特許第6596422号(P6596422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6596422アルコキシル化グリセリン又はトリメチロールプロパンをベースとするエーテルアミン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6596422
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】アルコキシル化グリセリン又はトリメチロールプロパンをベースとするエーテルアミン
(51)【国際特許分類】
   C07C 217/08 20060101AFI20191010BHJP
   C07C 213/02 20060101ALI20191010BHJP
   C07B 61/00 20060101ALI20191010BHJP
   C08G 65/32 20060101ALI20191010BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20191010BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20191010BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   C07C217/08CSP
   C07C213/02
   C07B61/00 300
   C08G65/32
   A61Q19/10
   A61Q5/02
   A61K8/86
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-537176(P2016-537176)
(86)(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公表番号】特表2016-531135(P2016-531135A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】EP2014065114
(87)【国際公開番号】WO2015028193
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年7月13日
(31)【優先権主張番号】13181700.9
(32)【優先日】2013年8月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】エベルト,ゾフィア
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィグバース,クリストフ ヴィルヘルム
(72)【発明者】
【氏名】マース,シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】ベックー,ディーター
(72)【発明者】
【氏名】フュールスケッター,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ラフナン,ブライアン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アイヒシュタット ヴァオン,アミィ
(72)【発明者】
【氏名】クリスマス,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】リース,ダレン
(72)【発明者】
【氏名】シャルラ,ステファノ
【審査官】 奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−194022(JP,A)
【文献】 国際公開第01/076729(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/067199(WO,A1)
【文献】 特表2005−537350(JP,A)
【文献】 特開2005−048086(JP,A)
【文献】 特公昭48−011685(JP,B1)
【文献】 国際公開第2012/030339(WO,A1)
【文献】 米国特許第04609683(US,A)
【文献】 特開2000−034403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 217/08
A61K 8/86
A61Q 5/02
A61Q 19/10
C07B 61/00
C07C 213/02
C08G 65/32
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のエーテルアミン
【化1】
(式中、
Rは、H又はエチルであり、
kは、0又は1であり、
Aは、C〜C18の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキレン基を示し
各Aは、直鎖又は分岐のC−アルキレン基と、C−アルキレン基との組み合わせから構成され、
x、y及びzの合計は、5〜10の範囲であり、
xは1以上であり、yは1以上であり、zは1以上であり、
ZはNH2又はOHであるが、1分子当たり少なくとも2つのZがNH2である)。
【請求項2】
少なくとも3つのAが、直鎖又は分岐C−アルキレン基を示す請求項1に記載のエーテルアミン。
【請求項3】
ZがNH2である請求項1または2に記載のエーテルアミン。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載の前記式(I)のエーテルアミンを、クエン酸、乳酸、硫酸、メタンスルホン酸、塩化水素、リン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、グルカル酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、オレイン酸、ステアリン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される酸と反応させることにより得られるエーテルアミン。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の式(I)のエーテルアミンの製造方法であって、
a)グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンを、C−アルキレンオキシド、及びC−アルキレンオキシドと反応させる工程、ここで、グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンとC−アルキレンオキシドとのモル比が1:3〜1:10の範囲であり、及び、
b)アンモニアで、アルコキシル化されたグリセリン又はアルコキシル化された1,1,1−トリメチロールプロパンをアミノ化させる工程、を含む方法。
【請求項6】
グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンとC−アルキレンオキシドとの前記モル比が1:3〜1:6の範囲である請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記アミノ化工程が、銅、ニッケル又はコバルトを含有する触媒の存在下で行われる請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
触媒の触媒活性材料が水素により還元されるものであって、水素により還元される前の、触媒の触媒活性材料が、アルミニウム、銅、ニッケル及びコバルトの酸素化合物を含み、SnOで計算される錫の酸素化合物の0.2質量%〜5.0質量%の範囲である請求項に記載の方法。
【請求項9】
パーソナルケア、シャンプーまたはボディソープの処方物、ポリウレタンまたはポリ尿素中に、または熱可塑性ポリアミド接着剤として
式(I)のエーテルアミン
【化2】
(式中、
Rは、H又はエチルであり、
kは、0又は1であり、
Aは、C〜C18の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、
Aは、互いに、同一又は異なるものであってもよく、
少なくとも1つのAは、直鎖又は分岐のC−アルキレン基を示し、
x、y及びzの合計は、5〜10の範囲であり、
xは1以上であり、yは1以上であり、zは1以上であり、
ZはNH2又はOHであるが、1分子当たり少なくとも2つのZがNH2である)を使用する方法。
【請求項10】
各Aは、直鎖又は分岐のC−アルキレン基と、C−アルキレン基との組み合わせから構成される請求項9に記載のエーテルアミンの使用方法。
【請求項11】
少なくとも3つのAが、直鎖又は分岐C−アルキレン基を示す請求項9または10に記載のエーテルアミンの使用方法。
【請求項12】
ZがNH2である請求項9〜11のいずれか1項に記載のエーテルアミンの使用方法。
【請求項13】
エポキシ樹脂用の硬化剤又はポリマーの製造中の反応物質として請求項1からのいずれか一項に記載の式(I)のエーテルアミンを使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシル化グリセリン又はトリメチロールプロパンをベースとするエーテルアミンに関し、前記エーテルアミンが少なくとも1種の直鎖又は分岐のC−アルキレン基を含む。
【背景技術】
【0002】
合成繊維からなるイージーケア織物(fabrics)の流行、エネルギーコストの増加、及び洗剤使用者の環境へ関心のため、現在、過去に流行したお湯で洗濯するという方法は、冷水による織物洗濯が優先されている。さらに、多くの市販の洗濯洗剤は、30℃若しくは40℃、又はさらに室温での織物の洗濯に適切であることが宣伝されている。このような低温で、お湯で洗浄したものと比べて同様に満足のいく洗浄を行うために、低温洗剤の要求は特に高い。
【0003】
従来の界面活性剤の洗浄力を向上させるために、洗剤組成物に何かの添加剤を含有して、60℃以下の低温で油しみの除去を向上させることは公知である。
【0004】
また、油しみの除去は困難であるので、織物及び他の汚れた材料から油しみを除去する洗浄組成物は継続的に要求されている。通常、油脂の除去のための従来の洗浄組成物は、白さに対して非常に悪い影響を示す傾向を有する様々なアミン化合物が利用されている。その結果として、織物及び他の汚れた材料から優れた油脂の除去を提供する一方で、クレイ(clay)洗浄に悪い影響を与えない優れたアミン組成物への継続的な要求は、未だに存在している。また、これらのアミン組成物は、好適な毒性プロフィールを有すべきであり、それによって、家庭用に使用することが可能となる。
【0005】
DE 1 643 426 A1は、ポリオキシアルキレンポリアミンの製造方法を開示し、3個〜8個のヒドロキシル基を有するポリアルコールが、C1〜C18アルキレンオキシドと反応されて、その後に触媒の存在下でアミン化される。
【0006】
EP 1 502 913 A1は、触媒の存在下で、ポリオキシアルキレントリオールをアンモニア及び水素と接触させることにより、ポリオキシアルキレントリアミンの製造方法を開示する。該ポリオキシアルキレントリオールは、2個〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を含む。
【0007】
WO 01/76729 A2は、1分子当たり少なくとも2つのアミン基を有する多機能性ポリエーテルアミンを含む組成物に関し、該ポリエーテルアミンが2個〜3個の炭素原子を有するアルキレン基を含む。
【0008】
US 4,609,683は、芳香族のイソシアネートをポリオキシアルキレントリアミン及びイサト酸無水物と反応させることにより製造される準プロポリマー(quasi-propolymer)を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】DE 1 643 426 A1
【特許文献2】EP 1 502 913 A1
【特許文献3】WO 01/76729 A2
【特許文献4】US 4,609,683
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、低温で、換言すれば、30℃以下の温度で、洗剤の洗浄性能を向上させる化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、式(I)のエーテルアミンにより達成され、
【化1】
式中、
Rは、H又はエチルであり、
Kは、0又は1であり、
Aは、C〜C18の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキレン基を示し、
Aは、互いに、同一又は異なるものであってもよく、
少なくとも1つのAが、直鎖又は分岐C−アルキレン基を示し、
x、y及びzの合計は、3〜100の範囲であり、
xは1以上であり、yは1以上であり、zは1以上であり、
ZはNH2又はOHであるが、1分子当たり少なくとも2つのZがNH2であり、
好ましくはZはNH2である。
【0012】
好ましい実施態様において、少なくとも3つのAは、直鎖又は分岐C−アルキレン基である。他の実施態様において、全てのA基は直鎖又は分岐C−アルキレン基である。
【0013】
好ましくは、x、y及びzの合計は、3〜30の範囲、より好ましくは3〜10の範囲、最も好ましくは5〜10の範囲である。
【0014】
式(I)のエーテルアミンは、下記の工程、
a)グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンを、C−アルキレンオキシド、及び、任意に、C〜C18−アルキレンオキシドと反応させる工程、ここで、グリセリンとC−アルキレンオキシドとのモル比が1:3〜1:10の範囲であり、及び、
b)アンモニアにより、アルコキシル化されたグリセリンをアミノ化する工程、
を含む方法により得られる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
アルコキシル化
好ましい実施態様において、グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンと、C〜C18−アルキレンオキシドと、特にブチレンオキシドとのモル比は、1:3〜1:6の範囲である。
【0016】
アルコキシル化トリオールは、グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンとC〜C18−アルキレンオキシドとの反応により得られ、当技術分野で公知の一般的なアルコキシル化手段によって行われる。
【0017】
アルコキシル化グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンは、グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンをアルキレンオキシドと反応させるような公知方法により製造される。好適なアルキレンオキシドは、C〜C18−アルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、デセンオキシド、ドデセンオキシド等である。
【0018】
好ましくは、C〜C18−アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びこれらの混合物である。
【0019】
グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンは、ただ1種のアルキレンオキシド、又は2種以上の異なるアルキレンオキシドの組み合わせと反応される。2種以上の異なるアルキレンオキシドを使用して、もたらされたアルコキシル化は、ブロック(block-wise)構造又はランダム構造で得られる。
【0020】
アルコキシル化反応が行われるグリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンと、C−アルキレンオキシド及び任意にC〜C18−アルキレンオキシドとのモル比は、1:3〜1:10の範囲、好ましくは1:3〜1:6の範囲である。他の実施態様において、アルコキシル化反応が行われるグリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンと、C−アルキレンオキシド及び任意にC〜C18−アルキレンオキシドとのモル比は、1:5〜1:10の範囲である。
【0021】
一般的に、この反応は、水溶液中で、触媒の存在下で、約70℃〜約200℃、好ましくは約80℃〜約160℃の反応温度で行われる。この反応は、約10バール以下、特に8バール以下の圧力で行われる。
【0022】
好適な触媒の例としては、塩基性触媒、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウム、アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウム及びカリウムC〜C−アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、例えば水素化ナトリウム及び水素化カルシウム、並びに、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムが挙げられる。好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、特に水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムである。この塩基の一般的な使用量は、ポリアルキレンイミン及びアルキレンオキシドの合計に基づいて、0.05質量%〜10質量%、特に0.1質量%〜2質量%である。
【0023】
アミン化
アミン化は、銅、ニッケル又はコバルトを含有する触媒の存在下で行われる。
【0024】
水素により還元される前に、触媒の触媒活性材料は、アルミニウム、銅、ニッケル及びコバルトの酸素化合物を含み、錫の酸素化合物(SnOで計算される)の0.2質量%〜5.0質量%の範囲である。
【0025】
一般式(I)によるエーテルアミンは、水素及びニッケル含有の触媒の存在下で、アルコキシル化グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンアモニアによる還元性アミン化により得られる。好適な触媒は、WO 2011/067199 A1、WO2011/067200 A1及びEP0696572 B1に記載される。好ましい触媒は、担持銅、ニッケル又はコバルトを含有する触媒であり、該触媒の触媒活性材料が、水素により還元される前に、アルミニウム、銅、ニッケル及びコバルトの酸素化合物を、錫の酸素化合物(SnOで計算される)の0.2質量%〜5.0質量%の範囲で含む。さらなる好ましい触媒は、担持銅、ニッケル又はコバルトを含有する触媒であり、該触媒の触媒活性材料が、水素により還元される前に、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト及び錫の酸素化合物を、イットリウム、ランタン、セリウム及び/又はハフニウムの酸素化合物(それぞれに、Y、La、Ce及びHfで計算される)の0.2質量%〜5.0質量%の範囲で含む。他の好ましい触媒は、ジルコニウム、銅、ニッケル触媒であり、該触媒活性組成物が、20質量%〜85質量%の酸素含有のジルコニウム化合物(ZrOで計算される)、1質量%〜30質量%の酸素含有の銅化合物(CuOで計算される)、30質量%〜70質量%の酸素含有のニッケル化合物(NiOで計算される)、0.1質量%〜5質量%の酸素含有のアルミニウム及び/又はマンガン化合物(それぞれに、Al及びMnOで計算される)を含む。
【0026】
還元性アミン化工程において、担持触媒も非担持触媒も使用される。担持触媒は、例えば、当技術分野で周知である技術を使用して、既知形態のアルミナ、シリカ、チャコール、カーボン、グラファイト、クレー及びモルデナイト(これらに限定されない)を含む当業者に公知の担体材料上に触媒組成物の金属成分及び分子篩を堆積することにより、担持触媒を提供することができる。触媒が担持される場合、触媒の担体粒子は、幾何学形状、例えば規則又は不規則の球状、タブレット状又はシリンダー状であってもよい。
【0027】
連続モード又は非連続モードで、例えばオートクレーブ、管式反応器又は固定床反応器で行われる。また、該反応器の設計は狭く限定されていない。それへの供給は上昇流又は下降流であってもよく、反応器中の栓流を最適化する反応器中の設計特性は使用される。
【0028】
アミン化の反応条件下で、第2級アミノ官能基又は第3級アミノ官能基を含む副生成物は、生成される可能性がある。第2級アミノは、例えば、完全に又は部分的にアミン化されたジオールを、他の完全に及び/又は部分的にアミン化されたジオールと反応させることにより得られる。第3級アミノは、例えば、第2級アミノを、他の完全に及び/又は部分的にアミン化されたジオールと反応させることにより得られる。
【0029】
アミン化度は、67%〜100%の間、好ましくは85%〜100%である。
【0030】
アミン化度は、合計のアセチル可能な価(AC)と第3級アミン価(tert.AZ)との合計で割られた合計のアミン価(AZ)から計算され、100で乗算される(合計は、AZx100/(AC+tert.AZ)である)。
【0031】
合計のアミン価(AZ)は、DIN 16945によって測定される。
【0032】
合計のアセチル可能な価(AC)は、DIN 53240によって測定される。
【0033】
第2級アミン及び第3級アミンは、ASTM D2074−07によって測定される。
【0034】
ヒドロキシル価は、(合計のアセチル可能な価+第3級アミン価)−合計のアミン価によって測定される。
【0035】
他の好ましい実施態様において、本発明のエーテルアミンは、また、酸とさらに反応される。前記酸は、クエン酸、乳酸、硫酸、メタンスルホン酸、塩化水素、リン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、グルカル酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、オレイン酸、ステアリン酸及びこれらの混合物からなく群から選択される。別の実施態様において、本発明のエーテルアミンは、プロトン化状態で、例えば直鎖のアルキルベンゼンスルホン酸から得られ、対イオンとしての界面活性剤を有してもよい。
【0036】
応用:
本発明のエーテルアミン混合物は、パーソナルケア、特にシャンプー、ボディソープの処方物及び洗浄組成物に使用される。
【0037】
また、それらは、エポキシ樹脂の硬化剤として、又はポリマーの製造中だけでなく、ポリウレタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、ポリアミド中も反応剤として使用される。
【0038】
本発明のエーテルアミンは、汚れた材料から、汚れ、特に油脂の除去にとって有効であることが証明された。また、本発明のエーテルアミンを有する洗浄組成物は、親水性で漂白可能な汚れ、例えばコーヒー、お茶、ワイン又は微粒子用の従来のアミン洗浄組成物と比べて、洗浄の欠点(negatives)がない。さらに、白い織物からの汚れ除去において、本発明のエーテルアミンを有する洗浄組成物は、市販のアミン洗浄組成物が引き起こす白さの欠点を引き起こさない。
【0039】
本発明のエーテルアミンを含む洗浄組成物の他の利点は、冷水洗濯の後の冷水洗浄溶液中で油しみを除去できることである。理論に限定されず、冷水洗浄溶液は、油脂の硬化又は固体化を引き起こし、特に繊維から、油脂を除去しにくくなる効果を有する。しかしながら、式(I)によるエーテルアミン混合物を有する洗浄組成物は、冷水洗浄に使用される場合、驚くほどに有効である。
【0040】
ここで、使用された「洗浄組成物」という用語は、汚れた材料の洗浄に設計された組成物及び処方物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、柔軟剤組成物、繊維強化(fabric enhancing)組成物、繊維消臭(fabric freshening)組成物、洗濯の予洗い、洗濯の前洗い、洗濯の添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯のすすぎ添加剤、洗濯添加剤、後すすぎの繊維処理(post-rinse fabric treatment)、アイロン補助(ironing aid)、単位用量の組成物、遅延処方物(delayed delivery formulation)、液体の食器手洗い組成物、多孔基板又は不織布シートの上又は中に含有される洗剤、自動食器洗浄剤、硬表面洗浄剤、並びに、ここの記載のゆえに当業者にとって明らかである他の好適な形態を含む。このような組成物は、洗濯前の処理又は洗濯後の処理として使用されてもよく、すすぎ又は洗濯運転の洗濯サイクル中に添加されもよく、家庭ケア(homecare)洗浄の応用に使用されでもよい。該洗浄組成物は、液体、粉末、単相若しくは多相の単位用量、ポーチ状(pouch)、タブレット状、ゲル状、ペースト状(paste)、棒状又は薄片状から選択される形態を有してもよい。
【0041】
ここに記載の洗浄組成物は、組成物質量の約0.1質量%〜約10質量%、複数の実施例において、約0.2質量%〜約5質量%、他の実施態様において約0.5質量%〜約3質量%の式Iのエーテルアミンを含んでもよい。



【0042】
界面活性剤系
洗浄組成物は、十分な量の界面活性剤系を含み、所望の洗浄特性を提供する。複数の実施態様において、洗浄組成物は、組成物質量の約1質量%〜約70質量%の界面活性剤系を含む。他の実施態様において、洗浄組成物は、組成物質量の約2質量%〜約60質量%の界面活性剤系を含む。さらなる実施態様において、洗浄組成物は、組成物質量の約5質量%〜約30質量%の界面活性剤系を含む。
【0043】
界面活性剤系は、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、両性界面活性剤(amphoteric surfactants)、両性界面活性剤(ampholytic surfactants)及びこれらの混合物から選択された洗浄界面活性剤(detersive surfactant)を含んでもよい。当該技術分野においてこれらの通常の技術は、洗浄界面活性剤が、洗浄、汚れ除去、又は汚れた材料への洗濯メリットを提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含有すると理解する。
【0044】
補助洗浄の添加剤
また、本発明の洗浄組成物は、補助洗浄の添加剤を含んでもよい。好適な補助洗浄の添加剤は、ビルダー、構造化剤又は増粘剤、粘土汚れ(clay soil)除去/再付着防止剤、高分子防汚剤(polymeric soil release agents)、高分子分散剤、高分子油脂洗浄剤、酵素、酵素安定系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、増白剤、染料、色相剤(hueing agents)、転染抑制剤、錯化剤、発泡抑制剤(suds supressors)、柔軟剤及び香料を含んでもよい。
【0045】
使用方法
本発明は、汚れた材料の洗浄方法を含む。当業者に受け入れられるように、本発明の洗浄組成物は、洗濯前処理用、洗濯洗浄用、家庭ケア用への使用に適する。
【0046】
このような方法は、この限りではなく、少なくとも一部の汚れた材料を整った形態又は洗濯水中に溶解された洗浄組成物と接触する工程、及びその後に任意に、該汚れた材料をすすぐ工程を含む。前記汚れた材料は、任意のすすぎ工程の前に、洗浄工程を受けてもよい。
【0047】
洗濯前処理用への使用において、該方法は、汚れた織物をここに記載される洗浄組成物と接触する工程を含んでもよい。前処理の次に、汚れた織物は、洗濯機で洗濯され、又は他の方法ですすいでもよい。
【0048】
機洗浄方法は、本発明の機洗浄組成物の有効量をその中に溶解又は施された洗濯機中で、洗濯水溶液で、汚れた洗濯物を処理する工程を含んでもよい。洗浄組成物の「有効量」は、約5リットル〜約65リットル体積の洗濯溶液に約20g〜約300gの製品を溶解又は分散される意味である。水温は、約5℃〜約100℃の範囲であってもよい。水と汚れた材料(例えば、繊維)との比は、約1:1〜約20:1であってもよい。本発明の繊維洗濯組成物において、また、使用量のレベルは、汚れ及び染みの種類及び重度だけでなく、洗濯水温、洗濯水の体積、洗濯機の種類(例えば、トップローダー、フロントローダー、トップローダー、垂直軸の日本式全自動洗濯機)にもよって変化する。
【0049】
ここに、洗浄組成物は、低下の洗濯温度で、織物の洗濯に使用される。これらの繊維の洗濯方法は、洗濯洗浄組成物を水に投入して洗濯水溶液を形成する工程、及び前記洗濯水溶液に洗濯織物を入れる工程を含み、前記洗濯水溶液が約0℃〜約30℃、約0℃〜約25℃、又は約0℃〜約15℃の温度を有する。織物は、洗濯洗浄組成物と水と接触する前に、後に、又は同時に、水と接触させてもよい。
【0050】
他の方法は、実施態様の洗浄組成物に含浸させた不織布基板に汚れた材料を接触する工程を含む。ここで使用されるように、「不織布基板」は、好適な基本質量、キャリパー(厚さ)、吸収性及び強度特性を有する任意の従来のファッション不織布シート(fashioned nonwoven sheet)又は織物を含み得る。限定されない好適な市販の不織布基板の例は、DuPontからのSONTARA(登録商標)及びJames River CorpからのPOLYWEB(登録商標)の商品名で販売されるものを含む。
【0051】
手洗い方法、及び半自動洗濯機と手洗いとの組み合わせも含まれる。
【0052】
食器の機洗浄方法
汚れた食器、食卓用食器、銀製食器又は他の台所用具の機洗浄又は手洗い方法は含まれる。1つの機洗浄方法は、本発明に記載の食器の機洗浄組成物の有効量をそれに溶解又は施された水溶液によって汚れた食器、食卓用食器、銀製食器又は他の台所用具を処理する工程を含む。食器の機洗浄組成物の有効量は、約3リットル〜約10リットル体積の洗濯液に約8g〜約60gの製品を溶解又は分散される意味である。
【0053】
1つの手洗い方法は、水を有する容器中に洗浄組成物を溶解する工程、次に食器洗浄液体に汚れた食器、食卓用食器、銀製食器又は他の台所用具を接触する工程、及びその後、汚れた食器、食卓用食器、銀製食器又は他の台所用具を手洗い、拭き又はすすぐ工程を含む。他の手洗い方法は、汚れた食器、食卓用食器、銀製食器又は他の台所用具に洗浄組成物を直接に適用する工程、及びその後に、汚れた食器、食卓用食器、銀製食器又は他の台所用具を手洗い、拭き又はすすぐ工程を含む。複数の実施例において、手洗いの洗浄組成物の有効量は、水に溶解され、約0.5ml〜約20mlである。
【0054】
組成物の包装
ここに記載の洗浄組成物は、紙、ボール紙(cardboard)、プラスチック材料及び任意の好適な薄板で構成されるものを含む任意の好適な容器中に包装される。任意の包装タイプは、ヨーロッパ出願No.94921505.7に記載される。
【0055】
多区画の小袋添加剤
また、ここに記載の洗浄組成物は、多区画の洗浄組成物として包装されてもよい。
【実施例】
【0056】
合成の実施例
実施例において、下記の略記を使用する:
BuOが、ブチレンオキシドであり、
POが、プロピレンオキシドである。
【0057】
実施例1:1モルのグリセリン+3モルのBuO+3モルのPO、アミン化
a)1モルのグリセリン+3モルのBuO+3モルのPO
3.5リットルのオートクレーブ中で、95.0gのグリセリン及び1.0gのカリウムtert.−ブチレートを混合した。該オートクレーブを、窒素で3回浄化して、140℃まで加熱した。90分以内に223.0gのブチレンオキシドを添加した。前記混合物を、140℃で5時間放置して後反応した。その後、179.7gのプロピレンオキシドを、1時間以内に分けて添加した。反応を完成させるために、混合物を、140℃でさらに3時間放置して後反応した。窒素で反応混合物を揮散し、80℃で真空下に揮発性化合物を除去した。4.9gの合成ケイ酸マグネシウム(Macrosorb MP5plus, Ineos Silicas株式会社)を添加して100℃で2時間撹拌して濾過することにより、触媒を除去した。
【0058】
黄色オイル(490.0g、ヒドロキシル価:314.5mgKOH/g)を得た。
【0059】
b)1モルのグリセリン+3モルのBuO+3モルのPO、アミン化
9リットルのオートクレーブ中で、EP0696572B1に記載の200mLの固体触媒の存在下で、350mLの実施例1−aで得たトリオール混合物、1200mLのTHF及び1500gのアンモニアを混合した。その触媒は、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン及びジルコニウムを含有し、3mmx3mmの錠剤の形態であった。窒素でオートクレーブを浄化し、オートクレーブの加熱により反応を開始させた。205℃で前記反応混合物を15時間撹拌し、全部の還元性アミン化工程中の浄化水素により全圧を280バールに維持した。オートクレーブを冷却した後、最終生成物を回収し、濾過し、過剰なアンモニアを発散し、軽いアミン及び水を除去するためにロータリーエバポレーターで揮散した。合計で350g〜400gの低色(low-color)エーテルアミン混合物を回収した。その分析結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例2:1モルのグリセリン+3モルのPO+3モルのBuO、アミン化
a)1モルのグリセリン+3モルのPO+3モルのBuO
3.5リットルのオートクレーブ中に、88.1gのグリセリン及び0.9gのカリウムtert.−ブチレートを混合した。該オートクレーブを、窒素で3回浄化して、140℃まで加熱した。1時間以内に166.6gのプロピレンオキシドを添加した。前記混合物を、140℃で3時間放置して後反応した。その後、206.8gのブチレンオキシドを、1時間以内に分けて添加した。反応を完成させるために、混合物を、140℃でさらに3時間放置して後反応した。窒素で反応混合物を揮散し、80℃で真空下に揮発性化合物を除去した。4.4gのMacrosorb MP5plusを添加して100℃で2時間撹拌して濾過することにより、触媒を除去した。
【0062】
黄色オイル(410.0g、ヒドロキシル価:336.5mgKOH/g)を得た。
【0063】
b)1モルのグリセリン+3モルのPO+3モルのBuO、アミン化
9リットルのオートクレーブ中で、EP0696572B1に記載の200mLの固体触媒の存在下で、350mLの実施例2−aで得たトリオール混合物、1200mLのTHF及び1500gのアンモニアを混合した。その触媒は、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン及びジルコニウムを含有し、3mmx3mmの錠剤の形態であった。窒素でオートクレーブを浄化し、オートクレーブの加熱により反応を開始させた。205℃で前記反応混合物を15時間撹拌し、全部の還元性アミン化工程中の浄化水素により全圧を280バールに維持した。オートクレーブを冷却した後、最終生成物を回収し、濾過し、過剰なアンモニアを発散し、軽いアミン及び水を除去するためにロータリーエバポレーターで揮散した。合計で300g〜350gの低色エーテルアミン混合物を回収した。その分析結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例3:1モルのグリセリン+6モルのBuO、アミン化
a)1モルのグリセリン+6モルのBuO
3.5リットルのオートクレーブ中で、103.4gのグリセリン及び1.2gのカリウムtert.−ブチレートを混合した。該オートクレーブを、窒素で3回浄化して、140℃まで加熱した。2時間以内に485.5gのブチレンオキシドを添加した。反応を完成させるために、混合物を、140℃でさらに7時間放置して後反応した。窒素で反応混合物を揮散し、80℃で真空下に揮発性化合物を除去した。5.9gのMacrosorb MP5plusを添加して100℃で2時間撹拌して濾過することにより、触媒を除去した。
【0066】
黄色オイル(589.0g、ヒドロキシル価:285.0mgKOH/g)を得た。
【0067】
a)グリセリン+6モルのBuO、アミン化
9リットルのオートクレーブ中で、EP0696572B1に記載の200mLの固体触媒の存在下で、500gの実施例3−aで得たトリオール混合物、1200mLのTHF及び1500gのアンモニアを混合した。その触媒は、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン及びジルコニウムを含有し、3mmx3mmの錠剤の形態であった。窒素でオートクレーブを浄化し、オートクレーブの加熱により反応を開始させた。205℃で前記反応混合物を15時間撹拌し、全部の還元性アミン化工程中の浄化水素により全圧を280バールに維持した。オートクレーブを冷却した後、最終生成物を回収し、濾過し、過剰なアンモニアを発散し、軽いアミン及び水を除去するためにロータリーエバポレーターで揮散した。合計で450gの低色エーテルアミン混合物を回収した。その分析結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
実施例4:1モルのグリセリン+4.2モルのPO+1.8モルのBuO、アミン化
a)1モルのグリセリン+4.2モルのPO+1.8モルのBuO
3.5リットルのオートクレーブ中で、88.9gのグリセリン及び0.9gのカリウムtert.−ブチレートを混合した。該オートクレーブを、窒素で3回浄化して、140℃まで加熱した。1.5時間以内に235.4gのプロピレンオキシドを添加した。前記混合物を、140℃で3時間放置して後反応した。その後、125.2gのブチレンオキシドを、1時間以内に分けて添加した。反応を完成させるために、混合物を、140℃でさらに5時間放置して後反応した。窒素で反応混合物を揮散し、80℃で真空下に揮発性化合物を除去した。4.7gのMacrosorb MP5plusを添加して100℃で2時間撹拌して濾過することにより、触媒を除去した。
【0070】
黄色オイル(470.0g、ヒドロキシル価:312.1mgKOH/g)を得た。
【0071】
b)1モルのグリセリン+4.2モルのPO+1.8モルのBuO、アミン化
9リットルのオートクレーブ中で、EP0696572B1に記載の200mLの固体触媒の存在下で、350mLの実施例4−aで得たトリオール混合物、1200mLのTHF及び1500gのアンモニアを混合した。その触媒は、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン及びジルコニウムを含有し、3mmx3mmの錠剤の形態であった。窒素でオートクレーブを浄化し、オートクレーブの加熱により反応を開始させた。205℃で前記反応混合物を15時間撹拌し、全部の還元性アミン化工程中の浄化水素により全圧を280バールに維持した。オートクレーブを冷却した後、最終生成物を回収し、濾過し、過剰なアンモニアを発散し、軽いアミン及び水を除去するためにロータリーエバポレーターで揮散した。合計で350g〜400gの低色エーテルアミン混合物を回収した。その分析結果を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】
実施例5(比較例):1モルのグリセリン+6モルのPO、アミン化
a)1モルのグリセリン+6モルのPO
2リットルのオートクレーブ中で、276.3gのグリセリン及び2.6gのカリウムtert.−ブチレートを混合した。該オートクレーブを、窒素で3回浄化して、140℃まで加熱した。10時間以内に1044.0gのプロピレンオキシドを添加した。140℃で9.5時間混合物を放置して後反応した。窒素で反応混合物を揮散し、80℃で真空下に揮発性化合物を除去した。21.1gのMacrosorb MP5plusを添加して100℃で2時間撹拌して濾過することにより、触媒を除去した。
【0074】
淡黄色オイル(1300.0g、ヒドロキシル価:320.2mgKOH/g)を得た。
【0075】
b)1モルのグリセリン+6モルのPO、アミン化
9リットルのオートクレーブ中で、EP0696572B1に記載の200mLの固体触媒の存在下で、750mLの実施例5−aで得たトリオール混合物、1000mLのTHF及び1500gのアンモニアを混合した。その触媒は、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン及びジルコニウムを含有し、3mmx3mmの錠剤の形態であった。窒素でオートクレーブを浄化し、オートクレーブの加熱により反応を開始させた。205℃で前記反応混合物を15時間撹拌し、全部の還元性アミン化工程中の浄化水素により全圧を250バールに維持した。オートクレーブを冷却した後、最終生成物を回収し、濾過し、過剰なアンモニアを発散し、軽いアミン及び水を除去するためにロータリーエバポレーターで揮散した。720gの低色エーテルアミン混合物を回収した。その分析結果を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】
洗濯洗剤の添加剤としての使用
牛の脂肪、豚の脂肪、ソーセージの脂肪、ベーコンの油脂及びAnchorのバターを含む青いニット綿の工業汚れ見本を、Warwick Equest株式会社から購入し、加熱しないで(18℃で洗濯する)59分の洗濯サイクルを選択し、1.25gのエーテルアミン添加剤と一緒に、又はそれを用いないで、75gの液体洗剤組成物LA1(表8)を使用し、塩酸を用いてエーテルアミンの添加の後にpHを再調整して、従来の西欧の洗濯機(Miele Waschmaschine Softronic W 2241)で洗濯した。水の硬度は2.5mM(Ca2+:Mg2+が3:1であった)であった。標準の測色測定を使用して、洗濯の前後に、それぞれの汚れに対して、L*、a*及びb*の値を求めた。L*、a*及びb*の値により、汚れのレベルを計算した。
【0078】
見本から汚れの除去は、下記の式に従って計算した:
汚れ除去指数(SRI)=(ΔE−ΔE)*100/ΔE
ΔEは、洗浄前の汚れレベルであり、
ΔEは、洗浄後の汚れレベルである。
【0079】
それぞれの汚れタイプは、6回再現した。下記のものは平均値である。汚れレベルは繊維上の油脂の量に対応する。洗浄前の繊維の汚れレベル(ΔE)は高く、洗濯工程中に汚れは除去され、洗浄後の汚れレベル(ΔE)は低い。汚れがより良く除去される場合、ΔEの値はより低く、ΔEの値とΔEの値との差はより大きい。したがって、よりよい洗濯性能と共に、汚れ除去指数の値は増大する。
【0080】
【表6】
【0081】
は、Northfield Illinois, USAにより提供され、C11〜C12の平均芳香族炭素鎖長を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0082】
AE3Sは、Stepan,Northfield,Illinois,USAにより提供され、C12〜C15のアルキルエトキシ(3)硫酸塩である。
【0083】
AE9は、Huntsman,Salt LakeCity,Utah,USAにより提供され、9の平均エトキシ化度を有するC12〜C14のアルコールエトキシレーである。
【0084】
NI45−7は、Huntsman,Salt LakeCity,Utah,USAにより提供され、7の平均エトキシ化度を有するC14〜C15のアルコールエトキシレートである。
【0085】
ランダムグラフトの共重合体は、ポリエチレンオキシド主鎖及び複数のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシド共重合体である。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの質量比は約40:60、且つ50エチレンオキシドユニット当たり1以下のグラフト化点である。
【0086】
は、一般構造のビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)−N+−CxH2x−N+−(CH3)−ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(式中、nが20〜30であり、xが3〜8である)、又はそれらの硫酸化若しくはスルホン酸化の変形を有する化合物である。
【0087】
は、1個の−NH基当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
【0088】
プロテアーゼは、Genencor International,Palo Alto,California,USA(例えば、Purafect Prime(登録商標))、又はNovozymes,Bagsvaerd,Denmark(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標))により提供されてもよい。
【0089】
Natalase(登録商標)及びMannaway(登録商標)は、全てNovozymes,Bagsvaerd,Denmarkの製品である。
【0090】
10好適な錯化剤は、Dow Chemical,Midland,Michigan,USAにより提供されたジエチレンテトラアミンペンタ酢酸(DTPA)、又はSolutia,St Louis,Missouri,USAにより提供されたヒドロキシエタンジホスホン酸塩(HEDP)若しくはジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン)酸である。
【0091】
11蛍光増白剤1はTinopal(登録商標)AMSであり、蛍光増白剤2はCiba Specialty Chemicals,Basel,Switzerlandにより提供された。
【0092】
【表7】
【0093】
Aは、さらなるエーテルアミン添加剤を有しない液体洗剤組成物LA1(表8)である。
【0094】
Bは、実施例1(1モルのグリセリン+3モルのBuO+3モルのPO、アミン化)に記載のエーテルアミンを有する液体洗剤組成物LA1(表8)である。
【0095】
Cは、実施例3(1モルのグリセリン+6モルのBuO、アミン化)に記載のエーテルアミンを有する液体洗剤組成物LA1(表8)である。
【0096】
Dは、比較例の実施例5(1モルのグリセリン+6モルのPO、アミン化)に記載のエーテルアミンを有する液体洗剤組成物LA1(表8)である。
【0097】
テスト中の全部の3種のエーテルアミンは、6:1のアルキレンオキシド:グリセロールの分子比を有する。全部の5種の油脂汚れに対して、ブチレンオキシドを含有しないエーテルアミン(D)及びエーテルアミンを含有しない液体洗剤組成物(A)と比べると、ブチレンオキシドを含有するエーテルアミン(B及びC)は、優れた洗浄効果を示す。