(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0004】
の化合物及び/又はそのE/E-、E/Z-若しくはZ/Z-幾何異性体形態
[式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に水素;場合によって少なくとも1個のヒドロキシで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニルであり;又はR
1及びR
2は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって-O-若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R
3は、-(C=O)OR
6基;又は-(CO)NHR
6基であり;
R
6は、場合によって1個以上のOHで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22シクロアルキル又はC
3〜C
22シクロアルケニルであり; R
4及びR
5は水素であり;或いはR
4及びR
5は、場合によって、C
1〜C
4アルキルで置換されている、及び/又は1個以上の-O-若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
nは、2から7の数であり;
R
7及びR
8は、互いに独立に水素;場合によって、1個以上のOによって中断されている、及び/又は1個以上のOH、C
3〜C
22シクロアルキル若しくはC
3〜C
22シクロアルケニルで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニルであり、ここで前記C
3〜C
22シクロアルキル若しくはC
3〜C
22シクロアルケニルは、場合により1個以上の-O-によって中断されており;或いは
R
7及びR
8は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって1個以上の-O-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R
9及びR
10は水素であり;又はR
9及びR
10は、場合によって、C
1〜C
4アルキルで置換されている、及び/又は-O-若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R
11は、場合によって1個以上のOによって中断されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22シクロアルキル若しくはC
3〜C
22シクロアルケニル;又はC
3〜C
22シクロアルキル若しくはC
3〜C
22シクロアルケニルで置換されているC
1〜C
22アルキル若しくはC
2〜C
22アルケニルであり、ここで前記C
3〜C
22シクロアルキル若しくはC
3〜C
22シクロアルケニルは、場合によって1個以上の-O-によって中断されており; ただし、
(I)R
1、R
2及びR
6の少なくとも一つは、ヒドロキシで置換されており;
(II)R
1の一つがヒドロキシエチルの場合、R
2は、水素でも、メチルでもエチルでもヒドロキシエチルでもなく;R
1が水素の場合、R
2は1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-2-イルではなく;
(III)R
6が1個以上のOHで置換されている場合;R
1及びR
2の一つは、C
4〜C
22アルキルであり;又はR
1及びR
2は、連結する窒素と一緒になってピペリジル若しくはモルホリニル基を形成し;
(IV)R
7及びR
8又はR
11の少なくとも一つは、1個以上の-O-によって中断されている]
に関する。
【0005】
好ましいものは、式(1)又は(2)の化合物
[式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に水素;場合によって少なくとも1個のヒドロキシで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニルであり;又はR
1及びR
2は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって-O-若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R
3は、-(C=O)OR
6基;又は-(CO)NHR
6基であり;
R
6は、場合によって1個以上のOHで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22シクロアルキル又はC
3〜C
22シクロアルケニルであり; R
4及びR
5は水素であり;或いはR
4及びR
5は、場合によって、C
1〜C
4アルキルで置換されている、及び/又は-O-若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
nは、2から7の数であり;
R
7及びR
8は、互いに独立に水素;場合によって、1個以上のOによって中断されている、及び/又は1個以上のOHで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニルであり;或いはR
7及びR
8は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって1個以上の-O-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R
9及びR
10は水素であり;又はR
9及びR
10は、場合によって、C
1〜C
4アルキルで置換されている、及び/又は-O-若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R
11は、場合によって1個以上のOによって中断されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22シクロアルキル又はC
3〜C
22シクロアルケニルであり;
ただし、
(I)R
1、R
2及びR
6の少なくとも一つは、ヒドロキシで置換されており;
(II)R
1の一つがヒドロキシエチルの場合、R
2は、水素でも、メチルでもエチルでもヒドロキシエチルでもなく;R
1が水素の場合、R
2は1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-2-イルではなく;
(III)R
6が1個以上のOHで置換されている場合;R
1及びR
2の一つは、C
4〜C
22アルキルであり;又はR
1及びR
2は、連結する窒素と一緒になってピペリジル若しくはモルホリニル基を形成し;
(IV)R
7及びR
8又はR
11の少なくとも一つは、1個以上の-O-によって中断されている]
である。
【0006】
好ましいものは、式(1)の化合物
[式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に水素;C
4〜C
12アルキル;又はヒドロキシ-C
3〜C
12アルキルであり;ここで、R
1及びR
2の少なくとも一つはヒドロキシ-C
3〜C
12アルキルであり;
R
3、R
4及びR
5は、請求項1と同様に定義される]
である。
【0007】
好ましいものはまた、式(1)の化合物
[式中、
R
6は、場合によって1個以上のヒドロキシで置換されているC
1〜C
12アルキルである]
である。
【0008】
より好ましいものは、式(1)の化合物
[式中、
R
6は、1個以上のヒドロキシで置換されているC
1〜C
12アルキルであり;
R
1及びR
2の一つは、C
4〜C
22アルキルであり;或いはR
1及びR
2は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって-O-及び/又は-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R
4及びR
5及びnは、請求項1と同様に定義される]
である。
【0009】
好ましいものは、式(2)の化合物
[式中、
R
11は、式(1a)の-(CH
2)
m-O-R
12基であり、
ここで、
R
12は、C
1〜C
12アルキル;又はC
1〜C
6アルコキシ-C
1〜C
6アルキルであり、
mは、1から5の数であり;
R
7、R
8、R
9、R
10及びAは、請求項1と同様に定義される]
である。
【0010】
さらにより好ましいものは、式(1)及び(2)の化合物
[式中、
R
1及びR
2並びにR
7及びR
8はそれぞれ、連結する窒素原子と一緒になって、ピペリジル基;又はモルホリニル基を形成する]
である。
【0011】
好ましいものはまた、式(1)及び(2)の化合物
[式中、
R
4及びR
5並びにR
9及びR
10はそれぞれ、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する]
である。
【0012】
最も好ましいものは、式(1)の化合物
[式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に水素;又はC
1〜C
22アルキル;又はヒドロキシ-C
1〜C
22アルキルであり;或いはR
1及びR
2は、窒素原子と一緒になって、一緒に連結してピペリジル又はモルホリニル基を形成し;
R
3は、-(C=O)OR
6基;又は-(CO)NHR
6基であり;
R
6は、C
1〜C
22アルキルであり、これは1個以上の-OHで置換されていてもよく;
R
4及びR
5は水素であり;又はR
4及びR
5は、一緒に連結して6個の炭素原子を含む炭素環を形成する]
である。
【0013】
最も好ましいものは、式(1)の化合物
[式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に水素;又はヒドロキシ-C
1〜C
22アルキルであり;ここでR
1及びR
2の少なくとも一つはヒドロキシ-C
1〜C
22アルキルであり;
R
3は、-(C=O)OR
6基;又は-(C=O)NHR
6基であり;
R
6は、C
1〜C
22アルキルであり;
R
4及びR
5は水素であり;又はR
4及びR
5は、一緒に連結して、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する]
である。
【0014】
最も好ましいものは、式(2)の化合物
[式中、
R
7及びR
8は、互いに独立に水素又はC
1〜C
8アルキルであり、これは場合によって1個以上の-O-によって中断されており;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R
11はC
1〜C
22アルキルであり;
R
9及びR
10は水素であり;又はR
9及びR
10は、一緒に連結して、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する]
である。
【0015】
最も好ましいものは、式(2)の化合物
[式中、
R
7及びR
8は、窒素原子と一緒になってモルホリニル又はピペリジル基を形成し;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R
11は、C
1〜C
22アルキルであり;これは1個以上の-O-によって中断されており;
R
9及びR
10は水素であり;又はR
9及びR
10は、一緒に連結して、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する]
である。
【0016】
さらにより好ましいものは、式(2)の化合物
[式中、
R
11は、式(1a)の基-(CH
2)
m-O-R
12であり、
ここで、
R
12は、C
1〜C
4アルキル;又はC
1〜C
4アルコキシ-C
1〜C
3アルキルであり;
mは、1から3の数であり;
R
7及びR
8は、互いに独立に水素;場合によって1個以上のOによって中断されているC
1〜C
12アルキルであり;又はR
7及びR
8は、窒素原子と一緒になってモルホリニル又はピペリジル基を形成し;
R
9及びR
10は水素であり;又は6個の炭素原子を含む炭素環を形成し;
Aは、-O-;又は-NHである]
である。
【0017】
本発明のメロシアニン化合物は、E/E-、E/Z-又はZ/Z-幾何異性体形態であってもよい。
【0018】
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキリデン又はシクロアルケニルは、直鎖又は分枝鎖、単環式又は多環式であってもよい。
【0019】
C
1〜C
22アルキルは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、n-オクタデシル、エイコシル又はドデシルである。
【0020】
ヒドロキシ置換アルキルは、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシノニル又はヒドロキシデシルである。
【0021】
C
2〜C
22アルケニルは、例えば、直鎖C
2〜C
12アルケニル又は好ましくは分枝C
3〜C
12アルケニル、C
1〜C
12アルキル、例えば、ビニル、アリル、2-プロペン-2-イル、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、1,3-ブタジエン-2-イル、2-シクロブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-2-イル、2-メチル-1-ブテン-3-イル、2-メチル-3-ブテン-2-イル、3-メチル-2-ブテン-1-イル、1,4-ペンタジエン-3-イル、2-シクロペンテン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、3-シクロヘキセン-1-イル、2,4-シクロヘキサジエン-1-イル、1-p-メンテン-8-イル、4(10)-ツジェン-10-イル、2-ノルボルネン-1-イル、2,5-ノルボルナジエン-1-イル、7,7-ジメチル-2,4-ノルカラジエン-3-イル、或いはヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル又はドデセニルの様々な異性体などである。
【0022】
C
3〜C
12シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、トリメチルシクロヘキシル又は好ましくはシクロヘキシルである。
【0023】
本発明によるメロシアニンの例を表Aに挙げる。
【表1】
【0024】
本発明の最も好ましいメロシアニン誘導体は、以下の化合物及びそのE/E-、E/Z-又はZ/Z-幾何異性体形態の群において選択される。
【表2】
【0025】
まさに最も好ましいものは、式
【表3】
【0026】
に対応する、そのE/E及び/又はそのE/Z幾何異性体における、2-エトキシエチル(2Z)-シアノ{3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン}エタノアートである。
【0027】
E/Zの形態は以下の構造を有する。
【表4】
【0028】
E/Eの形態は以下の構造を有する。
【表5】
【0029】
本出願者は、これらの特定の化合物は、以下の特性を有することを発見した。即ち、0.5%の濃度のエタノール/水の1/1混合物中において、45℃で2カ月後により良好な化学的安定性、より少ない黄色の着色。
【0030】
式(1)及び(2)の化合物は新規である。これらは、例えば、J.Org.Chem.USSR(Engl.Transl.)26(8),p.1562f(1990);J.Heterocycl.Chem.33(3),p.763-766(1996);Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 11,p.1537-1543(1984);Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 3,p.397-404(1982);Chem.Heterocycl.Comp.(Engl.Transl.)24(8),914-919(1988)及びSynthetic Communications Vol.33,No.3、2003,p 367-371に開示されているように、既知の方法に従って調製してもよい。
【0031】
本発明で使用される化合物の合成は、以下のように、
【化2】
【0032】
US2003/0,181,483A1、WO 0234710、Eur.J.Org.Chem.2003,2250-2253、J.Med.Chem.1996,39,1112-1124及びJ.Org.Chem.,Vol.37,No.8,1972,1141-1145中にも開示されている。
【0033】
ビニル性CH酸化合物をアミドのアセタールと反応させる。
【0034】
J.Heterocyclic Chem.,27,1990,1143-1151において、アミノアクリル酸エステル又はアミノアクリルニトリルをエタノール中でエトキシメチレンシアノアセタートと反応させ、本発明で使用される対応する化合物とする。
【0035】
式(1)及び(2)の化合物(式中、R
4及びR
5又はR
9及びR
10はそれぞれ、一緒になって6個のC原子を含む炭素環を形成する)は、WO 2007/071582、「Process for producing 3-amino-2-cyclohexan-1-ylidene compounds」の表題の下のIP.com Journal(2009),9(5A),29-30、並びにUS-A-4,749,643の13列66行-14列57行及びこれに引用された参考文献に記載されている手順に従って調製され得る。
【0036】
式
【化3】
のメロシアニン及び/又はそのE/E-、E/Z-又はZ/Z-幾何異性体形態
[式中、
R’
1及びR’
2は、互いに独立に水素;場合によって少なくとも1個のヒドロキシで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニルであり;又はR
1及びR
2は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって-O-によって若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R’
3は、-(C=O)OR’
6基;又は-(CO)NHR’
6基であり;
R’
6は、場合によって1個以上のOHで置換されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22シクロアルキル又はC
3〜C
22シクロアルケニルであり;
R’
4及びR’
5は水素であり;又はR’
4及びR’
5は、場合によって、C
1〜C
4アルキルで置換されている、及び/又は-O-によって若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
nは2から7の数であり;
R’
7及びR’
8は、互いに独立に水素;場合によって、1個以上のOによって中断されている、及び/又は1個以上のOHで置換されているC
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニルであり;又はR’
7及びR’
8は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、場合によって-O-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
R’
9及びR’
10は、水素であり;又はR’
9及びR’
10は、場合によって、C
1〜C
4アルキルで置換されている、及び/又は-O-によって若しくは-NH-によって中断されている-(CH
2)
n-環を形成し;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R’
11は、場合によって1個以上のOによって中断されている、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22シクロアルキル又はC
3〜C
22シクロアルケニルである]
は、家庭用製品を光分解から保護するのに特に適している。
【0037】
好ましくは、式(1’)又は(2’)の化合物(式中、R
1、R
2、R
3及びR
6、R
7及びR
8、若しくはR
11の少なくとも一つがヒドロキシで置換されており;及び/又は1個以上の-O-によって中断されている)が使用される。
【0038】
本発明の意味では、「家庭用製品」は、屋外の化粧用パーソナルケア用途である製品である。
【0039】
式(1’)及び(2’)の化合物の例は、表Aに列挙されたもの及び化合物
【化4】
である。
【0040】
これらの化合物と、表1〜3に挙げた他のUV吸収剤、フェノール系若しくは非フェノール系酸化防止剤との、又はコンプレックス形成剤との混合物も適している。
【0041】
式(1’)及び(2’)の化合物との混合物で使用することができる有機UVフィルターの例を以下の表に挙げる。
【表6】
【表7】
【表8】
【0042】
式(1’)及び(2’)の化合物はまた、例えば、WO00/25731に開示されているフェノール若しくはラクトンタイプの酸化防止剤との、又はWO03/103622に開示されているヒンダードアミン光安定剤、例えば、ヒンダードニトロキシル、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩化合物との混合物で使用され得る。
【0043】
本発明の安定剤系は、好ましくは、家庭用洗浄剤及び処理剤、例えば、洗濯製品及び布地柔軟剤、液体洗浄剤及び磨き剤、ガラス洗剤、中性クリーナー(汎用クリーナー)、酸性家庭用クリーナー(入浴)、浴室クリーナー、WCクリーナー、例えば、洗浄剤、すすぎ剤及び食器洗浄剤、台所及びオーブンクリーナー、すすぎ剤、食器洗浄器洗剤、靴つや出し剤、つや出しワックス、床の洗剤及びつや出し剤、金属、ガラス及びセラミッククリーナー、繊維手入れ製品、じゅうたんクリーナー及びカーペットシャンプー、さび、着色及び汚染除去剤(汚染除去塩)、家具及び多目的つや出し剤並びに皮革及びビニル手入れ剤(皮革及びビニルスプレー剤)及び空気清浄剤に使用される。
【0044】
家庭用洗浄剤は、1種以上の以下の成分:
- アニオン性、非イオン性、両性及び/又はカチオン性界面活性剤
- 動物及び植物グリースのけん化によって調製された石鹸
- 有機酸、同様に塩酸、リン酸、又は硫酸、
- 塩基性の製品のための無機塩基(NaOH若しくはKOH)又は有機塩基;
- 表面の清浄化を改良するための研磨材、
- 表面の維持及び保護のためのワックス及び/又はシリコーン
- ポリホスファート、
- 次亜塩素酸塩又はハロゲンを排除する物質;
- TAEDのような漂白活性化剤を含む過酸化物、例えば、ナトリウムペルボラート又はH
2O
2;
- 酵素;
- 洗浄洗剤における、変色防止剤、汚れ遊離化合物、グレースケール防止剤、発砲防止剤、蛍光増白剤;
- ワックスベースの洗浄剤は、ベンジン、テレビン及び/又はパラフィンから選択される溶媒及びワックスベースの乳化剤を含んでもよい;
- 粉状洗浄剤のためのケイ酸塩、ポリホスファート、ゼオライトのような充填剤;
- 顔料、レーキ又は溶解性染料;
- 芳香剤;及び
- 光安定剤、酸化防止剤及びキレート剤。
【0045】
の水性又はアルコール性(エタノール若しくはイソプロピルアルコール)溶液である。
【0046】
着色された洗浄剤は、以下の染料を含むことができる。
【0047】
- 無機顔料、例えば、酸化鉄(赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、等)、群青、緑色酸化クロム又はカーボンブラック;
- 天然又は合成有機顔料;
- HCタイプの直接毛髪染料、例えばHCレッドNo.3、HCブルーNo.2、及びInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,7
th eddition 19997)に列挙されたあらゆる他の毛髪染料、或いはColor Index International又はSociety of Dyers and Colouristsに列挙された分散染料のような溶媒中に可溶化され得る分散染料;
- 着色ワニス(多くのアニオン性染料のCa-、Ba-又はAl塩のような、可溶性染料の不溶性塩);
- 酸性染料(アニオン性)、塩基性染料(カチオン性)、直接染料、反応性染料若しくは溶剤染料のような、可溶性アニオン性又はカチオン性染料。
【0048】
一般に、家庭用製品の着色のためには、電磁放射線の可視光(約4000〜700nmの波長)を吸収を有するすべての物質が適している。吸収は、以下の発色団によって引き起こされることが多い:
アゾ-(モノ-、ジ、トリス-、又はポリ-)スチルベン-、カロテノイド-、ジアリールメタン-、トリアリールメタン-、キサンテン-、アクリジン-、キノリン、メチン-(また、ポリメチン-)、チアゾール-、インダミン-、インドフェノール-、アジン-、オキサジン、チアジン-、アントラキノン-、インジゴイド-、フタロシアニン-及び他の合成、天然及び/又は無機発色団。
【0049】
本発明はまた、排水管クリーナー等の家庭用手入れ製品及び衣類手入れ製品、消毒液剤、室内内装クリーナー、自動車手入れ製品(例えば、塗料、タイヤ、クロム、ビニル、皮革、繊維、ゴム、プラスチック及び繊維を清浄にし、及び/又はつやを出し、保護するため)、脱脂剤、つや出し剤(ガラス、木材、皮革、プラスチック、大理石、花崗岩、及びタイル、等)、及び金属つや出し剤及びクリーナーに関する。酸化防止剤は、上記製品中の及びドライヤーシート中の芳香剤を保護するの適している。本発明はまた、ろうそく、ゲルろうそく、空気清浄剤及び芳香油(家庭用)等の家庭用手入れ製品に関する。
【0050】
家庭用洗浄剤及び処理剤の典型的な例を以下の表に列挙する。
【表9】
【0051】
本発明による式(1’)及び/又は(2’)の安定剤は、例えば、高温であることが必要な、油相又はアルコール相又は水相中への溶解によって組み込まれる。
【0052】
本家庭用製品は、これらの製品中に存在する成分の変色及び化学的分解に対して高い安定性を有する。例えば、染料を含む本組成物は、優れた色の安定性を有することが判明した。
【0053】
さらに、式(1’)及び(2’)のメロシアニンを、有機材料、好ましくは天然又は合成有機ポリマー中の添加剤として使用することができる。
【0054】
有機ポリマーの例は以下のものである:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、
2.1)で挙げられたポリマーの混合物、
3.モノオレフィン及びジオレフィン相互の、又はこれらと他のビニルモノマーとのコポリマー、
4.その水素化修飾物(例えば粘着性付与剤)及びポリアルキレンとデンプンの混合物を含む炭化水素樹脂(例えばC
5〜C
9)、
5.ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)、
6.ビニル芳香族モノマー由来の芳香族ホモポリマー及びコポリマー、
6a.前述のビニル芳香族モノマー、並びに、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びこれらの混合物から選択されるコモノマーを含むコポリマー、
6b.6.)で挙げられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー、
6c.6a.)で挙げられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー、
7.ビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、
8.ハロゲン含有ポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルデンフルオリド、及びこれらのコポリマー、例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー、
9.α,β-不飽和酸及びこれらの誘導体から誘導されるポリマー、
10.9)で挙げられたモノマー相互の、又はこれらと他の不飽和モノマーとのコポリマー、
11.不飽和アルコール及びアミン又はアシル誘導体又はそのアセタールから誘導されるポリマー、及びこれらの上記1)挙げられたオレフィンとのコポリマー、
12.環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー、
13.ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むこれらのポリオキシメチレン等のポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリラート又はMBSで修飾されたポリアセタール、
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物、
15.一方でヒドロキシ末端のポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンと、他方で脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートから誘導されるポリウレタン、並びにこれらの前駆体、
16.ジアミンとジカルボン酸から、及び/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール、
18.ジカルボン酸及びジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸若しくは対応するラクトン若しくはラクチドから誘導されるポリエステル、並びにヒドロキシ末端ポリエーテルから誘導されるコポリエーテルエステル、並びにまた、ポリカーボナート又はMBSで修飾されたポリエステル、
19.ポリカーボナート及びポリエステルカーボナート、
20.ポリケトン、
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン、
22.一方でアルデヒドと、他方でフェノール、尿素及びメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、
23.乾燥及び非乾燥のアルキド樹脂、
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリエステル、及び架橋剤としてビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、並びに低燃焼性の、そのハロゲン含有修飾物、
25.置換されているアクリラートから誘導される架橋性アクリル樹脂、例えば、エポキシアクリラート、ウレタンアクリラート又はポリエステルアクリラート、
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌラート、ポリイソシアナート又はエポキシ樹脂で架橋された、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリラート樹脂、
27.脂肪族、脂環式、複素環式、又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物、これは、促進剤の有無の下、無水物又はアミン等の通例の硬化剤で架橋されている、
28.セルロース、ゴム、ゼラチン等の天然のポリマー及び化学的に修飾されたこれらの同種の誘導体、例えば、セルロースアセタート、セルロースプロピオナート及びセルロースブチラート、又はメチルセルロース等のセルロースエーテル;並びにロジン及びその誘導体、
29.前述のポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリラート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリラート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC、
30.純粋なモノマー化合物又はこのような化合物の混合物である、天然起源及び合成有機材料、
31.天然又は合成ゴムの水性エマルジョン、例えば、天然ラテックス又はカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
【0055】
有機材料は、好ましくは合成ポリマー(詳細には上記の群の一つからの)である。ポリオレフィンのホモポリマー又はコポリマーが好ましい。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンコポリマー又はポリプロピレンコポリマーが特に好ましい。
【0056】
注目されるものはまた、エチレン/プロピレン/ジエンエラストマー(EPDM)である。
【0057】
式(1’)及び/又は(2’)の化合物は、有機材料の重量に対して好ましくは0.005〜5%、特に0.01〜1%又は0.05〜1%の量で有機材料中に存在してもよい。
【0058】
式(1’)及び(2’)の化合物は、例えば造形する前又はその間に、知られている方法によって、又は溶解された又は分散された安定剤を有機材料に適用することによって、続いて必要に応じて溶媒の蒸発を行い、安定化される有機材料中に組み込むことができる。安定剤は、粉末、顆粒又はマスターバッチの形態で有機材料に添加することができ、これは前記安定剤を、例えば2.5〜25重量%の濃度で含む。
【0059】
本発明に従って安定化された物質は、種々の形態で、例えば、フィルム、繊維、テープ、成型用組成物、プロファイルとして、又は塗料、接着剤、若しくはパテの結合剤として使用することができる。
【0060】
本発明によるプラスチックを以下の調製のために使用してもよい:
II-3)電子工業用デバイス、詳細には、プラグ用絶縁体、特にコンピュータプラグ、電気及び電子部品用ケース、プリント基板、及びチップ、チェックカード又はクレジットカード等の電子データ記憶用材料、
III-3)衛生製品、詳細には、シャワーキュービクル、便座、カバー、及び流し、
III-4)衛生用品、詳細には、おむつ(幼児、成人の失禁)、女性衛生用品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、浴槽、移動トイレット、歯ブラシ、及び病床用便器、
III-5)水、廃水及び薬品用パイプ(相互に接続された又はされていない)、電線及びケーブル保護用パイプ、ガス、油及び下水用パイプ、樋、縦樋用パイプ、並びに排水系、
IV-2)連続及びステープルの織物、繊維(カーペット/衛生用品/ジオテキスタイル/モノフィラメント;フィルター;ふき取り繊維/カーテン(日よけ)/医療用途)、バルクファイバー(ガウン/保護衣服等の用途)、ネット、ロープ、ケーブル、糸、より糸、縫い糸、安全シートベルト、衣服、肌着、手袋;靴;ゴム靴、下着、衣服、水着、スポーツウエア、傘(パラソル、日傘)、パラシュート、パラグライダー、帆、「バルーン-シルク」、キャンプ用品、テント、空気ベッド、日光浴用イス、大袋、及びバッグ、
V)フィルム(パッケージング、ごみ捨て場、積層、農業及び園芸、温室、マルチ、トンネル、サイレージ)、ペールラップ、スイミングプール、ごみ袋、壁紙、ストレッチフィルム、ラフィア、脱塩フィルム、バッテリー、及びコネクター、
VI-1)食品パッケージング及びラッピング(軟質及び硬質)、BOPP、BOPET、びん、
VI-2)収納システム、例えば、箱(クレート)、旅行かばん、チェスト、日用品用の箱、パレット、棚、トラック、ねじ箱、パック、及び缶、
VI-3)医療機器、例えば、ピストン、眼病治療用途、診断機器、及び医薬ブリスター用パッケージング、
VII-4)光学及び磁気データ記憶用材料、
VII-5)台所用品(食事用、飲料用、料理用、保存用)、
VII-7)履物(靴/靴底)、中敷、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食品箱(果実、野菜、食肉、魚)、合成紙、びんのラベル、ソファー、人工関節(ヒト)、印刷板(フレキソ)、プリント回路基板、及びディスプレイ技術。
【0061】
好ましくは、式(1’)及び/又は(2’)の化合物は、食品及び医薬品のパッケージング用途に使用される。
【0062】
パッケージング物品が壁、若しくはその一部を含む、即ち、又はパッケージされる製品とパッケージングの外側の雰囲気の間に挿入されることが意図され、このような壁若しくはその一部が、本発明による式(1’)及び/又は(2’)の化合物を組み込んだ少なくとも一つの層を含む場合、製品を完全に封入することが意図された任意のパッケージング物品又は構造物は、本明細書で使用される用語「パッケージング壁」を有するものとみなされる。したがって、容器が閉鎖又は密閉されるとき、パッケージされる製品と外側の環境の間に挿入される、このような容器の任意の壁(又はこのような壁の一部)中に本発明による式(1’)及び/又は(2’)の化合物が存在する場合、ボウル、バッグ、中敷、トレイ、カップ、カートン、パウチ、箱、びん及び所与の製品を充填した後密閉することが意図される他の容器(vessel)又は容器(container)は、用語「パッケージング壁」で包含される。一例は、本発明による式(1’)及び/又は(2’)の化合物が、製品を密封する又は実質的に密封する1以上の連続的な熱可塑性層中又はその間に組み入れられている場合である。本発明によるパッケージング壁の別の例は、飲料びん(例えば、ビール、ワイン、果実ジュース等)のキャップライナーとして又はラッピング材料として使用される、式(1’)及び/又は(2’)の化合物を含有する単層又は多層フィルムである。
【0063】
パッケージング壁を調製するために、式(1’)及び/又は(2’)の化合物は、適したパッケージング樹脂中に配合されるか、さもなければそれと組み合わされると、得られた樹脂配合物は、シート、フィルム又は他の形状の構造物に製造される。押出し、共押出し、吹き込み成型、射出成型及び任意の他のシート、フィルム又は一般的なポリマーの溶融製造技術を使用することができる。式(1’)及び/又は(2’)の化合物から得られたシート及びフィルムは、例えば、多層シート又はフィルムを形成するためにコーティング又は積層によってさらに加工することができ、次いで、熱成形又は他の成形操作によって、少なくとも一つの層が本発明による式(1’)及び/又は(2’)の化合物を含有する所望のパッケージング壁に造形される。このようなパッケージング壁は、所望により又は必要により、さらなる加工又は造形にかけられて、様々な能動的バリアの最終用途パッケージング物品を得ることができる。本発明は、このようなバリア物品のコストを、受動的バリアフィルムを用いてバリア性を与える従来の物品に比較して低減させる。
【0064】
上記のパッケージング壁を用いるパッケージング物品の一例は、あらかじめ調理された1回限りの食物をパッケージするのに適している、結晶性ポリエチレンテレフタラート(「C-PET」)製の2層又は3層の2様のオーブン加熱用トレイである。3層構造では、厚さ250〜500μmの酸素捕捉層が、厚さ70〜250μmの二つの非捕捉性C-PET層の間に挟まれる。
【0065】
本発明のパッケージング壁、及びパッケージング物品に対する主要な用途は、腐敗性食品のパッケージングである。例えば、本発明を利用したパッケージング物品は、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ;シチュー及びスープ;ホットドッグ、コールドカット、鶏肉、牛肉ジャーキー等の食肉製品;1回限りのあらかじめ調理された食物及びつけ合わせ小皿;自家製パスタ及びスパゲッテイソース;バーベキューソース、ケチャップ、マスタード、及びマヨネーズ等の調味料;果実ジュース、ワイン、及びビール等の飲料;ドライフルーツ及び野菜;朝食用シリアル:パン、クラッカー、ペストリー、クッキー、及びマフィン等の焼いた食品;キャンデー、ポテトチップ、チーズ入りスナック等のスナック食品;ピーナッツバター又はピーナッツバターとゼリーの組合せ、ジャム、及びゼリー;乾燥した又は生の調味料;及びペット及び動物食品;等をパッケージするために使用することができる。前述のものは、本発明の可能な用途に関して限定するものではない。一般に、本発明は、酸素の存在下で分解し得る任意のタイプの製品に対して意図されたパッケージング材料のバリア性を増強するために使用することができる。
【0066】
好ましくは、式(1’)及び/又は(2’)の化合物は、透明なブリスターパック又は透明な薬剤容器中に、本発明による式(1’)及び/又は(2’)の化合物を組み込むことによって、UV-A感受性の薬物を光分解から保護するために使用される。
【0067】
「ブリスターパック」は、小さな消費財、食品に対して、及び医薬に対して使用される、いくつかのタイプの予備成形されたプラスチックのパッケージングに関する用語である。
【0068】
ブリスターパックの主要な要素は、「成形性」ウェブ、通常は熱成形プラスチックから作製される空洞又はポケットである。これは通常、板紙の裏当て、又はアルミニウムホイル若しくはプラスチックの「ふたをする」シールを有する。それ自体の上に保持されているブリスターは、しばしばクラムシェルと呼ばれる。
【0069】
ブリスターパックは、一般に医薬品の錠剤、カプセル剤又はロゼンジ剤用単位用量パッケージングとして使用される。ブリスターパックは、保存寿命要求事項、及びある程度の不正開封防止のためのバリア保護を提供することができる。薬剤の調合及び詰め替えは一般的ではないので、ブリスターパックが主なパッケージングのタイプである。
【0070】
他のタイプのブリスターパックは、玩具、金物類、及び電気物品等の商品が特別に作製された厚紙のカードとPVC等の透明プリフォームのプラスチックの間に収納されているカード包装から構成されている。
【0071】
ヒンジブリスターは、様々な製品に使用される、クラムシェルとして知られている。これは、消費者エレクトロニクス等の小さな高価な物品に対するパッケージの盗難を防止するための防犯パッケージとして使用することができる。これは、それ自体の上を覆って折られており、時には端で融着されている一つのシートから構成されている。
【0072】
医療用ブリスタートレイは、これらはプッシュスルーパックでない点で医薬品のブリスターパックと異なる。熱成形された基体ウェブは、通常500μ〜1000μの比較的厚いプラスチックシートで作られ、壊れることはなく、したがって固いトレイを形成する。ふた用フィルムは、ピールオープン機能を提供し、通常滅菌を可能にするために多くの穴がある。このような医療用ブリスターパックは、病院で使用される医療機器に対して使用される。当該ブリスターは、熱成形又は冷間成形法によって製造される。
【0073】
熱成形の場合、プラスチックフィルム又はシートは、リールから巻き戻され、ブリスターライン上の予熱ステーションを通って誘導される。予熱プレート(上側及び下側のプレート)の温度は、プラスチックが軟化し、柔軟になるようなものである。次いで、温熱プラスチックは、大きな圧力(4〜8バール)がブリスター空洞をネガ型中に形成する成形工程に到達する。プラスチックが再び剛直になり、金型から取り出されたときその形状を維持するように、金型を冷却する。難しい形状の場合は、温熱フィルムは「プラグ補助」機能によって部分的に空洞中に物理的に押し込められる。プラグ補助は、より均一な壁の分布を有するブリスター空洞が得られ、通常、空洞サイズ及び形状が小さな錠剤より大きな場合に使用される。
【0074】
冷間成形の場合、アルミニウムベースの積層フィルムが、打出し機の手段によって金型中に単純に圧縮される。アルミニウムは引き伸ばされ、形成された形状を維持する。業界では、これらのブリスターは、冷間成形ホイル(CFF)ブリスターと呼ばれる。冷間成形ホイルブリスターの主な利点は、アルミニウムの使用がほとんど完全な水及び酸素に対するバリアを提供し、延長された製品有効期限を可能にする。冷間成形ホイルブリスターの主な欠点は:熱成形に比較してより遅い製造速度;パッケージの透明性の欠如(治療コンプライアンスの欠点);及びブリスターカードのより大きなサイズ(アルミニウムを90度に近い角度で成形することはできない)。
【0075】
ウェブを形成する最も基本的な材料は、PVC又はポリ塩化ビニルである。ブリスターパッケージングの場合、PVCシートは、少しも可塑剤を含まず、時には硬質PVC又はRPVCと呼ばれる。PVCベースの多層ブリスターフィルムは、医薬品のブリスターパッケージングのために使用されることが多く、この場合、PVCは当該構造の熱成形性骨格としての役割を果たす。
【0076】
医薬品のために用される典型的な構造は、15μ〜100μPCTFEフィルムに積層された、250μPVCフィルムである。二重構造はPVC/PCTFEであり、三重積層物はPVC/PE/PCTFEである。PEとの三重構造を用いることによって、より深い空洞を形成することができる。典型的なWVTR値は0.06〜0.40g/m2/日の間である。
【0077】
他の典型的な材料は、環式オレフィンコポリマー(COC)又はポリマー(COP)であり、これは、典型的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、又はグリコール修飾ポリエチレンテレフタラート(PETg)との多層の組合せで、ブリスターパックに水分バリアを提供することができる。PVC及び他の一般的な医薬品のバリア樹脂とは異なり、環式オレフィン樹脂は、その分子構造中に塩素又は他のハロゲンを含有せず、炭素及び水素のみからなる。
【0078】
式(1’)及び/又は(2’)の化合物はまた、写真及び印刷用途のため、電子用途のため及び農業用途において成分を保護するための添加剤として使用することができる。
【実施例】
【0079】
A.メロシアニンUV吸収剤の製造例
[実施例A1]
次式の化合物の調製
【化5】
【0080】
55.33グラムのビス-(2-メトキシエチル)アミンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと反応させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、21.48グラムのエチルシアノアセタートで処理する。
【0081】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表10】
【0082】
反応温度は、0℃と溶媒の沸点の間である。
【0083】
反応終点を薄層クロマトグラフフィー又は高速液体クロマトグラフィーによって確認する。
【0084】
反応後、生成物(101)を、液体-液体分離、カラムクロマトグラフィー又は反応混合物への貧溶媒の添加による結晶化によって、通常の生成物単離法を介して反応混合物から得る。
【0085】
所望の生成物(101)を収率66%(36グラム)で、黄色結晶として結晶化(融点:76.9℃)される暗茶色の油として得る。
【0086】
[実施例A2]
次式の化合物の調製
【化6】
【0087】
55.33グラムのビス-(2-メトキシエチル)アミンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、27.18グラムの2-メトキシエチル-シアノアセタートで処理する。
【0088】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表11】
【0089】
反応後、生成物(102)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/アセトン)を介して、反応混合物から得る。
【0090】
所望の生成物(102)を収率75%(45.44グラム)で、黄色粉末(融点:92.2℃)として得る。
【0091】
[実施例A3]
次式の化合物の調製
【化7】
【0092】
55.33グラムのビス-(2-メトキシエチル)アミンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、29.85グラムの2-エトキシエチル-シアノアセタートで処理する。
【0093】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表12】
【0094】
反応後、生成物(103)を、液体-液体分離、カラムクロマトグラフィー又は反応混合物への貧溶媒の添加による結晶化によって、通常の生成物単離法を介して反応混合物から得る。
【0095】
所望の生成物(103)を収率66%(39.99グラム)で、ベージュ色結晶(融点:58.3℃)として得る。
【0096】
[実施例A4]
次式の化合物の調製
【化8】
【0097】
70.67グラムのピペリジンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、59.72グラムの2-エトキシエチルシアノアセタートシアノアセタートで処理する。
【0098】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表13】
【0099】
所望の生成物(104)を橙色粉末として、収率91%(96.5グラム)で得る。
【0100】
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/アセトン)の後、純粋な生成物(104)を暗黄色結晶として得る。
【0101】
融点:66〜67℃。
【0102】
[実施例A5a]
次式の化合物の調製
【化9】
【0103】
132.83グラムのピペリジンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、133.38グラムの2-(2-メトキシエトキシ)-エチル-シアノアセタートで処理する。
【0104】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表14】
【0105】
所望の生成物(105)を収率38%(82.4グラム)で、暗色の油として得る。
【0106】
シリカゲル及び溶離液としてトルエン/アセトン(9:1)によるカラムクロマトグラフィーの後、生成物(105)は水から橙色結晶として結晶化する。融点:43.5〜45℃。
【0107】
[実施例A5b]
式(105)の化合物の調製
塩基及び場合により溶媒の存在下、5グラムの3-(1-ピペリジニル)-2-プロペナール及び7.39グラムの2-(2-メトキシエトキシ)-エチル-2-シアノ酢酸エステルを用いることによって、所望の生成物を収率32%(3.5グラム)で、暗色の油として得る。
【0108】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表15】
【0109】
[実施例A6]
次式の化合物の調製
【化10】
【0110】
2.89グラムのピペリジンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、1.22グラムの2-シアノ-N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミドで処理する。
【0111】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表16】
【0112】
反応終点を薄層クロマトグラフフィー又は高速液体クロマトグラフィーによって確認する。
【0113】
反応後、生成物(106)を、液体-液体分離、カラムクロマトグラフィー又は反応混合物への貧溶媒の添加による結晶化によって、通常の生成物単離法を介して反応混合物から得る。
【0114】
所望の生成物(106)を、黄色結晶(0.24g、10%)の形態で結晶化する茶色の油として得る。
【0115】
融点:139.4〜141.0℃。
【0116】
[実施例A7]
次式の化合物の調製
【化11】
【0117】
27.84グラムのピペリジンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、56.77グラムの(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルシアノアセタートで処理する。
【0118】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表17】
【0119】
74.74グラムの化合物(107)を黄色結晶として得る。
【0120】
[実施例A8]
次式の化合物の調製
【化12】
【0121】
70mlの塩酸(1N)を、74.74グラムのメロシアニン化合物(107)のエタノール(350ml)溶液に添加する。反応混合物を40℃で24時間撹拌する。水を添加した後、生成物を酢酸エチルで数回抽出する。組み合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空下濃縮して、茶色の油として粗生成物を得る。
【0122】
結晶化後、34.44グラムの生成物を黄色粉末として得る。
【0123】
融点:101℃。
【0124】
[実施例A9]
次式の化合物の調製
【化13】
【0125】
236.72グラムのピペリジンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合させ、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、217.24グラムの1-(2-ヒドロキシ)ペンチルシアノアセタートで処理する。
【0126】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表18】
【0127】
500グラムの粗生成物(109)を暗茶色の油として得る。
【0128】
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:トルエン/酢酸エチル)及び結晶化後、53.09グラム(23%)の所望の生成物(109)を黄色結晶として得る。
【0129】
融点:130℃。
【0130】
[実施例A10]
次式の化合物の調製
【化14】
【0131】
1.81グラムのモルホリンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンで処理し、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、1.89グラムの(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルシアノアセタートで処理する。
【0132】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表19】
【0133】
2.99グラムの粗生成物(110)を暗茶色の油として得る。
【0134】
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:トルエン/アセトン)及び結晶化後、1.17グラム(50%)の化合物(110)を黄色がかった結晶として得る。
【0135】
[実施例A11]
次式の化合物の調製
【化15】
【0136】
1mlの塩酸(1N)を、1.17グラムのメロシアニン化合物(110)のエタノール(5ml)溶液に添加する。反応混合物を室温で16時間撹拌する。
【0137】
生成物をろ過して分け、少量のエタノール及び水で洗浄する。
【0138】
真空下で乾燥後、0.36グラムの生成物(111)を黄色がかった粉末として得る。
【0139】
融点:144,5〜146.0℃。
【0140】
[実施例A12]
次式の化合物の調製
【化16】
【0141】
83.40グラムのモルホリンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合し、濃縮し、有機塩基及び溶媒の存在下、47.15グラムの2-エトキシエチルシアノアセタートで処理する。
【0142】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表20】
【0143】
32.58グラムの化合物(112)を黄色結晶として得る。
【0144】
融点:81.5℃。
【0145】
[実施例A13]
次式の化合物の調製
【化17】
【0146】
113.00グラムのエチル-2-ヒドロキシエチルアミノアクロレイン及び102.47グラムのn-ブチルシアノアセタートを用いることによって、123.46グラムの粗生成物を茶色の油として得る。
【0147】
結晶化後、23.29gの生成物を黄色がかった結晶として得る。
【0148】
融点:78.0℃。
【0149】
[実施例A14]
次式の化合物の調製
【化18】
【0150】
メロシアニン(113)の合成に従って、メロシアニン化合物(114)を合成し、所望の生成物を茶色の油として得る。
【0151】
1H-NMR(CDCl
3):
δ=7.73(1H、d)、7.24(1H、d)、5.5(1H、t)、4.07〜4.33(5H、m)、3.44〜3.55(2H、m)、3.16〜3.26(2H、m)、1.67(2H、m)、1.22〜1.45(12H、m)、0.9(3H、m)。
【0152】
[実施例A15]
次式の化合物の調製
【化19】
【0153】
122.23グラムの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチルスルファート或いはジエチルスルファートでアルキル化し、塩基及び場合により溶媒の存在下、約等モルの比率の75.45グラムのエチルシアノアセタートで処理する。
【0154】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表21】
【0155】
アルキル化反応の完了を、例えば、TLC、GC又はHPLCの方法によって監視することができる。
【0156】
162.30グラムの生成物(115)を茶色の油として得る。
【0157】
結晶化後、生成物を黄色がかった結晶として得る。
【0158】
融点:92.7℃。
【0159】
[実施例A16]
次式の化合物の調製
【化20】
【0160】
101.00グラムの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチルスルファート或いはジエチルスルファートでアルキル化し、塩基及び場合により溶媒の存在下、約等モルの比率の86.00グラムの2-シアノ-N-(3-メトキシ-プロピル)-アセトアミドで処理する。
【0161】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表22】
【0162】
粗生成物(116)を暗茶色の油として得る。
【0163】
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/メタノール99:1)の後、81.8グラムの生成物を黄色がかった結晶として得る。
【0164】
融点:84.7〜85.3℃。
【0165】
[実施例A17]
次式の化合物の調製
【化21】
【0166】
111.0グラムの3-[(2-エチルヘキシル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチルスルファート或いはジエチルスルファートでアルキル化し、次いで、塩基及び場合により溶媒の存在下、64.10グラムの2-シアノ-N-(2-ヒドロキシ-エチル)-アセトアミドで処理する。
【0167】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表23】
【0168】
反応温度は60から120℃の間である。
【0169】
粗生成物を茶色がかった結晶として得る。
【0170】
再結晶化後、97グラムの生成物を黄色がかった結晶として得た。
【0171】
融点:117〜119℃。
【0172】
[実施例A18]
次式の化合物の調製
【化22】
【0173】
100.56グラムの3-[(2-ヒドロキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチルスルファート或いはジエチルスルファートでアルキル化し、塩基及び場合により溶媒の存在下、84.70グラムのイソブチルシアノアセタートで処理する。
【0174】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表24】
【0175】
15.97グラムの粗生成物(118)を暗茶色の油として得る。
【0176】
シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)の後、45.67グラムの生成物(118)を黄色がかった結晶として得る。融点:106.7℃。
【0177】
[実施例A19]
次式の化合物の調製
【化23】
【0178】
13.09グラムの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチルスルファート或いはジエチルスルファートでアルキル化し、塩基及び場合により溶媒の存在下、10.12グラムのイソブチルシアノアセタートで処理する。
【0179】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表25】
【0180】
15.97グラムの粗生成物(119)を暗茶色の油として得る。
【0181】
シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)の後、13.46グラムの生成物(119)を黄色がかった結晶として得る。融点:96.3℃。
【0182】
[実施例A20]
次式の化合物の調製
【化24】
【0183】
US2003/0,181,483A1の4頁に記載されているように、222.62グラムのジプロピルアミンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合し、有機塩基及び溶媒の存在下、200.13グラムの(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルシアノアセタートで処理する。
【0184】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表26】
【0185】
327グラムの粗生成物(120)を茶色の油として得る。
【0186】
[実施例A21]
次式の化合物の調製
【化25】
【0187】
317mlの塩酸(1N)を、327グラムの粗製メロシアニン(120)のエタノール(990ml)溶液に添加する。
【0188】
反応混合物を室温で16時間撹拌する。
【0189】
真空中でエタノールを除去した後、反応塊を水に溶解し、生成物を酢酸エチルで数回抽出する。
【0190】
回集した有機相を真空中で濃縮する。
【0191】
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル)及び結晶化の後、70グラムの所望の生成物(121)を黄色がかった結晶として得る。
【0192】
融点:73℃。
【0193】
[実施例A22]
次式の化合物の調製
【化26】
【0194】
66.43グラムのジブチルアミンを酢酸中で、1,1,3,3-テトラメトキシプロパンと縮合し、有機塩基及び溶媒の存在下、46.81グラムの(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルシアノアセタートで処理する。
【0195】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表27】
【0196】
82.49グラムの粗生成物(122)を黒色油として得る。
【0197】
[実施例A23]
次式の化合物の調製
【化27】
【0198】
80mlの塩酸(1N)を、82.5グラムの粗製メロシアニン(122)のエタノール(250ml)溶液に添加する。反応混合物を室温で16時間撹拌する。
【0199】
真空中でエタノールを除去した後、反応塊を水に溶解し、生成物(122)を酢酸エチルで数回抽出する。
【0200】
回集した有機相を真空中で濃縮する。
【0201】
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/アセトン)の後、37.85グラムの所望の生成物を茶色がかった油として得る。
【0202】
HPLC(210nm):99.3A-%。
1H-NMR(CDCl
3):δ=7.8(1H、d)、7.2(1H、d)、5.6(1H、t)、4.27(2H、m)、3.98(1H、m)、3.5〜3.7(2H、m)、3.25〜3.33(4H、m)、3.00(2H、s)、1.61(4H、m)、1.35(4H、m)、0.96(6H、m)。
【0203】
[実施例A24]
次式の化合物の調製
【化28】
【0204】
148.4グラムの3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]-2-シクロヘキセン-1-オンをジメチルスルファート或いはジエチルスルファートでアルキル化し、塩基及び溶媒の存在下、130.00グラムの2-エトキシエチルシアノアセタートで処理する。
【0205】
以下の塩基/溶媒の組合せを使用する。
【表28】
【0206】
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:トルエン/酢酸エチル)及び結晶化の後、134.96グラムの所望の生成物(124)を黄色結晶として得る。
【0207】
融点:90〜91.5℃。
【0208】
UV遮蔽特性
メロシアニン誘導体のUV遮蔽特性を、エタノール中でそのUVスペクトルを測定することによって調査する。以下の表に調査した吸収最大値(λ
max)と共に対応するA
1%1cm値を列挙する。
【表29】
【0209】
本発明によるすべてのメロシアニン化合物は、1500を超えるA
1%1cm値によって示されるように、UV領域で特別高い遮蔽特性を有する。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
式
【化29】
の化合物及び/又はそのE/E-、E/Z-若しくはZ/Z幾何異性体形態
[式中、
R1及びR2は、互いに独立に水素;少なくとも1個のヒドロキシで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニルであり;又はR1及びR2は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、-O-若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R3は、-(C=O)OR6基;又は-(CO)NHR6基であり;
R6は、1個以上のOHで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22シクロアルキル又はC3〜C22シクロアルケニルであり;
R4及びR5は水素であり;或いはR4及びR5は、C1〜C4アルキルで置換されていてもよい、及び/又は1個以上の-O-若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し; nは、2から7の数であり;
R7及びR8は、互いに独立に水素;1個以上のOによって中断されていてもよい、及び/又は1個以上のOH、C3〜C22シクロアルキル若しくはC3〜C22シクロアルケニルで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニルであり、ここで前記C3〜C22シクロアルキル若しくはC3〜C22シクロアルケニルは、1個以上の-O-によって中断されていてもよく;或いは
R7及びR8は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、1個以上の-O-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R9及びR10は水素であり;又はR9及びR10は、C1〜C4アルキルで置換されていてもよい、及び/又は-O-若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R11は、1個以上のOによって中断されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22シクロアルキル若しくはC3〜C22シクロアルケニル;又はC3〜C22シクロアルキル若しくはC3〜C22シクロアルケニルで置換されているC1〜C22アルキル若しくはC2〜C22アルケニルであり、ここで前記C3〜C22シクロアルキル若しくはC3〜C22シクロアルケニルは、1個以上の-O-によって中断されていてもよく;
ただし、
(I)R1、R2及びR6の少なくとも一つは、ヒドロキシで置換されており;
(II)R1の一つがヒドロキシエチルの場合、R2は、水素、メチル、エチル、ヒドロキシエチルではなく;R1が水素の場合、R2は1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-2-イルではなく;
(III)R6が1個以上のOHで置換されている場合;R1及びR2の一つは、C4〜C22アルキルであり;又はR1及びR2は、連結する窒素と一緒になって、ピペリジル若しくはモルホリニル基を形成し;
(IV)R7及びR8又はR11の少なくとも一つは、1個以上の-O-によって中断されている]。
[実施形態2]
R1及びR2が、互いに独立に水素;少なくとも1個のヒドロキシで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニルであり;又はR1及びR2が、これらを連結している窒素原子と一緒になって、-O-若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R3が、-(C=O)OR6基;又は-(CO)NHR6基であり;
R6が、1個以上のOHで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22シクロアルキル又はC3〜C22シクロアルケニルであり;
R4及びR5が水素であり;或いはR4及びR5が、C1〜C4アルキルで置換されていてもよい、及び/又は-O-若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
nが、2から7の数であり;
R7及びR8が、互いに独立に水素;、1個以上のOによって中断されていてもよい、及び/又は1個以上のOHで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニルであり;或いはR7及びR8が、これらを連結している窒素原子と一緒になって、1個以上の-O-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R9及びR10が水素であり;又はR9及びR10が、C1〜C4アルキルで置換されていてもよい、及び/又は-O-若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
Aが、-O-;又は-NHであり;
R11が、1個以上のOによって中断されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22シクロアルキル又はC3〜C22シクロアルケニルであり; ただし、
(I)R1、R2及びR6の少なくとも一つが、ヒドロキシで置換されており;
(II)R1の一つがヒドロキシエチルの場合、R2が、水素、メチル、エチル、ヒドロキシエチルではなく;R1が水素の場合、R2が1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-2-イルではなく;
(III)R6が1個以上のOHで置換されている場合;R1及びR2の一つが、C4〜C22アルキルであり;又はR1及びR2が、連結する窒素と一緒になって、ピペリジル若しくはモルホリニル基を形成し;
(IV)R7及びR8又はR11の少なくとも一つが、1個以上の-O-によって中断されている、実施形態1に記載の化合物。
[実施形態3]
R1及びR2が、互いに独立に水素;C4〜C12アルキル;又はヒドロキシ-C3〜C12アルキルであり;ここで、R1及びR2の少なくとも一つはヒドロキシ-C3〜C12アルキルであり;
R3、R4及びR5が、実施形態1と同様に定義される、実施形態1又は2に記載の式(1)の化合物。
[実施形態4]
R6が、1個以上のヒドロキシで置換されていてもよいC1〜C12アルキルである、実施形態1から3のいずれかに記載の式(1)の化合物。
[実施形態5]
R6が、1個以上のヒドロキシで置換されているC1〜C12アルキルであり;
R1及びR2の一つが、C4〜C22アルキルであり;或いはR1及びR2が、これらを連結している窒素原子と一緒になって、-O-及び/又は-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R4及びR5及びnが、実施形態1と同様に定義される、実施形態1又は2に記載の式(1)の化合物。
[実施形態6]
R11が、式(1a)の-(CH2)m-O-R12基であり、
ここで、
R12は、C1〜C12アルキル;又はC1〜C6アルコキシ-C1〜C6アルキルであり;
mは、1から5の数であり;
R7、R8、R9、R10及びAが、実施形態1と同様に定義される、実施形態1又は2に記載の式(2)の化合物。
[実施形態7]
式(1)及び(2)において、
R1及びR2並びにR7及びR8がそれぞれ、連結する窒素原子と一緒になって、ピペリジル基又はモルホリニル基を形成する、実施形態1から6のいずれかに記載の化合物。
[実施形態8]
式(1)及び(2)において、
R4及びR5並びにR9及びR10がそれぞれ、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する、実施形態1から7のいずれかに記載の化合物。
[実施形態9]
R1及びR2が、互いに独立に水素;又はC1〜C22アルキル;又はヒドロキシ-C1〜C22アルキルであり;或いはR1及びR2が、窒素原子と一緒になって、一緒に連結してピペリジル又はモルホリニル基を形成し;
R3が、-(C=O)OR6基;又は-(CO)NHR6基であり;
R6が、C1〜C22アルキルであり、これは1個以上の-OHで置換されていてもよく;
R4及びR5が水素であり;又はR4及びR5が、一緒に連結して6個の炭素原子を含む炭素環を形成する、実施形態1から5、7及び8のいずれかに記載の式(1)の化合物。
[実施形態10]
R1及びR2が、互いに独立に水素;又はヒドロキシ-C1〜C22アルキルであり;ここでR1及びR2の少なくとも一つはヒドロキシ-C1〜C22アルキルであり;
R3が、-(C=O)OR6基;又は-(C=O)NHR6基であり;
R6が、C1〜C22アルキルであり;
R4及びR5が水素であり;又はR4及びR5が、一緒に連結して、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する、実施形態1から9のいずれかに記載の式(1)の化合物。
[実施形態11]
R7及びR8が、互いに独立に水素又はC1〜C8アルキルであり、これは1個以上の-O-によって中断されていてもよく;
Aが、-O-;又は-NHであり;
R11がC1〜C22アルキルであり;
R9及びR10が水素であり;又はR9及びR10が、一緒に連結して、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する、実施形態1のいずれかに記載の式(2)の化合物。
[実施形態12]
R7及びR8が、窒素原子と一緒になってモルホリニル又はピペリジル基を形成し;
Aが、-O-;又は-NHであり;
R11が、C1〜C22アルキルであり;これは1個以上の-O-によって中断されており;
R9及びR10が水素であり;又はR9及びR10が、一緒に連結して、6個の炭素原子を含む炭素環を形成する、実施形態1のいずれかに記載の式(2)の化合物。
[実施形態13]
R11が、式(1a)の-(CH2)m-O-R12基であり、
ここで、
R12が、C1〜C4アルキル;又はC1〜C4アルコキシ-C1〜C3アルキルであり;
mが、1から3の数であり;
R7及びR8が、互いに独立に水素;1個以上のOによって中断されていてもよいC1〜C12アルキルであり;又はR7及びR8が、窒素原子と一緒になってモルホリニル又はピペリジル基を形成し;
R9及びR10が水素であり;又は6個の炭素原子を含む炭素環を形成し;
Aが、-O-;又は-NHである、実施形態11に記載の式(2)の化合物。
[実施形態14]
式
【表30】
に対応する、実施形態1に記載の化合物。
[実施形態15]
式
【表31】
に対応するE/Z幾何異性体、及び/又は
式
【表32】
のE/E幾何学的形態における、2-エトキシエチル(2Z)-シアノ{3-[(3-メトキシプロピル)-アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン}エタノアートである、実施形態14に記載の化合物。
[実施形態16]
適当な塩基の存在下、溶媒あり又は溶媒なしで、
式
【化30】
の化合物を式
【化31】
の化合物とそれぞれ反応させるステップを含む、式(1)及び(2)の化合物の調製方法。
[実施形態17]
家庭用製品を光分解及び酸化的分解から保護するための、式
【化32】
の化合物及び/又はそのE/E-、E/Z-又はZ/Z-幾何異性体形態の使用
[式中、
R’1及びR’2は、互いに独立に水素;少なくとも1個のヒドロキシで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニルであり;又はR1及びR2は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、-O-によって若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R’3は、-(C=O)OR’6基;又は-(CO)NHR’6基であり;
R’6は、1個以上のOHで置換されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22シクロアルキル又はC3〜C22シクロアルケニルであり;
R’4及びR’5は水素であり;又はR’4及びR’5は、C1〜C4アルキルで置換されていてもよい、及び/又は-O-によって若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
nは2から7の数であり;
R’7及びR’8は、互いに独立に水素;1個以上のOによって中断されていてもよい、及び/又は1個以上のOHで置換されていてもよいC1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニルであり;又はR’7及びR’8は、これらを連結している窒素原子と一緒になって、-O-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
R’9及びR’10は、水素であり;又はR’9及びR’10は、C1〜C4アルキルで置換されていてもよい、及び/又は-O-によって若しくは-NH-によって中断されていてもよい-(CH2)n-環を形成し;
Aは、-O-;又は-NHであり;
R’11は、1個以上のOによって中断されていてもよい、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22シクロアルキル又はC3〜C22シクロアルケニルである]。
[実施形態18]
式(1’)又は(2’)において、R1、R2、R3及びR6、R7及びR8、若しくはR11の少なくとも一つがヒドロキシで置換されており、及び/又は1個以上の-O-によって中断されている、実施形態17に記載の使用。
[実施形態19]
好ましくは食品及び医薬品のパッケージング用途のための、プラスチック添加剤としての、実施形態17又は18に記載の式(1’)又は(2’)の化合物の使用。
[実施形態20]
式(1’)及び/又は(2’)の化合物を透明な食品容器中に組み込むことによって、食品の光分解を防止するための、実施形態17又は18に記載の式(1’)又は(2’)の化合物の使用。
[実施形態21]
透明なブリスターホイル又は透明な薬剤容器中にUV吸収剤を組み込むことによって、UV-A感受性の薬物を光分解から保護するための、実施形態17又は18に記載の式(1’)又は(2’)の化合物の使用。
[実施形態22]
写真及び印刷用途のための添加剤としての、実施形態17又は18に記載の式(1’)又は(2’)の化合物の使用。
[実施形態23]
電子用途のための添加剤としての、実施形態17又は18に記載の式(1’)又は(2’)の化合物の使用。
[実施形態24]
農業用途における成分を保護するための、実施形態17又は18に記載の式(1’)又は(2’)の化合物の使用。