【文献】
INOUE, Yoku, et al.,Direct Dry Spinning of Millimeter-long Carbon Nanotube Arrays for Aligned Sheet and Yarn,Nanotube Superfiber Materials,2013年 9月16日,Chapter 14,p.389-414,特に14.1-14.4, FIGURE14.1, 14.4, 14.9
【文献】
井上翼 ほか,塩化物CVD法により作製した長尺カーボンナノチューブアレイによる超軽量高強度ナノチューブ構造体の開発,ANNUAL REPORT OF THE MURATA SCIENCE FOUNDATION,2011年12月,No.25,第186−195頁,特に概要、1、3.1、Fig.1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハロゲン含有物質は、塩素分子、臭素分子、塩化水素、臭化水素、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロメタンおよびジクロロエチレンからなる群から選ばれる1種または2種以上の物質を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブフォレストを備える紡績源部材の製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0033】
1.固相触媒法によるCNTの製造装置
本発明の一実施形態に係るCNTの製造装置を、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る製造装置では、CNTを固相触媒法により製造する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係るCNTの製造方法に使用されうる製造装置の構成を概略的に示す図である。
【0035】
図1に示されるように、CNTの製造装置10は、電気炉12を備えている。この電気炉12は、所定方向A(原料ガスが流れる方向)に沿って延在する略円筒形状を呈している。電気炉12の内側には、CNTが形成される領域である成長領域を有する反応チャンバである反応容器管14が通されている。反応容器管14は、例えば石英といった耐熱材からなる略円筒形の部材であり、電気炉12よりも細い外径を有し、所定方向Aに沿って延在している。
図1では、CNTが成長する面である成長基面を備える基板28が、反応容器管14の成長領域内に配置されている。すなわち、CNTの製造装置10における成長領域は、反応容器管14内における基板28が配置された領域を含む。
【0036】
成長領域内における基板を配置する位置は限定されない。反応容器管14の形状、ヒータ16の配置、排気能力、反応容器管14内に供給される物質の量などを勘案して、CNTフォレストを適切に成長させることが可能な位置に配置すればよい。
【0037】
電気炉12は、ヒータ16および熱電対18を備える。CNTの製造装置10において、温度調整装置はヒータ16および熱電対18により構成される。ヒータ16は、反応容器管14の所定方向Aのある一定の領域(換言すれば、略円筒形状の反応容器管14の軸方向の一定の領域であり、以下「加熱領域」ともいう。)を囲むように配設され、反応容器管14の加熱領域における管内雰囲気の温度を上昇させるための熱を発生する。熱電対18は、電気炉12の内側において反応容器管14の加熱領域の近傍に配置され、反応容器管14の加熱領域における管内雰囲気の温度に関連する温度を表わす電気信号を出力可能である。ヒータ16および熱電対18は、制御装置20と電気的に接続されている。
【0038】
所定方向Aにおける反応容器管14の上流側(
図1では左側の一端)には、供給装置22が接続されている。供給装置22は、原料ガス供給装置30、触媒原材料供給装置31、気相助触媒供給装置32および補助ガス供給装置33を備える。供給装置22は制御装置20と電気的に接続され、供給装置22が備える各供給装置とも電気的に接続されている。
【0039】
原料ガス供給装置30は、CNTの原料となる炭素化合物(例えばアセチレンなどの炭化水素)、すなわち炭素源を含む原料ガスを反応容器管14の内部(特に成長領域)へ供給することができる。原料ガス供給装置30からの原料ガスの供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。
【0040】
触媒原材料供給装置31は、触媒原材料供給装置31内に収容される触媒供給用液体Lを霧化してなる触媒供給用液体Lの微小液滴(触媒供給用ミスト)Mを、反応容器管14の内部に供給することができる。触媒供給用ミストMは、触媒供給用液体Lに含有されていた金属元素含有化合物を含有するため、触媒原材料供給装置31により金属元素含有化合物を反応容器管14の内部(特に成長領域)へ供給することができる。
【0041】
図2に示されるように、触媒原材料供給装置31は、ユニット構造を有する。すなわち、触媒原材料供給装置31は、金属元素含有化合物を含有する液状組成物からなる触媒供給用液体Lを収容可能な供給ユニット用チャンバ31Aおよび供給ユニット用チャンバ31A内の触媒供給用液体Lを霧化させる霧化装置31Bを備える。
図2では、霧化装置31Bは、ウォーターバス31B1およびこれに付設された超音波振動発生器31B2により構成される。
【0042】
触媒原材料供給装置31は、触媒供給用ミストMを輸送することなどを目的とする気体供給装置31C、および供給ユニット用チャンバ31A内の触媒供給用ミストMを供給ユニット用チャンバ31A外に放出可能な放出装置31Dを備える。供給ユニット用チャンバ31A内にて、霧化装置31Bにより生成した触媒供給用ミストMは、気体供給装置31Cから供給された気体(アルゴンなどの不活性ガスが例示される。)により輸送されて、放出装置31Dから反応容器管14内に供給される。気体供給装置31Cおよび放出装置31Dは、これらのそれぞれを通過する物質の量を調整する手段を備えていてもよい。触媒原材料供給装置31は、触媒供給用液体Lを追加的に供給する機構を有していてもよいし、供給ユニット用チャンバ31A内の圧力を制御する機構を有していてもよい。
【0043】
気相助触媒供給装置32は、気相助触媒を反応容器管14の内部(特に成長領域)へ供給することができる。気相助触媒については後述する。気相助触媒供給装置32からの気相助触媒の供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。気相助触媒供給装置32は、複数の気相助触媒を供給することが可能であってもよい。例えば、
図3に示されるように、第1の気相助触媒供給装置32a、第2の気相助触媒供給装置32b、・・・というように、気相助触媒供給装置32は複数の供給装置を備えていてもよい。
【0044】
補助ガス供給装置33は、上記の原料ガス、触媒供給用ミストMおよび気相助触媒以外のガス、たとえばアルゴンなどの不活性ガス(本明細書においてかかるガスを「補助ガス」と総称する。)を反応容器管14の内部(特に成長領域)へ供給することができる。補助ガス供給装置33からの補助ガスの供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。
【0045】
所定方向Aにおける反応容器管14の下流側(
図1では右側)の他端には、圧力調整バルブ23および排気装置24が接続されている。圧力調整バルブ23は、バルブの開閉の程度を変動させることにより、反応容器管14内の圧力を調整することができる。排気装置24は、反応容器管14の内部を真空排気する。排気装置24の具体的種類は特に限定されず、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、メカニカルブースター、ターボ分子ポンプ、クライオポンプなどを単独でまたはこれらを組み合わせて用いることができる。圧力調整バルブ23および排気装置24は、制御装置20に電気的に接続される。また、反応容器管14の内部には、その内部圧力を計測するための圧力計13が設けられている。圧力計13は、制御装置20に電気的に接続され、反応容器管14の内部の圧力を表わす電気信号を制御装置20に出力することができる。
【0046】
制御装置20は、上記のように、ヒータ16、熱電対18、供給装置22、圧力計13、圧力調整バルブ23および排気装置24と電気的接続され、これらの装置等から出力された電気信号を入力したり、その入力した電気信号に基づいてこれらの装置等の動作を制御したりする。以下、制御装置20の具体的な動作について例示する。
【0047】
制御装置20は、熱電対18から出力された反応容器管14の内部温度に関する電気信号を入力し、その電気信号に基づいて決定されたヒータ16の動作に係る制御信号をヒータ16に対して出力することができる。制御装置からの制御信号を入力したヒータ16は、その制御信号に基づいて、発生熱量を増減させる動作を行い、反応容器管14の加熱領域の内部温度を変化させる。
【0048】
制御装置20は、圧力計13から出力された反応容器管14の加熱領域の内部圧力に関する電気信号を入力し、その電気信号に基づいて決定された圧力調整バルブ23および排気装置24の動作に係る制御信号を圧力調整バルブ23および排気装置24に対して出力することができる。制御装置20からの制御信号を入力した圧力調整バルブ23および排気装置24は、その制御信号に基づいて、圧力調整バルブ23の開き具合を変更したり、排気装置24の排気能力を変更させたりするなどの動作を行う。
【0049】
制御装置20は、あらかじめ設定されたタイムテーブルに従って、各装置等の動作を制御するための制御信号を各装置に対して出力することができる。たとえば、供給装置22が備える原料ガス供給装置30、触媒原材料供給装置31、気相助触媒供給装置32および補助ガス供給装置33のそれぞれからの物質供給の開始および停止ならびに供給流量を決定する制御信号を供給装置22に出力することができる。その制御信号を入力した供給装置22は、その制御信号に従って、各供給装置を動作させて、原料ガスなどの各物質を反応容器管14内への供給を開始したり停止したりする。
【0050】
制御装置20は、触媒原材料供給装置31を構成する各部の動作を制御することができる。すなわち、制御装置20は、触媒原材料供給装置31が備える霧化装置31Bの動作に関する制御信号を出力することができる。その制御信号を入力した霧化装置31Bは、その制御信号に従って、供給ユニット用チャンバ31A内の触媒供給用液体Lの霧化を開始したり停止したりすることができる。制御装置20は、気体供給装置31Cの動作に関する制御信号を出力することができる。その制御信号を入力した気体供給装置31Cは、その制御信号に従って、供給ユニット用チャンバ31A内への気体の供給量を変化させる。制御装置20は、放出装置31Dの動作に関する制御信号を出力することができる。その制御信号を入力した放出装置31Dは、その制御信号に従って、触媒供給用ミストMを、供給ユニット用チャンバ31A外、すなわち、
図1では反応容器管14内に供給するタイミングや量を調整することができる。触媒原材料供給装置31が上記のように追加の液体供給系や排気系を備える場合には、制御装置20は、これらの動作に関する制御信号を出力することができる。
【0051】
2.固相触媒法によるCNTフォレストの製造方法
本発明の一実施形態に係るCNTフォレストの製造方法を説明する。CNTフォレストはCNTの二次構造の一種であるから、本実施形態に係るCNTフォレストの製造方法は、CNTの製造方法でもある。
【0052】
本実施形態に係るCNTフォレストの製造方法は、触媒配置工程および成長工程を備える。以下の説明では、製造装置10を用いて製造する場合を具体例とする。前述のように、CNTフォレストは、CNTの二次構造の一つであるから、CNTフォレストを製造するということは、CNTフォレストという二次構造を有する一群のCNTを製造するということを意味する。
【0053】
(1)触媒配置工程
本実施形態に係るCNTフォレストの製造方法では、触媒配置工程として、金属系触媒をハロゲンフリーの状態で反応チャンバ(反応容器管14)内に存在させる。具体的には、金属元素含有化合物を含有する液状組成物(触媒供給用液体L)をミスト化にして、得られた液状組成物のミスト(触媒供給用ミストM)を所定の温度に加熱された反応チャンバ(反応容器管14)内に供給し、液状組成物のミスト(触媒供給用ミストM)に含有される金属元素含有化合物から固相の金属系触媒を反応チャンバ(反応容器管14)内に生成させて、反応チャンバ(反応容器管14)内に位置する基板28の成長基面上に、固相の金属系触媒を配置する。
【0054】
基板28の具体的な構成は限定されない。その形状は任意であり、平板や円筒のような簡単な形状であってもよいし、複雑な凹凸が設けられた3次元形状を有していてもよい。また、基板28の全面が成長基面であってもよいし、基板28の表面の一部だけが成長基面であって他の部分は成長基面ではない、いわゆるパターニングされた状態であってもよい。
【0055】
成長基面を構成する材料は、CNTフォレストを成長させることができる限り限定されない。成長基面を構成する材料として、アルミニウム等の金属元素およびシリコン等の半金属元素の少なくとも一方を含む化合物が例示される。具体的には、シリコンの酸化物、アルミニウムの酸化物、シリコンの窒化物、およびアルミニウムの窒化物ならびにこれらの複合化合物が例示される。成長基面を構成する材料は、Fe,Niなどの遷移金属元素を含有していてもよいし、ホウ素、炭素などの非金属元素を含有していてもよい。
【0056】
成長基面を構成する材料は基板28を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。具体例を示せば、基板28を構成する材料が石英からなり成長基面を構成する材料も石英からなる場合や、基板28を構成する材料はケイ素を主体とするシリコン基板からなり成長基面を構成する材料はその酸化膜からなる場合が例示される。
【0057】
触媒配置工程では、反応容器管14内に触媒供給用ミストMを供給する。製造装置10を用いてCNTフォレストを製造する場合には、触媒原材料供給装置31を用いることにより、触媒供給用液体Lから触媒供給用ミストMを生成させることができる。触媒原材料供給装置31では、超音波振動発生器を用いてミスト化を行う。すなわち、触媒供給用液体Lのミスト化は機械式である。触媒供給用液体Lのミスト化の方法はこれに限定されない。触媒供給用液体Lに気体を通過させること(バブリング)により行われてもよい。
【0058】
触媒供給用ミストM内には金属元素含有化合物が含まれており、この金属元素含有化合物から、固相の金属系触媒が形成される。金属元素含有化合物が含有する金属元素は、CNTフォレストの触媒材料を構成する元素である限り、限定されない。Fe,Ni,Coなどの鉄族元素が好ましい例として挙げられる。このほか、Moなども金属元素含有化合物が含有する金属元素として例示される。
【0059】
金属元素含有化合物の組成は、固相の金属系触媒を形成できる限り、限定されない。好ましい一例として、金属元素含有配位化合物が挙げられる。金属元素含有配位化合物の具体例として、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン等のメタロセン化合物、鉄カルボニル錯体等のカルボニル錯体、鉄−メタノール錯体などが挙げられる。
【0060】
触媒供給用液体Lを触媒供給用ミストMとして反応容器管14内に供給することにより、様々な種類の金属元素含有化合物を、容易にかつ化学的に安定な状態で反応容器管14内に存在させることが可能となる。
【0061】
触媒供給用液体Lが含有する溶媒は、金属元素含有化合物を溶解できる限り、限定されない。触媒供給用液体Lは有機化合物を溶媒として含有していてもよい。そのような溶媒として、エタノール、メタノールなどのアルコール類が例示される。こうした溶媒としての有機化合物は、カーボンナノチューブを成長させる炭素源として機能しないことが好ましい。すなわち、触媒配置工程ではCNTフォレストを基板28の成長基面上に形成せず、成長工程でのみCNTフォレストの成長が行われることが好ましい。このようにすることで、プロセスの制御性を高めることができる。
【0062】
反応容器管14内に供給された触媒供給用ミストMの溶媒は速やかに気化し、反応容器管14内に微小な金属元素含有化合物が浮遊した状態となると考えられる。この金属元素含有化合物から固相の金属系触媒が形成される。金属元素含有化合物がフェロセンの場合には、フェロセンから鉄原子が生成し、この鉄原子がクラスター化して基板28の成長基面上に堆積し、固相の金属系触媒として配置されると考えられる。
【0063】
触媒配置工程における反応容器管14内の雰囲気、具体的には基板28が配置されている成長領域の雰囲気は、不活性雰囲気であることが好ましい。不活性雰囲気とすることで、触媒配置工程において配置された固相の金属系触媒が酸化されにくくなり、成長工程においてCNTフォレストの成長を安定的に開始することができる。
【0064】
触媒配置工程における反応容器管14内の雰囲気の圧力は特に限定されない。大気圧(1.0×10
5Pa程度)であってもよいし、負圧であってもよいし、陽圧であってもよい。成長工程において反応容器管14内を負圧雰囲気とする場合には、触媒配置工程においても雰囲気を負圧としておいて、ステップ間の遷移時間を短縮することが好ましい。触媒配置工程において反応容器管14内を負圧雰囲気とする場合において、雰囲気の具体的な全圧は特に限定されない。一例を挙げれば、1×10
−2Pa以上1×10
5Pa以下とすることが挙げられる。
【0065】
触媒配置工程における反応容器管14内雰囲気の温度は特に限定されない。常温(約25℃)であってもよいし、加熱されていてもよいし、冷却されていてもよい。反応容器管14内雰囲気が加熱されていることにより、固相の金属系触媒が成長基面上に配置されやすくなる場合もある。後述するように成長工程において反応容器管14の成長領域は加熱されていることが好ましいことから、触媒配置工程においてもその成長領域を加熱しておいて、ステップ間の遷移時間を短縮することが好ましい場合もある。
【0066】
(2)成長工程
成長工程では、反応チャンバ(反応容器管14)内に炭素源を供給して、基板28の成長基面上に配置された固相の金属系触媒上にCNTを成長させて、基板28上にCNTの二次構造としてのCNTフォレストを形成する。
【0067】
炭素源の種類は特に限定されないが、通常、炭化水素系材料が用いられ、アセチレン、シクロヘキサン、エチレンなどが具体例として挙げられ、アセチレンが好ましい例として挙げられる。炭素源を反応容器管14内(特に成長領域)に存在させる方法は特に限定されない。前述の製造装置10のように、原料ガス供給装置30から炭素源を供給することにより存在させてもよいし、炭素源を生成させることが可能な材料を反応容器管14の内部にあらかじめ存在させ、その材料から炭素源を生成して反応容器管14の内部に拡散させることによって成長工程を開始してもよい。原料ガス供給装置30から炭素源を供給する場合には、流量調整機器を用いて、反応容器管14の内部への炭素源の供給流量を制御することが好ましい。通常、供給流量はsccm単位で表され、1sccmとは、273K、1.01×10
5Paの環境下に換算した気体についての毎分1mlの流量を意味する。反応容器管14内に供給される気体の流量は、
図1に示されるような構成の製造装置10の場合には、反応容器管14の内径、圧力計13において測定される圧力などに基づいて設定される。圧力計13の圧力が1×10
2Pa以上1×10
4Pa以内の場合における、アセチレンを含有する炭素源の好ましい供給流量として10sccm以上1000sccm以下が例示され、この場合には20sccm以上500sccm以下とすることがより好ましく、50sccm以上300sccm以下とすることが特に好ましい。
【0068】
本明細書において、「気相助触媒」とは、成長工程におけるCNTの成長を促進する機能(以下、「成長促進機能」ともいう。)を有し、好ましい一形態では、さらに製造されたCNTフォレストを備える部材の紡績性を向上させる機能(以下、「紡績性向上機能」ともいう。)を有し、反応容器管14内に気相の状態で供給される物質を意味する。成長促進機能の詳細は特に限定されない。気相助触媒の具体的な組成は、上記の成長促進機能および好ましくはさらに紡績性向上機能を果たす限り特に限定されない。
【0069】
気相助触媒の一例として、ハロゲン元素を含む物質であるハロゲン含有物質が挙げられる。本発明の一実施形態に係る製造方法では、成長工程において、カーボンナノチューブが生成するときに、反応チャンバ(反応容器管14)内にハロゲン含有物質が存在する。
【0070】
本明細書において、ハロゲン含有物質とは、ハロゲン元素を含有する物質である。ハロゲン含有物質のチャンバ内の存在量の影響を少なくして成長工程を効率的に進行させる観点などから、ハロゲン含有物質は、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)からなる群から選ばれる1種または2種以上の元素を含むことが好ましい場合もある。
【0071】
ハロゲン含有物質は、取扱い性を高める観点から、金属元素を含有しないことが好ましい。金属元素を含有しないハロゲン含有物質の具体例として、ハロゲン分子、ハロゲン化水素、炭化水素における水素の一部または全部がフッ素を含むハロゲン元素により置換された物質であるハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらの物質は、気体状態を容易に実現できるため、取扱い性に優れる。
【0072】
ハロゲン含有物質の具体例として、塩素分子(Cl
2)、臭素分子(Br
2)、塩化水素、臭化水素、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロメタン、およびジクロロエチレンなどが挙げられる。ハロゲン含有物質は上記の例示した一群の物質の1種または2種以上を含むことが好ましい場合もある。ハロゲン含有物質として、上記の例のほか、フッ素分子(F
2)、ハロゲン化炭化水素(CHF
3,CHF
2CF
3,CHCl
2CF
3などのフロンが具体例として挙げられる。)なども例示することができる。
【0073】
成長工程において反応チャンバ(反応容器管14)内にハロゲン含有物質を供給する場合には、炭素源の供給と同時または炭素源の供給開始後に、反応チャンバ(反応容器管14)内に供給されることが好ましい。ハロゲン含有物質をこのように供給することにより、基板28上に配置された固相の金属系触媒が炭素源と相互作用する前にハロゲン化して触媒としての機能が低下する可能性を低減させることができる場合もある。
【0074】
上記のようなハロゲン含有物質が固相の金属系触媒に対して負の影響を及ぼす可能性を安定的に低減させる観点から、ハロゲン含有物質の反応チャンバ(反応容器管14)内の存在量は、炭素源の反応チャンバ(反応容器管14)内の存在量に対するモル比率として、0.2以下であることが好ましい場合もある。上記の可能性をより安定的に低減させる観点から、上記のモル比率は、0.1以下であることがより好ましい場合があり、0.05以下であることがさらに好ましい場合があり、0.02以下であることが特に好ましい場合がある。上記のモル比率の下限は、ハロゲン含有物質が反応チャンバ(反応容器管14)内に存在させたことの効果が得られるように適宜設定される。限定されない例示をすれば、上記のモル比率の下限の一例は、0.0001である。成長工程において、ハロゲン含有物質および炭素源を気体として供給する場合には、上記のモル比率は供給体積比率として管理することができる。
【0075】
気相助触媒の他の一例として、還元性物質が挙げられる。還元性物質の具体例として、アセトン、水素および一酸化炭素が挙げられ、還元性物質はこれらの物質からなる群から選ばれる一種以上の物質を含むことが好ましい。
【0076】
還元性物質を供給する場合には、還元性物質の供給量は、炭素源の供給量の5体積%以上50体積%以下となる量であることが好ましく、10体積%以上30体積%以下となる量であることがより好ましい。
【0077】
気相助触媒の供給は、気相助触媒供給装置32を用いて行うことができる。気相助触媒を反応容器管14内に供給する場合に、気相助触媒単独で供給されてもよいし、他の気体(不活性ガスが例示される。)とともに供給されてもよい。
【0078】
気相助触媒の供給タイミング、例えば炭素源の供給タイミングとの関係は、気相助触媒の機能に応じて適宜設定される。
【0079】
成長工程における反応容器管14内雰囲気の全圧は特に限定されない。大気圧(1.0×10
5Pa程度)であってもよいし、負圧であってもよいし、陽圧であってもよい。反応容器管14内に存在する物質の組成(分圧比)などを考慮して適宜設定すればよい。反応容器管14内の加熱領域の内部の雰囲気を負圧とする場合の圧力範囲の具体例を示せば、1×10
1Pa以上1×10
4Pa以下であり、2×10
1Pa以上5×10
3Pa以下とすることが好ましく、5×10
1Pa以上2×10
3Pa以下とすることがより好ましく、1×10
2Pa以上1×10
3Pa以下とすることが特に好ましい。
【0080】
成長工程における反応容器管14の成長領域の温度は、固相の金属系触媒および必要に応じて用いられる気相助触媒が成長領域に適切な量存在する条件において、炭素源を用いて基板28の成長基面上にCNTフォレストを形成することができる限り、特に限定されない。
【0081】
成長工程の成長基面の温度は、反応容器管14の成長領域の温度を調整することにより制御してもよい。成長工程中の基板28の成長基面の温度は600℃以上に加熱されていることが好ましい。基板28の成長基面の温度が600℃以上である場合には、必要に応じて用いられる気相助触媒と炭素源との相互作用が成長基面上で生じやすく、基板28の成長基面上にCNTフォレストが成長しやすい。この相互作用をより生じやすくさせる観点から、成長工程中の成長基面の温度は650℃以上に加熱されていることが好ましく、700℃以上に加熱されていることがより好ましく、750℃以上に加熱されていることが特に好ましい。成長工程中の基板28の成長基面の温度の上限は特に限定されないが、過度に高い場合には、成長基面を構成する材料や基板28を構成する材料(これらは同一である場合もある。)が固体としての安定性を欠く場合もあるため、これらの材料の融点や昇華温度を考慮して上限を設定することが好ましい。反応容器管の負荷を考慮すれば、基板28の上限温度は1200℃程度とすることが好ましい。
【0082】
3.その他の方法
上記の実施形態では、触媒供給用ミストMを用いて固相の金属系触媒を製造する固相触媒法によりCNTを製造したが、金属系触媒をハロゲンフリーの状態でチャンバ内に存在させ、炭素源を原料として金属系触媒上にCNTを生成させる方法である限り、CNTの製造方法は限定されない。上記の実施形態に係る製造方法は、固相触媒法の一種として、触媒供給用ミストMから固相の金属系触媒を生成させる。他の固相触媒法として、特許文献1に示されるような触媒を構成する金属系材料を蒸着などのドライプロセスによって基板上に製膜することを含んでもよい。
【0083】
CNTは気相流動法により製造されてもよい。気相流動法では、金属系触媒が反応チャンバ内に浮遊する状態でCNTを生成させる。本発明の一実施形態に係るCNTの製造方法では、この反応チャンバ内に浮遊する金属系触媒は、ハロゲンフリーの状態にある。そして、炭素源を原料として金属系触媒上にCNTを生成させるときに反応チャンバ内にハロゲン含有物質を存在させる。このようにすることで、ハロゲンフリーの金属系触媒を用いた気相流動法によるCNTの製造という一般的な製造方法において、CNTの生産性を向上させることができる。すなわち、金属系触媒の供給や炭素源の供給に関しては、従来行われていた製造方法を採用しつつ、CNTを生成させるとき反応チャンバ内にハロゲン含有物質を存在させる、具体的には、ハロゲン含有物質を反応チャンバ内に供給することが例示される、ことにより、CNTの生産性を向上させることができる。したがって、例えば特許文献2に記載されるような金属ハロゲン化合物からなる触媒を用いる場合に比べて、設備的な変更も不要であり、製造プロセスの最適化のための作業量も格段に少ないと期待される。
【0084】
このように、本発明の一実施形態に係る製造方法によれば、従来広く行われているCNTの製造方法に、CNTが生成するときに反応チャンバ内にハロゲン含有物質を存在させることを追加的に実施するだけで、CNTの生産性を向上させることが実現される。反応チャンバ内にハロゲン含有物質を存在させることを追加的に実施する前の段階では、反応チャンバ内において金属系触媒はハロゲンフリーの状態にある。すなわち、ハロゲンフリーの状態にある金属系触媒を反応チャンバ内に存在させ、CNTが生成するときに反応チャンバ内にハロゲン含有物質を存在させるようにする。ハロゲン含有物質が存在する状態でCNTを生成させるときには、金属系触媒はハロゲン含有物質と相互作用していてもよく、結果的に、金属系触媒はハロゲン含有物質を含む状態や、金属系触媒がハロゲン含有物質(具体例として金属系触媒を構成する金属のハロゲン化物が挙げられる。)となっていてもよい。
【0085】
4.CNTフォレスト
本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTフォレストの一例は、
図4および5に示されるように、複数のCNTが一定の方向(成長基面の法線に沿った方向)に配向するように配置された構造を有する部分を備える。
【0086】
本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTフォレストは紡績性を有することができる。具体的には、CNTフォレストを構成するCNTをつまんで、これをCNTフォレストから離間する向きに引き出す(紡績する)ことによって、互いに交絡した複数のCNTを備える構造体(CNT交絡体)を得ることができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTフォレストFを方向Sに引き出す(紡績する)ことによりCNT交絡体Bが形成された状態を示す画像である。
図6では、CNTフォレストの複数の位置から方向Sに引き出すことにより、方向Sに延びた幅の狭いウェブが複数形成されている。CNT交絡体を構成するCNTは、CNTフォレストから引き出される方向(紡績方向)に配向しつつ、互いに絡み合って連結体を形成している。本明細書において、CNTフォレストを備える部材であって、CNT交絡体を形成することが可能な部材を「紡績源部材」ともいう。
図6では、CNTフォレストFが紡績源部材である。
【0087】
5.CNT交絡体
紡績源部材から得られるCNT交絡体は、様々な形状を有することができる。具体的な一例として線状の形状が挙げられ、他の一例としてウェブ状の形状が挙げられる。線状のCNT交絡体は、これを得るべく紡績源部材を引き出す際に撚りを加えれば、繊維と同等に取り扱うことができるうえ、電気配線としても用いることができる。また、ウェブ状のCNT交絡体は、そのままで不織布と同様に取り扱うことができる。
【0088】
CNT交絡体の紡績方向長さは特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。一般的には、紡績長さが2mm以上であれば、コンタクト部、電極など部品レベルへのCNT交絡体の適用が可能となる。また、線状のCNT交絡体は、紡績源部材からの紡績方法(具体例として撚りの程度が挙げられる。)を変更することによって、これを構成するCNTの配向の程度を任意に制御することができる。したがって、紡績源部材からの紡績方法を変更することによって、機械的特性や電気的特性が異なるCNT交絡体を製造することが可能である。
【0089】
CNT交絡体は、その交絡の程度を小さくすれば、線状の場合には細くなり、ウェブ状の場合には薄くなる。その程度が進めば、CNT交絡体を目視で確認すること困難となり、このときそのCNT交絡体は透明繊維、透明配線、透明ウェブ(透明なシート状部材)として使用されうる。
【0090】
CNT交絡体は、CNTのみからなっていてもよいし、他の材料との複合構造体であってもよい。前述のように、CNT交絡体は複数のCNTが互いに絡み合ってなる構造を有することから、この絡み合った複数のCNTの間には、不職布を構成する複数の繊維と同様に、空隙が存在する。この空隙部に、粉体(金属微粒子、シリカ等の無機系粒子や、エチレン系重合体等の有機系粒子が例示される。)を導入したり、液体を含浸させたりすることによって、容易に複合構造体を形成することができる。
【0091】
また、CNT交絡体を構成するCNTの表面が改質されていてもよい。CNTは外側面がグラフェンから構成されるため、CNT交絡体はそのままでは疎水性であるが、CNT交絡体を構成するCNTの表面に対して親水化処理を行うことによって、CNT交絡体を親水化することができる。そのような親水化の手段の一例として、めっき処理が挙げられる。この場合には、得られたCNT交絡体は、CNTとめっき金属との複合構造体となる。
【0092】
6.その他のCNTを備える構造体
上記のCNTの製造装置を用いて製造することにより、CNTの二次構造としてCNTフォレストが得られる。CNTフォレスト以外のCNTの二次構造の例として、CNTメッシュが挙げられる。CNTメッシュは、異方性低く湾曲した一次構造を有するCNTの集合体であって、結果的に3次元メッシュとして機能し得るCNTの二次構造である。
図7はCNTメッシュの一例を示す画像である。
【0093】
一群のCNTが全体として粉末のような形態で得られた場合(例えばCNTの長さが100μm以下程度の比較的短い場合が挙げられる。)であっても、この一群のCNTを原料として構造体を製造することができる。例えば、CNTをフィラーとして含有する混合材料(具体的には、CNTを含有するエポキシ樹脂が例示される。)からなる構造体が挙げられる。あるいは、CNTを液体中に分散させてなる分散液をダイスの貫通孔から噴出させることにより紡績することなどにより、糸状やウェブ状の構造体を形成することができる。こうして得られた構造体を骨格として備える複合構造体も、CNT交絡体を骨格構造として備える構造体と同様にして得ることが可能である。
【0094】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例】
【0095】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0096】
(実施例1)
(1)触媒供給用液体Lの調製
金属元素含有化合物の一種である金属元素含有配位化合物としてのフェロセンをエタノールに溶解させて、フェロセンの濃度が10g/L(1.3質量%)のエタノール溶液を触媒供給用液体Lとして得た。
【0097】
(2)触媒配置工程の製造
図1に示される構造を有するCNT製造装置を用いてCNTを製造した。上記の触媒供給用液体Lをその内部に収容した耐熱皿(図示せず)を、反応容器管内の内側面上に載置した。
【0098】
基板として熱酸化膜(厚さ:400nm)を有するシリコン基板(100mm×10mm×厚さ0.6mm)を用意した。したがって、本実施例では、成長基面を構成する材料はSiO
2であった。基板を石英からなるボートに載置した状態で、このボートとともに基板を反応チャンバとしての反応容器管内に配置した。
【0099】
排気装置を用いて反応容器管内を300Torr(40kPa)に排気した。続いて、反応容器管内の圧力を300Torr(40kPa)に維持しつつ、ヒータを用いて、反応容器管内を820℃(1.09×10
3K)に加熱して、耐熱皿および基板の温度を820℃(1.09×10
3K)程度とした。
【0100】
図2に示される構造を有する触媒原材料供給装置の供給ユニット用チャンバ内に上記の触媒供給用液体Lを入れて、霧化装置(超音波振動発生器を含む。)を動作させて、触媒供給用ミストMを生成させた。気体供給装置からアルゴンを500sccmで供給するとともに、放出装置としてのバルブを1分間開放して、反応チャンバ内に触媒供給用ミストMを供給した。その結果、基板の成長基面上に固相の金属系触媒が形成された。
【0101】
固相の金属系触媒の生成は、別途、次のようにして確認した。上記の触媒配置工程と同様の工程を実施し終えた状態で、反応チャンバ内を室温に戻し、その後、反応チャンバ内の圧力を大気圧として反応チャンバから基板を取り出した。取り出した基板の成長基面側の面をAFMで測定した(測定サイズ:0.5μm×0.5μm)。測定データに基づきAFM像を得た(
図8および9)。
図8および9に示されるように、成長基面上には径が数十nmで高さが数nmの物質が成長基面を敷き詰めるように配置されていた。このAFM像は、鉄スパッタ、水素還元、および加熱からなる一般的な固相の金属系触媒の製造方法を実施して得た固相の金属系触媒が形成された面を、大気中でAFMにより測定して得られたAFM像と同等であった。したがって、上記の触媒配置工程によって固相の金属系触媒を成長基面に適切に配置することが実現されたことが、
図8および9に示されるAFM像により確認された。
【0102】
(3)成長工程
反応容器管内の温度を820℃(1.09×10
3K)とした状態で、反応容器管内の圧力を3Torr(400Pa)に減圧した。反応容器管内の圧力を3Torr(400Pa)に維持しつつ、表1(表1中の数値の単位はsccmである。)に示されるように、原料ガス供給装置から原料ガスとしてのアセチレンを160sccmの流量となる量、補助ガス供給装置から補助ガスの一種としてのアルゴンを8〜20sccmの流量となる量、ならびに気相助触媒供給装置から気相助触媒の一種である還元性物質としてのアセトンを20sccmの流量となる量、および気相助触媒供給装置から気相助触媒の他の一種であるハロゲン含有物質としての塩素分子(Cl
2)を0〜1.2sccmの流量となる量、反応容器管内に10分間供給することにより、成長工程を実施した(実験番号1〜4)。塩素分子(Cl
2)は、9倍量のアルゴンとともに供給し、表1に示されるように、反応チャンバに供給される気体の総流量を、いずれの場合も200sccmにした。
【0103】
【表1】
【0104】
成長工程におけるハロゲン含有物質である塩素分子の炭素源であるアセチレンに対する存在モル比率は、供給体積比率と等しく、実験番号1では0、実験番号2では5.6×10
−3(0.0056)、実験番号3では1.1×10
−2(0.011)であった。
【0105】
その結果、
図4および5ならびに
図10〜13に示すように、実験番号1〜3のいずれの場合においても、CNTフォレストを含む一群のCNTが基板上に得られた。CNTが生成するときに反応チャンバ内にハロゲン含有物質である塩素分子が存在していた実験番号2および3の場合には、生成したCNTフォレストの成長高さは200μm〜500μm程度であった(
図4、
図12)。これに対し、CNTが生成するときに反応チャンバ内にハロゲン含有物質である塩素分子が存在していなかった実験番号1の場合には、生成したCNTフォレストの成長高さは30μm程度であった(
図10)。このように、CNTが生成するときに反応チャンバ内にハロゲン含有物質を存在させることにより、CNTの成長が著しく促進されることが確認された。
なお、
図6および14に示されるように、実験番号2および3に係るCNTフォレストは紡績可能であり、特に実験番号2に係るCNTフォレストは優れた紡績性を有していた。