【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の参考例の破壊検査方法は、上下方向に長尺の構造物の内部空間で撮像手段を昇降させ、前記撮像手段で前記構造物の内周面の画像を撮像し、前記画像に基づき前記構造物を検査することを特徴とする。
【0009】
これにより、構造物の内部空間で撮像手段を昇降させ、撮像手段で構造物の内周面の画像を撮像し、画像に基づき構造物の状態を検査するので、コンクリート柱等、閉じられた空間を有する構造物において構造物の内周面の画像情報に基づき構造物の状態を検査することができる。
【0010】
また
、風船の浮力により前記風船と一体に昇降することを特徴とする。
【0011】
これにより、風船を用いることで、簡単に撮像手段を一体に昇降させることができる。
【0012】
また
、気体の供給口となる首部が、前記構造物の外周に設けた狭隘な挿入口の前記構造物の厚さ方向の寸法よりも長い、萎んだ風船を、前記首部の気体充填口となる開口を外部に臨ませた状態で、前記挿入口を介して前記構造物の内部空間に挿入する挿入工程と、前記構造物の内部空間に挿入した風船に、前記首部を介して周囲の気体よりも比重が小さい気体を充填する気体充填工程と、前記気体が充填されて膨らんだ風船を、前記撮像手段とともに前記構造物の内部空間を上昇させる上昇工程と、前記風船を前記内部空間の上部位置まで上昇させた後、前記風船を下降させる下降工程と、前記上昇工程または下降工程の少なくともいずれか一方の工程において前記撮像手段を介して前記構造物の内周面の画像を撮像する撮像工程とを有することを特徴とする。
【0013】
これにより、風船に浮力を与えて構造物の内部空間を昇降させることができる。そして、風船の昇降に伴い、撮像手段で構造物の内周面の画像情報を得ることができるので、その状態、すなわち内周面の亀裂、ひび割れ等の状態を的確に検査することができる。
【0014】
また
、前記下降工程は、前記風船に連結された紐を引くことにより、前記撮像手段とともに前記風船を浮力に抗して下降させることを特徴とする。
【0015】
これにより、紐を引くことにより風船を確実に下降させて下降時に撮像手段で構造物の内周面の画像情報を得ることができる。紐を引く場合、作業員が撮像状況に応じて紐を引くことができ、作業員が紐を引くことで、内周面の状態を確実に撮像することができる。また、巻き取り手段などにより紐を機械的に引くことも可能である。
【0016】
また
、前記下降工程は、膨らんだ前記風船から内部の気体を徐々に抜くことにより、浮力を低下させて前記撮像手段とともに前記風船を下降させることを特徴とする。
【0017】
これにより、風船から気体を抜くことで風船を下降させるので、人手や機械的手段を介すことなく、時間の経過と共に自動的に風船を下降させて下降時に撮像手段で構造物の内周面の画像情報を得ることができる。このため、撮影時にその場に居る必要がなく、所定の時間が経過した後に回収することで、効率的な検査を行うことができる。特に、多数の構造物に対して検査を行う場合、複数の装置を用意し、自動撮影を終了した後に装置を纏めて回収することで、非常に効率の良い検査を行うことができる。
【0018】
気体を抜く場合、絞り弁や気体流通量が制御できる弁部材を用いることができる。また、風船の素材として、適切なガス透過度を有するゴムや樹脂フィルムを適用することで、特別な機構を設けることなく時間の経過と共に風船から気体を抜くことができる。また、アルミを蒸着した風船を用い、蒸着を一部欠落させて欠落部位から気体を抜くこともできる。
【0019】
また
、前記上昇工程に先立ち前記内部空間に、前記風船に充填する気体よりも比重が大きい気体を充填するとともに、前記気体充填工程では、前記内部空間に充填した気体よりも比重が小さい気体を充填することを特徴とする。
【0020】
これにより、風船に対してより大きな浮力を発生させることができ、撮像手段等の付属品とともに風船を良好に浮上させることができる。
【0021】
また
、前記挿入工程に先立ち前記挿入口に、前記内部空間の上方に向くように傾斜する傾斜面を有するガイドを前記挿入口に装着し、前記ガイドを介して前記風船を前記内部空間に挿入することを特徴とする。
【0022】
これにより、風船は、その軸方向が内部空間の上方に向いた状態で挿入されるので、風船が長尺になっても内部空間の内周面間に引っかかることなく良好に上昇させることができる。ちなみに、構造物の内径で規制される風船の径を考慮して必要な浮力を検討した場合、風船の長さは70cm以上に達する場合も考えられる。
【0023】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の構造物の非破壊検査方法は、
上下方向に長尺の構造物の内部空間で撮像手段を昇降させ、前記撮像手段で前記構造物の内周面の画像を撮像し、前記画像に基づき前記構造物を検査する方法であり、前記撮像手段は、ローターの回転による揚力により昇降する飛翔体と共に昇降するものであり、回転軸の先端部の軸周りに分散させて配設され、基端部が前記回転軸に対しヒンジ部を介して回動可能に支持されて折り畳み可能となっている複数枚のローターを有する飛翔体の、前記ローターを折り畳むとともに、前記飛翔体の下端部に紐を結束した状態で、上下方向に長尺の前記構造物の外周面に設けた狭隘な挿入口を介して前記飛翔体を前記構造物の内部空間に挿入する挿入工程と、前記構造物の内部空間に挿入した後、回転手段を回転させて揚力を得ることにより前記飛翔体を、前記構造物の内部空間で昇降させる昇降工程と、前記昇降工程における上昇工程または下降工程の少なくともいずれか一方において前記撮像手段を介して前記構造物の内周面の画像を撮像する撮像工程とを有することを特徴とする。
【0024】
請求項1に係る本発明では、
構造物の内部空間で撮像手段を昇降させ、撮像手段で構造物の内周面の画像を撮像し、画像に基づき構造物の状態を検査するので、コンクリート柱等、閉じられた空間を有する構造物において構造物の内周面の画像情報に基づき構造物の状態を検査することができ、ローターの回転による揚力により昇降する飛翔体を用いて撮像手段を昇降させることができ、ローターを用いることでコンパクトな機構で揚力を得ることができる。
そして、ローターを折り畳むことができるので、狭隘な挿入口を介しても飛翔体を構造物の内部空間に良好に挿入することができ、挿入後にはローターを回転させることでヒンジ部を介して回動するローターを揚力により開かせることができる。この結果、飛翔体を内部空間で昇降させることができる。
【0025】
また、
請求項2に係る本発明の構造物の非破壊検査方法は、
請求項1に記載する構造物の非破壊検査方法において、前記挿入口には、先端が前記内部空間の中心部に位置するよう外部から前記挿入口にガイドを挿入しておき、前記ローターを折り畳んだ状態の飛翔体は、前記ガイドで下方から支持し、中心部に案内して前記内部空間に挿入することを特徴とする。
【0026】
請求項2に係る本発明では、飛翔体を構造物の中心軸近傍に位置させることができ、ローターと構造物の内周面との接触等を回避し、飛翔体のその後の上昇を良好に行わせることができる。
【0027】
また、
請求項3に係る本発明の構造物の非破壊検査方法は、
請求項1もしくは請求項2に記載の構造物の非破壊検査方法において、前記挿入工程においては、前記回転軸の先端に紐付きの電磁石を吸着させた状態で外部から飛翔体を前記内部空間に挿入するとともに、前記回転軸を起立させた状態で前記回転手段により前記ローターを回転させて所定の揚力を得て、その後前記電磁石の励磁を解除して前記電磁石を前記回転軸から取外すことを特徴とする。
【0028】
請求項3に係る本発明では、紐および電磁石を介して飛翔体を上昇時の最適な姿勢で吊下げ保持することができ、しかもかかる姿勢でローターにより揚力を発生させることができるばかりでなく、適当な揚力が得られた時点で電磁石の励磁を解除して紐による飛翔体の拘束を解除することができる。この結果、飛翔体の上昇動作が担保される。
【0029】
また、請求項4に係る本発明の構造物の非破壊検査方法は、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の構造物の非破壊検査方法において、前記構造物は、円筒状のコンクリートの筒部に、軸方向に延びる長尺の鉄筋が一体に配された円筒状のコンクリート柱であり、前記撮像手段は、赤外線撮像手段であり、前記コンクリート柱の内周面の少なくとも温度の分布の情報を検出することを特徴とする。
【0030】
請求項4に係る本発明では、コンクリート柱の温度の分布に基づいて、鉄筋の破断等の状態を的確に検査することができる。尚、ここで温度の分布は、赤外線画像に基づく熱分布、赤外線画像の熱分布から得られる温度分布である。
【0031】
また、
請求項5に係る本発明の構造物の非破壊検査方法は、
請求項4に記載する構造物の非破壊検査方法において、前記コンクリート柱の周囲に巻回したコイルを利用した誘導加熱手段で前記鉄筋を加熱することを特徴とする。
【0032】
請求項5に係る本発明では、コンクリート柱の鉄筋を選択的に加熱することができるので、赤外線画像により鉄筋破断等の状態をより明確に表示することができる。この結果、鉄筋破断等の状態をさらに的確に検査することができる。
【0033】
また
、参考例において、前記撮像手段は、風船の浮力により中性浮力が得られ、ローターの回転による揚力により昇降する飛翔体と共に昇降することを特徴とする。
【0034】
これにより、風船の浮力により中性浮力が保たれた状態の飛翔体をローターの回転による揚力により昇降させるので、飛翔体(撮像手段)を安定して昇降させることができる。
【0035】
本発明の他の参考例に係る構造物の非破壊検査システムは、上下方向に長尺の構造物の内部空間を、風船を昇降させ、前記風船と一体的に昇降する撮像手段で前記構造物の内周面の画像を撮像し、前記画像に基づき検査する構造物の非破壊検査システムであって、気体の供給口となる首部が、前記構造物の外周に設けた狭隘な挿入口の前記構造物の厚さ方向の寸法よりも長く、萎んだ状態で前記首部の気体充填口となる開口を前記構造物の外部に臨ませて前記挿入口から前記内部空間に挿入し得る風船と、前記風船に浮力を与える気体を、前記構造物の外部から充填する気体充填手段と、前記風船と一体的に昇降されて前記構造物の内周面の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像を表す画像信号を送出するデータ送信機と、前記画像信号を受信するデータ受信機とを有することを特徴とする。
【0036】
これにより、風船に浮力を与えて構造物の内部空間を昇降させることができる。そして、風船の昇降に伴い、撮像手段で構造物の内周面の画像情報を得ることができるので、その状態、すなわち内周面の亀裂、ひび割れ等の状態を的確に検査することができる。この際、データの送受信により、リアルタイムで構造物の内周面の状態を検査することができる。撮像手段を風船で昇降させるため、データの送受信は無線通信で行うことが好ましい。無線通信でデータの送受信を行うことにより、浮力がばらついても安定したデータの送受信を行うことができる。尚、データの送受信は有線通信で行うことも可能である。
【0037】
そして
、前記風船を下降させる下降手段を備え、前記下降手段は、前記風船に連結された紐であり、前記紐を引くことにより前記風船を下降させることを特徴とする。
【0038】
これにより、紐を引くことにより風船を確実に下降させて下降時に撮像手段で構造物の内周面の画像情報を得ることができる。紐を引く場合、作業員が撮像状況に応じて紐を引くことができ、作業員が紐を引くことで、内周面の状態を確実に撮像することができる。また、巻き取り手段などにより紐を機械的に引くことも可能である。
【0039】
また
、前記風船を下降させる下降手段を備え、前記下降手段は、前記風船から気体を抜く気体放出手段であり、前記気体放出手段により前記風船の気体を抜くことにより前記風船を下降させることを特徴とする。
【0040】
これにより、気体放出手段により風船から気体を抜くことで風船を下降させるので、人手や機械的手段を介すことなく、時間の経過と共に自動的に風船を下降させて下降時に撮像手段で構造物の内周面の画像情報を得ることができる。このため、撮影時にその場に居る必要がなく、所定の時間が経過した後に回収することで、効率的な検査を行うことができる。特に、多数の構造物に対して検査を行う場合、複数の装置を用意し、自動撮影を終了した後に装置を纏めて回収することで、非常に効率の良い検査を行うことができる。
【0041】
気体放出手段としては、絞り弁や気体流通量が制御できる弁部材を設けることができる。また、風船の素材として適切なガス透過度を有するゴムや樹脂フィルムを適用することで、特別な機構を設けることなく時間の経過と共に風船から気体を抜くことができる。また、アルミを蒸着した風船を用い、蒸着を一部欠落させて欠落部位から気体が抜ける構造を採用することができる。
【0042】
また
、先端が前記内部空間の上方に向くように傾斜する傾斜面を有するガイドを前記挿入口に着脱可能に装着したことを特徴とする。
【0043】
これにより、風船は、その軸方向が内部空間の上方に向いた状態で挿入することができるので、風船が長尺になっても内部空間の内周面間に引っかかることなく良好に上昇させることができる。
【0044】
上記目的を達成するための
請求項6に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、ローターの回転により得る揚力を利用して昇降する飛翔体に連結した撮像手段で撮像した構造物の内周面の画像に基づき検査する構造物の非破壊検査システムであって、回転軸の軸周りに分散させて配設されることにより前記回転軸の回転により一体的に回転されるとともに、基端部がヒンジ部を介して前記回転軸に回動可能に支持されて折り畳み可能に形成されているローターを有し、前記ローターを折り畳んだ状態で前記構造物の内部空間に挿入し得るとともに、前記内部空間に挿入した状態で回転駆動手段を介して前記ローターを回転駆動することにより発生する浮力で前記内部空間を昇降する飛翔体と、前記飛翔体の下端部に結束された紐と、前記飛翔体に一体的に装着された受信機と、該受信機に前記回転駆動手段の所定の制御のための制御信号を供給する外部の送信機とを介して前記回転駆動手段を外部から制御する制御手段と、前記飛翔体と一体的に昇降して前記内周面の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像を表す画像信号を送出するデータ送信機と、前記画像信号を受信するデータ受信機とを有することを特徴とする。
【0045】
請求項6に係る本発明では、ローターを折り畳むことができるので、狭隘な挿入口を介しても飛翔体を構造物の内部空間に良好に挿入することができ、挿入後にはローターを回転させることでヒンジ部を介して回動するローターを揚力により開かせることができる。この結果、飛翔体を内部空間で昇降させることができる。この際、データの送受信により、リアルタイムで構造物の内周面の状態を検査することができる。撮像手段をローターの揚力で昇降させるため、十分な昇降力が得られるので、データの送受信は有線通信で行うことができる。尚、データの送受信は無線通信で行うことも可能である。
【0046】
そして、
請求項7に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項6に記載の構造物の非破壊検査システムにおいて、前記回転軸を介して飛翔体を磁力により吸着する電磁石と、前記電磁石に接続された給電用の導線を兼用する紐または給電用の導線と紐とを別々に有することを特徴とする。
【0047】
請求項7に係る本発明では、電磁石を介して構造物の内部空間に挿入された飛翔体の姿勢を紐で吊下げることにより上昇に最適な起立した状態とすることができ、所定の揚力が得られた時点で電磁石の磁力を解除することで良好に上昇させることができる。
【0048】
また、
請求項8に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項6もしくは請求項7に記載の構造物の非破壊検査システムにおいて、前記ローターは、前記回転軸の軸方向の上下の各部位に配設された二重反転ローターで構成されていることを特徴とする。
【0049】
請求項8に係る本発明では、ローターの一方で発生する回転方向のトルクをローターの他方で発生する回転方向のトルクで打ち消すことにより安定した姿勢で昇降させることができる。
【0050】
また、
請求項9に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の構造物の非破壊検査システムにおいて、前記回転軸は、前記回転駆動手段により直接回転される本体と、該本体と同軸のスプラインにスプライン嵌合されて前記本体の軸方向に移動可能に形成された前記本体と同軸の筒状回転部と、前記軸方向に沿い移動した前記筒状回転部の上端面が当接してその上方位置を規制する上部ストッパーと、前記軸方向に沿い移動した前記筒状回転部の下端面が当接してその下方位置を規制する下部ストッパーとを有するとともに、前記ローターは、前記筒状回転部にヒンジ部を介して取り付けたことを特徴とする。
【0051】
請求項9に係る本発明では、回転軸の回転が停止されている状態ではローターの自重で下降する筒状部材の下降位置を下部ストッパーで規制するとともに、回転軸が回転されている状態ではローターによる揚力により上昇する筒状部材の上昇位置を上部ストッパーで規制することができる。
【0052】
また、
請求項10に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の構造物の非破壊検査システムにおいて、前記回転軸の回転が停止されて前記ヒンジ部から垂下されているローターの先端部が前記回転軸側との間で作用する磁力により前記回転軸側に固着され前記回転軸の回転が開始された場合には前記磁力による固着状態が解除されるようにしたことを特徴とする。
【0053】
請求項10に係る本発明では、ローターの折り畳み状態を磁力でロックすることができるので、挿入口を介した飛翔体の挿入および取り出しを円滑に行うことができる。
【0054】
また、
請求項11に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の構造物の非破壊検査システムにおいて、前記データ送信機およびデータ受信機の代わりに前記撮像手段と一体的に昇降するとともに、前記撮像手段が撮像した画像を表す画像信号を記憶する記憶素子を有することを特徴とする。
【0055】
請求項11に係る本発明では、構造物の内周面の画像は、記憶素子に記憶されているので、風船または飛翔体とともに記憶素子を回収することで撮像した構造物の内周面の画像データを適宜再生することができる。したがって、記憶素子を持ち帰ることで、構造物が存在する現場に限らず、遠隔のラボ等で必要な画像処理等の後処理を行うことができる。
【0056】
また、
請求項12に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の構造物の非破壊検査システムにおいて、前記構造物は、円筒状のコンクリートの筒部に、軸方向に延びる長尺の鉄筋が一体に配された円筒状のコンクリート柱であり、前記撮像手段は、赤外線撮像手段であり、前記コンクリート柱の内周面の少なくとも温度の分布の情報を検出することを特徴とする。
【0057】
請求項12に係る本発明では、温度の分布(熱分布または温度分布)で鉄筋の破断等の状態も的確に検査することができる。
【0058】
また、
請求項13に係る本発明の構造物の非破壊検査システムは、
請求項12に記載する構造物の非破壊検査システムにおいて、前記コンクリート柱の周囲に巻回したコイルおよび該コイルに高周波電流を供給する高周波電源を備えた誘導加熱手段を有することを特徴とする。
【0059】
請求項13に係る本発明では、コンクリート柱の鉄筋を選択的に加熱することができるので、赤外線画像により鉄筋破断等の状態をより明確に表示することができる。この結果、鉄筋破断等の状態をさらに的確に検査し得る。