【実施例】
【0036】
実施例1
カカオマス20.000重量部、砂糖41.238重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター3.425重量部、植物油脂14.837重量部、大豆レシチン0.500重量部を用いて、チョコレート生地調製の定法通りに油性菓子生地を調製した。この油性菓子生地にテンパリングを施し、平滑に広げたアルミ箔上に2.0mmの厚みで流し込み、20℃にて固化させた。そして、当該固化品をアルミ箔から剥離させ、底面が30mm四方の正方形にカットして油性菓子片を得た。
【0037】
一方、なたね油とひまわり油を原料油とする食用油脂であって、20℃での固体脂含量が7%の油脂を、40℃に加温し、完全に融解した状態にした。当該融解油脂を、直径70mmの円形のJIS P3801規定・5種A濾紙に、0.38g浸み込ませた。
また、これとは別に、前記濾紙を35mm四方の正方形にカットし、これに前記融解油脂を0.12g浸み込ませた。
【0038】
そして前記油脂を浸みこませた円形濾紙1枚の上に、前記油脂を浸みこませた正方形の濾紙1枚を置き、20℃に調温した。
【0039】
次に、前記20℃に調温した正方形の濾紙1枚の上に、前記の底面が30mm四方の正方形の油性菓子片1つを置いた被検サンプルを100組作成した。これら被検サンプルを20℃の恒温機にて取り置き、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0040】
実施例2
用いた油性菓子生地の配合組成が、カカオマス20.000重量部、砂糖41.000重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター7.500重量部、植物油脂11.000重量部、大豆レシチン0.500重量部である以外は、実施例1と同じ方法にて被検サンプル100組を作成し、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0041】
実施例3
カカオマス20.000重量部、砂糖41.238重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター3.425重量部、植物油脂14.837重量部、大豆レシチン0.500重量部を用いて、チョコレート生地調製の定法通りに油性菓子生地を調製した。この油性菓子生地にテンパリングを施し、平滑に広げたアルミ箔上に2.0mmの厚みで流し込み、20℃にて固化させた。そして、当該固化品をアルミ箔から剥離させ、底面が30mm四方の正方形にカットして油性菓子片を得た。
【0042】
一方、なたね油とひまわり油を原料油とする食用油脂であって、20℃での固体脂含量が20%の油脂を、40℃に加温し、完全に融解した状態にした。当該融解油脂を、直径70mmの円形のJIS P3801規定・5種A濾紙に、0.38g浸み込ませた。
【0043】
また、これとは別に、前記濾紙を35mm四方の正方形にカットし、これに前記融解油脂を0.12g浸み込ませた。
【0044】
そして前記油脂を浸みこませた円形濾紙1枚の上に、前記油脂を浸みこませた正方形の濾紙1枚を置き、20℃に調温した。
【0045】
次に、前記20℃に調温した正方形の濾紙1枚の上に、前記の底面が30mm四方の正方形の油性菓子片1つを置いた被検サンプルを100組作成した。これら被検サンプルを20℃の恒温機にて取り置き、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0046】
実施例4
濾紙に浸み込ませた油脂が、なたね油とひまわり油を原料油とする食用油脂であって、20℃での固体脂含量が20%の油脂である以外は、実施例2と同じ方法にて被検サンプル100組を作成し、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0047】
比較例1
カカオマス20.000重量部、砂糖41.238重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター3.425重量部、植物油脂14.837重量部、大豆レシチン0.500重量部を用いて、チョコレート生地調製の定法通りに油性菓子生地を調製した。
【0048】
また、この油性菓子生地80.000重量部、アーモンドペースト20.000重量部を混合し、ナッツクリームを調製した。
【0049】
次に、前記油性菓子生地を定法通りテンパリング後、成形型に充填し、当該成形型を反転して、型からはみ出た余分な油性菓子生地を掻き取った後、冷却し、油性菓子生地のシェルを形成した。
【0050】
そして、そのシェルにテンパリングを施した前記ナッツクリームを充填し、更に、前記テンパリング後の油性菓子生地でこれを覆ってボトムを形成した。
【0051】
その後、シェルおよびボトムを形成している油性菓子の品温が20℃となるよう冷却し、成形型から剥離させ、複合油性菓子100個を得た。
これらを20℃の恒温機にて取り置き、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0052】
比較例2
小麦粉57.000重量部、砂糖8.500重量部、脱脂粉乳3.800重量部、ショートニング7.500重量部、乳化剤0.150重量部、食塩0.250重量部、膨脹剤0.800重量部、水22.000重量部を混合し、2mmの厚さのシートに圧延し、長方形に型抜きした。これを180℃のオーブンで15分間焼成し、15mm×20mm×4mmの大きさの焼き菓子を得た。これを冷却し、品温を20℃に調整した。
【0053】
また、カカオマス20.000重量部、砂糖41.238重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター3.425重量部、植物油脂14.837重量部、大豆レシチン0.500重量部の配合で、チョコレート生地調製の定法により油性菓子生地を調製した。
【0054】
次に、前記油性菓子生地を定法によりテンパリング後、縦20mm×横25mmの成形型に厚さ4mmとなるよう充填し、その後前記焼き菓子を接合した。
【0055】
そして、これを油性菓子部分が20℃となるよう冷却し、成形型から剥離させ、焼き菓子と油性菓子が接合した複合油性菓子100個を得た。
これらを20℃の恒温機にて取り置き、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0056】
比較例3
カカオマス20.000重量部、砂糖41.238重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター3.425重量部、植物油脂14.837重量部、大豆レシチン0.500重量部の配合で、チョコレート生地調製の定法により油性菓子生地を調製した。
【0057】
また、ローストしたアーモンドを刻み、7メッシュのふるいを通過し14メッシュのふるいを通過しないサイズに篩別した。これを20℃になるよう調温した。
【0058】
次に、前記油性菓子生地を定法通りテンパリング後、油性菓子生地80重量部に、前記篩別、調温したアーモンドを20重量部混合し、続いてこれを成形型に充填し、油性菓子部分の品温が20℃となるよう冷却して成形型から剥離させ、複合油性菓子100個を得た。
これらを20℃の恒温機にて取り置き、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0059】
比較例4
用いた油性菓子生地の配合組成が、カカオマス20.000重量部、砂糖41.000重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター7.500重量部、植物油脂11.000重量部、大豆レシチン0.500重量部である以外は、比較例1と同じ方法にて複合油性菓子100個を調製し、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0060】
比較例5
用いた油性菓子生地の配合組成が、カカオマス20.000重量部、砂糖41.000重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター7.500重量部、植物油脂11.000重量部、大豆レシチン0.500重量部である以外は、比較例2と同じ方法にて複合油性菓子100個を調製し、経時的にファットブルームの発現を確認した。
【0061】
比較例6
用いた油性菓子生地の配合組成が、カカオマス20.000重量部、砂糖41.000重量部、全粉乳20.000重量部、ココアバター7.500重量部、植物油脂11.000重量部、大豆レシチン0.500重量部である以外は、比較例3と同じ方法にて複合油性菓子100個を調製し、経時的にファットブルームの発現を確認した。
実施例1〜4及び、比較例1〜6のファットブルームの発現状況を以下の表に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
比較例1〜6に示した従来法では、個々の被検サンプルでファットブルーム発現程度が異なり、また、ファットブルーム発現までに必要な時間も比較的長い。
一方本願発明の方法である実施例1〜4では、比較的短時間でファットブルームが発現し、また個々の被検サンプルのブルーム発現程度も一様である。即ち、本願発明によれば、比較的短時間で確実に且つ安定的にファットブルームの発現を惹起させることが可能であることがわかる。