【文献】
ヤマハ発動機の健康食品第一弾 豊かな生活をサポートするベースサプリメント:アスタキサンチン「ASTIVO(アスティボ)」を発売 国内一貫生産による高品質のアスタキサンチン原料を使用,ヤマハ発動機株式会社 企業サイト, インターネット<https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2007/0417/astivo.html>, 2007年4月17日発表, 検索日:2019年3月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アスタキサンチン(A)と、25℃で粉末であり、かつ、目開き180μmのフィルタを通過する大きさであるHLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)と、25℃で液状の油剤(C)と、を含み、
25℃で液状の油剤(C)を含む分散媒中に、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)が分散されてなる液体食品組成物であって、
剤形が、ソフトカプセル剤である液体食品組成物。
ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の含有率が、食品組成物の全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体食品組成物。
油剤(C)の含有量が、アスタキサンチン(A)100質量部に対して、100質量部以上10000質量部以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体食品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した食品組成物の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0012】
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において、食品組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が、食品組成物中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、食品組成物中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
【0013】
本明細書において「HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値」は、成分として市販品を使用し、かつ、市販品のカタログ等の文献において、その市販品のHLB値が明確に示されている場合には、カタログ等の文献に示された値を採用する。
使用する成分が市販品ではない場合、或いは、市販であってもHLB値がカタログ等の文献に明確に示されていない場合には、本明細書におけるHLB値としては、Griffinの算出式によって求められる値を採用する。Griffinの算出式では、S(エステルのケン化価)の値と、N(エステルを構成する脂肪酸の中和価)の値とを用いて、下記式に従ってHLB値が計算される。HLB値は20に近いほど親水的であることを意味し、0に近いほど親油的であることを意味する。
HLB値=20(1−S/N)
【0014】
本明細書において「グリセリン脂肪酸エステル」との表現には、グリセリン単位及び脂肪酸単位をそれぞれ1つずつ含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれか一方を複数含むグリセリン脂肪酸エステル、いずれも複数含むグリセリン脂肪酸エステルの全てが包含され、これらのグリセリン脂肪酸エステルを区別せずに用いる場合に使用される。
【0015】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0016】
[食品組成物]
本実施形態の食品組成物は、アスタキサンチン(A)と、25℃で粉末であり、かつ、HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)(以下、「ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)ともいう。)と、25℃で液状の油剤(C)(以下、「油剤(C)」ともいう。)と、を含み、25℃で液状の油剤(C)を含む分散媒中に、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)が分散されてなる食品組成物である。
本実施形態の食品組成物は、アスタキサンチンの体内での吸収性に優れる。
【0017】
本実施形態の食品組成物が、アスタキサンチンの体内での吸収性に優れる理由については明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
アスタキサンチンは、水に不溶であり、体内での吸収性が悪い。一方、HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルは、体内に存在する水分になじみ易く、吸収性が良いと考えられる。
本実施形態の食品組成物では、25℃で液状の油剤を含む分散媒中に、アスタキサンチンとHLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルとを共存させることで、アスタキサンチンの水との親和性をショ糖脂肪酸エステルが補完し、アスタキサンチンの体内での吸収性が優れたものとなると考えられる。
【0018】
以下、本実施形態の食品組成物に含まれる成分について、詳細に説明する。
【0019】
<アスタキサンチン(A)>
本実施形態の食品組成物は、アスタキサンチン(A)を含む。
本実施形態の食品組成物では、アスタキサンチン(A)は、アスタキサンチン及びその誘導体(アスタキサンキチンのエステル等)から選ばれる少なくとも一方を包含する。本明細書では、アスタキサンチン及びその誘導体を総称して「アスタキサンチン」という。
【0020】
アスタキサンチン(A)としては、植物類、藻類、甲殻類、バクテリア等の天然物に由来するアスタキサンチンの他、常法に従って得られるアスタキサンチンの合成品を用いることもできる。
アスタキサンチンは、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌、オキアミ等の培養物から抽出することができる。
品質及び生産性の観点からは、アスタキサンチン(A)としては、ヘマトコッカス藻からの抽出物(以下、「ヘマトコッカス藻抽出物」と称する。)又はオキアミからの抽出物に由来するアスタキサンチンが好ましく、ヘマトコッカス藻抽出物に由来するアスタキサンチンが特に好ま
しい。
本実施形態の食品組成物では、アスタキサンチン(A)は、油剤に溶解された状態であることが好ましい。
【0021】
ヘマトコッカス藻の具体例としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。
これらの中でも、ヘマトコッカス藻としては、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)が好ましい。
【0022】
ヘマトコッカス藻抽出物は、上記のヘマトコッカス藻を、必要に応じて、特開平5−68585号公報等に開示された方法により細胞壁を破砕して、アセトン、エーテル、クロロホルム、アルコール(エタノール、メタノール等)などの有機溶剤、又は超臨界状態の二酸化炭素等の抽出溶剤を加えることによって得ることができる。
【0023】
ヘマトコッカス藻抽出物としては、市販品を用いてもよい。
ヘマトコッカス藻抽出物の市販品の例としては、(株)富士フイルムヘルスケアラボラトリーのASTOTS(登録商標)−S、ASTOTS(登録商標)−5 O、ASTOTS(登録商標)−10 O等、富士化学工業(株)のアスタリール(登録商標)オイル50F、アスタリール(登録商標)オイル5F等、東洋酵素化学(株)のBioAstin SCE7などが挙げられる。
【0024】
ヘマトコッカス藻抽出物中におけるアスタキサンチンの色素純分としての含有率は、製造時の取り扱いの観点から、好ましくは0.001質量%〜50質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜25質量%である。
なお、ヘマトコッカス藻抽出物は、特開平2−49091号公報に記載の色素と同様に、色素純分として、アスタキサンチン又はそのエステル体を含有してもよい。
【0025】
アスタキサンチン(A)の含有率は、例えば、アスタキサンチン(A)を含むことで期待される効果を十分に得る観点から、食品組成物の全量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましい。
また、アスタキサンチン(A)の含有率は、例えば、摂取のしやすさの観点から、食品組成物の全量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
<ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)>
本実施形態の食品組成物は、25℃で粉末であり、かつ、HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)を含む。本実施形態の食品組成物は、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)を含むことにより、アスタキサンチンの体内での吸収性が向上する。
本実施形態の食品組成物は、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)を1種単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
【0027】
本実施形態の食品組成物では、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)は、25℃で液状の油剤(C)を含む分散媒中に、分散されている。ショ糖脂肪酸エステルは、25℃で粉末である。ショ糖脂肪酸エステルは25℃で粉末であることにより、油剤(C)を含む分散媒中で良好に分散する。
ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)は、目開き180μm(約83メッシュ)のフィルタを通過する大きさであることが好ましく、目開き150μm(約100メッシュ)のフィルタを通過する大きさであることがより好ましい。
【0028】
ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、10以上であり、好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上である。
また、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、両親媒性を示す観点から、好ましくは19以下である。
【0029】
ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、例えば、両親媒性を示す観点から、8以上であることが好ましく、10〜18であることがより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、ショ糖脂肪酸エステルとしては、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、及びショ糖ステアリン酸エステルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ショ糖ラウリン酸エステルであることが特に好ましい。
【0030】
ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の市販品としては、リョートー(登録商標)シュガーエステル S1170(商品名、ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約11(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル S1570(商品名、ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約15(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル S1670(商品名、ショ糖ステアリン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル P1570(商品名、ショ糖パルミチン酸エステル、HLB値:約15(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル P1670(商品名、ショ糖パルミチン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値)、三菱化学フーズ(株))、リョートー(登録商標)シュガーエステル L1695(商品名、ショ糖ラウリン酸エステル、HLB値:約16(カタログ値)等が挙げられる。
【0031】
ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の含有率は、例えば、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、食品組成物の全量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。
また、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の含有率は、例えば、摂取のしやすさの観点から、食品組成物の全量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0032】
ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の含有量は、例えば、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、アスタキサンチン(A)100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、300質量部以上であることがより好ましい。
また、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の含有量は、例えば、摂取のしやすさの観点から、アスタキサンチン(A)100質量部に対して、10000質量部以下であることが好ましく、8000質量部以下であることがより好ましい。
【0033】
HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルは、油に溶解しないため、油剤(C)を含む分散媒中では、粉末の状態で存在する。したがって、油剤(C)を含む分散媒中に、ショ糖脂肪酸エステルの粉末の存在を確認することができれば、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が10以上であるといえる。確認方法としては、光学顕微鏡、遠心分離、溶媒(例えば、ショ糖脂肪酸エステルを溶解させずに、油性成分を溶解させる溶媒)抽出、これらの組み合わせ等が挙げられる。
また、HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルは、油に溶解しないため、対象物の水抽出物を、液体クロマトグラフ法(LC:Liquid Chromatography)、質量分析法(MS:Mass Spectrometry)、赤外分光法(IR:Infrared Spectroscopy)、核磁気共鳴法(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)、これらの方法の組み合わせ等を用いて分析することにより、対象物にショ糖脂肪酸エステルが含まれていることを確認することができる。
【0034】
<油剤(C)>
本実施形態の食品組成物は、25℃で液状の油剤(C)を含む。食品組成物において、油剤(C)は、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の分散媒として機能する。
食品組成物は、油剤(C)を1種単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
食品組成物において、油剤(C)は、一般的に食品に用いられ、かつ、25℃で液体の油剤であれば、特に制限されない。
本明細書において、「25℃で液体の油剤」とは、融点が25℃未満である油剤を意味する。
【0035】
油剤(C)としては、油脂、高級脂肪酸等が挙げられる。
油脂としては、オリーブ油、アボカド油、トウモロコシ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、胚芽油、サフラワー油(即ち、紅花油)、パーム油、ココナッツ油、アーモンド油、サザンカ油、ツバキ油、月見草油、グレープシード油等の植物由来の油脂が挙げられる。また、油脂(C)としては、これらの植物由来の油脂から抽出されるトコフェロール、トコトリエノール等も挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素数が8以上の脂肪酸であれば、特に制限されるものではなく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベへニン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
これらの中でも、油剤(C)としては、食品組成物に含まれる各成分(アスタキサンチン、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)等)を安定に配合することができ、また、食品組成物の剤形として、ソフトカプセル剤を選択した場合に、ソフトカプセル化に適した液物性(粘度等)を得ることができる点において、サフラワー油及びココナッツ油から選ばれる少なくとも1種が好ましく、工業的に扱い易いという点において、特にサフラワー油が好ましい。
【0036】
油剤(C)の含有量は、例えば、製造時におけるハンドリング性の観点から、アスタキサンチン(A)100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、200質量部以上であることがより好ましい。
また、油剤(C)の含有量は、例えば、摂取のしやすさの観点から、アスタキサンチン(A)100質量部に対して、10000質量部以下であることが好ましく、8000質量部以下であることがより好ましい。
【0037】
<ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)>
本実施形態の食品組成物は、HLB値が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)を更に含むことが好ましい。本実施形態の食品組成物は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)を更に含むことにより、アスタキサンチンの体内での吸収性がより向上する。
本実施形態の食品組成物がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)を含む場合、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
【0038】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、10以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましい。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、両親媒性を示す観点から、好ましくは19以下である。
【0039】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのオキシエチレン基の平均付加数は、例えば、親疎水性バランスの観点から、10〜30であることが好ましく、15〜25であることが好ましい。
【0040】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルが好ましい。
【0041】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)の市販品としては、ウィルサーフ TF−20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、HLB値:16.7(カタログ値)、日油(株))、ウィルサーフ TF−60(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、HLB値:15.7(カタログ値)、日油(株))、ウィルサーフ TF−80(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル、HLB値:15.7(カタログ値)、日油(株))等が挙げられる。
【0042】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)の含有量は、例えば、アスタキサンチンの体内での吸収性の観点から、アスタキサンチン100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)の含有量は、例えば、摂取のしやすさの観点から、食品組成物の全量に対して、10000質量部以下であることが好ましく、8000質量部以下であることがより好ましい。
【0043】
<他の成分>
本実施形態の食品組成物は、必須成分であるアスタキサンチン(A)、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)、及び油剤(C)、並びに任意成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)以外の他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて含んでもよい。
他の成分としては、一般的に食品に使用することが認められている成分が挙げられる。
このような成分としては、乳化剤(上述のショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(D)を除く。)、消泡剤、酸化防止剤、安定剤、甘味料、酸味料、保存料、着色料、香料等が挙げられる。
また、他の成分としては、摂取によって健康に有益な効果(健康維持、健康増進、生活習慣病の予防や改善等の効果)をもたらすことが期待される機能性成分が挙げられる。
このような機能性成分としては、各種ビタミン、ミネラル、クロセチン、コラーゲン(加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン等)、オルニチン、レスベラトロール、クロロゲン酸、カフェ酸、ユビキノン(コエンザイムQ10等)、フラボノイド(フラバノン、フラボン、フラボノール、イソフラボン、カテキン、アントシアニン等)、リグナン(セサミン、セサモリン等)、クルクミンなどが挙げられる。機能性成分は、植物由来成分でもよく、動物由来成分でもよく、酵母による発酵生産物でも、食用に適した化学合成品であってもよい。
【0044】
(クロセチン)
本実施形態の食品組成物は、クロセチンを更に含むことが好ましい。
クロセチンは、カロテノイドの1種であり、クチナシの果実、サフランの柱頭等に含まれるクロシンを加水分解することにより得ることができる。
本実施形態の食品組成物は、クロセチンを更に含むことにより、眼精疲労改善効果、睡眠改善効果等の付加的な効果が期待できる。
本実施形態の食品組成物がクロセチンを含む場合、クロセチンの含有率は、特に制限されず、期待される効果の種類、程度等に応じて、適宜、設定することができる。
【0045】
(乳化剤)
本実施形態の食品組成物は、乳化剤を含んでもよい。食品組成物は、乳化剤を含むことにより、油剤(C)を含む分散媒中にショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)をより安定に含むことができる。
本実施形態の食品組成物が乳化剤を含む場合、乳化剤を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
【0046】
乳化剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、両親媒性を示す観点から、HLB値が15以下であるグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、HLB値が1〜10の範囲であるグリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が1〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、又はリノール酸とのエステルであることが好ましい。
【0047】
グリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、エマックス(登録商標) BW−36(商品名、HLB値:3〜5、理研ビタミン(株))、SYグリスター(登録商標) MS−3S(商品名、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB値:8.4、阪本薬品工業(株))、SYグリスター(登録商標) MO−3S(商品名、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、HLB値:8.8、阪本薬品工業(株))、SYグリスター(登録商標) PO−5S(商品名、ヘキサグリセリンペンタオレイン酸エステル、HLB値:4.7、阪本薬品工業(株))等が挙げられる。
【0048】
本実施形態の食品組成物が乳化剤を含む場合、乳化剤の含有量は、例えば、油剤(C)を含む分散媒中におけるショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の分散安定性の観点から、油剤(C)100質量部に対して、1質量部〜1000質量部であることが好ましい。
【0049】
<剤形>
本実施形態の食品組成物の剤形としては、ソフトカプセル剤、クリーム剤、ムース剤等が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態の食品組成物の剤形としては、ソフトカプセル剤が好ましい。食品組成物の剤形をソフトカプセル剤とすることにより、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の分散を保持することができる。また、食品組成物に含まれる各成分の安定性を保持することができる。さらに、アスタキサンチン等の食品組成物に含まれる成分に由来する臭いを遮蔽することができる。
【0050】
<用途>
本実施形態の食品組成物は、免疫賦活、疲労回復、自立神経のバランス調整等、種々の機能を有するアスタキサンチンの体内での吸収性に優れることから、健康食品、機能性食品、栄養補助食品等として好適に適用することができる。
【0051】
[食品組成物の製造方法]
本実施形態の食品組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。本実施形態の食品組成物は、例えば、以下に述べる方法により製造することができる。
【0052】
食品組成物は、アスタキサンチン(A)と、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)と、油剤(C)と、必要に応じて、他の成分(上述した任意成分を含む)と、を混合すること(以下、「混合工程」ともいう。)を含む方法により、製造することができる。
アスタキサンチン(A)、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)、及び油剤(C)の混合方法は、特に制限されるものではなく、例えば、全ての成分を一度に混合してもよいし、アスタキサンチン(A)と油剤(C)とを混合してオイル溶液を得た後、得られたオイル溶液とショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)とを混合してもよいし、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)と油剤(C)とを混合してオイル溶液を得た後、得られたオイル溶液とアスタキサンチン(A)とを混合してもよい。
油剤(C)を含む分散媒中にショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)を良好に分散させる観点からは、アスタキサンチン(A)と油剤(C)とを混合してオイル溶液を得た後、得られたオイル溶液とショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)とを混合することが好ましい。
【0053】
混合手段としては、特に制限されるものではなく、市販のいずれの混合手段を用いてもよい。混合手段としては、撹拌機、ミキサー等の混合手段が挙げられる。
混合の際の温度、時間等の条件は、特に制限されるものではなく、食品組成物に含まれる成分の種類により、適宜調整することができる。例えば、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)を含んで混合する際の温度は、ショ糖脂肪酸エステルが粉末の形態を保持できる温度である必要があることから、ショ糖脂肪酸エステルの融点未満の温度に設定することが好ましい。
【0054】
食品組成物の製造方法は、必要に応じて、上記混合工程以外の他の工程を含むことができる。他の工程としては、例えば、混合工程前の前処理工程として、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)を粉砕処理する粉砕工程が挙げられる。
粉砕手段としては、食品原料の乾式粉砕に適した装置、例えば、微粉砕機、グラインダー、クラッシャー、ミル等を使用した手段が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の粉砕処理は、ベタツキを抑制する観点から、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の温度を、好ましくは5℃〜25℃、より好ましくは10℃〜20℃に保った状態で行う。
また、ショ糖脂肪酸エステルの粉末(B)の粉砕処理は、粉砕品の90%以上が、好ましくは目開き180μm(約83メッシュ)のフィルタを通過し、より好ましくは目開き150μm(約100メッシュ)のフィルタを通過するように行う。
【0055】
また、食品組成物の製造方法は、食品組成物の剤形をソフトカプセル剤とする場合には、カプセル皮膜内に、混合工程にて得られた混合液(以下、「中身液」ともいう。)を封入する工程、中身液を封入したカプセル皮膜を乾燥させる工程等の製剤化工程等を含んでもよい。
【0056】
カプセル皮膜は、ゼラチン、グリセリン、及び水を含むことが好ましい。
カプセル皮膜におけるグリセリンの含有量は、例えば、ゼラチン100質量部に対して、10質量部〜70質量部であることが好ましい。
カプセル皮膜内に中身液を封入する方法としては、ロータリー式(ロータリーダイ式等)、シームレス式、平板式等の公知の方法が挙げられる。
中身液を封入したカプセル皮膜を乾燥させる方法としては、特に制限されるものではなく、タンブラー乾燥機(即ち、回転ドラム式乾燥機)等の公知の乾燥機を使用することができる。
乾燥の際の温度、時間等の条件は、特に制限されるものではなく、食品組成物に含まれる成分及びカプセル皮膜に含まれる成分の種類により、適宜調整することができる。
【0057】
乾燥機による乾燥後は、ソフトカプセルを更に乾燥させることが好ましい。この場合の乾燥温度としては、20℃〜30℃程度が好ましく、湿度としては、10%RH〜50%RH程度が好ましく、乾燥時間としては、3日〜10日程度が好ましい。
【0058】
ソフトカプセル剤の形状としては、特に制限されるものではなく、楕円(OVAL)、長方形(OBLONG)、球状(ROUND)等のいずれの形態をとることもできる。これらの形状にするため、当業界で周知の方法又は装置を適用することができる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0060】
[食品組成物の製造]
<実施例1>
アスタッツ−100(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンオイル、アスタキサンチン濃度:10質量%、(株)富士フイルムヘルスケアラボラトリー)34.5質量部と、サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))92質量部と、を45℃にて、攪拌機を用いて十分に混合し、アスタキサンチンのオイル溶液を得た。
次に、リョートー(登録商標)シュガーエステル L1695(商品名、ショ糖ラウリン酸エステル、HLB値:約16、三菱化学フーズ(株))を、10℃〜20℃の温度を保った状態で、乾式微粉砕機を用いて粉砕処理し、リョートー(登録商標)シュガーエステル L1695の粉砕品(以下、「ショ糖脂肪酸エステルの粉砕品」ともいう。)を得た。得られたショ糖脂肪酸エステルの粉砕品の90%以上が、目開き150μm(約100メッシュ)のフィルタを通過することを確認した。
得られたショ糖脂肪酸エステルの粉砕品25質量部と、サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))25質量部と、を室温(25℃)にて、攪拌機を用いて十分に混合し、得られた混合物と、上記にて得られたアスタキサンチンのオイル溶液の全量と、を室温(25℃)にて十分に混合し、実施例1の食品組成物を得た。
【0061】
<実施例2>
アスタッツ−100(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンオイル、アスタキサンチン濃度:10質量%、(株)富士フイルムヘルスケアラボラトリー)34.5質量部と、サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))89質量部と、ウィルサーフ TF−20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、HLB値:16.7(カタログ値)、日油(株))3質量部と、を45℃にて、攪拌機を用いて十分に混合し、アスタキサンチンのオイル溶液を得た。
次に、実施例1と同様にして得られたショ糖脂肪酸エステルの粉砕品25質量部と、サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))25質量部と、を室温(25℃)にて、攪拌機を用いて十分に混合し、得られた混合物と、上記にて得られたアスタキサンチンのオイル溶液の全量と、を室温(25℃)にて十分に混合し、実施例2の食品組成物を得た。
【0062】
<比較例1>
アスタッツ−100(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンオイル、アスタキサンチン濃度:10質量%、(株)富士フイルムヘルスケアラボラトリー)34.5質量部と、サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))142質量部と、を45℃にて、攪拌機を用いて十分に混合し、アスタキサンチンのオイル溶液を得た。
得られたアスタキサンチンのオイル溶液を比較例1の食品組成物とした。
【0063】
[評価]
<アスタキサンチンの吸収性>
実施例1〜2及び比較例1の各食品組成物について、アスタキサンチンの吸収性の評価を下記の方法により行った。
1週間の馴化飼育を行った8週齢のラットの雄に、実施例1〜2及び比較例1の各食品組成物を経口投与した。経口投与は、一般的なフレキシブルタイプの胃ソンデを用いた単回強制投与とした。食品組成物の投与量は、ラットの体重1kgあたりのアスタキサンチン量が20mgとなるように設定した。各試験群のラット数は、4匹ずつとした。全個体について、投与から0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、8時間後、及び24時間後に、無麻酔下で、静脈から各時間につき、1mLの血液を採取し、採取した血液から血漿を分離し、分離した血漿中より抽出したアスタキサンチン量を、(株)島津製作所製の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析し、絶対検量線法により定量した。HPLC分析条件を以下に示す。
【0064】
〜HPLC分析条件〜
カラム:カプセルパックC8(内径:4.6mm×長さ:150mm、(株)資生堂)
移動相:A液)メタノール:水=75:25、B液)メタノール=100
グラジエントサイクル:A液+B液=100%とし、B液の組成を示す。
B液=20%→100%(0分→15分)
B液=100%→100%(15分→20分)
B液=100%→20%(20分→21分)
B液=20%→20%(21分→30分)
流量:1mL/分
カラム温度:40℃
注入量:1μL
検出波長:470nm
【0065】
血漿中のアスタキサンチン濃度の変化を
図1に示す。
図1において、縦軸は、血漿中のアスタキサンチン濃度(単位:ng/mL)を示し、横軸は、投与後の時間(単位:hr)を示す。
また、投与0時間から24時間後までのAUC(area under the curve)を表1に示す。なお、AUCの数値は、ラット4匹の測定結果を平均し、小数点以下2桁目を四捨五入して、小数点以下1桁まで求めた値とした。
AUCの数値が大きいほど、アスタキサンチンの体内での吸収性が優れることを示す。
【0066】
【表1】
【0067】
図1に示すように、実施例1及び実施例2の食品組成物では、比較例1の食品組成物と比較して、短時間で血漿中のアスタキサンチンの濃度が上昇した。この短時間での血漿中のアスタキサンチンの濃度の上昇は、実施例2の食品組成物において、より顕著に認められた。
また、表1に示すように、実施例1及び実施例2の食品組成物は、比較例1の食品組成物と比較して、AUCの数値が大きく、このような傾向は、実施例2の食品組成物において、より顕著に認められた。
以上の結果より、25℃で液状の油剤を含む分散媒中に、アスタキサンチンと、25℃で粉末であり、かつ、HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルの粉末と、を共存させることで、アスタキサンチンの体内での吸収性が向上することが明らかとなった。
また、HLB値が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを、HLB値が10以上のショ糖脂肪酸エステルの粉末と併用することで、アスタキサンチンの体内での吸収性がより顕著に向上することが明らかとなった。
【0068】
[食品組成物の製剤化:ソフトカプセル製剤]
<処方例1>
サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))116.19質量部と、エマックス(登録商標) BW−36(商品名、グリセリン脂肪酸エステル、HLB値:3〜5、理研ビタミン(株))15質量部と、を60℃の加熱下で、攪拌機を用いて十分に混合し、均一なオイル溶液とした。オイル溶液が均一であることは、目視にて確認した。
このオイル溶液を50℃に冷却した後、SYグリスターCRS−75(商品名、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、阪本薬品工業(株))7質量部と、E−MIX−α1000(商品名、ビタミンE(トコフェロール)、タマ生化学(株))2.25質量部と、を加えて混合し、さらに、アスタッツ−100(商品名、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンオイル、アスタキサンチン濃度:10質量%、(株)富士フイルムヘルスケアラボラトリー)34.5質量部と、SYグリスターMO−3S(商品名、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、阪本薬品工業(株))4質量部と、ウィルサーフ TF−20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、HLB値:16.7(カタログ値)、日油(株))3質量部と、を加え、十分に混合し、混合物を得た。なお、混合には、攪拌機を用いた。
【0069】
得られた混合物に、LALMIN Se2000(商品名、ミネラル酵母、ミネラル:Se(セレン)、三輪製薬(株))6.25質量部と、ビール酵母亜鉛10%含有(商品名、ビール酵母、亜鉛10質量%含有、Kelatron Corporation製)25質量部と、R−αリポ酸CD(商品名、αリポ酸R体のシクロデキストリン包接体、(株)シクロケム)6.25質量部と、ビタミンC(商品名、扶桑化学工業(株))25質量部と、ゴマエキス セサヴィタ(登録商標)(商品名、White Sesamin Extract 90質量%、バイオアクティブズジャパン(株))5.56質量部と、を加え、攪拌機を用いて十分に混合した後、得られた混合物を、湿式ミルを用いて粉砕処理し、粉砕処理物を得た。
【0070】
次に、リョートー(登録商標)シュガーエステル L1695(商品名、ショ糖ラウリン酸エステル、HLB値:約16、三菱化学フーズ(株))を、10℃〜20℃の温度を保った状態で、粉砕機を用いて乾式粉砕処理し、リョートー(登録商標)シュガーエステル L1695の粉砕品(ショ糖脂肪酸エステルの粉砕品)を得た。得られたショ糖脂肪酸エステルの粉砕品の90%以上が、目開き150μm(約100メッシュ)のフィルタを通過することを確認した。
得られたショ糖脂肪酸エステルの粉砕品25質量部と、サフラワー油(食用油脂、日清オイリオ(株))25質量部と、をミキサーを用いて、室温(25℃)で混合し、得られた混合物と、上記にて得られた粉砕処理物の全量と、を室温(25℃)にて、攪拌機を用いて十分に混合したものを、ソフトカプセルの中身液とした。
【0071】
次に、ゼラチン100質量部に対してグリセリンを35質量部含むゼラチンシートを、ダイロールに送りながらシート接合部に中身液300mgを滴下し、楕円(OVAL)形状のソフトカプセルを作製した。作製したソフトカプセルに対して、タンブラー乾燥及び静置乾燥を行い、ソフトカプセル製剤とした。乾燥後のソフトカプセル製剤の重量を測定したところ、1粒あたり460±30mgであった。
得られたソフトカプセル製剤には、傷、割れ等の欠陥は認められなかった。
【0072】
<処方例2>
サフラワー油(食用油脂)の使用量を、141.19質量部から136.69質量部に変更したこと、及び、ウィルサーフ TF−20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル)の使用量を、3質量部から7.5質量部に変更したこと以外は、処方例1と同様にして、ソフトカプセル製剤を作製した。
【0073】
<処方例3>
サフラワー油(食用油脂)の使用量を、141.19質量部から144.19質量部に変更したこと、及び、ウィルサーフ TF−20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル)を使用しなかったこと以外は、処方例1と同様にして、ソフトカプセル製剤を作製した。
【0074】
<処方例4>
サフラワー油(食用油脂)の使用量を、141.19質量部から114.95質量部に変更したこと、エマックス(登録商標) BW−36(グリセリン脂肪酸エステル)の使用量を、15質量部から10.5質量部に変更したこと、ビール酵母亜鉛10%含有(ビール酵母)の使用量を、25質量部から50質量部に変更したこと、及び、LALMIN Se2000(ミネラル酵母)等とともに、更にクロビットP(商品名、クロセチン、理研ビタミン(株))を5.74質量部使用したこと以外は、処方例1と同様にして、ソフトカプセル製剤を作製した。