特許第6607247号(P6607247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607247
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】電荷輸送性ワニス
(51)【国際特許分類】
   C09D 5/24 20060101AFI20191111BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20191111BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20191111BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   C09D5/24
   H05B33/22 D
   C09K11/06 690
   H05B33/14 A
   H05B33/10
【請求項の数】8
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2017-502289(P2017-502289)
(86)(22)【出願日】2016年2月17日
(86)【国際出願番号】JP2016054519
(87)【国際公開番号】WO2016136544
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年8月22日
(31)【優先権主張番号】特願2015-33810(P2015-33810)
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】特許業務法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中家 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中澤 太一
(72)【発明者】
【氏名】寺井 誠弥
【審査官】 石井 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5790901(JP,B2)
【文献】 国際公開第2008/129947(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/115865(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/058777(WO,A1)
【文献】 特開2005−276832(JP,A)
【文献】 特開2010−097964(JP,A)
【文献】 特開2012−140434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C、C07D
C09K 11/06
H05B 33/10
H05B 33/14
H05B 33/22
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されるアニリン誘導体からなる電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性ワニス。
【化1】
〔式中、Ph1は、式(P1)で表される基を表し、
【化2】
(式中、R1〜R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。)
Ar1は、互いに独立して、式(A1)〜(A34)で表されるいずれかの基を表し、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
(式中、R5〜R582は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、ジフェニルアミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、
Ar2は、互いに独立して、ジ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、
583は、水素原子、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基、またはZ4で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、
584およびR585は、互いに独立して、Z4で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、
1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ2で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、Z2は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ3で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基を表し、Z3は、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を表し、
4は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ5で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基を表し、
5は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ3で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、
kは、2〜10の整数を表す。)〕
【請求項2】
前記R1〜R4が、すべて水素原子である請求項1記載の電荷輸送性ワニス。
【請求項3】
前記R5〜R582が、すべて水素原子である請求項1または2記載の電荷輸送性ワニス。
【請求項4】
さらにドーパント物質を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の電荷輸送性ワニス。
【請求項5】
前記ドーパント物質が、アリールスルホン酸化合物である請求項4記載の電荷輸送性ワニス。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜。
【請求項7】
請求項6記載の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の電荷輸送性ワニスを基材上に塗布し、溶媒を蒸発させることを特徴とする電荷輸送性薄膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニリン誘導体およびその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)素子には、発光層や電荷注入層として、有機化合物からなる電荷輸送性薄膜が用いられる。特に、正孔注入層は、陽極と、正孔輸送層あるいは発光層との電荷の授受を担い、有機EL素子の低電圧駆動および高輝度を達成するために重要な機能を果たす。
正孔注入層の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスと、スピンコート法に代表されるウェットプロセスとに大別され、これら各プロセスを比べると、ウェットプロセスの方が大面積に平坦性の高い薄膜を効率的に製造できる。それゆえ、有機ELディスプレイの大面積化が進められている現在、ウェットプロセスで形成可能な正孔注入層が望まれている。
このような事情に鑑み、本発明者らは、各種ウェットプロセスに適用可能であるとともに、有機EL素子の正孔注入層に適用した場合に優れたEL素子特性を実現できる薄膜を与える電荷輸送性材料や、それに用いる有機溶媒に対する溶解性の良好な化合物を開発してきている(例えば特許文献1〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/032616号
【特許文献2】国際公開第2008/129947号
【特許文献3】国際公開第2006/025342号
【特許文献4】国際公開第2010/058777号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明も、これまでに開発してきた上記特許文献の技術と同様に、有機溶媒への良好な溶解性を示すとともに、薄膜化して正孔注入層に適用した場合に優れた寿命特性を有する有機EL素子を実現できるアニリン誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定のアニリン誘導体が有機溶媒への優れた溶解性を有し、それを有機溶媒へ溶解させて調製したワニスから高電荷輸送性を発揮する薄膜が得られること、および当該薄膜を有機EL素子の正孔注入層に適用した場合に、高寿命の素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、
1. 式(1)で表されることを特徴とするアニリン誘導体、
【化1】
〔式中、Ph1は、式(P1)で表される基を表し、
【化2】
(式中、R1〜R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。)Ar1は、互いに独立して、式(A1)〜(A34)で表されるいずれかの基を表し、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
(式中、R5〜R582は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、ジフェニルアミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、Ar2は、互いに独立して、ジ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、R583は、水素原子、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基、またはZ4で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、R584およびR585は、互いに独立して、Z4で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、Z1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ2で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、Z2は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ3で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基を表し、Z3は、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を表し、Z4は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ5で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基を表し、Z5は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ3で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、kは、2〜10の整数を表す。)〕
2. 前記R1〜R4が、すべて水素原子である1のアニリン誘導体、
3. 前記R5〜R582が、すべて水素原子である1または2のアニリン誘導体、
4. 1〜3のいずれかのアニリン誘導体からなる電荷輸送性物質、
5. 4の電荷輸送性物質を含む電荷輸送性材料、
6. 4の電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性ワニス、
7. さらにドーパント物質を含む6の電荷輸送性ワニス、
8. 前記ドーパント物質が、アリールスルホン酸化合物である7の電荷輸送性ワニス、
9. 6〜8のいずれかの電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜、
10. 9の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、
11. 6〜8のいずれかの電荷輸送性ワニスを基材上に塗布し、溶媒を蒸発させることを特徴とする電荷輸送性薄膜の製造方法
を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアニリン誘導体は有機溶媒に溶けやすく、これをドーパントとともに有機溶媒へ溶解させて容易に電荷輸送性ワニスを調製することができる。
本発明の電荷輸送性ワニスから作製した薄膜は高い電荷輸送性を示すため、有機EL素子をはじめとした電子デバイス用薄膜として好適に用いることができる。特に、この薄膜を有機EL素子の正孔注入層に適用することで、寿命特性に優れた有機EL素子を得ることができる。
また、本発明の電荷輸送性ワニスは、スピンコート法やスリットコート法等、大面積に成膜可能な各種ウェットプロセスを用いた場合でも電荷輸送性に優れた薄膜を再現性よく製造できるため、近年の有機EL素子の分野における進展にも十分対応できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るアニリン誘導体は、式(1)で表される。
【0009】
【化7】
【0010】
上記式(1)におけるPh1は、式(P1)で表される基を表す。
【0011】
【化8】
【0012】
ここで、R1〜R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
【0013】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロブチル基、ビシクロペンチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基などが挙げられる。
【0014】
炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
【0015】
炭素数2〜20のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、n−1−プロピニル基、n−2−プロピニル基、n−1−ブチニル基、n−2−ブチニル基、n−3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、n−1−ペンチニル基、n−2−ペンチニル基、n−3−ペンチニル基、n−4−ペンチニル基、1−メチル−n−ブチニル基、2−メチル−n−ブチニル基、3−メチル−n−ブチニル基、1,1−ジメチル−n−プロピニル基、n−1−ヘキシニル基、n−1−デシニル基、n−1−ペンタデシニル基、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
【0016】
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基等が挙げられる。
【0017】
炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等が挙げられる。
【0018】
特に、R1〜R4としては、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基が好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子がより一層好ましく、水素原子が最適である。
【0019】
以下、Ph1として好適な基の具体例を挙げるが、これに限定されるわけではない。
【0020】
【化9】
【0021】
式(1)におけるAr1は、互いに独立して、上記式(A1)〜(A34)で表されるいずれかの基を表す。
特に、式(A1)〜(A26)および(A29)〜(A34)については、下記式(A1′)〜(A26′)および(A29′)〜(A34′)で表される基が好ましい。
中でも、当該アニリン化合物の有機溶媒への溶解性と得られる薄膜の電荷輸送性とのバランスを考慮すると、(A1′)、(A2′)、(A25′)、(A26′)、(A29′)が好ましく、(A1′)、(A2′)、(A29′)がより好ましい。
また、上述の通り、式(1)におけるAr1は、互いに独立して、上記式(A1)〜(A34)で表されるいずれかの基を表すが、化合物の合成の容易性等の観点から、式(1)における2つのAr1は、同一の基であることが好ましい。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
上記R5〜R582は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、ジフェニルアミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、R583は、水素原子、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基、またはZ4で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、R584およびR585は、互いに独立して、Z4で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、Z1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ2で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、Z2は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ3で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基を表し、Z3は、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を表し、Z4は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ5で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基もしくは炭素数2〜20のアルキニル基を表し、Z5は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ3で置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
これらハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、上記R1およびR2で説明したものと同様のものが挙げられる。
【0027】
特に、R5〜R582としては、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基が好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基がより一層好ましく、水素原子が最適である。
583としては、水素原子、Z4で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z4で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、Z4で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z4で置換されていてもよい炭素数2〜14のヘテロアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、水素原子、Z4で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z4で置換されていてもよい炭素数2〜14の含窒素ヘテロアリール基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより一層好ましく、水素原子、Z4で置換されていてもよいフェニル基、Z4で置換されていてもよい1−ナフチル基、Z4で置換されていてもよい2−ナフチル基、Z4で置換されていてもよい2−ピリジル基、Z4で置換されていてもよい3−ピリジル基、Z4で置換されていてもよい4−ピリジル基、Z1で置換されていてもよいメチル基がさらに好ましい。
584およびR585としては、Z4で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基、Z4で置換されていてもよい炭素数2〜14のヘテロアリール基が好ましく、Z4で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、Z4で置換されていてもよいフェニル基、Z4で置換されていてもよい1−ナフチル基、Z4で置換されていてもよい2−ナフチル基がより一層好ましい。
【0028】
なお、R583において、置換基Z1は、ハロゲン原子またはZ2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基が好ましく、ハロゲン原子またはZ2で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
584およびR585において、置換基Z4は、ハロゲン原子またはZ5で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子またはZ5で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
そして、Z2、Z3およびZ5は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
【0029】
上記Ar2は、互いに独立して、ジ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、上記R1で説明したものと同様のものが挙げられ、ジ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基の具体例としては、ジフェニルアミノ基、1−ナフチルフェニルアミノ基、ジ(1−ナフチル)アミノ基、1−ナフチル−2−ナフチルアミノ基、ジ(2−ナフチル)アミノ基等が挙げられる。
Ar2としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、p−(ジフェニルアミノ)フェニル基、p−(1−ナフチルフェニルアミノ)フェニル基、p−(ジ(1−ナフチル)アミノ)フェニル基、p−(1−ナフチル−2−ナフチルアミノ)フェニル基、p−(ジ(2−ナフチル)アミノ)フェニル基が好ましく、p−(ジフェニルアミノ)フェニル基がより好ましい。
【0030】
以下、Ar1として好適な基の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
(式中、R583は、上記と同じ意味を表す。)
【0041】
【化24】
【0042】
【化25】
【0043】
本発明において、R583として好適な基の具体例としては、以下の基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0044】
【化26】
【0045】
【化27】
【0046】
【化28】
【0047】
【化29】
【0048】
【化30】
【0049】
【化31】
【0050】
上記式(1)におけるkは、2〜10の整数を表すが、化合物の有機溶媒への溶解性を高める観点から、2〜5が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3がより一層好ましい。
【0051】
本発明において、上記アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基の炭素数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、より一層好ましくは4以下である。
また、上記アリール基およびヘテロアリール基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
【0052】
本発明の式(1)で表されるアニリン誘導体は、式(2)で表されるジアミン化合物と、式(3)で表されるアリール化合物とを、触媒存在下で反応させて製造できる。
【0053】
【化32】
(式中、Xは、ハロゲン原子または擬ハロゲン基を表し、Ar1、Ph1およびkは、上記と同じ意味を表す。)
【0054】
ハロゲン原子としては、上記と同様のものが挙げられる。
擬ハロゲン基としては、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ基等の(フルオロ)アルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等の芳香族スルホニルオキシ基などが挙げられる。
【0055】
式(2)で表されるジアミン化合物と、式(3)で表されるアリール化合物との仕込み比は、ジアミン化合物の末端NH2基の物質量に対し、アリール化合物1〜1.2当量程度が好適である。
【0056】
上記反応に用いられる触媒としては、例えば、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等の銅触媒;Pd(PPh34(テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム)、Pd(PPh32Cl2(ビス(トリフェニルフォスフィン)ジクロロパラジウム)、Pd(dba)2(ビス(ベンジリデンアセトン)パラジウム)、Pd2(dba)3(トリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム)、Pd(P−t−Bu32(ビス(トリ(t−ブチル)フォスフィン)パラジウム)、Pd(OAc)2(酢酸パラジウム)等のパラジウム触媒などが挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの触媒は、公知の適切な配位子とともに使用してもよい。
このような配位子としては、トリフェニルフォスフィン、トリ−o−トリルフォスフィン、ジフェニルメチルフォスフィン、フェニルジメチルフォスフィン、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ−t−ブチルフォスフィン、ジ−t−ブチル(フェニル)フォスフィン、ジ−t−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)フォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン等の3級フォスフィン、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト等の3級フォスファイトなどが挙げられる。
【0057】
触媒の使用量は、式(3)で表されるアリール化合物1molに対して、0.2mol程度とすることができるが、0.15mol程度が好適である。
また、配位子を用いる場合、その使用量は、使用する金属錯体に対して、0.1〜5当量とすることができるが、1〜2当量が好適である。
【0058】
原料化合物が全て固体である場合あるいは目的とするアニリン誘導体を効率よく得る観点から、上記各反応は溶媒中で行う。溶媒を使用する場合、その種類は、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はない。具体例としては、脂肪族炭化水素類(ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、デカリン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素類(クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ラクタムおよびラクトン類(N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等)、尿素類(N,N−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)などが挙げられ、これらの溶媒は単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
【0059】
反応温度は、用いる溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、0〜200℃程度が好ましく、20〜150℃がより好ましい。
反応終了後は、常法にしたがって後処理をし、目的とするアニリン誘導体を得ることができる。
【0060】
以下、式(1)で表されるアニリン誘導体の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。なお、表の「2つのAr1」、「Ph1」、「k」および「R583」は、各行に示された各化合物に関する式(1)中の規定を表すものであり、例えば式(E1)で表される化合物、式(E145)で表される化合物は、それぞれ次の通りである。
【0061】
【化33】
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
本発明の電荷輸送性ワニスは、式(1)で表されるアニリン誘導体からなる電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含むものであるが、得られる薄膜の用途に応じ、その電荷輸送能の向上等を目的としてドーパント物質を含んでいてもよい。
【0068】
ドーパント物質としては、ワニスに使用する少なくとも一種の溶媒に溶解するものであれば特に限定されず、無機系のドーパント物質、有機系のドーパント物質のいずれも使用できる。
また、無機系および有機系のドーパント物質は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0069】
ドーパント物質の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、カンファスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、国際公開第2005/000832号に記載されている1,4−ベンゾジオキサンジスルホン酸化合物、国際公開第2006/025342号に記載されているアリールスルホン酸化合物、特開2005−108828号公報に記載されているジノニルナフタレンスルホン酸化合物等の有機強酸;国際公開第2010/058777号に記載されているリンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンタングストモリブデン酸等のヘテロポリ酸等の無機酸化剤などが挙げられ、それぞれを組み合わせて使用してもよい。
【0070】
中でも、アリールスルホン酸化合物が好ましく、その具体例としては、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、p−スチレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、ジヘキシルベンゼンスルホン酸、2,5−ジヘキシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、6,7−ジブチル−2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、3−ドデシル−2−ナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、4−ヘキシル−1−ナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、2−オクチル−1−ナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、7−へキシル−1−ナフタレンスルホン酸、6−ヘキシル−2−ナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、2,7−ジノニル−4−ナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、2,7−ジノニル−4,5−ナフタレンジスルホン酸、国際公開第2005/000832号記載の1,4−ベンゾジオキサンジスルホン酸化合物、国際公開第2006/025342号記載のアリールスルホン酸化合物、国際公開第2009/096352号記載のアリールスルホン酸化合物等が挙げられる。
【0071】
本発明におけるドーパント物質として好ましいアリールスルホン酸化合物の例としては、式(4)または(5)で表されるアリールスルホン酸化合物が挙げられる。
【0072】
【化34】
【0073】
1は、OまたはSを表すが、Oが好ましい。
2は、ナフタレン環またはアントラセン環を表すが、ナフタレン環が好ましい。
3は、2〜4価のパーフルオロビフェニル基を表し、pは、A1とA3との結合数を示し、2≦p≦4を満たす整数であるが、A3がパーフルオロビフェニルジイル基、好ましくはパーフルオロビフェニル−4,4’−ジイル基であり、かつ、pが2であることが好ましい。
qは、A2に結合するスルホン酸基数を表し、1≦q≦4を満たす整数であるが、2が最適である。
【0074】
4〜A8は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、または炭素数2〜20のハロゲン化アルケニル基を表すが、A4〜A8のうち少なくとも3つは、ハロゲン原子である。
【0075】
炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
【0076】
炭素数2〜20のハロゲン化アルケニル基としては、パーフルオロビニル基、パーフルオロプロペニル基(アリル基)、パーフルオロブテニル基等が挙げられる。
その他、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基の例としては上記と同様のものが挙げられるが、ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
【0077】
これらの中でも、A4〜A8は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、または炭素数2〜10のハロゲン化アルケニル基であり、かつ、A4〜A8のうち少なくとも3つは、フッ素原子であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフッ化アルキル基、または炭素数2〜5のフッ化アルケニル基であり、かつ、A4〜A8のうち少なくとも3つはフッ素原子であることがより好ましく、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、または炭素数1〜5のパーフルオロアルケニル基であり、かつ、A4、A5およびA8がフッ素原子であることがより一層好ましい。
なお、パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子全てがフッ素原子に置換された基であり、パーフルオロアルケニル基とは、アルケニル基の水素原子全てがフッ素原子に置換された基である。
【0078】
rは、ナフタレン環に結合するスルホン酸基数を表し、1≦r≦4を満たす整数であるが、2〜4が好ましく、2が最適である。
【0079】
ドーパント物質として用いるアリールスルホン酸化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、本発明のアニリン誘導体とともに用いた場合における有機溶媒への溶解性を考慮すると、好ましくは2000以下、より好ましくは1500以下である。
【0080】
以下、好適なアリールスルホン酸化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではない。
【0081】
【化35】
【0082】
本発明の電荷輸送性ワニスにおけるアリールスルホン酸化合物の含有量は、式(1)で表される当該アニリン誘導体に対して、好ましくは0.1〜10当量、より好ましくは0.5〜5当量、より一層好ましくは0.8〜3当量である。
アリールスルホン酸化合物は市販品を用いてもよいが、国際公開第2006/025342号、国際公開第2009/096352号等に記載の公知の方法で合成することもできる。
【0083】
さらに、得られる薄膜を有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、高寿命の素子を再現性よく得ることを考慮すると、本発明の電荷輸送性ワニスは、有機シラン化合物を含むことが好ましい。
有機シラン化合物としては、ジアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物またはテトラアルコキシシラン化合物が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
とりわけ、有機シラン化合物としては、ジアルコキシシラン化合物またはトリアルコキシシラン化合物が好ましく、トリアルコキシシラン化合物がより好ましい。
【0084】
以下、本発明で使用可能な有機シラン化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
ジアルコキシシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0085】
トリアルコキシシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)シラン、ドデシルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、(トリエトキシシリル)シクロヘキサン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、トリエトキシフルオロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、トリエトキシ−2−チエニルシラン、3−(トリエトキシシリル)フラン等が挙げられる。
【0086】
テトラアルコキシシラン化合物の具体例としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。
【0087】
これらの中でも、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリエトキシ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシランまたはペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシランが好ましい。
【0088】
本発明の電荷輸送性ワニスが有機シラン化合物を含有する場合、その含有量は、電荷輸送性物質およびドーパント物質の総質量に対して、通常0.1〜50質量%程度であるが、得られる薄膜の電荷輸送性の低下を抑制し、かつ、上述した陰極側に正孔注入層に接するように積層される層への正孔注入能を高めることを考慮すると、好ましくは0.5〜40質量%程度、より好ましくは0.8〜30質量%程度、より一層好ましくは1〜20質量%程度である。
【0089】
なお、本発明の電荷輸送性ワニスには、上述したアニリン誘導体からなる電荷輸送性物質の他に、公知のその他の電荷輸送性物質を用いることもできる。
【0090】
電荷輸送性ワニスを調製する際に用いられる有機溶媒としては、電荷輸送性物質およびドーパント物質を良好に溶解し得る高溶解性溶媒を用いることができる。
このような高溶解性溶媒としては、例えば、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上混合して用いることができ、その使用量は、ワニスに使用する溶媒全体に対して5〜100質量%とすることができる。
なお、電荷輸送性物質およびドーパント物質は、いずれも上記溶媒に完全に溶解しているか、均一に分散している状態となっていることが好ましく、完全に溶解していることがより好ましい。
【0091】
また、本発明においては、ワニスに、25℃で10〜200mPa・s、特に35〜150mPa・sの粘度を有し、常圧(大気圧)で沸点50〜300℃、特に150〜250℃の高粘度有機溶媒を少なくとも一種類含有させることで、ワニスの粘度の調整が容易になり、その結果、平坦性の高い薄膜を再現性よく与える、用いる塗布方法に応じたワニス調整が可能となる。
高粘度有機溶媒としては、例えば、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
本発明のワニスに用いられる溶媒全体に対する高粘度有機溶媒の添加割合は、固体が析出しない範囲内であることが好ましく、固体が析出しない限りにおいて、添加割合は、5〜80質量%が好ましい。
【0092】
さらに、基板に対する濡れ性の向上、溶媒の表面張力の調整、極性の調整、沸点の調整等の目的で、その他の溶媒を、ワニスに使用する溶媒全体に対して1〜90質量%、好ましくは1〜50質量%の割合で混合することもできる。
このような溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン、エチルラクテート、n−ヘキシルアセテート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0093】
本発明のワニスの粘度および表面張力は、用いる塗布法を考慮しつつ作製する薄膜の厚み等や固形分濃度に応じて適宜設定されるものではあるが、通常、25℃で1〜50mPa・sであり、その表面張力は、通常、20〜50mN/mである。
また、本発明における電荷輸送性ワニスの固形分濃度は、ワニスの粘度および表面張力等や、作製する薄膜の厚み等を勘案して適宜設定されるものではあるが、通常、0.1〜10.0質量%程度であり、ワニスの塗布性を向上させることを考慮すると、好ましくは0.5〜5.0質量%程度、より好ましくは1.0〜3.0質量%程度である。
【0094】
電荷輸送性ワニスの調製法としては、特に限定されるものではないが、例えば、本発明のアニリン誘導体を溶媒に溶解させ、そこへドーパント物質等の他の成分を加える手法や、電荷輸送性物質とその他の成分の混合物を溶媒に溶解させる手法が挙げられる。
また、有機溶媒が複数ある場合は、電荷輸送性物質等をよく溶解する溶媒に、まずこれらを溶解させ、そこへその他の溶媒を加えてもよく、複数の有機溶媒の混合溶媒に、電荷輸送性物質、その他の成分を順次、あるいはこれらを同時に溶解させてもよい。
【0095】
本発明においては、電荷輸送性ワニスは、高平坦性薄膜を再現性よく得る観点から、電荷輸送性物質等を有機溶媒に溶解させた後、サブマイクロオーダーのフィルター等を用いて濾過することが望ましい。
【0096】
以上で説明した電荷輸送性ワニスを基材上に塗布して焼成することで、基材上に電荷輸送性薄膜を形成させることができる。
ワニスの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法等が挙げられ、塗布方法に応じてワニスの粘度および表面張力を調節することが好ましい。
【0097】
また、本発明のワニスを用いる場合、焼成雰囲気も特に限定されるものではなく、大気雰囲気だけでなく、窒素等の不活性ガスや真空中でも均一な成膜面の薄膜を得ることができるが、高電荷輸送性の薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、大気雰囲気下が好ましい。
【0098】
焼成温度は、得られる薄膜の用途、得られる薄膜に付与する電荷輸送性の程度、溶媒の種類や沸点等を勘案して、100〜260℃程度の範囲内で適宜設定されるものではあるが、得られる薄膜を有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、140〜250℃程度が好ましく、145〜240℃程度がより好ましい。
なお、焼成の際、より高い均一成膜性を発現させたり、基材上で反応を進行させたりする目的で、2段階以上の温度変化をつけてもよく、加熱は、例えば、ホットプレートやオーブン等、適当な機器を用いて行えばよい。
【0099】
電荷輸送性薄膜の膜厚は、特に限定されないが、有機EL素子内で正孔注入層として用いる場合、5〜200nmが好ましい。膜厚を変化させる方法としては、ワニス中の固形分濃度を変化させたり、塗布時の基板上の溶液量を変化させたりする等の方法がある。
【0100】
本発明の電荷輸送性薄膜は、有機EL素子において、正孔注入層として好適に用いることができるが、正孔注入輸送層等の電荷輸送性機能層としても使用可能である。
【0101】
本発明の電荷輸送性ワニスを用いてOLED素子を作製する場合の使用材料や、作製方法としては、下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
使用する電極基板は、洗剤、アルコール、純水等による液体洗浄を予め行って浄化しておくことが好ましく、例えば、陽極基板では使用直前にUVオゾン処理、酸素−プラズマ処理等の表面処理を行うことが好ましい。ただし陽極材料が有機物を主成分とする場合、表面処理を行わなくともよい。
【0102】
本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜からなる正孔注入層を有するOLED素子の作製方法の例は、以下のとおりである。
上記の方法により、陽極基板上に本発明の電荷輸送性ワニスを塗布して焼成し、電極上に正孔注入層を作製する。これを真空蒸着装置内に導入し、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子輸送層/ホールブロック層、陰極金属を順次蒸着してOLED素子とする。なお、必要に応じて、発光層と正孔輸送層との間に電子ブロック層を設けてよい。
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極や、アルミニウムに代表される金属やこれらの合金等から構成される金属陽極が挙げられ、平坦化処理を行ったものが好ましい。高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体を用いることもできる。
なお、金属陽極を構成するその他の金属としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、インジウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウム、タリウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、金、チタン、鉛、ビスマスやこれらの合金等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0103】
正孔輸送層を形成する材料としては、(トリフェニルアミン)ダイマー誘導体、[(トリフェニルアミン)ダイマー]スピロダイマー、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(α−NPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ビフェニル−4−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ナフタレン−2−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニルアミノ)−フェニル]−9H−フルオレン、2,2’,7,7’−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)−アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、N,N’−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン、2,2’−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、2,2’−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、ジ−[4−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−フェニル]シクロヘキサン、2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジ(p−トリル))アミノ−9,9−スピロビフルオレン、N,N,N’,N’−テトラ−ナフタレン−2−イル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラ−(3−メチルフェニル)−3,3’−ジメチルベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレニル)−N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラ(ナフタレニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン−1,4−ジアミン、N1,N4−ジフェニル−N1,N4−ジ(m−トリル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N2,N2,N6,N6−テトラフェニルナフタレン−2,6−ジアミン、トリス(4−(キノリン−8−イル)フェニル)アミン、2,2’−ビス(3−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)フェニル)ビフェニル、4,4’,4”−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)等のトリアリールアミン類、5,5”−ビス−{4−[ビス(4−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−2,2’:5’,2”−ターチオフェン(BMA−3T)等のオリゴチオフェン類等の正孔輸送性低分子材料などが挙げられる。
【0104】
発光層を形成する材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(II)(Znq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2,2’−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,3,5−トリス(ピレン−1−イル)ベンゼン、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン、2,2’−ビ(9,10−ジフェニルアントラセン)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、6,13−ジ(ビフェニル−4−イル)ペンタセン、3,9−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、3,10−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、トリス[4−(ピレニル)−フェニル]アミン、10,10’−ジ(ビフェニル−4−イル)−9,9’−ビアントラセン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クウォーターフェニル]−4,4’’’−ジアミン、4,4’−ジ[10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル]ビフェニル、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、1−(7−(9,9’−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1−(7−(9,9’−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、1,3,5−トリス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン、2,2’,7,7’−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジ(p−トリル)フルオレン、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)−フェニル]フルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メチルフェニルメタン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン、4,4”−ジ(トリフェニルシリル)−p−ターフェニル、4,4’−ジ(トリフェニルシリル)ビフェニル、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール、2,6−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、トリフェニル(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン、9,9−ジメチル−N,N−ジフェニル−7−(4−(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−2−アミン、3,5−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−フォスフィン オキサイド、9,9’−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)、3−(2,7−ビス(ジフェニルフォスフォリル)−9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール、4,4,8,8,12,12−ヘキサ(p−トリル)−4H−8H−12H−12C−アザジベンゾ[cd,mn]ピレン、4,7−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−1,10−フェナントロリン、2,2’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ビフェニル、2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン、ビス(2−メチルフェニル)ジフェニルシラン、ビス[3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジフェニルシラン、3,6−ビス(カルバゾール−9−イル)−9−(2−エチル−ヘキシル)−9H−カルバゾール、3−(ジフェニルフォスフォリル)−9−(4−(ジフェニルフォスフォリル)フェニル)−9H−カルバゾール、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニルカルバゾール等が挙げられ、発光性ドーパントと共蒸着することによって、発光層を形成してもよい。
【0105】
発光性ドーパントとしては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−10−(2−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1gh]クマリン、キナクリドン、N,N’−ジメチル−キナクリドン、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(ppy)2(acac))、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(III)(Ir(mppy)3)、9,10−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]アントラセン、9,10−ビス[フェニル(m−トリル)アミノ]アントラセン、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(II)、N10,N10,N10’,N10’−テトラ(p−トリル)−9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジアミン、N10,N10,N10’,N10’−テトラフェニル−9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジアミン、N10,N10’−ジフェニル−N10,N10’−ジナフタレニル−9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジアミン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、1,4−ビス[2−(3−N−エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、ビス[3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)]イリジウム(III)、4,4’−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレートイリジウム(III)、N,N’−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−トリス(9,9−ジメチルフルオレニレン)、2,7−ビス{2−[フェニル(m−トリル)アミノ]−9,9−ジメチル−フルオレン−7−イル}−9,9−ジメチル−フルオレン、N−(4−((E)−2−(6((E)−4−(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン−2−イル)ビニル)フェニル)−N−フェニルベンゼンアミン、fac−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)、mer−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)、2,7−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]−9,9−スピロビフルオレン、6−メチル−2−(4−(9−(4−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)アントラセン−10−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール、1,4−ジ[4−(N,N−ジフェニル)アミノ]スチリルベンゼン、1,4−ビス(4−(9H−カルバゾール−9−イル)スチリル)ベンゼン、(E)−6−(4−(ジフェニルアミノ)スチリル)−N,N−ジフェニルナフタレン−2−アミン、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)(5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾール)((2,4−ジフルオロベンジル)ジフェニルフォスフィネート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(ベンジルジフェニルフォスフィネート)イリジウム(III)、ビス(1−(2,4−ジフルオロベンジル)−3−メチルベンズイミダゾリウム)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジネート)イリジウム(III)、ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジナト)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−2−(2’−ピリジル)ピロレート)イリジウム(III)、ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジナト)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、(Z)−6−メシチル−N−(6−メシチルキノリン−2(1H)−イリデン)キノリン−2−アミン−BF2、(E)−2−(2−(4−(ジメチルアミノ)スチリル)−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ジュロリジル−9−エニル−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン、トリス(ジベンゾイルメタン)フェナントロリンユーロピウム(III)、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[4,4’−ジ−t−ブチル−(2,2’)−ビピリジン]ルテニウム(III)・ビス(ヘキサフルオロフォスフェート)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、2,8−ジ−t−ブチル−5,11−ビス(4−t−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、5,10,15,20−テトラフェニルテトラベンゾポルフィリン白金、オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジン)−ピラゾレート)ジメチルフェニルフォスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジフェニルメチルフォスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルフォスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジメチルフェニルフォスフィン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン]イリジウム(III)、トリス[2−フェニル−4−メチルキノリン]イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジエチル−フルオレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルピリジン)(3−(ピリジン−2−イル)−2H−クロメン−2−オネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、ビス(フェニルイソキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(4−フェニルチエノ[3,2−c]ピリジナト−N,C2’)アセチルアセトネート、(E)−2−(2−t−ブチル−6−(2−(2,6,6−トリメチル−2,4,5,6−テトラヒドロ−1H−ピローロ[3,2,1−ij]キノリン−8−イル)ビニル)−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(1−イソキノリル)ピラゾレート)(メチルジフェニルフォスフィン)ルテニウム、ビス[(4−n−ヘキシルフェニル)イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、白金(II)オクタエチルポルフィン、ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[(4−n−ヘキシルフェニル)キソキノリン]イリジウム(III)等が挙げられる。
【0106】
電子輸送層を形成する材料としては、8−ヒドロキシキノリノレート−リチウム、2,2’,2”−(1,3,5−ベンジントリル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)、2−(4−ビフェニル)5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジン、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5f][1,10]フェナントロリン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、フェニル−ジピレニルフォスフィンオキサイド、3,3’,5,5’−テトラ[(m−ピリジル)−フェン−3−イル]ビフェニル、1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン、4,4’−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ビフェニル、1,3−ビス[3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル]ベンゼン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ジフェニルビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)シラン、3,5−ジ(ピレン−1−イル)ピリジン等が挙げられる。
【0107】
電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al23)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、三酸化モリブデン(MoO3)、アルミニウム、Li(acac)、酢酸リチウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。
【0108】
また、本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜からなる正孔注入層を有する有機EL素子の作製方法のその他の例は、以下のとおりである。
上記EL素子作製において、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の真空蒸着操作を行う代わりに、正孔輸送層(以下、正孔輸送性高分子層)、発光層(以下、発光性高分子層)を順次形成することによって本発明の電荷輸送性ワニスによって形成される電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子を作製することができる。
具体的には、陽極基板上に本発明の電荷輸送性ワニスを塗布して上記の方法により正孔注入層を作製し、その上に正孔輸送性高分子層、発光性高分子層を順次形成し、さらに陰極電極を蒸着して有機EL素子とする。
【0109】
使用する陰極および陽極材料としては、上述のものと同様のものが使用でき、同様の洗浄処理、表面処理を行うことができる。
正孔輸送性高分子層および発光性高分子層の形成法としては、正孔輸送性高分子材料もしくは発光性高分子材料、またはこれらにドーパント物質を加えた材料に溶媒を加えて溶解するか、均一に分散し、正孔注入層または正孔輸送性高分子層の上に塗布した後、それぞれ焼成することで成膜する方法が挙げられる。
【0110】
正孔輸送性高分子材料としては、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N’−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N’−ビス{p−ブチルフェニル}−1,1’−ビフェニレン−4,4−ジアミン)]、ポリ[(9,9−ビス{1’−ペンテン−5’−イル}フルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N’−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン]−エンドキャップド ウィズ ポリシルシスキノキサン、ポリ[(9,9−ジジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(p−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]等が挙げられる。
【0111】
発光性高分子材料としては、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)等のポリフルオレン誘導体、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)等のポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
【0112】
溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロホルム等を挙げることができ、溶解または均一分散法としては撹拌、加熱撹拌、超音波分散等の方法が挙げられる。
塗布方法としては、特に限定されるものではなく、インクジェット法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り等が挙げられる。なお、塗布は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
焼成する方法としては、不活性ガス下または真空中、オーブンまたはホットプレートで加熱する方法が挙げられる。
【0113】
なお、電極および上記各層の間の任意の間に、必要に応じてホールブロック層、電子ブロック層等を設けてもよい。例えば、電子ブロック層を形成する材料としては、トリス(フェニルピラゾール)イリジウム等が挙げられる。
【0114】
陽極と陰極およびこれらの間に形成される層を構成する材料は、ボトムミッション構造、トップエミッション構造のいずれを備える素子を製造するかで異なるため、その点を考慮して、適宜材料選択する。
通常、ボトムエミッション構造の素子では、基板側に透明陽極が用いられ、基板側から光が取り出されるのに対し、トップエミッション構造の素子では、金属からなる反射陽極が用いられ、基板と反対方向にある透明電極(陰極)側から光が取り出されることから、例えば陽極材料について言えば、ボトムエミッション構造の素子を製造する際はITO等の透明陽極を、トップエミッション構造の素子を製造する際はAl/Nd等の反射陽極を、それぞれ用いる。
【0115】
本発明の有機EL素子は、特性悪化を防ぐため、定法に従い、必要に応じて捕水剤などとともに、封止してもよい。
【実施例】
【0116】
以下、製造例および実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、使用した装置は以下のとおりである。
(1)MALDI−TOF−MS:ブルカー社製、autoflex III smartbeam
(2)1H−NMR:日本電子(株)製 JNM−ECP300 FT NMR SYSTEM
(3)基板洗浄:長州産業(株)製 基板洗浄装置(減圧プラズマ方式)
(4)ワニスの塗布:ミカサ(株)製 スピンコーターMS−A100
(5)膜厚測定:(株)小坂研究所製 微細形状測定機サーフコーダET−4000
(6)EL素子の作製:長州産業(株)製 多機能蒸着装置システムC−E2L1G1−N
(7)EL素子の輝度等の測定:(有)テック・ワールド製 I−V−L測定システム
(8)EL素子の寿命測定(半減期の測定):(株)イーエッチシー製 有機EL輝度寿命評価システムPEL−105S
【0117】
[1]化合物の合成
[製造例1]N1−(フェナントレン−9−イル)−N4−(4−(フェナントレン−9−イルアミノ)フェニル)ベンゼン−1,4−ジアミンの合成
【化36】
【0118】
N1−(4−アミノフェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン2.01g、9−ブロモフェナントレン5.68g、Pd(PPh340.46gおよびt−ブトキシナトリウム2.32gを反応容器に入れ、窒素置換を行った後、キシレン50mLを入れ、加熱還流条件下5時間撹拌して反応させた。反応液を室温まで冷却した後、トルエンと飽和食塩水を加え、生じた不溶物をろ過した。得られたろ物をイオン交換水、メタノール、トルエンの順で洗浄し、洗浄後のろ物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、この溶液に活性炭を加え50℃で1時間撹拌した。活性炭をろ過にて除いた後、得られたろ液を濃縮、乾燥させ目的とするN1−(フェナントレン−9−イル)−N4−(4−(フェナントレン−9−イルアミノ)フェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン(アニリン誘導体1)を得た(収量:3.48g,収率:63%)。
【0119】
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ[ppm]:8.83(d,J=8.9Hz,2H),8.67(d,J=8.9Hz,2H),8.41(d,J=7.7Hz,2H),7.97(s,2H),7.87(s,1H),7.65−7.76(m,6H),7.39−7.50(m,4H),7.24(s,2H),7.17(d,J=8.9Hz,4H),7.10(d,J=8.9Hz,4H).
【0120】
[製造例2]N1−(9,9’−スピロビ[フルオレン]−2−イル)−N4−(4−(9,9’−スピロビ[フルオレン]−2−イルアミノ)フェニル)ベンゼン−1,4ジアミンの合成
【化37】
【0121】
フラスコ内に、ビス(4−アミノフェニル)アミン0.500g、2−ブロモ−9,9’−スピロビ[フルオレン]2.18g、Pd(PPh340.117gおよびt−ブトキシナトリウム0.579gを入れた後、フラスコ内を窒素置換した。そこへ、キシレン20mLを入れ、加熱還流条件で5時間撹拌した。
その後、反応混合物を室温まで冷却し、冷却した反応混合物と、トルエンと、イオン交換水とを混合して分液処理をし、得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した。
次いで、洗浄後の有機層を硫酸ナトリウムで乾燥してから濃縮し、濃縮液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い(展開溶媒:トルエン)、クロマトグラフィー(TLC)法により目的物の有無を確認することで目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的とするN1−(9,9’−スピロビ[フルオレン]−2−イル)−N4−(4−(9,9’−スピロビ[フルオレン]−2−イルアミノ)フェニル)ベンゼン−1,4ジアミン(アニリン誘導体2)を得た(収量:0.926g,収率:46%)。
【0122】
MALDI−TOF−MS m/Z found:826.45([M]+calcd:827.33).
【0123】
[製造例3]N1−(ナフタレン−1−イル)−N4−(4−((4−(ナフタレン−1−イル(フェニル)アミノ)フェニルアミノ)フェニルアミノ)フェニル)−N1−フェニルベンゼン−1,4−ジアミンの合成
【化38】
【0124】
フラスコ内に、ビス(4−アミノフェニル)アミン1.59g、N−(4−ブロモフェニル)−N−フェニルナフタレン−1−アミン6.29g、Pd(PPh340.373gおよびt−ブトキシナトリウム1.84gを入れた後、フラスコ内を窒素置換した。そこへキシレン100mLを入れ、加熱還流条件で4.5時間撹拌した。
撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、冷却した反応混合物と酢酸エチルとイオン交換水を混合し分液処理を行った。得られた有機層をイオン交換、飽和食塩水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥を行った。これを濾過して溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/酢酸エチル=100/0→0/100)により、分離、精製を行い、目的物を含むフラクションを集め、溶媒を減圧留去した後、1,4−ジオキサン/エタノールで再結晶した。最後に結晶を濾過し、得られたろ物を乾燥してN1−(ナフタレン−1−イル)−N4−(4−((4−(ナフタレン−1−イル(フェニル)アミノ)フェニルアミノ)フェニルアミノ)フェニル)−N1−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン(アニリン誘導体3)を得た(収量:0.994g、収率:16%)。
【0125】
1H−NMR(400MHz,THF−d8)δ[ppm]:7.97(d,J=8.4Hz,2H),7.85(d,J=8.0Hz,2H),7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.38−7.44(m,4H),7.25−7.33(m,4H),6.73−7.07(m,29H).
MALDI−TOF−MS m/Z found:785.00([M]+calcd:785.35).
【0126】
[製造例4]N1−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−N4−(4−((9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミノ)フェニル)ベンゼン−1,4−ジアミンの合成
【化39】
【0127】
フラスコ内に、ビス(4−アミノフェニル)アミン3.18g、3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾール11.3g、Pd(dba)20.183gおよびt−ブトキシナトリウム3.39gを入れた後、フラスコ内を窒素置換した。次にトルエン200mL、予め調製しておいたジ−t−ブチル(フェニル)フォスフィンのトルエン溶液1.45mL(濃度:98g/L)を加え、50℃で撹拌した。2時間後80℃まで昇温させてさらに3時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、ろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=100/0→70/30)により、分離、精製を行い、目的物を含むフラクションを集め、溶媒を減圧留去した。これをTHFに溶解させ、撹拌したメタノール中に滴下し、得られたスラリーを更に室温で撹拌した。最後に、スラリーをろ過し、得られたろ物を乾燥してN1−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−N4−(4−((9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミノ)フェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン(アニリン誘導体4)を得た(収量:5.14g,収率:47%)。
【0128】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ[ppm]:8.12−8.14(m,2H),7.81(d,J=1.6Hz,2H),7.49−7.74(m,13H),7.37−7.39(m,4H),7.30(d,J=8.8Hz,2H),7.19−7.23(m,2H),7.14(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),6.96−7.04(m,8H).
MALDI−TOF−MS m/Z found:681.04([M]+calcd:681.29).
【0129】
[2]電荷輸送性ワニスの調製
[実施例1−1]
電荷輸送性物質であるアニリン誘導体1 0.105g、およびドーパント物質である国際公開第2006/025342号記載の方法に従って合成した上記式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.139gを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下、DMI)4.0gに溶解させた。そこへシクロヘキサノール6.0gおよびプロピレングリコール2.0gを加えて撹拌し、電荷輸送性ワニスを調製した。
【0130】
[実施例1−2]
電荷輸送性物質であるアニリン誘導体1 0.088gおよび上記式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.116gをDMI3.3gに溶解させた。そこへ2,3−ブタンジオール(以下、2,3−BD)4.0gおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、DPM)2.7gを加えて撹拌し、電荷輸送性ワニスを調製した。
【0131】
[実施例1−3]
アニリン誘導体1および式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物の使用量を、それぞれ0.068gおよび0.136gに変更した以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0132】
[実施例1−4]
アニリン誘導体1および式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物の使用量を、それぞれ0.058gおよび0.148gに変更した以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0133】
[実施例1−5]
アニリン誘導体2 0.135gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.110gを用いた以外は、実施例1−1と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0134】
[実施例1−6]
アニリン誘導体2 0.112gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.092gを用いた以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0135】
[実施例1−7]
アニリン誘導体2 0.092gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.112gを用いた以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0136】
[実施例1−8]
アニリン誘導体3 0.075gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.129gを用いた以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0137】
[実施例1−9]
アニリン誘導体3 0.065gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.139gを用いた以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0138】
[実施例1−10]
アニリン誘導体3 0.057gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.147gを用いた以外は、実施例1−2と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0139】
[実施例1−11]
アニリン誘導体4 0.137gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.271gをDMI6.6gに溶解させた。そこへ2,3−BD8.0gおよびDPM5.4gを加えて撹拌し、電荷輸送性ワニスを調製した。
【0140】
[実施例1−12]
アニリン誘導体4 0.117gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.291gを用いた以外は、実施例1−11と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0141】
[実施例1−13]
アニリン誘導体4 0.103gおよび式(4−1)で表されるアリールスルホン酸化合物0.306gを用いた以外は、実施例1−11と同様にして電荷輸送性ワニスを調製した。
【0142】
[3]有機EL素子の製造および特性評価
[実施例2−1]
実施例1−1で得られたワニスを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、80℃で1分間乾燥し、さらに、大気雰囲気下、230℃で15分間焼成し、ITO基板上に30nmの均一な薄膜を形成した。ITO基板としては、インジウム錫酸化物(ITO)が表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除去した。
次いで、薄膜を形成したITO基板に対し、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いてN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、フッ化リチウム、およびアルミニウムの薄膜を順次積層し、有機EL素子を得た。この際、蒸着レートは、α−NPD、Alq3およびアルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ30nm、40nm、0.5nmおよび100nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、有機EL素子は封止基板により封止した後、その特性を評価した(以下、同様)。封止は、以下の手順で行った。酸素濃度2ppm以下、露点−85℃以下の窒素雰囲気中で、有機EL素子を封止基板の間に収め、封止基板を接着材((株)MORESCO製、モレスコモイスチャーカットWB90US(P))により貼り合わせた。この際、捕水剤(ダイニック(株)製,HD−071010W−40)を有機EL素子と共に封止基板内に収めた。貼り合わせた封止基板に対し、UV光を照射(波長:365nm、照射量:6,000mJ/cm2)した後、80℃で1時間、アニーリング処理して接着材を硬化させた。
【0143】
[実施例2−2〜2−7]
実施例1−1で得られたワニスの代わりに、実施例1−2〜1−12,1−14,1−16,1−18,1−20〜1−24で得られたワニスをそれぞれ用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
【0144】
[実施例2−8]
実施例1−8で得られたワニスを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、80℃で1分間乾燥し、さらに、大気雰囲気下、230℃で15分間焼成し、ITO基板上に30nmの均一な薄膜を形成した。ITO基板としては、インジウム錫酸化物(ITO)が表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除去した。
次いで、薄膜を形成したITO基板に対し、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いてα−NPDを0.2nm/秒にて30nm成膜した。次に、CBPとIr(PPy)3を共蒸着した。共蒸着はIr(PPy)3の濃度が6%になるように蒸着レートをコントロールし、40nm積層させた。次いで、フッ化リチウムおよびアルミニウムの薄膜を順次積層して有機EL素子を得た。この際、蒸着レートは、アルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ0.5nmおよび100nmとした。
【0145】
[実施例2−9〜2−13]
実施例1−8で得られたワニスの代わりに、実施例1−9〜1−13で得られたワニスをそれぞれ用いた以外は、実施例2−8と同様の方法で有機EL素子を作製した。
【0146】
実施例2−1〜2−7で作製した素子を輝度1000cd/m2で駆動した場合における駆動電圧、電流密度および発光効率、実施例2−8〜2−13で作製した素子を輝度5000cd/m2で駆動した場合における駆動電圧、電流密度および発光効率、並びに実施例2−1,2−2,2−5,2−6,2−8および2−9で作製した素子の輝度の半減期(初期5000cd/m2)を測定した。結果を表6に示す。
【0147】
【表6】
【0148】
表6に示されるように、本発明の電荷輸送性ワニスから得られた電荷輸送性薄膜を正孔注入層として有する有機EL素子は、耐久性に優れていることがわかる。