特許第6599698号(P6599698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599698
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】画像測定装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20191021BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   G01B11/02 H
   G01B11/24 K
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-170616(P2015-170616)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-49036(P2017-49036A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】栗原 正紀
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−234226(JP,A)
【文献】 特開昭62−169005(JP,A)
【文献】 特開2000−227309(JP,A)
【文献】 特開2006−064415(JP,A)
【文献】 特開2000−357228(JP,A)
【文献】 特開2005−331285(JP,A)
【文献】 米国特許第05781655(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを撮像して、前記ワークの画像を取得する撮像装置と、
前記画像に基づいて前記ワークの測定を行い、測定結果を出力する演算装置と
を備え、
前記演算装置は、
前記画像に基づいて、前記画像よりも画素数が少ない他の画像を生成し、
前記他の画像に基づいて複数の領域を設定し、
前記複数の領域の少なくとも一つの輪郭線に沿ってエッジ検出処理を行ってエッジ点群を取得する
ことを特徴とする画像測定装置。
【請求項2】
前記演算装置は、
前記エッジ点群に含まれる複数のエッジ点に近似直線又は近似曲線を設定し、
前記近似直線又は近似曲線から、前記複数のエッジ点までの距離を算出し、
算出された距離の平均値及び分散値に基づいて、前記複数のエッジ点のうち、前記近似直線又は近似曲線から一定以上離れたエッジ点を排除する
ことを特徴とする請求項記載の画像測定装置。
【請求項3】
前記演算装置は、前記複数の領域に対して、それぞれ異なる複数の番号を設定する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像測定装置。
【請求項4】
前記演算装置は、前記エッジ点群を取得する前に、前記複数の領域のうちの面積がしきい値以下である領域を排除する
請求項1〜3のいずれか1項記載の画像測定装置。
【請求項5】
ワークを撮像して、前記ワークの画像を取得する撮像装置と、
前記画像に基づいて前記ワークの測定を行い、測定結果を出力する演算装置と
を備えた画像測定装置を制御して、前記測定結果の算出を行う画像測定装置の制御プログラムであって、
前記演算装置は、
前記画像に基づいて、前記画像よりも画素数が少ない他の画像を生成し、
前記他の画像に基づいて複数の領域を設定し、
前記複数の領域の少なくとも一つの輪郭線に沿ってエッジ検出処理を行ってエッジ点群を取得する
ことを特徴とする画像測定装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを撮像する事によってワークを測定する画像測定装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークについて寸法測定や形状測定を行う測定装置が知られている。このような測定装置としては、例えば、ワークを撮像して、このワークの画像を取得する撮像装置と、この画像に基づいて、ワークの寸法測定や形状測定等を行う演算装置とを備えた画像測定装置が知られている(特許文献1)。このような測定においては、例えば、測定対象の中心位置や、形状、輪郭線、幅等が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−241941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、画像測定装置を用いてワークを測定する場合、画像中に含まれるノイズの影響によって、好適に寸法測定や形状測定等を行う事が出来ない場合があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、画像中のノイズを低減して、好適に寸法測定や形状測定等を行うことが可能な画像測定装置及びその制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決すべく、本発明の一の実施の形態に係る画像測定装置は、ワークを撮像して、このワークの画像を取得する撮像装置と、この画像に基づいてワークの寸法測定や形状測定等を行い、測定対象の中心位置や、形状、輪郭線、幅等の測定結果を出力する演算装置とを備える。また、演算装置は、上記画像に基づいて、この画像よりも画素数が少ない他の画像を生成し、この他の画像に基づいて複数の領域を設定し、これら複数の領域に基づいて上記測定結果を算出する。
【0007】
例えば、上記演算装置は、上記領域の輪郭線に沿ってエッジ検出処理を行ってエッジ点群を取得する事が出来る。また、上記演算装置は、このエッジ点群に含まれる複数のエッジ点のうちの一部を排除する事が出来る。また、上記演算装置は、上記複数の領域に対して、それぞれ異なる複数の番号を設定する事が出来る。
【0008】
本発明の一の実施の形態に係る画像測定装置の制御プログラムは、ワークを撮像して、ワークの画像を取得する撮像装置と、この画像に基づいてワークの寸法測定や形状測定等を行い、測定対象の中心位置や、形状、輪郭線、幅等の測定結果を出力する演算装置とを備えた画像測定装置を制御して、測定結果の算出を行う。また、このプログラムにおいて、演算装置は、上記画像に基づいて、この画像よりも画素数が少ない他の画像を生成し、この他の画像に基づいて複数の領域を設定し、これら複数の領域に基づいて上記測定結果を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、好適に寸法測定や形状測定等を行うことが可能な画像測定装置及びその制御プログラムを提供する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像測定装置の全体図である。
図2】同画像測定装置で取得されたワークの画像の表示画面を示す。
図3】同画像測定装置の構成を示すブロック図である。
図4】同画像測定装置の動作を示すフローチャートである。
図5】同動作において生成された画像ピラミッドを示す。
図6図2のAA線に沿った画素位置と濃度レベルの関係を示すグラフである。
図7】同動作においてワークの画像に設定された領域を表示する表示画面を示す。
図8】同動作おいて使用されるエッジ検出ツールを表示する表示画面を示す。
図9図8のBで示した部分の拡大図である。
図10図9のエッジ点から選択された複数のエッジ点を示す。
図11】同動作において取得された測定結果を表示する表示画面を示す。
図12】従来の画像測定装置において取得された複数のエッジ点を示す。
図13図12のエッジ点から選択された複数のエッジ点を示す。
図14】従来の画像測定装置においてフィルタリング後の画像から取得された複数のエッジ点を示す。
図15図14のエッジ点から選択された複数のエッジ点を示す。
図16】本発明の第2の実施の形態に係る画像測定装置によってワークの画像に設定された領域を示す。
図17図16の領域から抽出された領域を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る画像測定装置の概略的な構成について説明する。
【0013】
図1に示す通り、本実施の形態に係る画像測定装置は、互いに直交するX,Y,Z軸を備えると共に、このZ軸の先端にワーク3を撮像する撮像装置としてカメラ141が搭載された画像測定機1と、この画像測定機1と接続されたコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)2とを備えている。
【0014】
画像測定機1は、次のように構成されている。即ち、試料移動手段11の上には、試料台12がその上面をベース面として水平面と一致するように載置され、試料移動手段11の両側端から立設されたアーム支持体13a,13bの上端でX軸ガイド13cを支持している。試料台12は、試料移動手段11によってY軸方向に駆動される。X軸ガイド13cには、撮像ユニット14がX軸方向に駆動可能に支持されている。撮像ユニット14の下端には、カメラ141がZ軸方向に駆動可能に装着されている。
【0015】
尚、本実施の形態においては試料台12上に配置されたワーク3を撮像する形式をとっているが、当然他の形式でも良く、例えば床に設置されたワークを横方向から撮像する様な形式でも良い。又、カメラ141としてはCCD、CMOS等、種々のカメラを使用可能である。また、カメラ141としては、画像測定機1に着脱可能な画像プローブを採用する事も出来る。
【0016】
PC2は、演算装置22と、この演算装置22に接続された表示装置21、及び、入力装置23を備えている。演算装置22は、内部にCPUやハードディスク等の記憶装置を備えている。表示装置21は、例えば、ディスプレイやプロジェクタ等である。入力装置23は、測定者の操作を入力する操作入力装置であり、例えばマウスやキーボード、タッチパネル等である。
【0017】
次に、図2を参照して、表示装置21の画面上に表示される映像について説明する。
【0018】
図2に示す通り、表示装置21の画面上には、カメラ141によって取得されたワーク3の画像(以下、図中、画像(3)と表記する。)が表示されている。図2に示す例において、ワーク3は、測定対象31を含んでいる。
【0019】
次に、図3を参照して、本施の形態に係る演算装置22の構成について、更に詳しく説明する。
【0020】
図3に示す通り、本実施の形態に係る画像測定装置においては、カメラ141がワーク3を撮像し、ワーク3の画像を取得する。また、この画像は、演算装置22を介して、表示装置21に転送される。また、演算装置22は、入力装置23を介して測定者の操作を受け付け、これに基づいてワーク3の測定(寸法測定や形状測定等)を行う。例えば、画像中から測定対象となる部分を抽出し、この測定対象について、重心等の位置に関する値や、輪郭線、幅等の形状に関する値を算出する。
【0021】
図3に示す通り、演算装置22は、CPU、メモリ及びハードディスク(記憶装置24)等に格納されたプログラムによって、下記の機能を実現する。即ち、領域分割部221は、ワーク3の画像に対して領域分割処理を行う。例えば、図7に示す通り、画像に領域分割処理を行ってこの画像を複数の領域に分割し、これら複数の領域を出力する。エッジ検出部222は、例えば、図8及び図9に示す通り、出力された領域の輪郭線に対してエッジ検出処理を行い、複数のエッジ点を含むエッジ点群を取得する。異常点除去部223は、例えば、図10に示す通り、複数のエッジ点のうちの一部を異常点と判定して除去し、残りを選択エッジ点群として取得する。測定結果取得部224は、この選択エッジ点群に基づいて、測定結果を取得する。
【0022】
次に、図4図11を参照して、本実施の形態に係る画像測定装置の動作について説明する。
【0023】
まず、図4図7を参照して、ステップS101について説明する。
【0024】
図4図7に示す通り、ステップS101においては、ワーク3の画像に対して領域分割処理を行う。領域分割処理は、種々の態様において行うことが可能であるが、以下においては、画像ピラミッドを用いた方法について例示する。尚、画像ピラミッドとは、例えば図5に示す様な、解像度(画素数)の異なる同一画像の集合である。
【0025】
図5に示す通り、ステップS101においては、例えば、ワーク3の画像に基づいて画像ピラミッドを生成する。例えば、図5に示す通り、ワーク3の画像がn画素の画像であった場合、例えば上下左右に隣接する画素の階調を平均化して、第1の画像よりも画素数が少ない画像を生成する。続いて、この生成された画像にも同様の処理を行い、更に画素数が少ない画像を生成する。以下同様に、新たに生成される画像が、元となる画像よりも画素数の少ないものとなる様に、順次画像を生成し、画像ピラミッドを生成する。続いて、この画像ピラミッドに含まれる複数の画像からk(<n)画素の画像を選択する。
【0026】
また、図6及び図7に示す通り、ステップS101においては、例えば、この選択されたk画素の画像に、複数の領域を設定する。領域の設定は、種々の態様において行うことが可能であるが、図6に示す例においては、濃度レベル(階調)がしきい値Thよりも高い部分と、濃度レベル(階調)がしきい値Thよりも低い部分とが異なる領域に分割される様に、領域の設定を行っている。尚、各画素の濃度レベル(階調)に応じて領域を設定する場合、しきい値Thを複数設定する事も可能である。また、上記k画素の画像に基づいて各領域の大まかな位置等を決定し、カメラ141において取得されたn画素の画像に基づいて各領域の境界を詳細に決定する事も可能である。
【0027】
次に、図4図8及び図9を参照して、ステップS102について説明する。
【0028】
図4図8及び図9に示す通り、ステップS102においては、ステップS101において取得された複数の領域の少なくとも一部に対してエッジ検出処理を行い、複数のエッジ点を取得する。エッジ検出処理は、種々の態様において行うことが可能であるが、図8に示す例においては、エッジ検出用のツールtを使用している。図8に例示するエッジ検出用のツールtは4つのボックスbを含んでおり、各ボックスbは測定対象31に対応する領域の輪郭線に沿って延びる長方形の形状を有している。また、各ボックスbには、その短手方向に延びる線分lが、その長手方向に沿って複数設けられている。エッジ検出においては、図8に示す通り、各ボックスbが測定対象31の輪郭に重畳され、ボックスb内の線分lに沿って濃度レベルの変化(傾き)の最も大きい画素がエッジ点として取得される。
【0029】
次に、図4及び図10を参照して、ステップS103について説明する。
【0030】
図4及び図10に示す通り、ステップS103においては、異常点検出処理を行って、図9に示した複数のエッジ点から異常点を除去し、選択エッジ点を取得する。異常点検出処理は種々の態様において行うことが可能であるが、例えば、ステップS102において取得した複数のエッジ点に近似直線(近似曲線)を設定し、この近似直線(近似曲線)から、各エッジ点までの距離を算出し、算出された距離の平均値及び分散値に基づいて、異常点を判定する事が可能である。
【0031】
次に、図4及び図11を参照して、ステップS104について説明する。
【0032】
図4及び図11に示す通り、ステップS104においては、例えばステップS103において取得された複数の選択エッジ点に基づいて、測定の結果を取得する。ステップS104においては、測定対象(例えば、測定対象31)の重心や輪郭線、幅等、種々の値を算出することが可能である。
【0033】
ここで、従来の画像測定装置においては、カメラ141において取得された画像に対して直接エッジ検出処理を行うと、図12に示す通り、画像に含まれるノイズの影響によって、測定対象31の輪郭から離れた多くの点がエッジ点として算出されてしまう場合があった。このような画像に対して異常点検出処理を行うと、図13に示す通り、多くのエッジ点が除去されてしまい、測定の精度に影響する場合があった。
【0034】
このような点に鑑み、従来の画像測定装置においては、カメラ141において取得された画像に対して予めフィルタリング等の画像処理を行い、画像中のノイズを低減させ、その後にエッジ検出処理を行う場合があった。このようなフィルタリングには、例えば、メディアンフィルタ、平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、モフォロジーフィルタ等の画像フィルタを用いることがあった。しかしながら、このようにフィルタリング等の画像処理を行った場合であっても、図14に示す通り、測定対象31の輪郭から離れた多くの点がエッジ点として算出されてしまう場合があった。従って、このような画像に対して異常点検出処理を行った場合にも、図15に示す通り、多くのエッジ点が除去されてしまい、測定の精度に影響する場合があった。
【0035】
このような場合に対し、第1の実施の形態においては、カメラ141によって取得した画像に対して領域分割処理を行って画像を複数の領域に分割し(図7参照)、これら複数の領域の少なくとも一部に対してエッジ検出処理を行い(図8参照)、このエッジ検出処理によって取得された複数のエッジ点に対して異常点検出処理を行い(図10参照)、その結果に基づいて測定結果を取得している(図11参照)。従って、図7に示す通り、測定対象31の輪郭付近におけるノイズを好適に低減させ、図9に示す通り、測定対象31の輪郭上において多数のエッジ点を好適に取得する事が可能である。また、上述したような場合と比較して、異常点検出処理において除去されるエッジ点の点数を低減させることが可能である。
【0036】
尚、図4図11を参照して説明した例においては、画像ピラミッドを用いて領域分割処理を行っていた。即ち、カメラ141において取得された画像よりも画素数が少ない画像に基づいて各領域の大まかな位置等を決定していた。ここで、画素数が少ない画像においては、元の画像に含まれるノイズが大幅に削減される。従って、この画像に基づいて各領域の大まかな位置等を決定することにより、測定対象31の輪郭付近におけるノイズの影響を低減させつつ各領域の輪郭を決定する事が可能である。
【0037】
また、上述の通り、上記領域分割処理においては、上記k画素の画像に基づいて各領域の大まかな位置等を決定し、カメラ141において取得されたn画素の画像に基づいて各領域の境界を詳細に決定する事も可能である。このような場合、上記領域の輪郭を、n画素の画像に基づいて決定する事が可能であるため、ノイズを低減させつつ詳細な測定を行う事が可能である。尚、k画素の画像に基づいて測定結果を算出することにより、高速な概算処理を行う事も可能である。
【0038】
[第2の実施の形態]
次に、図16及び図17を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る画像測定装置について説明する。尚、以下の説明において、第1の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
本実施の形態に係る画像測定装置は、基本的には第1の実施の形態と同様に構成されているが、本実施の形態においては、図16に示す通り、画像分割処理が行われた後、各領域に異なる番号を割り振っている。また、その後、図17に示す通り、測定対象31に対応する領域“3”を抽出し、この抽出された領域に基づいて測定結果を取得する。
【0040】
本実施の形態においては、図16に示す通り、ノイズ部分に対応する領域“6”,“7”に、測定対象31に対応する領域“3”とは異なる番号が割り振られる。従って、測定対象31に対応する領域“3”が抽出された時点で、測定対象31の輪郭付近におけるノイズを好適に低減させることが可能である。
【0041】
尚、本実施の形態においては、抽出された領域“3”に対して、第1の実施の形態と同様にエッジ検出や異常点検出処理等の処理を行い、その結果に基づいて測定結果を取得する事も出来る。また、その他の処理を行うことによって測定結果を取得する事も出来る。
【0042】
また、図16に示す通り、ノイズ部分に対応する領域“6”,“7”は、他の領域と比較して、面積が小さい事がある。従って、例えば、領域の面積について予めしきい値を設定しておき、各領域に異なる番号を割り振った後で、面積がしきい値以下となる様な領域“6”,“7”が存在していた場合には、これらの領域“6”,“7”をノイズ成分に対応する領域と判定し、測定結果の算出の際に排除する事も可能である。
【0043】
[その他の実施の形態]
第1の実施の形態においてはエッジ検出処理や異常点検出処理等を行っていたが、これらの処理を省略したり、他の処理に置き換えたりする事も可能である。また、上記フィルタリング等の画像処理を組み合わせて行う事も可能である。
【0044】
また、本発明は、カメラ141がZ軸方向に駆動可能に構成され、Z軸方向の座標を測定可能な三次元画像測定機を使用する場合の他、二次元画像測定機や、画像測定機能を有する顕微鏡を使用する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…画像測定機、2…コンピュータ(PC)、3…ワーク、11…試料移動手段、12…試料台、13a、b…アーム支持体、13c…X軸ガイド、14…撮像ユニット、表示装置21、演算装置22、入力装置23、141…カメラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17