(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非水平配向(V)が実質的に垂直な配向であることと、前記第2配向(H)が実質的に水平な配向であること、の少なくとも一方が当てはまる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
前記減圧システム内に前記マスクデバイス(10)をローディングすること(Y1)が、ロードロックチャンバ(101)からマスクハンドリングチャンバ(105)内へと、閉鎖可能な開口(102)を通して前記マスクデバイス(10)を動かすことを含むことと、
前記減圧システム(100)から前記マスクデバイス(10)をアンローディングすること(X3)が、前記マスクハンドリングチャンバ(105)から前記ロードロックチャンバ(101)内へと、前記閉鎖可能な開口(102)を通して前記マスクデバイス(10)を動かすことを含むこと、の少なくとも一方が当てはまる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
前記マスクデバイス(10)が、複数のマスクデバイス(12)を保管するよう構成されており、かつ、前記ロードロックチャンバ(101)内に配置されている、マスクマガジン(201)に出入りするように、前記マスクハンドリングチャンバ(105)の側壁(103)内の前記閉鎖可能な開口(102)を通って平行移動する、請求項5に記載の方法。
前記マスクキャリア(15)が、前記非水平配向(V)で前記マスクキャリア(15)に前記マスクデバイス(10)を保持するように構成された、一又は複数の永久磁石を備える、請求項7に記載の方法。
前記マスクキャリア(15)に前記マスクデバイス(10)を取り付けること(Y3)と、前記マスクキャリア(15)から前記マスクデバイス(10)を取り外すこと(X1)の少なくとも一方が、前記マスクキャリア(15)の少なくとも1つの永久磁石の極性を反転させることを含む、請求項8に記載の方法。
マスクハンドリングアセンブリ(20)によって、前記マスクデバイス(10)の、取り付け、取り外し、移動、平行移動、及び回転のうちの少なくとも1つが実施される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
磁力により前記マスクデバイスを保持するように構成されているロボットアームによって、前記マスクデバイス(10)の、取り付け、取り外し、移動、平行移動、及び回転のうちの少なくとも1つが実施される、請求項10に記載の方法。
前記マスクハンドリングアセンブリ(20)が前記マスクデバイス(10)の取り外しと取り付けの少なくとも一方のための位置にある時に、前記マスクハンドリングアセンブリ(20)は、前記マスクキャリア(15)に電流と電気信号の少なくとも一方を供給する、請求項10又は11に記載の方法。
前記受け渡し機構が、前記マスクキャリア(15)への前記マスクデバイス(10)の取り付けと、前記マスクキャリア(15)からの前記マスクデバイス(10)の取り外しの少なくとも一方を開始するように構成される、請求項13に記載のマスクハンドリングアセンブリ。
前記受け渡し機構が、前記マスクキャリア(15)に設けられた少なくとも1つの永久磁石の極性を反転させることによって、前記マスクキャリア(15)への前記マスクデバイス(10)の取り付けと、前記マスクキャリア(15)からの前記マスクデバイス(10)の取り外しの少なくとも一方を開始するように構成される、請求項14に記載のマスクハンドリングアセンブリ。
前記マスク搬送システムが、前記マスクハンドリングチャンバ(405)の中で、前記第2マスク軌道(432)と前記第1マスク軌道(431)との間で、前記マスクキャリア(415)を平行移動させるように構成された、平行移動機構(450)を更に備える、請求項18に記載の減圧システム。
前記減圧システム内の基板搬送経路に沿って基板を搬送するように構成された、基板搬送システムを更に備える、請求項17から19のいずれか一項に記載の減圧システム。
前記未使用のマスクデバイスと前記使用済みマスクデバイスの少なくとも一方が、搬送中に前記非水平配向(V)でマスクキャリアによって保持される、請求項23に記載のマスクデバイスを取り扱う方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0028]様々な実施形態をこれより詳細に参照し、それらの実施形態の一又は複数の例を図に示す。各例は、説明として提供されており、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明される特徴は、他の任意の実施形態に使用され、又は任意の実施形態と併せて使用されて、更に別の実施形態を生み出すことが可能である。本開示はかかる修正例及び変形例を含むことが、意図されている。
【0018】
[0029]図面についての下記の説明の中では、同じ参照番号が同じ又は類似の構成要素を表している。概括的に、個々の実施形態に関して相違点のみが説明される。別段の指定がない限り、一実施形態における一部分又は一態様の説明は、別の実施形態における対応する部分又は態様にも同様に当てはまる。
【0019】
[0030]
図1は、本書に記載の実施形態による、マスクデバイス10を取り扱う方法の連続的なステージ(a)、(b)、(c)を概略的に示している。マスクデバイス10は、基板へのマスク堆積向けに構成される。詳細には、マスクデバイス10は、マスクデバイスによって画定される材料パターンを伴ってコーティングされるべき基板に正対して配置されるよう、構成される。例えば、マスクデバイス10は、蒸着によってマスクパターンが基板に形成されるマスク蒸着プロセス向けに、構成されうる。一部の実施形態では、蒸着された材料が有機化合物を含みうる。例えば、OLEDデバイスが製造されうる。
【0020】
[0031]一部の実施形態では、マスクデバイス10は、マスク及びマスク支持体を含みうる。マスク支持体は、典型的には壊れやすい構成要素であるマスクを支持し、保持するように構成されうる。例えば、マスク支持体は、マスクを囲み、かつフレーム形状を有する、マスクフレームでありうる。マスクは、例えば溶接によってマスクフレームに恒久的に固定されうるか、又は、マスクフレームに取り外し可能に固定されうる。マスクの外周エッジがマスクフレームに固定されうる。
【0021】
[0032]マスクは、パターンに形成されており、かつ、マスク堆積プロセスによって対応する材料パターンを基板に堆積させるよう構成された、複数の開口を含みうる。堆積中に、マスクは、基板に正対して近距離に、又は、基板の表側面に直接接触して、配置されうる。例えば、マスクは、複数の開口(例えば、100.000以上の開口)を有する微細金属マスク(fine metal mask:FMM)でありうる。例えば、有機ピクセルのパターンが基板に堆積されうる。エッジ除外マスクなどの他の種類のマスクでもよい。
【0022】
[0033]一部の実施形態では、マスクデバイス10は、少なくとも部分的に、金属で(例えばインバー(invar)などの熱膨張係数が小さい金属で)作製されうる。マスクは、堆積中にマスクが基板に向けて磁気的に誘引されうるように、磁性材料を含みうる。代替的又は追加的には、マスクデバイスが磁力によってマスクキャリアへ誘引されうるように、マスクフレームが磁性材料を含みうる。
【0023】
[0034]マスクデバイス10は、0.5m
2以上、具体的には1m
2以上の面積を有しうる。例えば、マスクデバイスの高さが0.5m以上、具体的には1mであってよく、かつ/又は、マスクデバイスの幅が0.5m以上、具体的には1m以上でありうる。マスクデバイスの厚さは1cm以下であってよく、マスクフレームはマスクよりも厚くなりうる。
【0024】
[0035]一部の実施形態では、マスクデバイス10は、減圧システム内で、例えば減圧システム100の2つ以上の減圧チャンバ同士の間で、搬送されうる。例えば、マスクデバイス10は、減圧システムの第1減圧チャンバ内(例えばマスクハンドリングチャンバ105内)に進入してよく、減圧システムの中で、第2減圧チャンバに向かって(例えば堆積チャンバに向かって)搬送されうる。一又は複数の更なる減圧チャンバ(例えば移行チャンバ又はルーティングチャンバ)が、第1減圧チャンバと第2減圧チャンバとの間に配置されうる。
【0025】
[0036]マスクデバイス10は、減圧システム100内での搬送中、マスクキャリア15によって保持されうる。例えば、マスクデバイス10を保持するマスクキャリア15は、例としては第1減圧チャンバから第2減圧チャンバに、減圧システム100内の搬送経路に沿って搬送されうる。一部の実施形態では、マスクキャリア15は、減圧システムを通るマスク軌道に沿って導かれうる。例えば、マスクキャリア15は、マスク軌道に沿って導かれるよう構成された、ガイド部(guided portion)を含みうる。
【0026】
[0037]一部の実施形態では、マスクキャリア15は、磁気浮上システムを含みうるマスク搬送システムによって搬送される。例えば、磁気浮上システムは、マスクキャリア15の重量の少なくとも一部が磁気浮上システムによって担われうるように、提供されうる。マスクキャリア15は次いで、減圧システムを通るマスク軌道に沿って、実質的に非接触で導かれうる。マスク軌道に沿ってマスクキャリアを動かすための駆動装置が、提供されうる。
【0027】
[0038]マスクキャリア15は、搬送中及び/又は堆積中に、非水平配向(V)でマスクデバイス10を保持しうる。例えば、マスクデバイス10は、搬送中及び/又は堆積中に、実質的に垂直な配向で、マスクキャリア15によって保持されうる。
【0028】
[0039]本書において、「実質的に垂直な配向(essentially vertical orientation)」とは、マスクデバイス10の配向であって、マスクデバイス10の主要面と重力ベクトルとの間の角度が+10°から−10°、具体的には0°から−5°である、配向として理解されうる。一部の実施形態では、マスクの配向は、搬送中及び/又は堆積中に、(厳密に)垂直ではないが、垂直軸に対して若干、例えば0°−5°の傾斜角だけ傾きうる。負の角度は、マスクデバイスが下向きに傾くマスクデバイスの配向を表す。堆積中にマスク(及び基板)配向が重力ベクトルからずれていることは、有利であり、かつ、より安定的な堆積プロセスをもたらしうる。或いは、下を向いた配向は、堆積中に基板上の粒子を減少させるのに好適でありうる。しかし、搬送中及び/又は堆積中に、マスクデバイス10を厳密に垂直な配向(+/−1°)にしてもよい。
【0029】
[0040]搬送中及び/又は堆積中の重力ベクトルとマスクデバイスとの間の角度を、より大きくしてもよい。本書において、0°から+/−80°の角度が、「マスクデバイスの非水平配向(non−horizontal orientation of the mask device)」であると理解されうる。非水平配向でマスクデバイスを搬送することで、省スペースとなり、かつ、より小さな減圧チャンバが可能になりうる。
【0030】
[0041]マスクキャリア15のマスク保持面は、マスクデバイスの搬送中に、少なくとも一時的に、実質的に垂直に配向されうる。大面積のマスクを実質的に垂直な配向で保持することは困難である。なぜなら、マスクは、マスクの重量によって曲がることがあり、把持力が不十分な場合にはマスク支持面から滑り落ちることがあり、かつ/又は、堆積中にマスクの背後に配置されうる基板に対して動きうるからである。
【0031】
[0042]
図1のステージ(a)には、減圧システム100の断面図が、四角形が減圧チャンバの壁を示すように、概略的に描かれている。減圧システム100は、マスクキャリア及び/又は基板キャリア用の通路によって互いに接続されうる、複数の減圧チャンバを含みうる。マスクキャリアを導くためのマスク軌道が、減圧システム100の2つ以上の減圧チャンバ同士の間に延在してよく、かつ/又は、基板キャリアを導くための基板軌道が、減圧システム100の2つ以上の減圧チャンバ同士の間に延在しうる。
【0032】
[0043]減圧システム100内は低大気圧にされうる。例えば、減圧システム100の内部空間は、100mbar以下、具体的には10mbar以下、より具体的には1mbar以下の圧力、又はそれを下回る圧力まで、ポンプダウンされうる。詳細には、減圧システムの堆積チャンバは、堆積中、10mbar以下という低い絶対圧にされうる。マスクハンドリングチャンバ105は、10mbar以下という絶対圧にされうる。本書に記載の実施形態では、マスクデバイス10は、減圧条件下で、減圧システム100内で、具体的にはマスクハンドリングチャンバ105内で、取り扱われうる。
【0033】
[0044]
図1のステージ(a)に示しているように、マスクデバイス10は、減圧システム100内に提供され、かつ、非水平配向Vで、具体的には実質的に垂直な配向で、マスクキャリア15によって保持される。マスクデバイスは、マスクキャリア15に保持されつつ、減圧システム100の減圧チャンバ同士の間で搬送されうる。一部の実施形態では、マスクデバイス10は、例えば洗浄又は交換のために減圧システムからアンローディングされるべき、使用済みマスクデバイスでありうる。例えば、マスクデバイスは、堆積チャンバにおける基板への堆積に使用済みのものであり、搬送経路に沿って堆積チャンバからマスクハンドリングチャンバに搬送されうる。
【0034】
[0045]本書に記載の実施形態により、マスクデバイス10は、減圧条件下の減圧システム100内で、具体的には排気されたマスクハンドリングチャンバ内で、マスクキャリア15から取り外される(X1)。マスクキャリア15からのマスクデバイス10の取り外し(X1)は、
図1のステージ(b)に概略的に描かれている。
【0035】
[0046]減圧条件下でマスクキャリア15からマスクデバイス10を取り外すために、マスク保持部21を有するマスクハンドリングアセンブリ20が提供されうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、ロボットアームなどのロボットデバイスを含みうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、減圧システム100の減圧チャンバ内、例えばマスクハンドリングチャンバ105内に、配置されうる。
【0036】
[0047]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイス10とマスクキャリア15との間の機械的接続を断接するように構成されうる。例えば、マスクハンドリングアセンブリ20は、減圧条件下でマスクデバイス10とマスクキャリア15との間のねじ接続を緩め、クランプ接続若しくは他の機械的接続を解除するように構成された、ロボットデバイスを含みうる。
【0037】
[0048]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイス10とマスクキャリア15との間の静電結合を解除するように構成されうる。例えば、搬送中に、マスクデバイスは、静電チャックデバイスにより生成された静電力によって、マスクキャリアに保持されうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、静電力を非活性化するよう、かつ/又は、マスクハンドリングアセンブリ自体の把持力を用いてマスクデバイスを把持するように、構成されうる。
【0038】
[0049]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイス10とマスクキャリア15との間の磁気結合を解除するように構成されうる。例えば、搬送中に、マスクデバイスは、マスクキャリアの磁気チャックデバイスにより生成された磁力によって、マスクキャリアに保持されうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、磁力を非活性化するよう、かつ/又は、マスクハンドリングアセンブリ自体の把持力を用いてマスクデバイスを把持するように、構成されうる。
【0039】
[0050]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクキャリア15からマスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21へと、及び/又はその逆に、マスクデバイス10を受け渡すように構成された、受け渡し機構を含みうる。マスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21は、把持力(例えば、機械的な力、静電力、及び磁力のうちの少なくとも1つ)によって、マスクデバイスを保持しうる。一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21に向けてマスクデバイスをチャックするように構成された、磁気チャックを含みうる。
【0040】
[0051]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクデバイス10は、非水平配向(V)で、具体的には実質的に垂直な配向で、マスクキャリア15によって保持されている間に、マスクキャリア15から取り外される。例えば、マスクデバイス10は、実質的に垂直な配向にある間に、マスクキャリア15からマスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21へと受け渡される。したがって、搬送及びマスクの取り外しの間中、マスクキャリアのこの配向は、実質的に一定に保たれうる。
【0041】
[0052]マスクキャリア15からマスクデバイス10を取り外すことの後に、マスクデバイス10は、減圧システム100からアンローディングされうる(X3)。
【0042】
[0053]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクデバイスを減圧システムからアンローディングしている間、及び/又は、減圧システムにローディングしている間のマスクデバイスの配向は、マスクキャリア上にある時のマスクデバイスの配向とは異なる。
【0043】
[0054]例えば、
図1のステージ(c)に概略的に描かれているように、アンローディングすることは、減圧システム100の壁を通って延在しうるマスクアンローディング通路に沿って、減圧システム100の外にマスクデバイス10を出すことを含みうる。一部の実施形態では、マスクデバイス10は、マスクハンドリングチャンバ105の側壁103内に設けられた閉鎖可能な開口102を通じて動かされうる。マスクデバイス10は、ロードロックチャンバを経て減圧システムからアンローディングされうる(X3)。ロードロックチャンバを経て減圧チャンバからマスクデバイス10をアンローディングすること(X3)は、有利でありうる。なぜなら、マスクハンドリングチャンバ105又は減圧システム全体をフラッドする必要がなくなりうるからである。むしろ、ロードロックチャンバをフラッドすれば十分でありうる。
【0044】
[0055]マスクデバイス10は、減圧システム100内でマスクキャリア15からを取り外される(X1)。したがって、マスクデバイス10だけが減圧システム100の外に出される一方、マスクキャリア15は、減圧システム100内に留まりうる。例えば、マスクキャリア15は、減圧システムの内部のキャリア保管部内に保管されてよく、新たなマスクデバイスが、このマスクキャリア15に取り付けられて、堆積に使用されうる。
【0045】
[0056]マスクの取り扱いの従来型の方法は、減圧システムからマスクキャリアを、それに取り付けられたマスクデバイスと一緒に、除去することを含む。このマスクデバイスは次いで、減圧システムの外でマスクキャリアから取り外されうる。しかし、マスクキャリアが、典型的には、大きく重いキャリア本体を有することにより、減圧システムからマスクデバイスが取り付けられているマスクキャリアを除去するには、時間がかかり、大型のロードロックチャンバが必要になることもある。更に、ロードロックチャンバの外にマスクキャリアを搬送するためには、大規模で高価な持ち上げデバイスが使用されうる。
【0046】
[0057]本書に記載の実施形態により、マスクデバイス10は、減圧システム100内でマスクキャリア15から取り外され、かつ、マスクキャリア15がない状態で減圧システム100の外に出される(マスクキャリア15はより長い時間にわたって減圧システム内に留まりうる)。
【0047】
[0058]減圧システム100からマスクデバイスをアンローディングすること(X3)は、減圧システム(例えばマスクハンドリングチャンバ105)の閉鎖可能な開口102を通して、ロードロックチャンバ(
図1には図示せず)にマスクデバイス10を入れることを含みうる。閉鎖可能な開口102は、マスクデバイスがロードロックチャンバ内に配置されると閉ざされてよく、ロードロックチャンバがフラッドされうる一方、第1減圧チャンバは低大気圧に保たれうる。その上で、マスクデバイス10は、例えば持ち上げデバイスによって、ロードロックチャンバの外に取り出されうる。
【0048】
[0059]一部の実施形態では、マスクデバイス10は、非水平配向Vとは異なる第2配向Hにある間に、マスクハンドリングチャンバ105の外に出される。第2配向Hは、一部の実施形態では、実質的に水平な配向でありうる。例えば、マスクデバイス10は、実質的に水平な配向にある間に、閉鎖可能な開口102を通ってマスクハンドリングチャンバ105の外へと、平行移動しうる。
【0049】
[0060]本書において、「実質的に水平な配向(essentially horizontal orientation)」とは、マスクデバイス10の主要面と水平面との間の角度が30°以下、具体的には20°以下、より具体的には10°以下であるか、又は、マスクデバイスが厳密に水平(+/−1°)に配置されている配向として、理解されうる。
【0050】
[0061]マスクデバイスを実質的に水平な配向でマスクハンドリングチャンバ105の外に出すことは、有利でありうる。なぜなら、マスクデバイスをマスクハンドリングチャンバ105の外に出すのに、マスクハンドリングチャンバ105の側壁103内の比較的小さな開口で十分でありうるからである。例えば、マスクハンドリングチャンバ105の側壁内の閉鎖可能な開口102は、長方形の開口又はスリット開口でありうる。
【0051】
[0062]
図1のステージ(c)に概略的に描かれているように、マスクデバイス10は、マスクデバイス10が実質的に水平な配向に配置されている間に、水平経路でありうる実質的に直線的な搬送経路に沿って、マスクハンドリングチャンバ105の外に出されうる。例えば、マスクハンドリングアセンブリ20は、側壁103内の閉鎖可能な開口102を通してマスク保持部21を動かすよう、具体的には平行移動させるように、構成されうる。
【0052】
[0063]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクデバイス10は、減圧システム100からアンローディングされる前に、非水平配向Vから第2配向Hに回転しうる(X2)。例えば、マスクデバイスは、実質的に垂直な配向でマスクキャリア15から取り外されてよく(X1)、次いで、実質的に垂直な配向から第2配向(H)に回転してよく(X2)、次いで、マスクデバイスが第2配向(H)にある間に、減圧システムからアンローディングされうる(X3)。マスク交換が促進されうる。
【0053】
[0064]マスクデバイスの「回転(rotation)」は、任意の種類のマスクデバイスのスイング移動又は枢動移動を含む。例えば、マスクデバイスは、非水平配向と第2配向との間で弧を描いてスイングしうる。詳細には、「回転」という用語は、マスクデバイスを通って延在する回転軸を暗示するものではない。むしろ、回転の軸は、マスクデバイスから離れていてよく、かつ、マスクハンドリングアセンブリ(例えばロボットアーム又はスイングモジュール)の枢動点に対応しうる。詳細には、マスクデバイスは、実質的に水平な軸の周囲で上方又は下方にスイングしうる。
【0054】
[0065]本書において、「デバイスの回転(rotation of a device)」とは、第1配向から第1配向とは異なる第2配向への、デバイスの動きであると理解されうる。
【0055】
[0066]マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクキャリア15からマスクデバイス10を取り外すよう、取り外されたマスクデバイスを非水平配向から第2配向に回転させるよう、並びに、回転したマスクデバイスをマスクハンドリングチャンバ105の外に出す(例えばロードロックチャンバ内に入れる)ように、構成されうる。一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイスを把持するよう、把持されたマスクデバイスを回転軸の周囲で回転(又はスイング)させるよう、かつ、回転したマスクデバイスを、マスクハンドリングチャンバ105の外に直線的に平行移動させるよう構成されている、ロボットアームなどのロボットデバイスを含む。
【0056】
[0067]本書に記載の実施形態により、減圧システムから使用済みマスクデバイスをアンローディングすることが促進され、かつ、マスクの取り扱いが簡略化されうる。詳細には、減圧システムの外に重いマスクキャリアを持ち上げるための大型持ち上げデバイスを使用する頻度が、減少しうる。むしろ、軽量のマスクデバイスは、減圧システムの内部のロボットデバイスによってマスクキャリアから自動的に取り外されてよく、取り外されたマスクデバイスは、ロードロックチャンバからマスクデバイスを持ち上げるように構成されうる持ち上げデバイスなどの、より小型の搬送デバイスによって、減圧システムから取り出されうる。
【0057】
[0068]
図2は、本書に記載の実施形態による、マスクデバイス10を取り扱う方法の連続的なステージ(a)、(b)、(c)を概略的に示している。
図1は、マスクキャリアからのマスクデバイスの取り外しに関する。
図2は、減圧システム内での、マスクキャリアへのマスクデバイスの取り付けに関する。したがって、
図2のステージ(a)、(b)、(c)は、
図1のステージ(a)、(b)、(c)とは実質的に逆になっている。
図1に描かれている減圧システム及びその中に設けられる構成要素の詳細は、
図2に描かれている対応する構成要素に類似しうるため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0058】
[0069]
図2のマスク取り付け方法と
図1のマスク取り外し方法とが組み合わされうることは、自明である。詳細には、マスクデバイスは、最初に、減圧システム内のマスクキャリア上にマスクデバイスを提供するために、
図2の方法にしたがって取り扱われてよく、次いで、使用後にマスクキャリアからマスクデバイスを取り外すため、及び、(例えば洗浄のために)減圧システムからマスクデバイスをアンローディングするために、
図1の方法にしたがって取り扱われうる。
【0059】
[0070]
図2のステージ(a)において、マスクデバイス10は、減圧システム100内にローディングされる(Y1)。
図2のステージ(b)において、マスクデバイス10は、減圧条件下でマスクキャリア15に取り付けられる(Y3)。
図2のステージ(c)において、マスクデバイス10は、非水平配向(V)でマスクキャリア15によって保持される。その上で、非水平配向Vでマスクデバイス10を保持しているマスクキャリア15は、例えば、マスクハンドリングチャンバ105などの第1減圧チャンバから堆積チャンバなどの第2減圧チャンバへと、減圧システム100内の搬送経路に沿って搬送されうる。
【0060】
[0071]
図1のステージ(a)に概略的に描かれているように、減圧システム100内にマスクデバイス10をローディングすること(Y1)は、マスクキャリア15がない状態で、減圧システム100のマスクハンドリングチャンバ105内に、マスクデバイス10をローディングすることを含みうる。むしろ、マスクキャリア15は、減圧システム100内(例えばマスクハンドリングチャンバ105内)のマスクデバイスの取り付けのための位置に、既に配置されていることが可能である。減圧システムの外で行われうる、規則的な時間間隔でのマスクデバイス10の洗浄及び/又は交換は、有利でありうる。その一方、マスクキャリア15は、より長い時間にわたって減圧システム100内に留まりうる。
【0061】
[0072]
図1のステージ(a)に示しているように、減圧システム100内にマスクデバイス10をローディングすること(Y1)は、減圧チャンバの側壁103内の閉鎖可能な開口102を通して、減圧システムの減圧チャンバにマスクデバイス10を入れることを含みうる。マスクデバイス10は、ロードロックチャンバ(
図2には図示せず)を経て、減圧チャンバに入れられうる。詳細には、一部の実施形態では、マスクデバイス10は、ロードロックチャンバからマスクハンドリングチャンバ105内に、閉鎖可能な開口102を通って平行移動しうる。
【0062】
[0073]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイス10を、例えばロードロックチャンバからマスクハンドリングチャンバ内へと動かすために、提供されうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクハンドリングチャンバ105とロードロックチャンバとの間で動かされるよう構成されたマスク保持部21を有する、ロボットアームなどのロボットデバイスを含みうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、
図1のマスクハンドリングアセンブリでありうる。換言すると、単一のマスクハンドリングアセンブリが、マスクデバイスのマスクキャリアへの取り付けと、マスクキャリアからの取り外しの両方を行うように、構成されうる。あるいは、例えば、
図1のステージを実施するための第1マスクハンドリングアセンブリと、
図2のステージを実施するための第2マスクハンドリングアセンブリという、2つのマスクハンドリングアセンブリが提供されうる。
【0063】
[0074]一部の実施形態では、マスクデバイス10は、第2配向H(例えば実質的に水平な配向)にある間に、マスクハンドリングチャンバ105に入れられる。
【0064】
[0075]
図2のステージ(b)に概略的に描かれているように、マスクキャリア15にマスクデバイス10を取り付けること(Y3)の前に、マスクデバイス10は、第2配向Hから非水平配向(V)に回転しうる(Y2)。詳細には、マスクデバイスは、実質的に水平な配向でマスクハンドリングチャンバ105に入れられ、マスクハンドリングアセンブリによって実質的に垂直な配向に回転させられ、かつ、実質的に垂直な配向でマスクキャリア15に取り付けられる。
【0065】
[0076]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20はマスクハンドリングチャンバ105内に配置される。マスクハンドリングアセンブリ20は、実質的に水平な配向及び/又は実質的に垂直な配向でマスクデバイス10を保持するように構成された、マスク保持部21を含みうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、実質的に水平な方向に、マスクハンドリングチャンバにマスクデバイスを入れるよう、かつ、例えば実質的に水平な配向から実質的に垂直な配向に、マスクデバイスを回転させるように、構成されうる。更に、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21からマスクキャリア15へと、マスクデバイス10を受け渡すように構成されうる。詳細には、マスクデバイス10は、(例えば磁力により)マスクデバイスを保持するように構成されているロボットアームを含みうるマスクハンドリングアセンブリ20によって、平行移動させられ、回転させられ、かつ、取り付けられ(及び/又は取り外され)うる。
【0066】
[0077]
図2のステージ(a)において、マスクデバイス10は、マスクハンドリングチャンバ105の側壁103内に設けられた閉鎖可能な開口102を通して、複数のマスクデバイスを保管するよう構成されているマスクマガジン又は別のマスク保管デバイスから出されうる。例えば、マスクマガジンはロードロックチャンバ内に配置されてよく、マスクハンドリングアセンブリのマスク保持部は、開口を通ってマスクマガジンに入りうる。
【0067】
[0078]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクデバイス10は、磁力によってマスクキャリア15に保持されうる。詳細には、マスクキャリア15は、非水平配向(V)でマスクキャリア15にマスクデバイス10を保持するよう構成された、一又は複数の電磁石及び/又は永久磁石を含みうる。
【0068】
[0079]本書に記載の実施形態により、比較的軽量のマスクデバイスは、大気環境から減圧システム内にローディングされてよく、かつ、減圧システム内でマスクキャリアに迅速に取り付けられうる。したがって、マスクの取り扱いが促進され、かつ、システムのアイドルタイムが低減されうる。
【0069】
[0080]詳細には、マスクデバイスのマスクフレームは、減圧システム内で直接マスクキャリアから外されうる。したがって、マスクデバイスだけが、例えば頭上搬送ビークルによって、減圧システムの外に搬送されることになる。マスクキャリアは、マスクデバイスよりもずっと長い時間にわたって減圧システム内に留まりうるシールドセグメントと一緒に、減圧条件下に留まる。減圧システムの外で取り扱われる必要があるマスク1つあたりの最大重量は、例えば、マスクキャリアの約300kg以上から、マスクキャリアを伴わないマスクデバイスの150kg以下へと、劇的に減少する。したがって、典型的な頭上搬送ビークルは、7つ以上のマスクデバイスを(ずっと少ない数のマスクキャリアの代わりに)容易に搬送しうる。マスク交換が促進され、かつ、頭上搬送システムの数、マスクキャリアの数、及び/又はマスクストッカの数が低減しうる。したがって、コストも削減され、空間要件が緩和されうる。マスクキャリアは、例えばそれに装着されたシールドと一緒に、より長い時間にわたって減圧条件下に留まりうる。したがって、メンテナンス労力が大幅に削減される。シールドが洗浄又は交換される際に、マスクキャリアは大気中に出されうる。したがって、マスクキャリアの総数が低減されうる。
【0070】
[0081]本書に記載の実施形態により、マスクデバイス及び/又は基板は、実質的に垂直な配向で、減圧システム内で搬送される。マスクデバイス及び/又は基板が実質的に水平な配向で搬送され、処理されるという概念と比較すると、垂直搬送という概念は、より大型サイズの基板を取り扱うことを可能にする。実質的に垂直な配向でマスクデバイス及び/又は基板を搬送することは、マスクデバイス及び/又は基板を対応するキャリアに装着することによって、容易になりうる。本書に記載の実施形態により、マスクデバイスのマスクキャリアへの取り付け、又はマスクキャリアからの取り外しは、大気条件下では実行されず、減圧システムの内部で実行される。したがって、減圧システムの外で取り扱われる必要がある重量が、低減されうる。
【0071】
[0082]
図3は、本書に記載の実施形態による、マスクデバイス10を取り扱う方法の連続的なステージ(a)、(b)、(c)、(d)の概略図である。
図3の方法は
図1の方法に類似しているため、上記の説明を参照することが可能であり、上記の説明を繰り返すことはしない。
【0072】
[0083]
図3は、減圧システム200からマスクデバイスをアンローディングすることに関する。減圧システム内にマスクデバイスをローディングするために
図3のステージが逆順に実施されうることは、自明である。
【0073】
[0084]
図3のステージ(a)は、複数の減圧チャンバを含む減圧システム200を示している。減圧チャンバのうちの1つはマスクハンドリングチャンバ105である。本書において、「減圧チャンバ(vacuum chamber)」(「減圧モジュール(vacuum module)」とも称される)は、低大気圧にされうる、減圧システムの中の特定領域であると理解されうる。必ずというわけではないが典型的には、2つの隣接した減圧チャンバ又は減圧モジュール同士の間の通路は、隣の減圧チャンバをフラッドすることなく一方のチャンバに点検又はメンテナンスを行うために、閉鎖されうる。
【0074】
[0085]マスクデバイス10を取り扱うためのマスクハンドリングアセンブリ20が、マスクハンドリングチャンバ105内に配置される。ロードロックチャンバ101などの更なる減圧チャンバが、マスクハンドリングチャンバ105に隣接して配置されうる。閉鎖可能な開口102が、マスクハンドリングチャンバ105とロードロックチャンバ101との間の側壁103内に設けられうる。
【0075】
[0086]減圧システムを通ってマスクキャリア15を導くためのマスク軌道31が、マスクハンドリングチャンバ105内に設けられうる。マスク軌道31は、マスクハンドリングチャンバ105から一又は複数の堆積チャンバに向けて延在しうる。マスクデバイスを保持するマスクキャリア15は、マスクハンドリングチャンバ105と、一又は複数の堆積チャンバなどの更なる減圧チャンバとの間で、マスク軌道31に沿って搬送されうる。
【0076】
[0087]マスク軌道31に沿ってマスクキャリアを搬送するためのマスク搬送システムが設けられうる。一部の実施形態では、このマスク搬送システムは、上からの磁力によってマスクキャリア15の重量の少なくとも一部を保持するように構成された、磁気浮上システム35を含む。
【0077】
[0088]
図3のステージ(a)において、非水平配向(V)でマスクキャリア15によって保持されているマスクデバイス10が、マスクハンドリングチャンバ105内に提供される。マスクデバイス10は、堆積チャンバ内でのマスク堆積に使用された、使用済みマスクデバイスでありうる。使用済みマスクデバイスは、マスクキャリア15から取り外され、例えば洗浄、補修、メンテナンス、交換、点検、又は品質チェックのために、減圧システム200からアンローディングされることになる。
【0078】
[0089]マスクキャリア15は、マスクハンドリングチャンバ105内へと、マスク軌道31に沿ってマスクデバイス10を運んでよく、このマスクハンドリングチャンバ105において、マスクキャリア15は、
図1のステージ(a)で示している、取り外しのためのある位置で停止しうる。例えばロボットアームを含むマスクハンドリングアセンブリ20は、マスクキャリア15からマスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21へとマスクデバイス10を受け渡すように、構成されうる。
図3のステージ(a)に概略的に描かれているように、マスク保持部21は、マスクデバイスに向けて動いてよく、マスクデバイス10は、マスクキャリアから取り外され、かつ、マスク保持部21によって捕捉されうる。
【0079】
[0090]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、基板キャリアを搬送するように構成された一又は複数の基板軌道32も、マスクハンドリングチャンバ105内に設けられうる。一又は複数の基板軌道32は、少なくとも部分的に、マスク軌道31とマスクハンドリングアセンブリ20との間に配置されうる。基板キャリアによって保持されている基板は、マスクハンドリングチャンバ105を通る基板軌道32に沿って導かれうる。この場合、基板キャリアがマスク軌道31とマスクハンドリングアセンブリ20との間の基板軌道32上に配置されていない時に、マスクキャリア15からのマスクデバイス10の取り外しを行うことが可能である。マスクデバイス10の垂直方向寸法は、マスクデバイス10がマスクハンドリングアセンブリ20によって、一又は複数の基板軌道32を越えて動かされうるようなものにされうる。
【0080】
[0091]例えば、マスク保持部21は、上方基板軌道と下方基板軌道との間の空間を通って、取り外されるべきマスクデバイス10が配置されうる、基板軌道の別の側に到達するように構成されうる。マスクデバイス10の垂直方向寸法は、上方基板軌道と下方基板軌道との間で導かれる基板キャリアの垂直方向寸法を下回りうる。それにより、マスクデバイス10は、上方基板軌道と下方基板軌道との間の空間を通るよう適合し、かつ、システムからアンローディングされるよう基板軌道を越えて動かされうる。
【0081】
[0092]マスクデバイス10は、マスクキャリア15の磁気チャックにより生成されうる磁力によって、マスクキャリア15に保持されうる。磁気チャックは、一又は複数の永久磁石及び/又は一又は複数の電磁石を含みうる。マスクキャリア15からマスクデバイス10を取り外すことは、マスクキャリア15の磁気チャックにより生成される磁場を変化させることを含みうる。例えば、一又は複数の磁石により生成された磁場が、変更され、縮小され、逆転され、又は不活性化されうる。
【0082】
[0093]代替的又は追加的には、マスクキャリア15からマスクデバイス10を取り外すことは、マスクキャリアからマスクデバイスを解放するために、マスクキャリア15の少なくとも1つの永久磁石の極性を反転させることを含みうる。例えば、少なくとも1つの永久磁石の磁場は、例えば少なくとも1つの永久磁石に巻かれているコイルによって電磁場を誘起することによって反転しうる。
【0083】
[0094]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイス10の取り外し又は取り付けのための位置にある時に、マスクキャリア15に電流及び/又は電気信号を供給する。例えば、マスクデバイス10の取り外し又は取り付けのための位置において、マスク保持部21の第1の露出した電気接点が、マスクキャリア15の第2の露出した電気接点と接触するようにされうる。例えば、マスクキャリアが取り外し又は取り付けのための位置につくと、電源の出力端子が次いで、第1と第2の露出した電気接点を介して、マスクキャリアの電磁石に電気的に接続されうる。このことには、電源がマスクキャリアに取り付けられなくてよいという利点がある。むしろ、電源は、例えば減圧システムの外の静止型構成要素として、又は、マスクハンドリングアセンブリ20の構成要素として、設けられうる。電流及び/又は電気信号は、マスクデバイスを、マスクキャリアから取り外し、又はマスクキャリアに取り付けるために、使用されうる。
【0084】
[0095]マスクハンドリングアセンブリが、マスクデバイスをマスクキャリアに取り付け、かつ/又はマスクキャリアから取り外すために使用されうることは、自明である。例えば、マスクキャリアにマスクデバイスを取り付けることは、マスクハンドリングアセンブリを介してマスクキャリアのチャックデバイスに、電流及び/又は電気信号を提供することを含みうる。例えば、マスクキャリアにマスクデバイスを留め置くために、マスクキャリアの少なくとも1つの永久磁石の極性が反転しうる。少なくとも1つの永久磁石の極性は、電磁インパルスをもたらすために電磁石に一時的に電流を供給することによって、反転しうる。マスクキャリアの露出した電気接点は、マスクキャリアへのマスクデバイスの取り付けのための位置における電流供給に使用されうる。
【0085】
[0096]
図3のステージ(b)に描かれているように、取り外されたマスクデバイス10は次いで、非水平配向(V)から第2配向(例えば実質的に水平な配向)に、回転又はスイングしうる。例えば、マスクハンドリングアセンブリは、回転軸の周囲でマスク保持部21を回転又はスイングさせるように構成された、第2アクチュエータを有しうる。
【0086】
[0097]
図3のステージ(c)に描かれているように、次いで、マスクハンドリングチャンバ105の側壁103内の閉鎖可能な開口102を通して、更なる減圧チャンバ(例えばロードロックチャンバ101)にマスクデバイス10を入れることによって、マスクデバイス10が減圧システムからアンローディングされうる。
【0087】
[0098]複数のマスクデバイス12を保管するためのマスクマガジン201が、ロードロックチャンバ101内に設けられうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、使用済みマスクデバイスをマスクマガジン201のスロットに入れるよう、かつ/又は、未使用のマスクデバイスをマスクマガジンのスロットから出すように、構成されうる。使用済みマスクデバイスは、マスク保持部がマスクマガジン201の空のスロット内に挿入されてから、マスクデバイスをマスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21から開放することによって、マスクマガジン201のスロット内に置かれうる。未使用のマスクデバイスは、マスク保持部が未使用のマスクデバイスが保管されているマスクマガジン201のスロット内に挿入されてから、マスクデバイスをマスクハンドリングアセンブリのマスク保持部21に誘引することによって、マスクマガジン201のスロットから取り出されうる。マスクデバイスは、マスクマガジン201内に一時的に保管されうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクマガジン201のスロットに出入りする、マスクデバイスの直線移動向けに構成されうる。
【0088】
[0099]一部の実施形態では、マスクマガジン201は、複数のマスクデバイス12を保管するための複数のスロット203を含みうる。複数のスロット203は、実質的に水平に配向されうる。したがって、マスクデバイス10は、例えば直線移動によって、実質的に水平な方向に、スロットのうちの1つに入れられ、かつ、スロットのうちの1つから出されることが可能である。
【0089】
[00100]このことにより、マスク保持部の水平方向の直線移動の後に、マスクデバイスをマスクマガジン(又はマスクカセットシステム)中で容易に積み重ねていくことが、可能になる。水平に積まれたマスクデバイスの一時的保管及び搬送のためにマスクカセットシステムを使用することは、迅速かつ効率的でありうる。
【0090】
[00101]一部の実施形態では、マスクマガジン201は、複数のスロットを動かすように構成された変位機構205を含みうる。例えば、使用されているスロットは閉鎖可能な開口102の背後の位置から離れるように動かされてよく、空のスロットが、マスクハンドリングアセンブリ20が空のスロット内にマスクデバイスを挿入しうるように、閉鎖可能な開口の背後の位置へと動かされうる。一部の実施形態では、マスクマガジンは、垂直方向に可動でありうる複数の積重型スロットを含む。したがって、複数の積重型スロットが順次、使用済みマスクデバイスで満たされうる。代替的又は追加的には、未使用のマスクデバイスが順次、複数の積重型スロットから取り出されうる。
【0091】
[00102]
図3のステージ(c)において、マスクデバイス10は、マスクハンドリングアセンブリ20によって、閉鎖可能な開口102を通ってマスクマガジン201の空のスロット内に置かれる。
図3のステージ(d)に描かれているように、変位機構205は次いで、新たな空のスロットが更なるマスクデバイスの挿入のために位置付けられるように、例えば垂直方向に、マスクマガジン201を動かしうる。
【0092】
[00103]マスクマガジン201が所定の数の使用済みマスクデバイスで一杯になると、マスクマガジン201は、
図3のステージ(d)の矢印208で示しているように、ロードロックチャンバ101から大気環境へとアンローディングされうる。例えば、マスクマガジン201は、持ち上げデバイスによって、ロードロックチャンバ101の開口を通って持ち上げられうる。代替的又は追加的には、未使用のマスクデバイスで満たされたマスクマガジン201が、持ち上げデバイスによって、この開口を通じてロードロックチャンバ内に動かされうる。
【0093】
[00104]この開口は、ロードロックチャンバ101が低大気圧にされうるように、リッド202を用いて閉鎖可能でありうる。マスクマガジン201を、ロードロックチャンバから除去するため、かつ/又はロードロックチャンバ内に挿入するために、ロードロックチャンバ101はフラッドされてよく、リッド202は、
図3のステージ(d)に概略的に描かれているように開かれうる。
【0094】
[00105]
図3に描かれているマスクハンドリングアセンブリ20は、本書に記載の実施形態によるマスクハンドリングアセンブリの一例である。マスクハンドリングアセンブリ20は、減圧システム内でマスクデバイスを取り扱うように構成されており、かつ、マスクデバイスを保持するように構成されたマスク保持部21と、マスクデバイスを保持しうるマスク保持部21を動かすように構成された、第1アクチュエータと、マスクキャリア15からマスク保持部21へと、かつ/又は、マスク保持部21からマスクキャリア15へと、非水平配向(V)でマスクデバイス10を受け渡すように構成された、受け渡し機構とを、含む。
【0095】
[00106]本書において、「マスクデバイスの取り扱い(handling of a mask device)」とは、マスクキャリアにマスクデバイスを取り付けること、マスクキャリアからマスクデバイスを取り外すこと、マスクデバイスを減圧システムにローディングすること若しくは減圧システムからアンローディングすること、マスクデバイスを動かすこと、マスクデバイスを平行移動させること、又は、マスクデバイスを回転させることのうちの、少なくとも一又は複数であると、理解されうる。
【0096】
[00107]第1アクチュエータは、マスク保持部21を、具体的にはマスクハンドリングチャンバ105と第2減圧チャンバ(例えばロードロックチャンバ101)との間で、平行移動させるように構成されうる。例えば、マスクデバイスを保持しうるマスク保持部21は、マスクハンドリングチャンバと第2減圧チャンバとの間で、実質的に水平な方向に沿って直線的に動きうる。
【0097】
[00108]マスクハンドリングアセンブリ20は更に、マスクデバイスを把持する(例えば、マスクキャリアからマスクデバイスを受け取る)よう、かつ、マスクデバイスを開放する(例えば、ロードロックチャンバ内に配置されうるマスクマガジン内にマスクデバイスを置く)ように、構成されうる。
【0098】
[00109]マスクハンドリングアセンブリ20は、例えば磁力によって、マスク保持部21にマスクデバイスを保持するように構成されうる。例えば、マスクデバイスのマスクフレームをマスク保持部21に向けて誘引するために、電磁石及び/又は永久磁石などの一又は複数の磁石がマスク保持部21内に組み込まれうる。
【0099】
[00110]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリは、非水平配向(例えば実質的に垂直な配向)と第2配向(例えば実質的に水平な配向)との間で、マスク保持部21を回転移動させるように構成された、第2アクチュエータを含む。
【0100】
[00111]一部の実施形態では、受け渡し機構は、例えばマスク保持部21からマスクキャリア15へとマスクデバイスを受け渡すために、マスクキャリア15へのマスクデバイス10の取り付けを始動させるように構成される。代替的又は追加的には、受け渡し機構は、例えばマスクキャリア15からマスク保持部21へとマスクデバイスを受け渡すために、マスクキャリア15からのマスクデバイス10の取り外しを始動させるように構成される。
【0101】
[00112]一部の実施形態では、受け渡し機構は、マスクキャリア15に設けられた少なくとも1つの永久磁石の極性を反転させるように構成されうる。極性の前記反転により、マスクデバイスが、マスクキャリアに向けて誘引されうるか、又はマスクキャリアから解放されうる。
【0102】
[00113]
図4は、基板に材料をマスク堆積させるための減圧システム300の概略図である。減圧システム300は、本書に記載の方法のうちの任意のものに従って稼働することに適しうる。
【0103】
[00114]減圧システム300は、本書に記載の実施形態のうちの任意のものによる、マスクハンドリングチャンバ105と、ロードロックチャンバ301であって、マスクハンドリングチャンバ105とロードロックチャンバ301との間に閉鎖可能な開口102が設けられている、ロードロックチャンバ301と、マスクハンドリングアセンブリ20とを、含む。
【0104】
[00115]マスクハンドリングアセンブリ20は、閉鎖可能な開口102を通して、ロードロックチャンバ301からマスクハンドリングチャンバ105へと、及び/又はその逆に、マスク保持部21を動かすように構成された、第1アクチュエータを含む。
【0105】
[00116]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクキャリアから使用済みマスクデバイスを取り外すよう、かつ、例えば、マスクハンドリングチャンバ105から、マスクマガジン201又は別のマスク保管部が設けられうるロードロックチャンバ301内へと、取り外されたマスクデバイスを動かすことによって、減圧システム300から使用済みマスクデバイスをアンローディングするように、構成される。
【0106】
[00117]一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は更に、ロードロックチャンバから(例えばマスクマガジン又は別のマスク保管部から)マスクハンドリングチャンバ内へと未使用のマスクデバイスを動かすよう、かつ、マスクキャリアに未使用のマスクデバイスを取り付けるように、構成されうる。
【0107】
[00118]あるいは、第2マスクハンドリングアセンブリ320が提供されうる。第2マスクハンドリングアセンブリ320は、例えば、第2ロードロックチャンバ302からマスクハンドリングチャンバ105内へと未使用のマスクデバイス310を動かすことによって、減圧システム300内に未使用のマスクデバイス310をローディングするように、構成されうる。例えば、第2マスクハンドリングアセンブリ320は、第2ロードロックチャンバ302内に設けられた第2マスクマガジン341から、未使用のマスクデバイス310を取り出しうる。第2マスクハンドリングアセンブリ320は、マスクハンドリングチャンバ105内のマスクキャリアに、未使用のマスクデバイス310を取り付けるように構成されうる。
【0108】
[00119]
図4は、2つのマスクハンドリングアセンブリ、すなわち、マスクハンドリングアセンブリ20及び第2マスクハンドリングアセンブリ320を含む、減圧システム300を示している。マスクハンドリングアセンブリ20と第2マスクハンドリングアセンブリは、1つの減圧チャンバ(例えばマスクハンドリングチャンバ105内)の別々の領域内に配置されうる。
【0109】
[00120]マスクハンドリングアセンブリ20はマスクキャリアから使用済みマスクデバイスを取り外すように構成され、第2マスクハンドリングアセンブリ320は、マスクキャリアに未使用のマスクデバイスを取り付けるように構成される。マスクハンドリングアセンブリ20はマスクハンドリングチャンバ105から使用済みマスクデバイスを出すように構成されてよく、第2マスクハンドリングアセンブリ320は、マスクハンドリングチャンバ105に未使用のマスクデバイスを入れるように構成されうる。
【0110】
[00121]本開示では、適宜、「使用済みマスクデバイス(used mask device)」という用語が「第1マスクデバイス(first mask device)」という用語で置き換え可能であり、「未使用のマスクデバイス(mask device to be used)」という用語が「第2マスクデバイス(mask device to be used)」という用語で置き換え可能であることに、留意されたい。
【0111】
[00122]詳細には、未使用のマスクデバイス及び使用後のマスクデバイスは、別々に取り扱われうる。使用済みマスクデバイスは、マスクハンドリングアセンブリ20が配置されうる、マスクハンドリングチャンバの第1ハンドリング領域において取り扱われてよく、未使用のマスクデバイスは、第2マスクハンドリングアセンブリ320が配置されうる、マスクハンドリングチャンバの第2ハンドリング領域において取り扱われうる。マスクデバイスを別々に取り扱うことは、使用済みマスクデバイスに接近することによる洗浄済みマスクデバイスの汚染を低減するか、又は回避するのに有用でありうる。
【0112】
[00123]
図5は、本書に記載の実施形態による、マスクの取り扱い方法を示すフロー図である。ボックス510において、マスクデバイスが減圧システム内にローディングされる。マスクデバイスを減圧システム内にローディングすることは、ロードロックチャンバからマスクハンドリングチャンバへと、マスクキャリアを伴わないでマスクデバイスを動かすことを含みうる。例えば、ロボットデバイスなどのマスクハンドリングアセンブリは、マスクハンドリングチャンバにマスクデバイスを入れるように構成されうる。マスクデバイスは、実質的に水平に配向されている間に、マスクハンドリングチャンバ内へと水平方向に平行移動しうる。
【0113】
[00124]ボックス520において、マスクデバイスは、非水平配向に、具体的には実質的に垂直な配向に、回転しうる。例えば、ロボットデバイスなどのマスクハンドリングアセンブリは、マスクデバイスを回転させるように構成されうる。
【0114】
[00125]ボックス530において、マスクデバイスは、減圧システム内で、具体的にはマスクデバイスが非水平配向にある間に、マスクキャリアに取り付けられる。
【0115】
[00126]ボックス540において、非水平配向でマスクデバイスを保持するマスクキャリアが、例えばマスクハンドリングチャンバから堆積チャンバへと、減圧システム内の搬送経路に沿って搬送される。
【0116】
[00127]
図6は、本書に記載の実施形態による、マスクの取り扱い方法を示すフロー図である。
図6のマスクの取り扱い方法は、
図5のマスクの取り扱い方法の後に続きうる。
【0117】
[00128]ボックス610において、非水平配向でマスクデバイスを保持するマスクキャリアが、例えば堆積チャンバからマスクハンドリングチャンバへと、減圧システム内の搬送経路に沿って搬送される。
【0118】
[00129]ボックス620において、マスクデバイスは、減圧システム内で、具体的にはマスクデバイスが非水平配向にある間に、マスクキャリアから取り外される。
【0119】
[00130]ボックス630において、マスクデバイスは、非水平配向から第2配向に、具体的には実質的に水平な配向に、回転しうる。例えば、ロボットデバイスなどのマスクハンドリングアセンブリは、マスクデバイスを回転させるように構成されうる。
【0120】
[00131]ボックス640において、具体的には、マスクハンドリングチャンバからロードロックチャンバへとマスクキャリアを伴わないでマスクデバイスを動かすことによって、マスクデバイスが減圧システムからアンローディングされる。例えば、ロボットデバイスなどのマスクハンドリングアセンブリは、マスクデバイスを、マスクハンドリングチャンバの外に出し、かつ、ロードロックチャンバ内に設けられているマスクマガジンに入れるように、構成されうる。
【0121】
[00132]アンローディングされたマスクデバイスは次いで、減圧システムの外で洗浄又は点検されうる。
【0122】
[00133]本書に記載の別の態様により、基板に材料をマスク堆積させるための減圧システム400が提供される。
【0123】
[00134]
図7は減圧システム400の概略断面図であり、
図8は減圧システム400の上面図である。
図7の減圧システム400は、
図4に描かれている減圧システム300に類似しうるため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。減圧システムは、例えば蒸着によって、基板に一又は複数の材料を堆積させるように構成されうる。
【0124】
[00135]減圧システム400は、マスクハンドリングチャンバ405、少なくとも1つの堆積チャンバ(
図7及び
図8には図示せず)、及び、マスクハンドリングチャンバ405と少なくとも1つの堆積チャンバとの間で、非水平配向(V)でマスクデバイスを搬送するように構成されたマスク搬送システムを、含む。
【0125】
[00136]マスクハンドリングチャンバ405は、未使用のマスクデバイス411を取り扱うように構成された第1マスクハンドリングアセンブリ421を有する第1マスクハンドリング領域401、及び、使用済みマスクデバイス412を取り扱うように構成された第2マスクハンドリングアセンブリ422を有する第2マスクハンドリング領域402を、含む。
【0126】
[00137]本書において、「未使用のマスクデバイス(mask devices to be used)」とは、基板上へのマスク堆積に使用されるために少なくとも1つの堆積チャンバ内へと搬送されることになっている、マスクデバイスであると理解されうる。一部の実施形態では、未使用のマスクデバイスとは、新しいマスクデバイス、洗浄されたマスクデバイス、又は、点検若しくはメンテナンスを経たマスクデバイスでありうる。
【0127】
[00138]本書において、「使用済みマスクデバイス(used mask devices)」とは、堆積チャンバ内でマスク堆積に使用されたマスクデバイスであると理解されうる。使用済みマスクデバイスは、例えば洗浄又はメンテナンスのために、堆積チャンバの外に搬送されることになる。例えば、使用済みマスクデバイスは、例としては大気圧条件下での洗浄のために、減圧システムからアンローディングされることになる。一又は複数の基板へのマスク堆積にマスクデバイスを使用することによって、未使用のマスクデバイスが使用済みマスクデバイスになる。典型的には、マスクデバイスは、10以上の基板へのマスク堆積に使用されてから、洗浄されうる。マスクデバイスは、洗浄後には、減圧システム内に再度ローディングされて、マスク堆積に使用されうる。
【0128】
[00139]第2マスクハンドリング領域402及び第1マスクハンドリング領域401は、マスクハンドリングチャンバ405の別々の区域に対応してよく、かかる区域同士は、互いに隣接していることも、互いから離間されていることもある。例えば、第1マスクハンドリング領域401と第2マスクハンドリング領域402は、マスクハンドリングチャンバの対向した部分でありうる。一部の実施形態では、第1マスクハンドリング領域401及び第2マスクハンドリング領域402は、マスクキャリア415を搬送するように構成された搬送経路の両側に位置する。例えば、
図7に概略的に描かれているように、第1マスクハンドリング領域401は第1と第2のマスク軌道の第1の側に位置してよく、第2マスクハンドリング領域402は、第1と第2のマスク軌道の、反対の側に位置しうる。
【0129】
[00140]本書に記載の一部の実施形態により、未使用のマスクデバイス411は、使用済みマスクデバイス412とは別々に、取り扱われ(例えば、取り付けられ、取り外され、ローディングされ、アンローディングされ、保管され、動かされ、回転させられ、かつ/又は平行移動させられ)うる。洗浄後のマスクデバイスの汚染が、低減又は回避されうる。
【0130】
[00141]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態により、第1マスクハンドリング領域401まで延在するマスクローディング通路、及び、第2マスクハンドリング領域402から延在するマスクアンローディング通路が、設けられうる。マスクローディング通路は、マスクアンローディング通路から離間していることがある。例えば、マスクローディング通路とマスクアンローディング通路は、マスクキャリア415を搬送するように構成された搬送経路の両側に設けられうる。詳細には、マスクローディング通路とマスクアンローディング通路は、
図7に概略的に描かれているように、マスクハンドリングチャンバ405の両側に配置されうる。
【0131】
[00142]マスクローディング通路は、第1マスクハンドリング領域401まで延在してよく、かつ、例えば第1ロードロックチャンバ403を経て、減圧システム400内に未使用のマスクデバイス411をローディングするように構成されうる。マスクアンローディング通路は、第2マスクハンドリング領域420から延在してよく、かつ、例えば第2ロードロックチャンバ404を経て、減圧システム400から使用済みマスクデバイス412をアンローディングするように構成されうる。
【0132】
[00143]一部の実施形態では、マスクローディング通路は、第1ロードロックチャンバ403を経て、第1マスクハンドリング領域401内へと延在する。第1の閉鎖可能な開口が、第1マスクハンドリング領域401と第1ロードロックチャンバ403との間に設けられうる。
【0133】
[00144]一部の実施形態では、マスクアンローディング通路は、第2マスクハンドリング領域402から、第2ロードロックチャンバ404を経て延在する。第2の閉鎖可能な開口が、第2マスクハンドリング領域402と第2ロードロックチャンバ404との間に設けられうる。
【0134】
[00145]第1ロードロックチャンバ403及び第2ロードロックチャンバ404は、マスクハンドリングチャンバ405の対向する2つの側に、マスクハンドリングチャンバ405に隣接して設けられうる。例えば、
図7に概略的に描かれているように、第1ロードロックチャンバ403はマスクハンドリングチャンバ405の第1の側に配置されてよく、第2ロードロックチャンバ404は、マスクハンドリングチャンバ405の、第1の側に対向する第2の側に配置されうる。詳細には、第1ロードロックチャンバ403及び第2ロードロックチャンバ404は、マスクハンドリングチャンバ405を通ってマスクキャリアを導くように構成されたマスク軌道の両側に、配置されうる。
【0135】
[00146]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、第1マスクハンドリングアセンブリ421は、マスクキャリア415に未使用のマスクデバイス411を取り付けるように構成されうる。例えば、第1マスクハンドリングアセンブリは
図2に示すマスクハンドリングアセンブリ20に類似しうるため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0136】
[00147]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、第2マスクハンドリングアセンブリ422は、マスクキャリア415から使用済みマスクデバイス412を取り外すように構成されうる。例えば、第2マスクハンドリングアセンブリ422は
図1に示すマスクハンドリングアセンブリ20に類似しうるため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0137】
[00148]減圧システムの別々の領域に、マスクデバイスを取り扱うための第1マスクハンドリングアセンブリ421及び第2マスクハンドリングアセンブリ422を設けることによって、減圧システムの中でのマスク輸送が簡略化され、かつ、マスクの取り扱いが促進されうる。詳細には、使用済みマスクデバイスと未使用のマスクデバイスとを取り扱うのに、マスクハンドリングチャンバの中に、別々の領域が設けられうる。これにより、減圧システム内のマスク輸送の複雑性が低減されうる。
【0138】
[00149]マスク搬送システムを設けることによって、減圧システム内でのマスク輸送の複雑性を更に低減させうる。このマスク搬送システムは、第1マスクハンドリング領域401から少なくとも1つの堆積チャンバに向けて、未使用のマスクデバイス411を保持するマスクキャリア415を導くための、第1マスク軌道431を含み、かつ/又は、少なくとも1つの堆積チャンバから第2マスクハンドリング領域402まで、使用済みマスクデバイス412を保持するマスクキャリア415を導くための、第2マスク軌道432を含む。
【0139】
[00150]第1マスクハンドリング領域内の未使用のマスクデバイスのため、及び、第2マスクハンドリング領域内の使用済みマスクデバイスのために、別々のマスク軌道を設けることによって、第1マスクハンドリングアセンブリ421と第2マスクハンドリングアセンブリ422とが、個別に作動しうる。例としては、マスクデバイスは、第1マスク軌道431上に配置されたマスクキャリアに取り付けられてよく、例えばそれと同時に又はその後に、更なるマスクデバイスが、第2マスク軌道432上に配置された更なるマスクキャリアから取り外されうる。マスクデバイスは、より迅速にかつ柔軟に取り扱われうる。
【0140】
[00151]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスク搬送システムは、第2マスク軌道432から第1マスク軌道431まで、及び/又はその逆に、マスクハンドリングチャンバ405の中でマスクキャリアを平行移動させるように構成された、平行移動機構450を更に含みうる。したがって、マスクキャリアは、第2マスクハンドリング領域402から第1マスクハンドリング領域401へと、直接的に平行移動しうる。第2マスクハンドリング領域において使用済みマスクデバイスがマスクキャリア415から取り外されており、第1マスクハンドリング領域401において新しいマスクデバイスがマスクキャリアに取り付けられることになっている場合に、空のマスクキャリアを直接移送することは、有用でありうる。したがって、更なるマスクデバイスを搬送するために、空のマスクキャリアが使用されうる。マスクキャリアの搬送経路の長さが短縮され、かつ、減圧システム内でのマスク輸送が促進されうる。
【0141】
[00152]平行移動機構は、マスクハンドリングチャンバ405内で、第1マスク軌道431と第2マスク軌道432との間でマスクキャリアを平行移動させるように構成されている機構であると、理解されうる。例えば、マスクキャリアは、第1と第2のマスク軌道の方向に対して横断的又は直角でありうる方向に、第1マスク軌道431と第2マスク軌道432との間で直線的に動かされうる。
【0142】
[00153]例えば、平行移動機構450は、駆動装置と、第1マスク軌道と第2マスク軌道との間でマスクキャリアを平行移動させるように構成された、キャリアガイドとを、含みうる。マスク軌道は、マスクハンドリングチャンバを通って、実質的に互いに平行に延びうる。平行移動機構は、マスク軌道の方向に対して直角に、マスクキャリアを動かしうる。一部の実施形態では、平行移動機構450は、マスク軌道同士の間でマスクキャリアを平行移動させるように構成された、磁気浮上デバイスを含む。
【0143】
[00154]したがって、一部の実施形態では、マスクキャリアのための少なくとも1つのループ搬送経路が設けられうる。すなわち、
図8に示しているように、未使用のマスクデバイスは、第1マスクハンドリング領域401においてマスクキャリアに取り付けられてよく、マスクキャリアは、少なくとも1つの堆積チャンバ(
図8には図示せず)に向けて、第1マスク軌道431に沿って搬送されうる。このマスクキャリアは、マスクハンドリングチャンバに戻って第2マスクハンドリング領域402内へと、第2マスク軌道432に沿って、搬送されてよく、使用済みマスクデバイスが、第2マスクハンドリング領域402においてマスクキャリアから取り外されうる。その上で、一部の実施形態では、(空の)マスクキャリアが、平行移動機構450によって、第1マスクハンドリング領域内へと、マスクハンドリングチャンバの中で直接的に平行移動させられてよく、第1マスクハンドリング領域において、未使用の更なるマスクデバイスがこのマスクキャリアに取り付けられうる。マスク輸送が簡略化され、キャリア詰まり及びマスクキャリア同士の干渉が低減されうる。
【0144】
[00155]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、第1マスク軌道431は、マスクハンドリングチャンバ405を通って、第2マスク軌道432に実質的に平行に延在する。
図7及び
図8に概略的に描かれているように、第1マスクハンドリング領域401は第1マスク軌道431の外側に配置されてよく、第2マスクハンドリング領域402は第2マスク軌道432の外側に配置されうる。詳細には、第1マスクハンドリング装置及び第2マスクハンドリング装置が、マスクハンドリングチャンバ405の対向する2つの部分に設けられてよく、それにより、第1マスクハンドリング装置が第1マスク軌道431に沿って搬送されるマスクデバイスを取り扱うこと、及び、第2マスクハンドリング装置が第2マスク軌道432に沿って搬送されるマスクデバイスを取り扱うことが、可能になる。例えば、第1マスク軌道431は、取り付け位置を含みうる。マスクキャリアは
図8に示すこの取り付け位置で停止し、マスクキャリアが取り付け位置に留まっている間に、マスクデバイスがマスクキャリアに取り付けられる。第2マスク軌道432は、取り外し位置を含みうる。マスクキャリアは
図8に示すこの取り外し位置で停止し、マスクキャリアが取り外し位置に留まっている間に、マスクデバイスがマスクキャリアから取り外される。
【0145】
[00156]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、減圧システム400は、減圧システム内の基板搬送経路に沿って基板を搬送するように更に構成された、基板搬送システムを更に含みうる。詳細には、基板搬送経路は、マスクハンドリングチャンバ405を通って、又はマスクハンドリングアセンブリを通り過ぎて、延在しうる。基板は、例えば、マスクハンドリングチャンバの第1の側に配置されている第1堆積チャンバから、マスクハンドリングチャンバの第2の側に配置されている第2堆積チャンバまで、マスクハンドリングチャンバ405を通って、基板搬送経路に沿って搬送されうる。
【0146】
[00157]マスクハンドリングチャンバ405は、主要搬送方向(例えば、
図9の上下方向)に延在する、減圧システム400の主要搬送経路Z内に設けられうる。基板キャリアを搬送するための基板軌道、及び、マスクキャリアを搬送するためのマスク軌道は、減圧システム400の主要搬送方向に、マスクハンドリングチャンバ405を通って延びうる。例えば、2つ以上の堆積チャンバがマスクの主要搬送経路Zの別々の側に配置されている場合、基板は、材料スタックでコーティングされるように、一回又は複数回、マスクハンドリングチャンバ405を通って搬送されうる。
【0147】
[00158]マスクハンドリングチャンバ405を減圧システムの主要搬送経路Z内に挿入することによって、マスクハンドリングチャンバが、2つ以上の堆積チャンバ、具体的には3つ以上の堆積チャンバ、より具体的には4つ以上の堆積チャンバにおいて使用されるマスクデバイスを取り扱うために、使用されうる。一部の実施形態では、マスクハンドリングチャンバからマスクデバイスが供給される、少なくとも2つの堆積チャンバが、マスクハンドリングチャンバの別々の側に配置される。代替的又は追加的には、マスクハンドリングチャンバからマスクデバイスが供給される、少なくとも2つの堆積チャンバが、マスクハンドリングチャンバの同じ側に配置される。後者の場合、正しい堆積チャンバ内にマスクデバイスをルーティングするために、ルーティングモジュールが設けられうる。マスク輸送のこの概念について、
図9を参照しつつ、下記でより詳細に説明する。
【0148】
[00159]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、減圧システムの主要搬送経路Zは、第1マスク軌道431、第2マスク軌道432、第1基板軌道433、及び第2基板軌道434を含む、4つ以上の軌道を含む。更なる軌道も設けられうる。軌道は、減圧システムの主要搬送方向に、互いに平行に延在しうる。第1基板軌道433及び第2基板軌道434は、外側軌道として設けられてよく、第1マスク軌道431及び第2マスク軌道432は、基板軌道同士の間に配置されている内側軌道として設けられうる。他の配置でもよい。
【0149】
[00160]一部の実施形態では、主要搬送経路Zの前記4つ以上の軌道は、例えば実質的に互いに平行に、マスクハンドリングチャンバ405を通って延在しうる。4つの軌道の断面図が、
図7に概略的に描かれている。第1マスクハンドリングアセンブリ421は、マスク取り付け位置において、第1マスク軌道431上のマスクキャリアによって保持されているマスクデバイスを取り扱うように、構成されうる。第2のマスクハンドリングアセンブリ422は、マスク取り外し位置において、第2のマスク軌道432上のマスクキャリアによって保持されているマスクデバイスを取り扱うように、構成されうる。
【0150】
[00161]
図7では、基板キャリア416が、マスクキャリア415と第2マスクハンドリングアセンブリ422との間の、第2基板軌道434上に配置されている。基板キャリア416が図示されている位置から離れるように動いてから、第2マスクハンドリングアセンブリ422が、マスクキャリアからマスクデバイスを取り外し、かつ、第2基板軌道434を越えてマスクデバイスを動かしうる。同様に、第1マスクハンドリングアセンブリ421は、第1基板軌道433を越えて、マスクデバイスを取り外し、かつ/又は動かすように、構成されうる。
【0151】
[00162]減圧システム400の第1マスクハンドリング領域410における、未使用のマスクデバイスの取り扱いは、
図2に示す減圧システム100内でのマスクの取り扱いと同様又は同一であってよく、そのため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0152】
[00163]同様に、減圧システム400の第1マスクハンドリング領域410における、使用済みマスクデバイスの取り扱いは、
図1に示す減圧システム100、又は
図3に示す減圧システム200の中でのマスクの取り扱いと同様又は同一であってよく、そのため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0153】
[00164]
図9は、本書に記載の実施形態による、減圧システム500の上面図である。減圧システム500のマスクハンドリングチャンバ405は、
図7に示す減圧システム400のマスクハンドリングチャンバと同様又は同一であってよく、そのため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0154】
[00165]減圧システム500は、マスクハンドリングチャンバ405と、少なくとも1つの堆積チャンバ406と、第2堆積チャンバ407とを含む。少なくとも1つの堆積チャンバ406及び第2堆積チャンバ407は、マスクハンドリングチャンバ405の同じ側(例えば
図9の下側)に配置されうる。一部の実施形態では、更なる堆積チャンバが、マスクハンドリングチャンバ405の別の側(例えば
図9の上側)に配置されうる。
【0155】
[00166]第1基板軌道及び第2基板軌道は、基板キャリアによって保持された基板が堆積チャンバのうちの任意のものの間で適宜搬送されうるように、マスクハンドリングチャンバ405を通って延在しうる。
【0156】
[00167]他の実施形態(
図11の実施形態など)では、基板軌道はマスクハンドリングチャンバ405を通って延在しないことがある。例えば、
図11の実施形態では、マスクハンドリングチャンバ405は、減圧システムの主要搬送経路Zの一方の側部に配置されうる。マスクキャリア415は、主要搬送経路Zから回転モジュールを経てマスクハンドリングチャンバ405内へと、ルーティングされうる。
【0157】
[00168]
図11のマスクハンドリングチャンバ405は、
図4に示すマスクハンドリングチャンバに実質的に対応しうる。しかし、第1と第2のマスクハンドリングアセンブリに隣接して、基板軌道が配置されないことがある。システムの主要搬送経路Zに沿って延在する主要マスク軌道から離間している位置でマスクを取り扱うことによって、主要搬送経路Zに沿ったマスクと基板の輸送が促進されうる。例えば、マスクデバイスをマスクキャリアに組み付け、かつマスクキャリアから外すための側方マスク軌道が設けられうる。
【0158】
[00169]
図11の例示的な実施形態では、マスクハンドリングチャンバ405内に、減圧システムの主要搬送経路Zの主要マスク軌道に対して横断方向に、具体的には直角に延在しうる、2つの側方マスク軌道が設けられうる。未使用のマスク411を取り扱うための第1マスクハンドリング領域401は、第1マスク軌道に隣接して配置されてよく、使用済みマスクデバイス412を取り扱うための第2マスクハンドリング領域402は、第2マスク軌道に隣接して配置されうる。一部の実施形態では、マスクハンドリングチャンバは、マスクキャリア415を回転させるように構成された回転チャンバに直接的に隣接して、配置されうる。一部の実施形態では、更なる堆積チャンバ602が、ルーティングチャンバの反対側に配置されうる。
【0159】
[00170]一部の実施形態では、未使用のマスク411を取り扱うための第1マスクハンドリング領域401が回転チャンバの第1の側に配置され、使用済みマスクデバイス412を取り扱うための第2マスクハンドリング領域402が回転チャンバの第2の側(例えば第1の側の反対側)に配置されうることに、留意されたい。例えば、第1マスクハンドリング領域及び第2マスクハンドリング領域は、主要搬送経路Zの2つの対向する側部に配置されうる。第1マスクハンドリングアセンブリは第1マスクハンドリング領域内に配置されてよく、第2マスクハンドリングアセンブリは、第1マスクハンドリング領域から一定距離だけ離れた第2マスクハンドリング領域内に配置されうる。第1側方マスク軌道は、例えば第1主要マスク軌道に対して直角に、第1堆積領域内へと延在してよく、第2側方マスク軌道は、例えば第2主要マスク軌道に対して直角に、第2堆積領域内へと延在しうる。
【0160】
[00171]詳細には、マスクハンドリングチャンバ(又は「マスクハンドリングモジュール」)は、その一体型の部分として、回転チャンバを備えうる。換言すると、本書に記載の実施形態により、第1マスクハンドリング領域401、第2マスクハンドリング領域402、及び、それらの間に配置された任意の減圧移行チャンバ(例えば、回転チャンバ又はルーティングチャンバ)が、マスクハンドリングチャンバ(又は「マスクハンドリングモジュール」)を構成しうる。例えば、マスクハンドリングチャンバは、互いに隣り合って配置されたいくつかのサブチャンバを備えうる。一部の実施形態では、減圧システムの主要搬送経路Zは、マスクハンドリングモジュールの1つのサブチャンバを少なくとも通って延在しうる。
【0161】
[00172]例えば
図11に例示的に示しているような一部の実施形態では、更なる堆積チャンバ601が、減圧システムの主要搬送経路Zの、マスクハンドリングチャンバ405の反対側に配置されうる。更に、ルーティングモジュールが、更なる堆積チャンバ601とマスクハンドリングチャンバ405との間に配置されうる。
【0162】
[00173]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、減圧システム500は、マスクハンドリングチャンバ405と、少なくとも1つの堆積チャンバ406と、第2堆積チャンバ407との間に配置されている、ルーティングチャンバ408を更に含みうる(例えば
図9参照)。ルーティングチャンバ408は、マスクハンドリングチャンバ405と少なくとも1つの堆積チャンバとの間で、かつ、マスクハンドリングチャンバ405と第2堆積チャンバ407との間で、未使用のマスクデバイス411及び使用済みマスクデバイス412をルーティングするように構成された、ルーティングデバイス409(例えば回転デバイス)を含みうる。例えば、マスクキャリア及び基板キャリアが、主要搬送経路Zと堆積チャンバとの間の交差部において、実質的に垂直な回転軸の周囲で回転することになるように、少なくとも1つの堆積チャンバ406及び第2堆積チャンバ407の配向は、減圧システムの主要搬送経路Zに対して垂直になりうる。マスクキャリア及び/又は基板キャリアは、ルーティングチャンバ408内で回転しうる。
【0163】
[00174]一部の実施形態では、更なる堆積チャンバ、移行チャンバ、及び/又はルーティングチャンバが、マスクハンドリングチャンバ405の別の側(例えば
図9の上側)に設けられうる。マスクハンドリングチャンバ405は、未使用のマスクデバイスを前記堆積チャンバの各々に供給するよう、かつ、前記堆積チャンバの各々からの使用済みマスクデバイスを取り扱うように、構成されうる。減圧システム内のマスク輸送の複雑性が低減され、かつ、マスク交換が促進されうる。
【0164】
[00175]一部の実施形態では、基板に材料をマスク堆積するための少なくとも1つの堆積チャンバ内に、蒸発源501が設けられうる。しかし、本開示は、蒸発源を有する減圧システムに限定されない。例えば、化学気相堆積(CVD)システム、物理的気相堆積(PVD)システム(例えば、スパッタシステム)、及び/又は蒸発システムが、堆積チャンバ内で、例えばディスプレイ応用向けに、基板(例えば薄型ガラス基板)をコーティングするために開発されている。典型的な減圧システム内で、基板は基板キャリアによって保持されてよく、基板キャリアは、基板搬送システムによって、減圧チャンバを通って搬送されうる。基板キャリアは、基板の主要面の少なくとも一部がコーティングデバイス(例えばスパッタデバイス又は蒸発デバイス)に向けて露出されるように、基板搬送システムによって動かされうる。基板が、所定のスピードで基板を通り過ぎうる蒸発源501に正対して位置付けされている間に、基板の主要面は薄いコーティング層でコーティングされうる。あるいは基板が、所定のスピードでコーティングデバイスを通り過ぎるように搬送されうる。
【0165】
[00176]基板は、ウエハ、サファイアなどの透明結晶体のスライス、ガラス基板、又はセラミックプレートといった、非フレキシブル基板でありうる。しかし、本開示はこれに限定されず、「基板」という語は、ウェブ又は箔(例えば金属箔又はプラスチック箔)などのフレキシブル基板も包含しうる。
【0166】
[00177]一部の実施形態では、基板は大面積基板でありうる。大面積基板は、0.5m
2以上の表面領域を有しうる。具体的には、大面積基板は、ディスプレイ製造に使用され、かつ、ガラス基板又はプラスチック基板でありうる。例えば、本書に記載の基板は、典型的にはLCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などに使用される基板を包含するものとする。例えば、大面積基板は、面積が1m
2以上の主要面を有しうる。一部の実施形態では、大面積基板は、約0.67m
2の基板(0.73×0.92m)に対応するGEN4.5、約1.4m
2の基板(1.1×1.3m)に対応するGEN5、又は、より大きなものでありうる。大面積基板は、更に、約4.29m
2の基板(1.95m×2.2m)に対応するGEN7.5、約5.7m
2の基板(2.2m×2.5m)に対応するGEN8.5、又は、約8.7m
2の基板(2.85m×3.05m)に対応するGEN10であってもよい。GEN11及びGEN12並びにそれらに相当する基板面積などの、更なる次世代も、同様に実装されうる。一部の実行形態では、数cm
2(例えば、2cm×4cm)に至るまでの表面積、及び/又は、様々な個別形状を有する、より小さなサイズの基板のアレイが、単一の基板支持体上に位置付けられうる。マスクデバイスは、一部の実施形態では、堆積中に基板との完全な重複をもたらすために、基板よりも大きくなりうる。
【0167】
[00178]一部の実行形態では、基板の主要面に対して直角方向の基板の厚さは、1mm以下(例えば、0.1mmから1mm)、具体的には0.3mmから0.6mm(例えば、0.5mm)でありうる。より薄い基板でもよい。
【0168】
[00179]
図10は、本書に記載の一部の実施形態による、基板に材料をマスク堆積するための減圧装置600の概略上面図である。減圧システム600は、マスクハンドリングチャンバ105、少なくとも1つの堆積チャンバ406、及び、マスクハンドリングチャンバ105と少なくとも1つの堆積チャンバ406との間で、非水平配向でマスクデバイス10を搬送するように構成されたマスク搬送システムを、含む。本書において、「マスクハンドリングチャンバ(mask handling chamber)」という用語は、マスクデバイスが取り扱われる減圧システムの特定の区域を表してよく、かつ、いくつかのサブチャンバを含みうる。
【0169】
[00180]
図10に概略的に描かれているように、本書に記載の実施形態のうちのいずれかによるマスクハンドリングアセンブリ20が、マスクハンドリングチャンバ105内に配置される。マスクハンドリングアセンブリ20は、未使用のマスクデバイスを取り扱うよう、かつ、使用済みマスクデバイスを取り扱うように、構成されうる。マスクデバイスを取り扱うことは、マスクハンドリングチャンバにマスクデバイスを入れること、マスクデバイスを回転させること、マスクデバイスを平行移動させること、マスクキャリアにマスクデバイスを取り付けること、マスクデバイスからマスクキャリアを取り外すこと、及び/又は、減圧チャンバの外にマスクデバイスを出すことのうちの、少なくとも一又は複数を含みうる。
【0170】
[00181]減圧システム600は、少なくとも1つのロードロックチャンバ101を更に含みうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、ロードロックチャンバ101とマスクハンドリングチャンバ105との間でマスクデバイスを動かすように、構成されうる。一部の実施形態では、マスクストッカデバイス又はマスクカセットなどの少なくとも1つのマスクマガジンが、ロードロックチャンバ101内に設けられうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイスを、マスクストッカから出すよう、かつ、マスクハンドリングチャンバからマスクストッカ内へと動かすように、構成されうる。
【0171】
[00182]一部の実施形態では、2つ以上のロードロックチャンバ(例えば、未使用のマスクデバイス用の第1マスクマガジンを有する第1ロードロックチャンバと、使用済みマスクデバイス用の第2マスクマガジンを有する第2ロードロックチャンバ)が設けられうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、第1ロードロックチャンバと第2ロードロックチャンバの両方に出し入れするよう、マスクデバイスを動かすように構成されうる。
【0172】
[00183]減圧システム600は、
図2に描かれている減圧システム200に類似しうるため、上記の説明を参照することが可能であり、かかる説明をここでは繰り返さない。
【0173】
[00184]主要搬送方向に沿って、減圧システム600を通ってマスクキャリア15を導くためのマスク軌道31は、マスクハンドリングアセンブリ20を通り過ぎて延在しうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部21から、マスク軌道31上のマスク取り付け位置に位置付けられているマスクキャリア15へと、マスクデバイス10が受け渡されうるように、位置付けられうる。更に、マスクデバイス10は、マスクキャリア15からマスクハンドリングアセンブリのマスク保持部21へと、受け渡されうる。
【0174】
[00185]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクハンドリングアセンブリ20は、ロードロックチャンバ101からマスクハンドリングチャンバ105内へとマスクデバイス10を動かすよう、かつ、マスクデバイスが非水平配向にある間に、減圧条件下でマスクキャリア15にマスクデバイスを取り付けるように、構成される。更に、マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイスが非水平配向にある間に、減圧条件下でマスクキャリア15からマスクデバイスを取り外すよう、かつ、マスクハンドリングチャンバ105からロードロックチャンバ101内、又は更なるロードロックチャンバ内へとマスクデバイスを動かすように、構成される。
【0175】
[00186]マスクデバイス10が取り付けられているマスクキャリア15は、堆積チャンバに向けて(例えば、少なくとも1つの堆積チャンバ406に向けて、又は第2堆積チャンバ407に向けて)、減圧システム600の主要搬送経路Zに沿ったマスク軌道31に沿って搬送されうる。一部の実施形態では、移行チャンバ又はルーティングチャンバ408などの、少なくとも1つの更なる減圧チャンバが、マスクハンドリングチャンバ105と堆積チャンバとの間に配置されうる。ルーティングチャンバ408内で、マスクキャリアは堆積チャンバに向けて回転しうる。堆積チャンバ内で、マスクデバイス10は、基板へのマスク堆積に使用されうる。その後、マスクキャリアは、堆積チャンバからマスクハンドリングチャンバ105内へと戻るように(例えば、主要搬送経路Zに沿ったマスク軌道31に沿って)搬送されうる。
【0176】
[00187]マスクキャリアが、マスクハンドリングアセンブリ20の隣のマスク取り外し位置に到着すると、マスクデバイスは、マスクハンドリングアセンブリ20によってマスクキャリアから取り外され、減圧システムからアンローディングされうる。
【0177】
[00188]一部の実施形態では、基板軌道32が、マスク軌道31に平行に、例えばマスク軌道31とマスクハンドリングアセンブリ20との間に延在しうる。この場合、マスク保持部21にマスクデバイス10を誘引するために、マスクハンドリングアセンブリ20のマスク保持部は基板軌道32を越えて可動でありうる。
【0178】
[00189]未使用と使用済みの両方のマスクデバイスを取り扱う単一のマスクハンドリングアセンブリを提供することによって、空間要件が緩和され、コストが削減されうる。
【0179】
[00190]一部の実施形態では、減圧システム600の主要搬送経路Zは、4つの軌道、すなわち、基板軌道でありうる2つの外側軌道及びマスク軌道でありうる2つの内部軌道(又はその逆の外側軌道及び内側軌道)を含みうる。マスクハンドリングアセンブリ20は、マスクデバイスを所定の数の堆積チャンバ(例えば、
図10の4つの堆積チャンバ)に供給するよう、構成されうる。マスクキャリアの搬送距離を短縮するために、マスクハンドリングチャンバ105は、少なくとも2つの堆積チャンバの中間の区域に、主要搬送経路Zに隣接して配置されうる。したがって、マスクキャリアは、マスクハンドリングチャンバから、主要搬送経路Zの両方向(例えば、
図10の上と下)に動かされうる。
【0180】
[00191]基板キャリアは、マスク軌道上で搬送されるマスクキャリアとは関係なく、基板軌道に沿って搬送されうる。一部の実施形態では、基板キャリアは、基板軌道32に沿って一方向だけに(例えば、堆積チャンバ603から少なくとも1つの堆積チャンバ406に向かって)搬送される。詳細には、コーティングされる基板が、主要搬送経路Zの第1の側で減圧システム600に進入してよく、コーティングされた基板が、主要搬送経路Zの反対の側で減圧システム600からアンローディングされうる。空の基板キャリアの戻り軌道として、第2基板軌道が使用されることもある。他の実施形態では、基板キャリアは、基板軌道32上で、両方向に適宜搬送されうる。
【0181】
[00192]一部の実施形態では、少なくとも1つのルーティングチャンバは、少なくとも1つのマスクキャリアと少なくとも1つの基板キャリアとを同時にルーティングするように構成されうる。一部の実施形態では、少なくとも1つのルーティングチャンバは、2つのマスクキャリアと2つの基板キャリアとを同時にルーティングするように構成されうる。したがって、新たなマスクデバイスが堆積チャンバのうちの1つに提供される場合、この新たなマスクデバイスは、コーティングされるべき基板と一緒に回転してよく、回転後に、新たなマスクデバイスとコーティングされるべき基板とは、同時に又は続けて、少なくとも1つのルーティングチャンバから堆積チャンバ内へと搬送されうる。マスク交換が促進され、かつ、処理時間が短縮されうる。
【0182】
[00193]マスクハンドリングアセンブリ20は、本書に記載の実施形態のいずれかによるロボットデバイス、具体的にはロボットアームを含みうる。このロボットデバイスは、減圧システムの主要搬送経路Zに沿って延在しうるマスク軌道から、1m以下、具体的には1.5m以下の距離だけ離れて、配置されうる。一部の実施形態では、基板が、主要搬送経路Zの前端部又は後端部において減圧システム内にローディングされ、かつ減圧システムからアンローディングされうるのに対して、マスクデバイスは主要搬送経路Zの中央部で減圧システム内にローディングされ、かつ/又は、減圧システムからアンローディングされうるように、マスクハンドリングアセンブリが主要搬送経路Zの側部に設けられうる。
【0183】
[00194]本開示の更なる態様により、減圧システムを通ってマスクデバイスを搬送するためのマスクキャリアについて説明するが、この態様では、マスクキャリアは、マスクキャリアの2つのマスク保持面のいずれの面でも、マスクデバイスを運びうる。かかるマスクキャリアはより柔軟な様態で使用されうる。なぜなら、マスクデバイスがそのいずれの面にも取り付けられてよく、マスク取り付けの前にキャリアを旋回又は回転させる必要がないからである。
【0184】
[00195]本書に記載の実施形態によるマスクキャリアは、第1マスク保持面、及び、第1マスク保持面の反対側の第2マスク保持面を有するキャリア本体と、非水平配向で第1マスク保持面にマスクデバイスを保持するよう、かつ、非水平配向で第2マスク保持面にマスクデバイスを保持するように構成された、マスク保持機構と、マスク軌道に沿って導かれるよう構成されたガイド部とを、含みうる。
【0185】
[00196]例えば、このマスクキャリアは、キャリア本体の下側部分に、マスク軌道に沿って導かれる第1ガイド部を含み、かつ/又は、キャリア本体の上側部分に、磁気浮上システムによって運ばれる第2ガイド部を含みうる。
【0186】
[00197]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスク保持機構は、第1マスク保持面に設けられた第1接続デバイスと、第2マスク保持面に設けられた第2接続デバイスとを、含みうる。第1接続デバイス及び/又は第2接続デバイスは、マスクデバイスを対応するマスク保持面に取り付けるように構成された、複数のねじ、ボルト、クランプ、及びピンのうちの少なくとも1つを含みうる。例えば、複数のねじ又はクランプをそれぞれ介して、第1マスクデバイスは第1マスク保持面に取り付けられ、第2マスクデバイスは第2マスク保持面に取り付けられうる。
【0187】
[00198]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスク保持機構は、第1マスク保持面に向けてマスクデバイスを誘引するよう、かつ/又は、第2マスク保持面に向けてマスクデバイスを誘引するように構成された、複数の磁石を含みうる。例えば、マスクキャリアの片面につき1つの磁気チャックが設けられうる。一部の実施形態では、マスクキャリアのキャリア本体は、キャリア本体に固定されうる、又は、キャリア本体と一体化されうる、一又は複数の電磁石及び/又は永久磁石を含みうる。
【0188】
[00199]詳細には、マスクキャリアのキャリア本体は、反転可能な極性を有する一又は複数の永久磁石を含みうる。例えば、一又は複数の永久磁石の極性は、電気パルスによって反転しうる。一又は複数の永久磁石の極性を第1方向に反転させることによって、マスクデバイスがマスクキャリアに取り付けられてよく、かつ/又は、一又は複数の永久磁石の極性を第2方向に反転させることによって、マスクデバイスがマスクキャリアから取り外されうる。
【0189】
[00200]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、マスクキャリアは、第1マスク保持面と第2マスク保持面との間に延在する垂直な対称面について実質的に対称に形成される。対称なマスクキャリアが、いずれの面でもマスクデバイスを搬送するために使用されうる。例えば、マスクキャリアは、第2マスクハンドリングアセンブリ422によって第1マスク保持面から使用済みマスクデバイスが取り外された後に、平行移動機構450によって第1マスクハンドリング領域に平行移動してよく、未使用のマスクデバイスが、第1マスクハンドリングアセンブリ421によってマスクキャリアの第2マスク保持面に取り付けられうる。したがって、マスクキャリアの適応性が増大し、かつ、減圧システム内でのマスクキャリアの搬送距離が短縮されうる。
【0190】
[00201]本書に記載の別の態様により、減圧システム内でマスクデバイスを取り扱う方法について説明する。
【0191】
[00202]
図12は、マスクの取り扱いの例示的な方法を示しているフロー図である。ボックス910において、未使用のマスクデバイスが、マスクハンドリングチャンバの第1マスクハンドリング領域内に提供される。例えば、未使用のマスクデバイス411が、マスクローディング通路を経て、マスクハンドリングチャンバ405の第1マスクハンドリング領域401内にローディングされる。未使用のマスクデバイス411は、オプションで、第1マスクハンドリング領域401内でマスクキャリア415に取り付けられうる。取り付けられる前に、未使用のマスクデバイス411は、オプションで、非水平配向に回転してよく、この未使用のマスクデバイスは、非水平配向でマスクキャリア415に取り付けられうる。
【0192】
[00203]ボックス920において、未使用のマスクデバイスは、第1マスクハンドリング領域から減圧システムの少なくとも1つの堆積チャンバ406に、具体的には、この未使用のマスクデバイスが非水平配向でマスクキャリアによって保持されている間に、搬送される。例えば
図9では、未使用のマスクデバイス411は、マスクキャリア415によって保持されている間に、第1マスクハンドリング領域401から少なくとも1つの堆積チャンバ406に向けて、第1マスク軌道431に沿って搬送されうる。一部の実施形態では、未使用のマスクデバイス411は、少なくとも1つの移行チャンバ及び/又はルーティングチャンバ408を通って搬送されうる。
【0193】
[00204]ボックス930において、未使用のマスクデバイス411は、少なくとも1つの堆積チャンバ406内での基板へのマスク堆積に使用されて、使用済みマスクデバイスになりうる。例えば、未使用のマスクデバイス411は、少なくとも1つの堆積チャンバ406内の所定の位置に配置されてよく、基板が未使用のマスクデバイス411の背後に位置付けられうる。材料パターンが基板の表面に蒸着されうる。堆積中に、蒸着された材料が、マスクデバイスの表側面に凝縮物を形成しうる。したがって、複数の基板へのマスク堆積の後、使用済みマスクデバイス412を洗浄することは有利でありうる。
【0194】
[00205]ボックス940において、使用済みマスクデバイス412は、少なくとも1つの堆積チャンバ460からマスクハンドリングチャンバ405の第2マスクハンドリング領域402に、具体的には、使用済みマスクデバイスが非水平配向でマスクキャリアによって保持されている間に、搬送されうる。例えば
図10では、使用済みマスクデバイス412は、マスクキャリア415によって保持されている間に、少なくとも1つの堆積チャンバ206から第2マスクハンドリング領域402に、第2マスク軌道432に沿って搬送されうる。一部の実施形態では、使用済みマスクデバイス412は、少なくとも1つのルーティングチャンバ及び/又は少なくとも1つの移行チャンバを通って搬送されうる。
【0195】
[00206]ボックス950において、使用済みマスクデバイス412は、第2マスクハンドリングアセンブリ422により、第2マスクハンドリング領域402において取り扱われる。例えば、使用済みマスクデバイス412は、マスクキャリア415から取り外され、マスクマガジン内に保管され、かつ/又は、例えば、第2ロードロックチャンバ404を経て使用済みマスクデバイスを減圧システムの外に出すことによって、減圧システムからアンローディングされる。
【0196】
[00207]一部の実施形態では、ボックス910における、未使用のマスクデバイス411を提供することは、未使用のマスクデバイスを、例えば第1ロードロックチャンバ403を経て、第1マスクハンドリング領域401内に延在するマスクローディング通路に沿って、減圧システム内にローディングすることを含みうる。例えば、マスクデバイスは、第1ロードロックチャンバ403内に配置されているマスクマガジンから、第1マスクハンドリングアセンブリ421によって取り出される。第1マスクハンドリングアセンブリ421は次いで、マスクハンドリングチャンバにマスクデバイスを入れうる。
【0197】
[00208]代替的又は追加的には、ボックス950における、第2マスクハンドリング領域402において使用済みマスクデバイスを取り扱うことは、使用済みマスクデバイスを、マスクアンローディング通路に沿って、減圧システムからアンローディングすることを含みうる。マスクアンローディング通路は、マスクローディング通路から離間していることがある。例えば、マスクアンローディング通路とマスクローディング通路は、マスクハンドリングチャンバの両側に設けられうる。例えば、マスクハンドリングアセンブリは、マスクハンドリングチャンバから、第2ロードロックチャンバ404内に配置されている、使用済みマスク用の第2マスクマガジン内へと、マスクデバイスを動かしうる。
【0198】
[00209]本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態により、未使用のマスクデバイス411は、ボックス920において未使用のマスクデバイス411が搬送される前に、第1ハンドリングアセンブリ421によって、マスクキャリア415のマスク保持面に取り付けられうる。代替的又は追加的には、使用済みマスクデバイス412は、第2マスクハンドリング領域内への搬送後に、第2マスクハンドリング領域402において、第2マスクハンドリングアセンブリ422によって、マスクキャリア415のマスク保持面から取り外されうる。
【0199】
[00210]使用済みマスクデバイス412がマスクキャリアから取り外された後に、オプションのボックス960において、マスクキャリア415は、第2マスクハンドリング領域402から第1マスクハンドリング領域401へと移送されうる。例えば、第1マスクハンドリング領域と第2マスクハンドリング領域との間で、具体的には、マスク軌道の方向に対して実質的に直角な移送方向に、マスクキャリアを直接的に搬送するために、平行移動機構450がマスクハンドリングチャンバ405内に設けられうる。
【0200】
[00211]オプションのボックス970において、未使用の更なるマスクデバイスが、第1マスクハンドリング領域において、マスクキャリア415の、マスク保持面の反対側の第2マスク保持面に取り付けられうる。詳細には、マスクキャリア415が第2マスクハンドリング領域から第1マスクハンドリング領域に移送された後、第1マスクハンドリングアセンブリ421が第2マスク保持面に更なるマスクデバイスを取り付けうるように、マスクキャリアの第2マスク保持面が、第1マスクハンドリングアセンブリ421に向けられうる。本書に記載の実施形態による、いずれの面でもマスクデバイスを運ぶように構成されたマスクキャリアが、使用されうる。マスク搬送が促進されうる。
【0201】
[00212]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。