導管セグメントのそれぞれの幅は、同じ大きさ又は実質的に同じ大きさである、請求項1記載のプラズマ発生システム。
【請求項5】
第1交差導管セグメントの少なくとも2つの開口部の各々は、複数の第1表面によって形成され、複数の表面は、第1交差導管セグメントの長手軸に対して傾斜した2つの第1の同一平面上の表面を含む、請求項1記載のプラズマ発生システム。
【請求項6】
平行導管セグメントの末端部の各々は、複数の第2表面によって形成され、複数の第2表面は、少なくとも2つの平行導管セグメントの長手軸に対して傾斜した2つの相補的な同一平面上の表面を含み、
2つの相補的な同一平面上の表面は、2つの第1の同一平面上の表面を支持するように構成される、請求項5記載のプラズマ発生システム。
【請求項7】
平行導管セグメントの末端部の各々の複数の第2表面は、2つの相補的な同一平面上の表面を接続する2つの成形内側表面を含み、2つの成形内側表面は、2つの相補的な同一平面上の表面が、2つの第1の同一平面上の表面を支持するとき、第1交差導管セグメントの内面の形状に追従するように配置される、請求項6記載のプラズマ発生システム。
【請求項8】
複数の第1表面は、2つの第1の内側表面を更に含み、2つの第1の内側表面は、2つの第1の同一平面上の表面の端部を接続し、2つの相補的な同一平面上の表面が2つの第1の同一平面上の表面を支持するとき、少なくとも2つの平行導管セグメントのそれぞれ1つの外面の形状に追従するように配置され、
少なくとも2つの平行導管セグメントのそれぞれ1つの外面の形状は、少なくとも2つの平行導管セグメントのそれぞれ1つの長手軸に対して同心又は略同心である、請求項6記載のプラズマ発生システム。
【請求項9】
第1交差導管セグメントの内面の形状は、第1交差導管セグメントの長手軸に対して同心又は略同心であり、
2つの第1の内側表面の各々は、少なくとも2つの平行導管セグメントのそれぞれの外面の相補的な形状に配置される、請求項7記載のプラズマ発生システム。
【請求項10】
平行導管セグメントの長手軸は、2つの相補的な同一平面上の表面が、2つの第1の同一平面上の表面を支持するとき、第1交差導管セグメントの長手軸と直交又は略直交する、請求項6記載のプラズマ発生システム。
【請求項11】
平行導管セグメントの長手軸は、2つの相補的な同一平面上の表面が、2つの第1の同一平面上の表面を支持するとき、第1交差導管セグメントの長手軸と直交又は略直交する、請求項6記載のプラズマ発生システム。
【請求項12】
第1交差導管セグメントは、少なくとも2つの平行導管セグメントの末端部が、第1交差導管セグメントの少なくとも2つの開口部によって受け入れられるとき、第1交差導管セグメントの長手軸に沿った平行移動が制限される、請求項1記載のプラズマ発生システム。
【請求項13】
リモートプラズマ源に誘電体導管アセンブリを取り付ける方法であって、
リモートプラズマ源のエンクロージャ本体を提供する工程であって、エンクロージャ本体は、内部チャンバ、入力ポート、及び出力ポートを形成する工程と、
誘電体導管アセンブリを内部チャンバに挿入し、エンクロージャ本体の内側表面にライナーを形成する工程であって、誘電体導管アセンブリは、
第1通路を囲む第1交差導管セグメントと、
第2通路を囲む第2交差導管セグメントと、
第2交差導管セグメントから末端部まで延びる少なくとも2つの平行導管セグメントであって、各平行導管セグメントは、第2通路と連通する内側空間を取り囲み、第1交差導管セグメントは、平行導管セグメントの末端部を受け入れるための少なくとも2つの開口部を有する少なくとも2つの平行導管セグメントとを含む工程とを含む方法。
【請求項14】
入力ポートを介してエンクロージャ本体の内部チャンバ内に誘電体導管アセンブリの第1交差導管セグメントを挿入する工程を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
第2交差導管セグメントを挿入し、出力ポートを介して内部チャンバ内に少なくとも2つの平行導管セグメントを挿入する工程と、
第1交差導管セグメントの少なくとも2つの開口部内に平行導管セグメントの末端部を受け入れる工程とを含む、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本発明の実施形態は、概して、基板のプラズマ処理のための方法及び装置に関し、より具体的には、基板をエッチングするための方法及び装置に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
プラズマ発生源内で生成されたプラズマは、半導体構造体の薄層を汚染する可能性のある粒子を生成する内部表面と接触する可能性がある。粒子を除去する1つのアプローチは、粒子生成面が比較的無い誘電体材料の導管(例えば、石英ライナー)を有する内部表面を一列に並べることである。従来は、ライナーは定期的に交換し、ライナーの交換は、典型的にはライナーの挿入及び除去を可能にするために、当接部分又は欠落部分間にギャップを必要としている。
【0003】
図1A及び1Bは、当該技術分野で知られているように、交換可能な石英ライナー12を使用する例示的なプラズマ発生システム10の、それぞれ断面図と接近(クローズアップ)断面図である。プラズマ発生システム10は、例えば、後に図8に示されるようなチャンバ上で使用されるラピッド−Oリモートプラズマソース(Rapid−O Remote Plasma Source)とすることができる。石英ライナー12は、エンクロージャ通路20を形成する少なくとも1つのエンクロージャアセンブリ14を有するエンクロージャ本体16を含むエンクロージャアセンブリ14内に配置することができる。エンクロージャ通路20は、少なくとも1つの前駆体ガス24を受け入れる入力通路22と、前駆体ガス24から生成されたプラズマ28を排出する出力通路26を含む。プラズマ28は、エンクロージャ通路20の通電通路セグメント30A、30B内で前駆体ガス24から生成することができる。通電通路セグメント30A、30Bは、それぞれ通電通路セグメント30A、30B内で前駆体ガス24にエネルギーを加え、プラズマ28を生成するエネルギー源32A、32Bに近接する。
【0004】
エンクロージャ通路20は、他のセグメントを含む。前駆体ガス24は、入力通路22から、プラズマ28が生成される通電通路セグメント30A、30Bまでのエンクロージャ通路20の入力通路セグメント34を介して移動する。通電通路セグメント30A、30B内で生成されたプラズマ28は、出力通路セグメント36を介して出力通路26に送出される。このように、エンクロージャ通路20の通電通路セグメント30A、30Bは、出力通路26を介してプラズマ28を供給するように連続的に動作させることができる。
【0005】
微粒子は、エンクロージャ本体16の内部エンクロージャ表面18に接触するプラズマ28によって生成される可能性がある。微粒子の生成を最小限にするために、石英ライナー12がエンクロージャの通路20内に配置され、これによって通電通路セグメント30A、30B及び出力通路セグメント36で内部エンクロージャ表面18の部分から離れてプラズマ28を導く。ライナーセグメントの除去は、ライナー間に小さなギャップを必要とし、内部エンクロージャ表面18の浸食が小さなギャップで加速されるので、入力通路セグメント34での内部エンクロージャ表面18は、石英ライナー12に欠いている。
【0006】
通電通路セグメント30A、30B及び出力通路セグメント36をより良好に保護するために、石英ライナー12は、エンクロージャ本体16内に簡単に設置するために、交差セグメント40に接続された通電ライナーセグメント38A、38Bを含む一体として形成することができる。通電ライナーセグメント38A、38Bは、通電通路セグメント30A、30B内に滑り込み、エンクロージャ通路20内に石英ライナー12を配置するエンクロージャ本体16の位置決めスリーブ42A、42Bとインターフェイス接続することができる。石英ライナー12の通電通路セグメント30A、30Bは、出力通路セグメント36から入力通路セグメント34にほぼ到達する末端部44A、44Bまで単に従来的に延びるように配置される。末端部44A、44Bは、入力通路セグメント34から通電通路セグメント30A、30B内に少なくとも1つの前駆体ガス24をより良好に導くために、傾斜面46A、46Bを含むことができる。このように、石英ライナー12の効率的な設置及び除去を可能にすることによって容易なメンテナンスを提供するように、石英ライナー12は、設置され、エンクロージャ通路20から除去されることができ、プラズマ28の連続的な供給を提供する。
【0007】
しかしながら、石英ライナー12のセグメント間に小さなギャップが存在しないにも関わらず、位置決めスリーブ42A、42B近くの内部エンクロージャ表面18の選択された部分48A、48Bを攻撃して微粒子50(図1B)を引き起こすいくつかのケースで、プラズマ28が発見された。微粒子50は、通電ライナーセグメント38A、38B内へ落ち、そこでそれらはその後、出力通路26へと更に移動し、欠陥を引き起こす汚染を出力通路26の下流に引き起こす可能性がある。図1Cは、位置決めスリーブ42Bの部分48Bの上面斜視図であり、図2は、そこから生成される可能性のある二百(200)ナノメートルの幅を有する例示的な微粒子50である。必要とされるものは、プラズマ28から内部エンクロージャ表面18を保護するためのより良好なアプローチである。装置及び/又は方法は、メンテナンスの容易さを提供し、微粒子50の生成される確率を減少させるべきである。装置及び/又は方法はまた、生成される微粒子50のいずれかが、プラズマ発生システム10からプラズマと共に発生する確率を低下させるべきである。
【0008】
1つのアプローチは、入力通路セグメント34、通電通路セグメント30A、30B、及び出力通路セグメント36を、一体型の取り外しできないライナーで保護することである。このように、一体型の取り外しできないライナーはもはや使用不能である場合、プラズマ発生システム10の所有者は、プラズマ発生システム10を交換する必要があるだろう。このアプローチは、ほとんどの場合、極めて高価である。したがって、更に必要とされることは、プラズマ発生装置10のメンテナンス及び関連する分解を可能にするための手頃なアプローチである。
【概要】
【0009】
本明細書に開示された実施形態は、取り外し可能なライナーセグメント間にギャップを残さない取り外し可能なインターフェイスを有する誘電体導管アセンブリを使用したプラズマ発生源及び関連するアセンブリ及び方法を含む。プラズマ発生源(PGS)は、プラズマの生成のための前駆体ガスをそれぞれ受け入れ、プラズマを排出するために、入力及び出力ポートを有する内部チャンバを形成する内部表面を有するエンクロージャ本体を含む。誘電体導管アセンブリは、微粒子を生成する可能性のある内部表面から離れてガス及びプラズマを導くことができる。誘電体導管アセンブリは、第1及び第2交差導管セグメントを含む。誘電体導管アセンブリは、プラズマ発生が起こる平行導管セグメントを更に含む。平行導管セグメントは、第2交差導管セグメントから、第1交差導管セグメントの第1交差導管インターフェイスと取り外し可能に整列した末端部まで延びる。このように、誘電体導管アセンブリは容易に修理され、出力ポートから離れた微粒子の生成を削減し、抑制する。
【0010】
一実施形態では、プラズマ発生源が開示される。プラズマ発生源は、内部チャンバを形成する複数の内部表面を有するエンクロージャ本体と、少なくとも1つの前駆体ガスを受け入れるための入力ポートと、プラズマを排出する出力ポートとを含むエンクロージャアセンブリを含む。プラズマ発生源は、内部チャンバ内に配置された誘電体導管アセンブリを含む。誘電体導管アセンブリは、入力ポートと連通する第1通路を囲む第1交差導管セグメントを含む。誘電体導管アセンブリはまた、出力ポートと連通する第2通路を囲む第2交差導管セグメントを含む。誘電体導管アセンブリはまた、第2交差導管セグメントと統合され、末端部まで延びる少なくとも2つの平行導管セグメントを含む。複数の平行導管セグメントは、前駆体ガスからプラズマが生成される内側空間を囲む。内側空間は、第2通路と連通する。第1交差導管セグメントは更に、複数の第1交差導管アライメントインターフェイスを含み、これによって第1交差導管セグメントを複数の平行導管セグメントと取り外し可能に整列させ、誘電体導管アセンブリ内にギャップ無しに内側空間と連通して第1通路を配置する。このように、誘電体導管アセンブリは、効率的な組み立て及び分解を可能にし、汚染粒子が生成される機会を減少させることによって、容易に修理することができる。
【0011】
別の一実施形態では、リモートプラズマ源内に誘電体導管アセンブリを取り付ける方法が開示される。本方法は、リモートプラズマ源のエンクロージャ本体を提供する工程を含むことができる。エンクロージャ本体は、内部チャンバ、入力ポート、及び出力ポートと共に形成することができる。本方法はまた、誘電体導管アセンブリを提供する工程を含むことができる。誘電体導管アセンブリは、第1通路を囲む第1交差導管セグメントを含むことができる。誘電体導管アセンブリはまた、第2通路を囲む第2交差導管セグメントを含むことができる。誘電体導管アセンブリは更に、第2交差導管セグメントと一体であり、末端部まで延びる少なくとも2つの平行導管セグメントを含むことができる。各平行導管セグメントは、第2通路と連通する内側空間を取り囲むことができる。第1交差導管セグメントは、誘電体導管アセンブリ内にギャップ無しで平行導管セグメントの末端部を受け入れるための少なくとも2つの開口部を有することができる。このように、誘電体導管アセンブリは、エンクロージャの本体内に設置され、低汚染プラズマを提供することができる。
【0012】
追加の構成及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者には容易に明らかとなり、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む本明細書に記載されるような実施形態を実施することによって認識されるであろう。
【0013】
上記の一般的説明及び以下の本実施形態の詳細な説明の両方は、開示の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供することを意図していることが理解されるべきである。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成している。図面は、様々な実施形態を図示し、説明と共に開示された概念の原理及び動作を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明の実施形態のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1A】〜
図1B】エンクロージャアセンブリ内において当該技術分野で知られているような従来の石英ライナーを用いた従来の典型的なプラズマ発生システムの、エンクロージャを形成する内部エンクロージャ表面を含むエンクロージャアセンブリの、それぞれ断面図及び接近断面図であり、エンクロージャアセンブリは、少なくとも1つの前駆体ガスを石英ライナーに送出するエンクロージャ通路(複数のエンクロージャ通路)を形成する内部エンクロージャ表面を含む。
図1C】当該技術分野で知られているような、エンクロージャ通路の一部上に配置された浸食領域を有する平行な通路の1つにつながる図1Aの従来のプラズマ発生システムのエンクロージャ通路の一部の上面斜視部分接近図である。
図2】当該技術分野で知られているような、前駆体ガス及び/又はプラズマへの曝露後の浸食領域の形成時に、図1Aの内部エンクロージャ表面から発生する典型的なサブミクロン粒子である。
図3A】〜
図3D】メンテナンスを容易にするために誘電体導管アセンブリを容易に着脱可能にしながら、プラズマ発生源内で粒子生成を低減させるために第1交差導管セグメントを複数の平行導管セグメントと揃えるための複数の第1交差導管インターフェイスを含む例示的な誘電体導管アセンブリを含むプラズマ発生源の例示的な実施形態の、それぞれ正面図、左側面断面図、上面斜視断面図、及び接近左側面断面図である。
図4A】〜
図4I】メンテナンスの容易さとリモートプラズマ源内での粒子生成の低減を提供するために、第1交差導管セグメント、複数の平行導管セグメント、及び第2交差導管セグメントを含む図3Bの誘電体導管アセンブリの、それぞれ斜視図、左側面図、正面図、背面図、背面断面図、上面図、底面図、右側面断面図、及び右側面分解図である。
図5】メンテナンスの容易さの一側面を促進させるリモートプラズマ源のエンクロージャ本体内に誘電体導管アセンブリを設置するための例示的な方法のフローチャートである。
図6】第1交差導管セグメントをエンクロージャ本体内に着脱可能にするために、エンクロージャ本体の入力ポートから取り外し可能とすることができる取り外し可能なプラグを含む誘電体導管アセンブリのメンテナンスの容易さの一側面を示すアセンブリのエンクロージャ本体内に設置される誘電体導管アセンブリを示す図3Bのプラズマ発生システムの分解左側面断面図である。
図7】第2交差導管セグメント及び複数の平行導管セグメント及び第2交差導管セグメントを着脱可能にするために、エンクロージャ本体の出力ポートから取り外し可能とすることができる取り外し可能な出力プラグを示す図6のエンクロージャアセンブリの底面図である。
図8図3Bに示されるプラズマ発生源を含む例示的なエッチングシステム及びプラズマ生成システムの一例示的設置を示す例示的なリアクタの概略図である。
図9A図1Aの従来のプラズマ源によって提供される結果に対する、図3Bに示されたリモートプラズマ源用に改良されたアッシングレートを示すO/Nプラズマ組成でのチャンバ圧力に対するアッシングレートのプロセス図である。
図9B図1Aの従来のプラズマ源によって提供される結果に対する、図3Bに示されたリモートプラズマ源用に改良された均一性を示すO/Nプラズマ組成でのチャンバ圧力に対する均一性のプロセス図である。
図10A図1Aの従来のプラズマ源によって提供される結果に対する、図3Bに示されたリモートプラズマ源用に改良されたアッシングレートを示すHOプラズマ組成でのチャンバ圧力に対するアッシングレートのプロセス図である。
図10B図1Aの従来のプラズマ源によって提供される結果に対する、図3Bに示されたリモートプラズマ源用に改良された均一性を示すHOプラズマ組成でのチャンバ圧力に対する均一性のプロセス図である。
図11A】〜
図11B】それぞれ656ナノメートルの波長及び777ナノメートルの波長を用いたものを使用して、点火(I)、パッシベーション(II)、第1剥離(III)、及び第2剥離(IV)のフェーズを通した長時間の光学発光分光(OES)強度結果を示すプロセスチャートである。
図12】〜
図14】パッシベーションフェーズ、第1剥離フェーズ、及び第2剥離フェーズ中に生成されるプラズマのOES発光スペクトルをそれぞれ示すプロセス図であり、誘電体導管アセンブリを用いて図3Bのリモートプラズマ源によって生成されるプラズマにより提供される汚染の可能性を示すOESの発光ピークは、図1Aの従来のリモートプラズマ源によって提供OES発光スペクトルのピークよりも低い汚染を含むように見えることを示す。
【詳細な説明】
【0015】
ここで実施形態への参照が詳細に行われ、それらの例が添付の図面内に示される。添付の図面内には、いくつかの実施形態が示されているが、全ての実施形態が示されているわけではない。実際、コンセプトは、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書において限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。可能な限り、同種の参照番号が、同種のコンポーネント又は部品を参照するために用いられる。
【0016】
本明細書に開示された実施形態は、取り外し可能なインターフェイスを有する誘電体導管アセンブリを用いたプラズマ発生源及び関連するアセンブリ及び方法を含む。プラズマ発生源(PGS)は、プラズマの生成のための前駆体ガスをそれぞれ受け入れ、プラズマを排出するために、入力及び出力ポートを有する内部チャンバを形成する内部表面を有するエンクロージャ本体を含む。誘電体導管アセンブリは、微粒子を生成する可能性のある内部表面から離れてガス及びプラズマを導くことができる。誘電体導管アセンブリは、第1及び第2交差導管セグメントを含む。誘電体導管アセンブリは、プラズマ発生が起こる平行導管セグメントを更に含む。平行導管セグメントは、第2交差導管セグメントと一体であり、誘電体導管アセンブリ内でギャップ無しに第1交差導管セグメントの第1交差導管インターフェイスと取り外し可能に整列した末端部まで延びる。このように、誘電体導管アセンブリは容易に修理され、出力ポートから離れた微粒子の生成を削減し、抑制する。
【0017】
図3A及び3Bは、少なくとも1つの前駆体ガス204からプラズマ202を発生させるためのリモートプラズマ源200の例示的な実施形態の、それぞれ正面図及び左側面断面図である。リモートプラズマ源200は、ライナーセグメント間にギャップ無しに容易に組み立てることができ、メンテナンスのためにリモートプラズマ源200から容易に分解することができる、典型的な誘電体導管アセンブリ206を含む。本開示の組織に関しては、リモートプラズマ源200は、リモートプラズマ源200内での誘電体導管アセンブリ206の動作を示すために、最初に図3A〜3Dを参照して説明される。次に、誘電体導管アセンブリ206の詳細が、図4A〜4Iに対して説明される。誘電体導管アセンブリ206の組立及び分解の方法は、図5〜7に対して説明される。次に、リアクタ300の一部としてのリモートプラズマ源200の例示的な設置が、図8に関して説明される。最後に、リモートプラズマ源200を有するリアクタ300の性能結果が、図9A〜14に関して説明される。
【0018】
前駆体ガス204は、プラズマ202に転換されることができ、その後排出されることができるという意味で、図3A及び3Bのリモートプラズマ源200は、図1A及び1Bの従来のプラズマ発生システム10と機能的に類似している可能性があることは、明確にするために留意すべきである。リモートプラズマ源200の誘電体導管アセンブリ206に関連して、多くの相違点を容易に観察できることに留意すべきである。しかしながら、リモートプラズマ源200の異なる構成の完全な説明は、徹底のために本明細書内で以下に提供される。
【0019】
引き続き図3A及び図3Bを参照すると、リモートプラズマ源200は、内部チャンバ216を形成する複数の内部表面214を有するエンクロージャ本体212を含むエンクロージャアセンブリ210を含む。エンクロージャ本体212は、少なくとも1つの前駆体ガス204が内部でプラズマ202に転換されることができる内部チャンバ216を提供する。プラズマ202の高いエネルギーと、汚染原因微粒子50を最小化する要望のため、エンクロージャ本体212は、高温及び粒子生成に耐性を示す高強度材料(例えば、ステンレス鋼又はアルミニウム)を含むことができる。このように、プラズマ202を生成するためにエンクロージャ本体212内で前駆体ガス204にエネルギー218が追加されるので、生成されるプラズマ202は、粒子生成を最小限に抑えながら、エンクロージャ本体212内で安全に含まれることができる。
【0020】
エンクロージャ本体212はまた、前駆体ガス204を受け入れるための入力ポート220を含む。入力ポート220は、エンクロージャ本体212内への制御された通路であり、ガス源(図示せず)、例えば、ガスパネルから、前駆体ガス204を送出するガス供給装置(図示せず)とインターフェイス接続することができる。前駆体ガス204は、1以上の成分(例えば、酸素(O)、窒素(N)、水蒸気(HO)、アンモニア(NH)、フッ素含有ガス、ヘリウム他)を含むことができる。前駆体ガス204が、入力ポート220を通って内部チャンバ216内に移動すると、前駆体ガス204は、プラズマ202に転換されるためのエネルギーを受け取ることが可能となる。
【0021】
引き続き図3A及び図3Bを参照すると、エンクロージャ本体212はまた、プラズマ202を排出する出力ポート222を含む。出力ポート222は、内部チャンバ216の外部につながる別の制御された通路であり、(例えば、(図8で後述される)リアクタ300の一部のような)プラズマ消費機器とインターフェイス接続することができる。前駆体ガス204で生成することができる様々なタイプのプラズマ202の高いエネルギーと浸食の潜在性のため、出力ポート222は、潜在的に下流のワークピース(例えば、プラズマ202に曝露されるシリコンウェハ)を汚染する可能性のある微粒子無しに、プラズマ202が内部チャンバ216から離れることを安全に可能にしなければならない。
【0022】
簡単に前述したように、プラズマ202は、内部チャンバ216内で前駆体ガス204にエネルギーを加えることによって、内部チャンバ216内で生成される。1以上のエネルギー源224(A)、224(B)は、プラズマ202を生成するために、前駆体ガス204にエネルギー218を加えるように使用することができる。エネルギー源224(A)、224(B)は、前駆体ガス204を含む内部チャンバ216の1以上の励起部分226(A)、226(B)に近接及び/又は取り囲むことができる。このように、エネルギーは、前駆体ガス204により容易に伝達することができ、これによって励起部分226(A)、226(B)内でプラズマを生成する。図3A〜3Dに示される例示的な実施形態では、2つのエネルギー源224(A)、224(B)は、例えば、高周波(RF)エネルギーとすることができるエネルギー218を提供するように構成されたフェライトコアとすることができる。
【0023】
エンクロージャ本体212の内部表面214に対して非常に浸食性のある可能性のあるプラズマを含む多くのタイプのプラズマ202を生成する柔軟性を有するために、リモートプラズマ源200はまた、誘電体導管アセンブリ206を含む。誘電体導管アセンブリ206は、内部チャンバ216内に配置され、エンクロージャ本体212の内部表面214との接触から離れて前駆体ガス204を導くことができる。誘電体導管アセンブリ206は、耐高温性及び誘電特性を有する少なくとも1つの材料(例えば、プラズマ202の様々な種類の浸食作用に対して非常に耐性のある石英及び/又はイットリア)を含むことができる。
【0024】
誘電体導管アセンブリ206は、エンクロージャ本体212の内部表面214とインターフェイス接続することによって、エンクロージャ本体212内に配置することができる。誘電体導管アセンブリ206は、内部表面214と当接部228を作ることによって配置することができる。エンクロージャ本体212の内部表面214は、1以上の位置決めスリーブ230(A)、230(B)を含むことができ、それはまた誘電体導管アセンブリ206が当接部214を上に形成できる内部表面214の一部に貢献する。誘電体導管アセンブリ206は、損傷(例えば、(特に、室温と動作温度の間の熱サイクル中に)内部表面214が誘電体導管アセンブリ206に対してあまりにも近くに当接している場合の亀裂)を受けやすい可能性がある。したがって、内部表面214の少なくとも1つの表面215は、エンクロージャ本体212内で誘電体導管アセンブリ206がそれ自体をより容易に整列させることを可能にし、動作中の誘電体導管アセンブリ206への損傷を防止する追加のクリアランスを提供するために、誘電体導管アセンブリ206と当接部228がないことが可能である。
【0025】
引き続き図3A及び図3Bを参照すると、誘電体導管アセンブリ206は、第1交差導管セグメント232と、2つの一体平行導管セグメント236(A)、236(B)を有する第2交差導管セグメント234とを含む。複数の取り外し可能なセグメントを含む誘電体導管アセンブリ206を有することにより、誘電体導管アセンブリ206は、エンクロージャ本体212内で、より容易に取り外し・再設置することができ、これによってプラズマ202及び前駆体ガス204からの内部表面214の追加的な保護を提供しながら、便利なサービスを可能にする。実際、リモートプラズマ源200と、エンクロージャ本体212の内部表面214は、プラズマ202及び前駆体ガス204への曝露の結果として、動作時に浸食及び/又は汚染に見舞われる可能性がある。このように、セグメントを含む誘電体導管アセンブリ206の部品は、浸食及び/又は汚染問題のためもはや使用可能な状態にはない可能性があり、交換される、又はさもなければ、大掛かりな修理を必要としない1以上の別のセグメントを再利用可能としながら、効率よく修理がなされるかもしれない。
【0026】
ここまで、エンクロージャ本体212内の誘電体導管アセンブリ206の一般的で全体的な動作を紹介してきたが、誘電体導管アセンブリ206のセグメントのそれぞれの寄与を順次説明する。
【0027】
第1交差導管セグメント232は、エンクロージャ本体212の内部チャンバ216内に配置することができ、第1交差導管セグメント232は、入力ポート220と連通する第1通路238を囲む。第1交差導管セグメント232は、第1通路238を形成する第1内面240を含むことができる。このように、第1交差導管セグメント232は、前駆体ガス204とエンクロージャ本体212の内部表面214との間に配置されるように構成することができ、前駆体ガス204を内部表面214から離れて導くことができる。第1交差導管セグメント232は、プラズマ202を生成するために前駆体ガス204をエネルギー218に曝露させることができる複数の平行導管セグメント236(A)、236(B)と連通することができる。平行導管セグメント236(A)、236(B)と第1交差導管セグメント232との間のインターフェイスの詳細は、誘電体導管アセンブリ206の他のセグメントを紹介した後に、図3C及び図3Dを参照して詳細を後述する。
【0028】
図3A及び図3Bを続けて参照すると、第2交差導管セグメント234はまた、エンクロージャ本体212の内部チャンバ216内に配置することができ、第2交差導管セグメント234は、出力ポート222と連通する第2通路242を囲む。第2交差導管セグメント234は、第2通路242から出力ポート222へのプラズマ202の通過を可能にする出力オリフィス221を含むことができることに留意すべきである。第2交差導管セグメント234は、第2通路242を形成する第2内面244を含むことができる。このように、第2交差導管セグメント234は、プラズマ202とエンクロージャ本体212の内部表面214との間に配置され、プラズマ202を内部表面214から離れて導くように構成することができる。第2交差導管セグメント234は、プラズマ202を生成することができる複数の平行導管セグメント236(A)、236(B)と連通することができる。
【0029】
複数の平行導管セグメント236(A)、236(B)は、エンクロージャ本体212の内部チャンバ216内に配置することができ、平行導管セグメント236(A)、236(B)は、第1通路238及び第2通路242の両方と連通する内側空間246(A)、246(B)を囲む。平行導管セグメント236(A)、236(B)は、それぞれ、第2交差導管セグメント234から末端部245(A)、245(B)まで延び、これによって第1交差導管セグメント232の第1通路238からの前駆体ガス204を取り外し可能なインターフェイス247(A)、247(B)で受け取ることができる。第1交差導管セグメント232は、平行導管セグメント236(A)、236(B)の末端部245(A)、245(B)を取り外し可能に受け入れるための少なくとも2つの開口部243(A)、243(B)を含む。対照的に、平行導管セグメント236(A)、236(B)は、プラズマ202が平行導管セグメント236(A)、236(B)の内側空間246(A)、246(B)を出て、第2交差導管セグメント234の第2通路242に入るとき、内部表面214からプラズマ202をより良好に分離するために、第2交差導管セグメント234と一体とすることができる。第2交差導管セグメント234と一体の平行導管セグメント236(A)、236(B)を有する別の利点は、リモートプラズマ源200のいくつかの鉛直方向の向きが与えられた場合、位置決めスリーブ230(A)、230(B)と平行導管セグメント236(A)、236(B)との間で生成される微粒子50は、第2通路242に入る可能性が低いかもしれないことである。このように、内側空間246(A)、246(B)は、第1通路238から前駆体ガス204を受け取り、内側空間246(A)、246(B)内で生成されたプラズマ202を第2通路242へ送ることができる。
【0030】
更に、平行導管セグメント236(A)、236(B)は、内側空間246(A)、246(B)を形成する第3内面248(A)、248(B)を含むことができる。このように、内側空間246(A)、246(B)は、プラズマ202と、エンクロージャ本体212の内部表面214との間に配置され、プラズマ202を内部表面214から離れて導くように構成することができる。図3Bに示される例示的な実施形態は、量が二つ(2)の平行導管セグメント236(A)、236(B)を示すが、他の実施形態(図示せず)では、二つ(2)を超えることも可能である。
【0031】
図3C及び図3Dは、エンクロージャ本体212内で誘電体導管アセンブリ206の容易な組立及び分解を促進するための、誘電体導管アセンブリ206の取り外し可能なインターフェイス247(A)、247(B)を示す。この点で、第1交差導管セグメント232は、第1交差導管セグメント232の複数の開口部243(A)、243(B)をそれぞれ形成する複数の第1表面249(A)、249(B)を更に含む。複数の第1表面249(A)、249(B)のそれぞれは、第1交差導管セグメント232の長手軸Aと平行又は略平行な2つの第1の同一平面上の表面250A、250Bを含む。このように、2つの第1の同一平面上の表面250A、250Bは、取り外し可能なインターフェイスを形成するように構成することができる。
【0032】
平行導管セグメント236(A)、236(B)の末端部245(A)、245(B)は、第1交差導管セグメント232を支持し、取り外し可能なインターフェイスを形成するように使用することができる。具体的には、平行導管セグメント236(A)、236(B)の末端部245(A)、245(B)の各々は、複数の第2表面252(A)、252(B)によって形成することができる。第2表面252(A)、252(B)の各々は、平行導管セグメント236(A)、236(B)の各々の長手軸A(A)、A(B)のそれぞれに対して傾斜した2つの第2の同一平面上の表面254(A)、254(B)を含む。このように、2つの第2の同一平面上の表面254A、254Bは、第1交差導管セグメント232を支持するために、第1交差導管セグメント232の2つの第1の同一平面上の表面250A、250Bに当接するように使用することができる。
【0033】
更に、続けて図3C及び図3Dを参照すると、平行導管セグメント236(A)、236(B)の第2表面252(A)、252(B)の各々は、平行導管セグメント236(A)、236(B)の内側空間256(A)、246(B)への前駆体ガス204の流れを妨害するのを避けるように配置することができる。この点に関して、平行導管セグメント236(A)、236(B)の末端部245(A)、245(B)の各々の第2表面252(A)、252(B)は、2つの第2の同一平面上の表面254A、254Bを接続する2つの成形内側表面256A、256Bを更に含むことができる(図4Iも参照のこと)。2つの成形内側表面256A、256Bは、2つの第2の同一平面上の表面254A、254Bが2つの第1の同一平面上の表面250A、250Bを支持するとき、第1の交差導管セグメント232の第1の内側表面240の形状に追従するように配置することができる。形状は、例えば、円筒のものとすることができる。このように、第1交差導管セグメント232の第1通路238内の前駆体ガス204の流れは、妨害を無くすことができる。
【0034】
更に、第1交差導管セグメント232の第1表面249(A)、249(B)の各々は、内部表面214に損傷を与え、微粒子50を生成する可能性のあるプラズマ202及び/又は前駆体ガス204への内部表面214の曝露を低減するように配置することができる。この点で、第1表面249(A)、249(B)の各々は、2つの第1の同一平面上の表面250A、250Bの端部を接続することができ、2つの第2の同一平面上の表面254A、254Bが2つの第1の同一平面上の表面250A、250Bを支持するとき、平行導管セグメント236(A)、236(B)のそれぞれの外部表面260(A)、260(B)の形状に追従するように配置することができる。ギャップ262(A)、262(B)は、2つの第1の内側表面258A、258B間に形成することができ、外部表面260(A)、260(B)は、最大で、例えば、五百(500)ミクロンの範囲内とすることができる。このように、第1交差導管セグメント232の第1表面249(A)、249(B)の各々は、エンクロージャ本体212の内部表面214に損傷を与え、微粒子50を生成する可能性のあるプラズマ202及び/又は前駆体ガス204への内部表面214の曝露を低減するように配置することができる。ギャップ262(A)、262(B)を鉛直方向で形成することができるならば、エンクロージャ本体212の内部表面214で生成された微粒子50がギャップ262(A)、262(B)を通って上へと移動し、内側空間246(A)、246(B)に入り、汚染を引き起こす可能性を、重力が更に低減させることができる。
【0035】
ここまで、誘電体導管アセンブリ206は、リモートプラズマ源200の機能に関連して紹介されたが、誘電体導管アセンブリ206の詳細をここで提供する。この点で、図4A図4Iは、第1交差導管セグメント232、平行導管セグメント236(A)、236(B)、及び第2交差導管セグメント234を含む図3Bの誘電体導管アセンブリの、それぞれ斜視図、左側面図、正面図、背面図、背面断面図、上面図、底面図、側面断面図、及び分解図である。
【0036】
第1交差導管セグメント232は、均一又は略均一な厚さを有する円筒形の形状を含むことができる。このように、第1交差管セグメント232は、エンクロージャ本体212(図6参照)内に、その長手軸Aに沿って摺動することができる。第1交差導管セグメント232は、第1側264から第2側266まで第1交差導管セグメント232の長手軸Aに沿って延びることができる。第1側264は、エンクロージャ本体212の入力ポート220から第1通路238に前駆体ガス204が入るのを可能にするための開口部268を含むことができる。第2側266は、平行導管セグメント236(A)、236(B)の内側空間246(A)、246(B)への前駆体ガス204の流れを促進し、前駆体ガス204及び/又はプラズマ202をエンクロージャ本体212の内部表面214から離れて導くように閉じることができる。
【0037】
引き続き図4A〜4Iを参照すると、平行導管セグメント236(A)、236(B)は、第1交差導管セグメント232とインターフェイス接続することができ、これによって平行導管セグメント236(A)、236(B)の長手軸A(A)、A(B)はそれぞれ、図4Iのθで示されるように、第1交差導管セグメント232の長手軸Aと直交又は略直交することができる。このように、平行導管セグメント236(A)、236(B)間の空間270は、エネルギー源224(A)、224(B)(図3B)を効率的に収容するために最大化される。
【0038】
図4Iを参照すると、ギャップ262(A)、262(B)は、第1交差導管セグメント232と、平行導管セグメント236(A)、236(B)の末端部245(A)、245(B)との開口部243(A)、243(B)での角度関係をそれぞれ変えることによって、調整することができる。この点に関して、第1交差導管セグメント232の2つの第1内側表面258A、258Bを位置決めする角度θ及びθはそれぞれ、例えば、誘電体導管アセンブリ206が取り付けられたときに、長手軸A(A)、A(B)から四十五(45)度とすることができる。更に、平行導管セグメント236(A)、236(B)の2つの成形内側表面256A、256Bをそれぞれ測る角度θ及びθは、例えば、長手軸A(A)、A(B)から百三十五(135)度とすることができる。このように、ギャップ262(A)、262(B)は最小化され、前駆体ガス204及び/又はプラズマ202に対してエンクロージャ本体212の内部表面214を良好に保護することができる。
【0039】
ここまで、誘電体導管アセンブリ206の詳細が議論されてきたが、リモートプラズマ源200のエンクロージャ本体212内に誘電体導管アセンブリ206を設置するための例示的な方法272をここで説明する。この点で、図5は、例示的な方法272のフローチャートであり、図6図7に対して上述の用語を用いて説明する。
【0040】
この点において、方法272は、内部チャンバ216、入力ポート220、及び出力ポート222を形成するエンクロージャ本体212を提供する工程を含むことができる(図5の操作274A)。方法272はまた、誘電体導管アセンブリ206を提供する工程を含むことができる(図5の操作274B)。誘電体導管アセンブリ206は、第1通路238を囲む第1交差導管セグメント232を含むことができる。誘電体導管アセンブリ206はまた、第2通路242を囲む第2交差導管セグメント234を含むことができる。誘電体導管アセンブリ206はまた、第2交差導管セグメント234から末端部245(A)、245(B)まで延びる少なくとも2つの平行導管セグメント236(A)、236(B)を含むことができる。内側空間246(A)、246(B)をそれぞれ囲む平行導管セグメント236(A)、236(B)は、第2通路242と連通するように構成することができる。第1交差導管セグメント232は、平行導管セグメント236(A)、236(B)の末端部245(A)、245(B)を受け入れるための開口部243(A)、243(B)を含むことができる。このようにして、エンクロージャ本体212は、誘電体導管アセンブリ206の設置のために調製することができる。
【0041】
前駆体ガス204及び/又は内部で前駆体ガス204から生成されたプラズマ202からエンクロージャ本体212を保護するために、誘電体導管アセンブリ206は、エンクロージャ本体212内に配置することができる。方法272はまた、誘電体導管アセンブリ206の第1交差導管セグメント232を、入力ポート220を介してエンクロージャ本体212の内部チャンバ216内に挿入する工程を含むことができる(図5の操作274C)。方法272はまた、出口ポート222を介して第2交差導管セグメント234及び平行導管セグメント236(A)、236(B)を内部チャンバ216内に挿入する工程を含むことができる(図5の操作274D)。方法272はまた、第1交差導管セグメント232の開口部243(A)、243(B)内に平行導管セグメント236A、236Bの末端部245A、245Bを受け入れる工程を含むことができる(図5の操作274E)。誘電体導管アセンブリ206が、エンクロージャ本体212内に設置されると、取り外し可能な入力プラグ276は、入力ポート220によって受け取ることができる。取り外し可能な入力プラグ276は、入力ポート220を介して前駆体ガス204を導くための入力通路278を含むことができる。入力ポート220は、それを通して第1交差導管セグメント232の挿入及び除去を可能にする寸法Diを含むことができる。取り外し可能な出力プラグ280は、出力ポート222によって受け取ることができることもまた留意すべきである。取り外し可能な出力プラグ280は、出力ポート222を介してプラズマ202を導くための出力通路282を含むことができる。出力ポート222は、それを通して第2交差導管セグメント234及び平行導管セグメント236(A)、236(B)の挿入及び除去を可能にする寸法Doを含むことができる。取り外し可能な出力プラグ280(図6及び図7)は、誘電体導管アセンブリ206を支持する、及び/又はエンクロージャ本体212をより良好にシールするために使用することができる。このように、誘電体導管アセンブリ206は、リモートプラズマ源200のエンクロージャ本体212内に設置することができ、エンクロージャ本体212は、前駆体ガス204を受け入れ、プラズマ202を排出するように構成することができる。
【0042】
ここまで、リモートプラズマ源200のエンクロージャ本体212内に誘電体導管アセンブリ206を設置するための例示的な方法272が紹介されたが、図8は、例示的なリアクタ300の一部として使用されるリモートプラズマ源200を示す。プラズマ202は、入力ポートを介してガス供給源301からリモートプラズマ源200に送出された前駆体ガス204からリモートプラズマ源200内で生成することができる。リモートプラズマ源200で生成されたプラズマ202は、出力ポート222を通って、処理チャンバ305に後に導入するためのガス分配プレナム304内に通じる出口管302内に流れ込む。基板支持体306は、プラズマ202に曝露されることができるワークピース(図示せず)を支持するように使用することができる。このように、誘電体導管アセンブリ206を使用するリモートプラズマ源200は、リアクタ300の一部として使用することができる。
【0043】
ここまで、誘電体導管アセンブリ206を採用したリモートプラズマ源200が、リアクタ300の一部として紹介されたが、図9A図14は、性能比較結果を示している。結果は、誘電体導管アセンブリ206を用いた図3Cのリモートプラズマ源、又は従来の石英ライナー12を用いた図1Aの従来のプラズマ発生システム10のいずれかによって供給されたリアクタ300内のプラズマに曝露されたワークピースに基づいている。
【0044】
図9Aは、O/Nプラズマを用いて図7のリアクタの一部として代替的に設置された場合の、従来のプラズマ発生システム10のアッシングレートと比較した、リモートプラズマ源200に対して改良されたアッシングレートを示す、チャンバ圧力に対するアッシングレートのプロセス図である。誘電体導管アセンブリ206を採用したリモートプラズマ源200を使用したアッシングレート結果400は、従来のプラズマ発生システム10の同程度のアッシングレート結果402よりも二十(20)〜三十(30)パーセント優れている。更に、図9Bは、誘電体導管アセンブリ206を用いたリモートプラズマ源200を使用することによって均一性結果404において均一性誤差が、従来の石英ライナー12のより大きな均一性誤差結果406と比べて、大ざっぱに言って二(2)〜四(4)パーセント改善されたことを示している。したがって、誘電体導管アセンブリ206を用いたリモートプラズマ源200は、微粒子50の発生を減少させる主な目的を有することができたが、O/Nプラズマを用いたときのアッシングレート及び均一性の向上に関連する目に見える二次的な利点もある。
【0045】
図10Aは、HOプラズマを用いて図7のリアクタの一部として代替的に設置された場合の、従来のプラズマ発生システム10のアッシングレートと比較した、リモートプラズマ源200に対して改良されたアッシングレートを示す、チャンバ圧力に対するアッシングレートのプロセス図である。誘電体導管アセンブリ206を採用したリモートプラズマ源200を使用したアッシングレート結果408は、従来の石英ライナー12の同程度のアッシングレート結果410よりも十五(15)〜二十(20)パーセント優れている。更に、図10Bは、誘電体導管アセンブリ206を用いたリモートプラズマ源200を使用することによって均一性結果412においていくつかのデータ点に対して均一性誤差が、従来の石英ライナー12によって提供される均一性誤差結果414と比べて、同様及び/又は改善されたことを示している。したがって、誘電体導管アセンブリ206を用いたリモートプラズマ源200は、微粒子50の発生を減少させる主な目的を有していたが、HOプラズマを用いたときのアッシングレート及び均一性の向上に関連する目に見える二次的な利点もある。
【0046】
図11A及び図11Bは、それぞれ656ナノメートルの波長及び777ナノメートルの波長を用いて、点火(I)、パッシベーション(II)、第1剥離(III)、及び第2剥離(IV)のフェーズを通した経時的な光学発光分光(OES)の強度結果を示す。光学発光分光は、プラズマ202内の原子、イオン及び分子を調査する非侵襲的診断アプローチである。このアプローチは、特性(例えば、種の密度、衝突の影響、種のエネルギー分布、プラズマ成分間の電荷移動、及び電磁場)についての情報を提供することができる。この場合、図示のより低い強度値は、汚染物質(例えば、微粒子50)が無いプラズマの指標として望ましい。誘電体導管アセンブリ206を用いたリモートプラズマ源200によって提供されるこれらのフェーズに対するOES強度結果418、422は、従来の石英ライナー12によって提供されるOES強度結果416、420と少なくとも同等に望ましい。
【0047】
図12〜14は、それぞれ、パッシベーションフェーズ、第1剥離(ストリップ)フェーズ、及び第2剥離フェーズの間に生成されたプラズマのOES発光スペクトルを示すプロセスチャートである。OES発光スペクトル分析は、より良好にプラズマの組成を理解するために使用することができる。この場合、より低い強度値が、汚染物質(例えば、微粒子50)がないことを測定するプラズマの尺度として望ましい。誘電体導管アセンブリ206を用いてリモートプラズマ源200によってそれぞれ生成されたプラズマ202に対して測定されたOES発光スペクトルのピーク426A、426B、424C、424D、430A、430B、430C、及び434は、従来の石英ライナー12によって提供されたOES発光スペクトルのピーク424A、424B、424C、424D、428A、428B、428C、及び432と同じ又はより良好である。このように、誘電体導管アセンブリ206を使用してリモートプラズマ源200によって生成されたプラズマ202は、より少ない汚染物質(例えば、微粒子50)を生成するように見える。
【0048】
当業者は、容易に理解することができるので、様々な従来のコンポーネントは、本発明をより良く理解することを可能にするために記載されていない。また、様々なアセンブリガイドが、製造及び修理のためのコンポーネントの組立を可能にするために、当業者によく知られている多くの方法のいずれかに従って提供される。
【0049】
本明細書に記載されていない多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示された開示の利益を有する実施形態が属する分野の当業者には思い浮かぶであろう。明細書及び特許請求の範囲は、開示された特定の実施形態に限定されることはなく、修正及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解すべきである。実施形態は、提供された実施形態の修正および変形を網羅し、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあることを意図している。本明細書中で特定の用語が使用されているが、それらは限定の目的のためではなく、一般的かつ説明的な意味で使用されている。
【0050】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14