(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6612741
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ及びタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20191118BHJP
B44C 1/17 20060101ALI20191118BHJP
B32B 3/02 20060101ALI20191118BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
G06F3/041 450
G06F3/041 660
B44C1/17 D
B32B3/02
B32B27/00 E
B32B27/00 M
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-518456(P2016-518456)
(86)(22)【出願日】2015年5月14日
(65)【公表番号】特表2017-523483(P2017-523483A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】KR2015004845
(87)【国際公開番号】WO2015174756
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2017年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0058272
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ユン,チャンオ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジャンスン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スレ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ドゥホ
【審査官】
木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−063037(JP,A)
【文献】
特開2013−218118(JP,A)
【文献】
特開2012−121978(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/061607(WO,A1)
【文献】
特許第5231670(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
B32B 3/02
B32B 27/00
B44C 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷層がカバーウィンドウ基材の縁部に形成され、粘着フィルム層を介してカバーウィンドウ基材の上部に取り付けられた印刷層が形成され、
前記粘着フィルム層の厚さは、前記印刷層の厚さの100ないし500%であり、
前記粘着フィルム層の厚さは、50μmないし100μmであり、
前記印刷層の厚さは、10μmないし75μmである、タッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項2】
前記印刷層が転写方法で形成された、請求項1に記載の印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項3】
別の転写用基材上にインクを塗布して形成された印刷層を前記カバーウィンドウ基材に転写させて前記印刷層が形成されたカバーウィンドウを製造し、
前記粘着フィルム層は、前記粘着フィルム層と前記カバーウィンドウ基材との間の付着力が前記別の転写用基材と前記印刷層との間の付着力より大きいため前記印刷層の転写を可能にする粘着力を発揮する厚さであって、前記別の転写用基材上に形成された印刷層上に形成されて転写された、請求項1に記載の印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項4】
前記カバーウィンドウ基材上で、前記印刷層が形成された領域をベゼル領域に、前記印刷層が形成されていない領域を可視領域に区別し、
前記可視領域における前記カバーウィンドウ基材の上部がオープンスペースである、請求項1に記載の印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項5】
前記カバーウィンドウ基材の面を基準として、前記ベゼル領域の前記粘着フィルム層ないし前記印刷層にまたがる厚さと同じ厚さを有する上部には印刷層が形成されない、請求項4に記載の印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項6】
前記カバーウィンドウ基材は、透明なガラス代替プラスチックフィルムまたは強化ガラスである、請求項1に記載の印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項7】
前記印刷層は、ブラックインク、ホワイトインク、ピンクインク、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された1つを含む、請求項1に記載の印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ。
【請求項8】
転写用基材フィルム上にインクを塗布して印刷層を形成する段階;
前記印刷層が埋められるように前記転写用基材フィルムの上部に粘着フィルム層を形成して転写フィルムを形成する段階;
可視領域を形成するために前記転写フィルムの一定領域を除去する段階;
カバーウィンドウ基材の上部に前記粘着フィルム層が当接するように前記転写フィルムを取り付ける段階;及び
前記転写用基材フィルムを除去して、前記印刷層を前記粘着フィルム層を介して前記カバーウィンドウ基材に転写させ、前記カバーウィンドウ基材が可視領域を形成すると共に、前記印刷層が粘着フィルム層を介して前記カバーウィンドウ基材に取り付けられて形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを得る段階;
を含み、
前記粘着フィルム層の厚さは、前記印刷層の厚さの100ないし500%であり、
前記粘着フィルム層の厚さは、50μmないし100μmであり、
前記印刷層の厚さは、10μmないし75μmである、タッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法。
【請求項9】
前記転写フィルムは、前記粘着フィルム層の上部に離型フィルム層を形成して前記粘着フィルム層を保護し、前記カバーウィンドウ基材の上部に前記粘着フィルム層が当接するように取り付ける直前に前記離型フィルム層を除去してから取り付ける、請求項8に記載のタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法。
【請求項10】
前記転写用基材フィルムの縁部に印刷層が形成され、カバーウィンドウ基材に可視領域が形成されるように前記転写フィルムから印刷層が形成されていない領域を除去する、請求項8に記載のタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ及びタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PDA、移動通信端末機または車載用ナビゲーションなどの電子機器が大きな市場を形成している。このような電子機器において求められる技術的目標は、主に薄型化、軽量化、低消費電力化、高解像度化や高輝度化などが挙げられる。
【0003】
一方、入力操作部にタッチスクリーンまたはタッチパネルスイッチが設けられた電子機器は、軽量化や割れ防止などのために、透明導電性プラスチックフィルムが使用されている。その例としては、、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylen Terephthalate、PET)フィルムを基材とし、その一面にインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)などの導電層を形成したフィルムがあり、上記フィルムは粘着層により導電性ガラス、補強材または加飾フィルムなどに積層されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一具現例は、多様なカラー及び効果の印刷層を具現することができ、大量生産が可能なタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを提供することを目的とする。
【0005】
本発明の他の具現例は、多様なカラー及び効果の印刷層を具現することができ、大量生産が可能なタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一具現例では、印刷層がカバーウィンドウ基材の縁部に形成され、粘着フィルム層を介してカバーウィンドウ基材の上部に取り付けられた印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを提供する。
【0007】
前記印刷層は、転写方法で形成されたものとすることができる。
【0008】
前記タッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、別の転写用基材上にインクを塗布して形成された印刷層を前記カバーウィンドウ基材に転写させて前記印刷層が形成されたカバーウィンドウを製造することができる。
【0009】
前記粘着フィルム層は、前記粘着フィルム層と前記カバーウィンドウ基材との間の付着力が前記他の基材と前記印刷層との間の付着力より大きいため前記印刷層の転写を可能にする粘着力を発揮する厚さであって、前記別途用意されている他の基材上に形成された印刷層上に形成されて転写される。
【0010】
前記粘着フィルム層の厚さは、前記印刷層の厚さの100ないし500%とすることができる。
【0011】
前記粘着フィルム層の厚さは、10μmないし100μmとすることができる。
【0012】
前記印刷層の厚さは、5μmないし75μmとすることができる。
【0013】
前記カバーウィンドウ基材上で、前記印刷層が形成された領域をベゼル領域に、前記印刷層が形成されていない領域を可視領域に区別し、前記可視領域における前記カバーウィンドウ基材の上部をオープンスペースとすることができる。
【0014】
すなわち、前記カバーウィンドウ基材の面を基準として、前記ベゼル領域の前記粘着フィルム層ないし前記印刷層にまたがる厚さと同じ厚さを有する上部には、印刷層が形成されない。
【0015】
前記カバーウィンドウ基材は、透明なガラス代替プラスチックフィルムまたは強化ガラスとすることができる。
【0016】
前記印刷層は、ブラックインク、ホワイトインク、ピンクインク、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された1つを含むことができる。
【0017】
本発明の他の具現例では、
転写用基材フィルム上にインクを塗布して印刷層を形成する段階;
前記印刷層が埋められるように前記転写用基材フィルムの上部に粘着フィルム層を形成して転写フィルムを形成する段階;
可視領域を形成するために前記転写フィルムの一定領域を除去する段階;
カバーウィンドウ基材の上部に前記粘着フィルム層が当接するように前記転写フィルムを取り付ける段階;及び
前記転写用基材フィルムを除去して、前記印刷層を前記粘着フィルム層を介して前記カバーウィンドウ基材に転写させ、前記カバーウィンドウ基材が可視領域を形成すると共に、前記印刷層が粘着フィルム層を介して前記カバーウィンドウ基材に取り付けられて形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを得る段階;
を含むタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法を提供する。
【0018】
前記転写フィルムは、前記粘着フィルム層の上部に離型フィルム層を形成して前記粘着フィルム層を保護し、前記カバーウィンドウ基材の上部に前記粘着フィルム層が当接するように取り付ける直前に前記離型フィルム層を除去してから取り付けることができる。
【0019】
前記転写用基材フィルムの縁部に印刷層が形成されることができ、カバーウィンドウ基材に可視領域が形成されるように前記転写フィルムから印刷層が形成されていない領域を除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
前記タッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法によると、タッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに多様なカラー及び効果の印刷層を具現することができ、それを大量生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一具現例にタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法の(a)段階を概略的に示した模式図である。
【
図2】本発明の一具現例にタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法の(b)段階を概略的に示した模式図である。
【
図3】本発明の一具現例にタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法の(c)段階を概略的に示した模式図である。
【
図4】本発明の一具現例にタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法の(c’)段階を概略的に示した模式図である。
【
図5】本発明の一具現例にタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法の(d)段階を概略的に示した模式図である。
【
図6】本発明の一具現例にタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法の(e)段階を概略的に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の具現例を詳細に説明する。ただし、これは例示として提示されるものであって、これにより本発明が制限されるものではなく、本発明は後述する請求項の範囲によって定義されるだけである。
【0023】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書の全般に亘って同一または類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付する。
【0024】
図面において複数の層及び領域を明確に示すために厚さを拡大して示す。そして、説明の便宜のため、一部の層及び領域の厚さを大層に示す。
【0025】
以下において、基材の「上部(または下部)」あるいは基材の「上(または下)」に任意の構成が形成されるということは、任意の構成が前記基材の上面(または下面)に当接して形成されることを意味するだけではなく、前記基材と基材の上に(または下に)形成された任意の構成との間に他の構成を含まないことに限定するのではない。
【0026】
本発明の一具現例において、印刷層がカバーウィンドウ基材の縁部に形成され、粘着フィルム層を介してカバーウィンドウ基材の上部に取り付けられた印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを提供する。
【0027】
携帯電話、タブレットPCなどの表示装置のタッチスクリーンパネルの積層体の製造時、縁部に印刷層を介在してベゼル領域(bezel area)を形成し、内部領域は可視領域(view area)としてのスクリーンが形成される。
【0028】
従来は、タッチスクリーンパネルの積層体の外部入力部として形成されるカバーウィンドウの内面に直接印刷層を形成して上記のようなベゼル領域を形成した。しかし、カバーウィンドウは通常、強化ガラスを多く使用しており、強化ガラスに直接インクを塗布して印刷層を形成することによりベゼル領域を形成すると、工程の面からみて、多様なカラーの具現が難しく、大量生産が難しいという短所があった。
【0029】
それに対して、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、印刷層を転写方法によって形成させることにより、フィルム上の工程で印刷層を形成することができるため、印刷層を工程時、制約を最小限に抑え、多様なカラーを自在に具現するなど、さまざまな工法によって多様な効果を具現した印刷層を具現することができ、このように事前に製造された印刷層を前記カバーウィンドウ基材に転写させることにより、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを製造する。このように形成された前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、カバーウィンドウ基材として強化ガラスを使用しても強化ガラスの取扱いに伴う工程の制約を解決することができるようになり、したがって、強化ガラスを直接扱う工程で生産された場合に備えて多様なカラーの具現が可能になり、大量生産が可能となる。
【0030】
具体的には、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、別の転写用基材上にインクを塗布して形成された印刷層を前記カバーウィンドウ基材に転写させて製造されることができる。
【0031】
印刷層をカバーウィンドウ基材に転写させるために、前記粘着フィルム層を印刷層の上部に形成して、これを介してカバーウィンドウに取り付けられるようにする。そのため、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、印刷層とカバーウィンドウ基材との間に粘着フィルム層が存在し、合着を媒介する。この時、粘着フィルム層の厚さが非常に薄く形成されることができるという長所がある。
【0032】
前記粘着フィルム層の厚さは、少なくとも前記粘着フィルム層と前記カバーウィンドウ基材との間の付着力が前記他の基材と前記印刷層との間の付着力より大きいため前記印刷層の転写を可能にする粘着力を発揮する程度の厚さであって、印刷層を支持することができる程度に適切に形成されればよい。前記粘着フィルム層の厚さは、具体的には約25μmないし約300μmとすることができ、より具体的には、約50μmないし約100μmとすることができる。
【0033】
したがって、前記粘着フィルム層の厚さが少なくとも前述した程度の粘着力を発揮することのできる厚さに形成されると、前記別途用意されている他の基材上に形成された印刷層上に形成された前記粘着フィルム層が、前記カバーウィンドウ基材に転写される。
【0034】
前記粘着フィルム層は、公知の粘着剤または粘着フィルム、光学的に透明な粘着層(OCA、optically clear adhesive layer)として公知された組成などが制限なく適用されて製造されることができ、例えば、アクリル系粘着剤などを使用して製造されることができる。
【0035】
一具現例では、前記粘着フィルム層の厚さは前記印刷層の厚さの約100ないし約500%とすることができる。前記範囲の厚さを有する粘着フィルム層を使用して、前記印刷層の転写工程を可能にしながら、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを薄く具現することができる。
【0036】
たとえば、前記粘着フィルム層の厚さは約10μmないし約100μmとすることができる。前記範囲の厚さを有する粘着フィルム層を使用して、前記印刷層の転写工程を可能にしながら、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを薄く具現することができる。
【0037】
前記印刷層の厚さは限定されず、例えば、約5μmないし約75μmに形成されることができる。前記範囲の厚さを有するように印刷層を形成して、前記印刷層の転写工程を容易にしながらも、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを薄く具現することができる。
【0038】
前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、前記カバーウィンドウ基材上で、前記印刷層が形成された領域をベゼル領域に、前記印刷層が形成されていない領域を可視領域に区別する。
【0039】
前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、前記可視領域における前記カバーウィンドウ基材の上部がオープンスペースとして形成されることができる。このとき、前記可視領域における前記カバーウィンドウ基材の上部は、前記カバーウィンドウ基材の面を基準として、前記ベゼル領域の前記粘着フィルム層ないし前記印刷層にまたがる厚さと同じ厚さを有する上部領域であり、この部分には印刷層が形成されないことにより、オープンスペースが形成されることができる。
【0040】
前記カバーウィンドウ基材は、透明なガラス代替プラスチックフィルムまたは強化ガラスとすることができる。前述したように、前記印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウは、カバーウィンドウ基材として強化ガラスを使用しても、多様なカラーの印刷層を具現することができ、さらに大量生産が可能である。
【0041】
前記印刷層は、ブラックインク、ホワイトインク、ピンクインクなど、多様なカラーの物質で形成されることができ、公知の物質を使用して公知の方法に基づいて形成することができる。例えば、印刷層を形成するために印刷層形成用組成物をシルクスクリーンコーティングなどの方法で行う別の転写用基材上に形成することができる。
【0042】
本発明の他の具現例では、
(a)転写用基材フィルム上にインクを塗布して印刷層を形成する段階;
(b)前記印刷層が埋められるように前記転写用基材フィルムの上部に粘着フィルム層を形成して転写フィルムを形成する段階;
(c)可視領域を形成するために前記転写フィルムの一定領域を除去する段階;
(d)カバーウィンドウ基材の上部に前記粘着フィルム層が当接するように前記転写フィルムを取り付ける段階;及び
(e)前記転写用基材フィルムを除去して、前記印刷層を前記粘着フィルム層を介して前記カバーウィンドウ基材に転写させ、前記カバーウィンドウ基材が可視領域を形成すると共に、前記印刷層が粘着フィルム層を介して前記カバーウィンドウ基材に取り付けられて形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを得る段階;
を含むタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウに印刷層を形成する方法を提供する。
【0043】
上記の方法によって、前述した印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウを製造することができる。
【0044】
図1ないし
図6は、上記方法の各段階を概略的に示す模式図であって、各段階で形成されるフィルム積層体の断面を示している。
【0045】
図1の(a)段階で、転写用基材フィルム1上にインクを塗布して印刷層2を形成する。
【0046】
図2の(b)段階で、前記印刷層2が埋められるように前記転写用基材フィルム1の上部に粘着フィルム層3を形成して転写フィルム4を形成する。
【0047】
図3の(c)段階で、可視領域を形成するために、前記転写フィルム4の一定領域を削除して可視領域を形成する。
【0048】
図3の(c)段階で、点線で可視領域を形成する部分を除去する切断線を示している。矢印の右側は可視領域を形成する部分が除去された転写フィルム4の断面を示す。
【0049】
図3の(c)段階の下部図面は、転写フィルム4の平面図を示している。Aラインに沿った断面図が
図3の(c)段階の上部図面である。平面図に示すように、前記転写用基材フィルム1の縁部に印刷層2が形成され、後述される(d)段階のカバーウィンドウ基材11に可視領域が形成されるように前記転写用基材フィルム1から印刷層2が形成されていない領域は除去される。前記転写フィルム4から削除される領域を事前に設計して印刷層を形成しないで削除することにより、削除される部分に不必要に印刷層を形成することにより不要なコストがかかることを防止することができる。前記転写フィルム4から削除される領域は、このように予め除去される領域として設計されて、印刷層が形成されていない領域を含んで除去される。
【0050】
図4の(c')段階で示すように、前記転写フィルム4の粘着フィルム層3の上部に離型フィルム層9を形成して(d)段階で取り付けられるまで粘着フィルム層3を異物から保護することができる。
【0051】
図5の(d)段階で、カバーウィンドウ基材11の上部に前記粘着フィルム層3が当接するように前記転写フィルム4を取り付ける。(c')段階の離型フィルム層が形成されている場合、(d)段階での取り付けの直前、離型フィルム層9を除去してから、前記転写フィルム4をカバーウィンドウ基材11の上部に取り付ける。
【0052】
図5の(d)段階の下部図面は、(c)段階の転写フィルム4の平面図に示されているB方向の断面に対応する断面図である。
【0053】
図6の(e)段階で、前記転写用基材フィルム1を除去して、前記印刷層2が前記粘着フィルム層3を介して前記カバーウィンドウ基材11に転写される。通常のフィルムの転写工程で使用する方法で転写させることができる。
【0054】
その結果、前記カバーウィンドウ基材11が可視領域を形成すると共に、前記印刷層2が粘着フィルム層3を介して前記カバーウィンドウ基材11に取り付けられて形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ100を得る。
【0055】
図6の(e)段階の下部図面は、(c)段階の転写フィルム4の平面図に示されているB方向の断面に対応する断面図である。
【0056】
以上において、本発明の好ましい具現例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0057】
1 転写用基材フィルム
2 印刷層
3 粘着フィルム層
4 転写フィルム
9 離型フィルム層
11 カバーウィンドウ基材
100 印刷層が形成されたタッチスクリーンパネル用カバーウィンドウ