(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
チャンバのプラズマ処理空間において、その場で圧力を調節する方法であって、前記プラズマ処理空間は、上部電極の表面と、基板サポートの支持表面と、プラズマ密閉構造によって画定される外側領域との間に画定され、前記プラズマ密閉構造は、少なくとも1つの排出口を含み、前記方法は、
前記プラズマ処理空間に少なくとも1種の処理ガスを注入することと、
前記プラズマ処理空間内においてプラズマを発生させることと、
前記プラズマ処理空間内においてプラズマが発生される期間中に圧力を調節することおよび前記プラズマ処理空間に結合された少なくとも1つのRFソースを調節することと、
を備え、
前記圧力を調節することは、
前記少なくとも1つの排出口から前記プラズマ処理空間を出て行く第1の排出流であって、前記少なくとも1つの排出口から出て行く制限された流路を通る第1の排出流、および
前記少なくとも1つの排出口から前記プラズマ処理空間を出て行く第2の排出流であって、前記第1の排出流よりも大きく、前記少なくとも1つの排出口から、前記第1の排出流よりも制限が少ない流路を通って出て行く第2の排出流、
のうちの、少なくとも1つによって制御され、
前記プラズマ密閉構造は、前記少なくとも1つの排出口として、前記プラズマ処理空間を囲む複数の排出口を含み、
前記圧力を調節することは、前記プラズマ処理空間を囲む前記複数の排出口を非対称的かつ指向的に制御することを含む、方法。
チャンバのプラズマ処理空間において、その場で圧力を調節する方法であって、前記プラズマ処理空間は、上部電極の表面と、基板サポートの支持表面と、プラズマ密閉構造によって画定される外側領域との間に画定され、前記プラズマ密閉構造は、少なくとも1つの排出口を含み、前記方法は、
前記プラズマ処理空間に少なくとも1種の処理ガスを注入することと、
前記プラズマ処理空間に結合された少なくとも1つのRFソースからRF電力を供給することと、
前記RF電力および前記少なくとも1種の処理ガスを用いて前記プラズマ処理空間内においてプラズマを発生させることと、
前記プラズマ処理空間の圧力を調節することと、
前記少なくとも1つのRFソースによって供給された前記RF電力を調節することであって、前記圧力および前記RF電力の調節は、前記プラズマが前記プラズマ処理空間内で発生される期間中に互いに同期化され、前記圧力および前記RF電力が互いに同期化される調節は、前記RF電力のパルス状態および前記圧力のパルス状態を画定することと、
を備え、前記圧力の調整は、
前記プラズマ密閉構造によって画定された前記少なくとも1つの排出口から前記プラズマ処理空間を出て行く前記処理ガスの第1の排出流であって、前記少なくとも1つの排出口から出て行く制限された流路である第1の排出流、および
前記プラズマ密閉構造によって画定された前記少なくとも1つの排出口から前記プラズマ処理空間を出て行く前記処理ガスの第2の排出流であって、前記第1の排出流よりも大きく、前記少なくとも1つの排出口から、前記第1の排出流よりも制限が少ない流路を通って出て行く第2の排出流、
のうちの、少なくとも1つによって制御され、
前記プラズマ密閉構造は、前記少なくとも1つの排出口として、前記プラズマ処理空間を囲む複数の排出口を含み、
前記圧力を調節することは、前記プラズマ処理空間を囲む前記複数の排出口を非対称的かつ指向的に制御することを含む、方法。
プラズマ処理空間を有するチャンバにおいて基板を処理する方法であって、前記プラズマ処理空間は、上部電極の表面と、基板サポートの支持表面と、プラズマ密閉構造によって画定される外側領域との間に画定され、前記方法は、
前記プラズマ処理空間に少なくとも1種の処理ガスを注入することと、
前記プラズマ処理空間に結合された少なくとも1つのRFソースからRF電力を供給することと、
前記RF電力および前記少なくとも1種の処理ガスを用いて前記プラズマ処理空間内においてプラズマを発生させることと、
前記プラズマ処理空間の圧力を調節することと、
前記少なくとも1つのRFソースによって供給された前記RF電力を調節することであって、前記圧力および前記RF電力の調節は、前記プラズマが前記プラズマ処理空間内で発生される期間中に互いに同期化されることと、
を備え、
前記プラズマ密閉構造は、前記プラズマ処理空間を囲む複数の排出口を含み、
前記圧力を調節することは、前記プラズマ処理空間を囲む前記複数の排出口を非対称的かつ指向的に制御することを含む、方法。
プラズマ処理空間を有するチャンバにおいて基板を処理する方法であって、前記プラズマ処理空間は、上部電極の表面と、基板サポートの支持表面と、プラズマ密閉構造によって画定される外側領域との間に画定され、前記方法は、
前記プラズマ処理空間に少なくとも1種の処理ガスを注入することと、
前記プラズマ処理空間にRF電力を供給することであって、前記RF電力は、第1の周波数で動作する第1のRFソースおよび第2の周波数で動作する第2のRFソースから供給されることと、
前記RF電力および前記少なくとも1種の処理ガスを用いて前記プラズマ処理空間内においてプラズマを発生させることと、
前記プラズマ処理空間の圧力を調節することと、
前記第1および第2のRFソースによって供給された前記RF電力を調節することであって、前記圧力および前記RF電力の調節は、前記プラズマが前記プラズマ処理空間内で発生される期間中に互いに同期化されることと、
を備え、
前記圧力および前記RF電力が互いに同期化される調節により、前記RF電力のパルス状態および前記圧力のパルス状態が画定され、
前記プラズマ密閉構造は、前記プラズマ処理空間を囲む複数の排出口を含み、
前記圧力を調節することは、前記プラズマ処理空間を囲む前記複数の排出口を非対称的かつ指向的に制御することを含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、添付の図面とあわせてなされる以下の詳細な説明によって、容易に理解される。
【0013】
【
図1】代表的な小ギャッププラズマ処理チャンバの側面の簡易模式図である。
【0014】
【
図2A】本発明の一実施形態にしたがった、小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【
図2B】本発明の一実施形態にしたがった、小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【0015】
【
図3A】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【
図3B】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【
図3C】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【
図3D】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【0016】
【
図3E】本発明の一実施形態にしたがった、コンダクタンス制御構造およびプラズマ密閉構造の詳細な断面図である。
【0017】
【
図3F】本発明の一実施形態にしたがった、コンダクタンス制御構造302およびプラズマ密閉構造の詳細な斜視図である。
【0018】
【
図4A】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【
図4B】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの模式図である。
【0019】
【
図5A】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの簡易断面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの簡易断面図である。
【0020】
【
図5C】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムにおけるプラズマ密閉構造の底側部分、すなわち実質的に水平な部分の一部分の詳細な図である。
【
図5D】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムにおけるプラズマ密閉構造の底側部分、すなわち実質的に水平な部分の一部分の詳細な図である。
【0021】
【
図5E】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの簡易断面図である。
【
図5F】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの簡易断面図である。
【
図5G】本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステムの簡易断面図である。
【0022】
【
図6】本発明の一実施形態にしたがった、コンダクタンス制御構造の分解図である。
【0023】
【
図7】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内において圧力を変動させるにあたって実施される方法動作を示したフローチャートである。
【0024】
【
図8A】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における複数の圧力サイクルを表したグラフである。
【0025】
【
図8B】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における複数の圧力サイクルを表したグラフの一部分の詳細な図である。
【0026】
【
図8C】本発明の実施形態にしたがった、圧力変化率を表したグラフである。
【0027】
【
図9A】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における圧力波の進行を示した図である。
【
図9B】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における圧力波の進行を示した図である。
【
図9C】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における圧力波の進行を示した図である。
【
図9D】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における圧力波の進行を示した図である。
【
図9E】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における圧力波の進行を示した図である。
【
図9F】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における圧力波の進行を示した図である。
【0028】
【
図10】本発明の実施形態にしたがった、イオン束密度およびニュートラル束密度を表したグラフである。
【0029】
【
図11A】先行技術による定圧エッチングプロセスの結果を撮影した一連の写真である。
【0030】
【
図11B】本発明の実施形態にしたがった、定圧エッチングプロセスをパルス圧力エッチングプロセスと比較した図である。
【0031】
【
図12A】本発明の実施形態にしたがった、圧力と側方エッチングとの関係を示したグラフである。
【0032】
【
図12B】本発明の実施形態にしたがった、高アスペクト比コンタクト特徴の簡易模式図である。
【0033】
【
図13】本発明の実施形態にしたがった、コンピュータシステムの簡易模式図である。
【0034】
【
図14A】本発明の実施形態にしたがった、電子、イオン、およびラジカルの崩壊率を表したグラフである。
【0035】
【
図14B】本発明の実施形態にしたがった、圧力パルスおよびRF変調の複数のタイミングシーケンスを表したグラフである。
【0036】
【
図15A】本発明の実施形態にしたがった、ガスのみの調節を示したグラフである。
【0037】
【
図15B】本発明の実施形態にしたがった、ガスおよびRFの調節を示したグラフである。
【0038】
【
図16】本発明の実施形態にしたがった、ガスおよびRFの調節を示したグラフの一部分の詳細な図である。
【0039】
【
図17】本発明の実施形態にしたがった、ガスおよびRFの調節を示したグラフの一部分のさらに詳細な図である。
【0040】
【
図18】本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内において圧力を変動させる、および少なくとも1つのRFソースを調節するにあたって実施される方法動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
プラズマ処理空間内に圧力の急速な変化を引き起こすためにプロセスガスの周縁コンダクタンスを動的に変化させる、および制御するための、システム、方法、および装置の、幾つかの代表的な実施形態が説明される。当業者にならば、本明細書に明記された具体的詳細の一部または全部を伴わなくても本発明が実施されえることが、明らかである。
【0042】
提案される1つのシステムおよび方法は、処理されている表面と、プラズマ密閉構造の上面と、プラズマ密閉構造の外縁との間の空間として画定される小さなプラズマ処理空間を提供する。プラズマ密閉構造の外周部近くにおける、1つ以上の使用場所ガスコンダクタンス制御メカニズムは、処理チャンバ全体の圧力を変化させることによって実現可能であるよりも速い局所的な圧力変化を可能にする。
【0043】
プロセスガスおよび副生成物の周縁コンダクタンスへのガスコンダクタンス変化の導入は、処理されている表面(例えばウエハ表面)の上のプラズマ処理空間内に圧力の急速な変化を生じさせることによって実現することができる。1つのアプローチは、プラズマ処理空間から流れ出るガス(例えばプロセスガスおよびプラズマ副生成物)の速度をコンダクタンス制御リングによって制御する。ウエハの上のプラズマ処理空間内の圧力を変動させるためには、プラズマ密閉構造内の排出口の少なくとも一部分を通る排出流を、実質的に完全に流れが制限された状態と実質的に完全に流れが未制限の状態との間で制限を増すようにまたは制限を減らすように変動させることができる。プラズマ密閉構造内の排出口の制限の増加または減少は、プラズマ密閉構造の周辺部の一連の排出口の近くまたは周りに位置付けられたコンダクタンス制御リングの少なくとも一部分をずらす、移動させる、または回転させることによって実施することができる。
【0044】
コンダクタンスプロフィールは、コンダクタンス制御リングの速度プロフィールをずらす、移動させる、または回転させることによって選択することができる。コンダクタンス制御リングの制御運動は、プラズマ密閉構造の周辺部の排出口に対して直線的または回転性であってよい。コンダクタンス制御リングの制御運動の時間プロフィールは、プラズマ処理空間内において、対応する圧力調節を時間に対して提供することができる。
【0045】
プラズマ処理空間における圧力の変動は、イオン対ニュートラル比、イオンエネルギ、IEDF、およびIADFなどの幾つかのパラメータを変動させるまたは調節することができる。低圧力では、ウエハ表面の上のプラズマシース(電圧降下)に進入するイオンどうしの衝突が少ない。イオン衝突の減少は、プラズマシースにおよび処理されている基板の表面に実質的に垂直な方向にプラズマシースから出て行くイオンを増加させる。その結果、イオン衝突の減少は、処理されている基板の表面に存在する特徴に進入するイオンの指向性を向上させる。
【0046】
さらに、圧力が変化するにつれて、有効プラズマ密度および面積比が変化する。有効プラズマ密度および/または面積比の変化は、イオンエネルギ分布関数(IEDF)も低イオンエネルギ比から高イオンエネルギ比に変化させる。イオンエネルギ分布関数は、プラズマ処理空間内におけるプロセスのプラズマ処理パフォーマンスに作用するように調整することができる。
【0047】
例えば、イオン対ニュートラル束の精密な制御は、エッチング中に優れたマスクプロフィールを維持するために使用される重要な動作パラメータの1つである。エッチング中における優れたマスクプロフィールは、最終的なエッチングプロフィールの質に直接的に影響する。
【0048】
プロセスの化学的状態の変化に伴ってニュートラル束に対するイオンを所望の状態に制御して、次世代エッチングプロセスの要件を満足させるためには、プラズマ処理空間内の高速圧力パルスを、RF電力供給、および/またはプロセスガスの化学的状態の調節、および/またはウエハ温度の
プロファイルと同期化させることもできる。プラズマ処理空間内の圧力パルスは、エッチングされている特徴に対するプラズマの化学的状態を制御して、それによって選択性、プロフィール制御、および半径方向均一性を向上させることもできる。
【0049】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の一実施形態にしたがった、小容積プラズマ処理チャンバシステム200の模式図である。小容積プラズマ処理チャンバシステム200は、処理チャンバ201と、1つ以上のガスソース102と、1つ以上のRFソース117A、117Bと、処理チャンバおよびガスソースに結合されたコントローラ119とを含む。処理チャンバ201は、内壁201A〜Dによって画定され、基板101を支持するための基板サポート106を含む。
【0050】
処理チャンバ201は、プラズマ処理空間110も含む。プラズマ処理空間110は、プラズマ処理チャンバの上部108の内表面108A(例えば、RFソース117Bに結合された上部電極の表面)と、基板101が存在しない場合は基板サポート106(例えば、RFソース117Aに結合された底部電極)の表面106A、106Bと、基板が存在するときは表面106Aおよび基板101の表面101Aと、によって画定される。プラズマ処理空間110は、通常は、処理チャンバ201の総容積の約10パーセント未満である。プラズマ密閉構造114は、プラズマ処理空間110の外周部を画定している。
【0051】
プラズマ密閉構造114は、複数の排出口116を含む。排出口116に対して所望レベルの制限を加えるために、コンダクタンス制御構造202に位置決め作動器207が結合される。排出口116は、排出口116のすぐ隣りに配されたコンダクタンス制御構造202によって、
図2Aに示されるように、排出口を通るガス排出流を最小限に抑えるように実質的に完全に制限することができる。制限された排出口116は、プラズマ処理空間110から出て行くプロセスガスおよびプラズマ副生成物
の流れを制限し、そうして、プラズマ処理空間110内の限られた空間内でのみ圧力を増加させる。
【0052】
排出口116が制限されているときは、プラズマ処理空間110内の圧力は、100msごとに最大約20ミリトールの率で増加することができる。多くのプラズマプロセスでは、プラズマ処理空間110内における圧力増加は、約5ミリトールのように比較的小さくても、所望の効果を生じさせるのに十分な圧力変化である。制限された排出口116は、さらに時間が許されれば、約50ミリトールまたはそれを上回る圧力増加をプラズマ処理空間110内に生じさせることができる。
【0053】
例えば、もし、5ミリトールの圧力増加しか望まれないならば、排出口116は、約25msにわたって制限されるだけでよく、これは、プラズマ処理空間110内において圧力を20ミリトール増加させるために必要とされる時間の約25パーセントである。あるいは、もし、40ミリトールの圧力増加が望まれるならば、排出口116は、約200msにわたって制限される必要があり、これは、プラズマ処理空間110内において圧力を20ミリトール増加させるために必要とされる時間の約200パーセントである。
【0054】
あるいは、
図2Bに示されるように、排出口116は、位置決め作動器207がコンダクタンス制御構造202を排出口116から十分な距離Δ1だけ遠ざけたときに、実質的に完全に未制限にすることができる。距離Δ1は、約0.25mmから約25mmの間(すなわち、約0.01インチから約1.0インチの間)であり、より具体的には、約0.25mmから約12.5mmの間(すなわち、約0.01インチから約0.5インチの間)である。
【0055】
実質的に完全に未制限の排出口116は、プロセスガスおよびプラズマ副生成物
をさらに自由に真空ポンプ118に向かって移動させることができる。実質的に完全に未制限であるときは、排出口116は、100msごとに最大約20ミリトールの率の圧力減少をプラズマ処理空間110内に生じさせることができる。コンダクタンス制御構造202は、対応する選択された量の制限を排出口を通る排出流に加えるために、排出口116から距離Δ1よりも長いまたは短い任意の所望の距離だけ移動させることができる。
【0056】
排出口116からの排出流を制限する量の調節は、それに対応してプラズマ処理空間110内のみで圧力の増加および減少を約10Hzの率で調節するために使用することができる。プラズマ処理空間内の圧力が変動される一方で、プラズマ処理空間110の外の、処理チャンバ201のその他の部分における圧力は実質的に一定にとどまる。
【0057】
上記の例は、代表的な実施形態に過ぎないこと、ならびに異なる構造および異なる制御方式のコンダクタンス制御構造202およびプラズマ密閉構造114は、排出口116の開閉に合わせて対応して異なる率の圧力増加および圧力減少をプラズマ処理空間内において有することが理解される。
【0058】
図3A〜3Dは、本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステム300の模式図である。小容積プラズマ処理チャンバシステム300は、上記の
図2Aおよび
図2Bにおいて説明された小容積プラズマ処理チャンバシステム200と実質的に同様である。主な相違点は、複数の排出口116’がプラズマ密閉構造114の外周部に移動されていることである。それに対応して、コンダクタンス制御構造302は、排出口116’に近接した場所に配されている。
【0059】
動作上、小容積プラズマ処理チャンバシステム300は、小容積プラズマ処理チャンバシステム200と実質的に同様である。例えば、コンダクタンス制御構造302の移動は、排出口116’を通る排出流に対する制限の量を選択し、それに対応してプラズマ処理空間110内の圧力を調節する。
図3Aに示されるように、コンダクタンス制御構造302は、排出口116’を通る排出流を実質的に完全に制限している。
図3Bに示されるように、コンダクタンス制御構造302は、排出口116’を通る排出流を部分的に未制限にするとともに部分的に制限するために、方向304Aに垂直方向にずらされている。
【0060】
図3Cに示されるように、コンダクタンス制御構造302は、排出口116’を通る排出流を実質的に完全に未制限にするために、方向304Aに垂直方向にずらされている。
図3Dに示されるように、コンダクタンス制御構造302は、開口316を形成して、排出口116’を通る排出流に対する制限を低減させるために、方向304Cに水平方向に距離Δ2だけずらされている。
【0061】
図3Eは、本発明の一実施形態にしたがった、コンダクタンス制御構造202、302およびプラズマ密閉構造114の詳細な断面図である。プラズマ密閉構造114は、底側部分114Aに多くの排出口116を含むとともに、周縁部分114Bに多くの排出口116’を含む。コンダクタンス制御構造202、302は、位置決め作動器207に結合され、前述の
図2A〜3Dに示されるように、排出口を通る排出流を制限するために図に示されるように排出口116、116’に近づくように、または排出口を通る排出流を実質的に完全に未制限にするために排出口から遠ざかるように、移動させることができる。
【0062】
図3Fは、本発明の一実施形態にしたがった、コンダクタンス制御構造302およびプラズマ密閉構造114の詳細な斜視図である。プラズマ密閉構造114は、底側部分114Aに、放射状スロットの形状をした多くの排出口116
を含む。スロット形状をした排出口116
は、内側部分114A’から周縁部分114Bに向かって外向きに延びている。
【0063】
図4Aおよび
図4Bは、本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステム400の模式図である。小容積プラズマ処理チャンバシステム400は、上記の
図2Aおよび
図2Bにおいて説明された小容積プラズマ処理チャンバシステム200と実質的に同様である。主な相違点は、プラズマ密閉構造114の外周部
において、対応するプラズマ密閉リング402どうしの間に複数の排出口116’が形成されていることである。プラズマ密閉リング402は、
図4Aでは、畳み合わされた、すなわち閉じられた状態で示されており、したがって、排出口116’は、実質的に完全に制限されている、すなわち閉じられている。
【0064】
動作上、小容積プラズマ処理チャンバシステム400は、小容積プラズマ処理チャンバシステム200と実質的に同様である。例えば、プラズマ密閉リング402どうしを引き離すと、排出口どうしの間の幅W1が増すので、排出口116’を出る排出流に対する制限が低減される。それぞれの方向404Aおよび方向404Bにおけるプラズマ密閉リング402の引き離しおよび畳み合わせは、それに対応して、プラズマ処理空間110内の圧力を調節することができる。
【0065】
図5Aおよび
図5Bは、本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステム500の簡易断面図である。
図5Cおよび
図5Dは、本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステム500におけるプラズマ密閉構造114の底側部分、すなわち実質的に水平な部分114Aの一部分の詳細な図である。
【0066】
小容積プラズマ処理チャンバシステム500は、上記の
図2Aおよび
図2Bにおいて説明された小容積プラズマ処理チャンバシステム200と実質的に同様である。主な相違点は、コンダクタンス制御構造202
”を回転方向504Aまたは504Bにずらし、排出口116をコンダクタンス制御構造内の対応する開口516と位置を揃えるまたは部分的に位置を揃えることによって、複数の排出口116を通る排出流に対する制限が増加または低減されることである。
【0067】
位置決め作動器207’は、コンダクタンス制御構造202
”を回転方向504Aおよび504Bにずらすまたは回転させることができる。
図5Aおよび
図5Cに示されるように、排出口116は、コンダクタンス制御構造内の対応する開口516と位置が揃っておらず、したがって、排出口を通る排出流は、実質的に完全に制限されている。
図5Bおよび
図5Dに示されるように、排出口116は、コンダクタンス制御構造内の対応する開口516と位置が揃っており、したがって、排出口は、開かれていて実質的に完全に未制限である。なお、排出口116は、コンダクタンス制御構造内の対応する開口516と部分的に位置を揃えることができること、およびそれゆえに、排出口を通る排出流は、実質的に完全に未制限な状態と実質的に完全に制限された状態との間で調整可能であることが、理解されるべきである。
【0068】
図5E〜Gは、本発明の一実施形態にしたがった、代替の小容積プラズマ処理チャンバシステム550の簡易断面図である。小容積プラズマ処理チャンバシステム550は、上記の
図5A〜Dにおいて説明された小容積プラズマ処理チャンバシステム500と実質的に同様である。主な相違点は、どの時点においても、複数の排出口116、116’、116”、116’”の一部分を通る排出流のみが一度に制限されるまたは未制限にされること、およびそれゆえに、非対称的な排出流動作が可能にされていることである。
【0069】
例えば、
図5Eに示されるように、排出口116、116’、116”、116’”は、全て、実質的に完全に制限されている。コンダクタンス制御構造202
”内の開口516は、排出口116と位置が揃っていないので、ずれた状態で透かして示されている。
【0070】
図5Fを参照すると、開口516は、排出口116と位置が揃うようにずらされており、したがって、排出口116を通る排出流のみが、実質的に完全に未制限であり、その一方で、残りの排出口116’、116”、116’”を通る排出流は、実質的に完全に制限された状態のままである。排出口116を通る排出流のみが実質的に未制限であるときは、プロセスガスおよびプラズマ副生成物は、排出口116に向かって方向502に流れることができる。方向502’、502”、502’”には、プロセスガスおよびプラズマ副生成物は、対応する排出口116’、116”、116’”が実質的に完全に制限されているゆえに、流れることはない。
【0071】
図5Gを参照すると、開口516は、排出口116’ と位置が揃うようにずらされており、したがって、排出口116’を通る排出流のみが、実質的に完全に未制限であり、その一方で、残りの排出口116、116”、116’”を通る排出流は、実質的に完全に制限された状態のままである。排出口116’のみが未制限の排出流を有するときは、プロセスガスおよびプラズマ副生成物は、未制限の排出口116’に向かって方向502’に流れることができる。方向502、502”、502’”には、プロセスガスおよびプラズマ副生成物は、対応する排出口116、116”、116’”が実質的に完全に制限されているゆえに、流れることができない。
【0072】
コンダクタンス制御構造202は、選択された排出口116、116’、116”、116’”を開くために、さらにずらすことができる。なお、各部分の排出口116、116’、116”、116’”は、プラズマ密閉構造114のおおよそ4分円に対応していることが理解されるべきであるが、一方では、排出口116、116’、116”、116’”のうちの僅か1つのみを通るように排出流を制限するまたは未制限にするために、コンダクタンス制御構造202内の開口の数、形状、および配置を選択することも可能であることが理解されるべきである。
【0073】
選択された部分の排出口116、116’、116”、116’”のみを通るように排出流を制御することは、処理されているウエハ101の表面において、システム550が非対称的に且つ指向的にプラズマおよび処理ガスの流れを選択することを可能にする。例えば、もし、ウエハの表面の、排出口116”に対応する領域において、より高濃度のプラズマ処理が所望されるならば、プロセスガスの濃度を増加させてプラズマ処理空間110に入らせるとともに、排出口116”を通る排出流を実質的に完全に未制限にすることによって、方向502”に流れを生じさせることができる。同様に、ウエハの表面の、排出口116”に対応する領域におけるプラズマ処理速度を減少させるためには、プロセスガスの濃度を減少させてプラズマ処理空間110に入らせるとともに、排出口116”を実質的に完全に制限することによって、方向502”への流れを減少させることができる。
【0074】
選択された部分の排出口116、116’、116”、116’”のみを開くことは、プロセスガス、プラズマ、および副生成物の圧力および濃度を、非対称的に且つ非半径方向に分布させることも可能にする。非半径方向の分布は、プラズマ処理チャンバによく見られる半径方向におけるプラズマ処理不均一性の影響の一部を最小限に抑えるように操作することができる。
【0075】
図6は、本発明の一実施形態にしたがった、コンダクタンス制御構造602の分解図である。コンダクタンス制御構造602は、上述されたコンダクタンス制御構造202と或る程度まで同様であるが、ただし、排出口116’は、プラズマ密閉構造114の、実質的に垂直な外周部114Bに形成されている。コンダクタンス制御構造602は、対応する実質的に垂直な部分602Bに少なくとも幾つかの開口616を含む。
【0076】
コンダクタンス制御構造602は、プラズマ密閉構造114の直径D2よりも僅かに広い直径D1を有する。動作にあたり、プラズマ密閉構造114は、コンダクタンス制御構造602に入れ子状に収容される。コンダクタンス制御構造602は、開口606の少なくとも1つを排出口116’の少なくとも1つと位置を揃え、排出口を通る排出流に対する制限を増加または低減させるために、位置決め作動器207’によって、方向604Aおよび604Bに回転させるまたはずらすことができる。
【0077】
開口616は、コンダクタンス制御構造602の周囲に実質的に均等に分布された状態で示されているが、開口616は、コンダクタンス制御構造602の周囲に不均等に分布されてもよいことがわかる。あるいは、開口616は、上記の
図5E〜5Gにおいて説明されたプラズマ処理チャンバシステム550と同様に、1つ以上の半径方向部分618A、618B、すなわちコンダクタンス制御構造602の周縁の複数の区間のみに含まれていてよく、そうして、処理されているウエハ101の表面において、非対称的で且つ指向的なプラズマおよび処理ガスの流れの選択を提供してもよい。
【0078】
また、コンダクタンス制御構造602は、実質的に水平な部分602Aに開口616を含むことができることも、理解されるべきである。実質的に水平な部分602Aにおける開口616は、前の図面で説明されたように、プラズマ密閉構造114の実質的に水平な部分114Aにおける排出口116に対応している。
【0079】
図7は、本発明の一実施形態にしたがった、プラズマ処理空間110内において圧力を変動させるにあたって実施される方法動作700を示したフローチャートである。動作705では、プラズマ密閉構造114内の少なくとも1つの排出口116、116’を通る排出流は、実質的に完全に未制限である。プラズマ密閉構造114内の少なくとも1つの排出口116、116’を通る排出流は、対応するコンダクタンス制御構造202、302、402、
202”、602を移動させ、少なくとも1つの排出口を対応する開口216、316、516、および/または616と位置を揃える、または開口216、316、516、および/または616を形成することによって、実質的に完全に未制限にすることができる。
【0080】
動作710では、プラズマ処理空間110に、1種以上の処理ガスが注入される。動作715では、プロセスガス
は、プラズマ処理空間110内において、プラズマ処理空間の周縁のプラズマ密閉構造114における1つ以上の排出口116、116’に向かって少なくとも1つの実質的に半径方向112に流れる。
【0081】
動作720では、それぞれのRFソース117B、117Aから上部電極108または基板サポート106(例えば底部電極)の少なくとも1つにRF信号を印加することによって、プラズマ処理空間110内にプラズマが発生する。プロセスガス
の流れは、プラズマによって生成されたイオン、ラジカル、およびニュートラルを分布させる。
【0082】
動作725では、プラズマ処理空間110内において圧力が増加される。プラズマ処理空間110内の圧力は、少なくとも1つの排出口116、116’の少なくとも一部分を通る排出流を実質的に完全に制限することによって増加させることができる。少なくとも1つの排出口116、116’を通る排出流は、上記の図に示されるように、コンダクタンス制御構造202、302、402、
202”、602をずらして少なくとも1つの排出口を制限する、すなわち遮断することによって、実質的に完全に制限することができる。
【0083】
プラズマ処理空間110内の圧力は、最大約30ミリトール/100msの率で増加させることができる。圧力増加の量は、プロセスガスソース102からプラズマ処理空間110内へのプロセスガスの流量を変動させることによっても制御することができる。
【0084】
上記のように、増加であれ減少であれ、たとえ5ミリトール程度の小ささの圧力変化であっても、対応するプラズマの化学的状態の変化ゆえの大幅なプロセス変動を引き起こすことがある。例えば、プラズマ処理空間110内の圧力が変化するのにともなって、イオン対ラジカル対ニュートラルの比およびプラズマ密度が変動する。
【0085】
プラズマ内におけるイオン種、ラジカル種、およびニュートラル種の割合のさらなる選択も可能にするためには、圧力が所望の設定点に到達するのに伴って、随意として、RFソース117A、117Bの動作状態を一定にとどめる、調節する、低減させる、有効にする、または不能にすることができる。
【0086】
動作730では、プラズマ処理空間110内において圧力が低減される。プラズマ処理空間110内の圧力は、排出口116、116’の少なくとも一部分を通る排出流に対する制限を低減させることによって減少させることができる。排出口116、116’を通る排出流は、コンダクタンス制御構造202、302、402、
202”、602をずらし、排出口116、116’に対応するように開口の位置を揃えるまたは開口を形成することによって、増加させる(例えば制限を低減させる)ことができる。排出口116、116’を通る排出流に対する制限の低減は、プラズマ処理チャンバ201の排出口および例えば真空ポンプなどの排出部に向かってプロセスガスおよびプラズマ副生成物が押し寄せることを可能にする。プラズマ処理空間110内の圧力は、最大約20ミリトール/100msの率で低減させることができる。圧力変化率は、コンダクタンス制御構造の動き次第で、約1ミリトール/100msから約20ミリトール/100msの間で選択することができる。
図3Fおよび
図5A〜6に示されるような回転式の構成の場合は、コンダクタンスの変化は、20ミリトール/100msよりもさらに速いかもしれない。プラズマ処理空間110内の圧力の低減は、プラズマ副生成物をプラズマ処理空間の中心領域120から遠ざからせる。結果として、プラズマ処理の半径方向不均一性の影響の一部を軽減または排除することができる。
【0087】
上述のように、処理ガスの非対称流は、例えば、選択された部分または区間の排出口116、116’を通る排出流のみが実質的に完全に未制限にされるなどの、非対称的なガス抜きの非均一特性を使用して、対応する非対称的なパターンでエッチング速度を変化させることができる。排出口を通る非対称的な排出流は、半径方向不均一性を打ち消すために、処理されている表面にわたって選択的にあちこち移動させることができる。
【0088】
プラズマ内におけるイオン種、ラジカル種、およびニュートラル種の割合のさらなる選択を可能にするためには、圧力が所望の設定点に到達するのに伴って、随意として、RFソース117A、117Bの動作状態を一定にとどめる、調節する、低減させる、有効にする、または不能にすることができる。
【0089】
動作735において、もし、プラズマ処理空間110内においてさらなる圧力サイクルが必要とされない場合は、方法動作を終わらせることができる。あるいは、もし、プラズマ処理空間110内においてさらなる圧力サイクルが必要とされる場合は、方法動作は、上記の動作725に続くことができる。
【0090】
図8Aは、本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間110内における複数の圧力サイクルを表したグラフ800である。
図8Bは、本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間内における複数の圧力サイクルを表したグラフ800の一部分の詳細な
図830である。上述のように、プラズマ処理空間110内の圧力は、所望の圧力変化および考えられる圧力変化率に応じて、約10Hz以上の率で変動させることができる。圧力変化の各サイクルは、排出口116、116’を開閉させるサイクルによって実現することができる。上述された各種の実施形態のコンダクタンス制御構造202、302、402、
202”、602は、所望の圧力変化サイクルを提供するために、排出口116、116’が実質的に完全に未制限の位置、実質的に完全に制限された位置、および完全に制限された位置と完全に未制限の位置との間の様々な位置の間をサイクルで繰り返すことができる。例えば、位置決め作動器207は、コンダクタンス制御構造202を方向204Aおよび方向204Bに交互に移動させることができる。同様に、コンダクタンス制御構造
202”および602は、プラズマ処理空間110内において所望のサイクルおよび率の圧力変化を提供するために、実質的に連続した速度で回転するまたは段階変化することができる。プラズマ処理空間内の圧力を増加させるまたは低減させるために、プロセスガスソース102からプラズマ処理空間110内へのプロセスガスの流量も選択することができる。
【0091】
図8Aおよび
図8Bを参照すると、プラズマ処理空間110内の圧力の圧力グラフ820に重ねて制御信号グラフ810が示されている。制御信号グラフ810は、排出口116、116’を通る排出流に対する制限を増加および低減させるための制御信号を示している。横軸に、秒数を単位とした時間が示されている。約3.15秒の時点では、制御信号は、排出口116、116’を通る排出流を実質的に完全に制限している。圧力は、約3.2秒の時点で約20ミリトールから徐々に増加し始め、3.3
秒の時点で約90ミリトールに達する。
【0092】
図8Bを参照すると、横軸に、秒数を単位とした時間が示されている。圧力は、32秒目の終了時に20mTから変化し始め、33秒目の終了時には約90mTまで上昇している。この圧力変化は、70mT/1秒、すなわち70mT/1000msである。
図8Bは、高速圧力測定器具が無いゆえの時間遅延誤差を示している。しかしながら、実際の圧力変化は、実際の圧力変化率が
図8Cのグラフで表されるように、約70mT/500msであるように、コンダクタンス制御構造位置の変化に比例する。
【0093】
圧力は、約90ミリトールに維持される。約
33.6秒の時点で、制御信号は、排出口116、116’を通る排出流に対する制限を低減させるように切り替わる。圧力は、約
33.7秒の時点で減少し始め、約
35秒の時点で約20ミリトールに達する。圧力は、約
36秒の時点で制御信号が排出口116、116’を通る排出流に対する制限を増加させるまで、約20ミリトールで安定する。サイクルは、次いで、繰り返される。
【0094】
図8Cは、本発明の実施形態にしたがった、圧力変化率を表したグラフ850である。図に示されるように、プラズマ処理空間110内における圧力変化率は、100ミリ秒ごとに約17ミリトールである。したがって、約10Hzでは、最大約17ミリトールの圧力変化サイクルが可能である。
【0095】
図9A〜9Fは、本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間110内における圧力波の進行を示している。
図9Aから始まり、プラズマ処理空間110は、排出口116を通る排出流が閉じられているゆえに、加圧されて或る増加圧力に達する。排出口116を通る排出流は、プラズマ処理空間110の各部分120、122、124、126が等しい圧力を有するようにプラズマ処理空間110を実質的に均一に加圧するのに十分な時間にわたって十分に制限されている。
【0096】
図9Bに示されるような、排出口116を通る排出流が実質的に完全に未制限である時刻T1では、プラズマ処理空間110の最外部分126の圧力が、プラズマ処理空間の外の、処理チャンバ201のその他の部分と実質的に同じ圧力まで低減されるのに伴って、プロセスガスおよび副生成物が、中央部分120から排出口に向かって追いやられる。部分124における圧力は、僅かに低減される。
【0097】
図9Cに示されるような、時刻T1から少し経過した時刻T2では、さらに多くのプロセスガスおよび副生成物が、中央部分120から排出口に向かって追いやられる。部分122および124における圧力は、それぞれ僅かに低減される。
【0098】
図9Dに示されるような、時刻T2から少し経過した時刻T3では、さらに多くのプロセスガスおよび副生成物が、中央部分120から排出口に向かって追いやられる。部分120、122、および124における圧力は、それぞれ僅かに低減される。
【0099】
図9Eに示されるような、時刻T3から少し経過した時刻T4では、さらに多くのプロセスガスおよび副生成物が、中央部分120から排出口に向かって追いやられる。部分120、122、および124における圧力は、再びそれぞれ僅かに低減される。
【0100】
図9Fに示されるような、時刻T4から少し経過した時刻T5では、さらに多くのプロセスガスおよび副生成物が、中央部分120から排出口に向かって追いやられる。プラズマ処理空間110の部分120、122、および124における圧力は、プラズマ処理空間の外の、処理チャンバ201のその他の部分と実質的に同じ圧力まで低減される。
【0101】
プラズマ処理空間110における圧力変化は、プラズマ内におけるイオン種、ラジカル種、およびニュートラル種の割合を決定する。
図10は、本発明の実施形態にしたがった、イオン束密度およびニュートラル束密度を表したグラフ1000である。イオン束密度グラフ1010は、約2ミリトールから約20ミリトールの間の圧力の範囲にわたり、例えば約4.5などの実質的に一定の密度である。ニュートラル束密度グラフ1020は、約1×10
14未満から約6.5×10
14を上回るまで大幅に変動する。ニュートラル束密度は、圧力に対して実質的に直線的に
増大する。
【0102】
図10に示されるように、5ミリトールから15ミリトールまでの変動では、イオン束密度は実質的に同じである。反対に、ニュートラル束密度は、より低圧である5ミリトールのときと比べて、より高圧である15ミリトールのときに約1から約4に変動する、すなわち4倍になる。したがって、この10ミリトールに及ぶ圧力操作または圧力調節は、イオン束密度に対しては限られた選択幅を与えるのみであるのに対し、ニュートラル束密度に対しては広い選択幅を与える。こうして、対応するプラズマ処理空間110圧力によって、様々な割合のエッチングパフォーマンスを選択することができる。
【0103】
図11Aは、先行技術による定圧エッチングプロセスの結果を撮影した一連の写真
である。第1の写真1110は、定圧12ミリトールで実行された第1のエッチングプロセスである。各特徴1112は、広くて平坦な底部のほうがずっと好ましい結果であるときに、下部がほとんど点状になった先細りの形状を有する。詳細な写真114は、特徴の深さの半ほどにおける許容プロフィールを示している。好ましい特徴プロフィールは、特徴の深さの半ほどにおけるこの許容プロフィール(例えば滑らかで平行な側壁)を、特徴の深さ全体にわたって有すると考えられる。
【0104】
第2の写真1120は、定圧40ミリトールで実行された第2のエッチングプロセスである。各特徴1122は、特徴1112よりは先細りの少ない形状を有するが、しかしながら、深さの半ほどのプロフィール1124において、望ましくない筋痕状の不均一性が形成されている。第3の写真1130は、定圧70ミリトールで実行された第3のエッチングプロセスである。各特徴1132は、特徴1112と同様な先細りの形状を有するが、しかしながら、深さの半ほどのプロフィール1134において、望ましくない筋痕状の不均一性も形成されている。
【0105】
図11Bは、本発明の実施形態にしたがった、定圧エッチングプロセス1120をパルス圧力エッチングプロセス1150と比較している。パルス圧力エッチングプロセス1150は、プラズマ処理空間110内のエッチング圧力を約12ミリトールから約70ミリトールの間で変動させる。パルス圧力エッチングプロセス1150は、定圧40ミリトールのエッチングプロセス1120と同様にプロフィールの改善を得られるが、詳細1154に示されるように、望ましくない筋痕も排除しており、さらに、特徴1152の下部も、四角く削られている。
【0106】
図12Aは、本発明の実施形態にしたがった、圧力と側方エッチングとの関係を示したグラフ1200である。
図12Bは、本発明の実施形態にしたがった、高アスペクト比コンタクト特徴の簡易模式
図1250である。DRAMデバイスなどの高アスペクト比コンタクト(HARC)を形成するためのエッチングプロセスでは、微小寸法(すなわち、特徴F1、
F2の幅Fw)が小さくなる、および特徴F1とF2との間のピッチPが減少する(すなわち、特徴どうしがさらに密集する)のに伴って、特徴の開口部または上端部の近くにおいて、望ましくない側方エッチングが発生することがある。
【0107】
側方エッチングは、特徴F1、F2の側壁をエッチングし、湾曲した側壁1260を形成する。もし、側方エッチングがあまりに急激に発生すると、湾曲側壁1260は、隣り合う特徴F1とF2との間の領域1262に穴を形成し、そうして、これら2つの隣り合う特徴間に短絡を生じさせることがある。したがって、浅めの深さFd2の特徴F2と比べて特徴F1の底部プロフィールおよび深さFd1を改善しつつも、側方エッチングを最小限に抑えることが必要である。
【0108】
図12Aに示されるようなグラフ1200は、動作圧力による影響と、側壁湾曲1260と、特徴F1、F2の下端部の深さおよびプロフィールとを示している。低めの圧力では、存在するイオンの密度が小さいゆえに、その他のイオンにぶつかって偏向されるイオン1252、1254は少ない。したがって、低めの圧力では、特徴F1、F2に進入するイオン1252、1254の指向性が向上し、より多くのイオンが特徴の底に達して所望の指向性エッチングを実施する。さらに、より多くのイオン1252、1254が特徴に進入するので、マスク層1256にぶつかって偏向されて側壁に衝突して側壁湾曲1260(例えば望ましくない側方エッチング)を生じるイオンは少ない。
【0109】
エッチングプロセス中は、ポリマ種(例えば、使用されるエッチングプロセスの化学的状態に応じ、フッ化炭素または炭化水素をベースにしたものなど)が生成されるだろう。ポリマ種は、高い付着係数を有し、ポリマ堆積物1270として特徴F1、F2の上端部または開口部の近くに蓄積する傾向がある。選択されたエッチングの化学的状態では、ポリマ堆積物1270は、低い付着係数を有し、したがって、特徴F1の側壁に付着しない。基板101の温度の引き上げも、やはり、表面移動度を低減させ、そうして、ポリマ堆積物1270の形成を実質的に防ぐことができる。プラズマからの高エネルギイオンも、やはり、ポリマ堆積物1270を除去することができる。ポリマ堆積物1270を除去するさらに別のやり方は、メインのエッチングプロセスの合間にO
2またはNF
3をそれぞれ注入するなどによって酸素ラジカルエッチングまたはフッ素ラジカルエッチングを実施することである。
【0110】
図13は、本発明の実施形態にしたがった、コンピュータシステムの簡易模式図である。コンピュータシステム1300は、上述のコントローラ119に含めることができる代表的なコンピュータシステムである。なお、本明細書で説明される方法は、従来の汎用コンピュータシステムなどのデジタル処理システムによって実施されてよいことがわかる。1つの機能のみを実施するように設計またはプログラムされた専用のコンピュータが、代替として使用されてもよい。コンピュータシステムは、中央演算処理装置(CPU)1304を含み、該CPUは、バス1310を通じてランダムアクセスメモリ(RAM)1328、読み出し専用メモリ(ROM)1312、およびマスストレージデバイス1314に結合されている。ランダムアクセスメモリ(RAM)1328には、位相制御プログラム1308が常駐しているが、これは、マスストレージ1314またはROM1312に常駐することも可能である。
【0111】
マスストレージデバイス1314は、フロッピィディスクドライブまたは固定ディスクドライブなどの永続データストレージデバイスを表わしており、ローカルまたはリモートであってよい。ネットワークインターフェース1330は、ネットワーク1332を通じた接続を提供し、その他のデバイスとの通信を可能にする。なお、CPU1304は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、または特別にプログラムされたロジックデバイスに実装されてよいことがわかる。入出力(I/O)インターフェースは、様々な周辺機器との通信手段を提供し、バス1310を通じてCPU1304、RAM1328、RAM1312、およびマスストレージデバイス1314と接続されている。周辺機器の例としては、ディスプレイ1318、キーボード1322、カーソルコントローラ1324、着脱式メディアデバイス1344などが挙げられる。
【0112】
ディスプレイ1318は、本明細書で説明されるユーザインターフェースを表示するように構成される。キーボード1322、カーソルコントローラ1324、着脱式メディアデバイス1334、およびその他の周辺機器は、コマンド選択の形でCPU1304に情報を伝達するために、入出力インターフェース1320に結合されている。なお、外部機器へのおよび外部機器からのデータは、入出力インターフェース1320を通じて伝達されてよい。実施形態は、有線に基づくネットワークまたは無線ネットワークを通じてつながれたリモート処理機器によってタスクが実施される分散型の計算環境において実施することもできる。
【0113】
圧力変化とバイアス変化との同期化
プラズマ処理空間110の圧力の変化は、上述のように、電子、イオン、ラジカル、およびニュートラルの割合を操作することができる。1つ以上のRFソース117A、117Bの調節(すなわち、電力を0出力電力と全出力電力との間で変化させること)も、やはり、電子、イオン、ラジカルを時間に対して操作することができる。
図14Aは、本発明の実施形態にしたがった、電子、イオン、およびラジカルの崩壊率を表したグラフ1400である。時刻T0では、1つ以上のRFソース117A、117Bが定常状態にあり、電子1402、イオン1404、およびラジカル1406のそれぞれのレベルが示されている。所定のプロセスレシピにおける電子1402、イオン1404、およびラジカル1406の互いの相対レベルは、図に示されているようなレベルであってもなくてもよいので、グラフ1400は、縮尺通りに示されたものではない。また、横軸の断絶によって示されるように、図に示された時間尺度が直線的ではないことも留意されるべきである。
【0114】
時刻T1では、1つ以上のRFソース117A、117Bが調節される。説明を簡略化するために、調節されたRFソース117A、117Bは、ゼロ出力電力近くまで低減されているが、出力電力は、時刻T0における値とゼロ出力電力との間の何らかの値に低減されてもよいことが理解されるべきである。
【0115】
プラズマ処理空間110内に存在する電子1402の量は、定常状態レベル1402Aから、時刻T1+約50マイクロ秒におけるゼロ近くまで崩壊する。プラズマ処理空間110内に存在するイオン1404の量は、ずっと遅い率で崩壊し、時刻T1+200マイクロ秒においてゼロに近づく。プラズマ処理空間110内に存在するラジカルの量は、さらに遅い率で崩壊し、時刻T1+約500マイクロ秒またはそれよりも後においてゼロに近づく。
【0116】
崩壊率が異なる結果として、反応種は、時間とともに変動する。例えば、時刻T0では、定常状態レベル1402A、1404A、1406Aが示されている。T1+約50マイクロ秒からしばらく経過した時刻T2では、実質的に全ての電子1402が消失しており、しかしながら、イオン1404およびラジカル1406の量は、依然として、それぞれの定常状態レベル1404A、1406Aに実質的に等しい。同様に、T1+約200マイクロ秒からしばらく経過した時刻T3では、実質的に全ての電子1402および全てのイオン1404がほぼゼロに崩壊しており、しかしながら、ラジカル1406の量は、依然としてかなり高く、状況次第では、ラジカル定常状態レベル1406Aに実質的に等しいかもしれない。反応種の割合は、時刻T0とT2とT3とで異なるので、それぞれの時刻T0、T2、およびT3において、それぞれに異なるプロセスをさらに効果的に適用することができる。
【0117】
ここに、時刻T0、T2、およびT3における異なるプロセスの例が盛り込まれる。
【0118】
図14Bは、本発明の実施形態にしたがった、圧力パルスおよびRF変調の複数のタイミングシーケンス1420〜1470を表したグラフである。タイミンググラフ1420では、RF電力の調節が、プロセスガス流からおおよそ180度位相がずれている。その結果、時刻T1において、RF電力は増加され、プロセスガス流は低減される。このタイミンググラフ1420は、RF電力の調節がガス流の調節と同期化された状態で位相が180度ずれている、と表現することができる。結果として得られる発光記録1422は、アルゴン(波長800nm)記録が濃度およびRF電力の両方に比例することを示している。これらのグラフは、器差に起因する僅かな時間のずれを伴う同期化されたRF電力調節とプロセスガス調節とを示している。
【0119】
タイミンググラフ1430では、RF電力の調節は、プロセスガス流からおおよそ200度位相がずれている。その結果、時刻T1において、RF電力は増加され、T1から約20度の遅延後に、プロセスガス流は低減される。このタイミンググラフ1430は、RF電力の調節がガス流の調節に先行する状態で位相が180度ずれている、と表現することができる。結果として得られる発光記録1432は、アルゴン(波長800nm)記録が濃度およびRF電力の両方に比例することを示している。立ち上がりエッジにおけるスパイクは、RFパルスがガスパルスよりも遅れるときを示している。立ち下がりエッジにおけるスパイクは、RFパルスがガスパルスに先行するときを示している。OESは、RFパルスおよびプロセスガス圧力に同期しながらの、第1のプロセスガス混合物から第2のプロセスガス混合物への実際の移行時間を示している。
【0120】
タイミンググラフ1440では、RF電力の調節は、プロセスガス流からおおよそ160度位相がずれている。その結果、T1よりも約20度前の時点において、プロセスガス流は低減され、時刻T1において、RF電力は増加される。このタイミンググラフ1440は、ガス流の調節がRF電力の調節に先行する状態で位相が180度ずれていると表現することができる。結果として得られる発光記録1442は、アルゴン(波長800nm)記録が濃度およびRF電力の両方に比例することを示している。立ち上がりエッジにおけるスパイクは、RFパルスがガスパルスよりも遅れるときを示している。立ち下がりエッジにおけるスパイクは、RFパルスがガスパルス1442に先行するときを示して
いる。
【0121】
タイミンググラフ1450では、RF電力の調節は、プロセスガス流とおおよそ位相が一致している。その結果、時刻T1において、RF電力は増加され、プロセスガス流は増加される。このタイミンググラフ1450は、RF電力の調節がガス流の調節と同期化された状態で位相が一致している、と表現することができる。結果として得られる発光記録1452は、酸素(波長770nm)記録が濃度およびRF電力の両方に比例することを示している......
【0122】
タイミンググラフ1460では、RF電力の調節は、プロセスガス流からおおよそ20度位相がずれている。その結果、時刻T1において、RF電力は増加され、T1に約20度を加えた時点において、プロセスガス流は増加される。このタイミンググラフ
1460は、RF電力の調節がガス流の調節に先行する状態で位相が一致している、と表現することができる。結果として得られる発光記録1462は、酸素(波長770nm)記録が濃度およびRF電力の両方に比例することを示している。段差は、RFパルスがガスパルスに同期していないときを示している......
【0123】
タイミンググラフ1470では、RF電力の調節は、プロセスガス流からおおよそマイナス20度位相がずれている。その結果、T1よりも約20度前の時点において、プロセスガス流は増加され、時刻T1において、RF電力は増加される。このタイミンググラフ1470は、ガス流の調節がRF電力の調節に先行する状態で位相が一致している、と表現することができる。結果として得られる発光記録1472は、酸素(波長770nm)記録が濃度およびRF電力の両方に比例することを示している。段差は、RFパルスがガスパルスに同期していないときを示している......
【0124】
図15Aは、本発明の実施形態にしたがった、ガスのみの調節を示したグラフ1500である。グラフ1500は、27MHzまたは60MHzまたは同様な高周波数が可能な第1のRFグラフ1502を含む。グラフ1500は、また、2MHzまたは同様な低周波数などの低周波数が可能な第2のRFグラフ1504も含む。プラズマ処理空間110の圧力は、グラフ1512で示されている。プラズマ処理空間110へのアルゴン(波長800nm)注入の発光スペクトルは、グラフ1514で示されている。プラズマ処理空間110への酸素注入(波長770nm)の発光スペクトルは、グラフ1516で示されている。RF信号1502、1504は調節されないので、OESグラフ1514、1516にはスパイクは示されていない。
【0125】
図15Bは、本発明の実施形態にしたがった、ガスおよびRFの調節を示したグラフ1550である。
図16は、本発明の実施形態にしたがった、ガスおよびRFの調節を示したグラフ1550の一部分1600の詳細な図である。
図17は、本発明の実施形態にしたがった、ガスおよびRFの調節を示したグラフ1600の一部分1700のさらに詳細な図である。アルゴン調節グラフ1514が、RF2の調節1504と位相が180度ずれている一方で、酸素調節グラフ1512は、RF2の調節と位相が一致している。立ち上がりエッジのスパイク1552は、RFパルスがガスパルスよりも遅れていることを示している。立ち下がりエッジのスパイク1554は、RFパルスがガスパルスに先行していることを示している。ガスの変動とRFの調節とを協調させることは、高アスペクト比コンタクト(HARC)の形成、3Dエッチングプロセス、およびNANDエッチングプロセスに有用である。
【0126】
図18は、本発明の実施形態にしたがった、プラズマ処理空間110内において圧力を変動させる、および少なくとも1つのRFソースを調節するにあたって実施される方法動作1800を示したフローチャートである。動作1805では、プラズマ密閉構造114内の少なくとも1つの排出口116、116’を通る排出流は、実質的に完全に未制限である。プラズマ密閉構造114内の少なくとも1つの排出口116、116’を通る排出流は、対応するコンダクタンス制御構造202、302、402、502、602を移動させ、少なくとも1つの排出口を対応する開口216、316、516、および/または616と位置を揃えるまたは対応する開口216、316、516、および/または616を形成することによって、実質的に完全に未制限にすることができる。
【0127】
動作1810では、プラズマ処理空間110に、1種以上の処理ガスが注入される。動作1815では、プロセスガス102は、プラズマ処理空間内において、プラズマ処理空間の周縁のプラズマ密閉構造114における1つ以上の排出口116、116’に向かって少なくとも1つの方向112に流れる。
【0128】
動作1820では、それぞれのRFソース117B、117Aから上部電極108または基板サポート106(例えば底部電極)の少なくとも1つにRF信号を印加することによって、プラズマ処理空間110内にプラズマが発生する。プロセスガス102の流れは、プラズマによって生成されたイオン、ラジカル、およびニュートラルを分布させる。
【0129】
動作1825では、プラズマ処理空間110内において圧力が増加される。プラズマ処理空間110内の圧力は、上記でさらに詳しく説明されたように、少なくとも1つの排出口116、116’の少なくとも一部分を通る排出流を実質的に完全に制限することによって増加させることができる。
【0130】
動作1830では、プラズマ内におけるイオン種、ラジカル種、およびニュートラル種の割合のさらなる選択も可能にするために、圧力が所望の設定点に達するのに伴って、RFソース117A、117Bの動作状態を調節する、低減させる、有効にする、または不能にすることができる。
【0131】
動作1835では、プラズマ処理空間110内において圧力が低減される。プラズマ処理空間110内の圧力は、上記でさらに詳しく説明されたように、少なくとも1つの排出口116、116’の少なくとも一部分を通る排出流に対する制限を低減させることによって減少させることができる。
【0132】
動作1840では、プラズマ内におけるイオン種、ラジカル種、およびニュートラル種の割合のさらなる選択を可能にするために、圧力が所望の設定点に達するのに伴って、RFソース117A、117Bの動作状態を調節する、低減させる、有効にする、または不能にすることができる。
【0133】
動作1845において、もし、プラズマ処理空間110内においてさらなる圧力および/またはRF変調サイクルが必要とされない場合は、方法動作を終わらせることができる。あるいは、もし、プラズマ処理空間110内においてさらなる圧力サイクルおよび/またはRF変調が必要とされる場合は、方法動作は、上記の動作1825に続くことができる。
【0134】
上記の実施形態を念頭に置くと、本発明は、コンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実行動作を利用しえることが理解されるべきである。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。必ずしもそうとは限らないが、通常は、これらの量は、記憶、転送、結合、比較、およびその他の操作を経ることができる電気信号または磁気信号の形態をとる。さらに、実施される操作は、多くの場合、生成、特定、決定、または比較などの表現で言及される。
【0135】
本明細書で説明されて本発明の一部を構成する動作は、いずれも、有用なマシン動作である。本発明は、また、これらの動作を実施するためのデバイスまたは装置にも関する。装置は、専用コンピュータのように、所要の目的のために特別に構築されてよい。専用コンピュータとして定義されるときは、そのコンピュータは、特殊な目的のために動作することができる一方で、尚も、特殊な目的の一部ではないその他の処理、プログラム実行、またはルーチンも実施することができる。あるいは、動作は、コンピュータメモリやキャッシュに記憶されたまたはネットワークを通じて得られた1つ以上のコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされるまたは構成される汎用コンピュータによって処理されてよい。ネットワークを通じてデータが得られるときは、そのデータは、例えばコンピューティングリソースのクラウドなどの、ネットワーク上のその他のコンピュータによって処理されてよい。本発明の実施形態は、データを或る状態から別の状態に変換するマシンとしても定義することができる。変換されたデータは、ストレージに保存され、次いで、プロセッサによって操作することができる。プロセッサは、こうして、データを或るものから別のものに変換する。尚もさらに、方法は、ネットワークを通じて接続することができる1つ以上のマシンまたはプロセッサによって処理することができる。各マシンは、データを或る状態またはものから別の状態またはものに変換することができ、また、データを処理する、データをストレージに保存する、ネットワークを通じてデータを伝送する、結果を表示する、または結果を別のマシンに伝達することもできる。
【0136】
本発明は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードおよび/またはロジック回路としても実装することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによって後で読み出し可能なデータを記憶することができる任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、フラッシュ、磁気テープ、ならびにその他の光および非光データストレージデバイスがある。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶および実行されるように、ネットワーク結合されたコンピュータシステムに分散させることもできる。
【0137】
さらに、上記の図面のなかで動作として表されている命令は、例示された順序で実施される必要はなく、動作として表されている必ずしも全ての処理が、本発明を実施するために必要とは限らない。さらに、上記のいずれの図面に記載されているプロセスも、RAM、ROM、またはハードディスクドライブのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに記憶されたソフトウェアとして実装することができる。
【0138】
以上の発明は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正がなされてよいことが明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって非限定的であると見なされ、本発明は、本明細書で与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で変更されてよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
プラズマ処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバに結合された少なくとも1つのガスソースと、
前記処理チャンバおよび前記少なくとも1つのガスソースに結合されたコントローラと、
を備え、
前記処理チャンバは、
前記処理チャンバの上部内に配された上部電極と、
前記上部電極の向かい側に配された基板サポートと、
前記処理チャンバの容積よりも小さい容積を有するプラズマ処理空間であって、
前記上部電極の表面と、
前記上部電極の前記表面に相対する基板サポートの支持表面と、
少なくとも1つの排出口を含むプラズマ密閉構造によって画定される外周部と、
によって画定されるプラズマ処理空間と、
前記基板サポートまたは前記上部電極のうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つのRFソースと、
前記少なくとも1つの排出口に近接して可動式に配されたコンダクタンス制御構造であって、前記コンダクタンス制御構造は、第1の位置に配されたときは、前記少なくとも1つの排出口を通る排出流を第1の流量に制限し、第2の位置に配されたときは、前記少なくとも1つの排出口を通る排出流を第2の流量に増加させ、前記コンダクタンス制御構造は、プラズマプロセス中に前記コントローラによって設定される選択された処理状態に対応して前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動し、前記少なくとも1つのRFソースは、前記プラズマプロセス中に前記コントローラによって設定される前記選択された処理状態に対応して調節される、コンダクタンス制御構造と、
を含む、プラズマ処理システム。
適用例2:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態と実質的に位相が一致している、システム。
適用例3:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態と実質的に位相が180度ずれている、システム。
適用例4:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態よりも遅れている、システム。
適用例5:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態に先行している、システム。
適用例6:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースは、約27MHzの出力を有する高周波数RFソースを含む、システム。
適用例7:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースは、約60MHzの出力を有する高周波数RFソースを含む、システム。
適用例8:
適用例1のシステムであって、
前記少なくとも1つのRFソースは、約27MHzを超える出力を有する高周波数RFソースと、約2MHzの出力を有する低周波数RFソースとを含む、システム。
適用例9:
適用例1のシステムであって、
前記コントローラは、前記少なくとも1つのガスソースによる、前記処理空間への入力流量を、前記コンダクタンス制御構造の動きおよび前記少なくとも1つのRFソースの調節と協調させる、システム。
適用例10:
適用例1のシステムであって、
前記プラズマ密閉構造内の前記少なくとも1つの排出口は、前記プラズマ密閉構造の実質的に水平な部分に形成される、システム。
適用例11:
適用例1のシステムであって、
前記プラズマ密閉構造内の前記少なくとも1つの排出口は、前記プラズマ密閉構造の実質的に垂直な部分に形成される、システム。
適用例12:
チャンバのプラズマ処理空間において、その場で圧力を調節する方法であって、前記プラズマ処理空間は、上部電極の方面と、基板サポートの支持表面と、プラズマ密閉構造によって画定される外側領域との間に画定され、前記プラズマ密閉構造は、少なくとも1つの排出口を含み、前記方法は、
前記プラズマ処理空間に少なくとも1種の処理ガスを注入することと、
前記プラズマ処理空間内においてプラズマを発生させることと、
前記プラズマ処理空間内においてプラズマが発生される期間中に圧力を調節することおよび前記プラズマ処理空間に結合された少なくとも1つのRFソースを調節することと、
を備え、
前記圧力を調節することは、
前記少なくとも1つの排出口から前記プラズマ処理空間を出て行く第1の排出流であって、前記少なくとも1つの排出口から出て行く制限された流路である第1の排出流、および
前記少なくとも1つの排出口から前記プラズマ処理空間を出て行く第2の排出流であって、前記第1の排出流よりも大きく、前記少なくとも1つの排出口から、前記第1の排出流よりも制限が少ない流路を通って出て行く第2の排出流、
のうちの、少なくとも1つによって制御される、方法。
適用例13:
適用例12の方法であって、
前記プラズマが発生される期間は、1つ以上の既定の圧力設定点およびRF変調設定点を有する処理レシピに対応する、方法。
適用例14:
適用例13の方法であって、
前記既定の圧力設定点は、それぞれ、前記第1の排出流、または前記第2の排出流、または前記第1の排出流と前記第2の排出流との間の排出流に対応する、方法。
適用例15:
適用例12の方法であって、
前記プラズマ処理空間内の圧力は、前記伝達経路の制限が増したときに増加され、前記伝達経路の制限が減ったときに低減される、方法。
適用例16:
適用例12の方法であって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態に実質的に位相が一致している、方法。
適用例17:
適用例12の方法であって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態と実質的に位相が180度ずれている、方法。
適用例18:
適用例12の方法であって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態よりも遅れている、方法。
適用例19:
適用例12の方法であって、
前記少なくとも1つのRFソースの調節は、前記選択された処理状態に先行している、方法。
適用例20:
チャンバであって、
基板サポートと、
上部電極と、
前記基板サポートまたは前記上部電極の少なくとも1つに結合された少なくとも1つのRFソースと、
密閉構造であって、前記基板サポートと、前記上部電極と、前記密閉構造との間にプラズマ処理空間が画定されるように、前記基板サポートを取り巻くように配され、前記基板サポートを取り巻く複数の排出口を含む密閉構造と、
前記プラズマ処理空間の外側に、前記複数の排出口に近接して配されたコンダクタンス制御構造であって、前記コンダクタンス制御構造は、前記コンダクタンス制御構造を第1の位置と第2の位置との間で移動させる位置決め作動器を有し、前記第1の位置は、前記コンダクタンス制御構造を前記複数の排出口のすぐ隣りに配し、前記第2の位置は、前記コンダクタンス制御構造を前記複数の排出口から離れた場所に配し、前記少なくとも1つのRFソースは、前記第1の位置および前記第2の位置に対応するように調節される、コンダクタンス制御構造と、
を備えるチャンバ。
適用例21:
適用例20のチャンバであって、さらに、
コントローラであって、プラズマ処理レシピにおける1つ以上の処理状態中に、前記コンダクタンス制御構造の動きを指示するために、前記位置決め作動器と通信状態にあるコントローラを備えるチャンバ。
適用例22:
適用例21のチャンバであって、
前記コントローラは、プラズマ処理レシピによって定められたように、前記コンダクタンス制御構造を前記第1の位置と、前記第2の位置または前記第1の位置と前記第2の位置との間の位置との間で調整するように、前記プラズマ処理レシピ中に前記プラズマ処理チャンバ内へ、処理ガスを向かわせるガスソースと、通信状態にある、チャンバ。