【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
測定条件
・測定:高速液体クロマトグラフィー
・移動相 A液:0.1%リン酸水溶液、B液:アセトニトリル
・カラム:SUMIPAX(登録商標) ODS Z-CLUE(住化分析センター製)
内径4.6mm、長さ100mm、粒子径3μm
・カラム温度:40℃
・流速:1.0 mL/min
・UV波長:250 nm
・注入量:10μl
・内部標準物質 アセトアニリド
・タイムプログラム
【0043】
実施例1−1
2−アミノフェノール45.9mmol(5g)と35%塩酸25gと水25gとを窒素雰囲気下、氷水浴で冷却しながら混合した。この混合物に、亜硝酸ナトリウム45.9mmol(3.17g)と水2.5gとの混合物を滴下した後、氷水浴で冷却しながら30分間撹拌した。次にアジ化ナトリウム55.0mmol(3.58g)を加えた後に氷水浴を外して1時間撹拌し、高速液体クロマトグラフィーにより原料である2−アミノフェノールの消失を確認した。
【0044】
反応混合物を、1回あたり50gの酢酸エチルを用いて抽出し、これを3回繰り返し、得られた有機層を合わせて減圧濃縮したのちにカラム精製することにより、2−アジドフェノールを3.44g(収率55%)得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.9-7.0(m,2H), 7.0-7.1(m, 2H), 7.70(s, 1H)、
MS(FD) m/z=135
実施例1−2
トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム0.5mmol(0.078g)、2−アジドフェノール0.25mmol(0.034g)及び98%硫酸0.1mLをエタノール1mLに加え100℃で3時間加熱、撹拌を行った。高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールが収率33%で生成していることを確認した。
実施例1−3
下記[表1]に記載の溶媒、スルフィン酸塩及びプロトン酸を用い、実施例1−2に記載の方法に準じて反応を行った。結果を以下に示す。
【0045】
なお、本明細書の表において、CF
3S(O)ONaはトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムを表し、CF
3S(O)OKはトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムを表し、(CF
3S(O)O)
2Znはビス(トリフルオロメタンスルフィン酸)亜鉛を表す。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例2
窒素雰囲気下で2−アジドフェノール7.40mmol(1.0g)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム8.14mmol(1.27g)及びメタンスルホン酸16.3mmol(1.57g)を1,2−ジメトキシエタン10gに加え、90℃で6時間撹拌した。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は69%であった。
【0048】
反応混合物を室温まで冷却後、反応混合物に水20gとtert−ブチルメチルエーテル20gとを加えて抽出操作を行い、分取した有機層を減圧濃縮することで、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールを1.70g得た。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は66%であった。
実施例3
2−アミノフェノール22.9mmol(2.5g)と35%塩酸5.0gと水20gとを窒素雰囲気下、氷水浴で冷却しながら混合した。この混合物に、亜硝酸ナトリウム25.2mmol(1.74g)と水2.5gとの混合物を滴下してから、氷水浴で冷却しながら30分間撹拌した。次に、アジ化ナトリウム27.5mmol(1.79g)を加えた後に氷水浴を外して1時間撹拌した。
【0049】
反応混合物に酢酸エチル20gを加えて抽出操作を行い、分取した有機層を減圧濃縮することで、2−アジドフェノールを得た。
【0050】
上記で得られた2−アジドフェノール全量を1,2−ジメトキシエタン25gに溶解させた後に、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム22.9mmol(3.58g)及びメタンスルホン酸45.9mmol(4.41g)を混合した液を加え、90℃で6時間撹拌した。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は60%であった。
【0051】
反応混合物を室温まで冷却後、水100gと酢酸エチル100gとを加えて抽出操作を行い、分取した有機層を減圧濃縮することで、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールを5.03g得た。
これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は59%(2−アミノフェノール基準)であった。
実施例4
2−アミノフェノール22.9mmol(2.5g)と35%塩酸5.0gと水20gとを窒素雰囲気下、氷水浴で冷却しながら混合した。この混合物に、亜硝酸ナトリウム25.2mmol(1.74g)と水2.5gとの混合物を滴下してから、氷冷しながら30分間撹拌した後、アジ化ナトリウム27.5mmol(1.79g)を加えてから1時間撹拌した。
【0052】
反応混合物に酢酸エチル20gを加えて抽出操作を行い、分取した有機層を減圧濃縮することで、2−アジドフェノールを得た。
【0053】
トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム22.9mmol(3.58g)及びメタンスルホン酸45.9mmol(4.41g)を1,2−ジメトキシエタン15gに加えて90℃に昇温した後に、上記で得られた2−アジドフェノール全量と1,2−ジメトキシエタン10gとの混合物を6時間かけて滴下した。
【0054】
滴下終了後、反応混合物を室温まで冷却後、水100gと酢酸エチル100gとを加えて抽出操作を行い、分取した有機層を減圧濃縮することで、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールを6.28g得た。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は57%(2−アミノフェノール基準)であった。
実施例5
2−アミノフェノール183.2mmol(20.00g)と35%塩酸40.86gと水100.00gとを窒素雰囲気下で混合し、−2℃に冷却した。この混合物に、40%亜硝酸ナトリウム水溶液32.88gを2時間かけて滴下した後、−2℃で30分間撹拌した。次に、反応混合物にメチルイソブチルケトン40.00gを加えて混合し、28%アジ化ナトリウム水溶液46.81gを3時間かけて滴下した後、−2℃で1時間撹拌した。反応終了後、分液することで、2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を67.08gを得た。
【0055】
トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム25.9mmol(4.06g)とメチルイソブチルケトン17.51gとを窒素雰囲気下で混合し、そこへ、メタンスルホン酸26.9mmol(2.59g)を滴下した。この混合物を40℃になるまで昇温した後、上記で得られた2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液67.08gのうち9.50gとメタンスルホン酸51.5mmol(4.95g)とを5時間かけて同時に滴下した。
【0056】
滴下終了後、反応混合物を40℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、8%水酸化ナトリウム水溶液29.14gを加えて洗浄操作を行った。分液することで、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を得た。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は69%(2−アジドフェノール基準)であった。
実施例6
2−アミノフェノール274.9mmol(30.00g)と35%塩酸61.28gと水150.00gとを窒素雰囲気下で混合し、−2℃に冷却した。この混合物に、40%亜硝酸ナトリウム水溶液49.32gを2時間かけて滴下した後、−2℃で30分間撹拌した。
【0057】
反応混合物にメチルイソブチルケトン60.00gを加えて混合し、28%アジ化ナトリウム水溶液70.21gを3時間かけて滴下した後、−2℃で1時間撹拌した。反応終了後、分液することで、2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を98.64g得た。
【0058】
次に、上記で得られた2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液にメチルイソブチルケトン45.00gを加え、留出液の重量が45.00gとなるまで、減圧条件下で溶媒留去を行うことで、脱水処理を行った2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を98.64g得た。
【0059】
トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム5.55mmol(0.87g)、無水硫酸マグネシウム0.31mmol(37.5mg)及びメチルイソブチルケトン3.75gを窒素雰囲気下で混合し、そこへ、メタンスルホン酸5.55mmol(0.53g)を滴下した。この混合物を40℃になるまで昇温した後、前記の脱水処理を行った2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液98.64gのうち1.99gとメタンスルホン酸11.1mmol(1.07g)とを5時間かけて同時に滴下した。
【0060】
滴下終了後、反応混合物を40℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、8%水酸化ナトリウム水溶液5.58gを加えて洗浄操作を行った。分液することで、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を得た。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は81%(2−アジドフェノール基準)であった。
実施例7
2−アミノフェノール229.1mmol(25.00g)と35%塩酸51.07gと水125.00gとを窒素雰囲気下で混合し、−2℃に冷却した。この混合物に、40%亜硝酸ナトリウム水溶液41.10gを2時間かけて滴下した後、−2℃で30分間撹拌した。
【0061】
反応混合物にメチルイソブチルケトン50.00gを加えて混合し、28%アジ化ナトリウム水溶液58.51gを3時間かけて滴下した後、−2℃で1時間撹拌した。反応終了後、分液することで、2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を82.42g得た。
【0062】
次に、上記で得られた2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液にメチルイソブチルケトン37.50gを加え、留出液の重量が37.50gとなるまで、減圧条件下で溶媒留去を行うことで、脱水処理を行った2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を82.42g得た。
【0063】
トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム148.0mmol(23.10g)と無水硫酸マグネシウム8.3mmol(1.00g)とメチルイソブチルケトン100.0gとを窒素雰囲気下で混合し、そこへ、メタンスルホン酸148.0mmol(14.22g)を滴下した。この混合物を40℃になるまで昇温した後、前記の脱水処理を行った2−アジドフェノールのメチルイソブチルケトン溶液82.42gのうち53.25gとメタンスルホン酸296.0mmol(28.45g)とを5時間かけて同時に滴下した。
【0064】
滴下終了後、反応混合物を40℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却し、8%水酸化ナトリウム水溶液148.01gを加えて洗浄し、分液することで、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液を210.60g得た。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は76%(2−アジドフェノール基準)であった。
【0065】
得られた2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールのメチルイソブチルケトン溶液38.82gを減圧濃縮してメチルイソブチルケトンを留去した。残渣に水7.50g及びメタノール7.50gを加え、活性炭による吸着処理を行った後、減圧条件下で溶媒を留去した後、水10.00g及びメタノール5.00gを加えて冷却晶析を行い、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールを4.75g得た。これを一部採取して高速液体クロマトグラフィーによる内部標準分析法にて分析したところ、2−アミノ−4−トリフルオロメタンスルホニルフェノールの収率は72%(2−アジドフェノール基準)であった。