(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、このようなバッテリー管理システムはバッテリーの電源をモータに供給したり、ジェネレータの電源をバッテリーに供給したり、または危険状況で電源を遮断するための複数のリレーを有する。このようなリレーは特性上、電流が流れない状況より電流が流れる状況でターンオフ(開放)される場合、相対的にもっと大きなストレスを受ける。特に、電流が流れる状況でリレーがターンオフされる場合、リレーにアークおよびスパークが発生しながらリレーが溶着する場合が多い。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、リレーのターンオフの際、アークおよびスパーク現象を防止してリレーの溶着現象を防止できるバッテリー管理システムおよびそのスイッチング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、バッテリーパックと負荷の間に連結された第1メインリレー、前記第1メインリレーに並列に前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結された第1サブリレー素子を含む第1サブリレー、および、前記第1メインリレーおよび前記第1サブリレーを制御するようにするコントローラーを含み、前記コントローラーは、前記バッテリーパックが前記負荷から電気的に分離する時、前記第1サブリレーがターンオンされた場合にだけ前記第1メインリレーがターンオフされるように前記第1メインリレーおよび前記第1サブリレー素子を制御することを特徴とするバッテリー管理システムが提供される。
【0008】
前記第1サブリレー素子は前記第1サブリレーに直列に前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結された抵抗をさらに含んでもよい。
【0009】
前記コントローラーは前記第1メインリレーをターンオフする前に前記第1サブリレーをターンオンしてもよい。
【0010】
前記コントローラーは前記第1メインリレーのターンオフ以降に前記第1サブリレーをターンオフしてもよい。
【0011】
前記バッテリーパックは第1、第2電極を含み、前記第1メインリレーは第1電極と前記負荷の間に連結され、前記バッテリー管理システムは前記第2電極と前記負荷の間に連結された第2メインリレーをさらに含んでもよい。
【0012】
前記コントローラーは前記第2メインリレーを制御するようにし、前記コントローラーは前記第1サブリレーがターンオンされ前記第1メインリレーがターンオフされた場合にだけ前記第2メインリレーをターンオフするように、前記第1メインリレー、前記第1サブリレー素子および前記第2メインリレーを制御してもよい。
【0013】
第2サブリレーを含む第2サブリレー素子を含み、前記第2サブリレー素子は前記第2メインリレーに並列に前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結されてもよい。
【0014】
前記第2サブリレー素子は、前記第2サブリレーに直列に前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結された抵抗をさらに含んでもよい。
【0015】
前記コントローラーは第2メインリレーおよび第2サブリレーを制御するようにし、前記コントローラーは前記第2サブリレーがターンオンされた場合にだけ前記第2メインリレーがターンオフされるように前記第2メインリレーおよび前記第2サブリレー素子を制御してもよい。
【0016】
前記負荷はインバータを含んでもよい。
【0017】
前記負荷は前記インバータに連結されたモータジェネレータを含んでもよい。
【0018】
前記コントローラーはインバータコントローラー、前記バッテリーパックの動作状態をモニタするようにするマスターバッテリー管理システム、またはエアバッグコントローラーを含んでもよい。
【0019】
前記バッテリーパックは正極および陰極を含み、前記第1メインリレーは前記正極と前記負荷の間に連結され、前記第1サブリレーは前記正極と前記負荷の間に連結されてもよい。
【0020】
前記バッテリーパックは正極および陰極を含み、前記第1メインリレーは前記陰極と前記負荷の間に連結され、前記第1サブリレーは前記陰極と前記負荷の間に連結されてもよい。
【0021】
前記陰極と前記負荷の間に連結される第2メインリレーを含んでもよい。
【0022】
前記正極と前記負荷の間に連結される第2メインリレーを含んでもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、バッテリーパックと負荷の間に連結された第1メインリレーをターンオンする段階、前記第1メインリレーに並列に前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結された第1サブリレー素子内の第1サブリレーをターンオンする段階、および前記第1サブリレーのターンオフ以前に前記第1メインリレーをターンオフする段階を含むことを特徴とするスイッチング方法が提供される。
【0024】
前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結された第2メインリレーをターンオンする段階、および前記第1メインリレーのターンオフ以降と前記第1サブリレーのターンオフ以前に前記第2メインリレーをターンオフする段階を含んでもよい。
【0025】
前記バッテリーパックと前記負荷の間に連結された第2メインリレーをターンオンする段階、前記第2メインリレーに並列に前記バッテリーパックおよび前記負荷の間に連結された第2サブリレー素子内の第2サブリレーをターンオンする段階、および前記第2サブリレーのターンオフ以前に前記第2メインリレーをターンオフする段階を含んでもよい。
【0026】
前記負荷はインバータを含み、前記第1サブリレーのターンオフ以前に前記第1メインリレーのターンオフ段階は、前記インバータを制御するようにするインバータコントローラーまたはエアバッグを制御するようにするエアバッグコントローラーからの信号によって前記第1サブリレーのターンオフ以前に前記第1メインリレーをターンオフしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、リレーのターンオフの際、アークおよびスパーク現象を防止してリレーの溶着現象を防止できるバッテリー管理システムおよびそのスイッチング方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の他の実施例によるバッテリー管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】リレーの負荷電流とリレーの寿命との関係を示すグラフである。
【
図4】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を示すフローチャートである。
【
図5a】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を順次に示す図である。
【
図5b】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を順次に示す図である。
【
図5c】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を順次に示す図である。
【
図5d】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を順次に示す図である。
【
図5e】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を順次に示す図である。
【
図6a】メインリレーをターンオフした場合の時間と電流間の関係を示すグラフである。
【
図6b】サブリレーをターンオンした以後メインリレーをターンオフした場合の時間と電流間の関係を示すグラフである。
【
図7】本発明の他の実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を示すフローチャートである。
【
図8a】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムでリレーのターンオフの順序を示す図である。
【
図8b】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムでリレーのターンオフの順序を示す図である。
【
図8c】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムでリレーのターンオフの順序を示す図である。
【
図8d】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムでリレーのターンオフの順序を示す図である。
【
図8e】本発明の一実施例によるバッテリー管理システムでリレーのターンオフの順序を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0031】
本発明の実施例は該当技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、下記実施例は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。むしろ、これら実施例は本開示をより充実かつ完全になるようにし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0032】
また、本明細書で用いられたように、‘および/または’という用語は該当記載された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0033】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施例を説明するために用いられ、本発明を限定しようとするものではない。本明細書に用いられたように、単数型は文脈上異なる場合を明白に指摘するものでない限り、複数型を含むことができる。また、本明細書で用いられる‘含む(comprise)’および/または‘含んでいる(comprising)’は言及された形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらの組み合わせが存在することを特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはこれらの組み合わせの存在または付加を排除するものではない。
【0034】
本明細書で第1、第2などの用語が多様な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために用いられるが、これら部材、部品、領域、層および/または部分は、前記用語によって限定されてはならないということは明らかであろう。前記用語は一つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分から区別する目的にのみ用いられる。したがって、以下に説明する第1部材、部品、領域、層または部分は、本発明の思想を外れなくても第2部材、部品、領域、層または部分を指称することができる。
【0035】
また、本明細書で説明される‘リレー’という用語は電磁気リレーであって、一例として、DC電磁気リレー、AC電磁気リレー、マグネチック−ラッチング(latching)リレー、有極(polarized)リレー、リード(reed)リレーなどを含む。さらに、本明細書で使用される‘リレー’は相対的に小さい電気的信号によって相対的に大きい電気的信号を制御できる装置を含む概念であり、本明細書でリレーの種類を限定するものではない。
【0036】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリー管理システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示されているように、本発明によるバッテリー管理システム101は多数のバッテリーパック110、多数のスレーブバッテリー管理部120、マスターバッテリー管理部130、電流センサー131、第1メインリレー141、第1サブリレー素子を含む第1サブリレー142および第2メインリレー151を含む。また、本発明は安全スイッチ161および安全ヒューズ162を含むことができる。さらに、本発明は制御部170(またはインバータ制御部)、インバータ180およびモータジェネレータ190をさらに含むことができる。スレーブバッテリー管理部はスレーブバッテリー管理システム(図において、スレーブBMS)と、マスターバッテリー管理部はマスターバッテリー管理システム(図において、マスターBMS)と指称することができる。また、インバータおよびモータジェネレータは負荷(load)と指称することができる。
【0038】
多数のバッテリーパック110それぞれは多数のバッテリーセル111を含む。このようなバッテリーセル111は直列および/または並列に連結される。また、多数のバッテリーパック110も直列および/または並列に連結される。このようなバッテリーセル111はリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池およびその等価物からなるグループから選択された一つであることができ、本発明はこれに限定されるものではない。さらに、本発明ではバッテリーパック110以外にも燃料電池、太陽電池または風力発電機などを利用することもできる。
【0039】
多数のスレーブバッテリー管理部120それぞれは対応するバッテリーパック110に電気的に連結されてバッテリーパック110の電圧および/または温度をセンシングし、バッテリーパック110の充電、放電および/またはセルバランシングなどを管理する。もちろん、一つのスレーブバッテリー管理部120は一つのバッテリーパック110を管理する。さらに、このようなスレーブバッテリー管理部120はカン(CAN)方式で相互間電気的に連結されることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。一例として、シリアル通信の一種であるRS232、RS422またはIEEE1394方式で相互間電気的に連結されることもできる。
【0040】
マスターバッテリー管理部130はスレーブバッテリー管理部120に電気的に連結されて、各スレーブバッテリー管理部120から転送されたバッテリーパック110の電圧および/または温度を利用してすべてのバッテリーパック110の全体的な充電、放電および/またはパックバランシングなどを管理する。さらに、このようなマスターバッテリー管理部130は電流センサー131から得られた電流値を利用して、バッテリーパック110に過電流が入力されたりまたはバッテリーパック110から過電流が出力されないように管理する。さらに、このようなマスターバッテリー管理部130は下記する第1メインリレー141、第1サブリレー142、第2メインリレー151、第2サブリレー152(
図2参照)のターンオンおよび/またはターンオフ状態を直接制御する。
【0041】
電流センサー131はバッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)との間に電気的に連結されて、バッテリーパック110に入力(充電)される電流および/または出力(放電)される電流を感知し、これをマスターバッテリー管理部130に伝達する。電流センサー131はホールセンサー、シャント抵抗およびその等価物からなるグループから選択されたいずれか一つであることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
第1メインリレー141はバッテリーパック110の正極と負荷(ここでは、インバータ180)との間に電気的に連結される。このような第1メインリレー141はバッテリーパック110の正常状態でターンオン状態を維持するが、バッテリーパック110の過充電、過放電および/または過電流のような非正常状態でターンオフされる。このために、第1メインリレー141はマスターバッテリー管理部130の制御信号によってターンオンおよび/またはターンオフされる。さらに、このような第1メインリレー141はインバータ180を制御するインバータ制御部170、エアバッグを制御するエアバッグ制御部(図示せず)の制御信号によってターンオンおよび/またはターンオフされることができる。実際に、第1メインリレー141は、1次にインバータ制御部170によってターンオンおよび/またはターンオフされ、このようなインバータ制御部170が故障した場合、2次にマスターバッテリー管理部130によってターンオンおよび/またはターンオフされる。もちろん、第1メインリレー141はエアバッグ制御部の制御信号によって、いつでもターンオンおよび/またはターンオフされることができる。言い換えれば、第1メインリレーを制御するための制御部はマスターバッテリー管理部130、インバータ制御部170およびエアバッグ制御部を含む。
【0043】
第1サブリレー素子は抵抗Rをさらに含み、第1メインリレー141に並列に連結される。抵抗Rは第1サブリレー142に直列に連結される。このような第1サブリレー142はバッテリーパック110の正常状態でターンオフ状態を維持するが、第1メインリレー141のターンオフ前に一定時間の間、まず、ターンオン状態を維持する。実際に、このような第1サブリレー142はバッテリーパック110が過放電された状態でバッテリーパック110が予備充電されるように、まず、ターンオン状態を維持することもできる。もちろん、予備充電が完了した状態で第1サブリレー142はターンオフされ、第1メインリレー141がターンオンされる。前述したように、第1サブリレー142もマスターバッテリー管理部130の制御信号によってターンオンおよび/またはターンオフされる。
【0044】
さらに、前述したように、第1サブリレー142はインバータ180を制御するインバータ制御部170、エアバッグを制御するエアバッグ制御部の制御信号によってターンオンおよび/またはターンオフされることができる。
【0045】
また、第1サブリレー142は、一次にインバータ制御部170によってターンオンおよび/またはターンオフされ、インバータ制御部170が故障した場合、2次にマスターバッテリー管理部130によってターンオンおよび/またはターンオフされることができる。もちろん、第1サブリレー142はエアバッグ制御部の制御信号によって、いつでもターンオンおよび/またはターンオフされることができる。言い換えれば、第1サブリレーを制御するための制御部はマスターバッテリー管理部130、インバータ制御部170およびエアバッグ制御部を含む。
【0046】
第2メインリレー151はバッテリーパック110の陰極と負荷(ここでは、インバータ180)との間に電気的に連結される。このような第2メインリレー151はバッテリーパック110の正常状態でターンオン状態を維持するが、バッテリーパック110の過充電、過放電および/または過電流状態のような非正常状態でターンオフされる。このために、第2メインリレー151はマスターバッテリー管理部130の制御信号によってターンオンおよび/またはターンオフされる。さらに、このような第2メインリレー151はインバータ180を制御するインバータ制御部170、エアバッグを制御するエアバッグ制御部の制御信号によってターンオンおよび/またはターンオフされることができる。実際に、第2メインリレー151は一次にインバータ制御部170によってターンオンおよび/またはターンオフされ、インバータ制御部170が故障した場合、2次にマスターバッテリー管理部130によってターンオンおよび/またはターンオフされる。もちろん、第2メインリレー151はエアバッグ制御部の制御信号によって、いつでもターンオンおよび/またはターンオフされることができる。言い換えれば、第2メインリレーを制御するための制御部はマスターバッテリー管理部130、インバータ制御部170およびエアバッグ制御部を含む。
【0047】
安全スイッチ161はバッテリーパック110の間に電気的に連結され、これはバッテリー管理システム101の故障修理や点検の際、作業者によってターンオフされることができる。したがって、故障修理および点検の際、安全スイッチ161がターンオフされていると、作業者に高電流が流れる危険を防止することができる。
【0048】
安全ヒューズ162はバッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)との間に連結されて基準値以上の過電流が流れると溶融して電流を遮断し、これによってバッテリー管理システム101の損傷を防止することができる。
【0049】
制御部170はマスターバッテリー管理部130に電気的に連結されて、マスターバッテリー管理部130から得られた情報に基づいてインバータ180を制御する。もちろん、このような制御部170には使用者によるアクセルペダルの開放角度情報および/またはブレーキペダルの開放角度情報が入力されてインバータ180が制御されるようにするが、これは本発明の内容と関連が少ないので、これに対する説明は省略する。一方、このような制御部170はモータコントロールユニット(motor control unit)またはハイブリッドコントロールユニット(hybrid control unit)といわれることもある。
【0050】
インバータ180は第1メインリレー141、第1サブリレー142および第2メインリレー151に電気的に連結されて、自動車の加速時にバッテリーパック110からの電源を一定のレベルに変換してモータジェネレータ190に伝達したり、または自動車の減速時にモータジェネレータ190から得られた電源をバッテリーパック110に伝達する。つまり、インバータ180は両方向に動作する。
【0051】
モータジェネレータ190はインバータ180に電気的に連結されて自動車に推進力を提供したり、または自動車の減速時にバッテリーパック110に電源を提供する。
【0052】
図2は本発明の他の実施例によるバッテリー管理システムの構成を示すブロック図である。
【0053】
実質的に、
図2に示されたバッテリー管理システム102は、
図1に示されたバッテリー管理システム101と比較して、サブリレーの連結位置が相異するだけである。つまり、
図2に示されているように、バッテリー管理システム102はバッテリーパック110の陰極と負荷(ここでは、インバータ180)の間に第2メインリレー151が電気的に連結され、このような第2メインリレー151に並列に第2サブリレー152が電気的に連結される。もちろん、第2サブリレー152には抵抗Rが直列に連結される。第2サブリレーおよび抵抗Rが第2サブリレー素子を形成する。
【0054】
図3はリレーの負荷電流とリレーの寿命との関係を示すグラフである。
【0055】
図3においてX軸(水平軸)は負荷電流Aであり、Y軸(垂直軸)はリレーの推定寿命(サイクル)である。ここで、サイクルとは、リレーのターンオンおよび/またはターンオフ回数を意味する。
【0056】
図3に示されているように、同じ容量のリレーであるとしても、負荷電流が大きいほど推定寿命は小さくなることがわかる。もちろん、負荷電流が小さいほど推定寿命は増加することがわかる。したがって、リレーの寿命を増加させるためには、リレーのターンオンおよび/またはターンオフの際、負荷電流を減少させる必要がある。特に、リレーのターンオン時よりはリレーのターンオフ時にリレーにストレスが相対的に大きく印加されるので、リレーのターンオフ時に負荷電流を減少させる必要がある。
【0057】
図4は本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を示すフローチャートである。ここで、
図4は
図1に示されたバッテリー管理システム101のスイッチング方法を示す図である。また、スイッチング方法とは、バッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)が電気的に連結された状態から電気的に分離された状態に切換する方法を意味する。
【0058】
図4に示されているように、本発明は第1、第2メインリレーのターンオン段階(S1)、第1サブリレーのターンオン段階(S2)、第1メインリレーのターンオフ段階(S3)、第2メインリレーのターンオフ段階(S4)および第1サブリレーのターンオフ段階(S5)を含む。
【0059】
図5a乃至
図5eは本発明の一実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を順次に示す図である。
図4も共に参照して、本発明によるバッテリー管理システム101のスイッチング方法を説明する。ここで、制御の主体は制御部170、マスターバッテリー管理部130またはエアバッグ制御部である。実質的に、制御部170が主制御権を有し、制御部170が制御できない場合、マスターバッテリー管理部130が主制御権を有する。さらに、エアバッグが動作すれば、即刻にエアバッグ制御部が主制御権を有する。
【0060】
第1、第2メインリレーのターンオン段階(S1)では、
図5aに示されているように、第1メインリレー141および第2メインリレー151をターンオンさせることによって、バッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)が電気的に連結されるようにする。もちろん、このとき、第1サブリレー142はターンオフされた状態を維持する。このような状態はバッテリーパック110が正常に充電および/または放電される間に維持される。
【0061】
第1サブリレーのターンオン段階(S2)では、
図5bに示されているように、第1サブリレー142をターンオンさせることによって、第1メインリレー141を通した電流が減少するようにする。つまり、第1サブリレー142がターンオンされる前に電流は第1メインリレー141だけを通じて流れたが、第1サブリレー142がターンオンされることによって、第1メインリレー141を通した電流は減少することになる。このような状態はバッテリーパック110が非正常的に充電および/または放電されたり、基準電流より大きい過電流が流れたり、またはエアバッグが動作したときに始まる。
【0062】
第1メインリレーのターンオフ段階(S3)では、
図5cに示されているように、第1サブリレー142に並列に連結された第1メインリレー141をターンオフする。ここで、第1メインリレー141に並列に連結された第1サブリレー142がターンオンされた状態であるため、第1メインリレー141をターンオフするとしても、バッテリーパック110の正極と負荷(ここでは、インバータ180)の間の電流が急激に減少しなくなる。つまり、第1メインリレー141がターンオフするとしても、抵抗Rを有する第1サブリレー142がターンオンされた状態であるので、このような第1サブリレー142を通じて一定のレベルの電流が流れることになる。
【0063】
第2メインリレーのターンオフ段階(S4)では、
図5dに示されているように、第2メインリレー151をターンオフさせることによって、バッテリーパック110の陰極と負荷(ここでは、インバータ180)の間の電気的経路が遮断されることになる。
【0064】
第1サブリレーのターンオフ段階(S5)では、
図5eに示されているように、第1サブリレー142をターンオフさせることによって、バッテリーパック110の正極と負荷(ここでは、インバータ180)の間の電気的経路が遮断されるようにする。このようにして、バッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)との間の電気的経路は完全に遮断される。
【0065】
このようにして、本発明によるバッテリー管理システム101およびそのスイッチング方法は、バッテリーパック110の正極と負荷の間に連結された第1メインリレー141のターンオフ(開放)時に電流が徐々に減少するようにしてアークおよびスパーク現象を防止し、これによって第1メインリレー141の溶着現象を効率的に防止することができる。つまり、本発明は第1メインリレー141のターンオフ(開放)前に抵抗Rを有する第1サブリレー142をターンオン(閉鎖)し、次いで第1メインリレー141をターンオフし、最後に第1サブリレー142をターンオフすることによって、電流が段階的に減少するようにして、第1メインリレー141でのアークおよびスパーク現象を防止し、これによって第1メインリレー141の溶着現象を防止できることになる。
【0066】
図6aはメインリレーをターンオフした場合、時間と電流との関係を示すグラフであり、
図6bはサブリレーをターンオンした以後、メインリレーをターンオフした場合の時間と電流との関係を示すグラフである。
【0067】
図6aに示されているように、サブリレーがない状態でメインリレーを直接ターンオフ(開放)した場合、一定時間の間に電流が急激に減少することによって、メインリレーでアークおよびスパークが発生する危険が大きくなり、これによってメインリレーが溶着することができる。
【0068】
しかし、
図6bに示されているように、サブリレーがターンオンされた状態でメインリレーがターンオフされ、最後にサブリレーがターンオフされる場合、一定時間の間に電流が段階的に減少することによって、メインリレーでアークおよびスパークが発生する危険が少なくなり、これによってメインリレーが溶着する確率が少なくなる。
【0069】
図7は本発明の他の実施例によるバッテリー管理システムのスイッチング方法を示すフローチャートである。つまり、
図7は
図2に示されたバッテリー管理システム102のスイッチング方法を示す図である。
【0070】
図7に示されているように、本発明は第1、第2メインリレーのターンオン段階(S11)、第2サブリレーのターンオン段階(S12)、第2メインリレーのターンオフ段階(S13)、第1メインリレーのターンオフ段階(S14)および第2サブリレーのターンオフ段階(S15)を含む。
【0071】
図8a乃至
図8eは本発明の一実施例によるバッテリー管理システムでリレーのターンオフ順序を示す図である。
図7も共に参照して、本発明によるバッテリー管理システム102のスイッチング方法を説明する。
【0072】
第1、第2メインリレーのターンオン段階(S11)では、
図8aに示されているように、第1メインリレー141および第2メインリレー151をターンオンさせることによって、バッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)が電気的に連結されるようにする。もちろん、このとき、第2サブリレー152はターンオフされた状態を維持する。
【0073】
第2サブリレーのターンオン段階(S12)では、
図8bに示されているように、第2サブリレー152をターンオンさせることによって、第2メインリレー151を通した電流が減少するようにする。つまり、第2サブリレー152がターンオンする前に電流は第2メインリレー151だけを通じて流れていたが、第2サブリレー152がターンオンすることによって、第2メインリレー151を通した電流は減少することになる。
【0074】
第2メインリレーのターンオフ段階(S13)では、
図8cに示されているように、第2サブリレー152が並列に連結された第2メインリレー151をターンオフする。ここで、第2メインリレー151に並列に連結された第2サブリレー152がターンオンされた状態であるので、第2メインリレー151をターンオフするとしても、バッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)との間の電流が急激に減少しなくなる。つまり、第2メインリレー151がターンオフされるとしても、抵抗Rを有する第2サブリレー152がターンオンされた状態であるため、このような第2サブリレー152を通じて依然として電流が流れるためである。
【0075】
第1メインリレーのターンオフ段階(S14)では、
図8dに示されているように、第1メインリレー141をターンオフさせることによって、バッテリーパック110の正極と負荷(ここでは、インバータ180)との間の電気的経路が遮断されるようにする。
【0076】
第2サブリレーのターンオフ段階(S15)では、
図8eに示されているように、第2サブリレー152をターンオフさせることによって、バッテリーパック110の陰極と負荷(ここでは、インバータ180)との間の電気的経路が遮断されるようにする。このようにして、バッテリーパック110と負荷(ここでは、インバータ180)との間の電気的経路は完全に遮断される。
【0077】
このようにして、本発明によるバッテリー管理システム102およびそのスイッチング方法は、バッテリーパック110の陰極と負荷の間に連結された第2メインリレー151のターンオフ(開放)時に電流が徐々に減少するようにしてアークおよびスパーク現象を防止し、これによって第2メインリレー151の溶着現象を効率的に防止することができる。つまり、本発明は第2メインリレー151のターンオフ(開放)前に抵抗Rを有する第2サブリレー152をターンオン(閉鎖)し、次いで第2メインリレー151をターンオフし、最後に第2サブリレー152をターンオフすることによって、電流が段階的に減少するようにして、第2メインリレー151でのアークおよびスパーク現象を防止し、これによって第2メインリレー151の溶着現象を防止できることになる。
【0078】
一方、前述のように、第1メインリレーに抵抗を有する第1サブリレーが並列に連結された場合と、第2メインリレーに抵抗を有する第2サブリレーが並列に連結された場合をそれぞれ説明したが、本発明では前記の各場合が一つの回路で同時に具現されることもできる。
【0079】
つまり、第1メインリレーに抵抗を有する第1サブリレーが並列に連結されると同時に、第2メインリレーに抵抗を有する第2サブリレーが並列に連結された回路も可能である。もちろん、この場合、第1サブリレーがターンオンされた以後に第1メインリレーがターンオフされ、また、第2サブリレーがターンオンされた以後に第2メインリレーがターンオフされることができる。さらに、第2サブリレーがターンオンされた以後に第2メインリレーがターンオフされ、また、第1サブリレーがターンオンされた以後に第1メインリレーがターンオフされることができる。さらに、このような動作以降は、第1、第2サブリレーがターンオフされることによって、第1、第2メインリレーでのアーク、スパークおよび溶着現象を防止することができる。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。