(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホッパーは、前記ホッパーの上端近傍に配置され且つ前記ホッパー内の前記貯留水の水面を一定の高さに維持するためのドレンを有する請求項1に記載の茹麺の自動計量装置。
前記ホッパーは、前記傾斜内側面を含む複数の内側面を有し、前記傾斜内側面に対向する内側面は、前記傾斜内側面よりも鉛直面に対して小さな傾斜角を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の茹麺の自動計量装置。
前記流し込み水供給部は、それぞれ、前記ホッパーの下端に向けて前記ホッパーの前記傾斜内側面の上端に配置された複数の流し込み水供給管を通して前記流し込み水を供給する請求項1〜4のいずれか一項に記載の茹麺の自動計量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、茹麺の計量精度は、十分なものではなく、小分けされた茹麺の量のバラツキが大きいという問題があった。
また、計量精度を向上させるために、ホッパーの底部に形成された供給口の開口面積を小さくすると、装置の処理能力が急激に低下してしまう。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、高い処理能力を有しながらも茹麺を精度よく計量することができる茹麺の自動計量装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、このような自動計量装置により計量された茹麺を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る茹麺の自動計量装置は、上端および下端が開放されると共に鉛直面に対して傾斜した少なくとも1つの傾斜内側面を有し且つ貯留水を収容するホッパーと、
少なくとも1つの傾斜内側面のうちの1つの傾斜内側面の上端から上方に延びてホッパーの上に配置されると共にホッパーの上端から
1つの傾斜内側面に沿ってホッパー内の貯留水中に茹麺を投入するための投入シュートと、ホッパーの下端に接続され且つ周壁に複数の貫通孔が形成されると共に下端に茹麺排出口が形成された漏斗部と、茹麺排出口を開閉する排出口開閉部と、茹麺排出口の下方に配置され且つ排出口開閉部により開放された茹麺排出口から貯留水と共に排出される茹麺を収容して貯留水のみを排出することにより茹麺を容積計量する計量升と、ホッパーの
1つの傾斜内側面に沿ってホッパーの上端からホッパー内の貯留水中に流し込み水を供給するための流し込み水供給部と、ホッパー内の貯留水中で揺動する複数のかき込み棒を有すると共に貯留水中に押し込み水を供給して貯留水中の茹麺を漏斗部へかき込むためのかき込み部と、複数の貫通孔を通して漏斗部内の貯留水中に解し水を供給する解し水供給部とを備えたものである。
この発明においては、ホッパー内に貯留水が収容され、貯留水中に投入された茹麺が、漏斗部まで至った後、茹麺排出口から貯留水と共に計量升に排出され、貯留水のみを計量升から排出して茹麺が容積計量される。したがって、計量精度を向上させるためには、貯留水中の茹麺の密度、特に、茹麺排出口に近接するホッパーの下端および漏斗部内の貯留水中の茹麺の密度が一定になることが重要である。そこで、流し込み水供給部により流し込み水を供給し、かき込み部により押し込み水を供給すると共に複数のかき込み棒を揺動させ、解し水供給部により解し水を供給することで、貯留水中の茹麺の密度の安定化を図っている。
【0007】
好ましくは、ホッパーは、ホッパーの上端近傍に配置され且つホッパー内の貯留水の水面を一定の高さに維持するためのドレンを有する。
漏斗部の内面に、フッ素樹脂を含むコーティングが施されていることが好ましい。
また、ホッパーは、傾斜内側面を含む複数の内側面を有し、傾斜内側面に対向する内側面は、傾斜内側面よりも鉛直面に対して小さな傾斜角を有していることが好ましい。
【0008】
流し込み水供給部は、それぞれ、ホッパーの下端に向けてホッパーの傾斜内側面の上端に配置された複数の流し込み水供給管を通して流し込み水を供給することができる。
また、かき込み部は、ホッパー内にほぼ水平に延びると共にその中心軸の周りに回転可能に配置され且つ複数のかき込み棒が連結された支持パイプと、支持パイプを所定の角度範囲内で中心軸の周りに回転させることにより複数のかき込み棒を揺動するかき込み棒駆動部とを有するように構成することができる。
この場合、複数のかき込み棒は、それぞれ支持パイプの中心軸に垂直で且つ互いに平行に配列された状態で支持パイプに連結され且つ内部が支持パイプの内部に連通する複数の押し込み水供給パイプと、複数の押し込み水供給パイプに対応すると共にそれぞれ支持パイプの中心軸に垂直で且つ対応する押し込み水供給パイプに直交するように互いに平行に配列された状態で支持パイプに連結された複数の棒部材とを有し、かき込み部は、支持パイプおよび複数の押し込み水供給パイプを通して貯留水中に押し込み水を供給することが好ましい。
【0009】
解し水供給部は、漏斗部の周壁の外面に沿って環状の解し水供給空間が形成されるように漏斗部の外側に配置された解し水供給容器を有し、解し水供給空間内に解し水を供給することにより複数の貫通孔を通して漏斗部内の貯留水中に解し水を供給することができる。
また、一対の計量升の上端が互いに所定の間隔を隔てて連結板で連結されると共にそれぞれの計量升の上端および下端が開放された計量升連結体を有し、排出口開閉部は、茹麺排出口の下で計量升連結体をほぼ水平方向に往復動させる計量升駆動部を有し、計量升連結体の往復動に伴って連結板が茹麺排出口の下に位置することで茹麺排出口を閉じると共にいずれかの計量升の上端が茹麺排出口の下に位置することで茹麺排出口を開くように構成することができる。
この場合、計量升連結体の往復動に伴って茹麺排出口の下に位置する計量升の下端を閉じるように茹麺排出口の下方に配置された閉鎖板と、計量升連結体の往復動に伴って閉鎖板の両側に位置する計量升の下端から落下する茹麺を回収する回収シュートとをさらに備えることが好ましい。
また、計量升は、パンチング板から形成されることが好ましい。
【0010】
漏斗部は、下方に向かって径が小さくなるような円錐台部分と、円錐台部分の下端に接続された円筒部分とを有し、円筒部分の下端に茹麺排出口が配置され、複数の貫通孔は、それぞれ円錐台部分の周壁に形成されると共に円錐台部分の中心軸に向かい且つ水平面に対し所定の仰角を有して漏斗部の上方に向かう複数の第1の貫通孔と、それぞれ円筒部分の周壁に形成されると共に円筒部分の中心軸に向かう方向に対して周方向に傾斜し且つ水平面に対し所定の俯角を有して漏斗部の下方に向かう複数の第2の貫通孔とを有することが好ましい。
また、ホッパーの下端に複数の漏斗部が並置され、複数の漏斗部に対応して複数の計量升を備え、解し水供給部は、複数の漏斗部内の貯留水中にそれぞれ解し水を供給するように構成することもできる。
【0011】
この発明に係る
小分け茹麺の製造方法は、上記の自動計量装置を用いて計量された
小分け茹麺を製造する方法である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、流し込み水供給部が、茹麺が投入されるホッパーの傾斜内側面に沿ってホッパーの上端からホッパー内の貯留水中に流し込み水を供給し、かき込み部が、複数のかき込み棒をホッパー内の貯留水中で揺動させながら貯留水中に押し込み水を供給して貯留水中の茹麺を漏斗部へかき込み、解し水供給部が、漏斗部の複数の貫通孔を通して漏斗部内の貯留水中に解し水を供給するので、ホッパー内の貯留水中の茹麺の密度が安定し、高い処理能力を有しながらも茹麺を精度よく計量することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
実施の形態1
図1および2に、この発明の実施の形態1に係る茹麺の自動計量装置の構成を示す。茹麺の自動計量装置は、茹麺Nが投入されるホッパー1を有している。ホッパー1は、内部に貯留水W0を収容するもので、図示しない茹麺供給機から貯留水W0中に茹麺Nが投入される。ホッパー1の上端は、開放され、矩形状の開口1Aを有している。ホッパー1は、上端の開口1Aに接続された4つの内側面2A〜2Dを有し、これらのうち互いに対向する一対の内側面2Aおよび2Bは、鉛直面に対して反対方向で且つ互いに同じ大きさの角度で傾斜した対称形の傾斜内側面を形成している。
また、ホッパー1の上端近傍にドレン1Bが形成されており、ホッパー1内の貯留水W0の水面Sが一定の高さを維持するように構成されている。
【0015】
ホッパー1の上には、内側面2Aの上端に位置するホッパー1の開口1Aの縁部から斜め上方に延びる平板形状の投入シュート3が配置されている。投入シュート3は、図示しない茹麺供給機から供給された茹麺Nを滑落させて、ホッパー1の開口1Aから内側面2Aに沿ってホッパー1内の貯留水W0中に投入するためのものである。ここで、茹麺供給機は、ホッパー1内に存在する茹麺Nの量が茹麺Nの投入前後で大きく変化しないような分量で、ほぼ一定量ずつ供給することが好ましい。
ホッパー1の下端も開放されており、このホッパー1の下端に、漏斗部4が接続されている。漏斗部4は、円錐をその底面に平行な平面で切って頂部部分を除去した、いわゆる円錐台形状を有し、下方に向かって径が小さくなるような向きでホッパー1の下端に接続されている。この漏斗部4の下端に茹麺排出口5が形成されている。
【0016】
漏斗部4の内面に、フッ素樹脂を含むコーティングが施されている。このコーティングは、漏斗部4内における茹麺Nの詰まりを未然に防止するために、漏斗部4の内面の潤滑性を向上させるもので、例えば、アルバックテクノ株式会社のニフグリップ(登録商標)により、ステンレス等から形成される漏斗部4に対してニッケルおよびフッ素樹脂を共析させた表面処理を行うことで、施工することができる。
【0017】
また、漏斗部4は、漏斗部4の周壁に形成された複数の貫通孔4Aを有している。これらの貫通孔4Aは、それぞれ、円錐台の中心軸に向かい且つ水平面に対して70度の仰角を有し、漏斗部4の上方、すなわち、ホッパー1の下端に向かって形成されている。
さらに、漏斗部4の周壁を囲むように漏斗部4の外側に解し水供給容器6が配置され、解し水供給容器6の内部に、漏斗部4の周壁の外面に沿った環状の解し水供給空間6Aが形成されている。解し水供給空間6A内に給水することにより、漏斗部4の周壁に形成された複数の貫通孔4Aを通して漏斗部4内の貯留水W0中に解し水W3がホッパー1の下端に向かって供給されるように構成されている。
【0018】
また、ホッパー1の内部には、ホッパー1の傾斜した内側面2Aに対して平行で且つほぼ水平に延びる支持パイプ7が配置されている。支持パイプ7は、その中心軸Cの周りに回転可能に、ホッパー1の互いに対向する一対の内側面2Cおよび2Dにより保持されている。
この支持パイプ7に、複数のかき込み棒が連結されている。複数のかき込み棒は、支持パイプ7の長さ方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列された複数の押し込み水供給パイプ8と、これら複数の押し込み水供給パイプ8に直交するように支持パイプ7の長さ方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列された複数の棒部材9を有している。それぞれの押し込み水供給パイプ8およびそれぞれの棒部材9は、支持パイプ7の中心軸Cに対して垂直方向に延びている。
【0019】
また、それぞれの押し込み水供給パイプ8の内部は、支持パイプ7の内部と連通しており、支持パイプ7に給水することにより、支持パイプ7の内部および押し込み水供給パイプ8の内部を通って押し込み水供給パイプ8の先端からホッパー1内の貯留水W0中に押し込み水W2が供給されるように構成されている。
さらに、支持パイプ7には、ホッパー1の外部において、かき込み棒駆動部10が接続されている。かき込み棒駆動部10は、支持パイプ7を所定の角度範囲内で中心軸Cの周りに回転させることにより、支持パイプ7に連結されている複数の押し込み水供給パイプ8および複数の棒部材9をホッパー1内の貯留水W0中で揺動させるものである。
【0020】
また、投入シュート3の上方に、投入シュート3に対して平行で且つほぼ水平に延びる給水パイプ11が配置されており、この給水パイプ11に複数の流し込み水供給管12が連結されている。それぞれの流し込み水供給管12は、給水パイプ11からホッパー1の傾斜した内側面2Aの上端を通ってホッパー1内の貯留水W0中にまで延び、内側面2Aに沿った方向に向けられている。
それぞれの流し込み水供給管12の内部は、給水パイプ11の内部と連通しており、給水パイプ11に給水することにより、給水パイプ11の内部および流し込み水供給管12の内部を通って流し込み水供給管12の先端から内側面2Aに沿ってホッパー1内の貯留水W0中に流し込み水W1が供給されるように構成されている。
【0021】
解し水供給容器6と支持パイプ7と給水パイプ11に給水部13が接続されている。給水部13は、解し水供給容器6と支持パイプ7と給水パイプ11に対してそれぞれ異なる水圧および流量で水を供給することができる。なお、ホッパー1のドレン1Bから排出された貯留水W0は、再び、給水部13から流し込み水W1、押し込み水W2または解し水W3として使用されるように構成されている。
給水パイプ11と複数の流し込み水供給管12と給水部13により、ホッパー1の内側面2Aに沿ってホッパー1の上端からホッパー1内の貯留水W0中に流し込み水W1を供給する流し込み水供給部が構成されている。
また、支持パイプ7、複数の押し込み水供給パイプ8、複数の棒部材9、かき込み棒駆動部10および給水部13により、ホッパー1内の貯留水W0中で複数のかき込み棒を揺動させると共に貯留水W0中に押し込み水W2を供給してホッパー1内の茹麺を漏斗部4へかき込むためのかき込み部が構成されている。
さらに、漏斗部4と解し水供給容器6と給水部13により、漏斗部4内の貯留水W0中に解し水W3を供給する解し水供給部が構成されている。
【0022】
漏斗部4の下端に形成されている茹麺排出口5の下には、計量升連結体14が配置されている。計量升連結体14は、互いに同一の形状および同一の大きさに形成された一対の計量升15および16が連結板17により互いに連結されたものである。計量升15および16は、それぞれ、上端および下端が開放された概ね円筒状で且つ上端近傍が上方に向かうほど先細りとなる形状を有し、上端が茹麺排出口5と同等の径を有している。このような計量升15および16の上端が、互いに所定の間隔を隔てるように連結板17によって連結されている。ここで、計量升15および16の上端間の所定の間隔とは、計量升15の上端と計量升16の上端との間に存在する部分の連絡板17が茹麺排出口5を覆うことができるような間隔である。
また、計量升15および16は、複数の貫通孔を有するパンチングメタル等のパンチング板から形成されており、内部に茹麺を収容したまま、複数の貫通孔を通して水だけを外部に排出し得るように構成されている。
【0023】
計量升連結体14に計量升駆動部18が接続されている。計量升駆動部18は、漏斗部4の下端に形成された茹麺排出口5とわずかな間隔を隔てて茹麺排出口5の下側において、一方の計量升15が茹麺排出口5の直下に配置される位置と、他方の計量升16が茹麺排出口5の直下に配置される位置との間で、計量升連結体14を水平方向に往復動させるものである。
計量升連結体14の往復動に伴って計量升15の上端と計量升16の上端との間に存在する部分の連絡板17が茹麺排出口5の直下に位置したときに、連絡板17によって茹麺排出口5が閉じられ、計量升連結体14の移動に伴って茹麺排出口5が徐々に開き、計量升15および16のいずれか一方の上端が茹麺排出口5の直下に位置したときに、茹麺排出口5が全開となる。
なお、計量升駆動部18は、エアシリンダ、電磁シリンダ等から形成することができる。
【0024】
さらに、計量升連結体14の下側に回収シュート19が配置され、回収シュート19の上端には、茹麺排出口5の直下に閉鎖板20が固定されている。閉鎖板20は、計量升連結体14の計量升15および16の下端とわずかな間隔を隔てる高さに配置されると共に、茹麺排出口5の直下に位置する計量升15または16の下端を覆うだけの大きさを有している。
また、計量升連結体14の移動方向における閉鎖板20の両側には、それぞれ、計量升15または16の下端よりも大きな開口19Aおよび19Bが形成されている。
【0025】
このため、計量升15および16が閉鎖板20の直上に位置するときには、計量升15および16の下端が閉鎖板20により閉じられ、計量升15および16が開口19Aおよび19Bの上に位置するときには、計量升15および16の下端が開放されるように構成されている。
さらに、回収シュート19の下端に、計量升15および16で計量され且つ回収シュート19で回収された茹麺Nを取り出す茹麺取り出し口21が形成されている。
【0026】
また、かき込み棒駆動部10、給水部13および計量升駆動部18に制御部22が接続されている。制御部22は、かき込み棒駆動部10による支持パイプ7の所定の角度範囲内での回転駆動、給水部13による解し水供給容器6と支持パイプ7と給水パイプ11への給水、および、計量升駆動部18による計量升連結体14の往復動をそれぞれ制御するものである。
【0027】
次に、実施の形態1に係る茹麺の自動計量装置の動作について説明する。
まず、ホッパー1内に貯留水W0が収容され、制御部22の制御の下、かき込み棒駆動部10により、貯留水W0中で複数の押し込み水供給パイプ8および複数の棒部材9が揺動すると共に、給水部13により、流し込み水供給部の給水パイプ11、かき込み部の支持パイプ7および解し水供給部の解し水供給空間6A内にそれぞれ給水が行われ、複数の流し込み水供給管12からホッパー1の内側面2Aに沿ってホッパー1内の貯留水W0中に流し込み水W1が供給され、複数の押し込み水供給パイプ8からホッパー1内の貯留水W0中に押し込み水W2が供給され、漏斗部4の複数の貫通孔4Aを通して漏斗部4内の貯留水W0中に解し水W3が供給される。
さらに、制御部22の制御の下、計量升駆動部18により、計量升連結体14の水平方向の往復動が行われる。
【0028】
この状態で、多食分の麺をまとめて茹で上げた茹麺Nが、図示しない茹麺供給機から、ホッパー1内に存在する茹麺Nの量が茹麺Nの投入前後で大きく変化しないような分量で、ほぼ一定量ずつ投入シュート3の上に供給されると、茹麺Nは、投入シュート3を滑落し、ホッパー1の開口1Aから傾斜している内側面2Aに沿ってホッパー1内の貯留水W0中に投入される。
このとき、複数の流し込み水供給管12の先端から内側面2Aに沿って流し込み水W1が供給されているため、貯留水W0中に投入された茹麺Nは、ホッパー1の内側面2A上に滞ることなく、ホッパー1内部のかき込み部へと送られる。かき込み部では、複数の押し込み水供給パイプ8および複数の棒部材9が揺動すると共に複数の押し込み水供給パイプ8の先端から押し込み水W2が供給されているので、茹麺Nは、ホッパー1の底部に向かって押し込まれる。
【0029】
貯留水W0中をホッパー1の底部にまで至った茹麺Nは、漏斗部4の周壁に形成されている複数の貫通孔4Aからホッパー1の下端に向かって供給される解し水W3によって解されつつ、漏斗部4を通って茹麺排出口5から排出される。
ここで、
図3(A)に示されるように、計量升連結体14の往復動に伴って一方の計量升15が茹麺排出口5の直下に位置すると、茹麺排出口5が全開となり、漏斗部4内から茹麺排出口5を通って計量升15の内部に貯留水W0と共に茹麺Nが供給される。このとき、計量升15は、閉鎖板20の直上に位置するため、計量升15の下端が閉鎖板20により閉じられ、計量升15の内部に供給される茹麺Nが計量升15から排出されることはない。また、茹麺Nと共に計量升15の内部に供給された貯留水W0は、パンチング板から形成されている計量升15の壁部を通って計量升15の外部へ排出される。
【0030】
このようにして計量升15内に茹麺Nが充填された後、計量升連結体14が移動され、
図3(B)に示されるように、計量升15の上端と計量升16の上端との間に存在する部分の連絡板17が茹麺排出口5の直下に位置すると、連絡板17によって茹麺排出口5が閉じられ、漏斗部4内からの茹麺Nの排出が停止される。
このとき、計量升15は閉鎖板20の直上から回収シュート19の開口19A側に位置がずれ、閉鎖板20によって閉じられていた計量升15の下端が徐々に開いてくる。
【0031】
そして、
図3(C)に示されるように、計量升15が回収シュート19の開口19Aの上方に位置すると、計量升15の下端が全開となり、計量升15の内部に充填されていた茹麺Nが、計量升15の下端から回収シュート19内に落下し、茹麺取り出し口21から取り出される。
このとき、他方の計量升16が茹麺排出口5の直下に位置し、茹麺排出口5が再び全開となって、漏斗部4内から茹麺排出口5を通って計量升16の内部に茹麺Nが供給される。このとき、計量升16は、閉鎖板20の直上に位置するため、計量升16の下端が閉鎖板20により閉じられた状態にある。
【0032】
このようにして、計量升連結体14の一対の計量升15および16に交互に茹麺Nが充填されることにより、順次茹麺Nが容積計量され、回収シュート19の下端の茹麺取り出し口21から取り出される。
【0033】
この実施の形態1に係る茹麺の自動計量装置によれば、ホッパー1内に存在する茹麺Nの量が茹麺Nの投入前後で大きく変化しないような分量で、茹麺Nがほぼ一定量ずつ投入シュート3を介してホッパー1内の貯留水W0中に投入され、複数の流し込み水供給管12からホッパー1の内側面2Aに沿ってホッパー1内の貯留水W0中に流し込み水W1が供給され、複数の押し込み水供給パイプ8および複数の棒部材9が揺動しながら、複数の押し込み水供給パイプ8の先端からホッパー1内の貯留水W0中に押し込み水W2が供給され、漏斗部4の複数の貫通孔4Aを通してホッパー1の下端に向かって漏斗部4内の貯留水W0中に解し水W3が供給されるので、ホッパー1内に投入された茹麺Nは、絡みおよび詰まり等を生じることなく、適切に解されながら、ホッパー1の下端および漏斗部4を通って茹麺排出口5から排出される。このため、ホッパー1内の貯留水W0中の茹麺Nの密度、特に、茹麺排出口5に近接するホッパー1の下端および漏斗部4内の貯留水W0中の茹麺Nの密度が安定し、高精度に茹麺Nを容積計量して小分けすることが可能となる。
【0034】
これは、複数の流し込み水供給管12からホッパー1の内側面2Aに沿った流し込み水W1の供給、複数の押し込み水供給パイプ8からの押し込み水W2の供給、および、漏斗部4の複数の貫通孔4Aを通した解し水W3の供給により、ホッパー1内の貯留水W0中に安定した水流が発生して、ホッパー1内の茹麺Nが偏ることなく、茹麺Nの分散が促進されたことが大きな要因になっているものと考えられる。
なお、上記の実施の形態1では、漏斗部4の複数の貫通孔4Aが、それぞれ、水平面に対して70度の仰角を有していたが、これに限るものではなく、水平面に対し10〜80度の仰角を有して漏斗部4の上方に向かって形成されていても、同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
実施の形態2
実施の形態1で使用されたホッパー1では、投入シュート3が接続された内側面2Aと、この内側面2Aに対向する内側面2Bとが、鉛直面に対して反対方向で且つ同じ大きさの角度で対称に傾斜していたが、これに限るものではない。
図4に示されるように、実施の形態2に係る茹麺の自動計量装置で使用されるホッパー31では、投入シュート3が接続された内側面32Aに対向する内側面32Bが、内側面32Aよりも鉛直面に対して小さな傾斜角を有し、内側面32Aと内側面32Bとが非対称に形成されている。
実施の形態2に係る茹麺の自動計量装置は、ホッパー1の代わりにホッパー31を用いた他は、実施の形態1に係る茹麺の自動計量装置と同様の構成を有している。
【0036】
このようなホッパー31を使用することにより、複数の流し込み水供給管12からホッパー1の内側面2Aに沿った流し込み水W1の供給、複数の押し込み水供給パイプ8からの押し込み水W2の供給、および、漏斗部4の複数の貫通孔4Aを通した解し水W3の供給と併せて、ホッパー31内の水流の安定性が向上し、貯留水W0中における茹麺Nの分散が促進されて、さらに精度よく茹麺Nの容積計量を行うことが可能となる。
なお、投入シュート3が接続された内側面32Aに対向する内側面32Bの鉛直面に対する傾斜角を0とし、内側面32Bを鉛直方向に延びるように構成することもできる。
【0037】
実施の形態3
図1および2に示した実施の形態1の自動計量装置は、ホッパー1の下方に1つの漏斗部4と1つの計量升連結体14および1つの回収シュート19を配置した1連の計量装置であったが、共通のホッパーの下方に複数の漏斗部4を並置し、複数の漏斗部4に対応して複数の計量升連結体14と複数の回収シュート19を配置した多連の計量装置を構成することもできる。
図5に、実施の形態3に係る茹麺の自動計量装置を示す。この自動計量装置は、共通のホッパー41の下端に4つの漏斗部4を並置し、それぞれの漏斗部4の下方に計量升連結体14と回収シュート19を配置することにより、4連の計量装置としたものである。
【0038】
ホッパー41は、鉛直面に対して傾斜した内側面42Aを有し、内側面42Aの上端から斜め上方に平板形状の投入シュート43が延びている。投入シュート43の上方に配置され且つほぼ水平に延びる給水パイプ11には、4つの漏斗部4に対応して4本の流し込み水供給管12が連結されている。給水部13から給水パイプ11に給水を行うことにより、給水パイプ11の内部および流し込み水供給管12の内部を通って流し込み水供給管12の先端から内側面42Aに沿ってホッパー41内の貯留水W0中に流し込み水W1が供給される。
また、ホッパー41の内部にほぼ水平に延びる支持パイプ7には、4つの漏斗部に対して11本の押し込み水供給パイプ8と、これらの押し込み水供給パイプ8に直交するように10本の図示しない棒部材9が連結されている。かき込み棒駆動部10で支持パイプ7を所定の角度範囲内で中心軸Cの周りに回転させることにより、支持パイプ7に連結されている11本の押し込み水供給パイプ8および10本の棒部材9がホッパー1内の貯留水W0中で揺動すると共に、給水部13から支持パイプ7に給水を行うことにより、支持パイプ7の内部および押し込み水供給パイプ8の内部を通って押し込み水供給パイプ8の先端からホッパー1内の貯留水W0中に押し込み水W2が供給される。
【0039】
さらに、互いに並置された4つの漏斗部4の周壁を囲むように解し水供給容器6が配置されており、給水部13から解し水供給容器6の解し水供給空間6A内に給水を行うことにより、それぞれの漏斗部4の周壁に形成された複数の貫通孔4Aを通してそれぞれの漏斗部4内の貯留水W0中に解し水W3がホッパー41の下端に向かって供給される。
4つの漏斗部4の下端に形成されている茹麺排出口5の下方に配置された4つの計量升連結体14は、それぞれ、
図1に示したように、一対の計量升15および16を有し、計量升駆動部18により4つの計量升連結体14を同期させて、それぞれ水平方向に往復動させることができるように構成されている。
【0040】
次に、実施の形態3に係る茹麺の自動計量装置の動作について説明する。
まず、ホッパー41内に貯留水W0が収容され、制御部22の制御の下、かき込み棒駆動部10により、貯留水W0中で11本の押し込み水供給パイプ8および10本の棒部材9が揺動すると共に、給水部13により、流し込み水供給部の給水パイプ11、かき込み部の支持パイプ7および解し水供給部の解し水供給空間6A内にそれぞれ給水が行われ、4本の流し込み水供給管12からホッパー41内の貯留水W0中に流し込み水W1が供給され、11本の押し込み水供給パイプ8からホッパー41内の貯留水W0中に押し込み水W2が供給され、それぞれの漏斗部4の複数の貫通孔4Aを通して漏斗部4内の貯留水W0中に解し水W3が供給される。
さらに、制御部22の制御の下、計量升駆動部18により、4つの計量升連結体14の水平方向の往復動が行われる。
【0041】
この状態で、多食分の麺をまとめて茹で上げた茹麺Nが、図示しない茹麺供給機から、ホッパー41内に存在する茹麺Nの量が茹麺Nの投入前後で大きく変化しないような分量で、ほぼ一定量ずつホッパー41内の貯留水W0中に投入される。
このとき、4本の流し込み水供給管12の先端から内側面42Aに沿って流し込み水W1が供給されているため、貯留水W0中に投入された茹麺Nは、ホッパー41の内側面42A上に滞ることなく、ホッパー41内部へと送られる。ホッパー41の内部では、11本の押し込み水供給パイプ8および10本の棒部材9が揺動すると共に11本の押し込み水供給パイプ8の先端から押し込み水W2が供給されているので、茹麺Nは、ホッパー41の底部に向かって押し込まれる。
【0042】
貯留水W0中をホッパー41の底部にまで至った茹麺Nは、それぞれの漏斗部4の周壁に形成されている複数の貫通孔4Aからホッパー41の下端に向かって供給される解し水W3によって解されつつ、漏斗部4を通って茹麺排出口5から排出される。
ここで、4つの漏斗部4の下方に配置された4つの計量升連結体14が計量升駆動部18により同期して水平方向に往復動し、それぞれの計量升連結体14の一対の計量升15および16に交互に茹麺Nが充填されることにより、順次茹麺Nが容積計量される。このようにして、4つの漏斗部4に対応して配置された4つの回収シュート19の下端の茹麺取り出し口21から、それぞれ容積計量された茹麺Nが取り出される。
【0043】
上記の実施の形態3では、4つの漏斗部4を並置することにより4連の自動計量装置を構成したが、同様にして、2連、3連あるいは5連以上の多連の自動計量装置を構成することもできる。
また、ホッパー41としては、実施の形態1におけるホッパー1のように、互いに対向する一対の内側面2Aおよび2Bが鉛直面に対して反対方向で且つ互いに同じ大きさの角度で傾斜した対称形のホッパーを使用することもでき、あるいは、実施の形態2におけるホッパー31のように、内側面32Aと内側面32Bとが非対称に形成された非対称形のホッパーを使用することもできる。
【0044】
実施の形態4
上記の実施の形態1〜3で用いられた漏斗部4は、円錐台形状を有し、周壁に形成された複数の貫通孔4Aが、それぞれ、円錐台の中心軸に向かい且つ水平面に対して70度の仰角を有していたが、これに限るものではなく、
図6に示されるような漏斗部44を用いることもできる。
この漏斗部44は、下方に向かって径が小さくなるような円錐台部分45と、円錐台部分45の下端に接続された円筒部分46とからなる複合形状を有し、円筒部分46の下端に茹麺排出口47が配置されている。円錐台部分45と円筒部分46は、共通の中心軸C1を有している。
【0045】
円錐台部分45の周壁には、それぞれ中心軸C1に向かい且つ水平面に対し70度の仰角を有して漏斗部44の上方に向かう複数の第1の貫通孔48が形成されている。これらの第1の貫通孔48は、中心軸C1に沿って3列に配列されており、それぞれの列は、円錐台部分45の周方向に40度の中心角を隔てて互いに離れた9個の第1の貫通孔48から構成され、互いに隣接する列の第1の貫通孔48は、互いに円錐台部分45の周方向に20度だけずれた位置に配置されている。
【0046】
一方、円筒部分46の周壁には、それぞれ水平面に対し30度の俯角を有して漏斗部44の下方に向かう複数の第2の貫通孔49が形成されている。これらの第2の貫通孔49は、中心軸C1に沿って2列に配列されており、それぞれの列は、円筒部分46の周方向に40度の中心角を隔てて互いに離れた9個の第2の貫通孔49から構成され、互いに隣接する列の第2の貫通孔49は、互いに円筒部分46の周方向に20度だけずれた位置に配置されている。
また、複数の第2の貫通孔49は、
図7に示されるように、中心軸C1に向かう方向に対して同一の周方向に30度だけ傾斜して形成されており、それぞれの第2の貫通孔49を通して漏斗部44の円筒部分46内に解し水W3が供給されたときに、円筒部分46の内部に下方に向かう旋回流が形成されるように構成されている。
【0047】
このような漏斗部44を用いることにより、漏斗部44内における茹麺Nの解しが促進され、さらに精度よく茹麺Nの容積計量を行うことが可能となる。
この複合形状の漏斗部44は、実施の形態1に示したような1連の自動計量装置にも、また、実施の形態3に示したような多連の自動計量装置にも、適用することができる。
【実施例】
【0048】
まず、
図1および2に示した自動計量装置と同様の装置において、容量50リットル(5×10
−2m
3)のホッパー1の内側面2Aと内側面2Bの双方に2本ずつ流し込み水供給管12を配置すると共に、5本の押し込み水供給パイプ8を支持パイプ7に連結し、フッ素樹脂を含むコーティングが施されていない漏斗部4を使用し、押し込み水W2の流量を66kg/分、解し水W3の流量を47kg/分に固定しながら、流し込み水W1の水圧および流量を種々変化させて、太さ1.7mmの生麺200gに対応する茹麺Nの容積計量をそれぞれ2回行った。計量結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
流し込み水W1の水圧0.08Mpa、流量33kg/分にした場合の標準偏差は3.1gとなり、水圧0.02Mpa、流量13kg/分にした場合の標準偏差4.1gよりも精度よく計量し得ることがわかった。なお、流し込み水W1の水圧を0.2Mpaおよび0.3Mpaに設定したときには、流量が多すぎて、ホッパー1の下部に流しきれない水がホッパー1の上部へ逆流し、茹麺Nを計量升15および16に供給することができなかった。
【0051】
実施例1
そこで、容量50リットルのホッパー1に対し、流し込み水W1の流量を33kg/分、押し込み水W2の流量を66kg/分、解し水W3の流量を47kg/分に固定し、5本の押し込み水供給パイプ8を支持パイプ7に連結した自動計量装置を用い、チューブからなる流し込み水供給管12をホッパー1の茹麺Nを投入する内側面2A側に2本配置し、
図6および7に示した複合形状を有し且つフッ素樹脂を含むコーティングが施されていない漏斗部44を使用して、太さ1.7mmの生麺200gに対応する茹麺Nの計量をそれぞれ2回行った。なお、かき込み棒は、90度の揺動角度で且つ1往復1秒の速度で揺動させた。また、茹麺Nは、1回の投入量を200gとし、330kg/時の速度でホッパー1内に投入した。
【0052】
実施例2
パイプからなる流し込み水供給管12をホッパー1の内側面2A側に2本配置し、フッ素樹脂を含むコーティングが施された漏斗部44を使用する他は、実施例1と同様にして計量を行った。
【0053】
実施例3
パイプからなる流し込み水供給管12をホッパー1の内側面2A側に3本配置し、フッ素樹脂を含むコーティングが施された漏斗部44を使用する他は、実施例1と同様にして計量を行った。
【0054】
実施例4
図4に示したように内側面32Aに対向する内側面32Bが鉛直方向に延びている容量45リットルのホッパー31の内側面32A側にパイプからなる流し込み水供給管12を3本配置し、フッ素樹脂を含むコーティングが施された漏斗部44を使用する他は、実施例1と同様にして計量を行った。
【0055】
比較例1
チューブからなる流し込み水供給管12をホッパー1の茹麺Nを投入する内側面2Aに対向する内側面2B側に2本配置した他は、実施例1と同様にして計量を行った。
【0056】
比較例2
パイプからなる流し込み水供給管12をホッパー1の内側面2A側と内側面2B側の双方に3本ずつ配置し、フッ素樹脂を含むコーティングが施された漏斗部44を使用する他は、実施例1と同様にして計量を行った。
【0057】
これら実施例1〜4および比較例1〜2の計量結果を表2に示す。なお、表2の「ホッパーの形状」における「対称形」は、
図1に示したホッパー1のように、茹麺Nが投入される側の内側面2Aと、内側面2Aに対向する内側面2Bとが、鉛直面に対して反対方向で且つ互いに同じ大きさの角度で対称に傾斜したホッパー形状を示し、「非対称形」は、
図4に示したホッパー31のように、茹麺Nが投入される側の内側面32Aと、内側面32Aに対向する内側面32Bとが、鉛直面に対して非対称に形成されたホッパー形状を示している。
【0058】
【表2】
【0059】
流し込み水供給管12をホッパー1の内側面2A側あるいはホッパー31の内側面32A側のみに配置することで、茹麺Nを精度よく計量し得ることがわかった。特に、
図4に示した実施の形態2のように、内側面32Aと内側面32Bが非対称に傾斜しているホッパー31を使用した実施例4では、標準偏差を1.7gにまで向上させることができ、高精度な計量が可能であることが判明した。
また、実施例1〜4において、さらに、流し込み水W1の流量を種々変化させて、太さ1.7mmの生麺200gに対応する茹麺Nの容積計量をそれぞれ行ったところ、実施例1〜3で用いた容量50リットルのホッパー1および実施例4で用いた容量45リットルのホッパー31に対しては、流し込み水W1の流量は、15kg/分以上で且つ45kg/分以下であれば、茹麺Nを高精度に計量し得ることがわかった。
なお、フッ素樹脂を含むコーティングが施されている漏斗部44を使用した実施例2〜4では、計量終了後に漏斗部44の内面に茹麺Nの付着は確認されなかったが、コーティングが施されていない漏斗部44を使用した実施例1においては、計量終了後に漏斗部44の内面の一部に茹麺Nの付着が確認された。フッ素樹脂を含むコーティングにより、漏斗部44の内面の潤滑性が向上することがわかる。
【0060】
次に、流し込み水W1を供給する流し込み水供給管12の本数が計量精度に及ぼす影響を調べるために、以下の実施例5〜7を実施した。
実施例5
図1および2に示した自動計量装置と同様の1連の装置において、容量50リットルのホッパー1に対し、流し込み水供給管12を1本とし、流し込み水W1の流速を2m/秒、押し込み水W2の流速を8m/秒、解し水W3の流速を3m/秒に固定し、
図6および7に示した複合形状の漏斗部44を使用して、ハーフサイズの乾麺200gに対応する茹麺Nの計量を行った。なお、かき込み棒は、90度の揺動角度で且つ1往復1秒の速度で揺動させた。また、茹麺Nは、1回の投入量を200gとし、330kg/時の速度でホッパー1内に投入した。
【0061】
実施例6
流し込み水供給管12をホッパー1の内側面2A側に2本配置する他は、実施例5と同様にして計量を行った。
実施例7
流し込み水供給管12をホッパー1の内側面2A側に3本配置し、流し込み水W1の流速を4m/秒とする他は、実施例5と同様にして計量を行った。
これら実施例5〜7の計量結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
流し込み水供給管12の本数を1〜3の間で変化させても、計量精度はほとんど変わらないことがわかった。
なお、実施例5〜7において得られた標準偏差は、0.6〜0.7gであり、実施例1〜4に比べて大幅に向上しているが、これは、ハーフサイズの乾麺を使用したことが原因しているものと思われる。
【0064】
次に、4連の自動計量装置を使用したときの、各種条件の影響を調べるために、以下の実施例8〜13を実施した。
実施例8
図5に示した自動計量装置と同様の4連の装置において、容量150リットルのホッパー41に対し、4本の流し込み水供給管12を配置し、流し込み水W1の流速を4m/秒、押し込み水W2の流速を8m/秒、解し水W3の流速を3m/秒に固定し、
図6および7に示した複合形状の漏斗部44を使用して、生麺200gに対応する茹麺Nの計量を行った。なお、かき込み棒は、90度の揺動角度で且つ1往復1秒の速度で揺動させた。また、茹麺Nは、1回の投入量を200gとし、330kg/時の速度でホッパー41内に投入した。
【0065】
実施例9
押し込み水W2の流速を4m/秒とする他は、実施例8と同様にして計量を行った。
実施例10
円錐台形状の漏斗部4を使用し、解し水W3の流速を4m/秒とする他は、実施例9と同様にして計量を行った。
実施例11
流し込み水W1の流速を6m/秒とする他は、実施例10と同様にして計量を行った。
実施例12
流し込み水供給管12を5本配置し、流し込み水W1の流速を8m/秒とする他は、実施例10と同様にして計量を行った。
【0066】
これら実施例8〜12の計量結果を表4に示す。なお、表4における「各連の標準偏差」は、4つの回収シュート19の茹麺取り出し口21からそれぞれ取り出された茹麺Nに対する4つの値を列挙したもので、「全体の標準偏差」は、4つの回収シュート19の茹麺取り出し口21から取り出された茹麺Nの全体に対する標準偏差を示している。
【0067】
【表4】
【0068】
実施例10〜12の計量結果から、実施例12のように流し込み水W1の流速を8m/秒まで増加させると、標準偏差の値が大幅に増加し、計量のばらつきが大きくなるが、実施例10および11のように流し込み水W1の流速を6m/秒以下とすることで、計量精度が向上することが確認された。
実施例8および9の計量結果から、実施例8のように押し込み水W2の流速を8m/秒とする方が、実施例9のように押し込み水W2の流速を4m/秒とした場合よりも、計量精度が向上することが確認された。ただし、実施例9のように押し込み水W2の流速を4m/秒まで低下させても、十分な計量精度が得られることがわかった。
また、実施例9および10の計量結果から、実施例9のように解し水W3の流速を3m/秒とする方が、実施例10のように解し水W3の流速を4m/秒とした場合よりも、計量精度が向上することが確認された。ただし、実施例10のように解し水W3の流速を4m/秒まで増加させても、十分な計量精度が得られることがわかった。
【0069】
さらに、
図1に示した円錐台形状の漏斗部4を使用した実施例10における全体の標準偏差が2.5gであるのに対し、
図6および7に示した複合形状の漏斗部44を使用した実施例9における全体の標準偏差は2.2gであり、複合形状の漏斗部44を使用することで、計量精度が向上することが確認された。
【0070】
上記の実施例1〜12を含む各種の計量実験を行ったところ、1連の自動計量装置および4連の自動計量装置における流し込み水W1、押し込み水W2および解し水W3の最適流速条件は、それぞれ、以下の表5に示すものであることがわかった。
【0071】
【表5】
【0072】
なお、上記の表1では、1連の自動計量装置に対して3本の流し込み水供給管を使用しているが、実施例5〜7により確認されたように、1本の流し込み水供給管でもよい。1連あたり1本の流し込み水供給管を配置すれば、精度のよい計量を行うことができる。
また、この発明に係る茹麺の自動計量装置は、スパゲティ等のロングパスタ、冷麦および素麺等を含むうどん、そば等の計量に適用し得ることはもちろん、さらに、ショートパスタ、糸こんにゃく、葛等に対しても、精度よく高い処理能力で計量を行うことが可能となる。