特許第6596363号(P6596363)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6596363時刻マッピング情報生成装置、同期再生システム、時刻マッピング情報生成方法及び時刻マッピング情報生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596363
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】時刻マッピング情報生成装置、同期再生システム、時刻マッピング情報生成方法及び時刻マッピング情報生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/43 20110101AFI20191010BHJP
   H04N 21/44 20110101ALI20191010BHJP
   H04H 20/18 20080101ALI20191010BHJP
   H04L 7/04 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H04N21/43
   H04N21/44
   H04H20/18
   H04L7/04
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-44824(P2016-44824)
(22)【出願日】2016年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-163284(P2017-163284A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2019年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】大西 正芳
(72)【発明者】
【氏名】松村 欣司
(72)【発明者】
【氏名】武智 秀
(72)【発明者】
【氏名】広中 悠樹
【審査官】 長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−032236(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/140485(WO,A1)
【文献】 特開2015−050768(JP,A)
【文献】 特開2003−333552(JP,A)
【文献】 特開2015−149680(JP,A)
【文献】 特開2015−139157(JP,A)
【文献】 特開2014−007443(JP,A)
【文献】 特開2006−157495(JP,A)
【文献】 特表2002−518898(JP,A)
【文献】 特表2004−526346(JP,A)
【文献】 特開2010−130689(JP,A)
【文献】 特開2011−101360(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0268902(US,A1)
【文献】 特開2004−247036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 19/00−19/98
H04H 20/00−60/98
H04L 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得部と、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力部と、を備え
前記時刻情報取得部は、放送ストリームから前記基準時刻情報が含まれる特定種類のパケットを取得し、
前記クロック値取得部は、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得し、線形補間により前記基準クロック値を算出する時刻マッピング情報生成装置。
【請求項2】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得部と、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力部と、を備え
前記時刻情報取得部は、放送ストリームから番組情報が含まれる特定種類のパケットを取得し、番組の切り替わり時点において、切り替え後の番組の開始時刻を前記基準時刻情報として抽出し、
前記クロック値取得部は、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得し、線形補間により前記基準クロック値を算出する時刻マッピング情報生成装置。
【請求項3】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得部と、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力部と、を備え
前記時刻情報取得部は、放送ストリームにおける特定の画像が現れる前記基準時刻情報の入力を受け付け、
前記クロック値取得部は、前記特定の画像が現れたフレームを判定し、当該フレームに付与されているタイムスタンプに基づいて前記基準クロック値を算出する時刻マッピング情報生成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれかに記載の時刻マッピング情報生成装置と、放送及び通信コンテンツを受信する受信機と、を備えた同期再生システムであって、
前記受信機は、前記時刻マッピング情報生成装置から取得した前記マッピング情報に基づいて、放送のクロック値と通信コンテンツの時刻情報とを対応付けて再生する同期再生システム。
【請求項5】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータが実行し、
前記時刻情報取得ステップにおいて、放送ストリームから前記基準時刻情報が含まれる特定種類のパケットを取得し、
前記クロック値取得ステップにおいて、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得し、線形補間により前記基準クロック値を算出する時刻マッピング情報生成方法。
【請求項6】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータが実行し、
前記時刻情報取得ステップにおいて、放送ストリームから番組情報が含まれる特定種類のパケットを取得し、番組の切り替わり時点において、切り替え後の番組の開始時刻を前記基準時刻情報として抽出し、
前記クロック値取得ステップにおいて、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得し、線形補間により前記基準クロック値を算出する時刻マッピング情報生成方法。
【請求項7】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータが実行し、
前記時刻情報取得ステップにおいて、放送ストリームにおける特定の画像が現れる前記基準時刻情報の入力を受け付け、
前記クロック値取得ステップにおいて、前記特定の画像が現れたフレームを判定し、当該フレームに付与されているタイムスタンプに基づいて前記基準クロック値を算出する時刻マッピング情報生成方法。
【請求項8】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させ
前記時刻情報取得ステップにおいて、放送ストリームから前記基準時刻情報が含まれる特定種類のパケットを取得させ、
前記クロック値取得ステップにおいて、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得させ、線形補間により前記基準クロック値を算出させるための時刻マッピング情報生成プログラム。
【請求項9】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させ
前記時刻情報取得ステップにおいて、放送ストリームから番組情報が含まれる特定種類のパケットを取得させ、番組の切り替わり時点において、切り替え後の番組の開始時刻を前記基準時刻情報として抽出させ、
前記クロック値取得ステップにおいて、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得させ、線形補間により前記基準クロック値を算出させるための時刻マッピング情報生成プログラム。
【請求項10】
放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、
前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、
前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させ
前記時刻情報取得ステップにおいて、放送ストリームにおける特定の画像が現れる前記基準時刻情報の入力を受け付けさせ、
前記クロック値取得ステップにおいて、前記特定の画像が現れたフレームを判定させ、当該フレームに付与されているタイムスタンプに基づいて前記基準クロック値を算出させるための時刻マッピング情報生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送及び通信を同期させる同期再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の映像、音声、字幕などのコンポーネントで構成されるマルチメディアコンテンツは、各コンポーネントが異なる複数の経路によって配信され、1つ又は複数の受信機でコンポーネント間の再生タイミングを同期して提示するシステムが利用されている。
【0003】
このようなシステムでは、受信機でコンポーネント間の再生タイミングを同期させるために、送出側で各コンポーネントに共通のタイムスタンプが付加される。このタイムスタンプは、各コンポーネントの配信ユニット(映像・音声フレームなどの配信単位)毎に付加され、この配信ユニットのデータが受信機で提示されるべき時刻を示している。
【0004】
また、複数のコンポーネントは、伝送経路が異なると、受信機に到達するまでに要する時間が異なる。このため、前述のタイムスタンプに基づいて、受信機がコンポーネントをバッファリング又はスキップさせることにより提示タイミングを同期させる技術が提案されている(例えば、特許文献1から3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−10009号公報
【特許文献2】特開2012−205075号公報
【特許文献3】特開2015−207873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、収録番組をビデオオンデマンド(VOD)で配信する際、この通信ストリームは、放送と異なる時刻系の場合がある。
例えば、MPEG−DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)は、コンテンツの開始時刻を0ミリ秒として、ミリ秒単位の相対時間で時刻情報を扱う。これに対して、放送では、27MHzのクロック値であるPCR(Program Clock Reference)が時刻系として利用されている。
このように、放送ストリームと通信ストリームとの時刻系が互いに異なる場合、これらを同期させて再生することは難しかった。
【0007】
本発明は、時刻系が異なるコンテンツを同期させるための時刻マッピング情報生成装置、同期再生システム、時刻マッピング情報生成方法及び時刻マッピング情報生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る時刻マッピング情報生成装置は、放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得部と、前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得部と、前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力部と、を備える。
【0009】
前記時刻情報取得部は、放送ストリームから前記基準時刻情報が含まれる特定種類のパケットを取得し、前記クロック値取得部は、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得し、線形補間により前記基準クロック値を算出してもよい。
【0010】
前記時刻情報取得部は、放送ストリームから番組情報が含まれる特定種類のパケットを取得し、番組の切り替わり時点において、切り替え後の番組の開始時刻を前記基準時刻情報として抽出し、前記クロック値取得部は、前記特定種類のパケットの前後に送出されたクロック値が含まれるパケットを取得し、線形補間により前記基準クロック値を算出してもよい。
【0011】
前記時刻情報取得部は、放送ストリームにおける特定の画像が現れる前記基準時刻情報の入力を受け付け、前記クロック値取得部は、前記特定の画像が現れたフレームを判定し、当該フレームに付与されているタイムスタンプに基づいて前記基準クロック値を算出してもよい。
【0012】
本発明に係る同期再生システムは、前記時刻マッピング情報生成装置と、放送及び通信コンテンツを受信する受信機と、を備えた同期再生システムであって、前記受信機は、前記時刻マッピング情報生成装置から取得した前記マッピング情報に基づいて、放送のクロック値と通信コンテンツの時刻情報とを対応付けて再生する。
【0013】
本発明に係る時刻マッピング情報生成方法は、放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータが実行する。
【0014】
本発明に係る時刻マッピング情報生成プログラムは、放送と同期させる通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報を取得する時刻情報取得ステップと、前記基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値を、放送ストリームから取得するクロック値取得ステップと、前記基準時刻情報及び前記基準クロック値を対応付けたマッピング情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、時刻系が異なるコンテンツを同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る時刻マッピング情報生成装置の機能構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る基準クロック値の算出方法を例示する概念図である。
図3】第2実施形態に係る時刻マッピング情報生成装置の機能構成を示す図である。
図4】第3実施形態に係る時刻マッピング情報生成装置の機能構成を示す図である。
図5】第1〜第3実施形態に係る同期再生システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る時刻マッピング情報生成装置1aの機能構成を示す図である。
【0018】
時刻マッピング情報生成装置1aは、記憶部及び制御部の他、通信部及び入出力デバイスなどの各種インタフェースを備えたサーバ装置又はPC(Personal Computer)などの情報処理装置(コンピュータ)である。時刻マッピング情報生成装置1aは、記憶部に記憶された所定のソフトウェア(時刻マッピング情報生成プログラム)を制御部が実行することにより、各種機能を実現する。
【0019】
時刻マッピング情報生成装置1aの制御部は、パケット解析部11aと、JST値取得部12a(時刻情報取得部)と、PCR値取得部13(クロック値取得部)と、マッピング情報生成部14と、マッピング情報配信部15(出力部)とを備える。
【0020】
パケット解析部11aは、放送ストリームのTSパケットを順次受け取り、パケットの種類を解析することにより、時刻情報が含まれる特定種類のパケットを取得する。具体的には、パケット解析部11aは、TOT(Time Offset Table)パケットを取得する。
【0021】
JST値取得部12aは、TOTパケットに含まれるJST値(JST_time)を、通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報として取得する。
【0022】
PCR値取得部13は、TOTパケットの前後に送出されたクロック値(PCR値)が含まれるパケットを取得し、線形補間により、基準時刻情報に対応する放送で用いられる時刻系における基準クロック値を算出する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る基準クロック値の算出方法を例示する概念図である。
この例では、時刻「10:00」を示すTOTパケットが取得され、このTOTの前後に、PCR値「100」と「104」とが検出されている。
【0024】
このとき、PCR値取得部13は、PCRからTOTまでのパケット数に基づいてPCR値を線形補間し、取得されたTOTの基準時刻情報「10:00」に対応するPCR値を「101」と算出する。
なお、線形補間により端数が生じる場合、整数に丸めた値が算出されてもよい。
【0025】
マッピング情報生成部14は、通信コンテンツで用いられる時刻系における基準時刻情報(JST値)と、放送で用いられる時刻系における基準クロック値(PCR値)とを対応付けたマッピング情報を生成して記憶する。
【0026】
マッピング情報配信部15は、記憶しているマッピング情報を、要求に応じて外部の機器、すなわち放送コンテンツ及び通信コンテンツを同期再生する受信機へ出力する。
【0027】
本実施形態によれば、時刻マッピング情報生成装置1aは、TOTパケットを用いて、通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報(JST値)と、この基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値(PCR値)とを対応付けたマッピング情報を出力する。
したがって、コンテンツを再生する受信機において、配信されたマッピング情報に基づいて、時刻系が異なる複数のコンテンツを同期させることができる。
【0028】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0029】
図3は、本実施形態に係る時刻マッピング情報生成装置1bの機能構成を示す図である。
時刻マッピング情報生成装置1bは、第1実施形態の時刻マッピング情報生成装置1aと同様の情報処理装置(コンピュータ)であり、記憶部に記憶された所定のソフトウェア(時刻マッピング情報生成プログラム)を制御部が実行することにより、各種機能を実現する。
【0030】
時刻マッピング情報生成装置1bの制御部は、パケット解析部11bと、番組切替判定部16と、JST値取得部12b(時刻情報取得部)と、PCR値取得部13(クロック値取得部)と、マッピング情報生成部14と、マッピング情報配信部15(出力部)とを備える。
【0031】
パケット解析部11bは、放送ストリームのTSパケットを順次受け取り、パケットの種類を解析することにより、番組情報が含まれる特定種類のパケットを取得する。具体的には、パケット解析部11bは、EIT(Event Information Table) p/fパケットを取得する。
【0032】
番組切替判定部16は、EIT p/fパケットに含まれている現在の番組のevent_idを監視し、番組が切り替わって次の番組のevent_idに更新された際のEIT p/fパケットを特定する。
【0033】
JST値取得部12bは、特定されたEIT p/fパケットに記述されている更新後の番組のstart_time(JST値)を、通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報として取得する。
【0034】
PCR値取得部13は、第1実施形態と同様に、EIT p/fパケットの前後に送出されたクロック値(PCR値)が含まれるパケットを取得し、線形補間により、基準時刻情報に対応する放送で用いられる時刻系における基準クロック値を算出する。
【0035】
マッピング情報生成部14は、通信コンテンツで用いられる時刻系における基準時刻情報(JST値)と、放送で用いられる時刻系における基準クロック値(PCR値)とを対応付けたマッピング情報を生成して記憶する。
【0036】
マッピング情報配信部15は、記憶しているマッピング情報を、要求に応じて外部の機器、すなわち放送コンテンツ及び通信コンテンツを同期再生する受信機へ出力する。
【0037】
本実施形態によれば、時刻マッピング情報生成装置1bは、EIT p/fパケットを用いて、通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報(JST値)と、この基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値(PCR値)とを対応付けたマッピング情報を出力する。
したがって、コンテンツを再生する受信機において、配信されたマッピング情報に基づいて、時刻系が異なる複数のコンテンツを同期させることができる。
【0038】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0039】
図4は、本実施形態に係る時刻マッピング情報生成装置1cの機能構成を示す図である。
時刻マッピング情報生成装置1cは、第1実施形態の時刻マッピング情報生成装置1aと同様の情報処理装置(コンピュータ)であり、記憶部に記憶された所定のソフトウェア(時刻マッピング情報生成プログラム)を制御部が実行することにより、各種機能を実現する。
【0040】
時刻マッピング情報生成装置1cの制御部は、画像デコード部17と、相関判定部18と、PTS値取得部19と、マッピング情報生成部14(時刻情報取得部、クロック値取得部)と、マッピング情報配信部15(出力部)とを備える。
【0041】
画像デコード部17は、TSパケットからフレーム毎の画像データを抽出し、デコードする。
【0042】
相関判定部18は、デコードした画像と判定用画像との相関値を算出し、相関値が所定の閾値を超えた場合に、特定の画像が現れたと判定する。
ここで、判定用画像は、放送ストリームにおいて特定の時刻(基準時刻情報)に現れることが確定している画像であり、例えば放送局ごとのコールサインなどが採用可能である。
【0043】
PTS値取得部19は、相関判定部18により判定された画像フレームに付与されているPTS(Presentation Time Stamp)値を取得する。
【0044】
マッピング情報生成部14は、特定の画像が現れる基準時刻情報の入力を受け付ける。また、マッピング情報生成部14は、取得されたPTS値に基づいて、基準時刻情報に対応するPCR値を算出する。マッピング情報生成部14は、通信コンテンツで用いられる時刻系における基準時刻情報(JST値)と、放送で用いられる時刻系における基準クロック値(PCR値)とを対応付けたマッピング情報を生成して記憶する。
【0045】
マッピング情報配信部15は、記憶しているマッピング情報を、要求に応じて外部の機器、すなわち放送コンテンツ及び通信コンテンツを同期再生する受信機へ出力する。
【0046】
本実施形態によれば、時刻マッピング情報生成装置1cは、予め放送上に出現する時刻(基準時刻情報)が確定している判定用画像を用いて、この基準時刻に提示されるフレームを特定し、タイムスタンプ(PTS)を抽出する。時刻マッピング情報生成装置1cは、タイムスタンプを基準クロック値に変換することにより、通信コンテンツで用いられる時刻系における、特定の時点での基準時刻情報(JST値)と、この基準時刻情報に対応する、放送で用いられる時刻系における基準クロック値(PCR値)とを対応付けたマッピング情報を出力できる。
したがって、コンテンツを再生する受信機において、配信されたマッピング情報に基づいて、時刻系が異なる複数のコンテンツを同期させることができる。
【0047】
本実施形態により生成されるマッピング情報の値は、第1実施形態又は第2実施形態のような線形補間による演算を介さずに直接取得されたものである。このため、配信されるマッピング情報は、より正確であることが期待できる。
【0048】
[システム構成例]
図5は、第1〜第3実施形態の時刻マッピング情報生成装置1(1a、1b又は1c)を含む同期再生システム100の構成例を示す図である。
【0049】
同期再生システム100は、時刻マッピング情報生成装置1と、放送局装置2と、コンテンツサーバ3と、変調器4と、受信機5と、モバイル端末6とを備える。
【0050】
放送局装置2は、TS出力部21から、MPEG2−TSにより放送信号を送出する。この放送信号は、時刻マッピング情報生成装置1に分岐されると共に、変調器4へ入力される。
【0051】
コンテンツサーバ3は、開始時刻配信部31によりVODコンテンツの開始時刻を、VOD配信部32によりVODコンテンツ自体を、受信機5及びモバイル端末6へ配信する。
【0052】
変調器4は、MPEG2−TS規格の放送信号を、ISDB−T規格の信号に変調し、受信機5へ提供する。
【0053】
受信機5は、例えば、「IPTV規定 放送通信連携システム仕様 IPTVFJ STD−0010 2.0版」及び「IPTV規定 HTML5ブラウザ仕様 IPTVFJ STD−0011 2.1版」に則って作成されたテレビ又はエミュレータである。
受信機5は、TS受信部51と、PCR値取得部52と、PCR値配信部53と、同期制御部54と、VOD受信再生部55とを備える。
【0054】
TS受信部51は、放送局装置2から送出されたTS信号を、変調器4を介してISDB−T規格の信号として受信する。このとき、TS受信部51は、TS信号に含まれるPCR値によって受信機5で管理されているシステムクロックを補正する。
【0055】
PCR値取得部52は、受信機5で管理されているシステムクロック、すなわちPCR値を取得し、PCR値配信部53及び同期制御部54に提供する。
【0056】
PCR値配信部53は、PCR値取得部52により取得されたPCR値を、モバイル端末6へ配信する。
【0057】
同期制御部54は、時刻マッピング情報生成装置1からマッピング情報を受信し、PCR値をJST値に変換することにより、VOD受信再生部55で再生されるVODコンテンツの再生位置(時刻情報)と放送のクロック値とを同期させる制御を行う。
【0058】
VOD受信再生部55は、コンテンツサーバ3からVODコンテンツを受信し再生する。このとき、VOD受信再生部55は、同期制御部54にVODコンテンツの現在の再生位置(時刻情報)を通知し、同期制御部54から再生位置と放送との時間差を示す同期制御情報を受けて再生位置を変更(スキップ又は待機)する。これにより、VOD受信再生部55は、放送のクロック値とVODコンテンツの時刻情報とを対応付けて同期再生する。
【0059】
モバイル端末6は、放送を受信する受信機5と連携し、VODコンテンツを受信及び再生する受信機の一例である。
モバイル端末6は、PCR値受信部61と、同期制御部62と、VOD受信再生部63とを備える。
【0060】
PCR値受信部61は、受信機5から配信されるPCR値を受信し、同期制御部62へ提供する。
【0061】
同期制御部62は、受信機5の同期制御部54と同様に、時刻マッピング情報生成装置1からマッピング情報を受信し、PCR値をJST値に変換することにより、VOD受信再生部63で再生されるVODコンテンツの再生位置(時刻情報)と放送のクロック値とを同期させる制御を行う。
【0062】
VOD受信再生部63は、受信機5のVOD受信再生部55と同様に、コンテンツサーバ3からVODコンテンツを受信し再生する。また、VOD受信再生部63は、同期制御部62にVODコンテンツの現在の再生位置(時刻情報)を通知し、同期制御部62から再生位置と放送との時間差を示す同期制御情報を受けて再生位置を変更(スキップ又は待機)する。これにより、VOD受信再生部63は、放送のクロック値とVODコンテンツの時刻情報とを対応付けて同期再生する。
【0063】
ここで、受信機5の同期制御部54及びモバイル端末6の同期制御部62における同期制御処理は、以下の手順(1)〜(5)により実行される。
【0064】
(1)同期制御部(54又は62)は、PCR値を取得し、放送の時刻系に対応する番組経過時間Tpassを求め、Tpassに対応するVODコンテンツの映像データ(セグメントファイル)を取得する。なお、Tpassは、次式により導出される。
Tpass=β(Tb−Tb0)+Tc0−Tstart
Tb=PCR値
Tb0=マッピング情報のPCR値
Tc0=マッピング情報のJST値
Tstart=番組開始時刻[JST]
β=1/27000000
【0065】
(2)同期制御部(54又は62)は、PCR値を取得し、次式により放送とVODコンテンツとの時間差δを算出する。
δ=β(Tb−Tb0)−(Tstart+TcurrentTime−Tc0)
TcurrrentTime=VODコンテンツの再生経過時間[s]
【0066】
(3)同期制御部(54又は62)は、VODコンテンツの再生位置をδ秒スキップ又は待機する。
【0067】
(4)同期制御部(54又は62)は、δが予め設けられた同期調整用閾値の範囲に収まるまで手順(3)及び(4)を繰り返し、同期状態を安定させる。
【0068】
(5)同期制御部(54又は62)は、手順(5)の後、定期的にδを算出し、予め設けられた再同期用閾値を超えた場合に、再度同期処理、すなわち手順(2)〜(4)を実行する。
なお、手順(5)の再同期用閾値は、手順(4)の同期調整用閾値よりも大きな値に設定されることで、頻繁な同期調整による映像の乱れを抑制できる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0070】
マッピング情報は、所定のタイミングで定期的に更新されてよい。例えば、マッピング情報は、第1実施形態のTOTパケット又は第2実施形態のEIT p/fパケットが検出される度に更新されてもよい。
【0071】
さらに、時刻マッピング生成装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0072】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0073】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1a、1b、1c 時刻マッピング情報生成装置
5 受信機
6 モバイル端末
11a、11b パケット解析部
12a、12b JST値取得部
13 PCR値取得部
14 マッピング情報生成部
15 マッピング情報配信部
16 番組切替判定部
17 画像デコード部
18 相関判定部
19 PTS値取得部
100 同期再生システム
図1
図2
図3
図4
図5