(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の一実施形態について具体的に説明するが、本開示はこれに限定されるものでない。
なお、本明細書において、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において、「Si−O結合」とは、ケイ素原子と酸素原子との結合を示す。
【0020】
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂と、(B)成分:光感応性酸発生剤と、(C)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物と、(D)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を、2つ以上有する脂肪族化合物と、(E)成分:脂肪族アミン及び含窒素複素環化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含有する。なお、本明細書において、これらの成分は、単に(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分等と称することがある。
【0021】
本実施形態の感光性樹脂組成物が解像性に優れる理由について、本発明者らは以下のとおりと考えている。未露光部では(A)成分の現像液に対する溶解性が(C)成分の添加により向上する。次に、露光部では(B)成分から発生した酸の触媒効果により(C)成分中のメチロール基同士若しくはアルコキシアルキル基同士、又は、(C)成分中のメチロール基若しくはアルコキシアルキル基と(A)成分とが脱アルコールを伴って反応することによって現像液に対する組成物の溶解性が大幅に低下する。これによって、現像したときに、未露光及び露光部の現像液に対する溶解性の顕著な差により、充分な解像性が得られる。
【0022】
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、(F)成分:溶剤、(G)成分:Si−O結合を有する化合物、(H)成分:増感剤等を含有することができる。
【0023】
<(A)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基を有する樹脂を含有する。フェノール性水酸基を有する樹脂としては、特に限定されないが、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であることが好ましく、ノボラック樹脂が特に好ましい。該ノボラック樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で、縮合させることにより得られる。
【0024】
上記フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
また、上記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0025】
上記ノボラック樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。(A)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
また、ノボラック樹脂以外の(A)成分としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン及びその共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。(A)成分は1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0027】
(A)成分の重量平均分子量は、得られる樹脂パターンの解像性、現像性、熱衝撃性、耐熱性等に更に優れる観点で、100000以下が好ましく、1000〜80000がより好ましく、2000〜50000が更に好ましく、2000〜20000が特に好ましく、3000〜15000が極めて好ましい。
【0028】
なお、本実施形態において、各成分の重量平均分子量は、例えば、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により下記の条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(日立化成株式会社 商品名、計3本)
カラム仕様:10.7mmφ×300mm
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/分
検出器:L−3300RI(株式会社日立製作所製)
【0029】
(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全量(ただし、(F)成分を用いる場合は、(F)成分を除く)を基準として、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲であると、得られる感光性樹脂組成物を用いて形成される膜はアルカリ水溶液による現像性がより優れる傾向がある。
【0030】
<(B)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、光感応性酸発生剤を含有する。光感応性酸発生剤は、活性光線等の照射によって酸を発生する化合物である。該光感応性酸発生剤から発生する酸の触媒効果により、(C)成分中のメチロール基同士若しくはアルコキシアルキル基同士、又は、(C)成分中のメチロール基若しくはアルコキシアルキル基と(A)成分とが脱アルコールを伴って反応することによって現像液に対する組成物の溶解性が大幅に低下し、ネガ型のパターンを形成することができる。
【0031】
(B)成分は活性光線等の照射によって酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、入手の容易さという観点で、オニウム塩化合物又はスルホンイミド化合物を用いることが好ましい。特に、溶剤を用いる場合、溶剤に対する溶解性の観点で、オニウム塩化合物を用いることが好ましい。以下、その具体例を示す。
【0032】
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド及びN−(10−カンファースルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミドが挙げられる。
【0033】
オニウム塩化合物としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。好ましいオニウム塩化合物の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムp−トルエンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラフルオロボレート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムp−トルエンスルホネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラフルオロボレート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムp−トルエンスルホネート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラフルオロボレート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムp−トルエンスルホネート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラフルオロボレート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムp−トルエンスルホネート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラフルオロボレート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(2−ブトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−ブトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムp−トルエンスルホネート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムテトラフルオロボレート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムp−トルエンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラフルオロボレート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス[4−(4−アセチル−3−メチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムp−トルエンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラフルオロボレート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス[4−(4−アセチル−3−エチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムp−トルエンスルホネート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラフルオロボレート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス[4−(4−アセチル−3−ブチルフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド等のトリアリールスルホニウム塩などが挙げられる。
【0034】
(B)成分として用いられるオニウム塩化合物は、感度及び解像性に更に優れる点で、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート又はテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを有する化合物であることが好ましい。また、(B)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0035】
(B)成分の含有量は、本実施形態の感光性樹脂組成物の感度、解像性、パターン形状等により優れる観点で、(A)成分100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.3〜10質量部がより好ましく、1〜10質量部が更に好ましく、3〜10質量部が特に好ましい。なお、本明細書において、(A)成分100質量部とは、(A)成分の固形分100質量部であることを意味する。
【0036】
<(C)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(C)成分として、芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物を含有する(ただし、(D)成分又は(E)成分は包含されない)。ここで、芳香環とは、芳香族性を有する炭化水素基(例えば、炭素原子数が6〜10の炭化水素基)を意味し、例えば、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。複素環とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を少なくとも1つ有する環状基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状基)を意味し、例えば、ピリジン環、イミダゾール環、ピロリジノン環、オキサゾリジノン環、イミダゾリジノン環及びピリミジノン環が挙げられる。また、脂環とは、芳香族性を有しない環状炭化水素基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状炭化水素基)を意味し、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が挙げられる。アルコキシアルキル基とは、アルキル基が酸素原子を介してアルキル基に結合した基を意味する。また、2つのアルキル基は互いに異なってもよく、例えば、炭素原子数が1〜10であるアルキル基である。
【0037】
(C)成分を含有することにより、露光及び露光後加熱処理して硬化する際に、(C)成分中のメチロール基同士若しくはアルコキシアルキル基同士、又は、(C)成分中のメチロール基若しくはアルコキシアルキル基と(A)成分とが脱アルコールを伴って反応することによって現像液に対する組成物の溶解性が大幅に低下し、ネガ型のパターンを形成することができる。また、樹脂パターン形成後の感光層を加熱して硬化する際に、(C)成分が(A)成分と反応して橋架け構造を形成し、樹脂パターンの脆弱化及び溶融を防ぐことができる。また、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物(ただし、(A)成分は包含されない)、又は、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物若しくはアルコキシメチルアミノ基を有する化合物を好ましいものとして用いることができる。(C)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0038】
上記フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(1)で表される化合物が、未露光部の溶解促進効果と、感光性樹脂膜(樹脂パターン)の硬化時の溶融を防止する効果とのバランスに優れることから好ましい。
【化1】
【0039】
上記一般式(1)中、Zは、単結合又は2価の有機基を示し、R
81及びR
82は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R
83及びR
84は、それぞれ独立に1価の有機基を示し、a及びbは、それぞれ独立に1〜3の整数を示し、c及びdは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。ここで、1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数が1〜10であるアルキル基;ビニル基等の炭素原子数が2〜10であるアルケニル基;フェニル基等の炭素原子数が6〜30であるアリール基;これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基が挙げられる。R
81〜R
84が複数ある場合には、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0040】
上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【化2】
【0041】
上記一般式(2)中、X
1は単結合又は2価の有機基を示し、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
【0042】
また、上記フェノール性水酸基を有する化合物として、下記一般式(3)で表される化合物を使用してもよい。
【化3】
【0043】
上記一般式(3)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
【0044】
一般式(1)において、Zが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Zで示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数が1〜10であるアルキレン基;エチリデン基等の炭素原子数が2〜10であるアルキリデン基;フェニレン基等の炭素原子数が6〜30であるアリーレン基;これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基;スルホニル基;カルボニル基;エーテル結合;スルフィド結合;アミド結合などが挙げられる。これらの中で、Zとしては、下記一般式(4)で表される2価の有機基であることが好ましい。
【化4】
【0045】
上記式(4)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキレン基)、アルキリデン基(例えば炭素原子数が2〜10のアルキリデン基)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、スルフィド結合又はアミド結合を示す。R
9は、水素原子、水酸基(ヒドロキシ基)、アルキル基又はハロアルキル基を示し、eは、1〜10の整数を示す。複数のR
9及びXは互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、ハロアルキル基とは、ハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
【0046】
アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、具体的には、下記一般式(5)で表される化合物又は下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
【化5】
【0047】
一般式(5)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
【化6】
【0048】
一般式(6)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
【0049】
上記ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物又はアルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等のメチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物などが挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基又はこれらを混合したものが挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素等が挙げられる。
【0050】
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、5〜80質量部が好ましく、10〜70質量部がより好ましく、15〜55質量部が更に好ましく、20〜40質量部が特に好ましい。(C)成分の含有量が5質量部以上であると、耐薬品性と耐熱性が良好になる傾向があり、80質量部以下であると、解像性が更に良好になる傾向がある。
【0051】
<(D)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分として、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を、2つ以上有する脂肪族化合物を含有する。なお、(D)成分は、異なる2種以上の官能基を1つずつ有してもよく、1種の官能基を2つ以上有してもよい。当該化合物は、上記官能基を3つ以上有する脂肪族化合物であることが好ましい。上記官能基数の上限は、特に制限はないが、例えば、12個である。
【0052】
基材上に感光性樹脂組成物層(感光層)を形成する場合の作業性の観点で、感光性樹脂組成物には基材に対する張り付き性(タック性)に優れることも求められる場合がある。充分なタック性を有していない感光性樹脂組成物を用いる場合、現像処理によって露光部の感光性樹脂組成物層が除去されやすく、基材とレジストパターンとの密着性が悪化する傾向がある。感光性樹脂組成物が、(D)成分を含有することで、感光性樹脂組成物層と基材との粘着性、すなわちタック性を向上することができる。さらに、感光性樹脂組成物が(D)成分を含有することにより、塗膜(感光層)に柔軟性を付与でき、また、アルカリ水溶液で現像する際の未露光部の溶解速度を増加させることができる。タック性、アルカリ水溶液に対する溶解性の観点から(D)成分の分子量はバランスを考慮して、重量平均分子量で92〜2000が好ましく、106〜1500がより好ましく、134〜1300が更に好ましい。なお、分子量の低い化合物について、上述の重量平均分子量の測定方法で測定困難な場合には、他の方法で分子量を測定し、その平均を算出することもできる。
【0053】
(D)成分の具体例としては、下記一般式(7)〜(10)で表される化合物が挙げられる。なお、「脂肪族化合物」とは、主骨格が脂肪族骨格であり、芳香環又は芳香族複素環を含まないものをいう。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0054】
一般式(7)〜(10)中、R
1、R
5、R
16及びR
19は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、水酸基又は一般式(11)で表される基を示し、R
21は水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を示し、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
17、R
18及びR
20は、それぞれ水酸基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、一般式(12)で表される基又は一般式(13)で表される基を示し、R
22及びR
23はそれぞれ独立に水酸基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を示し、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。オキセタニルアルキルエーテル基中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、メチル基が好ましい。
【0055】
(D)成分としては、具体的には、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、2つ以上のグリシジルオキシ基又は2つ以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物がより好ましく、3つ以上のグリシジルオキシ基又は3つ以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物が更に好ましい。(D)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0056】
(D)成分の官能基としては、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、グリシジルオキシ基又はアクリロイル基がより好ましく、アクリロイルオキシ基が更に好ましい。また、現像性の観点から、(D)成分は、2つ以上のグリシジルオキシ基を有する脂肪族化合物であることが好ましく、3つ以上のグリシジルオキシ基を有する脂肪族化合物であることがより好ましく、重量平均分子量が1000以下のグリシジルオキシ基を有する脂肪族化合物であることがさらに好ましい。
【0057】
グリシジルオキシ基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジグリシジル1,2−シクロヘキサンジカルボキシレートが挙げられる。
【0058】
特に、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルが好ましい。これらのグリシジルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0059】
グリシジルオキシ基を有する化合物は、例えば、エポライト40E、エポライト100E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF(以上、共栄社化学株式会社製、商品名)、アルキル型エポキシ樹脂ZX−1542(新日鉄住金化学株式会社製、商品名)、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−321L及びデナコールEX−850L(以上、ナガセケムテック株式会社製、商品名、「デナコール」は登録商標)として商業的に入手可能である。
【0060】
オキセタニルアルキルエーテルを有する化合物としては、例えば、3−アルキル−3−オキセタニルアルキルエーテル基を有する化合物が挙げられ、3−エチル−3−オキセタニルアルキルエーテル基を有する化合物が好ましい。このようなオキセタン化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールエタントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、グリセロールポリ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、グリセリントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。これらのオキセタニルアルキルエーテルを有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0061】
アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパンアクリレート、PO変性トリメチロールプロパンアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、EO変性グリセリントリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、グリセリントリアクリレート等が挙げられる。これらのアクリロイルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表す。
【0062】
メタクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、PO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、EO変性グリセリントリメタクリレート、PO変性グリセリントリメタクリレート、グリセリントリメタクリレート等が挙げられる。これらのメタクリロイルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表す。
【0063】
水酸基を有する化合物としては、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。これらの水酸基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0064】
(D)成分の中でも、感度及び解像性に更に優れる点で、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが好ましい。
【0065】
(D)成分は、アルキル型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名ZX−1542)、アルキル型アクリル樹脂(日本化薬株式会社製、商品名PET−30)等として商業的に入手できる。
【0066】
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜70質量部が好ましく、10〜70質量部がより好ましく、20〜70質量部が更に好ましく、25〜65質量部が特に好ましく、30〜50質量部が極めて好ましい。(D)成分の含有量が1質量部以上では、塗膜に柔軟性をさらに付与できると共に、アルカリ水溶液で現像する際の未露光部の溶解速度がさらに増加しやすく、70質量部以下では、感光性樹脂組成物を所望の支持体上に成膜しやすい傾向がある。
【0067】
<(E)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(E)成分として、脂肪族アミン及び含窒素複素環化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することにより、感光性樹脂組成物の解像性を向上させることができる。また、(E)成分を含有することで、微細なレジストパターンが形成可能な露光量の裕度を向上することができ、生産性がより向上できる。ここで、脂肪族アミンとは、主骨格が脂肪族骨格であり、芳香環又は複素環を含まないアミンを意味する。含窒素複素環化合物とは、置換されていてもよい芳香族複素環又は置換されていてもよい脂環式複素環を有し、窒素をヘテロ原子とする化合物を意味し、例えば、ピペリジン系化合物、ピペリドン系化合物、ピロリジン系化合物、テトラゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等が挙げられる。なお、(E)成分の、含窒素複素環化合物は、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物を除くものとする。
【0068】
(E)成分は脂肪族アミン及び含窒素複素環化合物からなる群より選ばれる化合物であれば特に限定されないが、解像性という観点で、テトラゾール骨格及びベンゾトリアゾール骨格からなる群より選ばれる少なくとも1種の骨格を有する化合物、又は三級アミンが好ましい。(E)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。以下、その具体例を示す。
【0069】
三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリイソブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1−メチルピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−1−イソプロピルピペリジン、1−メチル−4−ピペリドン、4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、1−ピペリジンエタノール、1−エチルピロリジン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミン等が挙げられる。これらの三級アミンは、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0070】
テトラゾール系化合物としては、例えば、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メルカプト−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−エチル−1H−テトラゾール、5−プロピル−1H−テトラゾール、5−ブチル−1H−テトラゾール、5−ベンジル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1−メチルテトラゾール、5−アミノ−1−エチルテトラゾール、5−アミノ−1−プロピルテトラゾール、5−アミノ−1−ブチルテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、5−メルカプト−1−エチルテトラゾール、5−メルカプト−1−プロピルテトラゾール、5−メルカプト−1−ブチルテトラゾール、1H−テトラゾール−1−酢酸、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾール−1−酢酸エチル、1H−テトラゾール−5−酢酸エチル、1−(4−カルボキシフェニル)−1−メルカプト−1H−テトラゾール、1−(2−ジメチルアミノエチル)−1−メルカプトテトラゾール、5−メルカプト−1−(4−メトキシフェニル)−1H−テトラゾール等が挙げられる。これらのテトラゾール系化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0071】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、5−カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらのベンゾトリアゾール系化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0072】
(E)成分の中でも、解像性に更に優れる点で、三級アミン、テトラゾール骨格及びアミノ基を有する化合物、並びにベンゾトリアゾール骨格及びアミノ基を有する化合物がより好ましく、三級アミンが更に好ましく、トリアミルアミンが特に好ましい。(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.10〜1.0質量部がより好ましい。(E)成分の含有量が0.01質量部以上では、感光性樹脂組成物の解像性が向上しやすく、1.5質量部以下では、感光性樹脂組成物の感度を維持しやすい傾向がある。
【0073】
<(F)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度及び保存安定性を調節したりするために、(F)成分として、溶剤を更に含有することもできる。(F)成分は、有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤の種類は、上記性能を発揮できるものであれば特に制限はないが、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ;ブチルカルビトール等のカルビトール;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のエステル;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド;γ−ブチロラクトン等のラクトンなどが挙げられる。(F)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0074】
(F)成分の含有量は、(F)成分を除く感光性樹脂組成物の全量100質量部に対して、30〜200質量部が好ましく、55〜120質量部がより好ましい。
【0075】
<(G)成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(G)成分として、Si−O結合を有する化合物を含有してもよい。(G)成分としては、Si−O結合を有していれば特に限定されないが、例えば、無機フィラー及びシラン化合物のうちSi−O結合を有する化合物、並びにSi−O結合を有するアルコキシオリゴマーが挙げられる。(G)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0076】
(G)成分として無機フィラーを用いる場合、無機フィラーは、溶融球状シリカ、溶融粉砕シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカであることが好ましい。また、無機フィラーをシラン化合物で処理することで無機フィラーがSi−O結合を有していてもよい。シラン化合物で処理する無機フィラーの中で、シリカ以外の無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、又はタルク、マイカ等の鉱産物由来の無機フィラーなどが挙げられる。
【0077】
(G)成分としてシラン化合物を用いる場合、シラン化合物としては、シラン化合物がSi−O結合を有していれば特に制限はない。シラン化合物としては、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が挙げられる。
【0078】
(G)成分であるシラン化合物としては、下記一般式(14)で表される化合物が好ましい。
(R
101O)
4−f−Si−(R
102)
f …(14)
【0079】
一般式(14)中、R
101は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数が1〜10であるアルキル基を示し、R
102は、1価の有機基を示し、fは、0〜3の整数を示す。fが0、1又は2の場合、複数のR
101は互いに同一でも異なっていてもよい。fが2又は3の場合、複数のR
102は互いに同一でも異なっていてもよい。R
101は、解像性に更に優れる観点で、炭素数が1〜5のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜2のアルキル基がより好ましい。無機フィラーの分散性を向上させるために一般式(14)で表される化合物で処理する場合、無機フィラーの分散性を更に向上させる観点で、fは0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。
【0080】
(G)成分であるシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0081】
(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1.8〜420質量部が好ましく、1.8〜270質量部がより好ましい。
【0082】
<その他の成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分に加えて、分子量が1000未満であるフェノール性低分子化合物(以下、「フェノール化合物(a)」という)を含有していてもよい。フェノール化合物(a)としては、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。これらのフェノール化合物(a)の含有量は、(A)成分100質量部に対して、例えば、0〜40質量部、特に0〜30質量部の範囲であってもよい。
【0083】
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の成分以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、着色剤、密着助剤、レベリング剤等が挙げられる。
【0084】
[感光性エレメント]
次に、本実施形態の感光性エレメントについて説明する。
本実施形態の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に設けられた感光層とを備え、該感光層は上述の感光性樹脂組成物を含む。本実施形態の感光性エレメントは、該感光層上に、該感光層を被覆する保護層を更に備えていてもよい。
【0085】
上記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。上記支持体(重合体フィルム)の厚さは、5〜25μmが好ましい。なお、上記重合体フィルムは、一つを支持体として、他の一つを保護層として感光層の両面に積層して使用してもよい。
【0086】
上記保護層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
【0087】
上記感光層は、上記感光性樹脂組成物を支持体又は保護層上に塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等が挙げられる。上記感光層の厚さは、用途により異なるが、該感光層を乾燥した後において1〜100μmが好ましく、3〜60μmがより好ましく、5〜40μmが更に好ましい。また、絶縁信頼性及びチップを実装する場合の生産性の観点で、上記感光層の厚さは、20μmを超えていることが好ましいが、20μm以下であってもよい。
【0088】
[レジストパターンの形成方法]
次に、本実施形態のレジストパターンの形成方法を説明する。第1実施形態のレジストパターンの形成方法は、上記感光性樹脂組成物を基材(例えば基板)上に塗布し、上記感光性樹脂組成物を乾燥して感光層を形成する工程と、上記感光層を所定のパターンに露光し、露光後加熱処理(露光後ベーク)を行う工程と、上記加熱処理(露光後ベーク)後の上記感光層を現像し、得られた樹脂パターンを加熱処理する工程と、を含む。第2実施形態のレジストパターンの形成方法は、上記感光性エレメントの上記感光層を基材(例えば基板)上に配置する工程と、上記感光層を所定のパターンに露光し、露光後加熱処理(露光後ベーク)を行う工程と、上記加熱処理(露光後ベーク)後の上記感光層を現像し、得られた樹脂パターンを加熱処理する工程と、を含む。
【0089】
本実施形態のレジストパターンの形成方法では、例えば、まず、レジストパターンを形成すべき基材(樹脂付き銅箔、銅張積層板、金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハ、銅めっき膜を付けたシリコンウエハ、アルミナ基板等)上に、上述の感光性樹脂組成物を含む感光層を形成する。該感光層の形成方法としては、上記感光性樹脂組成物を基材に塗布(例えば塗工)し、乾燥して溶剤等を揮発させて塗膜(感光層)を形成する方法、上述の感光性エレメントにおける感光層を基材上に転写する方法等が挙げられる。
【0090】
上記感光性樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等の塗布方法を用いることができる。また、塗膜の厚さは、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
【0091】
次に、所定のマスクパターンを介して、上記感光層を所定のパターンに露光する。露光に用いられる活性光線としては、g線ステッパーの光線;低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、i線ステッパー等の紫外線;電子線;レーザ光線などが挙げられ、露光量としては、使用する光源及び感光層の厚さ等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光層の厚さ5〜50μmでは、100〜3000mJ/cm
2程度である。
【0092】
さらに、露光後に加熱処理(露光後ベーク)を行う。露光後ベークを行うことにより、光感応性酸発生剤から発生した酸による(A)成分と(C)成分の硬化反応を促進させることができる。露光後ベークの条件は感光性樹脂組成物の組成、各成分の含有量、感光層の厚さ等によって異なるが、例えば、50〜150℃で1〜60分間加熱することが好ましく、60〜100℃で1〜15分間加熱することがより好ましい。
【0093】
次いで、露光及び/又は露光後ベークを行った感光層をアルカリ性現像液により現像して、未露光部の領域を溶解及び除去することにより所望のレジストパターンを得る。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件としては、例えば、スプレー現像法では20〜40℃で10〜300秒間である。
【0094】
上記アルカリ性現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%になるように水に溶解したアルカリ性水溶液、アンモニア水等のアルカリ性水溶液などが挙げられる。上記アルカリ性現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤、界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、該アルカリ性現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥する。該アルカリ性現像液は、解像性に更に優れる点で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
【0095】
さらに、絶縁膜特性を発現させるために加熱処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の硬化膜(レジストパターン)を得る。上記感光性樹脂組成物の硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、例えば、50〜250℃で30分〜10時間加熱し、感光性樹脂組成物を硬化させることができる。
【0096】
また、硬化を充分に進行させるためや、得られた樹脂パターンの変形を防止するために二段階で加熱することもできる。例えば、第一段階で、50〜120℃で5分〜2時間加熱し、さらに第二段階で、80〜200℃で10分〜10時間加熱して硬化させることもできる。上述の硬化条件であれば、加熱設備としては、特に制限はなく、一般的なオーブン、赤外線炉等を使用することができる。
【0097】
[半導体装置]
本実施形態に係る半導体装置は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の硬化物を備えている。本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物は、例えば、半導体素子の表面保護膜又は層間絶縁膜、あるいは、多層プリント配線板におけるソルダーレジスト及び/又は層間絶縁膜として好適に用いることができる。
【0098】
図1は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物をソルダーレジスト及び/又は層間絶縁膜として含む多層プリント配線板の製造方法を示す図である。
図1(f)に示す多層プリント配線板100Aは表面及び内部に配線パターンを有する。以下、本開示の一実施形態の、多層プリント配線板100Aの製造方法を
図1に基づいて簡単に説明する。
【0099】
まず、表面に配線パターン102を有する基材101の両面に層間絶縁膜103を形成する(
図1(a)参照)。層間絶縁膜103は、スクリーン印刷機又はロールコータを用いて感光性樹脂組成物を印刷することにより形成してもよいし、上述の感光性エレメントを予め準備し、ラミネータを用いて、該感光性エレメントにおける感光層をプリント配線板の表面に貼り付けて形成することもできる。
【0100】
次いで、外部と電気的に接続することが必要な箇所に、YAGレーザ又は炭酸ガスレーザを用いて開口部104を形成する(
図1(b)参照)。開口部104周辺のスミア(残渣)はデスミア処理により除去する。
【0101】
次いで、無電解めっき法によりシード層105を形成する(
図1(c)参照)。上記シード層105上にセミアディティブ用感光性樹脂組成物を含む感光層を形成し、所定の箇所を露光、現像処理して樹脂パターン106を形成する(
図1(d)参照)。
【0102】
次いで、電解めっき法によりシード層105の樹脂パターン106が形成されていない部分に配線パターン107を形成し、はく離液により樹脂パターン106を除去した後、上記シード層105の配線パターン107が形成されていない部分をエッチングにより除去する(
図1(e)参照)。
【0103】
以上の操作を繰り返し行い、最表面に上述の感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト108を形成することで多層プリント配線板100Aを作製することができる(
図1(f)参照)。このようにして得られた多層プリント配線板100Aは、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することができる。
【実施例】
【0104】
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0105】
<実施例1〜9及び比較例1>
樹脂成分(A−1及びA−2)100質量部に対し、光感応性酸発生剤(B−1)と、アルコキシアルキル化合物(C−1)と、アクリロイルオキシ基を有する化合物(D−1)と、脂肪族アミン及び含窒素複素環化合物からなる群より選ばれる化合物(E−1〜E−9)と、溶剤(F−1)と、Si−O結合を有する化合物(G−1)とを、下記表1に示した配合量(単位:質量部)にて配合し、感光性樹脂組成物を得た。
【0106】
【表1】
【0107】
なお、表1の略称は下記のとおりである。
A−1:ノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:TR4020G、重量平均分子量:13000)
A−2:ノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:TR4080G、重量平均分子量:5000)
B−1:トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ株式会社製、商品名:CPI−310B)
C−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(株式会社三和ケミカル製、商品名:ニカラックMX−270)
D−1:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名:PET−30)
E−1:N,N−ジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業株式会社製)
E−2:トリプロピルアミン(和光純薬工業株式会社製)
E−3:トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)
E−4:トリヘキシルアミン(東京化成工業株式会社製)
E−5:1,2,3−ベンゾトリアゾール(和光純薬工業株式会社製)
E−6:2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(株式会社ADEKA製、商品名:LA−29)
E−7:1H−テトラゾール(東京化成工業株式会社製)
E−8:5−アミノ−1H−テトラゾール(東京化成工業株式会社製)
E−9:トリアミルアミン(東京化成工業株式会社製)
F−1:メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製、商品名:2−ブタノン)
G−1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−403)
【0108】
上記感光性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53、「ピューレックス」は登録商標)(支持体)上に、感光性樹脂組成物の厚さが均一になるように塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した。乾燥後、ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名:NF−15)(保護層)で被覆して、感光層の厚さが25μmである感光性エレメントを得た。
【0109】
<解像性及び感度の評価>
直径6インチのシリコンウエハ上に、上記感光性エレメントの保護層を剥がし、該感光性エレメントをラミネートし、支持体と感光層とシリコンウェハとをこの順に備えた積層体を得た。ラミネートは、100℃のヒートロールを用いて、0.4MPaの圧着圧力、1.0m/分のロール速度で行った。次いで、上記積層体の支持体を剥がし、i線ステッパー(キヤノン株式会社製、商品名:FPA−3000iW)を用いてi線(365nm)で、マスクを介して、感光層に対して縮小投影露光を行った。マスクとしては、露光部及び未露光部の幅が1:1となるようなパターンを、2μm:2μm〜30μm:30μmまで1μm刻みで有するものを用いた。また、露光量は、150〜1650mJ/cm
2の範囲で、150mJ/cm
2ずつ変化させながら縮小投影露光を行った。
【0110】
露光された感光層を65℃で1分間、次いで75℃で8分間加熱した(露光後ベーク)。次いで、現像液として2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(多摩化学工業株式会社製、商品名:TMAH2.38%)、現像機(滝沢産業株式会社製、商品名:AD−1200)を用いて、該感光層に最短現像時間(未露光部が除去される最短時間)の4倍に相当する時間で現像液をスプレーし(ポンプ吐出圧[現像液]:0.16MPa)、未露光部を除去した。次いで、リンス液として精製水(和光純薬工業株式会社製)を30秒間スプレーし(ポンプ吐出圧[リンス液]:0.12〜0.14MPa)、現像液を洗い流し、乾燥させることで、樹脂パターンを形成した。金属顕微鏡を用いて倍率1000倍に拡大して、形成された樹脂パターンを観察した。スペース部分(未露光部)がきれいに除去され、且つライン部分(露光部)が蛇行又は欠けを生じることなく形成されたパターンのうち、最も小さいスペース幅の値を解像度とするとともに、そのときの露光量を感度として評価した。また、解像度10μm以下のビア(樹脂パターン)を形成できた露光量の範囲を露光量の裕度として評価した。評価結果を下記表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】
表2から明らかなように、脂肪族アミン又は含窒素複素環化合物を用いた実施例1〜9は、脂肪族アミン及び含窒素複素環化合物を用いていない比較例1と比較して、解像度が7μm以下であり、解像度が10μmである比較例1に比べて、解像性が極めて良好であることが分かった。また、比較例1では、解像度10μm以下のビアを形成できる露光量(感度)が300mJ/cm
2の一点のみであった。一方、実施例1〜9では、解像度10μm以下のビアを形成できる露光量(感度)の裕度(許容範囲)に150〜1050mJ/cm
2の幅があった。したがって、実施例1〜9は、比較例1と比較して、露光量の裕度が広く、生産性に優れることが分かった。