特許第6606560号(P6606560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606560
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】荷電粒子線装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/20 20060101AFI20191031BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20191031BHJP
   H01J 37/26 20060101ALI20191031BHJP
【FI】
   H01J37/20 E
   H01J37/28 B
   H01J37/26
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-555026(P2017-555026)
(86)(22)【出願日】2016年11月29日
(86)【国際出願番号】JP2016085325
(87)【国際公開番号】WO2017098958
(87)【国際公開日】20170615
【審査請求日】2018年5月28日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2015/084360
(32)【優先日】2015年12月8日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、医療分野研究成果展開事業 先端計測分析技術・機器開発プログラム「Cryo−in lens S(T)EMの製品化に向けた要素技術開発と作製」委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂押 毅志
(72)【発明者】
【氏名】生頼 義久
(72)【発明者】
【氏名】波多野 治彦
(72)【発明者】
【氏名】水尾 考志
【審査官】 小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−149791(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/041267(WO,A1)
【文献】 特開2014−135291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/20
37/26
37/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空応用装置の内部の冷却部を冷却する荷電粒子線装置において、
前記冷却部を冷却する冷媒を収容する冷却タンクと、
前記冷却タンクから前記冷却部まで前記冷媒を供給する冷却パイプと、
前記冷却部まで供給されている冷媒が固体に偏っている場合、該冷媒が液化するように導くユニットと、を備え、
前記ユニットは、前記冷媒が固体に偏っている場合、前記冷媒を振動することにより、前記冷媒が液化するように導き、前記冷媒が液体に偏っている場合、前記冷却タンクを減圧することにより前記冷媒が固体化するように導き、前記冷媒を固液共存状態に維持する、荷電粒子線装置。
【請求項2】
前記ユニットは、前記冷媒を振動する振動発生装置を備える、請求項1記載の荷電粒子線装置。
【請求項3】
真空応用装置の内部の冷却部を冷却する荷電粒子線装置において、
前記冷却部を冷却する冷媒を収容する冷却タンクと、
前記冷却タンクから前記冷却部まで前記冷媒を供給する冷却パイプと、
前記冷却部まで供給されている冷媒が固体に偏っている場合、該冷媒が液化するように導くユニットと、を備え、
前記ユニットは、前記冷却タンク内の圧力を減圧するポンプと、前記冷却タンク内の圧力を加圧するリークバルブと、前記冷却タンク内の温度を測定する熱電対と、前記熱電対で測定した温度に基づいて前記ポンプ及び/又は前記リークバルブを制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、前記熱電対で測定した温度が所定の温度の場合に、前記ポンプ及び/又は前記リークバルブを制御し、前記冷却タンク内の圧力を加減圧することにより前記冷媒を固液共存状態に維持する、荷電粒子線装置。
【請求項4】
前記ユニットは、前記冷却タンク内の真空度を測定する真空計を更に含み、
前記制御部は、前記真空計で測定した真空度が所定の真空度の場合に、前記ポンプ及び/又は前記リークバルブを制御する、請求項記載の荷電粒子線装置。
【請求項5】
前記ユニットは、前記リークバルブを通じて窒素ガスを供給する窒素ボンベを更に含み、
前記制御部は、前記窒素ボンベから前記リークバルブを通じて前記窒素ガスを供給する、請求項記載の荷電粒子線装置。
【請求項6】
真空応用装置の内部の冷却部を冷却する荷電粒子線装置において、
前記冷却部を冷却する冷媒を収容する冷却タンクと、
前記冷却タンクから前記冷却部まで前記冷媒を供給する冷却パイプと、
前記冷却部まで供給されている冷媒が固体に偏っている場合、該冷媒が液化するように導くユニットと、を備え、
前記ユニットは、前記冷媒が固体に偏っている場合、前記冷媒を加熱することにより前記冷媒が液化するように導き、前記冷媒が液体に偏っている場合、前記冷却タンク内を減圧することにより前記冷媒が固体化するように導き、前記冷媒を固液共存状態に維持する、荷電粒子線装置。
【請求項7】
前記ユニットは、前記冷媒を加熱するヒータを備える、請求項記載の荷電粒子線装置。
【請求項8】
前記ユニットを制御する制御部を更に含む、請求項1、のいずれか1項に記載の荷電粒子線装置。
【請求項9】
前記冷却部は、試料ホルダの近傍に配置される、請求項1、のいずれか1項に記載の荷電粒子線装置。
【請求項10】
前記冷却部は、試料ホルダと一体に形成されている、請求項1、3、6のいずれか1項に記載の荷電粒子線装置。
【請求項11】
真空応用装置内の冷却部を冷却する荷電粒子線装置の制御方法において、
前記冷却部を冷却する冷媒を収容する冷却タンクから前記冷却部まで前記冷媒を供給するステップと、
前記冷却部まで供給されている冷媒が固体に偏っている場合、前記冷媒を振動することにより該冷媒が液化するように導き、前記冷媒が液体に偏っている場合、前記冷却タンクを減圧することにより前記冷媒が固体化するように導き、前記冷媒を固液共存状態に維持するステップと、を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子線装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡などの荷電粒子線装置において、試料を冷却しながら、加工及び観察することは、水分を含む試料や電子線照射によるダメージを受け易い材料などの加工と観察を可能にし、生体材料や有機物材料などの分野において、広く利用されている。
【0003】
ここで、特許文献1には、熱ダメージの影響が懸念されるような材料を冷却した状態で加工観察する荷電粒子線装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、冷媒を収容する冷却タンクと、冷却タンクから冷却部近傍まで冷却パイプを有し、冷却部先端まで冷媒が供給されるアンチコンタミネーショントラップが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−257617号公報
【特許文献2】国際公開第2015/041267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術によれば、真空状態が維持されると冷媒が固体化し、冷媒自体の体積が減少することで、この減少した部分が空洞になる。これにより、冷媒がタンク内壁等に接触する部分が減少し、冷媒から冷却部への熱伝導作用も下がる、という課題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、冷媒を用いた真空応用装置内の冷却部において、温度維持を可能とする荷電粒子線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態の荷電粒子線装置は、冷却部を冷却する冷媒を収容する冷却タンクと、冷却タンクから冷却部まで冷媒を供給する冷却パイプと、冷媒が固体に偏っている場合、該冷媒が液化するように導くユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷媒を用いた真空応用装置内の冷却部において、温度維持を可能とする荷電粒子線装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明に対する比較技術におけるアンチコンタミネーショントラップを示す説明図である。
図1B】本発明に対する比較技術におけるアンチコンタミネーショントラップを示す説明図である。
図1C】本発明に対する比較技術におけるアンチコンタミネーショントラップを示す説明図である。
図1D】本発明に対する比較技術におけるアンチコンタミネーショントラップを示す説明図である。
図2】荷電粒子線装置の構造例1を示す説明図である。
図3】荷電粒子線装置の構造例2を示す説明図である。
図4】荷電粒子線装置の構造例3を示す説明図である。
図5】荷電粒子線装置の構造例4を示す説明図である。
図6】荷電粒子線装置の構造例5を示す説明図である。
図7】荷電粒子線装置の構造例6を示す説明図である。
図8】試料ホルダの構造例を示す説明図である。
図9】制御方法1を示すフローチャートである。
図10】制御方法2を示すフローチャートである。
図11】制御方法3を示すフローチャートである。
図12】制御方法4を示すフローチャートである。
図13】アンチコンタミネーショントラップを搭載した走査電子顕微鏡の一例を示す構成図である。
図14】アンチコンタミネーショントラップを搭載した荷電粒子線装置の一例の主要部を示す断面図である。
図15図14に示すアンチコンタミネーショントラップを搭載した荷電粒子線装置の一例の主要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複数の実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。また、必ずしも以下に説明する全ての構成を備えるものに限定されるものではなく、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[本実施形態に対する比較技術]
【0013】
まず、本実施形態に対する比較技術を説明する。試料への熱ダメージや、霜などのコンタミネーションを防ぐ技術について、本願発明者が検討した結果、以下のような知見を得るに至った。
【0014】
液体窒素等のような極低温の冷媒によって冷却された部材に試料を固定して目的の試料を冷却する場合、冷媒が気化した際に発生する気泡によって試料に振動が加わり、像障害を起こす場合がある。
【0015】
また、試料の温度が液体窒素の温度である−196℃の場合、霜などのコンタミネーションを吸着するために真空応用装置内に設けたアンチコンタミネーショントラップの冷却部温度は−196℃以下にする必要がある。そのため、冷媒には、液体窒素を真空引きして得られる固液共存のスラリー状流体である−210℃のスラッシュ化(固液共存化)した窒素や−269℃の液体ヘリウムなどを用いる。
【0016】
こうすることで、液体窒素などの冷媒による振動を低減することができる。また、冷却温度は、液体窒素使用時より低くなるため、熱ダメージへの効果が向上する。
【0017】
ところが、スラッシュ化した冷媒を用いると、冷媒が固体化し、冷媒自体の体積が減少することで、この減少した部分が空洞(真空又は略真空)となる。これにより、冷媒がタンク内壁や冷却部の接合面と接触する部分(接触面積)が減少するため、冷媒から冷却部への熱伝導作用も下がり、冷却部の温度が上昇する。試料を冷却しながら観察する場合には、温度変化による部材の膨張縮小による熱ドリフトが発生するため、温度の安定が重要であり、冷却部の温度を安定させるためには、冷媒を空洞の部分に供給して、再び温度を下げる必要がある。
【0018】
従来の手法では、試料が極低温下にあるため、真空応用装置内の霜やカーボンなどが試料に吸着されてしまい、汚れるというコンタミネーションの問題がある。そのため、真空応用装置内に試料より温度の低いアンチコンタミネーションと呼ばれる冷却部を設けて、試料のコンタミネーションを防ぐことが必須となっている。
【0019】
図1は、本実施形態に対する比較技術におけるアンチコンタミネーショントラップ110を示す説明図である。図1は、特許文献2に記載のアンチコンタミネーショントラップを本願発明者の視点で描き直した構造例である。
【0020】
この例では、試料の温度が液体窒素の温度である−196℃であり、液体窒素を真空引きして得られる固液共存のスラリー状流体である−210℃のスラッシュ化窒素を用いる場合を示している。
【0021】
ここで、低温という点では液体よりも固体の方が優れているが、冷却する対象への接触面積を大きくして低温の熱を伝えるという点では液体が優れている。よって、双方の利点を生かすことができる固液共存のスラリー状流体を用いるが、冷媒は、真空度が高い(圧力が低い)と固体に偏ってしまい、真空度が低い(圧力が高い)と液体に偏ってしまう。
【0022】
そこで、本発明は、真空度を維持して冷媒が固体に偏ってしまった場合、該冷媒を固体化する方向に導く(固液共存状態に戻す)ようにした点に特徴がある。更に、冷却タンク内を加減圧すること等により、冷媒がどちらにも偏らず、固液共存の状態を保つようにした点に特徴がある。即ち、冷却パイプ内の冷媒中に空洞ができないように冷媒に対する圧力を変化させている。尚、本実施例でいう「加減圧」とは、減圧、及び、加圧の処理が少なくとも1回行われることを示す。
【0023】
図1Aに示すアンチコンタミネーショントラップは、冷媒2を収容する冷却タンク1と、真空室4と冷却タンク1を接続するためのフランジ3と、冷却タンク1に接続した冷却パイプ6と、冷却部5と、冷却パイプ6の先端部で気化した窒素を排出する気化窒素逃しチューブ7と、冷却タンク1内を真空引き(減圧)し窒素をスラッシュ化するためのポンプ9とから構成されている。冷却部5は、真空応用装置の内部に設けられている。
【0024】
このアンチコンタミネーショントラップでは、冷却タンク1に冷媒2(液体窒素)を収容すると、冷却パイプ6まで冷媒2が充填され、冷却部5が冷却される。まず、冷媒2は、常温である冷却タンク1内に入り、冷媒2の一部が蒸発(気化)して、窒素の気泡8を発生する。この気泡8が気化窒素逃しチューブ7を通って排出されることにより、冷却パイプ6の先端部まで液体窒素が充填される(図1B)。こうして、徐々に冷却タンク1の内部が冷やされていく。冷却タンク1は2重壁の内部を真空にした構造となっており、その外壁は断熱性が高いため、タンク内は温度が低い状態に保たれる。これにより、液体窒素の蒸発は少なくなり、気泡も減っていく。
【0025】
次に、ポンプ9で冷却タンク1内を真空引き(減圧)する。すると、冷却タンク1の液体窒素は一部蒸発し、その気化熱によって残った液体窒素は冷却され、徐々に固体化する。そして、冷媒2は液体部分と固体部分(21)が共存した固液共存のスラリー状流体となり(図1C)、温度は−210℃に到達する。
【0026】
図1Cの状態を維持できることが望ましいが、真空状態を保つためにポンプ9を稼働させ続けると、タンク内の液体窒素が完全に固体窒素となり(図1D)、窒素自体の体積が減少することでこの減少した部分が空洞(真空もしくは略真空)になる。即ち、固液共存の窒素に比べ、固体窒素の場合には、タンク内壁や冷却部の接合面に対する接触面積が減少するため、冷媒から冷却部への熱伝導作用も下がり(冷却効率は下がる)、冷却部5の温度が上昇する。
[本実施形態]
【0027】
次に、本実施形態における荷電粒子線装置について説明する。真空応用装置内の冷却部を冷却する本荷電粒子線装置は、以下のような特徴を有する。
【0028】
冷却部を冷却する冷媒を収容する冷却タンクと、冷却タンクから冷却部まで冷媒を供給する冷却パイプと、冷媒が固体に偏っている場合、該冷媒が液化するように導くユニットと、を備える。
【0029】
該ユニットは、冷媒を固液共存状態に維持する(冷媒中に空洞を作らずに冷媒を供給し続ける)。
【0030】
該ユニットは、冷却タンク内を加圧する、及び/又は、冷媒を加熱する、及び/又は、冷媒を振動することにより、冷媒が液化するように導く。
【0031】
また、該ユニットは、冷却タンク内の圧力を加減圧することにより、冷媒を固液共存状態に維持する。
【0032】
また、該ユニットは、冷媒が固体に偏っている場合、冷媒を加熱することにより冷媒が液化するように導き、冷媒が液体に偏っている場合、冷却タンク内を減圧することにより冷媒が固体化するように導く。
【0033】
また、該ユニットは、冷媒が固体に偏っている場合、冷媒を振動することにより冷媒が液化するように導き、冷媒が液体に偏っている場合、冷却タンクを減圧することにより冷媒が固体化するように導く。
【0034】
該ユニットは、冷却タンク内の圧力を減圧するポンプと、冷却タンク内の圧力を加圧するリークバルブと、を備えてもよい。また、該ユニットは、冷媒を加熱するヒータを備えてもよい。また、該ユニットは、冷媒を振動する振動発生装置を備えてもよい。
【0035】
また、該ユニットは、冷却タンク内の真空度を測定する真空計と、真空計で測定した真空度に基づいてポンプ及び/又はリークバルブを制御する制御部を含み、該制御部は、真空計で測定した真空度が所定の真空度の場合に、ポンプ及び/又はリークバルブを制御してもよい。
【0036】
また、該ユニットは、冷却タンク内の温度を測定する熱電対と、熱電対で測定した温度に基づいてポンプ及び/又はリークバルブを制御する制御部を含み、該制御部は、熱電対で測定した温度が所定の温度の場合に、ポンプ及び/又はリークバルブを制御してもよい。
【0037】
また、該ユニットは、リークバルブを通じて窒素ガスを供給する窒素ボンベを含み、該制御部は、窒素ボンベからリークバルブを通じて窒素ガスを供給してもよい。
【0038】
制御部は、その他、該ユニットの種々機能を制御してもよい。
【0039】
冷却部は、試料ホルダの近傍に配置されてもよく、試料ホルダと一体に形成されてもよい。
<アンチコンタミネーショントラップの構造例1>
【0040】
図2は、荷電粒子線装置の構造例1を示す説明図である。図2は、冷却タンク内の冷媒に対する圧力を変化させるための一例である。
【0041】
図2に示すアンチコンタミネーショントラップは、図1Aに対して、リークバルブ10と、熱電対16が追加されている。リークバルブ10は、冷却タンク1内の圧力変化を起こすものであり、例えば、真空(減圧状態)状態に、空気(目的によって窒素ガスなどの場合もある)を入れて加圧するためのバルブである。また、熱電対16は、冷却部5の温度を測定するための器具である。
【0042】
冷却タンク1内を真空状態に維持すると冷媒が固体化する。冷媒の固液共存状態を維持するため、ポンプ9を停止し、リークバルブ10を開くことで冷却タンク1内に空気を吸い込み、冷却タンク1内の圧力を上げる(加圧する)。この際、一部の固体窒素が液体化し、空洞11へ流れ込む。これにより、アンチコンタミネーショントラップ内にできる空洞11に冷媒2を供給することができる。そして、空洞11に冷媒2が供給された後、リークバルブ10を閉めてポンプ9により冷却タンク1を排気する(減圧する)ことで、冷却部5の温度を−210℃に維持することができる。冷却部5の温度は、熱電対16で測定して確認することができる。
【0043】
しかし、リーク時に空気を吸い込むことで冷却タンク1内に霜が付着し、振動などの原因になることが考えられる。そこで、図3以降では、更に工夫を施した構造例を順に説明する。
<アンチコンタミネーショントラップの構造例2>
【0044】
図3は、荷電粒子線装置の構造例2を示す説明図である。図3は、空気を使わずに冷却タンク内の冷媒に対する圧力を変化させるための一例であり、リーク時に霜の付着を抑えるための構造例である。
【0045】
図3に示すアンチコンタミネーショントラップは、図2の構成に対して、窒素ボンベ12が追加されている。窒素ボンベ12は、リークバルブ10を通じて冷却タンク1内に窒素ガスを供給するための装置である。
【0046】
ここでは、リーク時に窒素ボンベ12から冷却タンク1内に窒素ガスを供給することで、冷却タンク1内への霜の付着を抑制することができる。また、図2と同様、空洞11に冷媒2が供給された後、リークバルブ10を閉めてポンプ9により冷却タンク1を排気することで、冷却部5の温度を−210℃に維持することができる。
<アンチコンタミネーショントラップの制御方法1>
【0047】
リークバルブ10の開閉やポンプ9の稼動停止を、図2及び図3に破線で示した制御部14で自動制御する機能を付加することも可能である。例えば、リークバルブ10にタイマーによって自動開閉する機能を付加することで、所定の時間間隔でリークバルブ10を開閉することができ、冷却部5の温度を安定させることができる。図9はその一例を示すフローチャートである。
【0048】
図9は、冷却部の温度を安定的に維持するための制御方法1を示すフローチャートである。まず、冷却部5がスラッシュ化窒素の到達温度である−210℃に到達してからリークを開始するまでの時間である連続排気時間と、リークを続ける時間であるリーク時間を決める。そして、制御部14に、連続排気時間とリーク時間を入力して、ポンプ9を稼動して冷却タンク1内を排気する(S1)。これにより、冷却タンク1内の圧力は減圧される。
【0049】
入力した連続排気時間が経過した後、ポンプ9を止めてリークバルブ10を開き、リークを開始する(S2)。リークを開始することで、冷却タンク1内は加圧される。次に、入力したリーク時間が経過した後、リークバルブ10を閉じてポンプ9を再稼動し、再び冷却タンク1内を排気する(S3)。その後、S2に戻り、再びポンプ9を停止させる。
【0050】
このように、オペレータが連続排気時間とリーク時間を入力することで、該処理は制御部14により自動で行われる。制御部14は、リークバルブ10の開閉、及び、ポンプ9の稼動停止を定期的に行うことで、冷媒2が冷却パイプ6の先端部へ供給され、安定的に温度を維持することができる。
<アンチコンタミネーショントラップの構造例3>
【0051】
図4は、荷電粒子線装置の構造例3を示す説明図である。図4は、冷却タンク内の冷媒に対する圧力変化を定期的に実施するための一例であり、冷却部の温度を安定的に維持するための別の構造例である。
【0052】
図4に示すアンチコンタミネーショントラップは、図3の構成に対して、冷却タンク1内の真空度を測定するための真空計13と、制御部14が追加されている。制御部14は、真空計13で測定した真空度に基づいて、ポンプ9の稼動停止及びリークバルブ10の開閉を制御する。制御部14によるリークバルブ10及びポンプ9の制御により、定期的かつ自動的に冷却部5の近傍へ冷媒2を供給することができる。
<アンチコンタミネーショントラップの制御方法2>
【0053】
図10は、図4に示すアンチコンタミネーショントラップにおいて、冷却部の温度を安定的に維持するための制御方法2を示すフローチャートである。
【0054】
まず、冷却部5がスラッシュ化窒素の到達温度である−210℃に到達してからリークを開始するまでの時間である連続排気時間と、真空度が悪化して排気を再開する真空度である排気再開真空度を決める。そして、制御部14に、連続排気時間と排気再開真空度を入力して、ポンプ9を稼動して冷却タンク1内を排気する(S11)。
【0055】
入力した連続排気時間が経過した後、ポンプ9を止めてリークバルブ10を開き、リークを開始する(S12)。次に、真空計13で測定した冷却タンク1内の真空度が、入力した排気再開真空度まで到達した後、リークバルブ10を閉じてポンプ9を再稼動し、再び冷却タンク1内を排気する(S13)。その後、S12に戻り、ポンプ9の再稼動により真空度が適切な値になったときに再びポンプ9を停止させる。
【0056】
このように、オペレータが連続排気時間と排気再開真空度を入力することで、該処理は制御部14により自動で行われる。制御部14は、真空計13で測定した冷却タンク1内の真空度を参照しながら、リークバルブ10の開閉、及び、ポンプ9の稼動停止を定期的に行うことで、冷媒2が冷却パイプ6の先端部へ供給され、安定的に温度を維持することができる。また、冷却タンク1の真空度の悪化によってスラッシュ化窒素が完全に液化してしまうことを防ぐことができる。
<アンチコンタミネーショントラップの制御方法3>
【0057】
図11は、図4に示すアンチコンタミネーショントラップにおいて、冷却部の温度を安定的に維持するための制御方法3を示すフローチャートである。
【0058】
まず、冷却部5がスラッシュ化窒素の到達温度である−210℃に到達してからリークを開始するまでの時間である連続排気時間と、ポンプ9を再稼動させる時間であるポンプ再稼動時間と、真空度が悪化して排気を再開する真空度である排気再開真空度を決める。そして、制御部14に、連続排気時間とポンプ再稼動時間と排気再開真空度を入力して、ポンプ9を稼動して冷却タンク1内を排気する(S21)。
【0059】
入力した連続排気時間が経過した後、ポンプ9を止め、自然リークを開始する(S22)。この自然リークでは、冷却タンク1内の圧力が緩やかに上昇して、固体窒素は徐々に液体化し、固液共存のスラリー状態となる。
【0060】
次に、入力したポンプ再稼動時間が経過した後、もしくは、真空計13で測定した冷却タンク1内の真空度が、入力した排気再開真空度になった場合、ポンプ9を再稼動し、再び冷却タンク1内を排気する(S23)。その後、S22に戻り、ポンプ9の再稼動により真空度が適切な値になったときに再びポンプ9を停止させ、温度を維持する。
【0061】
このように、オペレータが連続排気時間とポンプ再稼動時間と排気再開真空度を入力することで、該処理は制御部14により自動で行われる。制御部14は、真空計13で測定した冷却タンク1内の真空度を参照しながら、ポンプ9の稼動停止を行うことで、冷媒2が冷却パイプ6の先端部へ供給され、安定的に温度を維持することができる。また、冷却タンク1の真空度の悪化によってスラッシュ化窒素が完全に液化してしまうことを防ぐことができる。更に、ポンプ9の停止時間が長くなるため、液体窒素の消費量とポンプ9による振動を低減することができる。
<アンチコンタミネーショントラップの構造例4>
【0062】
図5は、荷電粒子線装置の構造例4を示す説明図である。図5は、冷却タンク内の冷媒に振動を与えるための一例であり、振動により冷却部の近傍にできる空洞へ冷媒を供給するための構造例である。
【0063】
図5に示すアンチコンタミネーショントラップは、図2〜4のようなリークバルブ10を用いた構造例とは異なり、図1の構成に対して、熱電対16と、冷却タンク1内の冷媒2を振動する振動発生装置15が追加されている。振動発生装置15で定期的に冷却部5の近傍で冷媒2を振動させることにより、固体化した窒素を液体化するように導き、スラッシュ化した窒素を冷却部5の近傍へ供給することができる。
<アンチコンタミネーショントラップの構造例5>
【0064】
図6は、荷電粒子線装置の構造例5を示す説明図である。図6は、熱電対16から冷却部の温度を読み取り、冷却タンク内の冷媒に対する圧力変化を定期的に実施し、冷却部の温度を安定的に維持するための別の構造例である。
【0065】
図6では、図3の点線で示された制御部14が熱電対16に接続されている。制御部14は、熱電対16で測定した温度に基づいて、ポンプ9の稼動停止及びリークバルブ10の開閉を制御することで、定期的かつ自動的に冷却部5の近傍へ冷媒2を供給することができる。
<アンチコンタミネーショントラップの制御方法4>
【0066】
図12は、図6に示すアンチコンタミネーショントラップにおいて、冷却部の温度を安定的に維持するための制御方法4を示すフローチャートである。
【0067】
まず、冷却部5が固体窒素温度である−210℃に到達するまで連続排気を行う(S31)。−210℃に到達後、固体窒素化による冷却効率の低下により、冷却部の温度が上昇し始める。制御部14は、熱電対16から上記温度上昇を読み取り、ポンプ9を停止する(S32)。その後、リークバルブを開き圧力を穏やかに上昇させる(S33)。大気流入により、タンク内の固体窒素は徐々に液体化し、固液共存のスラリー状流体となり、冷却部の温度は−210℃に戻る。制御部14はこの温度を読み取ると、リークバルブを閉じ密封状態とする(S34)。これにより、大気の流入を抑え、タンク内の温度上昇と霜流入を抑制する。しかし、真空排気を停止することにより、固体窒素の液化は徐々に進行するため、冷却部の温度は徐々に上昇する。
【0068】
ここで、制御部14に再排気を行う温度を設定する(S35)ことで、例えば−200℃設定した場合、冷却部温度が−200℃に到達した時点で、ポンプ9によりタンク内の真空排気を開始する(S36)。その後、S32に戻り、S32からS36を繰り返す。オペレータは再排気する温度を設定することにより、自動で冷却温度を維持することができる。尚、S35の温度設定は、事前にオペレータが設定しておいてもよい。
<アンチコンタミネーショントラップの構造例6>
【0069】
図7に示すアンチコンタミネーショントラップは、図2〜4のようなリークバルブ10を用いた構造例とは異なり、冷却タンク1内の冷媒2を加熱するヒータを有するものである。図7は、図1と比較して、熱電対16に加え、冷却部5の近傍を加熱するためのヒータ17が追加されている。
【0070】
図7に示すアンチコンタミネーショントラップでは、ヒータ17で定期的に冷却部5の近傍で冷媒2を加熱させることにより、固体窒素を液化し、冷却部5の近傍へ供給することができる。
<試料ホルダの構造例>
【0071】
上記アンチコンタミーショントラップの構造及びその制御方法は、冷却可能な試料ホルダにおいても適用することが可能である。図8は、図4で示したアンチコンタミネーショントラップの冷却機構を試料ホルダに適用した例である。冷却部5の先端に熱電対16とヒータ17と試料固定部19があり、試料18は試料固定部19に固定する。更に、薄い試料に電子線を照射し、透過した電子を観察(TEM・STEM法)できるように、試料搭載位置の下には電子線透過用穴20がある。
【0072】
前述したように、試料を冷却しながら観察する場合には、温度変化による部材の膨張縮小による熱ドリフトが発生するため、温度の安定が重要である。そのため、試料近傍にはヒータ17と熱電対16があり、設定した温度を維持できる機構となっている。
<走査電子顕微鏡>
【0073】
図13は、図2〜7に示したアンチコンタミネーショントラップを搭載した走査電子顕微鏡(SEM)の一例を示す構成図である。
【0074】
SEM101は、電子線103を照射する電子光学鏡筒107と、電子光学鏡筒107の各条件を調整する制御装置(図示せず)と、試料に対する電子線103の照射によって試料により放出される2次電子を検出する2次電子検出器108と、試料を凍結し冷却することができる試料ホルダ109と、図2〜7に示したアンチコンタミネーショントラップ110と、冷媒をスラッシュ化するためのポンプ9などにより構成されている。尚、試料の下方には、試料を透過した電子を検出できる透過電子検出器を配置してもよい。
【0075】
電子光学鏡筒107の内部には、電子源102と、電子源102より放出される電子線103を収束する第1コンデンサレンズ104及び第2コンデンサレンズ105と、電子線103を走査する偏向コイル106と、電子線103の焦点を合わせる対物レンズが設けられている。対物レンズは、上磁極111と下磁極112より構成されている。
【0076】
また、電子光学鏡筒107の側面には、ステージ113が設けられ、対物レンズの上磁極111と下磁極112との間に、試料を保持した試料ホルダ109が配置されている。試料ホルダ109の先端部を所望方向に移動するステージ113が設けられている電子光学鏡筒107の別の側面に、アンチコンタミネーショントラップ110が設けられている。アンチコンタミネーショントラップ110の先端の冷却部5は、真空室4における対物レンズの上磁極111と下磁極112と間の試料近傍に位置している。また、アンチコンタミネーショントラップ110の先端の冷却部5には、温度を測定するための熱電対16が装着されている。
【0077】
このSEM101は、対物レンズの上磁極111と下磁極112との間に試料が配置されるので、インレンズ形のSEMと呼ばれる。このSEM101において、電子線103が試料ホルダ109に保持された試料に照射される経路の真空状態の部分を真空応用装置と呼ぶ。
【0078】
SEM101によれば、図2〜7に示したアンチコンタミネーショントラップによる効果を活かしながら、電子線103の照射によるダメージを受け易い材料などの観察を効率的に行うことができる。
<荷電粒子線装置>
【0079】
次に、図2〜7に示したアンチコンタミネーショントラップを搭載した荷電粒子線装置について、図14〜15を用いて説明する。図14〜15は、本実施形態におけるアンチコンタミネーショントラップを搭載した荷電粒子線装置の一例の主要部を示す説明図であり、図14は断面図であり、図15は平面図である。
【0080】
荷電粒子線装置の主要部は、試料18を保持し、この試料18を液状冷媒(液体窒素)で冷却する試料ホルダ109と、試料18をスラッシュ化した冷媒(スラッシュ化窒素)で冷却する冷却部5を有し、図2〜7に示したアンチコンタミネーショントラップ110と、冷媒をスラッシュ化するためのポンプ9などにより構成されている。
【0081】
冷却部5は、断面視(図14)において上下左右に板状部を有する角筒状で、電子線103などを遮ることがないように上部に開口を有する形状となっている。この冷却部5の構造では、冷却部5の角筒状の内部に試料ホルダ109を挿入し、試料ホルダ109に保持された試料18に対して電子線103を照射する。そして、電子線103の照射によって試料18により放出される2次電子を検出することで、試料18の観察及び分析を行うことができる。尚、角筒状の下部にも開口を有する形状とした場合には、試料18を透過した透過電子を検出することも可能となる。
【0082】
本実施形態における荷電粒子線装置によれば、試料18の温度を液体窒素の温度(−196℃)まで下げても、アンチコンタミネーショントラップ110の方が低温(−210℃)のため、試料18に霜が付きにくい。また、試料18の温度を下げられるので、試料18への電子線ダメージや熱ダメージを低減できる。
【0083】
また、電子線103による温度上昇を低減できるため、アモルファス氷が結晶化しにくい。例えば、クライオシステムでは、アモルファス氷の膜に試料18を固定して観察することがある。アモルファス氷は、約−120℃以上になると結晶化してしまう。試料18を十分に冷やせないと、電子線103を照射したときに、アモルファス氷が結晶化する。結晶化すると、氷の構造がアーティファクトとなり、試料本来の構造が分からなくなる。本実施形態においては、電子線103による温度上昇を低減できるため、アモルファス氷が結晶化することがない。
【0084】
また、電子線ダメージや熱ダメージが少ないため、荷電粒子線装置の倍率を上げることができる。
<変形例・応用例>
【0085】
上述した図14に示した荷電粒子線装置においては、冷却部5の形状が角筒状である場合を説明したが、これに限らず、種々変更可能である。例えば、冷却部を、図14と同様の断面視において、上下に板状部を有する形状で、この上下の板状部には電子線や透過電子などを遮ることがないように開口が形成された構造にする。この冷却部の構造では、試料ホルダを上下の板状部に挟まれるように配置して、試料の観察及び分析を行うことができる。
【0086】
また、別の冷却部では、下部に板状部を有する形状で、この下部の板状部には透過電子を遮ることがないように開口が形成された構造にする。この冷却部の構造では、試料ホルダを板状部の上に配置して、試料の観察及び分析を行うことができる。
【0087】
さらに、別の冷却部では、試料の方向に中心部が出っ張った半球状にしたり、逆に、中心部が窪んだU字形状にするなどの構造とすることも考えられる。このような冷却部の構造においても、同様に、試料の観察及び分析を行うことができる。
【0088】
また、本実施形態においては、図13に示したようなインレンズ形の走査電子顕微鏡に限らず、セミインレンズ形やアウトレンズ形の走査電子顕微鏡などにも適用することができる。また、透過電子顕微鏡(TEM)などを含む各種の電子顕微鏡にも適用することができる。透過電子顕微鏡は、バイオメディカルから食品・アグリカルチャー、高分子・化学、ナノマテリアルまで、様々な分野で最適な解析ソリューションを提供することができる。
【0089】
また、本実施形態においては、液体窒素をスラッシュ化した冷媒を用いる場合に限らず、例えば、液体ヘリウムなどをスラッシュ化した冷媒を用いる場合などにも適用することができる。
【0090】
本発明は、走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡などの電子顕微鏡の他、荷電粒子線装置や凍結乾燥装置などの真空応用装置に利用して有効な技術である。さらに、イオンビームを使う集束イオンビーム装置(FIB)やイオン顕微鏡などにも利用可能である。特に、アンチコンタミネーショントラップを搭載した真空応用装置内の冷却部において、安定な温度維持や測定を可能にする技術に好適である。
【符号の説明】
【0091】
1 冷却タンク
2 冷媒
3 フランジ
4 真空室
5 冷却部
6 冷却パイプ
7 気化窒素逃しチューブ
8 気泡
9 ポンプ
10 リークバルブ
11 空洞
12 窒素ボンベ
13 真空計
14 制御部
15 振動発生装置
16 熱電対
17 ヒータ
18 試料
19 試料固定部
20 電子線透過用穴
101 走査電子顕微鏡
102 電子源
103 電子線
104 第1コンデンサレンズ
105 第2コンデンサレンズ
106 偏向コイル
107 電子光学鏡筒
108 2次電子検出器
109 試料ホルダ
110 アンチコンタミネーショントラップ
111 上磁極
112 下磁極
113 ステージ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15