(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作量選択部では、前記第1操作量と第2操作量とを比較した結果に基づき、前記第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
前記第1操作量は、前記レンズホルダの目標位置または前記レンズホルダの目標速度の少なくとも一方と、前記レンズホルダの実位置とに基づく請求項1〜7のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
前記制御部は、前記第1操作量に基づいて前記レンズホルダを移動させるときに前記レンズホルダの移動速度が目標速度を超えることを許容する請求項1〜8のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
前記操作量選択部は、前記レンズホルダの目標位置に対応する焦点深度を考慮して、前記第1操作量または第2操作量のいずれかを選択する請求項1〜11のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、目標位置に向けてのレンズの素早く正確な移動を可能とするレンズ鏡筒および撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るレンズ鏡筒は、
撮影光学系(102,104,106,152,108)と、
前記撮影光学系を構成するレンズ群の少なくとも一部(152)を保持するレンズホルダ(154)を所定方向に移動させる駆動部(10)と、
前記駆動部に制御信号を送り前記駆動部を制御する制御部(30)とを有するレンズ鏡筒であって、
前記制御部(30)が、
フィードバック制御を行うための第1操作量を出力する第1操作量出力部(18)と、
前記レンズホルダを所定位置に保持するために必要な第2操作量を出力する第2操作量出力部(20)と、
前記第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択する操作量選択部(16)と、を有する。
【0008】
第2操作量出力部(20)は、前記レンズホルダ(154)を一定位置に保持していた第1の時刻における操作量を、前記第2操作量として記憶する記憶部を有してもよい。
【0009】
前記第1の時刻(t0)が、
現在の第2の時刻(t1,t2)よりも前の時刻であり、
前記第1の時刻から前記第2の時刻までの時間が所定時間(α)以上である場合には、前記操作量選択部(16)では、前記第2操作量ではなく、前記第1操作量を選択するように構成してもよい。
【0010】
前記第1の時刻(t0)における前記レンズ鏡筒(100)の第1姿勢情報と、
現在の第2の時刻(t1,t2)における前記レンズ鏡筒の第2姿勢情報との差が所定値以上である場合には、前記操作量選択部(16)では、前記第2操作量ではなく、前記第1操作量を選択するように構成してもよい。
【0011】
本発明の第2の観点に係るレンズ鏡筒は、
【0012】
撮影光学系(102,104,106,152,108)と、
前記撮影光学系を構成するレンズ群の少なくとも一部(152)を保持するレンズホルダ(154)を所定方向に移動させる駆動部(10)と、
前記駆動部に制御信号を送り前記駆動部を制御する制御部(30)とを有するレンズ鏡筒であって、
前記制御部(30)が、
フィードバック制御を行うための第1操作量を出力する第1操作量出力部(18)と、
前記レンズホルダの姿勢データから、前記レンズホルダを所定位置に保持するために必要な第2操作量(
図10)を出力する第2操作量出力部(20)と、
前記第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択する操作量選択部(16)と、を有する。
【0013】
前記操作量選択部(16)では、前記撮影光学系による被写界深度が所定範囲内であるタイミング(t2)で、第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択するようにしてもよい。
【0014】
前記駆動部により前記レンズ群をオートフォーカス駆動する際に、
前記レンズ群を初期位置に戻す初期駆動の時と、前記レンズ群をサーチ動作させるサーチ駆動の時とでは、前記操作量選択部は、前記第1操作量のみを選択し、
前記レンズ群を前記サーチ動作で検出した合焦位置に移動させる合焦動作の時に、前記操作量選択部では、前記第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択するようにしてもよい。
【0015】
前記操作量選択部では、前記第1操作量と第2操作量とを比較した結果に基づき、前記第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択するようにしてもよい。
【0016】
本発明に係る撮影装置(300)は、
撮影光学系(102,104,106,152,108)と、
前記撮影光学系を構成するレンズ群の少なくとも一部(152)を保持するレンズホルダ(154)を所定方向に移動させる駆動部と、
前記駆動部に制御信号を送り前記駆動部を制御する制御部(30,40)とを有する撮影装置であって、
前記制御部(30,40)が、
フィードバック制御を行うための第1操作量を出力する第1操作量出力部(18)と、
前記レンズホルダを所定位置に保持するために必要な第2操作量を出力する第2操作量出力部(20)と、
前記第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択する操作量選択部(16)と、を有する。
【0017】
なお、上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
【0020】
図1に示す本発明の一実施形態に係る撮影装置としてのカメラ300は、レンズ鏡筒100とカメラ本体200とを有する。なお、以下の実施形態では、レンズ鏡筒100がカメラ本体200に着脱自在に取り付けられるレンズ交換式の一眼レフカメラを例に説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、レンズ鏡筒とカメラ本体とが一体であるコンパクトカメラやカメラ付きモバイル機器であっても良い。
【0021】
レンズ鏡筒100には、光軸Lに沿って被写体側から、第1レンズ部102、第2レンズ部104、第3レンズ部106、第4レンズ部としてのフォーカスレンズ部150、第5レンズ部108の順に配置されており、被写体側からの光をカメラ本体200の撮像部(不図示)に導く。第1レンズ部102、第2レンズ部104、第3レンズ部106、フォーカスレンズ部150、第5レンズ部108は、光軸Lに対して平行方向または垂直方向に移動し、ズーム調整、フォーカス調整、ブレ補正等を行う。
【0022】
以下の説明では、光軸Lと平行な軸をZ軸とし、このZ軸に垂直な平面をX軸とY軸を含む面とする。X軸とY軸とは、相互に垂直である。
【0023】
図2(a)および
図2(b)に示すように、フォーカスレンズ部150は、レンズホルダ154に保持されたフォーカスレンズ群152を有する。フォーカスレンズ群152は、X−Y平面上で、レンズホルダ154の略中心に配置される。
【0024】
図2(a)に示すように、レンズホルダ154には、周方向に沿って時計回りに、第1VCM156、第1ガイド部172、第2VCM164、第2ガイド部174の順に配置されている。第1VCM156と第1ガイド部172と第2VCM164と第2ガイド部174とは、周方向にほぼ等しい角度で配置される。
【0025】
第1VCM156および第2VCM164は、フォーカスレンズ群152の略中心を含むY軸方向の両側に配置される。フォーカスレンズ群152の略中心から第1VCM156までの距離と、フォーカスレンズ群152の略中心から第2VCM164までの距離とは同程度である。
【0026】
第1VCM156および第2VCM164は、電磁アクチュエータであり、
図2(b)に示すように、レンズホルダ154は、第1VCM156および第2VCM164により、光軸Lに沿って相対移動可能である。
【0027】
第1ガイド部172および第2ガイド部174は、フォーカスレンズ群152の略中心を含むX軸方向の両側に配置される。フォーカスレンズ群152の略中心から第1ガイド部172までの距離と、フォーカスレンズ群152の略中心から第2ガイド部174までの距離とは同程度である。
【0028】
図3に示すように、第1ガイド部172は、Z軸方向に伸びる第1ガイドバー176に摺動可能に保持され、第2ガイド部174は、光軸L方向に伸びる第2ガイドバー178に摺動可能に保持される。
【0029】
第1ガイド部172は、軸受け部を持ち、軸受け部に第1ガイドバー176を挿入させることで、光軸L方向に平行な第1ガイドバー176に沿って、第1ガイド部172をスムーズに摺動させるようになっている。
【0030】
第2ガイド部174は、
図2(a)に示すように、X軸方向に細長に形成された長穴を有する。第2ガイドバー178は、光軸L方向に沿ってスムーズに摺動し且つX軸方向に遊びを持つように第2ガイド部174の長穴に嵌合される。
【0031】
第2ガイドバー178を、X軸方向に遊びを持たせて、第2ガイド部174に嵌合させているので、レンズホルダ154を光軸Lに沿ってスムーズに移動させることができる。また、レンズホルダ154が光軸L方向に沿って移動する間、第2ガイド部174は、レンズホルダ154が光軸Lに対して回転することを防止することができる。
【0032】
図3に示すように、レンズホルダ154には、第1ガイド部172と第1VCM156との間に位置で、半径方向の外方に突出する突起180が形成されている。突起180は、レンズホルダ154と共に光軸L方向に移動し、たとえば突起180の位置を検出センサ182が検出するようになっている。すなわち、検出センサ182は、たとえば、レンズホルダ154の位置座標を検出する測距センサ等で構成される。
【0033】
図2(a)および
図2(b)に示すように、第1VCM156は、第1駆動用コイル158、第1駆動用磁石160、第1ヨーク162を有する。第1ヨーク162は、
図2(b)に示す断面においてU字形状であり、X−Z平面に平行な外側ヨーク部162Aおよび内側ヨーク部162Bを有する。これらの外側ヨーク部162Aと内側ヨーク部162Bとは、光軸L方向の一方の端部において、結合部162Cで一体的に結合してある。これらの外側ヨーク部162Aおよび内側ヨーク部162Bの他方の端部は、レンズ鏡筒100の固定部110に取り付けられる。
【0034】
第1駆動用磁石160は、第1ヨーク162に覆われるようにして配置されて、第1ヨーク162の外側ヨーク部162Aの内側に、ネジ止め、接着あるいはその他の方法で固定される。第1駆動用磁石160は、Y軸に沿って着磁されており、第1ヨーク162とともにY軸に沿って磁界を発生する磁気回路を構成する。
【0035】
第1駆動用コイル158は、レンズホルダ154に取り付けられており、第1駆動用磁石160と第1ヨーク162との間に発生する磁界と垂直な方向に電流が流れるように配置されている。すなわち、第1駆動用磁石160と第1ヨーク162とで構成される磁気回路が、第1ヨーク162内に配置された第1駆動用コイル158に対してY軸方向に磁界を発生させるので、第1駆動用コイル158は、Y軸に垂直なX軸に沿って電流が流れるように配置される。
【0036】
第1駆動用コイル158に電流を流すことにより第1駆動用コイル158に生じるローレンツ力を受けて、レンズホルダ154が駆動され、フォーカスレンズ群152が光軸L(Z軸)に沿って移動する。
【0037】
第2VCM164は、第2駆動用コイル166、第2駆動用磁石168、第2ヨーク170を有する。第2VCM164は、上述の第1VCM156の構成と同様なので、その説明を省略する。
【0038】
次に、
図1に基づき、フォーカスレンズ部150を光軸Lに沿って移動させるための制御ブロック図について説明する。本実施形態では、レンズ鏡筒100には、レンズ側制御部30が具備してあり、カメラ本体200には、ボディ側制御部40が具備してあり、通信部44を通して、制御部30および40間でデータ通信を行う。
【0039】
図1に示す駆動部10は、
図2および
図3を用いて上述した第1VCM156の第1駆動用コイル158と、第2VCM164の第2駆動用コイル166に対応する。駆動部10は、制御部30のドライバ14により制御される。ドライバ14は、操作量選択部16にて選択される操作量のデータに基づき、駆動部10を制御し、フォーカスレンズ部150を光軸方向の所定位置に移動させてフォーカシング動作を行わせる。
【0040】
操作量選択部16は、位置検出部12、第1操作量出力部18、第2操作量出力部20および姿勢センサ22からのデータを必要に応じて受け取り、所定の条件を判断して、ドライバ14に、必要な操作量データを送る。位置検出部12は、たとえば
図3に示す検出センサ182であり、Z軸方向に移動するレンズホルダ154のZ軸方向位置を検出可能になっている。位置検出部12により検出されたレンズホルダ154のZ軸方向位置に関するデータは、第1操作量出力部18に入力されると共に、必要に応じて、操作量選択部16に入力される。
【0041】
第1操作量出力部18では、たとえばボディ側制御部40から出されたレンズ移動指令データと、位置検出部12からの位置データに基づき、フィードバック制御データである第1操作量データを生成して操作量選択部16に出力する。第1操作量データとは、フィードバック制御に基づき、ドライバ14を用いて駆動部10を制御するためのデータであり、たとえば
図11(C)、
図12(C)および
図13(C)に示すような実線波形のデータであり、駆動部10に加える電流量、電力、あるいは駆動用デューティと考えることができる。
【0042】
第1操作量データは、
図11(A)、
図12(A)および
図13(A)に示すレンズ(レンズホルダ154)の目標位置と、実際のレンズ(レンズホルダ154)の位置(実レンズ位置)とに応じて、時間の径化と共に変動するドライバ14への指令データである。また、第1操作量データは、
図11(B)、
図12(B)および
図13(B)に示すレンズ(レンズホルダ154)の目標速度と、実際のレンズ(レンズホルダ154)の速度とに応じて、時間の径化と共に変動するドライバ14への指令データであるということもできる。
【0043】
なお、第1操作量出力部18にて行われるフィードバック制御の種類は、特に限定されず、速度偏差を利用したフィードック制御、位置偏差を利用したフィードバック制御のいずれでもよく、また、PID制御にも限定されない。
【0044】
第2操作量出力部20では、ボディ側制御部40からの指令データ、あるいは第1操作量出力部18からの目標位置と実レンズ位置との乖離データ、あるいは姿勢センサ22,42からのカメラ姿勢データなどに基づき、第2操作量データを生成して、操作量選択部16に出力する。第2操作量出力部20では、第1操作量出力部18が行っているフィードック制御とは異なる制御を行う。
【0045】
第2操作量データは、レンズホルダ154をZ軸方向の所定位置に固定保持するために、ドライバ14から駆動部10に出力する駆動信号であり、カメラ100の姿勢や、環境温度、レンズ鏡筒の内部構造などにより変化するデータである。たとえばカメラ300のレンズ鏡筒100を鉛直方向の真上や真下に向ける場合にレンズホルダ154をZ軸方向の所定位置に停止して保持させる場合には、レンズホルダ154およびレンズ群152の重力に反する力が駆動部10に作用するように、ドライバ14から駆動部10に操作量データを出力する必要がある。そのときに必要となる操作量データを、本実施形態では、第2操作量データと称している。
【0046】
なお、第2操作量データが環境温度により変化する理由としては、たとえば、
図3に示すガイド部172および274などに用いる軸受けのグリースなどが温度変化で粘性が変化して、レンズホルダ154を所定位置に保持するための保持力が変化するためなどが考えられる。さらに、第2操作量データがレンズ鏡筒の内部構造により変化する理由としては、たとえば、レンズホルダ154に対して常にスプリング力が作用している場合などが考えられる。
【0047】
なお、本実施形態では、
図1に示す姿勢センサ22,42としては、カメラ300(レンズ鏡筒100およびカメラ本体200含む)の姿勢を検出できるものであれば特に限定されず、たとえばジャイロセンサ、加速度センサなどで構成される。また、
図1では、レンズ側制御部30の内部を、ドライバ14、操作量選択部16、第1操作量出力部18および第2操作量出力部20のみで構成してあるが、レンズ側制御部30は、その他の制御ブロックを有していてもよい。また、ドライバ14、操作量選択部16、第1操作量出力部18および第2操作量出力部20は、それぞれ制御回路として図示してあるが、必ずしも制御回路である必要はなく、後述するフローチャートの制御を行うプログラムであっても良い。
【0048】
次に、
図4に示すフローチャートに基づき、
図1に示す制御部30の動作の一例について説明する。たとえば
図4に示すように、制御がスタートすると、ステップS1にて、
図1に示すレンズホルダ154のZ軸方向位置を、位置検出部12により検出する。より具体的には、
図1に示すボディ側制御部40から指令データが通信部44を介してレンズ側制御部30に入ると、制御部30では、たとえば
図11(A)または
図12(A)に示すレンズのZ軸方向の目標位置に対して、実際のレンズの位置(以下、実レンズ位置とも称する)が、どの程度離れているかを検出する。
【0049】
次に、
図4に示すステップS2では、実レンズ位置が所定の条件を満足するかを、
図1に示す操作量選択部16または第1操作量出力部18が判断する。本実施形態では、
図4に示すステップS2では、
図11(A)または
図12(A)に示す実レンズ位置が、目標位置に既に到達したか否かを判断する。目標位置に既に到達していれば、
図4に示すステップS6に行き、超えていなければ、ステップS3〜ステップS5に行き、通常のフィードバック制御を繰り返す。
【0050】
すなわち、ステップS3では、たとえば
図1に示す第1操作量出力部18が、
図11(B)または
図12(B)に示す速度偏差を利用したフィードック制御を行うために、
図11(C)または
図12(C)に示す第1操作量のデータを成形し、
図1に示す操作量選択部16に出力する。
【0051】
図4に示すステップS4では、
図1に示す操作量選択部16が、第1操作量のデータを選択し、
図4に示すステップS5では、その第1操作量のデータをドライバ14に出力し、ドライバ14は、その第1操作量のデータに基づく制御信号にて駆動部10を駆動する。ステップS2において、条件が満足されるまでは、ステップS1〜ステップS5が繰り返されてフィードバック制御が行われる。
【0052】
図4に示すステップS2において、条件が満足、たとえば
図11(A)または
図12(A)に示す実レンズ位置が、目標位置に到達した場合には、
図1に示す第2操作量出力部20が第2操作量のデータを生成して、操作量選択部16に出力する。第2操作量出力部20における第2操作量のデータの生成は、たとえばレンズ保持力の推定により行う。
【0053】
レンズ保持力の推定方法は、特に限定されないが、カメラ300の環境温度、レンズ鏡筒100の内部構造、カメラ300の使用年数、カメラの姿勢等のデータから、第2操作量出力部20が演算して推定してもよい。あるいは、後述するように、現時点から所定時間αの前に、レンズホルダを停止保持するために要した実際の保持力に相当する操作量のデータを、メモリなどの記憶手段に記憶しておき、その操作量のデータを、現時点での保持力として推定してもよい。
【0054】
第2操作量のデータとして用いられる推定保持力は、
図1に示すレンズホルダ154をZ軸方向に停止して保持するために必要な保持力であり、
図11(C)および
図12(C)に示すように、静止摩擦を考慮した保持力の範囲β内における所定値(時間によらない一定値)であり、レンズホルダに作用する力が釣り合う操作量β1に近い値であるが、それとは必ずしも一致しなくともよい。なお、レンズホルダに作用する力が釣り合う操作量β1とは、たとえばレンズ鏡筒100の光軸が水平であれば、理想的には、0に近い値であり、操作量が0でも、レンズホルダは、Z軸方向に移動せずに停止する。
【0055】
いずれにしても、
図1に示す第2操作量出力部20は、推定された保持力を、第2操作量データとして操作量選択部16に出力する(ステップS6)。操作量選択部16では、ステップS2での条件を満足していることを条件として、第1操作量データではなく、第2操作量データを、ドライバ14に出力する(ステップS6)。その切り替えのタイミングt1は、本実施形態では、
図11および
図12に示すように、実レンズ位置が目標位置に到達した時点であり、そのタイミングt1以降では、フィードバック制御ではなく、予め決められた第2操作量のデータに基づく制御が行われる。
【0056】
本実施形態に係るレンズ鏡筒100およびカメラ300では、
図1に示す制御部30または制御部40が、第1操作量出力部18と、第2操作量出力部20と、操作量選択部16と、を有する。そのため、本実施形態では、
図11および
図12に示すように、実レンズ位置が目標位置に到達するなどの所定のタイミングt1で、
図1に示すドライバ14から駆動部10に出力される制御操作量を、第1操作量から第2操作量に切り替えることができる。
【0057】
第1操作量は、前述したように、フィードバック制御に基づき時間と共に変化する制御量であり、
図11および
図12に示すように、タイミングt1後にも、第1操作量による制御(従来の制御)を行うと、
図11および
図12に示すt1後の点線で示すように、レンズ位置が目標位置を大きくオーバーシュートする可能性がある。
【0058】
なお、
図11の例では、
図1に示す駆動部10によるレンズホルダ154の駆動力が弱くなった場合などに起こりうる駆動波形を示している。温度などの環境変化や製品ばらつき等により駆動力が想定よりも弱くなると、加減速時の速度偏差が大きくなり、従来では、
図11のタイミングt1後の点線で示すように、レンズ位置が目標位置からオーバーシュートする可能性が高かった。これに対して、本実施形態では、実線で示すように、第1操作量から第2操作量に切り替えるために、オーバーシュートする可能性が低くなり、短時間でレンズ位置を目標とする位置に近づけることが可能になる。
【0059】
また、
図12の例では、レンズホルダ154を短い距離の移動時、あるいは摺動面悪化による静止摩擦の増大により、レンズ速度が、目標速度を大きくオーバーシュートした場合の駆動波形である。この場合、レンズ速度が目標速度に収束する前のタイミングt1にて、レンズ位置が目標位置に到達してしまうので、レンズ位置が目標位置からオーバーシュートする可能性が高かった。
【0060】
これに対して、本実施形態では、実線で示すように、タイミングt1にて第1操作量から第2操作量に切り替えるために、オーバーシュートする可能性が低くなり、短時間でレンズ位置を目標とする位置に近づけることが可能になる。すなわち、本実施形態では、レンズホルダ154の移動中に目標位置を行き過ぎてしまうと判断したタイミングt1にて、操作量をフィードバック制御演算値(第1操作量)ではなく、推定した可動部保持力相当(第2操作量)に設定することで、より素早くレンズホルダ154を、目標位置またはその極近傍に停止させることができる。
【0061】
本実施形態では、
図11および
図12のいずれのレンズ駆動波形例においても、レンズホルダ154の移動中における減速の途中において、フィードバック制御である第1操作量から、推定された保持力に基づく第2操作量に切替ったことで、従来よりも速く停止でき、レンズ位置の行き過ぎ量を抑えることができる。すなわち、本実施形態では、目標位置に向けてのレンズの素早く正確な移動が可能となる。
第2実施形態
【0062】
本実施形態に係るレンズ鏡筒およびカメラは、第1実施形態に係るレンズ鏡筒100およびカメラ300に対して、以下に述べる部分が相違するのみであり、その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。
【0063】
本実施形態では、
図1に示す第1操作量出力部18、第2操作量出力部20または操作量選択部16を用いて行われる第1操作量から第2操作量への切り替えのタイミングを、
図13に示すタイミングt2で行っている。
【0064】
図13に示す実施形態では、実レンズ位置が目標位置に到達した時点で第1操作量から第2操作量に切り替えるのではなく、その前のタイミングt2にて、
図1に示す操作量選択部16が、第1操作量から第2操作量に切り替える。
【0065】
操作量選択部16による切り替えのタイミング(あるいは切り替えが必要か否かを判断するタイミング)t2は、少なくとも実レンズ位置が目標位置に到達する前が好ましく、目標速度が減速される途中、あるいは減速後のタイミングである。具体的には、たとえば以下のようにして、タイミングt2が決定される。
【0066】
図1に示すレンズホルダ154をZ軸方向に移動させてオートフォーカシング動作を行わせるには、たとえばコントラストAF、位相AF、あるいはその他のAF方式がある。いずれにしても、レンズホルダ154を移動させて停止させることから、AFの方式によらず、本発明の構成を適用することができる。
【0067】
たとえばコントラストAFの場合には、レンズ群152を初期位置に戻す初期駆動の動作(無い場合もあり得る)と、レンズ群152をサーチ動作させるサーチ駆動動作と、レンズ群152をサーチ動作で検出した合焦位置に移動させる合焦動作とを有する場合がある。初期駆動の動作とサーチ動作の場合には、レンズ群152を正確に停止させる必要がないことから、前述した第1操作量のみの制御を行い、合焦動作時にのみ、
図1に示す操作量選択部16では、第1操作量および第2操作量の内のいずれかを選択するようにしてもよい。
【0068】
本実施形態では、合焦動作時におけるレンズホルダ154の移動減速の途中あるいは移動減速後に、以下に示すタイミングt2にて、第1操作量から第2操作量に切り替わる。前述したサーチ動作にて合焦位置が判明すると、たとえば
図1に示す制御部40または制御部30は、
図13(A)に示す目標位置を設定し、レンズホルダ154の現在位置から目標位置まで移動させるための目標速度を、
図13(B)に示すように設定する。合焦動作では、移動距離が短いことから、実際のレンズ速度は、
図13(B)に示すように、目標速度を超えやすい。
【0069】
本実施形態では、目標位置に対応する焦点深度(被写界深度)の範囲γを、いずれかの制御部30,40にて演算し、その範囲γの下限位置(目標位置の手前)、あるいは目標位置から焦点深度γの下限位置までの間のいずれかに対応する位置に、レンズ位置が到達した場合をタイミングt2として検知し、そのタイミングt2で、
図1に示す選択部16が切り替えの判断を行う。
【0070】
従来、レンズホルダ154を短い距離で移動させる時には、
図13(B)に示すように、レンズ速度が、目標速度を大きくオーバーシュートすることになり、
図13(A)の点線で示すように、目標位置を大きくオーバーシュートしてしまう。
【0071】
これに対して、本実施形態では、実線で示すように、タイミングt2にて第1操作量から第2操作量に切り替えるために、オーバーシュートする可能性が低くなり、短時間でレンズ位置を目標とする位置に近づけることが可能になる。すなわち、本実施形態では、目標位置に対応する焦点深度(被写界深度)の範囲γの下限位置に対応するタイミングt2にて、操作量をフィードバック制御演算値(第1操作量)ではなく、推定した可動部保持力相当(第2操作量)に設定することで、より素早くレンズホルダ154を、目標位置またはその極近傍に停止させることができる。
第3実施形態
【0072】
本実施形態に係るレンズ鏡筒およびカメラは、第1実施形態または第2実施形態に係るレンズ鏡筒100およびカメラ300に対して、以下に述べる部分が相違するのみであり、その他の構成は、第1実施形態または第2実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。
【0073】
本実施形態では、
図1に示す制御部30,40が、
図5〜
図7に示すフローチャートの制御を行う。
図5に示すように、制御がスタートすると、ステップS11では、
図1に示す第1操作量出力部18が、フィードバック制御に基づき第1操作量を演算する。
【0074】
次に、
図5に示すステップS12では、たとえば
図1に示す位置検出部12から検出された位置データから、制御部30または制御部40は、レンズホルダ154の速度を検出する。ステップS12における速度の検出は、位置検出部12以外のセンサで行ってもよい。
【0075】
次に
図5に示すステップS13では、ステップS12で検出された速度に基づき、制御部30または40が、レンズホルダ154のZ軸方向の速度が0であるか否かを判断する。速度が0である場合には、ステップS14へと進み、
図1では図示が省略してある記憶部としてのメモリ(制御部30の内部)に記憶してある第2操作量を更新して、ステップS15にて、そのタイミングの現時点t0をメモリに保存する。その後に、ステップS16にて、制御部30または40は、第2操作量の設定を可にするフラグを立ててメモリに記憶しておく。
【0076】
たとえば
図11〜
図13において、レンズホルダ154を目標位置に移動させる前の状態のいずれかのタイミングt0にて、現在速度が0と判断された場合には、そのタイミングt0での第1操作量のデータを、ステップS14にて、その後のタイミングt1またはt2にて使用する第2操作量のデータとして、メモリに保存する。タイミングt0での第1操作量のデータは、速度0での保持力と推定することができるからである。また、ステップS15では、速度0におけるタイミング(時刻)t0をメモリに記憶する。
【0077】
なお、ステップS13にて、現在速度が0で無い場合には、保持力の推定ができないので、その場合には、制御部30または40は、第2操作量の出力不可のフラグを立ててメモリに記憶しておく。
【0078】
その後、
図6に示すステップS21では、
図4に示すステップS1の位置検出と同様な位置検出を行う。次に、ステップS22では、
図4に示すステップS2における判断と同様な判断を行う。ただし、判断のタイミングは、
図11および
図12に示すタイミングt1に限らず、
図13に示すタイミングt2でもよい。
【0079】
たとえば
図11および
図12に示すタイミングt1にて、レンズ位置が目標位置に到達したと判断された場合には、
図6に示すステップS22からステップS26へ行き、そうで無い場合には、ステップS23に行く。あるいは、
図13に示すタイミングt2において、レンズ位置が焦点深度の範囲γの下限位置と目標位置との間に到達したと判断された場合には、
図6に示すステップS22からステップS26へ行き、そうで無い場合には、ステップS23に行く。
【0080】
ステップS26では、
図5に示すステップS16またはステップS17にてメモリ記憶されたフラグを読み込み、第2操作量の出力が可か不可かを判断する。判断する主体は、特に限定されないが、たとえば
図1に示す操作量選択部16である。ステップS26で第2操作量の出力が可であると判断された場合には、ステップS27にて、
図1に示す操作量選択部16が第2操作量出力部20から、メモリに記憶してある推定保持力としての第2操作力のデータを受け取り、ステップS25にて、ドライバ14に向けて、第2操作量を出力する。第2操作量を出力するのは、
図11〜
図13において、タイミングt1またはt2以降である。
【0081】
図6に示すステップS26にて、第2操作量の出力が不可と判断された場合には、タイミングt1またはt2以降であっても、第2操作量は選択されずに、ステップS23〜ステップS25における第1操作量に基づくフィードバック制御が行われる。ステップS23〜ステップS25は、
図4に示すステップS3〜ステップS5と同様なので、その説明は省略する。
【0082】
図7は、第3実施形態のさらに変形例である。ステップS31においては、現在時刻、すなわち、
図11〜
図13に示すタイミングt1またはt2が、t0+αよりも小さいか否かを、
図1に示す制御部30または40が判断する。αは、
図11〜
図13に示す時刻t0からの所定の経過時間を示し、特に限定されないが、好ましくは0.01〜2秒の範囲内、たとえば1秒に設定される。
【0083】
現在の時刻t1またはt2が、
図5に示すステップS14にて更新した第2操作量の設定時間t0に対して、所定の経過時間α以上に時間が経過している場合には、メモリに保存してある第2操作量(推定保持力)のデータは古くなっていると考えられる。その場合には、
図7に示すステップS31からステップS37に行く。ステップS37では、
図5に示すステップS17と同様な動作が行われる。
【0084】
なお、所定時間α以上も経過して、古くなってしまった第2操作量(推定保持力)のデータに基づき、タイミングt1またはt2以降の制御を行うと、正確にレンズホルダを停止させることが困難になる可能性があるからである。たとえばタイミングt0の時点で、レンズ鏡筒100の光軸が水平である場合における水平推定保持力と、タイミングt1またはt2の時点でレンズ鏡筒100の光軸が垂直である場合における垂直推定保持力とは、全く異なる。このような観点から、所定時間αが決定され、所定時間α以内であれば、保持力が変化しないであろうと考えられる範囲で決定される。
【0085】
図7に示すステップS32〜S36,S38およびS39は、
図6に示すステップS21〜S27と同様なので、その説明は省略する。
【0086】
ところで、本実施形態では、ステップS13において、レンズの停止状態の判断について、現在速度がゼロである場合を停止状態としたが、その他の方法により停止状態を判断しても良い。たとえば、現時刻のレンズ位置と前時刻のレンズ位置のずれが所定量以下である場合を停止状態と判断しても良い。
第4実施形態
【0087】
本実施形態に係るレンズ鏡筒およびカメラは、第1〜第3実施形態に係るレンズ鏡筒100およびカメラ300に対して、以下に述べる部分が相違するのみであり、その他の構成は、第1〜第3実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。
【0088】
本実施形態では、
図1に示す制御部30,40が、
図8(A)および
図8(B)に示すフローチャートの制御を行う。
図8(A)に示すように、制御がスタートすると、ステップS41〜S44,S47が行われる。これらのステップS41〜S44,S47は、
図5に示すステップS11〜S14,S17と同様なので、その説明は省略する。
【0089】
本実施形態では、
図8(A)に示すステップS44の次に、ステップS45が行われる。ステップS45では、
図1に示す制御部30または40が、姿勢センサ22または42に基づき、レンズ鏡筒100またはカメラ本体200の姿勢を検出して、その時点での姿勢データA1を、メモリに保存する。姿勢データA1を保存するタイミングは、たとえば
図11〜
図13に示すタイミングt0である。また、姿勢情報としては、たとえばレンズ鏡筒100の光軸Lが水平に対して、何度傾斜しているかなどである。次に、
図8(A)に示すステップS46では、
図5に示すステップS16と同様な動作を行う。
【0090】
次に、
図8(B)に示すステップS50では、
図1に示す制御部30,40が姿勢センサ22,40を用いて、現在の姿勢情報を取得し、その時点での姿勢データA2を、メモリに保存する。次に、ステップS51では、姿勢データA1から姿勢データA2を引いた姿勢差の絶対値が、所定の許容範囲Ath内であるか否かを制御部30(または40、以下同様)が判断する。
【0091】
姿勢差の絶対値が許容範囲Ath内である場合には、ステップS52へ行き、そうでない場合には、ステップS57へ行く。ステップS57は、
図7に示すステップS37と同様なので、その説明は省略する。また、
図8(B)に示すステップS52〜S56,S58およびS59は、
図7に示すステップS32〜S36,S38およびS39と同様なので、その説明は省略する。
【0092】
本実施形態では、
図11〜
図13に示すタイミングt1またはt2において、姿勢差の絶対値が許容範囲Ath内である場合には、タイミングt0にて更新された第2操作力を、タイミングt1またはt2以降の保持力として推定しても問題ないと判断し、第2操作量に基づく制御に切り替える。許容範囲Athの具体的な数字は、特に限定されず、0〜10度の角度の範囲内で決定してもよい。
第5実施形態
【0093】
本実施形態に係るレンズ鏡筒およびカメラは、第1〜第4実施形態に係るレンズ鏡筒100およびカメラ300に対して、以下に述べる部分が相違するのみであり、その他の構成は、第1〜第4実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。
【0094】
本実施形態では、
図1に示す制御部30,40が、
図9に示すフローチャートの制御を行う。
図9に示すように、制御がスタートすると、ステップS61〜S62が行われる。これらのステップS61〜S62は、
図4に示すステップS1〜S2または
図6に示すステップS21〜S22と同様なので、その説明は省略する。
【0095】
図9に示すステップS62において、条件を満足する場合には、ステップS66に行き、条件を満足しない場合には、ステップS63に行く。ステップS63〜ステップS65は、
図4に示すステップS3〜S5または
図6に示すステップS23〜S25と同様なので、その説明は省略する。
【0096】
ステップS66では、
図1に示す制御部30,40が姿勢センサ22,42に基づき姿勢情報を取得する。ステップS67では、ステップS67にて取得した姿勢情報に基づき、たとえば
図1に示す第2操作量出力部20が第2操作量を演算して生成する。第2操作量の演算(保持力の推定)に際しては、たとえば
図10に示す演算式(メモリに保存してある)を利用して計算により求める。
【0097】
図10に示すUh、Uvu、Uvdはそれぞれ光軸水平、光軸垂直真上、光軸垂直真下の姿勢の時の保持力であり、各姿勢における実測値、あるいは
図1に示すレンズ群152およびレンズホルダ154の可動部重量や付勢力などの設計値からそれとつり合う力を計算して求める。その他の姿勢における保持力Ustopは、姿勢情報An(角度deg)が、0deg超〜90deg未満の場合、UhとUvuとAnからなる関数(Uvu-Uh)*SIN(An)+Uhにより求め、姿勢情報Anが−90deg超〜0deg未満の場合、UhとUvdとAnからなる関数(Uvd-Uh)*SIN(An)+Uhにより求める。保持力Uh、Uvu、Uvdは、それぞれ1つ値に限らず、状態の変化に応じて複数の値を持っても良い。状態の変化としては、例えばレンズ群152やその他の移動可能なレンズの位置、また温度変化や撮影地などの違いによる駆動力や付勢力、摩擦力、重力加速度などの変化が考えられる。
【0098】
ステップS67では、予めメモリに記憶してある
図10に示すような演算式を用いて、たとえば
図11〜
図13に示すタイミングt1,t2での姿勢データから、保持力Ustopの推定を行い、その値を、第2操作量として、
図1に示す第2操作量出力部20が操作量選択部16に出力する。ステップS68では、
図4に示すステップS7、あるいは
図6に示すステップS27等と同様な動作が行われる。
【0099】
本実施形態では、
図11〜
図13に示すタイミングt0において、第2操作量の更新を行う必要がないと共に、そのタイミングt0においての姿勢データとタイミングt1,t2との間の姿勢データの差異も検出する必要がない。また、タイミングt0からt1またはt2までの時間も計測する必要がない。
【0100】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0101】
たとえば、上述した実施形態において、タイミングt1またはt2において、
図1に示す操作量選択部16が、第1操作量が第2操作量よりも小さいことが判明した場合には、操作量選択部16は、第2操作量を選択することなく、第1操作量が継続して選択して、第1操作量により、ドライバ14が駆動部10を制御するようにしてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、レンズ群を保持するレンズホルダを光軸L方向に移動させるオートフォーカスについて説明したが、それに限定されず、レンズ群を光軸に移動させるその他の構造、あるいはレンズ群を光軸と垂直方向に移動させるブレ補正装置などにも応用することが可能である。さらにまた、レンズ鏡筒またはカメラ本体の内部において、レンズ群以外の部品を高速で移動させて停止させるその他の構造にも本発明を応用することが可能である。