特許第6612887号(P6612887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6612887ホール素子及びホールセンサ、レンズモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6612887
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】ホール素子及びホールセンサ、レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 43/06 20060101AFI20191118BHJP
【FI】
   H01L43/06 D
【請求項の数】9
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2017-541569(P2017-541569)
(86)(22)【出願日】2016年9月21日
(86)【国際出願番号】JP2016077887
(87)【国際公開番号】WO2017051829
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2018年2月2日
(31)【優先権主張番号】特願2015-187334(P2015-187334)
(32)【優先日】2015年9月24日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-187335(P2015-187335)
(32)【優先日】2015年9月24日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-150539(P2016-150539)
(32)【優先日】2016年7月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】古屋 貴明
(72)【発明者】
【氏名】赤木 剛
【審査官】 上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−012974(JP,U)
【文献】 特開2012−199524(JP,A)
【文献】 特開2013−246135(JP,A)
【文献】 特開2005−005473(JP,A)
【文献】 特表2003−532279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 43/06
G01R 33/07
G02B 7/04,7/08
G03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の面側に形成された感磁部と、
前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、第1の方向で互いに向かい合う第1の電極及び第2の電極と、
前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向で互いに向かい合う第3の電極及び第4の電極と、
断面視で、前記感磁部と前記第1〜第4の電極との間に配置される絶縁膜と、を備え、
前記絶縁膜は、前記感磁部の矩形の四隅と重なる位置にそれぞれ開口部を有し、
前記開口部で前記感磁部と前記第1〜第4の電極が接触し、
前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記感磁部の周辺領域から前記感磁部の中央領域までそれぞれ延出しており、
平面視で、前記第1〜第4の電極の隣接する電極の間の最小距離は、2μm以上μm未満であるホール素子。
【請求項2】
前記第1〜第4の電極の隣接する電極の聞の最小距離は4μm以上である請求項1に記載のホール素子。
【請求項3】
前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の平面視による形状はそれぞれ矩形であり、
前記第1の電極が有する第1の角部と、前記第2の電極が有する第2の角部と、前記第3の電極が有する第3の角部と、前記第4の電極が有する第4の角部とが、前記感磁部の上方にそれぞれ位置し、
前記第1の角部と前記第2の角部とが前記第1の方向で互いに向かい合い、前記第3の角部と前記第4の角部とが前記第2の方向で互いに向かい合う、請求項1又は請求項2に記載のホール素子。
【請求項4】
平面視で、前記第1の角部、前記第2の角部、前記第3の角部及び前記第4の角部により囲まれる領域の中心部は、前記感磁部の中心部と重なる、請求項に記載のホール素子。
【請求項5】
前記基板の平面視による形状は矩形であり、
前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記基板の矩形の四隅にそれぞれ配置されており、
前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の各々の外周の各辺は、前記基板の外周の4辺のうちの2辺とそれぞれ平行である、請求項又は請求項に記載のホール素子。
【請求項6】
請求項1から請求項の何れか一項に記載のホール素子と、
第1の端子部と、
第2の端子部と、
第3の端子部と、
第4の端子部と、
前記第1の電極と前記第1の端子部とを接続する第1の金属細線と、
前記第2の電極と前記第2の端子部とを接続する第2の金属細線と、
前記第3の電極と前記第3の端子部とを接続する第3の金属細線と、
前記第4の電極と前記第4の端子部とを接続する第4の金属細線と、を備え、
前記第1〜前記第4の電極の各々は、前記第1〜第4の金属細線が各々接合される領域と、前記第1〜第4の電極が前記感磁部と接触する領域とを有し、
前記第1〜第4の電極が前記感磁部と接触する領域は、前記感磁部の中心から見て前記第1〜第4の金属細線が接合される接合領域の中心よりも外側に位置する、ホールセンサ。
【請求項7】
前記第1〜第4の電極が前記感磁部と接触する領域の中心は、前記第1〜第4の電極の中心よりも外側に位置し、
前記金属細線が接合される領域の中心は、前記第1〜第4の電極の中心よりも内側に位置する、請求項に記載のホールセンサ。
【請求項8】
平面視で、前記金属細線が接合される接合領域外に、前記第1〜第4の電極が前記感磁部と接触する領域が配置される請求項又は請求項に記載に記載のホールセンサ。
【請求項9】
請求項から請求項の何れか一項に記載のホールセンサと、
磁石が取り付けられたレンズホルダと、
前記ホールセンサの前記第3の端子部及び前記第4の端子部からの出力信号に基づいて、前記磁石を移動させる駆動コイルと、を備えるレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホール素子及びホールセンサ、レンズモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から磁気センサは、電流検出装置や位置検出装置など多くの磁気センサ製品に応用されている。磁気センサの代表例として、ホール効果を利用したホール素子がある。
ホール素子は、一般に、感磁部と、感磁部に電流を流すための電流電極対と、ホール起電力を検出するための出力電極対を有している、そして、出力電極対から検出されるホール起電力から感磁部に印加された磁気の大きさ及び向きを検出する。
特許文献1には、半絶縁性GaAs基板と、N型動作層と、N+コンタクト層と、オーミック接合用金属膜と、ボンディング用金属膜と、絶縁膜と、を備えるホール素子が開示されている。
特許文献2には、十字型のホール素子の4箇所の内隅部分を直角でなく斜めに角取りを施した形状にしたホール素子が開示されている。
【0003】
特許文献3には、ペレットと、ペレットの周囲に配置された複数のリード端子と、ペレットが有する複数の電極部と各リード端子とをそれぞれ電気的に接続する複数の金属細線と、ペレットの裏面を覆う絶縁ペーストと、ペレットと複数の金属細線を覆うモールド樹脂と、を備え、絶縁ペーストの少なくとも一部と、各リード端子の裏面の少なくとも一部は、モールド樹脂からそれぞれ露出しているホールセンサが開示されている。
特許文献4には、基板の上に十字状の感磁部を形成し、この十字状の腕のそれぞれに電極を形成したホールチップを使用するホールセンサにおいて、隣り合う電極間における対向部を平行させ、これら対向部の平行する長さを、40μmから対向部間の距離を差し引いた値以上の寸法に設定するホールセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−175471号公報
【特許文献2】特開平1−298354号公報
【特許文献3】国際公開第2014/091714号パンフレット
【特許文献4】特開2000−294853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、ホール素子のオフセット電圧が変動してしまう場合がある。
本発明は、オフセット電圧の変動を抑制することができるホール素子及びホールセンサ、レンズモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るホール素子は、基板と、前記基板の一方の面側に形成された感磁部と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、第1の方向で互いに向かい合う第1の電極及び第2の電極と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向で互いに向かい合う第3の電極及び第4の電極と、を備え、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記感磁部の周辺領域から前記感磁部の中央領域までそれぞれ延出していることを特徴とする。
【0007】
本発明の他の態様に係るホール素子は、基板と、前記基板の一方の面側に形成された感磁部と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、第1の方向で互いに向かい合う第1の電極及び第2の電極と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向で互いに向かい合う第3の電極及び第4の電極と、を備え、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の平面視による形状はそれぞれ矩形であり、前記第1の電極が有する第1の角部と、前記第2の電極が有する第2の角部と、前記第3の電極が有する第3の角部と、前記第4の電極が有する第4の角部とが、前記感磁部の上方にそれぞれ位置することを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様に係るホール素子は、基板と、前記基板の一方の面側に形成され、平面視による形状が矩形である感磁部と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、第1の方向で互いに向かい合う第1の電極及び第2の電極と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向で互いに向かい合う第3の電極及び第4の電極と、を備え、平面視で、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の各々の外周は、前記感磁部の外周より内側に位置することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係るホールセンサは、上述のホール素子と、第1の端子部と、第2の端子部と、第3の端子部と、第4の端子部と、前記第1の電極と前記第1の端子部とを接続する第1の金属細線と、前記第2の電極と前記第2の端子部とを接続する第2の金属細線と、前記第3の電極と前記第3の端子部とを接続する第3の金属細線と、前記第4の電極と前記第4の端子部とを接続する第4の金属細線と、を備え、前記第1〜前記第4の電極の各々は、前記第1〜第4の金属細線が各々接合される領域と、前記第1〜第4の電極が前記感磁部と接触する領域とを有し、前記第1〜第4の電極が前記感磁部と接触する領域は、前記感磁部の中心から見て前記第1〜第4の金属細線が接合される接合領域の中心よりも外側に位置することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様に係るホールセンサは、基板と、前記基板の一方の面側に形成された感磁部と、前記感磁部上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された電極と、前記電極の上面で一端が接合される金属細線と、前記金属細線のもう一他端と接続される端子部と、を備え、前記感磁部の形状は、前記基板上に形成されたメサ形状であり、前記電極の上面の前記金属細線が接合される接合領域の下方には、前記電極と前記感磁部との間に前記絶縁膜が介在し、前記電極は、前記金属細線が接合される接合領域外で、前記感磁部と接続することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様に係るホールセンサは、上述のホール素子と、第1の端子部と、第2の端子部と、第3の端子部と、第4の端子部と、前記第1の電極と前記第1の端子部とを接続する第1の金属細線と、前記第2の電極と前記第2の端子部とを接続する第2の金属細線と、前記第3の電極と前記第3の端子部とを接続する第3の金属細線と、前記第4の電極と前記第4の端子部とを接続する第4の金属細線と、前記ホール素子の少なくとも一部、前記第1〜第4の端子部の少なくとも一部、及び、前記第1〜第4の金属細線を封止するモールド部材と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様に係るホールセンサは、基板と、前記基板の一方の面側に形成された感磁部と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、第1の方向で互いに向かい合う第1の電極及び第2の電極と、前記一方の面側に形成されて前記感磁部に電気的に接続し、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向で互いに向かい合う第3の電極及び第4の電極と、断面視で、前記感磁部と前記第1〜第4の電極との間に配置される絶縁膜と、複数の端子部と、前記第1〜4の電極と、前記複数の端子部とを接続する金属細線と、を備え、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の各々は、前記金属細線が接合される領域と、前記感磁部と接触する領域とを有し、前記感磁部の中心から見て、前記金属細線が接合される領域の中心よりも外側に前記感磁部と接触する領域が位置し、前記絶縁膜は、断面視で、前記金属細線が接合される領域では前記第1〜第4の電極と前記感磁部との間に介在し、前記感磁部と接触する領域では開口部を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係るレンズモジュールは、上述のホールセンサと、磁石が取り付けられたレンズホルダと、前記ホールセンサの前記複数の端子部からの出力信号に基づいて、前記磁石を移動させる駆動コイルと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の各態様によれば、オフセット電圧の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るホール素子100の構成例を示す図である。
図2図1に示すホール素子100をA1−A’1線及びB1−B’1線で切断した図である。
図3】第1実施形態に係る感磁部20の構成例を示す図である。
図4】第1実施形態における中央領域23を例示する図である。
図5】第1〜第4の電極31〜34の構成例を示す図である。
図6】第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係るホールセンサ700の構成例を示す図である。
図8】ホール素子100の製造方法を工程順に示す図である。
図9】ホールセンサ700の製造方法を示す工程順に示す図である。
図10】ホールセンサ700の製造方法を示す工程順に示す図である。
図11】第2実施形態に係るホール素子200の構成例を示す図である。
図12図11に示すホール素子200をF11−F’11線及びG11−G’11線で切断した図である。
図13】第3実施形態に係るホール素子300の構成例を示す図である。
図14図13に示すホール素子300をH13−H’13線及びJ13−J’13線で切断した図である。
図15】第3実施形態に係る感磁部20の構成例を示す図である。
図16】第3実施形態における中央領域23を例示する図である。
図17】第4実施形態に係るホール素子400の構成例を示す図である。
図18図17に示すホール素子をK17−K’17線及びM17−M’17線で切断した図である。
図19】第4実施形態に係る感磁部20の構成例を示す図である。
図20】第4実施形態における中央領域23を例示する図である。
図21】実施例1〜4及び比較例1〜4で行った試験結果を示す図である。電極間距離とオフセット電圧の変動量との関係を示す図である。
図22】第5実施形態に係るホール素子500の構成例を示す図である。
図23図22に示すホール素子500をN1−N’1線及びO1−O’1線で切断した図である。
図24】第5実施形態に係る感磁部20の構成例を示す図である。
図25】第1〜第4の電極31〜34の構成例を示す図である。
図26】第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144を示す模式図である。
図27】第5実施形態に係るホールセンサ700の構成例を示す図である。
図28】ホール素子500の製造方法を工程順に示す図である。
図29】ホールセンサ700の製造方法を示す工程順に示す図である。
図30】ホールセンサ700の製造方法を示す工程順に示す図である。
図31】第6実施形態に係るホール素子600の構成例を示す図である。
図32】第7実施形態における中央領域23を例示する図である。
図33】第1から第7実施形態に係るホール素子を備えるホールセンサ700におけるコンタクト領域及びワイヤーボンディング領域の形成位置を説明する図である。
図34】第1から第7実施形態に係るホール素子を備えるホールセンサ700におけるコンタクト領域及びワイヤーボンディング領域の形成位置を説明する図である。
図35】第1実施形態から第7実施形態に係るホールセンサ700を用いたレンズモジュール8a,8bの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
<第1実施形態>
〔構成〕
(1)ホール素子
図1は、本発明の第1実施形態に係るホール素子100の構成例を示す平面図である。また、図2(a)及び図2(b)は、図1に示すホール素子100をA1−A’1線及びB1−B’1線で切断した断面図である。
図1図2(a)及び図2(b)に示すように、ホール素子100は、基板10と、基板10の一方の面(例えば、上面)10a側に形成された感磁部20と、基板10の一方の面側に形成されて感磁部20に電気的に接続する第1〜第4の電極31〜34と、を備える。第1の電極31及び第2の電極32がホール素子100の入力電極であり、第3の電極33及び第4の電極34がホール素子100の出力電極である。
【0018】
(1.1)基板
基板10は、例えば化合物半導体基板であり、その一例としてGaAs基板がある。GaAs基板の抵抗率は1.0×10Ω・cm以上である。GaAs基板10の抵抗率の上限は特に制限はないが、一例を挙げると、1.0×10Ω・cm以下である。また、基板10の平面視による形状(以下、「平面形状」と称する)は矩形状である。矩形状として、例えば、四角形状、長方形状、角丸四角形状、角丸長方形状が挙げられる。なお、平面視とは、上面視のことをいう。
【0019】
(1.2)感磁部
感磁部20は、基板10の上面10a上に形成され、その断面視による形状(以下、「断面形状」と称する)はメサ形状である。または、感磁部20は、基板10内部に形成されてもよい。また、本発明の第1実施形態において、感磁部20の平面形状は矩形状である。なお、本発明の各実施形態において、感磁部20の形成位置は基板10の上面10a上に限定されない。感磁部(活性層)20はその一部又は全部が、基板10の上面10a側の内部に形成されていてもよい。なお、感磁部20は、温度特性の観点からGaAsにより形成されることが好ましい。ただし、本実施形態は、GaAsを材料にして感磁部20を形成する構成に限定されるものではなく、例えばInSbやInAs等の化合物半導体も用いることができる。
【0020】
感磁部20は、基板10よりも低抵抗の層である。感磁部20は、例えば、基板10にSi、Sn、S、Se、Te、Ge又はCなどの不純物を打ち込み、加熱による活性化を行う方法や、上記の不純物を含む化合物半導体をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法などで、基板10上にエピタキシャル成長法で成長させることにより、形成される。
一例を挙げると、感磁部20は、導電層21と、導電層21上に形成された表面層22とを有する。導電層21は、基板10上に形成されたn型GaAsからなるものである。導電層21の膜厚は特に制限されないが、製造容易性の観点から50nm以上2000nm以下が好ましく、100nm以上1000nm以下がより好ましい。
【0021】
n型GaAsのn型不純物(すなわち、ドナー型不純物)としては公知のものを用いることが可能であり、例えばSi、Ge、Se等を用いることが可能である。n型不純物の濃度(有効キャリア濃度)は特に制限されないが、ホール素子の出力および温度特性の観点から、有効キャリア濃度が、1.0×1014[cm−3]以上1.0×1019[cm−3]以下であることが好ましく、1.0×1015[cm−3]以上1.0×1018[cm−3]以下であることがより好ましく、1.0×1015[cm−3]以上5.0×1017[cm−3]以下であることがさらに好ましい。有効キャリア濃度が上記範囲内であれば、出力の温度依存性を抑制し、かつ、出力の絶対値を得ることが容易になるため好ましい。
また、導電層21を形成する方法としては、基板10に不純物をイオン注入して、基板10の表面近傍又は内部にn型GaAs層を形成する方法が挙げられる。また、導電層21を形成する別の方法としては、基板10上にMBE(分子線エピタキシー)法又はMOCVD(有機金属気相成長)法により、不純物イオンをドープしながらGaAs薄膜をエピタキシャル成長させる方法が挙げられる。
【0022】
表面層22は、導電層21上に形成され、導電層21よりも導電性の低いGaAs層や、AlGaAs又はAlAs等の高抵抗な結晶からなる層である。表面層22の膜厚は、シート抵抗のばらつきが抑制されたホール素子を実現するためには、150nm以上であり、好ましくは200nm以上であり、加えて製造容易性の観点から、好ましくは800nm以下であり、より好ましくは600nm以下である。なお、表面層はなくてもよい。
表面層22を形成する方法は特に制限されず、例えばイオン注入法、又は、MBE法若しくはMOCVD法を用いたエピタキシャル成長により形成することができる。表面層22のように、導電層21よりも導電性の低いGaAsを得る方法としては、導電層21よりも低い不純物濃度とする方法や、不純物を意図的にドープしない方法などが挙げられる。また、導電層21と第1〜第4の電極31〜34とを直接オーミック接続するために、表面層22の一部がエッチングされて、薄膜化又は除去されていてもよい。
【0023】
図3は、感磁部20の構成例を示す平面図である。図3に示すように、平面視で、矩形状の感磁部20の中心位置25は、矩形状の基板10の中心位置とほぼ一致している。また、平面視で、感磁部20の外周の第1〜第4の辺26〜29は、基板10の外周の第1〜第4の辺11〜14のうちの2辺とそれぞれ平行となっている。すなわち、平面視で、感磁部20の外周の第1〜第4の辺26〜29は、基板10の外周の第1〜第4の辺11〜14と平行又は垂直となっている。より具体的に、感磁部20の外周の第1の辺11及び第3の辺13は、基板10の外周の第1の辺26及び第3の辺28と平行かつ基板10の外周の第2の辺27及び第4の辺29に垂直となっている。感磁部20の外周の第2の辺12及び第4の辺14は、基板10の外周の第2の辺27及び第4の辺29と平行かつ基板10の外周の第1の辺26及び第3の辺28に垂直となっている。
【0024】
また、感磁部20は、平面視で感磁部20の中心位置25を含む中央領域23と、中央領域23の周辺に位置する周辺領域24とを有する。中央領域23の平面形状は、例えば正円形状である。感磁部20の平面形状は、例えば正方形状である。
図4は、第1実施形態における中央領域23を例示する図である。図4に示すように、第1実施形態において、中央領域23は、例えば破線で示す円の内部領域とする。詳しく説明すると、図4に示すように、平面視で、感磁部20の幾何学上の重心(+印で例示する)と中心を同じくする円であり、重心からコンタクト領域までの最小距離を半径とする補助円30を画定する。中央領域23は、その補助円30に対して、直径が1/2の長さで上記重心を中心とする円の内部領域とする。なお感磁部20の幾何学上の重心は、平面視で、感磁部20と基板10の境界で囲まれた図形において求めることができる。コンタクト領域は、第1〜第4の電極31〜34と感磁部20とがそれぞれ接続する部分である。
中央領域(例えば、破線で示す円の内部領域)23は、感磁部20において特に、ホール効果に寄与する主な領域である。また、この中央領域23の外側を周辺領域24とする。
なお、中央領域23の平面形状は矩形状としてもよい。
【0025】
(1.3)電極
図5は、第1〜第4の電極31〜34の構成例を示す平面図である。図5に示すように、第1の電極31及び第2の電極32は、第1の方向で互いに向かい合っている。また、第3の電極33及び第4の電極34は、第1の方向と平面視で交差する(例えば、直交する)第2の方向で互いに向かい合っている。そして、第1〜第4の電極31〜34は、感磁部20の周辺領域24から中央領域23までそれぞれ延出している。
すなわち、第1の電極31は、主部31aと、主部31aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部31bとを有する。第2の電極32は、主部32aと、主部32aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部32bとを有する。第3の電極33は、主部33aと、主部33aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部33bとを有する。第4の電極34は、主部34aと、主部34aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部34bとを有する。
【0026】
図5に示すように、第1の方向における第1の電極31と第2の電極32との離間距離(すなわち、延出部31b、32b間の離間距離)をD1とし、第2の方向における第3の電極33と第4の電極34との離間距離(すなわち、延出部33b、33c間の離間距離)をD2としたとき、D1、D2はそれぞれ、1μm以上40μm以下である。
第1〜第4の電極31〜34の形状と配置について、より具体的に例を挙げて説明する。
第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の平面形状はそれぞれ矩形状である。また、第1の電極31が有する第1の角部31cと、第2の電極32が有する第2の角部32cと、第3の電極33が有する第3の角部33cと、第4の電極34が有する第4の角部34cとが、感磁部20の上方にそれぞれ位置する。
【0027】
ここで、第1の角部31cは、第1の電極31の延出部31bに含まれる部位である。第2の角部32cは、第2の電極32の延出部32bに含まれる部位である。第3の角部33cは、第3の電極33の延出部33bに含まれる部位である。第4の角部34cは、第4の電極34の延出部34bに含まれる部位である。図5に示すように、第1の角部31c、第2の角部32c、第3の角部33c及び第4の角部34cは、互いに隣接して配置されている。第1の角部31cは、第3の角部33c及び第4の角部34cと隣接し、第2の角部32cは、第3の角部33c及び第4の角部34cと隣接し、第1の角部31cと第2の角部32cとが第1の方向で互いに向かい合い、第3の角部33cと第4の角部34cとが第2の方向で互いに向かい合っている。
【0028】
平面視で、第1の角部31c、第2の角部32c、第3の角部33c及び第4の角部34cにより囲まれる領域の中心位置は、感磁部20の中心位置と重なっている。また、平面視で、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周は、感磁部20の外周で囲まれる領域(すなわち、第1〜第4の辺26〜29で囲まれる領域)の内側に位置する。
図1に示すように、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34は、基板10の矩形の四隅にそれぞれ配置されている。そして、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周の各辺は、基板10の外周の4辺のうちの2辺とそれぞれ平行となっている。すなわち、平面視で、第1〜第4の電極34の外周の各辺は、基板10の外周の第1〜第4の辺11〜14と平行又は垂直となっている。
【0029】
なお、図2に示すように、第1〜第4の電極31〜34はそれぞれ、感磁部20に電気的に接続する第1の金属膜131と、この第1の金属膜131上に形成された第2の金属膜132とを有する。つまり、第1の金属膜131が、感磁部20に対するコンタクト領域となっている。また、感磁部20と第2の金属膜132との間には絶縁膜40が形成されている。絶縁膜40は、例えばシリコン窒化膜(Si膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)、無機膜(Al)、ポリイミド膜であり、これらの膜を複数積層した多層膜である。なお、絶縁膜40は、図2のように第1の金属膜131上にも形成されても、第1の金属膜131上には形成されなくともよく、第1の金属膜131の下に一部入り込んで形成されてもよい。
本実施形態のホール素子において、平面視で、複数の電極の隣接する電極の間の最小距離は、2μm以上11μm以下であることが好ましい。この最小距離は、より好ましくは4μm以上11μm以下であり、さらに好ましくは4μm以上10μm未満であり、さらに好ましくは5μm以上9μm以下である。隣接する電極の間の最小距離とは、すべての電極間距離で最小のものとする。
【0030】
(1.4)金属細線が接続される領域(ワイヤーボンディング領域)
図6(a)〜図6(c)は、ホール素子100におけるワイヤーボンディング領域を示す模式図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)をC5−C’5線で切断した断面図、図6(c)は図6(a)をD5−D’5線で切断した断面図である。
図6(a)〜図6(c)に示すように、第1の電極31は、その上面の側に金属細線が接合される第1のワイヤーボンディング領域141を有する。第1の電極31を構成する第1の金属膜131が、第1の電極31が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
【0031】
また、第2の電極32は、その上面の側に金属細線が接合される第2のワイヤーボンディング領域142を有する。第2の電極32を構成する第1の金属膜131が、第2の電極32が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
また、第3の電極33は、その上面の側に金属細線が接合される第3のワイヤーボンディング領域143を有する。第3の電極33を構成する第1の金属膜131が、第3の電極33が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
また、第4の電極34は、その上面の側に金属細線が接合される第4のワイヤーボンディング領域144を有する。第4の電極34を構成する第1の金属膜131が、第4の電極34が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
【0032】
つまり、感磁部20の中心位置25から見て、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の各中心位置よりも外側に、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域がそれぞれ位置する。
上述したように、第1の電極31及び第2の電極32はホール素子100の入力電極であるため、第1の電極31のコンタクト領域と第2の電極32のコンタクト領域との間がホール素子100における信号入力経路146となる。また、第3の電極33及び第4の電極34はホール素子100の出力電極であるため、第3の電極33のコンタクト領域と第4の電極34のコンタクト領域との間がホール素子100における信号出力経路145となる。
【0033】
(2)ホールセンサ
図7(a)〜図7(d)は、本発明の第1実施形態に係るホールセンサ700の構成例を示す断面図と平面図と底面図、及び外観図である。図7(a)は、図7(b)を破線E7−E’7線で切断した断面を示している。また、図7(b)では、図面の複雑化を回避するために、モールド部材を省略して示している。
図7(a)〜図7(d)に示すように、ホールセンサ700は、ホール素子100と、リード端子520と、第1〜第4の金属細線(導電性接続部材)531〜534と、保護層540と、モールド部材550と、外装めっき層560とを備える。また、リード端子520は、第1〜第4の端子部521〜524を有する。
ホールセンサ700は、例えばアイランドレス構造であり、外部との電気的接続を得るための複数の端子部521〜524を有する。図7(b)に示すように、第1〜第4の端子部521〜524は、ホール素子100の周囲に配置されている。
【0034】
例えば、第1の端子部521と第2の端子部522とがホール素子100を挟んで対向するように配置されており、また、第3の端子部523と第4の端子部524とがホール素子100を挟んで対向するように配置されている。そして、第1の端子部521と第2の端子部522とを結ぶ直線(仮想線)と、第3の端子部523と第4の端子部524とを結ぶ直線(仮想線)とが平面視で交差している。リード端子520(第1〜第4の端子部521〜524)は、例えば銅(Cu)等の金属からなる。
第1〜第4の金属細線531〜534は、ホール素子100が有する第1〜第4の電極31〜34と、第1〜第4の端子部521〜524とをそれぞれ電気的に接続する導線であり、例えば金(Au)からなる。図7(b)に示すように、第1の金属細線531は、第1の端子部521と第1の電極31とを接続している。第2の金属細線532は、第2の端子部522と第2の電極32とを接続している。第3の金属細線533は、第3の端子部523と第3の電極33とを接続している。第4の金属細線534は、第4の端子部524と第4の電極34とを接続している。
【0035】
第1の金属細線531の一端は第1の電極31に接続され、第1の金属細線531の他端は第1の端子部521に接続されている。第2の金属細線532の一端は第2の電極32に接続され、第2の金属細線532の他端は第2の端子部522に接続されている。第3の金属細線533の一端は第3の電極33に接続され、第3の金属細線533の他端は第3の端子部523に接続されている。第4の金属細線534の一端は第4の電極34に接続され、第4の金属細線534の他端は第4の端子部524に接続されている。
【0036】
第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144は、第1〜第4の電極31〜34の上面の一部の領域に相当する。第1〜第4の電極31〜34の上面の第1〜第4の金属細線531〜534(詳細は後述する)が接合する接合領域の下方には、第1〜第4の電極と感磁部20との間に絶縁膜40が介在している。ここで、「接合領域」は、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に実際に接触している領域であり、第1〜第4の金属細線531〜534のボール径ではない。このため、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に接合する接合領域は、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144に存在する。上述のとおり、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域は、感磁部20の中心位置25から見て、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の各中心位置よりも外側にそれぞれ位置している。このため、第1〜第4の電極31〜34は、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に接合する接合領域外で、感磁部20と接続される。
【0037】
また、上述のとおり、第1の金属膜131が感磁部20に対するコンタクト領域となっている。第1の金属膜131上には、絶縁膜40の開口部401(図2参照)が設けられている。このため、絶縁膜40の開口部401は、感磁部20の中心位置25から見て、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に接合する接合領域よりも外側に配置されている。つまり、絶縁膜40は、上面視で、この接合領域外に位置する開口部401を有している。第1〜第4の電極31〜34は、開口部401において感磁部20と接触する。したがって、第1〜第4の金属細線531〜534が接合される領域外に、第1〜第4の電極31〜34が感磁部20と接触する領域が配置される。
【0038】
保護層540は、基板10の第1〜第4の電極31〜34が設けられている面とは反対側の面側を覆っている。保護層540は、基板10を保護可能なものであれば特に限定はなく、導体、絶縁体、又は半導体のうち、少なくとも何れか1つを含んでいてもよい。即ち、保護層540は、導体、絶縁体、又は半導体の何れか1つからなる膜であってもよいし、これらのうち2つ以上を含む膜であってもよい。導体としては、例えば、銀ペーストなどの導電性樹脂などが考えられる。絶縁体としては、例えば、エポキシ系の熱硬化型樹脂と、フィラーとしてシリカ(SiO)とを含む絶縁ペースト、窒化ケイ素、二酸化ケイ素などが考えられる。半導体としては、例えば、Si基板やGe基板などの貼り合わせが考えられる。但し、リーク電流防止の観点から、保護層540は、絶縁体であることが好ましい。また、保護層540は積層構造でもよい。
【0039】
モールド部材550は、ホール素子100と、第1〜第4の端子部521〜524と、第1〜第4の金属細線531〜534とをモールドしている。言いかえると、モールド部材550は、ホール素子100と、第1〜第4の端子部521〜524の少なくとも表面側(即ち、金属細線と接続する側の面)と、第1〜第4の金属細線531〜534とを覆って保護(即ち、樹脂封止)している。モールド部材550は、例えばエポキシ系の熱硬化型樹脂からなり、リフロー時の高熱に耐えられるようになっている。
図7(a)及び図7(c)に示すように、ホールセンサ700の底面側(即ち、配線基板感磁部20に実装する側)では、第1〜第4の端子部521〜524の第1面(例えば、裏面)の少なくとも一部と、GaAs基板10の第1面(例えば、裏面)の少なくとも一部とが、モールド部材550の同一の面(例えば、裏面)からそれぞれ露出している。ここで、第1〜第4の端子部521〜524の第1面は、第1〜第4の端子部521〜524がそれぞれ有する複数の面のうち、第1〜第4の金属細線531〜534と接続している面とは反対側の面である。GaAs基板10の第1面は、GaAs基板10が有する複数の面のうち、第1〜第4の電極31〜34が設けられている面とは反対側の面である。
また、外装めっき層560は、モールド部材550から露出している端子部521〜524の裏面に形成されている。外装めっき層560は、例えばスズ(Sn)等からなる。
【0040】
〔動作〕
上記のホールセンサ700を用いて磁気(磁界)を検出する場合は、例えば、第1の端子部521を電源電位(+)に接続すると共に、第2の端子部522を接地電位(GND)に接続して、第1の端子部521から第2の端子部522に電流を流す。そして、第3の端子部523と第4の端子部524間の電位差V1−V2(=ホール出力電圧VH)を測定する。ホール出力電圧VHの大きさから磁界の大きさを検出し、ホール出力電圧VHの正負から磁界の向きを検出する。
即ち、第1の端子部521は、ホール素子100に所定電圧を供給する電源用端子部である。第2の端子部522は、ホール素子100に接地電位を供給する接地用端子部である。第3の端子部523及び第4の端子部524は、ホール素子100のホール起電力信号を取り出す信号取出用端子部である。
【0041】
〔製造方法〕
(1)ホール素子の製造方法
図8(a)〜図8(e)は、ホール素子100の製造方法を工程順に示す断面図である。図8(a)に示すように、まず基板10を用意する。基板10は、例えばGaAs基板10である。次に、基板10の表面から予め設定した深さの位置にドナー型の不純物をイオン注入する。ドナー型の不純物としては、例えばSi、Sn、S、Se、Te、Ge又はCなどが挙げられる。次に、基板10を加熱して不純物を活性化する。これにより、図8(b)に示すように、基板10内に、基板10よりも低抵抗の導電層21を形成すると共に、この導電層21の上に表面層22を形成する。表面層22は導電層21よりも不純物濃度が小さいため、導電層21よりも高抵抗な層(すなわち、導電性の低い層)となる。
【0042】
なお、この不純物を活性化する工程は、図8(c)に示す基板10のパターニング工程以降に行ってもよい。また、図8(c)に示す工程以降の他の加熱工程と兼用でおこなってもよい。また、導電層21の形成はイオン注入に限定されない。例えば、MOCVD法により、基板10上に不純物を高濃度に含むGaAsをエピタキシャル成長することにより導電層21を形成してもよい。この場合は、導電層21の形成に続いて、不純物を低濃度に含む(または、不純物を含まない)GaAsをエピタキシャル成長させることにより、導電層21上に、導電層21よりも高抵抗の表面層22を形成することができる。
【0043】
次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、基板10をパターニングして、図8(c)に示すように、断面視による形状がメサ形状である感磁部20を形成する。
次に、図8(d)に示すように、感磁部20が形成された基板10上に第1の金属膜131を部分的に形成する。ここでは、第1の金属膜131として、例えばAuGe膜、Ni膜、Au膜をこの順に積層する。第1の金属膜131の形成は、例えばリフトオフ、またはマスク蒸着で形成する。リフトオフは、レジストパターンが形成された基板上に金属膜を蒸着し、その後レジストパターンを取り去ることにより、基板のレジストパターンで覆われていなかった領域上にのみ金属膜を残す方法である。マスク蒸着は、貫通穴が部分的に形成された板を通して基板上に金属膜を蒸着することにより、基板の貫通穴直下の領域上にのみ金属膜を蒸着する方法である。第1の金属膜131を形成した後は、基板10を加熱して、基板10と第1の金属膜131との界面を合金化する。
【0044】
次に、図8(e)に示すように、基板10の第1の金属膜131下から露出している部分に絶縁膜40を形成する。絶縁膜40は、例えばシリコン窒化膜である。絶縁膜40の形成は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法で基板10の上面全体に絶縁膜を形成し、その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、この上面全体に形成された絶縁膜をパターニングすることにより形成する。なお、基板10の上面全体に絶縁膜を形成し、パターニングして絶縁膜40を形成した後に、第1の金属膜131を形成してもよい。
【0045】
次に、図8(e)に示すように、絶縁膜40が形成された基板10上に第2の金属膜132を部分的に形成する。ここでは、第2の金属膜132として、例えばTi膜、Au膜をこの順に積層する。また、第2の金属膜132を、例えばリフトオフ、またはマスク蒸着で形成する。
その後、基板10上に保護膜(図示せず)等を形成する。そして、基板10をダイシングして、基板10を複数のホール素子100の各々ごとに個片化する。以上の工程を経て、図1等に示したホール素子100が完成する。
【0046】
(2)ホールセンサの製造方法
図9(a)〜図9(e)及び図10(a)〜図10(d)は、ホールセンサ700の製造方法を示す工程順に示す平面図と断面図である。なお、図9(a)〜図9(e)において、ダイシングのブレード幅(即ち、カーフ幅)の図示は省略している。
図9(a)に示すように、まず、リードフレーム620を用意する。このリードフレーム620は、図7(b)に示したリード端子520が平面視で縦方向及び横方向に複数繋がっている基板である。
【0047】
次に、図9(b)に示すように、リードフレーム620の裏面側に、例えば、基材として耐熱性フィルム580の一方の面を貼付する。この耐熱性フィルム580の一方の面には例えば絶縁性の粘着層が塗布されている。粘着層は、その成分として、例えばシリコン樹脂がベースとなっている。この粘着層によって、耐熱性フィルム580にリードフレーム620を貼付し易くなっている。リードフレーム620の裏面側に耐熱性フィルム580を貼付することによって、リードフレーム620の貫通している貫通領域を、裏面側から耐熱性フィルム580で塞いだ状態となる。
【0048】
次に、図9(c)に示すように、耐熱性フィルム580の粘着層を有する面のうち、第1〜第4の端子部521〜524で囲まれた領域に、保護層540を有するホール素子100を載置する(即ち、ダイボンディングを行う)。ここでは、基板10の第1面を耐熱性フィルム580の粘着層を有する面に対向させてダイボンディングを行う。
次に、図9(d)に示すように、第1〜第4の金属細線531〜534の一端を第1〜第4の端子部521〜524にそれぞれ接続し、第1〜第4の金属細線531〜534の他端をホール素子100の第1〜第4の電極31〜34にそれぞれ接続する(即ち、ワイヤーボンディングを行う)。
【0049】
なお、ワイヤーボンディングは、ホール素子100の各電極からリード端子520の各端子部に向かって金属細線を延ばして行う順ボンディングでもよいし、その逆に、リード端子520の各端子部からホール素子100の各電極に金属細線を延ばして行う逆ボンディングでもよい。逆ボンディングは、順ボンディングと比べて、金属細線のボンディング後のループ高さを低くすることができるので、ホール素子の低背化に寄与することができる。
そして、図9(e)に示すように、モールド部材550を形成する(即ち、樹脂モールドを行う)。この樹脂モールドは、例えばトランスファーモールド技術を用いて行う。
【0050】
例えば図10(a)に示すように、下金型591と上金型592とを備えるモールド金型590を用意し、このモールド金型590のキャビティ内にワイヤーボンディング後のリードフレーム620を配置する。次に、キャビティ内であって、耐熱性フィルム580の粘着層を有する面(即ち、リードフレーム620と接着している面)の側に加熱し溶融したモールド部材550を注入し、充填する。これにより、ホール素子100と、リードフレーム620と、金属細線531〜534とをモールドする。即ち、ホール素子100と、リードフレーム620の少なくとも表面側と、金属細線531〜534とをモールド部材550で覆って保護する。モールド部材550がさらに加熱し硬化したら、該モールド部材550をモールド金型から取り出す。
【0051】
次に、図10(b)に示すように、モールド部材550から耐熱性フィルム580を剥離する。これにより、モールド部材550からホール素子100の基板10を露出させる。そして、図10(c)に示すように、リードフレーム620のモールド部材550から露出している面(少なくとも、各端子部521〜524のモールド部材550から露出している裏面)に外装めっきを施して、外装めっき層560を形成する。
次に、図10(d)に示すように、モールド部材550の上面(即ち、ホールセンサ700の外装めっき層560を有する面の反対側の面)にダイシングテープ593を貼付する。そして、例えば図9(e)に示した仮想の2点鎖線に沿って、リードフレーム620に対してブレードを相対的に移動させて、モールド部材550及びリードフレーム620を切断する(即ち、ダイシングを行う)。つまり、モールド部材550及びリードフレーム620を複数のホール素子100の各々ごとにダイシングして個片化する。以上の工程を経て、図7に示したホールセンサ700が完成する。
【0052】
〔第1実施形態の効果〕
(1)薄型化したホールセンサにおいては、ホール素子上のモールド部材の厚みが薄いため、ホール素子の感磁部へ入射される光を含む電磁波が、感磁部の局所的な伝導率を光電効果によって変動させてしまう。また、この変動によって、ホール素子にオフセット電圧Vuが生じる。
これに対して、第1実施形態によれば、平面視で、第1〜第4の電極31〜34は感磁部20の周辺領域24から中央領域23へ延出しており、中央領域23の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。
例えば、第1〜第4の電極31〜34は、矩形状の基板10の四隅から感磁部20の中央領域23へ延出して形成されている。そして、この中央領域23において、第1〜第4の電極31〜34の各延出部31b〜34bがそれぞれ近接配置されており、隣接する電極間の隙間が狭くなっている。これにより、感磁部20の中央領域23の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。
【0053】
ここで、電極部材である金属は、光を含む電磁波を極めて良く吸収する。したがって、第1〜第4の電極31〜34は、ホール素子100の感磁部20へ入射される電磁波を遮蔽することができ、感磁部20における局所伝導率変動を抑制することができる。それによって、オフセット電圧Vuの変動を抑制する効果がある。
特に、平面視で、感磁部20の中央領域の面積に対する、第1〜第4の電極31〜34の中央領域上の総面積の割合が10%以上100%未満であれば、オフセット電圧Vu変動を抑制する効果が高い。この割合は、好ましくは、20%以上99%以下であり、より好ましくは、40%以上95%以下である。
また、平面視で、感磁部20の実効領域の全面積に対する、第1〜第4の電極31〜34の下の実効領域の面積の割合が、40%以上99%以下であることが好ましい。ここで、「実効領域の面積」とは、平面視で、感磁部20の面積の内、感磁部20と第1〜第4の電極31〜34とが接触する第1〜第4の接触領域の総面積を除いた面積をいう。
【0054】
(2)また、パッケージを構成するモールド部材中のフィラー等により、感磁部へ局所的な応力がかかる。その応力を受けて、感磁部材料である半導体のピエゾ抵抗効果によって、局所的な伝導率の変動が生じる。その結果、ホール素子にオフセット電圧Vuが生じる。
これに対して、第1実施形態によれば、電極部材である金属は、応力によって柔軟に塑性変形するため、モールド部材550からの局所的な応力を緩和し、感磁部20における局所伝導率変動を抑制することができる。それによって、ホール素子のオフセット電圧Vuの変動を抑制する効果がある。
【0055】
(3)また、感磁部20で発生する熱は、感磁部20から第1〜第4の電極31〜34、第1〜第4の金属細線531〜534、第1〜第4の端子部521〜524を通じてパッケージ外へ排熱される。伝導率が高い金属製の第1〜第4の電極31〜34で感磁部20が覆われることにより、感磁部20から絶縁膜40、第1〜第4の電極31〜34、第1〜第4の金属細線531〜534を通じる排熱経路が新たに増える。それによって、ホール素子の排熱特性が向上する効果がある。
【0056】
(4)また、感磁部20の中心位置からみて、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域(すなわち、第1の金属膜131の形成位置)は、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の中心よりも外側にそれぞれ位置する。これにより、ワイヤーボンディング領域の直下にコンタクト領域が存在する場合と比べて、ホール素子のチップ面積を増やすことなく、信号出力経路145及び信号入力経路146の各距離を長くすることができるので、ホール素子の磁気検出精度の向上に寄与することができる。
特にホール素子100では、感磁部20の平面形状は矩形状であり、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域は感磁部20の角部にそれぞれ配置されている。これにより、限られたチップ面積内で、信号出力経路145及び信号入力経路146をそれぞれ最大限に長くすることができ、上記した磁気検出精度の向上に大きく寄与することができる。
【0057】
(5)組み立て工程における機械起因の静電気放電(マシンモデルESD)は、人体起因の静電気放電(ヒューマンモデルESD)と異なり、極めて短い時間に激しい放電が生じる。具体的には、人体起因の静電気放電では、蓄積された電荷が人体(高抵抗)を介して、ホール素子に印可される。そのため、RC回路と等価であり、放電が伝達するのに大きな時定数に関連する時間がかかる。一方、機械起因の静電気放電では、機械(低抵抗又は配線)を介して、ホール素子に印可されるため、瞬時に放電がホール素子へ伝達する。このように、人体起因の静電気放電と機械起因の静電気放電とは、全く異なるものである。
そして、この機械起因の放電電流が、ホール素子の感磁部に流れると、急激に加熱され、ホール素子の特性が変化してしまう。
【0058】
本実施形態1において、平面視で、複数の電極の隣接する電極の間の最小距離が11μm以下であれば、放電電流が、電極から、感磁部を経由せず、隣接する電極へと直接流れるパスができる。それにより、放電電流による感磁部への影響を低減することができ、ESD対策が十分となる。このように、本発明者らは、マシンモデルESDの対策としては、あえて、電極間距離を縮めて、電極から電極へ放電電流が流れるパスを形成することで、機械起因のESD対策をとれることを見出したのである。
また、本実施形態1において、平面視で、複数の電極の隣接する電極の間の最小距離が2μm以上であれば、電極から隣接する電極へリーク電流が流れることを抑制することができる。
以上の通り、リーク電流パスの形成を防ぎ、かつ、ESD対策も向上し、ホール素子のオフセット電圧変動を良好に抑えることができる。
【0059】
<第2実施形態>
上記の第1実施形態では、平面視で、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周は、感磁部20の外周で囲まれる領域の内側に位置する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図11は、本発明の第2実施形態に係るホール素子200の構成例を示す平面図である。また、図12(a)及び図12(b)は、図11に示すホール素子200をF11−F’11線及びG11−G’11線で切断した断面図である。図11図12(a)及び図12(b)に示すように、第2実施形態に係るホール素子200では、平面視で、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周の少なくとも一部は、感磁部20の外周で囲まれる領域の外側に位置してもよい。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、補助円を用いて中央領域を規定してもよい。
このような構成であっても、平面視で、第1〜第4の電極31〜34は感磁部20の周辺領域24から中央領域23へ延出しており、中央領域23の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。したがって、第2実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果を奏する。
【0060】
<第3実施形態>
上記の第1、第2実施形態では、感磁部20の平面形状が矩形状である場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図13は、本発明の第3実施形態に係るホール素子300の構成例を示す平面図である。また、図14(a)及び図14(b)は、図13に示すホール素子300をH13−H’13線及びJ13−J’13線で切断した断面図である。図15は、第3実施形態に係る感磁部20の構成例を示す平面図である。
【0061】
図13図15に示すように、感磁部20は、平面形状が矩形状の主要感磁部120と、主要感磁部120の四隅からそれぞれ外側へ延出された第1〜第4の延出部121〜124とを備えていてもよい。平面視で、第1の延出部121及び第2の延出部122は、主要感磁部120の第1の対角線126の延長線上にそれぞれ位置する。また、第3の延出部123及び第4の延出部124は、主要感磁部120の第2の対角線127の延長線上にそれぞれ位置する。
図13に示すように、第1の延出部121は、第1の電極31と電気的に接続している。第2の延出部122は、第2の電極32と電気的に接続している。第3の延出部123は、第3の電極33と電気的に接続している。第4の延出部124は、第4の電極34と電気的に接続している。また、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、補助円を用いて中央領域を規定してよい。
【0062】
図16は、第3実施形態における中央領域23を例示する図である。図16に示すように、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、補助円30に対して、直径が1/2の長さで、感磁部20の幾何学上の重心(+印で例示する)を中心とする円の内部領域を中央領域23とする。
このような構成であっても、平面視で、第1〜第4の電極31〜34は感磁部20の周辺領域24から中央領域23へ延出しており、中央領域23の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。したがって、第3実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果を奏する。
【0063】
<第4実施形態>
上記の第1、第2実施形態では、感磁部20の平面形状が矩形状である場合について説明した。また、第3実施形態では、主要感磁部120が矩形状である場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図17は、本発明の第4実施形態に係るホール素子400の構成例を示す平面図である。また、図18(a)及び図18(b)は、図17に示すホール素子をK17−K’1線及びM17−M’17線で切断した断面図である。図19は、第4実施形態に係る感磁部20の構成例を示す平面図である。
図17図19に示すように、感磁部20の平面形状は十字(すなわち、クロス)形状であり、中央部220と、中央部220の周囲に位置する第1〜第4の周辺部221〜224とを備える。
【0064】
平面視で、第1の周辺部221は、中央部220の周囲のうち、第1の方向の一方の側に位置する。第2の周辺部222は、中央部220の周囲のうち、第1の方向の他方の側に位置する。第3の周辺部223は、中央部220の周囲のうち、第1の方向と直交する第2の方向の一方の側に位置する。第4の周辺部224は、中央部220の周囲のうち、第2の方向の他方の側に位置する。
そして、第1の周辺部221は第1の電極31と電気的に接続し、第2の周辺部222は第2の電極32と電気的に接続し、第3の周辺部223は第3の電極33と電気的に接続し、第4の周辺部224は第4の電極34と電気的に接続している。第4実施形態では、十字形状の交差部である中央部が感磁部20の中央領域に相当し、第1〜第4の周辺部221〜224が感磁部20の周辺領域に相当するとしてもよい。
或いは、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、補助円を用いて中央領域を規定してもよい。
【0065】
図20は、第4実施形態における中央領域23を例示する図である。図20に示すように、補助円30に対して、直径が1/2の長さで、感磁部20の幾何学上の重心(+印で例示する)を中心とする円の内部領域を中央領域23としてもよい。
このような構成であっても、平面視で、第1〜第4の電極31〜34は、感磁部20の周辺領域である第1〜第4の周辺部221〜223を覆っている。また、第1〜第4の電極31〜34は、感磁部20の周辺領域から中央領域である中央部220へ延出しており、中央部220の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。したがって、第4実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果を奏する。
【0066】
以下、実施例により上述した実施形態のホール素子を詳細に説明する。
【0067】
[実施例1]
本実施例では、イオン注入法を用いて活性層を形成する。先ず、半絶縁性GaAs基板(以下、「GaAs基板」と称する)上にシリコンイオン(Si+)を注入した。次いで、このシリコンイオンの活性化し、GaAs基板にn型の導電性をもつGaAs活性層を形成した。
次に、GaAs基板上にフォトレジストを塗布し、所定のパターンを作り、これをマスクとしてGaAs基板を所定の深さエッチングする。次いで、レジスト剥離液またはOプラズマを用いた灰化法によりフォトレジストを除去し、ホール素子の感磁部を形成した。
【0068】
ホール素子の感磁部を形成した後、このGaAs基板の上に、フォトレジストを塗布しパターニングし、次いで、金属膜を蒸着した。その後、リフトオフ法により、フォトレジストおよびフォオレジスト上の金属膜を除去し、下地電極を形成した。次いで、GaAs基板と下地電極とのオーミック性接触を得るために合金化処理を行った。
その後、プラズマCVD法により、0.3μmの膜厚を有する絶縁膜(Si)をGaAs基板の上方全面に形成した。
次いで、下地電極と電極との接続を行う部分の絶縁膜(Si)をエッチングするため、絶縁膜(Si)上にフォトレジストを塗布し、上記の接続を確保する部分(すなわち、コンタクト部分)に穴が開くようにパターンを形成した。しかる後、このフォトレジストをマスクとして、絶縁膜(Si)に反応性ドライエッチングを施すことによりコンタクト部分を開口した。
【0069】
次いで、下層の下地電極と重なるよう、フォトレジストをパターニングし、下層の下地電極上に再度、金属膜を蒸着した。その後、リフトオフ法により、フォトレジストおよびフォオレジスト上の金属膜を除去し、複数の電極を形成した。実施例1では、隣接する電極間の最小距離が6.0μmとなるように、各電極を形成した。このようにして、一枚のGaAs基板上に多数のGaAsホール素子を形成した。その後、GaAs基板をダイシングして、個片化された多数のGaAsホール素子を製造した。個片化された多数のホール素子から3個を選び、ESD試験を行った。
【0070】
[実施例2]
実施例2では、隣接する電極間の最小距離が8.0μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
[実施例3]
実施例3では、隣接する電極間の最小距離が9.7μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
[実施例4]
実施例4では、隣接する電極間の最小距離が4.0μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
【0071】
[比較例1]
比較例1では、隣接する電極間の最小距離が12.0μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
[比較例2]
比較例2では、隣接する電極間の最小距離が14.5μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
[比較例3]
比較例3では、隣接する電極間の最小距離が16.5μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
[比較例4]
比較例4では、隣接する電極間の最小距離が18.5μmとなるように各電極を形成した。これ以外は、実施例1と同様の方法でGaAsホール素子を製造した。
【0072】
[マシンモデルESD試験]
ホール素子のマシンモデルESD試験は試験規格JESD22−A115−Aに準拠し、可変電圧電源により1MΩの保護抵抗を介して、200pFの充放電コンデンサに電荷を充電した後、スイッチを切り替え、ホール素子の隣接端子間と充放電コンデンサを電気的に接続した閉回路とすることで、充電した電荷をホール素子に流した。それにより、組立工程等における静電気放電現象を擬似的に実施する試験を行った。
そして、ESD試験前のオフセット電圧値とESD試験後のオフセット電圧値を入力電圧3Vで測定し、その変動量を算出した。実施例1〜4及び比較例1〜4で行った試験結果を表1及び図21に示す。
【0073】
図21は、実施例1〜4及び比較例1〜4で行った試験結果を示す図である。図21の横軸は電極間距離を示し、縦軸はオフセット電圧の変動量ΔVuを示す。
図21によれば、電極間距離が11μm以下で、顕著にオフセット電圧の変動量が低減することが分かる。また、特に9μm以下では、オフセット電圧の変動量がさらに低減していることが分かる。
【0074】
【表1】
【0075】
<第5実施形態>
〔構成〕
(1)ホール素子
図22は、本発明の第5実施形態に係るホール素子500の構成例を示す平面図である。また、図23(a)及び図23(b)は、図22に示すホール素子500をN22−N’22線及びO22−O’22線で切断した断面図である。図23(c)は、図23(a)の破線で囲む部分を拡大した断面図である。
【0076】
図22及び図23(a)〜図23(b)に示すように、ホール素子500は、基板10と、基板10の一方の面(例えば、上面)10a側に形成された感磁部20と、基板10の一方の面側に形成されて感磁部20に電気的に接続する第1〜第4の電極31〜34と、を備える。第1の電極31及び第2の電極32がホール素子500の入力電極であり、第3の電極33及び第4の電極34がホール素子500の出力電極である。本発明の各実施形態では、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周は、平面視で感磁部20の外周より内側に位置する。
【0077】
(1.1)基板
基板10は、例えば化合物半導体基板であり、その一例としてGaAs基板がある。GaAs基板の抵抗率は1.0×10Ω・cm以上である。GaAs基板10の抵抗率の上限は特に制限はないが、一例を挙げると、1.0×10Ω・cm以下である。また、基板10の平面視による形状(以下、平面形状)は矩形状である。矩形状として、例えば、四角形状、長方形状、角丸四角形状、角丸長方形状が挙げられる。なお、平面視とは、上面視のことである。
【0078】
(1.2)感磁部
感磁部20は、基板10の上面10a上に形成され、その断面視による形状(以下、断面形状)はメサ形状である。また、本発明の第5実施形態において、感磁部20の平面形状は矩形状である。なお、本発明の各実施形態において、感磁部20の形成位置は基板10の上面10a上に限定されない。感磁部(活性層)20はその一部又は全部が、基板10の上面10a側の内部に形成されていてもよい。なお、感磁部20は、温度特性の観点からGaAsにより形成されることが好ましい。ただし、本実施形態は、GaAsを材料にして感磁部20を形成する構成に限定されるものではなく、例えばInSbやInAs等の化合物半導体も用いることができる。
【0079】
感磁部20は、基板10よりも低抵抗の層である。感磁部20は、例えば、基板10にSi、Sn、S、Se、Te、Ge又はCなどの不純物を打ち込み、加熱による活性化を行う方法や、上記の不純物を含む化合物半導体をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法などで、基板10上にエピタキシャル成長法で成長させることにより、形成される。
一例を挙げると、感磁部20は、導電層21と、導電層21上に形成された表面層22とを有する。導電層21は、基板10上に形成されたn型GaAsからなるものである。導電層21の膜厚は特に制限されないが、製造容易性の観点から50nm以上2000nm以下が好ましく、100nm以上1000nm以下がより好ましい。
【0080】
n型GaAsのn型不純物(すなわち、ドナー型不純物)としては公知のものを用いることが可能であり、例えばSi、Ge、Se等を用いることが可能である。n型不純物の濃度(有効キャリア濃度)は特に制限されないが、ホール素子の出力および温度特性の観点から、有効キャリア濃度が、1.0×1014[cm−3]以上1.0×1019[cm−3]以下であることが好ましく、1.0×1015[cm−3]以上1.0×1018[cm−3]以下であることがより好ましく、1.0×1015[cm−3]以上5.0×1017[cm−3]以下であることがさらに好ましい。有効キャリア濃度が上記範囲内であれば、出力の温度依存性を抑制し、かつ、出力の絶対値を得ることが容易になるため好ましい。
また、導電層21を形成する方法としては、基板10に不純物をイオン注入して、基板10の表面近傍又は内部にn型GaAs層を形成する方法が挙げられる。また、導電層21を形成する別の方法としては、基板10上にMBE(分子線エピタキシー)法若しくはMOCVD(有機金属気相成長)法により、不純物イオンをドープしながらGaAs薄膜をエピタキシャル成長させる方法が挙げられる。
【0081】
表面層22は、導電層21上に形成され、導電層21よりも導電性の低いGaAs層や、AlGaAs又はAlAs層等のなど高抵抗な結晶層からなる層である。表面層22の膜厚は、シート抵抗のばらつきが抑制されたホール素子を実現するためには、150nm以上であり、好ましくは200nm以上であり、加えて製造容易性の観点から、好ましくは800nm以下であり、より好ましくは600nm以下である。なお、表面層はなくてもよい。
表面層22を形成する方法は特に制限されず、例えばイオン注入法、又は、MBE法若しくはMOCVD法を用いたエピタキシャル成長により形成することができる。表面層22のように、導電層21よりも導電性の低いGaAsを得る方法としては、導電層21よりも低い不純物濃度とする方法や、不純物を意図的にドープしない方法などが挙げられる。また、導電層21と第1〜第4の電極31〜34とを直接オーミック接続するために、表面層22の一部がエッチングされて、薄膜化又は除去されていてもよい。
【0082】
図24は、感磁部20の構成例を示す平面図である。図24に示すように、平面視で、矩形状の感磁部20の中心位置25は、矩形状の基板10の中心位置とほぼ一致している。また、平面視で、感磁部20の外周の第1〜第4の辺26〜29は、基板10の外周の第1〜第4の辺11〜14のうちの2辺とそれぞれ平行となっている。すなわち、平面視で、感磁部20の外周の第1〜第4の辺26〜29は、基板10の外周の第1〜第4の辺11〜14と平行又は垂直となっている。より具体的に、感磁部20の外周の第1の辺11及び第3の辺13は、基板10の外周の第1の辺26及び第3の辺28と平行かつ基板10の外周の第2の辺27及び第4の辺29に垂直となっている。感磁部20の外周の第2の辺12及び第4の辺14は、基板10の外周の第2の辺27及び第4の辺29と平行かつ基板10の外周の第1の辺26及び第3の辺28に垂直となっている。
【0083】
また、感磁部20は、平面視で感磁部20の中心位置25を含む中央領域23と、中央領域23の周辺に位置する周辺領域24とを有する。本実施形態において、中央領域23の平面形状は、例えば正円形状である。感磁部20の平面形状は、例えば正方形状である。本実施形態の場合、中央領域23の直径をL1とし、感磁部20の外周の一辺(すなわち、第1〜第4の辺26〜29のうちの一辺)の長さをL2としたとき、L1とL2の比(L1/L2)は、例えば、1/4以上1未満、または、1/3以上1/2以下である。
なお、本実施形態において、中央領域23の平面形状は矩形状としてもよい。中央領域23を矩形状とする場合は、この矩形の外周の一辺が上記のL1に対応する。
【0084】
(1.3)電極
図25は、第1〜第4の電極31〜34の構成例を示す平面図である。まず、第1〜第4の電極31〜34と、感磁部20との位置関係について説明する。
図25に示すように、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周31e〜34eは、平面視で感磁部20の外周20eより内側に位置する。すなわち、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34は、平面視で、感磁部20の外周eで囲まれる領域の内側であって、且つ感磁部20の外周eとは重ならない領域に位置する。
【0085】
ここで、感磁部20の外周とは、平面視で、感磁部20の最も外側の輪郭線のことである。例えば図23(a)〜図23(c)に示したように、感磁部20の断面形状がメサ形状の場合、感磁部20の平面視による輪郭線として、感磁部20の側面(以下、「メサ側面」と称する)201の上端側の輪郭線(以下、「メサ上側輪郭線」と称する)202と、メサ側面201の下端側の輪郭線(以下、「メサ下側輪郭線」と称する)203とがある。メサ上側輪郭線202は、感磁部20の上面20aとメサ側面201との境界線である。また、メサ下側輪郭線203は、メサ側面201と基板10の上面10aとの境界線である。本発明の各実施形態では、メサ下側輪郭線203が、感磁部20の外周に相当する。
【0086】
したがって、本発明の各実施形態では、第1〜第4の電極31〜34が感磁部20の上面20aからメサ側面201まで延設されている場合でも、メサ下側輪郭線203までは延設されていない。メサ下側輪郭線203は、第1〜第4の電極31〜34下から露出している。
また、本発明の各実施形態では、第1〜第4の電極31〜34は感磁部20の上面20a側にのみ設けられており、メサ側面201には延設されていないことが好ましい。つまり、感磁部20のメサ側面201は、第1〜第4の電極31〜34下から露出していることが好ましい。これにより、後述するワイヤーボンディング性がさらに向上する。
【0087】
次に、感磁部20の上面20a側における、第1〜第4の電極31〜34の形状と配置について説明する。図25に示すように、第1の電極31及び第2の電極32は、第1の方向で互いに向かい合っている。また、第3の電極33及び第4の電極34は、第1の方向と平面視で交差する(例えば、直交する)第2の方向で互いに向かい合っている。そして、感磁部20の上面の側において、第1〜第4の電極31〜34は、感磁部20の周辺領域24から中央領域23へそれぞれ延出している。
すなわち、第1の電極31は、主部31aと、主部31aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部31bとを有する。第2の電極32は、主部32aと、主部32aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部32bとを有する。第3の電極33は、主部33aと、主部33aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部33bとを有する。第4の電極34は、主部34aと、主部34aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部34bとを有する。
【0088】
図25に示すように、第1の方向における第1の電極31と第2の電極32との離間距離(すなわち、延出部31b、32b間の離間距離)をD1とし、第2の方向における第3の電極33と第4の電極34との離間距離(すなわち、延出部33b、33c間の離間距離)をD2としたとき、D1、D2はそれぞれ、1μm以上40μm以下である。
第1〜第4の電極31〜34の形状と配置について、より具体的に例を挙げて説明する。
第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の平面形状はそれぞれ矩形状である。また、第1の電極31が有する第1の角部31cと、第2の電極32が有する第2の角部32cと、第3の電極33が有する第3の角部33cと、第4の電極34が有する第4の角部34cとが、感磁部20の上方にそれぞれ位置する。
【0089】
ここで、第1の角部31cは、第1の電極31の延出部31bに含まれる部位である。第2の角部32cは、第2の電極32の延出部32bに含まれる部位である。第3の角部33cは、第3の電極33の延出部33bに含まれる部位である。第4の角部34cは、第4の電極34の延出部34bに含まれる部位である。図25に示すように、第1の角部31c、第2の角部32c、第3の角部33c及び第4の角部34cは、互いに隣接して配置されている。第1の角部31cは、第3の角部33c及び第4の角部34cと隣接し、第2の角部32cは、第3の角部33c及び第4の角部34cと隣接し、第1の角部31cと第2の角部32cとが第1の方向で互いに向かい合い、第3の角部33cと第4の角部34cとが第2の方向で互いに向かい合っている。
平面視で、第1の角部31c、第2の角部32c、第3の角部33c及び第4の角部34cにより囲まれる領域の中心位置は、感磁部20の中心位置と重なっている。また、平面視で、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周は、感磁部20の外周で囲まれる領域(すなわち、第1〜第4の辺26〜29で囲まれる領域)の内側に位置する。
【0090】
図22に示すように、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34は、基板10の矩形の四隅にそれぞれ配置されている。そして、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々の外周の各辺は、基板10の外周の4辺のうちの2辺とそれぞれ平行となっている。すなわち、平面視で、第1〜第4の電極34の外周の各辺は、基板10の外周の第1〜第4の辺11〜14と平行又は垂直となっている。
なお、図23に示すように、第1〜第4の電極31〜34はそれぞれ、感磁部20に電気的に接続する第1の金属膜131と、この第1の金属膜131上に形成された第2の金属膜132とを有する。つまり、第1の金属膜131が、感磁部20に対するコンタクト領域となっている。
【0091】
また、感磁部20と第2の金属膜132との間には絶縁膜40が形成されている。絶縁膜40は、例えばシリコン窒化膜(Si膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)、無機膜(Al)、ポリイミド膜であり、これらの膜を複数積層した多層膜である。つまり、絶縁膜40は、断面視で、感磁部20と第1〜第4の電極との間に配置される。絶縁膜40は、感磁部20の矩形の四隅と重なる位置にそれぞれ開口部401を有する。これらの開口部401で、感磁部20と第1〜第4の電極31〜34とがそれぞれ接触する。なお、絶縁膜40は、図23のように第1の金属膜131上にも形成されても、第1の金属膜131上には形成されなくともよく、第1の金属膜131の下に一部入り込んで形成されてもよい。
【0092】
(1.4)金属細線が接合される領域(ワイヤーボンディング領域)
図26(a)〜図26(c)は、ホール素子500におけるワイヤーボンディング領域を示す模式図であり、図26(a)は平面図、図26(b)は図26(a)をP26−P’26線で切断した断面図、図26(c)は図26(a)をQ26−Q’26線で切断した断面図である。
図26(a)〜図26(c)に示すように、第1の電極31は、その上面の側に金属細線が接合される第1のワイヤーボンディング領域141を有する。第1の電極31を構成する第1の金属膜131が、第1の電極31が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
【0093】
また、第2の電極32は、その上面の側に金属細線が接合される第2のワイヤーボンディング領域142を有する。第2の電極32を構成する第1の金属膜131が、第2の電極32が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
また、第3の電極33は、その上面の側に金属細線が接合される第3のワイヤーボンディング領域143を有する。第3の電極33を構成する第1の金属膜131が、第3の電極33が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
また、第4の電極34は、その上面の側に金属細線が接合される第4のワイヤーボンディング領域144を有する。第4の電極34を構成する第1の金属膜131が、第4の電極34が感磁部20と接触するコンタクト領域となる。
【0094】
つまり、感磁部20の中心位置25から見て、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の各中心位置よりも外側に、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域がそれぞれ位置する。
絶縁膜40は、断面視で、金属細線が接合される領域(ワイヤーボンディング領域)では第1〜第4の電極31〜34と感磁部20との間に介在し、感磁部20と接触する領域では開口部401を有する。
また、金属細線が接合される領域において、感磁部20はその上面が平坦な平坦面を有する。また、絶縁膜40は、応力緩和絶縁膜であってもよい。
【0095】
上述したように、第1の電極31及び第2の電極32はホール素子500の入力電極であるため、第1の電極31のコンタクト領域と第2の電極32のコンタクト領域との間がホール素子500における信号入力経路146となる。また、第3の電極33及び第4の電極34はホール素子500の出力電極であるため、第3の電極33のコンタクト領域と第4の電極34のコンタクト領域との間がホール素子500における信号出力経路145となる。
【0096】
(2)ホールセンサ
図27(a)〜図27(d)は、本発明の第5実施形態に係るホールセンサ700の構成例を示す断面図と平面図と底面図、及び外観図である。図27(a)は、図27(b)を破線R27−R’27線で切断した断面を示している。また、図27(b)では、図面の複雑化を回避するために、モールド部材を省略して示している。
図27(a)〜図27(d)に示すように、ホールセンサ700は、ホール素子500と、リード端子520と、第1〜第4の金属細線(導電性接続部材)531〜534と、保護層540と、モールド部材550と、外装めっき層560とを備える。また、リード端子520は、第1〜第4の端子部521〜524を有する。
ホールセンサ700は、例えばアイランドレス構造であり、外部との電気的接続を得るための複数の端子部521〜524を有する。図27(b)に示すように、第1〜第4の端子部521〜524は、ホール素子500の周囲に配置されている。
【0097】
例えば、第1の端子部521と第2の端子部522とがホール素子500を挟んで対向するように配置されており、また、第3の端子部523と第4の端子部524とがホール素子500を挟んで対向するように配置されている。そして、第1の端子部521と第2の端子部522とを結ぶ直線(仮想線)と、第3の端子部523と第4の端子部524とを結ぶ直線(仮想線)とが平面視で交差している。リード端子520(第1〜第4の端子部521〜524)は、例えば銅(Cu)等の金属からなる。
第1〜第4の金属細線531〜534は、ホール素子500が有する第1〜第4の電極31〜34と、第1〜第4の端子部521〜524とをそれぞれ電気的に接続する導線であり、例えば金(Au)からなる。図27(b)に示すように、第1の金属細線531は、第1の端子部521と第1の電極31とを接続している。第2の金属細線532は、第2の端子部522と第2の電極32とを接続している。第3の金属細線533は、第3の端子部523と第3の電極33とを接続している。第4の金属細線534は、第4の端子部524と第4の電極34とを接続している。第1〜第4の金属細線531〜534は、ホール素子の第1〜第4の電極31〜34のワイヤーボンディング領域において、接合している。
【0098】
第1の金属細線531の一端は第1の電極31に接続され、第1の金属細線531の他端は第1の端子部521に接続されている。第2の金属細線532の一端は第2の電極32に接続され、第2の金属細線532の他端は第2の端子部522に接続されている。第3の金属細線533の一端は第3の電極33に接続され、第3の金属細線533の他端は第3の端子部523に接続されている。第4の金属細線534の一端は第4の電極34に接続され、第4の金属細線534の他端は第4の端子部524に接続されている。
【0099】
第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144は、第1〜第4の電極31〜34の上面の一部の領域に相当する。第1〜第4の電極31〜34の上面の第1〜第4の金属細線531〜534(詳細は後述する)が接合される接合領域の下方には、第1〜第4の電極と感磁部20との間に絶縁膜40が介在している。ここで、「接合領域」は、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に実際に接触している領域であり、第1〜第4の金属細線531〜534のボール径ではない。このため、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に接合する接合領域は、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144に存在する。上述のとおり、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域は、感磁部20の中心位置25から見て、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の各中心位置よりも外側にそれぞれ位置している。このため、第1〜第4の電極31〜34は、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に接合する接合領域外で、感磁部20と接続される。また、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域の中心は、第1〜第4の電極31〜34の中心よりも外側に位置することが好ましい。
【0100】
また、上述のとおり、第1の金属膜131が感磁部20に対するコンタクト領域となっている。第1の金属膜131上には、絶縁膜40の開口部401が設けられている。このため、絶縁膜40の開口部401は、感磁部20の中心位置25から見て、第1〜第4の金属細線531〜534が第1〜第4の電極31〜34の上面に接合する接合領域よりも外側に配置されている。つまり、絶縁膜40は、上面視で、この接合領域外に位置する開口部401を有している。第1〜第4の電極31〜34は、開口部401において感磁部20と接触する。したがって、平面視で、第1〜第4の金属細線531〜534が接合される領域外に、第1〜第4の電極31〜34が感磁部20と接触する領域が配置される。
【0101】
保護層540は、基板10の第1〜第4の電極31〜34が設けられている面とは反対側の面側を覆っている。保護層540は、基板10を保護可能なものであれば特に限定はなく、導体、絶縁体、又は半導体のうち、少なくとも何れか1つを含んでいてもよい。即ち、保護層540は、導体、絶縁体、又は半導体の何れか1つからなる膜であってもよいし、これらのうち2つ以上を含む膜であってもよい。導体としては、例えば、銀ペーストなどの導電性樹脂などが考えられる。絶縁体としては、例えば、エポキシ系の熱硬化型樹脂と、フィラーとしてシリカ(SiO)とを含む絶縁ペースト、窒化ケイ素、二酸化ケイ素などが考えられる。半導体としては、例えば、Si基板やGe基板などの貼り合わせが考えられる。但し、リーク電流防止の観点から、保護層540は、絶縁体であることが好ましい。また、保護層540は積層構造でもよい。
モールド部材550は、ホール素子500と、第1〜第4の端子部521〜524と、第1〜第4の金属細線531〜534とをモールドしている。言いかえると、モールド部材550は、ホール素子500と、第1〜第4の端子部521〜524の少なくとも表面側(即ち、金属細線と接続する側の面)と、第1〜第4の金属細線531〜534とを覆って保護(即ち、樹脂封止)している。モールド部材550は、例えばエポキシ系の熱硬化型樹脂からなり、リフロー時の高熱に耐えられるようになっている。
【0102】
図27(a)及び図27(c)に示すように、ホールセンサ700の底面側(即ち、配線基板感磁部20に実装する側)では、第1〜第4の端子部521〜524の第1面(例えば、裏面)の少なくとも一部と、GaAs基板10の第1面(例えば、裏面)の少なくとも一部とが、モールド部材550の同一の面(例えば、裏面)からそれぞれ露出している。ここで、第1〜第4の端子部521〜524の第1面は、第1〜第4の端子部521〜524がそれぞれ有する複数の面のうち、第1〜第4の金属細線531〜534と接続している面とは反対側の面である。GaAs基板10の第1面は、GaAs基板10が有する複数の面のうち、第1〜第4の電極31〜34が設けられている面とは反対側の面である。
また、外装めっき層560は、モールド部材550から露出している端子部521〜524の裏面に形成されている。外装めっき層560は、例えばスズ(Sn)等からなる。
【0103】
〔動作〕
上記のホールセンサ700を用いて磁気(磁界)を検出する場合は、例えば、第1の端子部521を電源電位(+)に接続すると共に、第2の端子部522を接地電位(GND)に接続して、第1の端子部521から第2の端子部522に電流を流す。そして、第3の端子部523と第4の端子部524間の電位差V1−V2(=ホール出力電圧VH)を測定する。ホール出力電圧VHの大きさから磁界の大きさを検出し、ホール出力電圧VHの正負から磁界の向きを検出する。
即ち、第1の端子部521は、ホール素子500に所定電圧を供給する電源用端子部である。第2の端子部522は、ホール素子500に接地電位を供給する接地用端子部である。第3の端子部523及び第4の端子部524は、ホール素子500のホール起電力信号を取り出す信号取出用端子部である。
【0104】
〔製造方法〕
(1)ホール素子の製造方法
図28(a)〜図28(e)は、ホール素子500の製造方法を工程順に示す断面図である。図28(a)に示すように、まず基板10を用意する。基板10は、例えばGaAs基板10である。次に、基板10の表面から予め設定した深さの位置にドナー型の不純物をイオン注入する。ドナー型の不純物としては、例えばSi、Sn、S、Se、Te、Ge又はCなどが挙げられる。次に、基板10を加熱して不純物を活性化する。これにより、図28(b)に示すように、基板10内に、基板10よりも低抵抗の導電層21を形成すると共に、この導電層21の上に表面層22を形成する。表面層22は導電層21よりも不純物濃度が小さいため、導電層21よりも高抵抗な層(すなわち、導電性の低い層)となる。
【0105】
なお、この不純物を活性化する工程は、図28(c)に示す基板10のパターニン工程以降に行ってもよい。また、図28(c)に示す工程以降の他の加熱工程と兼用でおこなってもよい。また、導電層21の形成はイオン注入に限定されない。例えば、MOCVD法により、基板10上に不純物を高濃度に含むGaAsをエピタキシャル成長することにより導電層21を形成してもよい。この場合は、導電層21の形成に続いて、不純物を低濃度に含む(または、不純物を含まない)GaAsをエピタキシャル成長させることにより、導電層21上に、導電層21よりも高抵抗の表面層22を形成することができる。
【0106】
次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、基板10をパターニングして、図28(c)に示すように、断面視による形状がメサ形状である感磁部20を形成する。
次に、図28(d)に示すように、感磁部20が形成された基板10上に第1の金属膜131を部分的に形成する。ここでは、第1の金属膜131として、例えばAuGe膜、Ni膜、Au膜をこの順に積層する。第1の金属膜131の形成は、例えばリフトオフ、またはマスク蒸着で形成する。リフトオフは、レジストパターンが形成された基板上に金属膜を蒸着し、その後レジストパターンを取り去ることにより、基板のレジストパターンで覆われていなかった領域上にのみ金属膜を残す方法である。マスク蒸着は、貫通穴が部分的に形成された板を通して基板上に金属膜を蒸着することにより、基板の貫通穴直下の領域上にのみ金属膜を蒸着する方法である。第1の金属膜131を形成した後は、基板10を加熱して、基板10と第1の金属膜131との界面を合金化する。
【0107】
次に、図28(e)に示すように、基板10の第1の金属膜131下から露出している部分に絶縁膜40を形成する。絶縁膜40は、例えばシリコン窒化膜である。絶縁膜40の形成は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法で基板10の上面全体に絶縁膜を形成し、その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、この上面全体に形成された絶縁膜をパターニングすることにより形成する。なお、基板10の上面全体に絶縁膜を形成し、パターニングして絶縁膜40を形成した後に、第1の金属膜131を形成してもよい。
【0108】
次に、図28(e)に示すように、絶縁膜40が形成された基板10上に第2の金属膜132を部分的に形成する。ここでは、第2の金属膜132として、例えばTi膜、Au膜をこの順に積層する。また、第2の金属膜132を、例えばリフトオフ、またはマスク蒸着で形成する。
その後、基板10上に保護膜(図示せず)等を形成する。そして、基板10をダイシングして、基板10を複数のホール素子500の各々ごとに個片化する。以上の工程を経て、図22等に示したホール素子500が完成する。
【0109】
(2)ホールセンサの製造方法
図29(a)〜図29(e)及び図30(a)〜図30(d)は、ホールセンサ700の製造方法を示す工程順に示す平面図と断面図である。なお、図29(a)〜図29(e)において、ダイシングのブレード幅(即ち、カーフ幅)の図示は省略している。
図29(a)に示すように、まず、リードフレーム620を用意する。このリードフレーム620は、図27(b)に示したリード端子520が平面視で縦方向及び横方向に複数繋がっている基板である。
【0110】
次に、に示すように、リードフレーム620の裏面側に、例えば、基材として耐熱性フィルム580の一方の面を貼付する。この耐熱性フィルム580の一方の面には例えば絶縁性の粘着層が塗布されている。粘着層は、その成分として、例えばシリコン樹脂がベースとなっている。この粘着層によって、耐熱性フィルム580にリードフレーム620を貼付し易くなっている。リードフレーム620の裏面側に耐熱性フィルム580を貼付することによって、リードフレーム620の貫通している貫通領域を、裏面側から耐熱性フィルム580で塞いだ状態となる。
【0111】
次に、図29(c)に示すように、耐熱性フィルム580の粘着層を有する面のうち、第1〜第4の端子部521〜524で囲まれた領域に、保護層540を有するホール素子500を載置する(即ち、ダイボンディングを行う。)。ここでは、基板10の第1面を耐熱性フィルム580の粘着層を有する面に対向させてダイボンディングを行う。
次に、図29(d)に示すように、第1〜第4の金属細線531〜534の一端を第1〜第4の端子部521〜524にそれぞれ接続し、第1〜第4の金属細線531〜534の他端をホール素子500の第1〜第4の電極31〜34にそれぞれ接続する(即ち、ワイヤーボンディングを行う。)。第1〜第4の金属細線531〜534の他端は、ホール素子500の第1〜第4の電極31〜34のワイヤーボンディング領域において、接合する。
【0112】
なお、ワイヤーボンディングは、ホール素子500の各電極からリード端子520の各端子部に向かって金属細線を延ばして行う順ボンディングでもよいし、その逆に、リード端子520の各端子部からホール素子500の各電極に金属細線を延ばして行う逆ボンディングでもよい。逆ボンディングは、順ボンディングと比べて、金属細線のボンディング後のループ高さを低くすることができるので、ホール素子の低背化に寄与することができる。
そして、図29(e)に示すように、モールド部材550を形成する(即ち、樹脂モールドを行う。)。この樹脂モールドは、例えばトランスファーモールド技術を用いて行う。
【0113】
例えば図30(a)に示すように、下金型591と上金型592とを備えるモールド金型590を用意し、このモールド金型590のキャビティ内にワイヤーボンディング後のリードフレーム620を配置する。次に、キャビティ内であって、耐熱性フィルム580の粘着層を有する面(即ち、リードフレーム620と接着している面)の側に加熱し溶融したモールド部材550を注入し、充填する。これにより、ホール素子500と、リードフレーム620と、金属細線531〜534とをモールドする。即ち、ホール素子500と、リードフレーム620の少なくとも表面側と、金属細線531〜534とをモールド部材550で覆って保護する。モールド部材550がさらに加熱し硬化したら、該モールド部材550をモールド金型から取り出す。
【0114】
次に、図30(b)に示すように、モールド部材550から耐熱性フィルム580を剥離する。これにより、モールド部材550からホール素子500の基板10を露出させる。そして、図30(c)に示すように、リードフレーム620のモールド部材550から露出している面(少なくとも、各端子部521〜524のモールド部材550から露出している裏面)に外装めっきを施して、外装めっき層560を形成する。
次に、図30(d)に示すように、モールド部材550の上面(即ち、ホールセンサ700の外装めっき層560を有する面の反対側の面)にダイシングテープ593を貼付する。そして、例えば図29(e)に示した仮想の2点鎖線に沿って、リードフレーム620に対してブレードを相対的に移動させて、モールド部材550及びリードフレーム620を切断する(即ち、ダイシングを行う。)。つまり、モールド部材550及びリードフレーム620を複数のホール素子500の各々ごとにダイシングして個片化する。以上の工程を経て、図27に示したホールセンサ700が完成する。
【0115】
〔第5実施形態の効果〕
本発明の第5実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)感磁部20は、電極間(すなわち、第1の電極31と第2の電極32との間、及び、第3の電極33と第4の電極34との間)だけでなく、第1〜第4の電極31〜34のそれぞれの直下にも形成されている。このため、感磁部が電極間にのみ形成されている場合と比べて、基板10上のスペースを有効に利用することができ、ホール素子の小型化とS/N(Signal to Noise ratio)の向上の両方を実現することができる。
【0116】
(2)また、感磁部20のメサ側面201は、第1〜第4の電極31〜34のそれぞれの外周31e〜34eより外側となるように形成されている。このため、パッケージ工程におけるワイヤーボンディング性が向上し、収率の向上および導通不良を改善することができる。それによって、ホールセンサの信頼性の低下を抑制することができる。また、ホールセンサの信頼性を向上させることも可能である。
具体的には、基板10の上面10aに形成された感磁部20のメサ側面201は、感磁部20の上面20aから基板10の上面10a側へ傾斜、又は、段差を有している。ホール素子500が備える第1〜第4の電極31〜34と、リード端子520が備える第1〜第4の端子部521〜524とを第1〜第4の金属細線531〜534でそれぞれ接続するワイヤーボンディング工程では、第1〜第4の金属細線531〜534の一端にスパーク放電により球状のボールをそれぞれ形成し、このボールを第1〜第4の電極31〜34にそれぞれ押し付けて接合したり、または、超音波でそれぞれ振動させて接合したりする。
【0117】
ここで、感磁部のメサ側面である斜面構造や段差構造が電極下にあると、ワイヤーボンディング工程においてワイヤーボンディング性が悪化する。これは、ワイヤーボンディング工程の収率の低下や、ホール素子と端子部との間の導通不良の原因となる。
それに対して、本発明の第5実施形態によれば、感磁部20のメサ側面201である斜面構造や段差構造は、第1〜第4の電極31〜34の外周より外側となるように形成されている。つまり、第1〜第4の電極31〜34は、感磁部20の平坦な上面20aに形成される。その結果、第1〜第4の電極31〜34も平坦に形成される。
このため、ワイヤーボンディングの際に第1〜第4の金属細線531〜534の一端に形成されたボールは、平坦な第1〜第4の電極31〜34に押し付けられることとなる。そのため、ワイヤーボンディング性が向上し、収率の向上および導通不良を改善することができる。第1〜第4の電極31〜34と感磁部20との間に、Si等の絶縁膜40が形成されていても、第1〜第4の電極31〜34下に感磁部20のメサ側面201がないため、ワイヤーボンディング性は良好である。
【0118】
(3)また、感磁部20の中心位置からみて、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域(すなわち、第1の金属膜131の形成位置)は、第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の中心よりも外側にそれぞれ位置する。これにより、ワイヤーボンディング領域の直下にコンタクト領域が存在する場合と比べて、ホール素子のチップ面積を増やすことなく、信号出力経路145及び信号入力経路146の各距離を長くすることができるので、ホール素子の磁気検出精度の向上に寄与することができる。
特にホール素子500では、感磁部20の平面形状は矩形状であり、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域は感磁部20の角部にそれぞれ配置されている。これにより、限られたチップ面積内で、信号出力経路145及び信号入力経路146をそれぞれ最大限に長くすることができ、上記した磁気検出精度の向上に大きく寄与することができる。
【0119】
すなわち、平面形状が矩形状である感磁部20上に絶縁膜40を形成したのち、この絶縁膜40の感磁部20の対角と重なる4つの位置にそれぞれ孔を設ける。そして、それら4つの孔を通して、第1〜第4の電極31〜34を感磁部20に電気的に接続する。これにより、感磁部20の対角線上の一端から他端まで電流を流すことができる。それにより、第1〜第4の電極31〜34下の領域もホール起電力に寄与することができるので、ホール素子のS/Nを向上させる効果がある。
【0120】
(4)薄型化したホールセンサにおいては、ホール素子上のモールド部材の厚みが薄いため、ホール素子の感磁部へ入射される光を含む電磁波が、感磁部の局所的な伝導率を光電効果によって変動させてしまう。また、この変動によって、ホール素子にオフセット電圧Vuが生じる。
これに対して、第5実施形態によれば、平面視で、第1〜第4の電極31〜34は感磁部20の周辺領域24から中央領域23へ延出しており、中央領域23の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。
例えば、第1〜第4の電極31〜34は、矩形状の基板10の四隅から感磁部20の中央領域23へ延出して形成されている。そして、この中央領域23において、第1〜第4の電極31〜34の各延出部31b〜34bがそれぞれ近接配置されており、隣接する電極間の隙間が狭くなっている。これにより、感磁部20の中央領域23の一部が第1〜第4の電極31〜34で覆われている。
【0121】
ここで、電極部材である金属は、光を含む電磁波を極めて良く吸収する。したがって、第1〜第4の電極31〜34は、ホール素子500の感磁部20へ入射される電磁波を遮蔽することができ、感磁部20における局所伝導率変動を抑制することができる。それによって、オフセット電圧Vuの変動を抑制する効果がある。
特に、平面視で、感磁部20の中央領域の面積に対する、第1〜第4の電極31〜34の中央領域上の総面積の割合が10%以上100%未満であれば、オフセット電圧Vu変動を抑制する効果が高い。好ましくは、20%以上99%以下であり、より好ましくは、40%以上95%以下である。
【0122】
(5)また、パッケージを構成するモールド部材中のフィラー等により、感磁部へ局所的な応力がかかる。その応力を受けて、感磁部材料である半導体のピエゾ抵抗効果によって、局所的な伝導率の変動が生じる。その結果、ホール素子にオフセット電圧Vuが生じる。
これに対して、第5実施形態によれば、電極部材である金属は、応力によって柔軟に塑性変形するため、モールド部材550からの局所的な応力を緩和し、感磁部20における局所伝導率変動を抑制することができる。それによって、ホール素子のオフセット電圧Vuの変動を抑制する効果がある。
【0123】
(6)また、感磁部20で発生する熱は、感磁部20から第1〜第4の電極31〜34、第1〜第4の金属細線531〜534、第1〜第4の端子部521〜524を通じてパッケージ外へ排熱される。伝導率が高い金属製の第1〜第4の電極31〜34で感磁部20が覆われることにより、感磁部20から絶縁膜40、第1〜第4の電極31〜34、第1〜第4の金属細線531〜534を通じる排熱経路が新たに増える。それによって、ホール素子の排熱特性が向上する効果がある。
【0124】
(7)また、断面視で、感磁部20と第1〜第4の電極31〜34との間に配置される絶縁膜40を備え、絶縁膜40が、断面視で、第1〜第4の金属細線531〜534が接合される領域では第1〜第4の電極31〜34と感磁部20との間に絶縁膜40が介在し、感磁部20と接触する領域では開口部401を有することにより、第1〜第4の金属細線531〜534を接合する際に、第1〜第4の金属細線531〜534が接合される領域の下は、絶縁膜40を介して、平坦な感磁部20の上面となるため、ワイヤーボンディング性がさらに向上する。
【0125】
<第6実施形態>
上記の第5実施形態では、平面視で、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34の各々が、感磁部20の周辺領域24から中央領域23へそれぞれ延出している場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図31は、本発明の第6実施形態に係るホール素子600の構成例を示す平面図である。図31に示すように、第6実施形態に係るホール素子600において、第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34は、感磁部20の周辺領域24にのみ形成されている。第1の電極31、第2の電極32、第3の電極33及び第4の電極34は、中央領域23へは延出していない。
このような構成であっても、平面視で、第1の電極31の外周31eと、第2の電極32の外周32eと、第3の電極33の外周33eと、第4の電極34の外周34eは、感磁部20の外周20eより内側に位置する。したがって、第6実施形態は、第5実施形態の効果(1)〜(7)と同様の効果を奏する。
【0126】
<第7実施形態>
なお、第5実施形態では、図24を参照しながら感磁部20の中央領域23をL1とL2とで規定することについて説明した。第6実施形態においても、第5実施形態と同様に、中央領域23を規定することができる。
しかしながら、第5〜第7実施形態に係る発明では、上記とは別の方法で中央領域23を規定してもよい。
図32は、第7実施形態における中央領域23を例示する図である。図32に示すように、中央領域23は、例えば破線で示す円の内部領域としてもよい。詳しく説明すると、図32に示すように、平面視で、感磁部20の幾何学上の重心(+印で例示する)と中心を同じくする円であり、重心からコンタクト領域までの最小距離を半径とする補助円30を画定する。中央領域23は、その補助円30に対して、直径が1/2の長さで上記重心を中心とする円の内部領域とする。なお感磁部20の幾何学上の重心は、平面視で、感磁部20と基板10の境界で囲まれた図形において求めることができる。コンタクト領域は、第1〜第4の電極31〜34と感磁部20とがそれぞれ接続する部分である。
【0127】
中央領域(例えば、破線で示す円の内部領域)23は、感磁部20において特に、ホール効果に寄与する主な領域である。また、この中央領域23の外側を周辺領域24とする。なお、中央領域23の平面形状は円状に限定されるものではない。中央領域23の平面形状は矩形状でもよい。
上記のように、補助円30を用いて中央領域23を規定した場合であっても、第5実施形態の効果(1)〜(7)と同様の効果を奏する。
なお、図32では、第5実施形態で説明したホール素子500について補助円30を用いて中央領域23を規定しているが、第6実施形態で説明したホール素子600についても、補助円を用いた同様の方法で中央領域23を規定することができる。
【0128】
<ホール素子を備えるホールセンサの構成例>
以下、上述した第1から第7実施形態に係るホール素子のいずれかを備えるホールセンサ700(図7図27参照)における第1〜第4の電極31〜34、第1〜第4の電極31〜34の各コンタクト領域及び第1〜第4のワイヤーボンディング領域141〜144の位置関係について、図33及び図34を参照して詳細に説明する。
図33及び図34では、一例として、第1の電極31のコンタクト領域である第1の金属膜131の形成位置について説明するが、以下に説明するコンタクト領域の形成位置は、第2〜第4の電極32〜34においても同様である。また、図33及び図34では、第1の電極31及び感磁部20が矩形状(正方形状)であるものとして説明しているが、第1の電極31及び感磁部20の形状はこれに限られたものではなく、上述した各実施形態に記載の形状であってもよい。コンタクト領域の形状についても同様に、図33及び図34に記載された形状に限られたものではなく、上述した各実施形態に記載の形状であってもよい。
【0129】
まず、コンタクト領域の形成位置の第1の例及び第2の例について説明する。第1の例及び第2の例は、図33を参照して、接合領域Fが感磁部20の中心から見て第1の電極31の中心O2よりも外側まで広がっている場合について説明する。
【0130】
(第1の例)
図33には、複数の位置に形成されたコンタクト領域(第1の金属膜131a〜131e)が例示されている。第1の例において、図33に記載の第1の金属膜131a、131b及び131cは、好適なコンタクト領域の位置を示している。なかでも、第1の金属膜131a及び131bは、第1の例としてより好適なコンタクト領域の位置を示し、第1の金属膜131aは、第1の例としてさらに好適なコンタクト領域の位置を示している。一方、第1の金属膜131b、131c及び131dは、第2の例として好適ではないコンタクト領域の位置を示している。
【0131】
上述の各実施形態に係る各ホールセンサ700において、第1の電極31が感磁部20と接触する領域(コンタクト領域)は、感磁部20の中心位置25から見て第1の金属細線531(図7参照)が接合される接合領域Fの中心O1よりも外側に位置する。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131a、131b又は131cを設ける。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置する。
したがって、ホールセンサ700に備えられたホール素子のオフセット電圧の変動を抑制することができる。
【0132】
これは、コンタクト領域を接合領域Fの中心O1よりも外側に配置することによって、限られたチップ面積内で、ホール効果に寄与する主な領域(例えば図4に示す中央領域23)を広くとることができるためである。ホール効果に寄与する主な領域を大きくすることで、単位面積当たりの抵抗変動の影響が低減し、オフセット電圧の変動を抑制することができる。
また、ホール素子のオフセット電圧の変動はコンタクト領域の局所的な抵抗変動に敏感であり、かつ接合領域Fはその下方に応力を発生させ、応力により感磁部材料である半導体にピエゾ抵抗効果による抵抗変動が生じる。特に、接合領域Fの中心O1の下方では発生する応力が大きい。このため、コンタクト領域を接合領域Fの中心O1から外側に位置させることによって、コンタクト領域に作用する応力を低減させ、オフセット電圧の変動を抑制することができる。
【0133】
また、第1の電極31が感磁部20と接触する領域(コンタクト領域)の中心は、第1の電極31の中心O2よりも外側に位置し、第1の金属細線531が接合される領域の中心O1は、第1の電極31の中心O2よりも内側に位置することが好ましい。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131a又は131bを設けることが好ましい。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置するとともに、コンタクト領域の中心が第1の電極31の中心O2よりも外側に位置する。
したがって、発生する応力が特に大きい接合領域Fの中心O1から離れた位置にコンタクト領域を形成することができ、ホール素子のオフセット電圧の変動をより低減することができる。
【0134】
さらに、平面視で、第1の金属細線531が接合される接合領域F外に、第1の電極31が感磁部20と接触する領域(コンタクト領域)が配置されることがより好ましい。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131aを設けることがより好ましい。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置するとともに、コンタクト領域の中心が第1の電極31の中心O2よりも外側に位置し、かつ平面視で、接合領域F外にコンタクト領域が配置される。
したがって、発生する応力が大きい接合領域F外にコンタクト領域を形成することができ、ホール素子のオフセット電圧の変動をさらに抑制することができる。
【0135】
(第2の例)
図33には、複数の位置に形成されたコンタクト領域(第1の金属膜131a〜131e)が例示されている。
第2の例において、図33に記載の第1の金属膜131a及び131eは、好適なコンタクト領域の位置を示している。なかでも、第1の金属膜131aは、第2の例としてより好適なコンタクト領域の位置を示している。一方、第1の金属膜131b、131c及び131dは、第2の例として好敵ではないコンタクト領域の位置を示している。
【0136】
上述の各実施形態に係る各ホールセンサ700において、第1の電極31は、金属細線531が接合される接合領域F外で、感磁部20と接続する。絶縁膜40は、上面視で、接合領域F外に位置する開口部401を有することで、第1の電極31が開口部401で感磁部20と接触する。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131a又は131eを設ける。これにより、第1の金属膜131a又は131eは、接合領域F外で感磁部20と接続する。
したがって、発生する応力が大きい接合領域F外にコンタクト領域を形成することができ、ホール素子のオフセット電圧の変動を抑制することができる。加えて、ワイヤーボンディング性が向上し、ホールセンサ700の信頼性が向上する。これは、開口部40の段差を避けて平坦な電極部に接合領域Fを形成することで接合部の密着性が向上するためである。
【0137】
また、感磁部20の中心位置25から見て、金属細線531が接合される接合領域Fよりも外側に、絶縁膜40の開口部401(図2図23等参照)が配置されることが好ましい。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131aを設けることが好ましい。これにより、第1の金属膜131aが接合領域F外で感磁部20と接続し、かつ感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fよりも外側に、絶縁膜40の開口部401が配置される。
したがって、ホール効果に寄与する主な領域を大きくすることができ、単位面積当たりの抵抗変動の影響を低減させ、よりオフセット電圧の変動を抑制することができる。
【0138】
次に、コンタクト領域の形成位置の第3の例及び第4の例について説明する。第3の例及び第4の例は、図34を参照して、接合領域Fが感磁部20の中心から見て第1の電極31の中心O2よりも内側に形成されている場合について説明する。なお、各構成の効果については、第1の例及び第2の例と同様であるため説明を省略する。
【0139】
(第3の例)
図34には、複数の位置に形成されたコンタクト領域(第1の金属膜131Aa〜131D)が例示されている。第3の例において、図34に記載の第1の金属膜131A、131B及び131Cは、好適なコンタクト領域の位置を示している。なかでも、第1の金属膜131Aは、第1の例としてより好適なコンタクト領域の位置を示している。一方、第1の金属膜131Dは、第3の例として好敵ではないコンタクト領域の位置を示している。
【0140】
上述の各実施形態に係る各ホールセンサ700において、第1の電極31が感磁部20と接触する領域(コンタクト領域)は、感磁部20の中心位置25から見て第1の金属細線531(図7参照)が接合される接合領域Fの中心O1よりも外側に位置する。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131A、131B又は131Cを設ける。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置する。
【0141】
また、第1の電極31が感磁部20と接触する領域(コンタクト領域)の中心は、第1の電極31の中心O2よりも外側に位置し、第1の金属細線531が接合される領域の中心O1は、第1の電極31の中心O2よりも内側に位置することが好ましい。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131Aを設けることが好ましい。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置するとともに、コンタクト領域の中心が第1の電極31の中心O2よりも外側に位置する。
【0142】
また、平面視で、第1の金属細線531が接合される接合領域F外に、第1の電極31が感磁部20と接触する領域(コンタクト領域)が配置されることが好ましい。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131A又は131Bを設けることが好ましい。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置するとともに、平面視で接合領域F外にコンタクト領域が配置される。
さらに、第1の金属膜131として第1の金属膜131Aを設けることがより好ましい。これにより、コンタクト領域が感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fの中心O1よりも外側に位置するとともに、コンタクト領域の中心が第1の電極31の中心O2よりも外側に位置し、かつ平面視で接合領域F外にコンタクト領域が配置される。
【0143】
また、上述の各実施形態に係る各ホールセンサ700において、第1の電極31は、金属細線531が接合される接合領域F外で、感磁部20と接続する。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131A、131B又は131Dを設ける。これにより、第1の金属膜131A、131B又は131Dは、接合領域F外で感磁部20と接続する。
【0144】
また、感磁部20の中心位置25から見て、金属細線531が接合される接合領域Fよりも外側に、絶縁膜40の開口部401(図2図23等参照)が配置されることが好ましい。すなわち、第1の金属膜131として第1の金属膜131A又は131Bを設けることが好ましい。これにより、第1の金属膜131A又は131Bが接合領域F外で感磁部20と接続し、かつ感磁部20の中心位置25から見て接合領域Fよりも外側に、絶縁膜40の開口部401が配置される。
【0145】
<レンズモジュール>
以下、第1実施形態から第7実施形態に係るホールセンサ700を用いたレンズモジュールについて説明する。図35(a)は、手振れ補正用のレンズモジュール8aを示し、図35(b)は、オートフォーカス用のレンズモジュール8bを示している。
図35(a)及び図35(b)に示すように、レンズモジュール8a,8bは、第1から第7実施形態に係るホールセンサ700のいずれかと、磁石80が取り付けられたレンズホルダ81と、ホールセンサ700の外部端子からの出力信号であるホール起電力信号に基づいて、磁石を移動させる駆動コイル82と、を備える。第1から第7実施形態に係るホールセンサ700は、モールド部材を薄型化できるため、ホールセンサ700自体を薄型化でき、かつ、オフセット変動を抑制できるため磁気を正確に検出することができる。そのため、第1から第7実施形態に係るホールセンサ700のいずれかを用いた本実施形態のレンズモジュール8a,8bは、小型化を図ることができ、また、正確な位置検出を行うことが可能となる。本実施形態のレンズモジュール8a,8bでは、レンズホルダ81に取り付けられた磁石80の磁場を、ホールセンサ700で検知し、検知した磁場に応じた出力信号に基づいて、駆動コイル82に駆動電流を流す。これにより、レンズモジュール8aは手振れ補正制御を精度良く行うことができ、レンズモジュール8bはオートフォーカス制御を精度良く行うことができる。また、本実施形態のレンズモジュール8a,8bは、薄型化が図られているため、ホールセンサ700内部のホール素子(不図示)と、磁石80との位置を近づけることが可能となり、より精度の高い磁気検知が可能である。
【0146】
<その他の態様>
本発明の技術的思想は、以上に記載した各実施形態や各実施例に特定されるものではない。当業者の知識に基づいて、本発明の各実施形態や各実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、本発明の各実施形態や各実施例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も、本発明の技術的思想に含まれる。
【符号の説明】
【0147】
8a,8b レンズモジュール
10 基板
10a 上面
20 感磁部
20e (感磁部の)外周
21 導電層
22 表面層
23 中央領域
24 周辺領域
25 中心位置
29 補助円
31 第1の電極
31a (第1の電極の)主部
31b (第1の電極の)延出部
31c 第1の角部
32 第2の電極
32a (第2の電極の)主部
32b (第2の電極の)延出部
32c 第2の角部
33 第3の電極
33a (第3の電極の)主部
33b (第3の電極の)延出部
33c 第3の角部
34 第4の電極
34a (第4の電極の)主部
34b (第4の電極の)延出部
34c 第4の角部
40 絶縁膜
80 磁石
81 レンズホルダ
82 駆動コイル
100、200、300、400、500、600 ホール素子
120 主要感磁部
121 第1の延出部
122 第2の延出部
123 第3の延出部
124 第4の延出部
126 第1の対角線
127 第2の対角線
131 第1の金属膜
132 第2の金属膜
141 第1のワイヤーボンディング領域
142 第2のワイヤーボンディング領域
143 第3のワイヤーボンディング領域
144 第4のワイヤーボンディング領域
145 信号出力経路
146 信号入力経路
201 メサ側面
202 メサ上側輪郭線
203 メサ下側輪郭線
220 中央部
221 第1の周辺部
222 第2の周辺部
223 第3の周辺部
224 第4の周辺部
401 開口部
520 リード端子
521 第1の端子部
522 第2の端子部
523 第3の端子部
524 第4の端子部
531 第1の金属細線
532 第2の金属細線
533 第3の金属細線
534 第4の金属細線
540 保護層
550 モールド部材
560 外装めっき層
580 耐熱性フィルム
590 モールド金型
591 下金型
592 上金型
593 ダイシングテープ
620 リードフレーム
700 ホールセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35