特許第6612103号(P6612103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6612103
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】ゲーム装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/577 20140101AFI20191118BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20191118BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20191118BHJP
【FI】
   A63F13/577
   A63F13/812 D
   A63F13/426
【請求項の数】6
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-208379(P2015-208379)
(22)【出願日】2015年10月22日
(65)【公開番号】特開2017-79823(P2017-79823A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嘉範
(72)【発明者】
【氏名】時任 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】徳江 晶彦
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−146556(JP,A)
【文献】 米国特許第4521020(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの操作情報が入力される操作部と、
画像が表示される表示部と、
前記操作情報に基づいて、ブロック崩しゲームのゲーム画像を前記表示部に表示する処理を行う処理部と、
を含み、
前記処理部は、
前記操作情報に基づき移動領域で移動する操作体と、前記操作体のヒット対象となる移動体と、前記操作体に対して相対的に移動する複数のブロックとを、前記表示部に表示する処理を行い、
前記操作体に前記移動体がヒットした場合に、前記操作体により前記移動体がはね返される処理を行い、前記移動体が、前記複数のブロックのいずれのブロックにヒットしたかを判定するヒット判定処理を行うと共に、
前記操作体に向かって移動するブロックを、前記操作体の前記移動領域を超えた位置に移動させる処理を行い、前記移動領域を超えた位置に移動した前記ブロックと、前記移動体との前記ヒット判定処理を行い、
前記処理部は、
前記ブロックが第1の方向に沿って移動する場合に、前記操作体の前記移動領域の前記第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域において、前記拡張ヒット判定領域内に移動した前記ブロックと前記移動体とのヒット判定処理を行い、
前記拡張ヒット判定領域よりも前記第1の方向側に前記移動体が移動したと判断された場合に、前記移動体がロスト状態になったと判定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記処理部は、
所与の出現条件が満たされた場合に、前記操作情報に基づき前記操作体と共に移動する付加操作体を、前記表示部に表示する処理を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記処理部は、
前記複数のブロックのうちの第1の種類のブロックに対して、前記付加操作体又は前記操作体がヒットしたと判定された場合に、前記付加操作体を消滅させる処理を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記複数のブロックは複数のブロック群にグループ分けされており、
前記処理部は、
前記複数のブロック群の各ブロック群毎に、前記第1の種類のブロックの配置及び個数の少なくとも1つを設定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記処理部は、
前記第1の種類のブロックが前記移動体、前記付加操作体又は前記操作体とヒットしたと判定された場合に、前記第1の種類のブロックの位置を基準として設定された所与の範囲のブロックを消滅させる処理を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
操作部により入力されたプレーヤの操作情報を受け付ける入力処理部と、
前記操作情報に基づいて、ブロック崩しゲームのゲーム画像を表示部に表示する処理を行う演算処理部として、
コンピュータを機能させ、
前記演算処理部は、
前記操作情報に基づき移動領域で移動する操作体と、前記操作体のヒット対象となる移動体と、前記操作体に対して相対的に移動する複数のブロックとを、前記表示部に表示する処理を行い、
前記操作体に前記移動体がヒットした場合に、前記操作体により前記移動体がはね返される処理を行い、前記移動体が、前記複数のブロックのいずれのブロックにヒットしたかを判定するヒット判定処理を行うと共に、
前記操作体に向かって移動するブロックを、前記操作体の前記移動領域を超えた位置に移動させる処理を行い、前記移動領域を超えた位置に移動した前記ブロックと、前記移動体との前記ヒット判定処理を行い、
前記演算処理部は、
前記ブロックが第1の方向に沿って移動する場合に、前記操作体の前記移動領域の前記第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域において、前記拡張ヒット判定領域内に移動した前記ブロックと前記移動体とのヒット判定処理を行い、
前記拡張ヒット判定領域よりも前記第1の方向側に前記移動体が移動したと判断された場合に、前記移動体がロスト状態になったと判定することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ブロック崩しゲームをプレイできるゲーム装置が知られている。このブロック崩しゲームでは、プレーヤはパドル(ラケット)を画面上で左右に動かし、自律的に移動するボールをパドルによってはね返す。そしてはね返したボールをブロックにヒット(衝突)させることで、当該ブロックを消滅させる。このようにしてブロックを順次に消滅させることで、ブロック崩しゲームが実現される。このようなブロック崩しのゲーム装置の従来技術としては、例えば特許文献1、2に開示される技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−146556号公報
【特許文献2】特開平2010−119517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これまでのブロック崩しゲームでは、パドルは画面の最下部に配置され、そのパドルの前方に複数のブロックが配置されていた。そして、プレーヤがパドルを上手く操作できず、ボールのはね返しに失敗して、パドルの下方にボールが移動してボールがロストになると、ゲームオーバーとなってしまう。従って、ボールのはね返しに失敗した場合の救済措置がなく、ゲームの戦略性や面白味を今ひとつ向上できなかった。また従来のブロック崩しゲームでは、パドルとブロックとのヒット判定処理も行われなかった。
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、ロスト状態になるはずの移動体の救済等が可能になり、これまでにないタイプのブロック崩しゲームを実現できるゲーム装置、及びプログラム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、プレーヤの操作情報が入力される操作部と、画像が表示される表示部と、前記操作情報に基づいて、ブロック崩しゲームのゲーム画像を前記表示部に表示する処理を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記操作情報に基づき移動領域で移動する操作体と、前記操作体のヒット対象となる移動体と、前記操作体に対して相対的に移動する複数のブロックとを、前記表示部に表示する処理を行い、前記操作体に前記移動体がヒットした場合に、前記操作体により前記移動体がはね返される処理を行い、前記移動体が、前記複数のブロックのいずれのブロックにヒットしたかを判定するヒット判定処理を行うと共に、前記操作体に向かって移動するブロックを、前記操作体の前記移動領域を超えた位置に移動させる処理を行い、前記移動領域を超えた位置に移動した前記ブロックと、前記移動体との前記ヒット判定処理を行い、前記処理部は、前記ブロックが第1の方向に沿って移動する場合に、前記操作体の前記移動領域の前記第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域において、前記拡張ヒット判定領域内に移動した前記ブロックと前記移動体とのヒット判定処理を行い、前記拡張ヒット判定領域よりも前記第1の方向側に前記移動体が移動したと判断された場合に、前記移動体がロスト状態になったと判定するゲーム装置に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、操作体に移動体がヒットした場合に、移動体がはね返される処理が行われ、移動体とブロックとのヒット判定処理が行われる。そして操作体に向かって例えば第1の方向に沿って移動するブロックを、操作体の移動領域を超えた位置に移動させる処理が行われて、操作体の移動領域の第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域において、当該ブロックと移動体とのヒット判定処理が行われる。そして、拡張ヒット判定領域よりも第1の方向側に移動体が移動したと判断されると、移動体がロスト状態になったと判定される。例えば1又は複数の移動体がロスト状態(ミス)になった場合等には、ゲームオーバー処理が行われる。このように本発明の一態様によれば、通常のヒット判定領域のみならず、操作体の移動領域の第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域においても、ブロックと移動体とのヒット判定処理が行われる。そして、この拡張ヒット判定領域よりも第1の方向側に移動体が移動した場合に、移動体がロスト状態になったと判定される。このようにすれば、これまでのブロック崩しゲームにおいてはロスト状態になるはずの移動体の救済等が可能になり、これまでにないタイプのブロック崩しゲームの実現が可能になる。
【0008】
また本発明の一態様では、前記処理部は、所与の出現条件が満たされた場合に、前記操作情報に基づき前記操作体と共に移動する付加操作体を、前記表示部に表示する処理を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、付加操作体の出現条件が満たされると、操作体と共に移動する付加操作体が表示されるようになる。これにより、操作体と移動体とのヒット判定処理のみならず、付加操作体と移動体とのヒット判定処理が行われて、移動体がはね返される処理が行われるようになる。これにより、操作体により移動体をはね返す際のプレーヤの操作が易しくなり、プレーヤはゲームを優位に進めることが可能になる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記複数のブロックのうちの第1の種類のブロックに対して、前記付加操作体又は前記操作体がヒットしたと判定された場合に、前記付加操作体を消滅させる処理を行ってもよい。
【0011】
このようにすれば、第1の種類のブロックに付加操作体又は操作体がヒットすると、付加操作体が消滅するようになり、ゲームバランスの好適な調整等が可能になる。
【0012】
また本発明の一態様では、前記複数のブロックは複数のブロック群にグループ分けされており、前記処理部は、前記複数のブロック群の各ブロック群毎に、前記第1の種類のブロックの配置及び個数の少なくとも1つを設定してもよい。
【0013】
このようにすれば、複数のブロック群の各ブロック群毎に、第1の種類のブロックの配置や個数を設定できるようになる。従って、付加操作体を消滅させる第1の種類のブロックの配置や個数を、様々に設定できるようになり、ゲームの戦略性や面白味の向上が可能になる。
【0014】
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の種類のブロックが前記移動体、前記付加操作体又は前記操作体とヒットしたと判定された場合に、前記第1の種類のブロックの位置を基準として設定された所与の範囲のブロックを消滅させる処理を行ってもよい。
【0015】
このようにすれば、第1の種類のブロックが移動体、付加操作体又は操作体とヒットした場合に、第1の種類のブロックを基準とした所与の範囲のブロックが消滅するようになり、ゲームの戦略性や面白味の更なる向上が可能になる。
【0016】
また本発明の他の態様は、操作部により入力されたプレーヤの操作情報を受け付ける入力処理部と、前記操作情報に基づいて、ブロック崩しゲームのゲーム画像を表示部に表示する処理を行う演算処理部として、コンピュータを機能させ、前記演算処理部は、前記操作情報に基づき移動領域で移動する操作体と、前記操作体のヒット対象となる移動体と、前記操作体に対して相対的に移動する複数のブロックとを、前記表示部に表示する処理を行い、前記操作体に前記移動体がヒットした場合に、前記操作体により前記移動体がはね返される処理を行い、前記移動体が、前記複数のブロックのいずれのブロックにヒットしたかを判定するヒット判定処理を行うと共に、前記操作体に向かって移動するブロックを、前記操作体の前記移動領域を超えた位置に移動させる処理を行い、前記移動領域を超えた位置に移動した前記ブロックと、前記移動体との前記ヒット判定処理を行い、前記演算処理部は、前記ブロックが第1の方向に沿って移動する場合に、前記操作体の前記移動領域の前記第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域において、前記拡張ヒット判定領域内に移動した前記ブロックと前記移動体とのヒット判定処理を行い、前記拡張ヒット判定領域よりも前記第1の方向側に前記移動体が移動したと判断された場合に、前記移動体がロスト状態になったと判定するプログラムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】業務用のゲーム装置への本実施形態の適用例。
図2図2(A)〜図2(D)は種々のゲーム装置への本実施形態の適用例。
図3】本実施形態のゲーム装置の構成例。
図4図4(A)〜図4(C)は本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図5図5(A)、図5(B)も本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図6図6(A)、図6(B)も本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図7図7(A)、図7(B)も本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図8図8(A)、図8(B)も本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図9図9(A)、図9(B)も本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図10図10(A)、図10(B)も本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの説明図。
図11図11(A)、図11(B)は本実施形態の手法の説明図。
図12図12(A)〜図12(D)は付加パドルについての説明図。
図13図13(A)〜図13(D)は爆弾ブロックによる付加パドルの消滅処理の説明図。
図14】ブロック群でのブロックの配置設定手法の説明図。
図15】ブロック情報の一例。
図16】ブロック情報であるブロック群情報の一例。
図17】本実施形態の詳細な処理例を示すフローチャート。
図18】本実施形態の詳細な処理例を示すフローチャート。
図19】本実施形態の詳細な処理例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0019】
1.ゲーム装置
図1に本実施形態のゲーム装置の外観構成例を示す。図1は業務用のゲーム装置への本実施形態の適用例である。
【0020】
図1のゲーム装置は、ディスプレイ10、スピーカ12、13、操作デバイス20、メダルの投入口30、メダルの払い出し口32を有する。
【0021】
ディスプレイ10には、本実施形態により生成されたゲーム画像が表示される。このゲームは、移動するボール60をパドル50〜54によりはね返して、ブロック70、71、80、86にボールを当て、ブロック崩しを楽しむゲームである。ディプレイ10は例えばLCDやCRTなどにより実現される。
【0022】
スピーカ12、13は、ゲーム装置により生成されたゲーム音を出力する。操作デバイス20は、ボリューム式コントローラ22、スタートボタン24等を有する。ボリューム式コントローラ22は、右回り又は左回りに自在に回転するコントローラである。スタートボタン24は、プレーヤがゲームスタートを指示するための操作ボタンである。
【0023】
ボリューム式コントローラ22は、プレーヤの操作により回転する回転体と、回転体の回転情報を検出する検出部を有する。検出部は、例えばフォトセンサを用いたロータリーエンコーダ等により実現でき、この検出部により、回転体の回転角度や回転速度などの回転情報を検出できる。
【0024】
プレーヤは、投入口30にメダル(コイン)を投入して、メダルゲームをプレイする。プレーヤがゲームでポイントを獲得すると、そのポイントに応じたメダルが払い出し口32から払い出される。なお、いわゆるリデンプションゲーム(redemption game)の場合には、プレーヤがゲームで獲得したポイントに応じたチケットが払い出され、景品等との交換が可能になる。
【0025】
なお本実施形態の手法が適用されるゲーム装置は、図1のような業務用のゲーム装置には限定されない。例えば本実施形態の手法が適用されるゲーム装置は、図2(A)に示すような携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)であってもよい。或いは図2(B)や図2(C)に示すような携帯型のゲーム装置や家庭用のゲーム装置(据え置き型)であってもよい。或いはパーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置により本実施形態のゲーム装置を実現してもよい。
【0026】
また本実施形態では、図2(D)に示すように、ゲーム装置である端末装置TM1〜TMnを、ネットワーク510を介してサーバシステム500に通信接続する構成を採用してもよい。サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、プレーヤ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームなどのプレイが可能になる。本実施形態のブロック崩しゲームは、このようなソーシャルゲームとして実現されるものであってもよい。或いは、サーバシステム500から、端末装置TM1〜TMn(ゲーム装置)にダウンロードされるアプリと呼ばれるプログラムにより、本実施形態のブロック崩しゲームを実現してもよい。
【0027】
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。端末装置TM1〜TMnは、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TM1〜TMnとして、図1図2(C)に示すようなゲーム装置を用いることができる。
【0028】
図3に本実施形態のゲーム装置の詳細な構成例を示す。なお、本実施形態のゲーム装置の構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0029】
ゲーム装置は、処理部100、操作部160、記憶部170、表示部190、音出力部192、通信部196を含む。なお情報記憶媒体180には本実施形態の処理を実現するプログラムが記憶される。
【0030】
処理部100は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、入力処理、演算処理、出力処理などの各種の処理を行う。処理部100(プロセッサ)は、記憶部170(メモリ)に記憶される情報(プログラム、データ)に基づいて、本実施形態の各処理を行う。例えば処理部100は、記憶部170をワーク領域として本実施形態の各処理を実行する。この処理部100の機能は、少なくとも1つのプロセッサ(CPU、GPU等)や、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0031】
処理部100は、入力処理部102、演算処理部110、出力処理部140を含む。入力処理部102は、各種の情報の入力処理を行う。例えば入力処理部102は、操作部160により入力されたプレーヤの操作情報を受け付ける処理を、入力処理として行う。例えば操作部160で検出された操作情報を取得する処理を行う。また入力処理部102は、記憶部170から情報を読み出す処理を、入力処理として行う。例えば読み出しコマンドで指定された情報を、記憶部170から読み出す処理を行う。また入力処理部102は、通信部196を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。例えばゲーム装置の外部装置(他のゲーム装置、サーバシステム等)からネットワークを介して情報を受信する処理を行う。受信処理は、通信部196に情報の受信を指示したり、通信部196が受信した情報を取得して記憶部170に書き込む処理などである。
【0032】
演算処理部110は、各種の演算処理を行う。例えば演算処理部110は、ゲーム処理、移動処理、ヒット判定処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、或いは音処理などの演算処理を行う。この演算処理部110は、ゲーム処理部112、移動処理部114、ヒット判定処理部116、ゲーム成績演算部118、表示処理部120、音処理部130を含む。
【0033】
ゲーム処理は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などである。このゲーム処理はゲーム処理部112(ゲーム処理のプログラムモジュール)により実行される。移動処理は、ゲームに登場する表示物を2次元又は3次元のゲーム空間(オブジェクト空間)において移動させる処理である。この移動処理は移動処理部114(移動処理のプログラムモジュール)により実行される。ヒット判定処理は、一方の表示物と他方の表示物の接触判定(交差判定、衝突判定)を行う処理である。このヒット判定処理はヒット判定処理部116(ヒット判定処理のプログラムモジュール)により実行される。ゲーム成績演算処理は、プレーヤのゲームでの成績を演算する処理である。例えばゲーム成績演算処理は、プレーヤがゲームで獲得するポイントや得点を演算する処理や、ゲーム内通貨、メダル又はチケットなどのゲーム成果を演算する処理である。このゲーム成績演算処理はゲーム成績演算部118(ゲーム成績演算処理のプログラムモジュール)により実行される。表示処理は、表示部190に表示する画像の生成処理や、各種の画像処理や、或いは表示物の配置処理などである。音処理は、音出力部192に出力されるゲーム音等の音の生成処理や、サウンドエフェクト処理などである。これらの表示処理、音処理は、表示処理部120、音処理部130(表示処理、音処理のプログラムモジュール)により実行される。なお演算処理部110の各演算処理や各ブロックの詳細については後述する。
【0034】
出力処理部140は、各種の情報の出力処理を行う。例えば出力処理部140は、記憶部170に情報を書き込む処理を、出力処理として行う。例えば、書き込みコマンドで指定された情報を、記憶部170に書き込む処理を行う。また出力処理部140は、生成された画像の情報を表示部190に出力したり、生成された音の情報を音出力部192に出力する処理を、出力処理として行う。また出力処理部140は、通信部196を介して情報を送信する処理を、出力処理として行う。例えばゲーム装置の外部装置(他のゲーム装置、サーバシステム等)に対してネットワークを介して情報を送信する処理を行う。送信処理は、通信部196に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部196に指示する処理などである。
【0035】
操作部160(操作デバイス)は、プレーヤ(ユーザ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものである。操作部160は、例えば、操作コントローラ、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。図1を例にとれば、ボリューム式コントローラ22、スタートボタン24などにより、操作部160が実現されている。図2(A)〜図2(C)を例にとれば、操作ボタン、タッチパネル型ディスプレイ、方向指示キー、アナログスティック、ゲームコントローラなどにより、操作部160が実現されている。
【0036】
記憶部170(メモリ)は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやSSDやHDDなどにより実現できる。記憶部170は、画像情報記憶部172、ブロック情報記憶部174、ゲーム成績情報記憶部176を含む。画像情報記憶部172は、表示物(表示オブジェクト)の各種の画像情報(形状情報、色情報、テクスチャ情報等)を記憶する。ブロック情報記憶部174は、ブロック崩しゲームのブロックの各種の情報を記憶する。ゲーム成績情報記憶部176は、処理部100で演算されたプレーヤのゲーム成績の情報(獲得したポイント、得点、或いは、メダル、チケット等のゲーム成果の情報)を記憶する。
【0037】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
【0038】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0039】
通信部196は、ネットワークを介して外部装置(他のゲーム装置、サーバシステム等)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0040】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0041】
そして本実施形態のゲーム装置は、プレーヤの操作情報が入力される操作部160(操作デバイス)と、画像が表示される表示部190(ディスプレイ)と、操作情報に基づいて、ブロック崩しゲームのゲーム画像を表示部190に表示する処理(ゲーム画像の生成処理)を行う処理部100(プロセッサ)を含む。例えば処理部100の入力処理部102が、操作部160により入力されたプレーヤの操作情報を受け付け、演算処理部110が、操作情報に基づいて、ブロック崩しゲームのゲーム画像を表示部190に表示する処理を行う。
【0042】
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170(メモリ)に記憶される情報(プログラム、データ)に基づいて、以下のような本実施形態の各処理を実行する。具体的には処理部100(プロセッサ、演算処理部)は、操作情報に基づき移動領域で移動する操作体と、操作体のヒット対象となる移動体と、操作体に対して相対的に移動する複数のブロックとを、表示部190に表示する処理を行う。即ち、これらの操作体、移動体、複数のブロックが表示されるゲーム画像の生成処理を行う。なお、この表示処理は、表示処理部120(表示処理のプログラムモジュール)が行う。
【0043】
また処理部100(プロセッサ、演算処理部110)は、操作体に移動体がヒットした場合に、操作体により移動体がはね返される処理を行い、操作体によりはね返されて移動する移動体が、複数のブロックのいずれのブロックにヒットしたかを判定するヒット判定処理を行う。そして操作体に向かって移動するブロックを、操作体の移動領域を超えた位置に移動させる処理を行い、移動領域を超えた位置に移動したブロックと、移動体とのヒット判定処理を行う。なお、移動体等の移動処理は、移動処理部114(移動処理のプログラムモジュール)が行い、ヒット判定処理は、ヒット判定処理部116(ヒット判定処理のプログラムモジュール)が行う。
【0044】
ここで操作体(操作要素)は、プレーヤの操作対象となる表示物であり、例えば後述するブロック崩しゲームにおけるパドル(ラケット)である。この操作体は、プレーヤの操作情報に基づいて、移動領域において移動する。例えばブロックが移動する方向(第1の方向)に交差(直交)する方向(第2の方向)に沿って移動する。図1を例にとれば、ボリューム式コントローラ22を右に回すと、操作体(パドル50〜54)は画面において右方向に移動し、左に回すと左方向に移動する。また移動体は、操作体のヒット対象となる表示物であり、例えばブロック崩しゲームにおけるボールである。またブロックは、ボール等の移動体のヒット対象となる表示物である。
【0045】
これらの操作体、移動体、ブロックの形状としては、種々の形状を採用できる。例えば操作体は、その移動方向を長辺とする長方形の形状であってもよいし、長方形以外の多角形形状や、円形状や楕円形状などの曲線を有する形状であってもよい。また移動体は、円形状や楕円形状などの曲線を有する形状であってもよいし、多角形形状や、それ以外の種々の形状であってもよい。またブロックとしても、ブロック崩しゲームに好適な種々のデザインの形状を採用できる。例えばブロックは、円形状や楕円形状などの曲線を有する形状であってもよいし、多角形形状や、それ以外の種々の形状であってもよい。例えばブロックは、風船、飛行船、飛行機等の種々の物体をデザインした形状であってもよい。また操作体、移動体、ブロックは、2次元ゲームにおける2次元の表示物(2次元オブジェクト)であってもよいし、3次元ゲームにおける3次元の表示物(3次元オブジェクト)であってもよい。
【0046】
そして本実施形態では、このような操作体(パドル50〜54)や、操作体のヒット対象となる移動体(ボール60)や、この操作体に対して相対的に移動する複数のブロック(70、71、80、86)が、表示部190に表示される。また操作体(パドル)に移動体(ボール)がヒットした場合に、操作体により移動体がはね返される処理を行う。例えば正面方向や右斜め方向や左斜め方向に移動体がはね返される処理を行う。そして操作体によりはね返されて移動する移動体(ボール)が、複数のブロックのいずれのブロックにヒットしたかを判定するヒット判定処理を行う。例えば移動体がブロックにヒットした場合には、ヒットされたブロックを消滅させる処理などを行う。
【0047】
ここで「ヒット」は、一方の表示物と他方の表示物(例えば操作体と移動体、移動体とブロック、操作体とブロック)が、接触(衝突)するような状態である。この場合のヒット判定処理は、例えば一方の表示物に対応する図形(2次元又は3次元の図形)と、他方の表示物に対応する図形(2次元又は3次元の図形)との交差判定を行うことなどで実現できる。
【0048】
また本実施形態では、操作体に向かって移動するブロックを、操作体の移動領域(例えば画面の左右方向を長辺方向とする移動領域)を超えた位置に移動させる処理を行う。即ち、図1において、操作体(パドル)の位置を超えて、その下側(後ろ側)にもブロックを移動させる処理を行う。そして、このように操作体の移動領域を超えた位置に移動したブロックと、移動体とのヒット判定処理を行う。即ち、操作体の移動領域を超えた位置に、未だ消滅していないブロックが存在する場合に、このブロックと移動体(ボール)とのヒット判定処理も行う。
【0049】
また処理部100(演算処理部110。以下、同様)は、ブロックが第1の方向(例えば図1の画面の上から下に向かう方向)に沿って移動する場合に、操作体の移動領域の第1の方向側に設定された拡張ヒット判定領域において、拡張ヒット判定領域内に移動したブロックと移動体とのヒット判定処理を行う。そして、この拡張ヒット判定領域よりも第1の方向側に移動体が移動したと判断された場合に、移動体がロスト状態になったと判定する。即ち、プレーヤの操作がミスとなったと判定する。そして、1又は複数の移動体がロスト状態(ミス)になった場合等に、ゲームオーバー処理(ゲーム終了処理)を行う。例えば移動体が、拡張ヒット判定領域を超えて、ロスト領域(ゲームオーバー領域)に入った場合に、移動体がロスト状態になったと判定し、1又は複数の移動体がロスト領域に入った場合に、ゲームが終了したと判定する。なお、移動体のロスト状態は、移動体がゲームプレイの対象から除外されて、操作体のヒット対象にならなくなった状態である。例えばロスト領域に移動体が移動してしまうと、プレーヤがミス操作をしたと判断され、当該移動体は、以降は操作体のヒット対象とはならなくなる。
【0050】
また処理部100は、所与の出現条件が満たされた場合に、操作情報に基づき操作体と共に移動する付加操作体を、表示部190に表示する処理を行う。例えば図1において、操作体であるパドル50と共に移動する付加パドル51、52、53、54を表示する処理を行う。ここで出現条件は、付加操作体が出現するための条件であり、例えばプレーヤの操作情報等に基づき判断できる。例えばプレーヤのメダルのベット数に基づいて、出現条件を判断する。或いは、プレーヤのゲーム成績やプレーヤが獲得したアイテムなどに基づいて、出現条件を判断してもよい。
【0051】
また処理部100は、複数のブロックのうちの第1の種類のブロックに対して、付加操作体又は操作体がヒットしたと判定された場合に、付加操作体を消滅させる処理を行う。ここで第1の種類のブロックは例えば後述する爆弾ブロックである。この第1の種類のブロックに対して、付加操作体又は操作体がヒット(接触)したと判定された場合には、操作体に付加された付加操作体を消滅させる処理(画面から消す処理)が行われる。なお、付加操作体と第1の種類のブロックがヒット(接触)した場合にだけ、付加操作体を消滅させる処理を行ってもよい。
【0052】
また本実施形態では、複数のブロックは複数のブロック群にグループ分けされている。例えば各ブロック群(ブロックのかたまり)は、複数のブロックが所与の配列で配置されることで構成される。
【0053】
そして処理部100は、複数のブロック群の各ブロック群毎に、第1の種類のブロックの配置及び個数の少なくとも1つを設定する。例えば第iのブロック群と第jのブロック群とで、第1の種類のブロック(爆弾ブロック等)の配置や個数が異なるように配置設定処理を行う。例えばブロック群での第1の種類のブロックの個数が設定されている場合に、このブロック群での第1の種類のブロックの配置位置を乱数等に基づいて設定する。
【0054】
また処理部100は、第1の種類のブロックが移動体、付加操作体又は操作体とヒット(接触、交差)したと判定された場合に、第1の種類のブロックの位置を基準として設定された所与の範囲のブロックを消滅させる処理を行う。例えば、付加操作体(付加パドル)又は操作体(パドル)にヒットした場合に、その第1の種類のブロック(爆弾ブロック)の周囲のブロック(ノーマルブロック、ボーナスブロック等)を消滅させる処理を行う。この際に例えば第1の種類のブロックも消滅する。
【0055】
また処理部100は、複数のブロックのうちの第1の種類のブロックが移動体とヒット(接触、交差)したと判定された場合に、第1の種類のブロックの位置を基準として設定された所与の範囲のブロックを消滅させる処理を行う。例えば、第1の種類のブロックが移動体(ボール)にヒットした場合に、その第1の種類のブロック(爆弾ブロック)の周囲のブロック(ノーマルブロック、ボーナスブロック等)を消滅させる処理を行う。
【0056】
2.本実施形態の手法
2.1 ゲームの概要
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。まず本実施形態により実現されるブロック崩しゲームの概要について、図4(A)〜図10(B)を用いて説明する。
【0057】
図4(A)〜図4(C)は、プレーヤがメダルのベット数(賭け数)を決定するベット画面の例である。図4(A)はプレーヤのメダルのベット数が1の場合の画面例である。ベット数が1の場合には、大当たりであるジャックポットでの獲得ポイント(獲得チケット)が例えば300になる。またパドル50には付加パドルは付加されない。
【0058】
図4(A)の状態で、プレーヤがA1に示すようにボリューム式コントローラ22を右に回すと、ベット数が1から2に変更され、図4(B)の画面が表示される。ベット数が2の場合には、ジャックポットでの獲得ポイントが例えば400になる。またメインのパドル50の右側、左側に対して、各々、付加パドル51、52が付加(拡張、延長)される。
【0059】
図4(B)の状態で、プレーヤがA2に示すようにボリューム式コントローラ22を右に回すと、ベット数が2から3に変更され、図4(C)の画面が表示される。ベット数が3の場合には、ジャックポットでの獲得ポイントが例えば500になる。また付加パドル51、52に加えて、更に付加パドル53、54が付加される。例えば付加パドル51の右側に付加パドル53が付加され、付加パドル52の左側に付加パドル54が付加される。なお図4(B)の状態で、A3に示すようにボリューム式コントローラ22を左に回すと、ベット数が2から1に戻る。同様に図4(C)の状態で、A4に示すようにボリューム式コントローラ22を左に回すと、ベット数が3から2に戻る。
【0060】
このようにして、プレーヤがメダルのベット数を決定して、スタートボタン22を押すと、ブロック崩しのゲームがスタートする。
【0061】
そして、スタートしたブロック崩しのゲームにおいては、図4(A)〜図4(C)で説明したように、プレーヤのメダルのベット数に応じて、メインのパドル50に対して付加パドル51〜54(サブパドル)が付加されている。例えばベット数が2である場合には、付加パドル51、52が付加され、ベット数が3である場合には、付加パドル51、52、53、54が付加されている。
【0062】
ここでブロック崩しゲームのブロックが移動する方向は、画面の上から下に向かう方向(第1の方向)である。一方、パドル50(付加パドル51〜54)の移動方向は、左右方向(第1の方向に交差する第2の方向)である。従って、付加パドル51〜54が付加されることで、パドル50が左右方向に実質的に伸びたような状態になり、プレーヤはゲームを優位に進めるようになる。即ち、パドル50が左右方向に伸びることで、ボール60をはね返すのに失敗する可能性が低くなり、ボール60をロストしてゲームオーバーになってしまう可能性が低くなる。
【0063】
なお、以下では、メインのパドルと付加パドルで構成されるパドルの全体を、適宜、パドル50(51〜54)と表記したり、或いは単にパドル50又はパドルと表記する。
【0064】
図4(A)〜図4(C)でプレーヤがメダルのベット数を決定して、スタートボタン22を押すと、ゲームがスタートして、例えば図5(A)、図5(B)に示すようなゲーム画面(ゲーム画像)が表示される。図5(A)、図5(B)では、プレーヤのメダルのベット数が3であったため、パドル50に対して付加パドル51〜54が付加されている。そしてプレーヤがボリューム式コントローラ22を右に回すと、パドル50(51〜54)が画面上で右側に移動し、左に回すと、左側に移動する。また、ブロック70、71、80、86は、第1の方向DR1に沿って移動している。例えば画面の上から下に向かう方向である第1の方向DR1に沿って移動している。別の言い方をすれば第1の方向DR1に沿って複数のブロック(ブロック群)がスクロール表示される。
【0065】
そして図5(A)では、プレーヤが操作するパドル50(51〜54)にボール60がヒットして、ブロック側にボール60がはね返って、移動している。そして図5(B)のB1に示すように、ボール60がブロックにヒット(衝突)すると、そのブロックは画面から消滅する。この時、図5(A)のボーナスブロック71にボール60がヒットして破壊(消滅)されたため、B2、B3に示すように、プレーヤのポイント(得点)が1ポイント、加算されている。
【0066】
なお、飛行船の形をしたボーナスブロック86にボール60がヒットして破壊されると、プレーヤのポイントが10ポイント、加算される。またこのボーナスブロック86についても、後述する爆弾ブロック80の爆発により消滅するようにしてもよい。
【0067】
またB4、B5に示すように、このゲームには制限時間が設定されており、この制限時間内にジャックポットのボーナスブロック88(図10(A)、図10(B)参照)を撃破しないと、ゲームオーバーとなる。なお、後述するように、パドル50(51〜54)が爆弾ブロック80にヒット(接触)すると、付加パドル51〜54の1つが消滅する。
【0068】
図6(A)、図6(B)は、図5(A)、図5(B)から更に時間が経過した状態での画面である。なお、図6(A)、図6(B)では、爆弾ブロックがヒットしたことで、図5(A)、図5(B)でパドル50に付加されていた付加パドル53、54が、消滅している。
【0069】
そして本実施形態では図6(A)、図6(B)に示すように、パドル50(広義には操作体)に向かって移動するブロックを、パドル50(51、52)の移動領域(C1に示す領域)を超えた位置に、移動させる処理を行う。パドル50は画面において左右方向に移動するため、C1に示す移動領域は、パドル50の位置において画面で左右方向に沿った領域(パドルの長辺方向に沿った領域)である。図6(A)では、ブロック70は、パドル50の移動領域を超えて、画面においてパドル50の下側まで移動している。
【0070】
そして本実施形態では、このようにC1に示す移動領域を超えた位置に移動したブロック70と、ボール60(広義には移動体)とのヒット判定処理を行っている。例えば図6(A)では、ボール60がブロック70にヒットした(当たった)と判定されている。これにより、図6(B)に示すようにブロック70によりボール60が上方向にはね返される。なおボール60がブロック70にヒットすることで、ブロック70は消滅する。
【0071】
このように本実施形態では、パドル50の移動領域を超えた位置へのブロック70の移動を許容している。従って、ロストするはずであったボール60が、当該ブロック70によりはね返されることで、ボール60がロスト状態になることが救済され、ゲームオーバーにならないようになる。
【0072】
即ち、図6(A)において、パドル50の移動領域を超えた位置にブロック70等が存在しない場合には、ボール60はそのまま下方向に移動して、ロスト状態になってしまう。このようにボール60(1又は複数のボール)がロスト状態になると、ゲームオーバーとなり、プレーヤは、それ以降のポイント等を獲得できなくなり、ジャックポットのポイントも獲得できなくなる。
【0073】
この点、本実施形態では、図6(A)、図6(B)に示すように、パドル50の移動領域(C1に示す領域)を超えた位置に存在するブロック70により、ボール60が上方向にはね返される状況が発生する。これにより、ロスト状態になるはずだったボール60が救済され、ゲームオーバーにはならなくなり、プレーヤは、それ以降もゲームプレイを継続できるようになる。これにより、プレーヤはそれ以降のポイントも獲得できるようになり、ジャックポットのポイントの獲得も可能になる。即ち、ロスト状態になるはずのボールの救済等が可能になり、これまでにないタイプのブロック崩しゲームを実現できるようになる。
【0074】
なお図7(A)では、パドル50の移動領域を超えて移動したボール60の位置において、当該位置に存在していたブロックが既に消滅している。このため、ボール60がブロックによりはね返されることがなく、図7(B)に示すようにボール60が更に下方向に移動することで、ロスト状態となり、ゲームオーバーとなっている。
【0075】
また本実施形態では、図4(A)〜図4(C)に示すように、メダルのベット数等に応じて、付加パドル51〜54を付加する手法を採用しているが、この付加パドル51〜54を、爆弾ブロック80(広義には第1の種類のブロック)との接触により消滅させる手法を採用している。
【0076】
例えばブロックは第1の方向DR1に沿って上から下に移動しており、図8(A)は、爆弾ブロック80がパドル50(51〜54)に接触(衝突)する直前の画面である。この状態からブロックが更に下側に移動して、図8(B)のように、爆弾ブロック80がパドル50(51〜54)に接触(ヒット)すると、爆弾ブロック80の爆発により、例えば一番右端の付加パドル53が消滅する。このように付加パドル53が消滅すると、プレーヤは、これ以降は付加パドル53が無い状態でゲームをプレイすることになる。
【0077】
例えば従来のブロック崩しゲームでは、図6(A)、図6(B)のようにパドル50の移動領域(C1に示す領域)を超えてブロックが下側に移動することはなかった。従って、図8(A)、図8(B)に示すように、パドル50とブロックが接触する状況も起こらなかった。
【0078】
この点、本実施形態では、図6(A)、図6(B)のようにパドル50の移動領域を超えてブロックが移動するため、パドル50とブロックが接触する状況が起こる。このような状況を利用して、本実施形態では、複数のブロックの中に、パドル50とのヒット判定が行われる爆弾ブロック80を用意する。そして、この爆弾ブロック50に接触した場合には、付加パドル(51〜54)を消滅させるようにする。このようにすることで、これまでは実現できなかったゲーム戦略性や面白味に溢れるブロック崩しゲームを実現できるようになる。
【0079】
また図9(A)では、ボール60が爆弾ブロック80(第1の種類のブロック)にヒットしている。これにより図9(B)に示すように、爆弾ブロック80が爆発して消滅する。そして、このような爆発が発生した場合に本実施形態では、爆弾ブロック80のみならず、その周囲のブロック70、71についても消滅させる。例えばボーナスブロック71が消滅することで、プレーヤの獲得ポイントも加算される。
【0080】
このように、ボール60とのヒット時に、爆弾ブロック80の周囲のブロック(爆弾ブロックの位置を基準として設定された所与の範囲のブロック)を消滅させることで、そのブロック群において、上側に向かって空く隙間(穴)が形成され易くなる。これにより、ボール60が当該隙間を通過して、その上のブロック群のブロックについても、ボール60とのヒットにより消滅させることが可能になる。これにより、プレーヤは、その後のゲームプレイをより有利に進めることができる。
【0081】
図10(A)、図10(B)は、ジャックポットのポイントを獲得するための最終局面でのゲーム画面の例である。この最終局面では、ブロックの段数が多い最終のブロック群が、パドル50の前に表示される。この時、例えば図10(B)ではブロック群の移動は停止しており、最終のブロック群から固定の距離(DR1方向での距離)だけ離れた位置にパドル50が配置される。そしてプレーヤは、パドル50を左右に動かして、パドル50に当たったボール60をはね返して、最終のブロック群に隙間をあけることを試みる。図10(B)では、ジャックポットのボーナスブロック88に到達するような隙間があいている。従って、プレーヤは、この隙間を通るようにボール60をはね返すことで、ボーナスブロック88を破壊して、ジャックポットのボーナスポイントを獲得できるようになる。
【0082】
この時、例えば複数の爆弾ブロック80が、例えば上下方向に並んで配置されていると、この位置にボール60をヒットさせることで、これらの複数の爆弾ブロック80の爆発の連鎖により、ジャックポットのボーナスブロック88に到達する隙間をあけることが容易になる。そして、ボーナスブロック88にボール60をヒットさせて、大量のジャックポットのボーナスポイントが獲得されると、ゲームオーバーになる。
【0083】
2.2 パドルを超えた位置へのブロックの移動
図6(A)、図6(B)で説明したように本実施形態では、パドル50(操作体)に向かって移動するブロックを、パドル50の移動領域を超えた位置に移動させる処理を行い、移動領域を超えた位置に移動したブロックと、ボール(移動体)とのヒット判定処理を行うようにしている。
【0084】
例えば図11(A)では、ブロックは第1の方向DR1に沿って移動する。ここでは第1の方向DR1は、画面の上から下に向かう方向であるが、これに限定されるものではなく、例えば横方向や斜め方向などであってもよい。
【0085】
ここで第1の方向DR1に交差(直交)する方向を第2の方向DR2とし、第1の方向DR1の反対方向を第3の方向DR3とする。ここで第1〜第3の方向DR1〜DR3は、2次元空間(2次元ゲーム空間)における方向であってもよいし、3次元空間(3次元ゲーム空間)における方向であってもよい。第1〜第3の方向DR1〜DR3が3次元空間の方向である場合には、パドル、ボール、ブロック等は3次元オブジェクトになる。
【0086】
すると図11(A)に示すように、パドル50(51、52)は、移動領域ARMにおいて第2の方向DR2に沿って移動する。例えば図1のボリューム式コントローラ22をプレーヤが右に回すと、パドル50は、第2の方向DR2に沿って右方向に移動し、左に回すと左方向に移動する。移動領域ARMは、例えばパドル50の長辺方向をその長辺方向とする領域であり、パドル50の位置において画面を横切るように設定されている。
【0087】
この移動領域ARMの第3の方向DR3側に設定されるヒット判定領域ARHでは、通常のブロック崩しゲームと同様に、ボール60とブロックとのヒット判定処理が行われ、ボール60がブロックにヒットすると、ボール60がブロックによりはね返される処理が行われる。
【0088】
そして本実施形態では図11(A)に示すように、ブロック70が第1の方向DR1に沿って移動する場合に、パドル50(操作体)の移動領域ARMの第1の方向DR1側に、拡張ヒット判定領域ARHEが設定される。即ち、ヒット判定領域ARHが、第1の方向DR1側に拡張されて、拡張ヒット判定領域ARHEとして設定される。そして、ヒット判定領域ARHのみならず、この拡張ヒット判定領域ARHEにおいても、ブロック70とボール60とのヒット判定処理が行われる。即ち、ボール60がブロック70にヒット(接触、交差)したか否かが判定され、ヒットしたと判定された場合には、ブロック70によりボール60がはね返される処理を行う。これにより図11(A)の場合には、ボール60は上方向(第3の方向DR3側)にはね返され、ボール60がロスト状態になってしまう事態が救済される。なおボール60がヒットしたブロック70は消滅する。
【0089】
一方、図11(B)では、ボール60がブロックによりヒットされることなく、拡張ヒット判定領域ARHEよりも第1の方向DR1側に移動している。例えば拡張ヒット判定領域ARHEの第1の方向DR1側に設定されるロスト領域ARLS(ゲームオーバー領域)にボール60が移動している。別の言い方をすれば、拡張ヒット判定領域ARHEの第1の方向DR1側の境界をBDとした場合に、ボール60が境界BDを超えて移動している。この場合には、ボール60がロスト状態(ミス)になったと判定される。そして、1又は複数のボール60がロスト状態(ミス)になった場合に、ゲームオーバー処理が行われる。
【0090】
なおロスト領域ARLS(ゲームオーバー領域)は、ディスプレイ10の画面内の領域であってよいし、画面外の領域(座標領域)であってもよい。また本実施形態では、1つのボールがロスト状態になったときにゲームオーバーになる場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば1つのボールがロスト状態になった場合に、プレーヤの1回の操作のミスが発生したと判断し、複数回の操作のミス(複数個のボールのロスト)があった場合に、ゲームオーバーと判定してもよい。例えば本実施形態では、所定のボーナスブロックの破壊等により、ゲーム画面中に複数個のボールが同時に発生するようにしてもよい。この場合にはプレーヤはパドルを上手く操作して、これらの複数個のボールをはね返す操作を行う。そして、例えば4個のボール60が同時に発生した場合に、3個のボールがロスト状態になっても、プレーヤのミスとは判定されず、4個のボールがロスト状態になった場合に、初めて、プレーヤがミスしたと判定されるようになる。
【0091】
例えば従来のブロック崩しゲームでは、パドル50は画面の最下部に配置される。そして、プレーヤがパドル50の操作に失敗してボール60をはね返すことができず、パドル50の位置を超えて第1の方向DR1側にボール60が移動してしまうと、ボール60がロスト状態になったと判定されて、ゲームオーバーと判定されてしまう。このため、ゲームの戦略性や面白味を今ひとつ高めることができなかった。
【0092】
この点、本実施形態では図11(A)に示すように、パドル50(51、52)の移動領域ARMは、画面の最下部よりも上側の位置に設定される。そして、ヒット判定領域ARHを移動していたボール60が、移動領域ARMを超えてその下側に移動した場合にも、ロスト状態になったとは判定されず、ブロック70とのヒットチェック処理が行われる。従って、図11(A)の状態ではゲームオーバーにはならず、ボール60がブロック70によりはね返されて、再びヒット判定領域ARHに移動することで、プレーヤは図5(A)、図5(B)等で説明したブロック崩しゲームを続行できるようになる。
【0093】
これによりプレーヤは例えば以下のような戦略を採ることができる。例えば図5(B)のようにブロック群の右側の領域に集中的にボール60を集め、上側に通じる隙間(穴)をあける。このようにブロック群に隙間をあければ、この隙間を通過するようにボール60を移動させることで、その上のブロック群のブロックも破壊できるようになる。このように目の前のブロック群に対して早めに隙間をあけ、次のブロック群のブロックの破壊を、より早く開始することで、プレーヤはゲームを有利に進めることが可能になる。
【0094】
例えば図10(A)、図10(B)において最終のブロック群に対して、より早い段階で隙間をあけることができれば、ジャックポイントのボーナスブロック88を撃破できる可能性が高くなる。具体的には、図10(B)では最終のブロック群(ボーナスブロック88の手前のブロック群)から固定の距離だけ離れた位置にパドル50が配置される。このとき、本実施形態では第1の方向DR1に沿って移動するブロック群の速度は一定であるため、ゲームスタートから図10(B)の配置状況(パドルが最終のブロック群から固定距離だけ離れた位置に配置される状況)になるまでの時間の長さは、いずれのプレーヤがプレイした場合も同じになる。従って、図10(B)の配置状況での残りの制限時間も同じになる。このため、この配置状況になる前に、最終のブロック群のブロックをどれだけ多く破壊しているかが、ジャックポイントのボーナスブロック88の撃破のために重要になる。例えば図10(B)では、最終のブロック群に対して、上側まで通じる隙間をあけることに成功しているため、ジャックポイントのボーナスブロック88を容易に撃破することができる。
【0095】
このようにプレーヤは、各ブロック群の例えば右側の領域などの一部の領域のブロックに集中的にボール60をヒットさせ、隙間をあけることで、ゲームを優位に進めることができる。そして例えば図5(B)のようにブロック群の右側の領域のブロックにボール60をヒットさせる一方で、当該ブロック群の左側の領域のブロックについては、恣意的に破壊せずに残すようにする。こうすることで、図6(A)、図6(B)で説明したように、左側の領域に残存するブロック70を有効活用して、拡張ヒット判定領域ARHEに侵入したボール60をヒットさせてはね返し、ボールがロストしてしまう事態を抑制できるようになる。
【0096】
このようにパドル50の位置を超えてブロックを移動させ、当該ブロックとボール60とのヒット判定を行う本実施形態の手法によれば、これまでのブロック崩しゲームでは実現できなかった戦略性に富むゲームの実現が可能になる。
【0097】
2.3 付加パドルの出現
本実施形態では、所与の出現条件が満たされた場合に、操作情報に基づきパドル(操作体)と共に移動する付加パドル(付加操作体)を出現させる処理を行っている。
【0098】
例えば図12(A)に示すように、プレーヤのメダルのベット数が1の場合には、付加パドルは出現させないが、図12(B)に示すようにベット数が2の場合には、メインのパドル50に加えて、付加パドル51、52を出現させる。即ち、付加パドル51、52によりパドルの長さ(第2の方向での幅)を長くする。また図12(C)に示すように、ベット数が3の場合には、付加パドル51、52に加えて、更に付加パドル53、54を出現させる。即ち、付加パドル53、54によりパドルの長さを更に長くする。このような付加パドル51〜54をベット数に応じて出現させることで、パドルの長さが初期値よりも長くなるため、プレーヤはゲームを優位に進めることが可能になる。
【0099】
なお付加パドルの付加手法としては、種々の変形実施が可能である。例えば図12(B)では、メインのパドル50自体の長さをベット数に応じて長くしている。この場合には、パドル50の延長部分が付加パドル51〜54に相当する。このように付加パドル51〜54は、パドル50と別体に形成されている必要はなく、一体に形成されているものであってもよい。
【0100】
また付加パドルを出現(表示)させる出現条件(表示条件)としては、種々の条件を想定できる。例えば図12(A)、図12(B)では、プレーヤのメダルのベット数に基づいて、付加パドルの出現条件を判断していたが、本実施形態はこれに限定されない。例えば図12(C)に示すように、プレーヤによるゲーム内通貨の支払いや、プレーヤに対する課金に応じて、付加パドルを付加して、パドルの長さを長くしてもよい。即ち、ゲーム内通貨やプレーヤへの課金額の情報に基づいて、付加パドルの出現条件を判断する。例えば、プレーヤが支払ったゲーム内通貨や課金額が多いほど、パドルがより長くなるように、付加パドルを付加する。或いは、プレーヤが特定のアイテムを使用することで、付加パドルを出現させてもよい。この場合には、使用するアイテムの個数やアイテムの効果の強さに応じて、出現させる付加パドルの個数を設定すればよい。このアイテムの使用は、ゲームプレイの開始前であってもよいし、ゲームプレイの開始後であってもよい。また当該アイテムは、ゲーム画面に表示されるアイテムのブロックであってもよい。
【0101】
またプレーヤのベット数、ゲーム内通貨、課金額或いは使用アイテム等に応じて、図12(D)に示すように付加パドルの個数や配置を設定してもよい。例えばベット数が1の場合には、付加パドルの個数の追加は行わないが、ベット数が2の場合には、例えば2個の付加パドル51、52を追加する。またベット数が3の場合には、例えば4個の付加パドル51〜54を追加する。この時に、個数が追加された付加パドル51〜54の配置位置は、メインのパドル50の左右の位置には限定されない。例えば、図12(D)に示すように、メインのパドル50の後方の位置に付加パドル51〜54を配置してもよい。このように付加パドル51〜54の配置位置については種々の変形実施が可能である。
【0102】
また本実施形態では、所与の消滅条件が満たされた場合に、付加パドルを消滅させる処理を行っている。例えば、複数のブロックのうちの第1の種類のブロックに対して、付加パドルやメインのパドルがヒットしたと判定された場合に、付加パドルを消滅させる。
【0103】
例えば図13(A)では、付加パドル53に爆弾ブロック80(第1の種類のブロック)がヒット(接触)したと判断されたため、付加パドル53を消滅させている。
【0104】
また図13(B)では、付加パドル52に爆弾ブロック80がヒットしたと判断されたため、付加パドル54を消滅させている。即ち、爆弾ブロック80が接触した付加パドル52ではなく、付加パドル54の方を消滅させる。具体的には、メインのパドル50からの距離が遠い付加パドルを優先して消滅させる。付加パドル54と52を比べると、付加パドル54の方がメインのパドル50から遠い位置にあるため、付加パドル54の方を消滅させる。例えば図13(B)において付加パドル52が消滅してしまうと、この部分に隙間が生じてしまい、プレーヤに不自然感を与えたり、プレーヤのゲームプレイに支障が生じる事態が発生する可能性がある。図13(B)等のようにパドルの両端の付加パドル54や51を優先して消滅させれば、このような事態の発生を防止できる。
【0105】
また図13(C)では、メインのパドル80に爆弾ブロック80がヒットしたと判断されため、付加パドル52を消滅させている。例えばパドル80の中心位置を基準として、左側の位置に爆弾ブロック80がヒットした場合には、左側の付加パドル52を消滅させる。一方、図13(D)では、パドル80の中心位置を基準として、右側の位置に爆弾ブロック80がヒットしているため、右側の付加パドル51を消滅させている。このように本実施形態では、パドル50の位置を基準として、いずれの方向側の位置に爆弾ブロック80がヒットしたかに応じて、消滅させる付加パドルを選択している。こうすることで、プレーヤがより自然に感じる付加パドルの消滅処理を実現できる。
【0106】
なお図13(A)において、メインのパドル50の右側に爆弾ブロック80が接触した場合には、右側の付加パドル53を消滅させ、パドル50の左側に爆弾ブロック80が接触した場合には、左側の付加パドル54を消滅させる。このように本実施形態では、付加パドル51〜54に爆弾ブロック80が接触した場合のみならず、メインのパドル50に爆弾ブロック80が接触した場合にも、付加パドルを消滅させる。
【0107】
また、消滅した付加パドルを再度出現させるブロック(アイテムブロック)を設けてもよい。例えばボール60が当該ブロックにヒットしたり、パドルが当該ブロックにヒットした場合に、図13(A)〜図13(D)のように消滅した付加パドルを、復活させて、再度出現させる。或いは、プレーヤが所持アイテムを使用することで、消滅した付加パドルを復活させてもよい。
【0108】
また本実施形態では、メインのパドル50については、爆弾ブロック80との接触により消滅せずに残存する。こうすることで、全ての付加パドル51〜54が消滅した後も、メインのパドル50については残存するため、このパドル50を用いてプレーヤはブロック崩しゲームを続行できるようになる。
【0109】
更に本実施形態では、爆弾ブロック80(第1の種類のブロック)が付加パドル(付加操作体)やパドル(操作体)とヒットしたと判定された場合、或いは爆弾ブロック80がボール60(移動体)とヒットした判定された場合に、爆弾ブロック80の位置を基準として設定された所与の範囲のブロックを消滅させる処理を行う。例えば図8(B)、図9(B)に示すように、爆弾ブロック80のみならず、その周囲のブロックについても爆弾ブロック80の爆発により消滅させる。
【0110】
このように本実施形態における爆弾ブロック80は、プレーヤにとって不利になる効果と、有利になる効果を併せ持っている。例えば図13(A)〜図13(D)に示すように爆弾ブロック80との接触により付加パドルが消滅する処理は、プレーヤにとって不利な効果を発生する処理となる。一方、図8(B)、図9(B)に示すように、爆弾ブロック80の周囲のブロックを消滅させる処理は、プレーヤにとって有利な効果を発生する処理となる。このように爆弾ブロック80に対して、プレーヤに不利になる効果と有利になる効果を併せ持たせることで、ゲームバランスの適切な調整等が可能になる。
【0111】
また本実施形態では、図12(A)〜図12(D)に示すように、プレーヤのベット数、ゲーム内通貨、課金額、又は使用アイテム等に応じて、付加パドル51〜54を出現させる処理を行っている。このような付加パドル51〜54が出現することで、パドルが左右方向に長くなる。これにより、ボール60がロストしてしまう可能性が低くなるため、プレーヤはゲームを優位に進めることができる。
【0112】
一方、本実施形態では、爆弾ブロック80を配置し、このように出現した付加パドル51〜54を、爆弾ブロック80とのヒットにより消滅させる。こうすることで、ゲームバランスの更に好適な調整が可能になる。特に図8(A)、図8(B)のように、付加パドル51〜54によりパドルの長さが長くなるほど、ボール60をパドルに当てることが易しくなる一方で、爆弾ブロック80をよけて、付加パドル51〜54の消滅を避けることも難しくなる。これにより、ゲームバランスの更に好適な調整が可能になる。
【0113】
また本実施形態では、爆弾ブロック80とパドル(50〜54)とのヒット判定(衝突判定)は行われるが、爆弾ブロック80以外のブロック(例えばノーマルブロック、ボーナスブロック)とパドルとのヒット判定は行われない。従って、図8(B)、図9(A)等に示すように、爆弾ブロック80以外のブロックについては、パドルとのヒット判定が行われることなく、パドルの位置を超えて第1の方向DR1側に通過して行く。即ち、爆弾ブロック80以外のブロックについては、パドルと重なることが許容される。これにより図6(A)、図6(B)で説明したように、パドルの位置を通過して移動したブロック70と、ボール60とのヒット判定が行われるようになり、ロスト状態になるはずのボール60の救済が可能になる。
【0114】
これに対して爆弾ブロック80については、パドルとのヒット判定が行われ、付加パドル51〜54を消滅させる処理が行われる。従って、プレーヤは、爆弾ブロック80を上手くよけて、付加パドル51〜54の消滅を避けながら、図6(A)、図6(B)のように、隙間領域以外のブロックをなるべく残存させて、ロスト状態になるはずのボール60の救済を図るという戦略を採ることになる。従って、付加パドル51〜54の出現処理と、爆弾ブロック80の配置処理と、爆弾ブロック80による付加パドルの消滅処理とを組み合わせる本実施形態の手法は、これまでのブロック崩しゲームでは実現できなかった多様なゲーム戦略や面白味を実現できるようになる。
【0115】
2.4 ブロック群の配置
本実施形態では、画面に表示される複数のブロックを、複数のブロック群にグループ分けしている。そして複数のブロック群の各ブロック群毎に、爆弾ブロック(第1の種類のブロック)等の各種のブロックの配置及び個数の少なくとも1つを設定する手法を採用している。
【0116】
例えば図14では、複数のブロックが、第1〜第5のブロック群BG1〜BG5にグループ分けされている。これらのブロック群BG1〜BG5は第1の方向DR1に沿って移動しており、図5(A)に示すように、まずブロック群BG1がパドル50(51〜54)の手前に出現する。その後、図5(B)に示すようにブロック群BG2が出現し、次にブロック群BG3が出現する。その後、図6(A)、図6(B)に示すようにブロック群BG4が出現し、最後に、図10(A)、図10(B)に示すようにブロック群BG5が出現する。
【0117】
ここで、前半に出現するブロック群BG1、BG2に比べて、後半に出現するブロック群BG3、BG4、BG5の方が、ブロックの段数が多くなっている。例えばブロック群BG1、BG2は2行のブロック列からなる2段のブロック群であり、ブロック群BG3、BG4、BG5は、各々、3行、4行、5行のブロック列からなる3段、4段、5段のブロック群である。
【0118】
そしてBG1〜BG5の各ブロック群毎に、ノーマルブロック70、ボーナスブロック71、爆弾ブロック80の配置や個数が設定される。例えばブロック群BG1、BG2、BG3、BG4、BG5でのボーナスブロック71の個数は、各々、4個、7個、7個、8個、21個に設定されている。また後段のブロック群ほど、撃破した時の獲得ポイントが高いボーナスブロック71が配置される。例えばブロック群BG1では、獲得ポイントが1ポイントであるボーナスブロック71しか配置されていない。これに対して、最終のブロック群BG5では、獲得ポイントが10、5、3、2ポイントであるボーナスブロック71が配置されている。
【0119】
またブロック群BG1、BG2、BG3、BG4、BG5での爆弾ブロック80の個数は、各々、2個、3個、3個、4個、9個に設定されている。即ち、後段のブロック群ほど、爆弾ブロック80の個数が増える。
【0120】
またBG1〜BG5の各ブロック群において、ボーナスブロック71、爆弾ブロック80等がランダムな位置に配置される。例えばプレーヤが、一連のブロック群BG1〜BG5のブロック崩しからなる1回のゲームをプレイする毎に、ボーナスブロック71、爆弾ブロック80等の配置がランダムに変化する。
【0121】
例えば図15図16は、図3のブロック情報記憶部174に記憶されるブロック情報の一例である。
【0122】
図15に示すように、ノーマルブロック70では、その破壊時に獲得されるボーナスポイントは0に設定され、パドルとのヒット判定フラグも0(オフ)に設定されている。爆弾ブロック80では、ボーナスポイントが0に設定されているが、パドルとのヒット判定フラグは1(オン)に設定されている。ボーナスブロック71(A、B、C、D、E)では、各ボーナスブロックに応じたボーナスポイント1、2、3、5、10が設定されているが、パドルとのヒット判定フラグは0に設定されている。
【0123】
従って、ボーナスブロック71を破壊して消滅させた場合には、対応するボーナスポイントをプレーヤは獲得できる。また爆弾ブロック80については、パドルとのヒット判定処理が行われ、図13(A)〜図13(D)で説明したように、パドルと接触したと判定された場合に、付加パドルを消滅させる処理が行われる。一方、ノーマルブロック70やボーナスブロック71では、このようなヒット判定処理は行われず、付加パドルの消滅処理も行われない。
【0124】
図16は、ブロック情報であるブロック群情報の一例である。図16では、BG1〜BG5の各ブロック群毎に、爆弾ブロック80、ボーナスブロック71(A〜E)の個数が設定されている。例えばブロック群BG1では、爆弾ブロック80の個数は2個に設定され、ボーナスポイントが1ポイントであるボーナスブロック71の個数が4個に設定される。ブロック群BG2では、爆弾ブロック80の個数は3個に設定され、ボーナスポイントが1ポイント、2ポイントであるボーナスブロック71の個数が、各々、5個、2個に設定される。他のブロック群BG3、BG4、BG5についても、爆弾ブロック80やボーナスブロック71の個数が設定されている。なお、これらの各種類(ノーマル、爆弾、ボーナス)のブロックの個数は任意の個数に設定可能である。
【0125】
そして、このように各種類のブロックが設定され、この個数の範囲において各種類のブロックの配置が、例えば乱数(疑似乱数)等に基づいてランダムに決定される。
【0126】
例えば図14図16に示すように、ブロック群BG1では、爆弾ブロック80、ボーナスブロック71の個数は、各々、2個、4個に設定されている。そして、プレーヤが図4(A)〜図4(C)に示すようにメダルのベット数を決めて、図5(A)〜図10(B)で説明した1回のゲームプレイを行う毎に、この個数(2個、4個)の範囲で、ブロック群BG1での爆弾ブロック80、ボーナスブロック71の配置が乱数等に基づいてランダムに決定される。ブロック群BG2〜BG5での爆弾ブロック80、ボーナスブロック71の配置についても同様である。
【0127】
そして例えば第1回目のゲームプレイにおいて、ブロック群BG1〜BG5での各種類(ノーマル、爆弾、ボーナス)のブロックの配置が図14に示す配置に設定されていた場合に、次の第2回目のゲームプレイにおいては、図14とは異なる配置に設定されるようになる。こうすることで、ゲームプレイを行う毎に、ブロックの配置が異なるようになり、長時間に亘ってプレイしても飽きが来にくいブロック崩しゲームを提供できる。
【0128】
また図10(A)、図10(B)で説明したように、ジャックポットのポイント(大当たり)を獲得するためには、最終のブロック群BG5において、早い段階で上側に通じる隙間をあけることが重要となる。そして図14に例示されるブロック群BG5のように、所定の領域(図14では真ん中当たりの領域)において、縦方向に複数の爆弾ブロック80が並んで配置されている場合には、爆弾ブロック80の誘発的な爆発により、上側に通じる隙間をあけ易くなる。従って、ゲームプレイ毎に、爆弾ブロック80等の配置がランダムに設定される手法によれば、図14のブロック群BG5のように縦方向に複数の爆弾ブロック80が並ぶような配置が、所与の確率で発生するようになる。従って、例えばゲームプレイがあまり上手くないプレーヤであっても、運の要素により、ボーナスブロック88を撃破して、ジャックポットのポイントを獲得できるようになる。
【0129】
3.詳細な処理
次に本実施形態の詳細な処理例について図17図18図19のフローチャートを用いて説明する。
【0130】
図17は本実施形態の処理の全体を表すフローチャートである。まず、プレーヤのベット入力を受け付けて、ベット数に応じた付加パドルを設定する(ステップS1、S2)。例えば図4(A)〜図4(C)で説明したように、プレーヤのベット数が多いほど、付加パドルの個数を多くする。
【0131】
次にゲームスタートボタンが押されたか否かを判断し、押された場合には、ブロック情報に基づいて各ブロック群でのブロックの配置設定処理を行い、ゲームをスタートする(ステップS3、S4、S5)。例えば図15図16で説明したブロック情報に基づいて、図14に示すようにブロック群BG1〜BG5での各種類(ノーマル、爆弾、ボーナス)のブロックの配置設定処理を行う。
【0132】
ゲームがスタートすると、プレーヤの操作情報に基づいてパドルを移動させる処理を行う(ステップS6)。例えば図1においてプレーヤがボリューム式コントローラ22を右回りに回転させると、パドルが移動領域において右方向に移動し、ボリューム式コントローラ22を左回りに回転させると、パドルが左方向に移動する。
【0133】
また、ブロック群の移動処理、ボールの移動処理を行う(ステップS7、S8)。例えば図8(A)、図8(B)に示すように、ブロック群(BG1〜BG5)は第1の方向DR1に沿って上から下に移動する。ボールは、パドル、ブロック又は壁との間での前回のヒット判定処理で設定された移動速度、移動方向で、自律的に移動する。
【0134】
次に、パドルとボール、ブロックとのヒット判定処理を行う(ステップS9)。またボールとブロック、壁とのヒット判定処理を行う(ステップS10)。
【0135】
そして、ボールが拡張ヒット判定領域を超えて移動したか否か、或いはボールがジャックポットのボーナスブロックにヒットしたかを判断し(ステップS11)、これらの移動やヒットが無いと判断した場合にはステップS6に戻る。一方、図11(B)で説明したようにボール(1又は複数のボール)が拡張ヒット判定領域を超えて移動した場合や、図10(A)、図10(B)で説明したようにボールがジャックポットのボーナスブロックにヒットした場合には、ゲームオーバーであると判断する(ステップS12)。そしてメダル(チケット)の払い出し処理を行う(ステップS13)。例えばプレーヤが獲得したポイントに応じた枚数のメダルを払い出す処理を行う。なお、図2(A)〜図2(D)で説明したゲーム装置においては、このようなメダルの払い出し処理は行わなくてもよい。
【0136】
図18は、パドルとボール、ブロックとのヒット判定処理について示すフローチャートである。まず、パドルにボールがヒット(接触)したか否かを判断する(ステップS21)。そしてヒットした場合には、パドルでのボールのヒット位置を特定する(ステップS22)。そして、特定されたヒット位置、パドルの移動方向(右方向又は左方向)、移動速度等に基づいて、ヒットしたボールをはね返す処理を行う(ステップS23)。一例としては、パドルの真ん中付近の位置にボールがヒットした場合には、正面方向にボールをはね返す処理を行う。またパドルの右側の位置にボールがヒットした場合には、基本的には右方向にボールをはね返す処理を行い、パドルの左側の位置にボールがヒットした場合には、基本的には左方向にボールをはね返す処理を行う。このボールのはね返りの方向を決定する際に、パドルの移動方向や移動速度も反映させる補正処理を行う。例えばパドルの移動方向が右方向である場合には、移動方向がより右方向側になるように補正処理を行い、パドルの移動方向が左方向である場合には、移動方向がより左方向側になるように補正処理を行う。
【0137】
次に、パドルにブロックがヒット(接触)したか否かを判断する(ステップS24)。そして、ヒットした場合には、そのブロックが爆弾ブロックか否かを判断する(ステップS25)。例えば図15で説明したように、そのブロックが、パドルとのヒット判定フラグ=1のブロックか否かを判断する。そして爆弾ブロックである場合には、パドルでのブロックのヒット位置を特定し、ヒット位置に対応する付加パドルを消滅させる処理を行う(ステップS26、S27)。例えば図13(A)〜図13(D)で説明したように、パドルの右側の位置に爆弾ブロックがヒットした場合には、右側の付加パドルのうち、メインのパドルから、より距離が遠い付加パドルを優先して消滅させる。またパドルの左側の位置に爆弾ブロックがヒットした場合には、左側の付加パドルのうち、メインのパドルから、より距離が遠い付加パドルを優先して消滅させる。
【0138】
図19は、ボールとブロックとのヒット判定処理の詳細を示すフローチャートである。まずボールがブロックにヒット(接触)したか否かを判断する(ステップS31)。そして、ヒットした場合には、ヒットしたブロックはノーマルブロックか否かを判断し、ノーマルブロックである場合には当該ブロックを消滅させる処理を行う(ステップS32、S33)。次に、ヒットしたブロックが爆弾ブロックか否かを判断し、爆弾ブロックである場合には、爆弾ブロック及びその周囲のブロックを消滅させる処理を行う(ステップS34、S35)。次に、ヒットしたブロックがボーナスブロックか否かを判断し、ボーナスブロックである場合には、ボーナスブロックを消滅させる処理、及びボーナスブロックのボーナスポイントに応じたゲーム成績(ポイント等)を演算する処理を行う(ステップS36、S37)。例えばプレーヤの獲得ポイントへのボーナスポイントの加算処理を行う。これらの図19の各処理は図15図16で説明したブロック情報を用いて実現できる。またボールにブロックがヒットしたと判断した場合に、ブロックによりボールがはね返される処理も行われる。
【0139】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(操作体、付加操作体、移動体等)と共に記載された用語(パドル、付加パドル、ボール等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、操作体、移動体、ブロックの表示処理や移動処理、操作体、移動体、ブロック間のヒット判定処理、付加操作体やブロックの消滅処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0140】
ARM 移動領域、ARH ヒット判定領域、ARHE 拡張ヒット判定領域、
ARLS ロスト領域(ゲームオーバー領域)、BD 境界、
DR1、DR2、DR3 第1、第2、第3の方向、BG1〜BG5 ブロック群、
10 ディスプレイ、12、13 スピーカ、
20 操作デバイス、22 ボリューム式コントローラ、24 スタートボタン、
30 投入口、32 払い出し口、
50 パドル(操作体)、51〜54 付加パドル(付加操作体)、
60 ボール(移動体)、70 ノーマルブロック、71 ボーナスブロック、
80 爆弾ブロック、86、88 ボーナスブロック、
100 処理部、102 入力処理部、110 演算処理部、112 ゲーム処理部、
114 移動処理部、116 ヒット判定処理部、118 ゲーム成績演算部、
120 表示処理部、130 音処理部、140 出力処理部、
160 操作部、170 記憶部、172 画像情報記憶部、
174 ブロック情報記憶部、176 ゲーム成績情報記憶部、
180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、196 通信部、
500 サーバシステム、510 ネットワーク、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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