(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロードポートユニットは、前記搬送室の前側に配置され、前記筐体は前記排気路とは独立した排気経路に接続された排気ポートを有する請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置。
前記制御部は、前記準備室内の圧力が前記搬送室内の圧力よりも高い時、前記ゲートバルブを開としないように前記ゲートバルブを制御するよう構成される請求項4又は8に記載の基板処理装置。
前記制御部は、搬送室内を不活性ガスから大気雰囲気に置換するときに、前記搬送室の上部に設けられて外部から大気を前記搬送室内に取り込むインテークダンパを開くとともに、前記排気ダンパを開とするように制御するよう構成される請求項8に記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、
図1〜3を用いて説明する。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、本実施形態において、基板処理装置4は、ICの製造方法における熱処理工程を実施する縦型熱処理装置(バッチ式縦型熱処理装置)として構成されている。なお、本発明が適用される縦型熱処理装置では、基板としてのウエハWを内部に収容した収納容器であるキャリアとしてFOUP(Front Opening Unified Pod:以下、ポッドという。)100が使用されている。ポッド100は、ウエハWを基板処理装置間で搬送するための搬送容器としても用いられる。また、以下の説明において、前後左右は
図2を基準とする。すなわち、
図2に示されているX1の方向を右、X2の方向を左、Y1の方向を前、Y2の方向を後ろとする。基板処理装置4は後述する処理炉8、第1搬送室12、第2搬送室16を備える。
【0011】
(第1搬送室)
基板処理装置4の筐体内前側には、ウエハWを搬送する空間を形成する搬送室としての第1搬送室12(以下、搬送室12と称する)が配置されている。搬送室12の筐体前側には、ポッド100の蓋を開閉し、ウエハWを搬送室12に対して搬入出するための、ポッド開閉機構としてのロードポートユニット106が配置されている。ロードポートユニット106の構成については後述する。
【0012】
搬送室12の筐体後側にはゲートバルブ128が配置されている。搬送室12は、ゲートバルブ128を介して後述する第2搬送室16と連結されている。搬送室12には、ウエハWを移載する基板移載機構(基板移載ロボット)としての移載機124が設置されている。移載機124は搬送室12内に設置された駆動機構としての移載機エレベータ131によって昇降され、リニアアクチュエータ132によって前後左右方向に移動可能なように構成されている。搬送室12内はパージガスを循環させながらパージできるように構成されている。
【0013】
(第2搬送室)
搬送室12の後方には、ボート40が昇降する空間を形成する準備室としての第2搬送室16(以下、準備室16と称する)が配置されている。準備室16の天井部には、後述する反応管36と連通する連通口が形成されている。準備室16の側壁には、後述するシールキャップ60を垂直方向に昇降させる昇降機構(搬送機構)としてのボートエレベータ46が設置されている。ボートエレベータ46は、シールキャップ60を昇降させることで、後述するボート40を反応管36内外に搬入出することが可能なように構成されている。準備室16は、パージガスを循環させることができ、また、準備室16内に設置された酸素濃度検出器によって酸素濃度を検知することができ、準備室16内の酸素濃度を制御可能に構成されている。
【0014】
(処理炉)
準備室16の上方には処理炉8が設けられている。
図3に示すように、処理炉8は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ34を有する。ヒータ34は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ34は、後述するようにガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
【0015】
ヒータ34の内側には、ヒータ34と同心円状に反応容器(処理容器)を構成する反応管36が配設されている。反応管36は、例えば石英または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管36の筒中空部には、処理室38が形成されている。処理室38は、ウエハWが装填されたボート40を収容可能に構成されている。
【0016】
処理室38内には、ノズル42が、反応管36の下部を貫通するように設けられている。ノズル42は、例えば石英またはSiC等の耐熱性材料からなる。ノズル42には、ガス供給管44aが接続されている。ガス供給管44aには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)46aおよび開閉弁であるバルブ48aが設けられている。ガス供給管44aのバルブ48aよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管44bが接続されている。ガス供給管44bには、上流方向から順に、MFC46bおよびバルブ48bが設けられている。主に、ガス供給管44a、MFC46a、バルブ48aにより、処理ガス供給系である処理ガス供給部が構成される。
【0017】
ノズル42は、反応管36の内壁とウエハWとの間における円環状の空間に、反応管36の内壁の下部より上部に沿って、ウエハWの配列方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。ノズル42の側面には、ガスを供給するガス供給孔42Aが複数設けられている。ガス供給孔42Aは、反応管36の中心を向くようにそれぞれ開口しており、ウエハWに向けてガスを供給することが可能となっている。
【0018】
反応管36には、処理室38内の雰囲気を排気する排気管50が設けられている。排気管50には、処理室38内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ52および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ54を介して、真空排気装置としての真空ポンプ56が接続されている。APCバルブ54は、弁を開閉することで、処理室38内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、さらに、圧力センサ52により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室38内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管50、APCバルブ54、圧力センサ52により、排気系が構成される。真空ポンプ56を排気系に含めて考えてもよい。
【0019】
反応管36には、温度検出器としての温度検出部58が設置されている。温度検出部58により検出された温度情報に基づきヒータ34への通電具合を調整することで、処理室38内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度検出部58は、反応管36の内壁に沿って設けられている。
【0020】
反応管36の下方には、反応管36の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ60が設けられている。シールキャップ60の上面には、反応管36の下端と当接するシール部材としてのOリング60Aが設けられている。また、シールキャップ60の上面のうち、Oリング60Aより内側領域にはシールキャップ60を保護するシールキャッププレート60Bが設置されている。シールキャップ60は、反応管36の下端に垂直方向下側から当接されるように構成されている。
【0021】
基板支持具としてのボート40は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハWを、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。
【0022】
シールキャップ60の処理室38と反対側には、ボート40を回転させる回転機構62が設置されている。回転機構62の回転軸62Bは、シールキャップ60を貫通してボート40に接続されている。回転機構62は、ボート40を回転させることでウエハWを回転させるように構成されている。
【0023】
次に、本実施形態の搬送室12の構成について
図1、
図2、
図6を用いて詳述する。
図6に示すように、搬送室12は、搬送室12の周囲に形成されたダクトにパージガスを供給するパージガス供給機構162と、搬送室12内の圧力制御を行う圧力制御機構150とを備える。パージガス供給機構162は、搬送室12内の酸素濃度を検出する検出器160による検出値に応じてダクト内にパージガスを供給するように構成されている。検出器160は、塵や不純物を取り除き、搬送室12内にパージガスを供給するガス供給機構としてのクリーンユニット166の上方(上流側)に設置されている。パージガス供給機構162と圧力制御機構150とにより、搬送室12内の酸素濃度を制御することが可能となる。ここで、検出器160は、酸素濃度に加えて水分濃度も検出可能な様に構成されていても良い。
【0024】
図6に示すように、搬送室12の天井部には、クリーンユニット166が左右に1つずつ配置される。移載機124の水平移動アームの直下には、パージガスの流れを整える整流板である多孔板174が設置される。多孔板174は複数の孔を有し、例えば、パンチングパネルで形成される。多孔板174を設けることにより、搬送室12内の空間が上部空間である第一の空間170と下部空間である第二の空間176とに区画される。すなわち、天井部と多孔板174との間の空間にウエハ搬送領域である第一の空間170が形成され、また、多孔板174と搬送室12の床面との間の空間にガス排気領域である第二の空間176が形成される。
【0025】
搬送室12の下方である第二の空間176の下部には、搬送室12内を流れたパージガスを循環および排気する吸出部164が基板移載機124を挟んで左右にそれぞれ1つずつ配置されている。また、左右一対の吸出部164と左右一対のフィルタユニット166とをそれぞれ繋ぐ循環経路および排気経路としての経路168も基板移載機124を挟んで左右にそれぞれ形成されている。経路168には、流体を冷却する冷却機構(ラジエーター)を設置することにより、循環パージガスの温度制御が可能となる。
【0026】
経路168は、循環経路である循環路168Aと排気路168Bとの2つの経路に分岐される。左右の排気路168Bは下流側において一本の排気路152に合流される。
【0027】
ポッド100内の圧力、搬送室12内の圧力および準備室16内の圧力は、すべて大気圧よりも10〜200Pa(ゲージ圧)程度高い圧力にて制御される。搬送室12内の圧力の方が準備室16内の圧力よりも高く、また、準備室16内の圧力の方がポッド100内の圧力よりも高くするのが好ましい。
【0028】
図7に示すように、ロードポートユニット106は、筐体106Aと、ステージ106Bと、オープナ106Cとを備える。ステージ106Bは、ポッド100を載置し、搬送室12の筐体前方に形成された基板搬入出口134にポッド100を近接させるように構成される。筐体106Aは、基板搬入出口134に対向する位置に開口を有する。オープナ106Cは、筐体106A内の空間に設置され、ポッド100の蓋を開閉するとともに、開口を閉塞可能に構成される。オープナ106Cは、ポッド100の蓋を保持した状態で筐体106A内下方の空間に退避する。筐体106Aの天井部には筐体106A内およびポッド100内の局所パージを行うためにパージガスを供給するパージガス供給ポート106Dが形成される。筐体106A内およびポッド100内をパージしたパージガスは、筐体106Aの下部に形成された排気ポート106Eから筐体106A外に排気される。
【0029】
図8に示すように、ロードポートユニット106内およびポッド100内をパージしたパージガスは、搬送室12内に排気せず、搬送室12内の排気経路とは独立した排気経路を経由して排気される。例えば、搬送室12を形成する構造物であるフレーム(柱)を形成する角パイプ内の中空部分を排気経路168Cとし、この排気経路168Cを経由して排気される。すなわち、筐体106Aの下部に形成された排気ポート106Eは、搬送室12を構成するフレームの中空部分に接続されている。複数のロードポートユニット106の排気経路168Cはロードポートユニット106の上方にてそれぞれ合流し、設備側の排気ダクトにパージガスを直接排気するよう構成される。このような構成により、ロードポートユニット106内の雰囲気が搬送室12内に流入することを抑制することができ、搬送室12内の酸素濃度が上昇することを抑制することができる。
【0030】
次に、圧力制御機構150について説明する。
図9に示すように、圧力制御機構150は、調整ダンパ154および排気ダンパ156の開閉を制御することで、搬送室12内を任意の圧力に制御することが可能なように構成されている。圧力制御機構150は、搬送室12内を所定の圧力に保持するように構成された調整ダンパ154と、排気路152を全開または全閉にするように構成された排気ダンパ156とにより構成される。このような構成により、搬送室12内の圧力制御を行うことができる。調整ダンパ154は、搬送室12内の圧力が所定の圧力より高くなると開くように構成されたオートダンパ(背圧弁)151と、オートダンパ151の開閉を制御するように構成されたプレスダンパ153とにより構成される。
【0031】
排気ダンパ156は排気路152を閉塞する蓋部156Aと、蓋部156Aを駆動させる駆動機構である第1駆動部としての駆動部156Bとにより構成される。蓋部156Aは側面が開放され、下面が閉塞された箱形状に形成されている。蓋部156Aの下面には、排気路152と連通する開口部156Cが形成されており、調整ダンパ154は開口部156Cの開閉を行うよう蓋部156A内に設置される。
【0032】
プレスダンパ153はオートダンパ151の上面に接続し、オートダンパ151を押圧する押圧部153
Bと、押圧部153
Bを駆動させる駆動機構である第2駆動部としての駆動部153
Aを備える。押圧部153
Bがオートダンパ151の上面を押圧することにより、オートダンパ151が強制的に閉じられる。ここで、プレスダンパ153を開にするとは、押圧部153
Bによりオートダンパ151が押圧されていない状態のことである。また、プレスダンパ153を閉にするとは、押圧部153
Bによりオートダンパ151が押圧されている状態のことである。オートダンパ151は、搬送室12内を所定の圧力に保持するために、ヒンジと、ヒンジに固定されたバランサーによって構成され、開口部156Cを開閉することにより排気路152を開閉する(
図5参照)。オートダンパ151は搬送室側(一次側)の圧力が所定の圧力よりも大きい時(搬送室内圧力>所定の圧力)に開となる。バランサーの重量を調整することにより、所定の圧力を決定することができる。例えば、バランサーの重量を増やすことで、所定の圧力を高くすることができ、反対に、バランサーの重量を減らすことで、所定の圧力を低くすることができる。
【0033】
ここで、オートダンパ151は蓋部156Aと一体に形成されていても良い。
図9において、排気路152は圧力制御機構150の下面から接続し、圧力制御機構150の側面から排気されるように構成されている。圧力制御機構150の排気を行う側面とは反対側の側面側にある開口部156Cの一端にヒンジを形成し、圧力制御機構150の排気を行う側面に向けてオートダンパ151が開閉するように構成する。このような構成により、圧力制御機構150内にエアの澱みを形成することなく、スムーズに排気を行うことができる。
【0034】
次に、圧力制御機構150の動作について説明する。
図5(a)(c)に示すように、排気ダンパ156は、調整ダンパ154を蓋部156Aと一体的に駆動させることができるように構成されている。このような構成により、排気路152をフルオープン(全開)またはフルクローズ(全閉)させることが可能となる。すなわち、押圧部153Aによってオートダンパ151を押圧し、開口部156Cを閉じた状態で蓋部156Aを駆動させることにより、排気路152を全開または全閉することができる。このように、オートダンパ151、プレスダンパ153、排気ダンパ156の動作を制御することで、搬送室12内の圧力を制御することができ、搬送室12内の水素濃度や酸素濃度を制御することが可能となる。
【0035】
次に、搬送室12内のパージガスの流れについて説明する。
図6に示すように、パージガス供給機構162から流量制御されたパージガスとしての不活性ガスであるN
2ガスが搬送室12内に導入される。N
2ガスはクリーンユニット166を介して、搬送室12の天井部から搬送室12内に供給され、搬送室12内にダウンフロー172を形成する。搬送室12内に多孔板174を設け、搬送室12内の空間を第一の空間170と第二の空間176とに区画することにより、第一の空間170と第二の空間176との間に差圧を形成することができる。この際、第一の空
間170の圧力は第二の空間176の圧力よりも高くなっている。このような構成により、アーム下方の移載機エレベータ131やリニアアクチュエータ132といった駆動部から発生するパーティクルがウエハ搬送領域内へ飛散することを抑制できる。また、搬送室12の床面のパーティクルがウエハ搬送領域へ巻き上がることを抑制できる。
【0036】
吸出部164によって搬送室12から吸い出されたN
2ガスは、吸出部164の下流において循環路168と排気路152との2つの流路に分かれる。循環路168は、クリーンユニット166の上流側へ接続し、搬送室12内へパージガスを再び供給する流路である。排気路152は、圧力制御機構150に接続し、N
2ガスを排気する流路である。ここで、循環路168のコンダクタンスが小さい場合、左右の吸出部164にN
2ガスの循環を促す送風機としてのファン178を設置しても良い。ファン178を設置することにより、N
2ガスの流れを良くすることができ、循環エアフローを形成しやすくなる。排気路152の下流側には、圧力制御機構150が設置される。このように、左右2つの系統に分かれて循環および排気を行う事により、搬送室12内において均一なエアフローを形成することができる。
【0037】
次に、圧力制御機構150の動作について説明する。搬送室12内を大気雰囲気の状態からN
2ガス雰囲気の状態に置換し、酸素濃度を低減させる際は、調整ダンパ154および排気ダンパ156を閉とし、パージガス供給機構162よりN
2ガスを供給する。すなわち、オートダンパ151、プレスダンパ153および排気ダンパ156を閉とする。このように制御することにより、搬送室12内の酸素濃度を強制的に低減させる。所定の酸素濃度に低減されると、調整ダンパ154を開、すなわち、オートダンパ151とプレスダンパ153を開とする(
図5(b)参照)。これにより搬送室12内の圧力の上昇を抑えながら所定の酸素濃度を維持する。
【0038】
搬送室12内にN
2ガスを循環させる際は、調整ダンパ15
4を開、排気ダンパ156を閉とする。すなわち、オートダンパ151およびプレスダンパ153を開とし、排気ダンパ156を閉とする。また、搬送室12内の圧力が、ロードポートユニット106内の圧力以上であり、かつ、ロードポートユニット106内の圧力がポッド100の圧力よりも高い圧力となる様に搬送室12内の圧力を制御する。より好ましくは、搬送室12内の圧力が、ロードポートユニット106内の圧力よりも高くなるように搬送室12内の圧力を制御する。このように制御することで、ポッド100内やロードポートユニット106内の圧力よりも搬送室12内の圧力を高くすることができ、ポッド100内やロードポートユニット106内の雰囲気が搬送室12内に拡散することを抑制することができる。これにより、ポッド100内やロードポートユニット106内から搬送室12内へ拡散する酸素や水分の量を低減することが可能となる。
【0039】
搬送室12内をN
2雰囲気から大気雰囲気に置換する際は、搬送室12の筐体180の上部に設けられた、インテークダンパ158を開き、筐体外部から大気を搬送室12内に取り込む。この時、調整ダンパ154を閉、すなわち、オートダンパ151、プレスダンパ153を閉および排気ダンパ156を開とする。つまり、排気路152を全開とする。
【0040】
ゲートバルブ128は、搬送室12内の圧力および準備室16内の圧力が指定の条件を満たさない限り開閉できないよう制御されている。例えば、搬送室12内の圧力が準備室16内の圧力以上であることを指定の条件とする。例えば、搬送室12の内の圧力を50〜300Pa、
準備室16内の圧力を40〜300Paとするのが好ましい。また例えば、搬送室12内の圧力が準備室16内の圧力よりも20Pa程度高い圧力とするのが好ましい。すなわち、搬送室12内の圧力が、準備室16内の圧力の1倍〜7.5倍とするのが好ましい。搬送室12内の圧力が準備室16内の圧力よりも低い場合、準備室16内の雰囲気が搬送室12内に流れることにより、準備室16内から搬送室12内にコンタミが混入してしまう恐れがある。また、搬送室12内の圧力が準備室16内の圧力よりも高すぎる場合(搬送室12内の圧力が、準備室16内の圧力の7.5倍より高い場合)、搬送室12内の雰囲気が巻き上げられ、搬送部12内のパーティクルが準備室16内に混入してしまう恐れがある。搬送室12の内の圧力を50〜300Pa(ゲージ圧)、
準備室16内の圧力を40〜300Pa(ゲージ圧)とすることにより(搬送室12内の圧力を、準備室16内の圧力の1倍〜7.5倍とすることにより)、準備室16から搬送室12内へのコンタミ混入を抑制でき、さらに、搬送室12内の基板移載機124等の駆動部からのパーティクルの準備室16内への混入を抑制できる。さらに、プレスダンパ153が閉の時には、ゲートバルブ128は開としないように制御されている。プレスダンパ153が閉の時は、排気路152を全閉または全開する時であり、搬送室12内の雰囲気を置換している時であるため、この場合にはゲートバルブ128は開けない方が好ましい。
【0041】
ゲートバルブ128の開閉は圧力値ではなく、酸素濃度を閾値として制御されても良い。例えば、準備室16内の酸素濃度が閾値より低い時にゲートバルブ128が開とされるように制御されても良い。この場合、準備室16内の酸素濃度の閾値は搬送室12内の酸素濃度と設定される。すなわち、準備室16内の酸素濃度が搬送室12内の酸素濃度よりも低い時に、ゲートバルブ128を開けることができるよう制御される。
【0042】
プレスダンパ153の駆動部153Bによる押圧部153Aの押圧具合を調節することにより、オートダンパ151の開閉具合を調節することができる。これにより、排気路152の開度を任意に調節でき、搬送室12内の圧力を任意に設定することができる。すなわち、駆動部153Bの押圧量を数ポジション設定することで、搬送室12内の圧力を任意に制御することが可能となる。
【0043】
図4に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ210は、CPU(Central Processing Unit)212、RAM(Random Access Memory)214、記憶装置216、I/Oポート218を備えたコンピュータとして構成されている。RAM214、記憶装置216、I/Oポート218は、内部バス220を介して、CPU212とデータ交換可能なように構成されている。コントローラ210には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置222が接続されている。
【0044】
記憶装置216は、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置216内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ210に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。RAM214は、CPU212によって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0045】
I/Oポート218は、上述のMFC46a、46b、バルブ48a、48b、圧力センサ52、APCバルブ54、圧力制御機構150、検出器160、移載機124、ファン178、パージガス供給機構162、ゲートバルブ128等に接続されている。
【0046】
CPU212は、記憶装置216から制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置222からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置216からプロセスレシピを読み出すように構成されている。CPU212は、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、MFC46a、46bによる各種ガスの流量調整動作、バルブ48a、48bの開閉動作、APCバルブ54の開閉動作および圧力センサ52に基づくAPCバルブ54による圧力調整動作、真空ポンプ56の起動および停止、温度検出部58に基づくヒータ34の温度調整動作、回転機構62によるボート40の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ46によるボート40の昇降動作、基板移載機124による基板の移載、検出器160の検出値に基づいた圧力制御機構150およびパージガス供給機構162による搬送室12内の圧力調整、ゲートバルブ128による開閉動作等を制御するように構成されている。
【0047】
コントローラ210は、外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)224に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置216や外部記憶装置224は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置216単体のみを含む場合、外部記憶装置224単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置224を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0048】
次に、上述の基板処理装置4を用い、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に膜を形成する処理(以下、成膜処理ともいう)のシーケンス例について説明する。ここでは、基板としてのウエハWに対して、第1の処理ガス(原料ガス)としてヘキサクロロジシラン(Si
2Cl
6、略称:HCDS)ガスと、第2の処理ガス(反応ガス)としてアンモニア(NH
3)ガスを交互に供給することで、ウエハW上にシリコン窒化膜(Si
3N
4膜、以下、SiN膜ともいう)を形成する例について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置4を構成する各部の動作はコントローラ210により制御される。
【0049】
本実施形態における成膜処理では、処理室38内のウエハWに対してHCDSガスを供給する工程と、処理室38内からHCDSガス(残留ガス)を除去する工程と、処理室38内のウエハWに対してNH
3ガスを供給する工程と、処理室38内からNH
3ガス(残留ガス)を除去する工程と、を非同時に行うサイクルを所定回数(1回以上)行うことで、ウエハW上にSiN膜を形成する。
【0050】
本明細書では、この成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともある。なお、以下の変形例や他の実施形態の説明においても、同様の表記を用いることとする。
【0051】
(HCDS→NH
3)×n ⇒ SiN
【0052】
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハWがボート40に装填(ウエハチャージ)されると、ボート40は、ボートエレベータ46によって処理室38内に搬入(ボートロード)される。このとき、シールキャップ60は、Oリング60Aを介して反応管36の下端を気密に閉塞した状態となる。
【0053】
(圧力調整および温度調整)
処理室38内が所定の圧力となるように、真空ポンプ56によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室38内の圧力は、圧力センサ52で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ54が、フィードバック制御される。真空ポンプ56は、少なくともウエハWに対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。
【0054】
また、処理室38内のウエハWが所定の温度となるように、ヒータ34によって加熱される。この際、処理室38が所定の温度分布となるように、温度検出部58が検出した温度情報に基づきヒータ34への通電具合がフィードバック制御される。ヒータ34による処理室38内の加熱は、少なくともウエハWに対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0055】
また、回転機構62によるボート40およびウエハWの回転を開始する。回転機構62によるボート40およびウエハWの回転は、少なくとも、ウエハWに対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0056】
(成膜処理)
処理室38内の温度が予め設定された処理温度に安定すると、ステップ1〜2を順次実行する。
【0057】
[ステップ1]
このステップでは、処理室38内のウエハWに対し、HCDSガスを供給する。
【0058】
バルブ48aを開き、ガス供給管44a内へHCDSガスを流す。HCDSガスは、MFC46aにより流量調整され、ノズル42を介して処理室38内へ供給され、排気管50から排気される。このとき、ウエハWに対してHCDSガスが供給されることとなる。このとき、同時にバルブ48bを開き、ガス供給管44b内へN
2ガスを流す。N
2ガスは、MFC46bにより流量調整され、HCDSガスと一緒に処理室38内へ供給され、排気管50から排気される。ウエハWに対してHCDSガスを供給することにより、ウエハWの最表面上に、第1の層としてシリコン(Si)含有層が形成される。
【0059】
第1の層が形成された後、バルブ48aを閉じ、HCDSガスの供給を停止する。このとき、APCバルブ54は開いたままとして、真空ポンプ56により処理室38内を真空排気し、処理室38内に残留する未反応もしくは第1の層の形成に寄与した後のHCDSガスを処理室38内から排出する。このとき、バルブ48bを開いたままとして、N
2ガスの処理室38内への供給を維持する。N
2ガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室38内に残留するガスを処理室38内から排出する効果を高めることができる。
【0060】
このとき、処理室38内に残留するガスを完全に排出しなくてもよく、処理室38内を完全にパージしなくてもよい。処理室38内に残留するガスが微量であれば、その後に行われるステップ2において悪影響が生じることはない。処理室38内へ供給するN
2ガスの流量も大流量とする必要はなく、例えば、反応管36(処理室38)の容積と同程度の量のN
2ガスを供給することで、ステップ2において悪影響が生じない程度のパージを行うことができる。このように、処理室38内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、スループットを向上させることができる。N
2ガスの消費も必要最小限に抑えることが可能となる。
【0061】
[ステップ2]
ステップ1が終了した後、処理室38内のウエハW、すなわち、ウエハW上に形成された第1の層に対してNH
3ガスを供給する。NH
3ガスは熱で活性化されてウエハWに対して供給されることとなる。
【0062】
このステップでは、バルブ48a,28bの開閉制御を、ステップ1におけるバルブ48a,28bの開閉制御と同様の手順で行う。NH
3ガスは、MFC28aにより流量調整され、ノズル42を介して処理室38内へ供給され、排気管50から排気される。このとき、ウエハWに対してNH
3ガスが供給されることとなる。ウエハWに対して供給されたNH
3ガスは、ステップ1でウエハW上に形成された第1の層、すなわちSi含有層の少なくとも一部と反応する。これにより第1の層は、ノンプラズマで熱的に窒化され、SiおよびNを含む第2の層、すなわち、シリコン窒化層(SiN層)へと変化させられる(改質される)。なお、このとき、プラズマ励起させたNH
3ガスをウエハWに対して供給し、第1の層をプラズマ窒化することで、第1の層を第2の層(SiN層)へ変化させるようにしてもよい。
【0063】
第2の層が形成された後、バルブ48aを閉じ、NH
3ガスの供給を停止する。そして、ステップ1と同様の処理手順により、処理室38内に残留する未反応もしくは第2の層の形成に寄与した後のNH
3ガスや反応副生成物を処理室38内から排出する。このとき、処理室38内に残留するガス等を完全に排出しなくてもよい点は、ステップ1と同様である。
【0064】
(所定回数実施)
上述した2つのステップを非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回)行うことにより、ウエハW上に、所定組成および所定膜厚のSiN膜を形成することができる。なお、上述のサイクルは複数回繰り返すのが好ましい。
【0065】
成膜処理を行う際の処理条件としては、例えば、
処理温度(ウエハ温度):250〜700℃、
処理圧力(処理室内圧力):1〜4000Pa、
HCDSガス供給流量:1〜2000sccm、
NH
3ガス供給流量:100〜10000sccm、
N
2ガス供給流量:100〜10000sccm、
が例示される。それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値に設定することで、成膜処理を適正に進行させることが可能となる。
【0066】
(パージおよび大気圧復帰)
成膜処理が完了した後、バルブ48bを開き、ガス供給管44bからN
2ガスを処理室38内へ供給し、排気管50から排気する。N
2ガスはパージガスとして作用する。これにより、処理室38内がパージされ、処理室38内に残留するガスや反応副生成物が処理室38内から除去される(パージ)。その後、処理室38内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室38内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0067】
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ)
ボートエレベータ46によりシールキャップ60が下降され、反応管36の下端が開口される。そして、処理済のウエハWが、ボート40に支持された状態で、反応管36の下端から反応管36の外部に搬出される(ボートアンロード)。処理済のウエハWは、ボート40より取出される(ウエハディスチャージ)。
【0068】
<本実施形態による効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
【0069】
(1)搬送室内に不活性ガス雰囲気を作り出すことが可能となり、ウエハ上に自然酸化膜が形成されることを抑制することができる。また、短時間で効率よく搬送室内を循環パージすることができるため、開発工期短縮や経済性に貢献することが可能となる。
(2)搬送室内の酸素濃度および水分濃度を素早く低減し、成膜処理が開始するまでの待ち時間を短縮することができ、生産性を向上させることが可能となる。
【0070】
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0071】
例えば、上述の実施形態では、原料ガスとしてHCDSガスを用いる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、原料ガスとしては、HCDSガスの他、モノクロロシラン(SiH
3Cl、略称:MCS)ガス、ジクロロシラン(Si水素Cl
2、略称:DCS)ガス、トリクロロシラン(SiHCl
3、略称:TCS)ガス、テトラクロロシランすなわちシリコンテトラクロライド(SiCl
4、略称:STC)ガス、オクタクロロトリシラン(Si
3Cl
8、略称:OCTS)ガス等の無機系ハロシラン原料ガスや、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CH
3)
2]
3H、略称:3DMAS)ガス、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH
3)
2]
4、略称:4DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C
2H
5)
2]
2水素、略称:BDEAS)ガス、ビスターシャリブチルアミノシラン(Si水素[NH(C
4H
9)]
2、略称:BTBAS)ガス等のハロゲン基非含有のアミノ系(アミン系)シラン原料ガスを用いることができる。また、原料ガスとしては、モノシラン(SiH
4、略称:MS)ガス、ジシラン(Si
2H
6、略称:DS)ガス、トリシラン(Si
3H
8、略称:TS)ガス等のハロゲン基非含有の無機系シラン原料ガスを用いることができる。
【0072】
また、例えば、上述の実施形態では、反応ガスとしてNH
3ガスを用いる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、反応ガスとしては、NH
3ガスの他、ジアゼン(N
2水素)ガス、ヒドラジン(N
2H
4)ガス、N
3H
8ガス等の窒化水素系ガスや、これらの化合物を含むガス等を用いることができる。また、反応ガスとしては、トリエチルアミン((C
2H
5)
3N、略称:TEA)ガス、ジエチルアミン((C
2H
5)
2NH、略称:DEA)ガス、モノエチルアミン(C
2H
5N水素、略称:MEA)ガス等のエチルアミン系ガスや、トリメチルアミン((CH
3)
3N、略称:TMA)ガス、ジメチルアミン((CH
3)
2NH、略称:DMA)ガス、モノメチルアミン(CH
3N水素、略称:MMA)ガス等のメチルアミン系ガス等を用いることができる。また、反応ガスとしては、トリメチルヒドラジン((CH
3)
2N
2(CH
3)H、略称:TMH)ガス等の有機ヒドラジン系ガス等を用いることができる。
【0073】
また、例えば、上述の実施形態では、SiN膜を形成する例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、SiO膜、SiON膜、SiOCN膜、SiOC膜、SiCN膜、SiBN膜、SiBCN膜等を形成することができる。これらの成膜を行う場合においても、上述の実施形態と同様な処理条件にて成膜を行うことができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0074】
また、例えば、上述の実施形態では、SiN膜等のシリコン系絶縁膜を形成する例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、本発明は、ウエハW上に、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属元素を含む膜、すなわち、金属系膜を形成する場合においても、好適に適用可能である。
【0075】
例えば、本発明は、ウエハW上に、TiN膜、TiO膜、TiON膜、TiOCN膜、TiOC膜、TiCN膜、TiBN膜、TiBCN膜、ZrN膜、ZrO膜、ZrON膜、ZrOCN膜、ZrOC膜、ZrCN膜、ZrBN膜、ZrBCN膜、HfN膜、HfO膜、HfON膜、HfOCN膜、HfOC膜、HfCN膜、HfBN膜、HfBCN膜、TaN膜、TaO膜、TaON膜、TaOCN膜、TaOC膜、TaCN膜、TaBN膜、TaBCN膜、NbN膜、NbO膜、NbON膜、NbOCN膜、NbOC膜、NbCN膜、NbBN膜、NbBCN膜、AlN膜、AlO膜、AlON膜、AlOCN膜、AlOC膜、AlCN膜、AlBN膜、AlBCN膜、MoN膜、MoO膜、MoON膜、MoOCN膜、MoOC膜、MoCN膜、MoBN膜、MoBCN膜、WN膜、WO膜、WON膜、WOCN膜、WOC膜、WCN膜、WBN膜、WBCN膜等を形成する場合にも、好適に適用可能である。またこれらの他、これらのいずれかに他の元素をドープ(添加)した膜、例えば、TiAlN膜、TaAlN膜、TiAlC膜、TaAlC膜、TiSiN、TiSiC膜等を形成する場合にも、好適に適用可能である。
【0076】
また、上述の実施形態では、ウエハW上に膜を堆積させる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、ウエハWやウエハW上に形成された膜等に対して、酸化処理、拡散処理、アニール処理、エッチング処理等の処理を行う場合にも、好適に適用可能である。
【0077】
また、上述の実施形態や変形例は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理条件は、例えば上述の実施形態や変形例と同様な処理条件とすることができる。
【0078】
この出願は、2015年8月4日に出願された日本出願特願2015−154392を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。