(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ダイと前記第2ダイとの間に第1アンダーフィルを挿入する段階は、前記第1ダイを前記第2ダイに電気的に接続する相互配線を前記第1アンダーフィルで取り囲む段階を有する、
請求項16または17に記載の方法。
前記第1ダイと前記第2ダイとの間に第1アンダーフィルを挿入する段階は、前記第1ダイおよび前記第2ダイのうちの1つの周辺の少なくとも一部の周りに前記第1アンダーフィルを配置する段階を含む、
請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明および図面は、当業者が実施形態を実施できるように、具体的な実施形態を十分に示している。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、処理的および他の変更を組み込み得る。いくつかの実施形態の部分および特徴が、その他の実施形態のそれらに含まれても良く、または、代用されてもよい。特許請求の範囲に説明された実施形態は、それらの特許請求の範囲の全ての適用可能な均等物を包含する。
【0018】
本願で用いられるような、「横」(水平)などの向きを表す用語は、ウェハまたは基板の向きに関わらず、ウェハまたは基板の従来の平面または表面に平行な平面に対して定義される。「縦」(垂直)という用語は、上で定義したような「横」に対し垂直な方向を指す。例えば、「上」、「側」(「側壁」に示されるような)、「高方」、「下方」、「上方」、および「下」などの前置詞は、ウェハまたは基板の向きに関わらず、ウェハまたは基板の上面にある従来の平面または表面に対して定義される。
【0019】
本明細書で説明される電子パッケージおよび方法は、より高いバルクサーマルを有する複合物を形成すべく、大きい粒度および高い体積分率を含む充填剤を部分的に利用し得る。高熱伝導率に対して具体的に材料を立案することは、技術的に実現可能であり得るが、より高い熱伝導率が材料を使用するときにマイナスのトレードオフが付随してくるものであり、はるかに困難なダイ取り付けプロセスに貢献するものである。一例として、充填剤の体積分率の最大化および平均粒径の最大化は、より高い熱伝導率を助長するが、これは充填剤のエントラップメントの危険を増大し、接合部形成を完全に妨げる場合がある。
【0020】
本明細書で説明される電子パッケージおよび方法は、(i)メモリダイにロジックダイ(および/またはメモリダイにメモリおよび/またはロジックダイにロジックダイ)を結合し、(ii)より高度に電源供給される積層型のパッケージにおいてより高い放熱を可能にすべく、底部ロジックダイから上部メモリまで放熱するために2つの封入剤を使用し得る。積層チップにおいて放熱を改善するための2つの封入剤の使用は、様々な異なる電子パッケージアーキテクチャの使用に適し得る。
【0021】
本明細書で説明される電子パッケージおよび方法の基本原理は、チップ間の接合部を作るために(1つの材料の代わりに)2つの材料を使用し、様々な電子パッケージアーキテクチャにおけるより大きな放熱を可能にすることである。一例として、材料1は、接合部を形成して接合部を封入し得、材料2は、底部ダイから上部ダイに放熱し得る。
【0022】
本明細書で説明される電子パッケージおよび方法における2つの材料の充填剤システムは、各々の機能が、性能を犠牲にすることなく2つの材料の充填剤システムにより実現され得るように、熱伝導要件から結合要件を分離する。接合部形成は、任意の熱伝導性チップ間封入剤の充填剤添加量により限定され得る。本明細書で説明される電子パッケージおよび方法は、非接合領域において(すなわち、熱伝導性を促進するために)充填剤の高添加量を使用し、接合領域において(すなわち、積層ダイ間の電気接続の形成を促進するために)低い充填剤の添加量を使用することにより、より低いコストで、より低い熱伝導性の充填剤の使用を拡張し得る。
【0023】
充填剤の高添加量およびより大きい充填剤のサイズは、より高い熱伝導性に貢献するが、充填剤のエントラップメントを引き起こす場合があり、チップ間隙崩れを妨げる場合がある。従って、単一の封入剤の材料は、高い熱伝導性のための要求を結合プロセスに対して要求される特性と両立させることは通常できない。本明細書で説明される例示的な電子パッケージおよび方法は、チップ取り付けおよび高い熱伝導性のための二重の要件を混乱させない。
【0024】
いくつかの形態において、本明細書で説明される電子パッケージおよび方法は、別のより高い熱伝導性材料がパッケージの内部を充填すると同時に、1つの材料が周辺アレイを封入する周辺アレイに広がり得る。一例として、2つの異なる材料は、取り付けプロセスの前後に施され、(i)熱伝導性充填剤を含むNCPs、CUF、MUF、(ii)ダイの1つはシリコン貫通電極(TSV)を含む少なくとも2つのダイ、および(iii)第1ダイ(例えば、ロジックダイ)と第2ダイ(例えば、メモリ、グラフィックスなど)との間の重複領域に基づきルーティングされ得、またはされ得ないローカライズされたバンプ面積(例えば、バンプ面積の30%未満)を有する積層された1または複数の層を含む。
【0025】
従って、充填剤の材料1に対する材料カバレッジエリアは、重複領域に対して45%程度高い場合がある。さらに、充填剤の材料2は、必要とされる放熱を実現すべく、熱伝導性充填剤を含む高い熱伝導性封入剤であり得る。
【0026】
いくつかの形態において、熱伝導性充填剤は、溶融シリカの熱伝導率より大きい熱伝導率を保有する。
図1は、溶融シリカに対するいくつかの典型的な熱伝導性充填剤10の熱特性を示す。
【0027】
材料1および材料2に対して使用される熱伝導性充填剤のタイプは、積層型の電子パッケージの熱要件に適合され得ることに留意すべきである。
図2は、Bruggemanの式のグラフ20を示し、0.23W/(m・K)の熱伝導率を有するエポキシ樹脂に対するそれぞれの充填剤の伝導率および樹脂伝導率に対して、推定される複合熱伝導率を提供する。
【0028】
図2の囲み領域は、例示的な積層型の電子パッケージに対して15Wの放熱を実現するのに適するであろうウィンドゥ21を示す。材料2の配合物は、接合部形成の制約によって拘束されないので、充填剤の高添加量が、より低いコストおよびより低い熱伝導性の充填剤の使用を広げるために使用され得る。
【0029】
いくつかの形態において、相互配線アレイは、材料1により封入され得る。相互配線は放熱することとなり、それによりより高い熱伝導性の材料は、必要とされない。材料1は、以下の特徴、すなわち、充填剤タイプ、充填剤粒度、充填剤粒度分布および充填剤添加量のうちの1または複数により述べられるように材料2とは異なる任意のチップ間材料として定義され得る。さらに、材料1および材料2は、各々の材料の処理を容易にすべく、同様または異なる樹脂構造を含み得る。
【0030】
図3は、例示的な電子パッケージ30の上面図を示す。電子パッケージ30は、第1ダイ31の上へ積層される第1ダイ31および第2ダイ32を含む。
【0031】
第1封入剤33は、第1ダイ31と第2ダイ32との間に配置される。第1封入剤33は、第1ダイ31と第2ダイ32との間の第1ボリュームをカバーする第1材料を含む。
【0032】
第2封入剤34は、第1ダイ31と第2ダイ32との間に配置される。第2封入剤34は、第1ダイ31と第2ダイ32との間の第2ボリュームをカバーする第2材料を含む。第1材料は、第2材料より高い熱伝導率を有し、第2材料は、第1材料と比較して第1ダイ31と第2ダイ32との間の電気接続をより効果的に促進する。
【0033】
図3に示される例示的な形態において、第2封入剤34は、第1封入剤33を取り囲んでいる。第2封入剤34が第1封入剤33を取り囲んでいないか、または第1封入剤33を部分的にしか取り囲んでいない他の形態が考えられる。
【0034】
図3に示されていないが、第1封入剤33は、少なくとも1つの追加ボリュームをカバーし得る(
図3には1つのボリュームだけが示されている)。第1封入剤33の追加ボリュームの数は、(他の要素の間で)電子パッケージ30の全体構成に部分的に依存することとなる。さらに、第2封入剤34は、(i)第1封入剤33の各々の追加ボリュームを取り囲み得、第1封入剤33の各々の追加ボリュームの一部(または全て)を部分的に取り囲み得、および/または第1封入剤33の各々の追加ボリュームの一部(または全て)を取り囲み得ない。
【0035】
電子パッケージ30中の第1充填剤33および第2充填剤34のタイプは、(i)電子パッケージ30が使用されるべき用途、(ii)電子パッケージ30の全体構造、および/または(iii)電子パッケージ30に使用される第1充填剤33および第2充填剤34の相対量に部分的に依存することとなる。いくつかの形態において、第1充填剤33を形成する第1材料は、第2充填剤34を形成する第2材料より密に詰め込まれる。
【0036】
第1充填剤33を形成する第1材料と、第2充填剤34を形成する第2材料とは、同じ樹脂を含み得る。第1材料および第2材料が異なる樹脂を含み、または第1材料および第2材料の少なくとも1つ(または両方)が複数の樹脂を含む他の形態が、考えらえる。第1材料および第2材料に含まれる樹脂のタイプは、(i)電子パッケージ30が使用されるべき用途、(ii)電子パッケージ30の全体構造、(iii)第1充填剤33および第2充填剤34の相対量、および/または(iv)第1ダイ31および第2ダイ32を形成する材料のタイプに部分的に依存することとなる。
【0037】
図3に示される電子パッケージの例示的な形態において、第1ダイ31は、第2ダイ32とは異なるサイズである。第1ダイ31が第2ダイ32と同じサイズである他の形態が、考えられる。
【0038】
電子パッケージ30に含まれるダイのタイプは、電子パッケージ30が使用されるべき用途に部分的に依存することとなる。例として、第1ダイ31および/または第2ダイ32は、チップ、ロジックダイ、メモリダイ、基板、集積回路、プロセッサ制御ハブおよび/または他のタイプの電子デバイスの中でも組み込みデバイスであり得る。
【0039】
図4は、第1ダイ31および第2ダイ32が共に圧縮される直前の例示的な電子パッケージ30の側面図を示す。
図4は、第1ダイ31および/または第2ダイ32に適用される第1封入剤33および第2封入剤34の量が、第1ダイ31および第2ダイ32が一度合わせて積層されると、第1封入剤33および第2封入剤34のボリュームがどのように配置されるべきかに応じて異なり得ることを示す。第1ダイ31および/または第2ダイ32に適用されるべき第1封入剤33および第2封入剤34の量は、第1封入剤33と第2封入剤34とのそれぞれのボリュームに必要とされる熱伝導率および電気接続性の位置および量に部分的に依存することとなる。
【0040】
図5は、第1ダイ31が、第2ダイ32の下面35を露出すべく除去される例示的な電子パッケージ30の例示的な底面図を示す。第1ダイ31および第2ダイ32は、第1ダイ31が除去された状態で目に見える相互配線36A、36Bを介して電気的に接続される。
【0041】
本明細書で説明される電子パッケージおよび方法のいくつかの形態において、第2封入剤34は、相互配線36A、36Bを取り囲む。電子パッケージ30の他の例示的な形態として、第2封入剤34が相互配線36A、36Bのいくつかを取り囲む(または、どれも取り囲まない)場合が、考えられることに留意すべきである。
【0042】
本明細書で説明される電子パッケージ30および方法の例示的な形態において、相互配線36A、36Bは、第1ダイ31および/または第2ダイ32上に任意の手法にて配置され得る。相互配線36A、36Bが第1ダイ31および/または第2ダイ32上に配置される手法は、(i)電子パッケージ30に対する用途、(ii)電子パッケージ30に含まれるチップのタイプおよび/または(iii)(数ある要素の中でも)第1ダイ31および第2ダイ32の全体構成に部分的に依存することとなる。
【0043】
一例として、相互配線36Aは、第1ダイ31および第2ダイ32(第2ダイ32は、
図5に示されている)の1つの周辺37の周りに延在し得る。他の例示的な形態において、相互配線36Aは、第1ダイ31および第2ダイ32のうちの1つの周辺37の少なくとも一部の周りに延在し得る。
【0044】
相互配線36Bは、第1ダイ31および第2ダイ32の1つの周辺の周りに延在しない。電子パッケージ30が、異なるタイプの相互配線を含み得ることに留意すべきである。一例として、相互配線36Aは、相互配線36Bより大きい。さらに、相互配線36Aまたは36Bは、第1ダイ31および/または第2ダイ32上に有益なスペースを維持すべく千鳥状に配置され得る。
【0045】
図6は、第2ダイが第1ダイ61の上面65を露出すべく除去された、別の例示的な電子パッケージ60の上面図を示す。第1ダイ61および第2ダイは、第2ダイが除去された状態で目に見える相互配線66を介して電気的に接続される。
【0046】
電子パッケージ60のいくつかの形態において、第2封入剤34は、相互配線66を取り囲む(4つの相互配線66が、
図6に示される)。電子パッケージ60の他の例示的な形態として、第2封入剤34が相互配線66のいくつかを取り囲む(またはどれも取り囲まない)場合が考えられることに留意すべきである。
図6に示される例示的な電子パッケージ60において、第1封入剤33の4つのエリアは、第2封入剤34のどちらの側にもある。
【0047】
図7は、別の例示的な電子パッケージ70の上面図を示す。電子パッケージ70は、第1ダイ71の上へ積層される第1ダイ71および第2ダイ72を含む。
図7に示される例示的な形態において、第1ダイ71は、第2ダイ72と同じサイズであるが、第1ダイ71および第2ダイ72は、異なるサイズであり得る。
【0048】
第1封入剤73は、第1ダイ71と第2ダイ72との間に配置される。第1封入剤73は、第1ダイ71と第2ダイ72との間の複数の第1ボリュームをカバーする第1材料を含む。
【0049】
第2封入剤74は、第1ダイ71と第2ダイ72との間に配置される。第2封入剤74は、第1ダイ71と第2ダイ72との間の第2ボリュームをカバーする第2材料を含む。第1材料は、第2材料よりも高い熱伝導率を有し、第2材料は第1材料と比較して第1ダイ71と第2ダイ72との間の電気接続をより効果的に促進する。
【0050】
図7に示されていないが、第2封入剤74は、少なくとも1つの追加ボリュームをカバーし得る(
図7には1つのボリュームのみが示されている)。第1封入剤73のボリュームの数は、(数ある要素の中でも)電子パッケージ70の全体構成に部分的に依存することとなる。
【0051】
図7に示されるように、電子パッケージはさらに、第1ダイ71と第2ダイ72との間に配置される第3封入剤75を含み得る。第3封入剤75は、第1ダイ71と第2ダイ72との間で少なくとも1つの第3ボリュームをカバーする第3材料を含み得る(第3封入剤75の2つのボリュームが、
図7に示される)。第3材料は、第1材料および第2材料とは異なる熱伝導率を有し得、および/または第3材料は、第1材料および第2材料とは異なって第1および第2ダイ間の電気接続を促進し得る。
【0052】
第1充填剤73を形成する第1材料、第2充填剤74を形成する第2材料および第3充填剤75を形成する第3材料は全て、同じ樹脂を含み得る。第1材料、第2材料および第3材料が異なる樹脂を含み、または第1材料、第2材料および第3材料の少なくとも1つ(いくつかまたは全て)が複数の樹脂を含む他の形態が、考えらえる。
【0053】
図8は、電子パッケージ30を製造する例示的な方法[800]を示すフロー図である(
図3参照)。方法[800]は、第1ダイ31の上へ第1材料でできた第1封入剤33を配置する工程[810]と、第1ダイ31の上へ第2材料でできた第2封入剤34を配置する工程[820]とを含む。いくつかの形態において、第1ダイ31の上へ第2封入剤34を配置する工程[820]は、第1封入剤33を第2封入剤34で(時に部分的にだけ)取り囲む工程を含む。
【0054】
第1材料は、第2材料より高い熱伝導率を有する。さらに、第2材料は、第1ダイ31と第2ダイ32との間の電気接続を第1材料よりも効果的に促進する。
【0055】
方法[800]はさらに、第1封入剤33および第2封入剤34が第1ダイ31と第2ダイ32との間に存在するように第1ダイ31の上へ第2ダイ32を積層する工程[830]を含む。第2ダイ32は、現在既知である、または将来発見される任意の技術を用いて第1ダイ31の上へ積層され得る。
【0056】
方法[800]のいくつかの形態において、第1ダイ31の上へ第2封入剤34を配置する工程[820]は、第1ダイ31を第2封入剤34で第2ダイ32に電気的に接続する相互配線36A、36Bを取り囲む工程を含み得る。相互配線36A、36Bが第2封入剤34によって取り囲まれている手法は、コスト、製造上の検討、および(数ある要素の中でも)電子パッケージ30の製造と関連付けられる機能に部分的に依存することとなる。
【0057】
さらに、第1ダイ31の上へ第2封入剤34を配置する工程[820]は、第1ダイ31および第2ダイ32の1つの周辺37の少なくとも一部の周りに第2封入剤34を配置する工程を含み得る。
【0058】
図9は、電子パッケージ30を製造する別の例示的な方法[900]を示すフロー図である。方法[900]は、第1ダイ31の上へ第2材料でできた第2封入剤34を配置する工程[910]と、第2封入剤34が第1ダイ31と第2ダイ32との間に存在するように第1ダイ31の上へ第2ダイ32を積層する工程[920]とを含む。第2ダイ32は、現在既知である、または将来発見される任意の技術を用いて第1ダイ31の上へ積層され得る。
【0059】
方法[900]はさらに、第1ダイと第2ダイとの間に第1材料でできた第1アンダーフィル33を挿入する工程[930]を含む。第1材料は、第2材料より高い熱伝導率を有し、第2材料は、第1ダイ31と第2ダイ32との間の電気接続を第1材料より効果的に促進する。
【0060】
方法[900]のいくつかの形態において、第1ダイ31と第2ダイ32との間に第1アンダーフィルを挿入する工程[930]は、(i)第2アンダーフィル34を第1アンダーフィル33で(時に部分的にだけ)取り囲む工程、(ii)第1ダイ31を第2ダイ32に第1アンダーフィル33で電気的に接続する相互配線36A、36Bを取り囲む工程、および/または(iii)第1ダイ31および第2ダイ32の1つの周辺37の少なくとも一部の周りに第1アンダーフィル34を配置する工程を含み得る。
【0061】
第1アンダーフィル33が第2アンダーフィル34を取り囲み、相互配線36A、36Bが第2アンダーフィル34によって取り囲まれている手法は、コスト、製造上の検討、および(数ある要素の中でも)電子パッケージ30の製造と関連付けられる機能に部分的に依存することとなる。方法[800]、[900]に含まれる第1ダイ31および第2ダイ32のタイプ、サイズおよび構成は、電子パッケージ30の所望の全体構成および機能に部分的に依存することとなる。
【0062】
本明細書で説明される電子パッケージおよび方法は、より高い熱伝導性材料と組み合わせたより低い熱伝導性充填剤の使用を可能にし得る。2つの異なる充填剤の使用は、ダイを積層するための取り付けプロセスに関連した必要なもの、ならびに本明細書で説明される電子パッケージの熱管理要件に対処し得る。
【0063】
本明細書で開示される方法および電子パッケージをより良く説明すべく、実施形態の非限定的リストがここに提供される。
【0064】
例1は、電子パッケージを含む。電子パッケージは、基板、基板に取り付けられたダイ、毛管作用に起因してダイと基板との間に配置される封入剤、およびダイを取り囲む支持部を含む。
【0065】
例2は、例1の電子パッケージを含み、ダイは、基板に接合されるフリップチップである。
【0066】
例3は、例1〜例2のいずれか1つの電子パッケージを含み、封入剤は、基板に支持部を固定させる。
【0067】
例4は、例1〜例3のいずれか1つの電子パッケージを含み、封入剤は、ダイに支持部を固定させる。
【0068】
例5は、例1〜例4のいずれか1つの電子パッケージを含み、支持部は、実質的に均一な断面を有する。
【0069】
例6は、例1〜例5のいずれか1つの電子パッケージを含み、支持部は、内部底縁部および外部底縁部を有し、内部底縁部は、支持部がダイの回りに取り付けられた場合に、封入剤を受け入れるべく面取りされている。
【0070】
例7は、例6の電子パッケージを含み、支持部は、内部上縁部および外部上縁部を有し、内部上縁部は、支持部がダイの回りに取り付けられた場合、ダイと支持部との間の上方に流れる過剰な封入剤を受け入れるための溝を含む。
【0071】
例8は、例1〜例7のいずれか1つの電子パッケージを含み、支持部の断面は、その断面がダイ上の比較的高いストレスの領域にてより大きく、ダイ上の比較的低いストレスの領域にてより小さくなるように変化する。
【0072】
例9は、例8の電子パッケージを含み、支持部は、内部下縁部および外部下縁部を有し、支持部は、通路および外面を含み、通路は、支持部がダイの回りに取り付けられた場合、封入剤が通路を介して外面から内部下縁部まで流れるように、支持部の内部下縁部から支持部の外面まで延在する。
【0073】
例10は、例9の電子パッケージを含み、通路は、支持部の外面から支持部の片側に延在する。
【0074】
例11は、基板にダイを取り付ける工程、毛管作用を用いてダイと基板との間に封入剤を挿入する工程、および支持部がダイを取り囲むようにダイの回りに支持部を配置する工程を含む方法を有する。
【0075】
例12は、例11の方法を含み、基板にダイを取り付ける工程は、フリップチップ接合を用いて基板にダイを取り付ける工程を含む。
【0076】
例13は、例11〜例12のいずれか1つの方法を含み、支持部がダイを取り囲むようにダイの回りに支持部を配置する工程は、封入剤を用いてダイに支持部を取り付ける工程を含む。
【0077】
例14は、例11〜例13のいずれか1つの方法を含み、支持部がダイを取り囲むようにダイの回りに支持部を配置する工程は、封入剤を用いて基板に支持部を取り付ける工程を含む。
【0078】
例15は、例11〜例14のいずれか1つの方法を含み、封入剤を硬化させる工程をさらに含む。
【0079】
例16は、例11〜例15のいずれか1つの方法を含み、支持部における開領域を介して封入剤を除去する工程をさらに含む。
【0080】
例17は、例11〜例16のいずれか1つの方法を含み、毛管作用を用いてダイと基板との間にアンダーフィルを挿入する工程は、支持部の外面から支持部の下部内縁部まで支持部における通路を介してアンダーフィルを挿入する工程を含む。
【0081】
例18は、電子パッケージを含む。電子パッケージは、ダイと、ダイに成形され、ダイを取り囲む支持部と、基板と、支持部およびダイと基板との間における、アンダーフィルの毛管作用に起因して、基板に支持部およびダイを取り付けるアンダーフィルとを含む。
【0082】
例19は、例18の電子パッケージを含み、ダイは、基板に結合されるフリップチップである。
【0083】
例20は、例18〜例19のいずれか1つの電子パッケージを含み、基板は、複数の再分配層を含み、アンダーフィルは、基板を形成する再分配層の少なくとも1つにダイおよび支持部を取り付ける。
【0084】
本電子デバイス、半田組成物、および関連する方法のうちのこれらの、および他の例および特徴は詳細な説明において部分的に説明されるであろう。この概要は本主題の非限定的な例を提供することが意図され、排他的または網羅的な説明の提供を意図してはいない。詳細な説明は、システムおよび方法に関するさらなる情報を提供すべく含まれる。
【0085】
本発明の上位レベルのデバイス用途の例を示すべく、本開示で説明された電子パッケージ方法を用いる電子デバイスの例が含められる。
図10は、本明細書で説明される少なくとも1つの電子パッケージおよび/または方法を組み込んだ電子デバイス1000のブロック図である。電子デバイス1000は単に、本発明の実施形態が使用され得る電子システムの一例である。
【0086】
電子デバイス1000の例は、限定されるものではないが、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、ゲームデバイス、MP3、または他のデジタルミュージックプレーヤ、などを含む。この例において、電子デバイス1000は、システムの様々なコンポーネントを連結するシステムバス1002を含むデータプロセッシングシステムを備える。システムバス1002は、電子デバイス800の様々なコンポーネント間に通信リンクを提供し、単一バスとして、バスの組み合わせとして、または任意の他の好適な手法で実装されることができる。
【0087】
電子パッケージ1010はシステムバス1002に連結されている。電子パッケージ1010は、任意の回路または回路の組み合わせを含むことができる。1つの実施形態において、電子パッケージ1010は任意のタイプであり得るプロセッサ1012を含む。本明細書で用いるように、「プロセッサ」は、限定されるものではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、または任意の他のタイプのプロセッサもしくは処理回路などの、任意のタイプの計算回路を意味する。
【0088】
電子パッケージ1010に含まれ得る他のタイプの回路は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機、および同様の電子システムのような無線デバイスで用いる、例えば、1または複数の回路(通信回路1014など)などの、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、等である。ICは、任意の他のタイプの機能を実行することができる。
【0089】
電子デバイス1000は外部メモリ820も含むことができる。次にこの外部メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形のメインメモリ1022、1または複数のハードドライブ1024、および/または、コンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)、および同種のものなどのリムーバブル媒体1026を処理する1または複数のドライブなどの、特定の用途に適した1または複数のメモリ素子を含むことができる。
【0090】
電子デバイス1000は、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識デバイス、またはシステムユーザが電子デバイス1000へ情報を入力、および電子デバイス1000から情報を受信できるようにする任意の他のデバイスを含むことができる、ディスプレイデバイス1016、1または複数のスピーカ1018、ならびにキーボード、および/またはコントローラ1030も含むことができる。
【0091】
この概要は、本主題の非限定的な例を提供することが意図され、排他的または網羅的な説明の提供を意図してはいない。詳細な説明は、方法に関するさらなる情報を提供すべく含まれる。
【0092】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面の参照を含む。図面は、例示として、本発明が実施され得る具体的実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書で、「例」とも呼ばれる。そのような例は、示し、または説明した要素に加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、示し、または説明したそれらの要素のみが提供される例も検討する。さらに、本発明者らは、本明細書で示し、または説明した、特定の例(または、1または複数のそれらの態様)、または他の例(または、1または複数のそれらの態様)、のいずれかに関して、示し、または説明したそれらの要素の任意の組み合わせまたは置き換え(または、1または複数のそれらの態様)を用いた例も検討する。
【0093】
本明細書において、特許文献においては一般的であるように、「1つの」(「a」または「an」)という用語は、「少なくとも1つ」または「1または複数」の任意の他の例または使用から独立して、1つ、または1つより大きいものを含むべく用いられる。本明細書内において、「または」(「or」)という用語は非排他的なものを指すべく用いられ、別途示さない限り、「AまたはB」は、「AでありBでない」、「BでありAでない」および「AおよびB」を含むようにする。本明細書において、「含む(including)」および「ここで(in which)」という用語は、それぞれ「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」という用語の平易な英語による等価物として用いられる。またさらに、特許請求の範囲においては、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は制限のない場合がある。すなわち、請求項における、そのような用語の後に挙げられるものに加えて、複数の要素を含むシステム、デバイス、物品、構成物、配合物、またはプロセスもまた、その特許請求の範囲内に含まれると見なされる。さらに、特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」、等という用語は、単にラベルとして用いられるのであって、それらの対象に数的な要件を課すことは意図されない。
【0094】
上記の説明は、例示的であり制限的でないことが意図される。例えば、上述の例(または、それらの1または複数の態様)を、互いに組み合わせて用いてよい。他の実施形態は、例えば、上記の説明を検討するときに当業者によって用いられ得る。
【0095】
要約書は37C.F.R.1.72(b)に準拠して提供されて、読み手が技術的開示の特質を迅速に理解できるようになっている。要約書は、それを特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または限定するためには用いないという理解のもとに提出される。
【0096】
さらに、上記の詳細な説明においては、本開示を合理化すべく、様々な特徴がまとめられグループ化されていると考えられる。このことは、未請求の開示された特徴が、いずれの請求項にとっても不可欠であることを意図すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないところにあってよい。従って、以下の特許請求の範囲は、各々の請求項が別個の実施形態として独立して本明細書によって詳細な説明に組み込まれており、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは置き換えにおいて互いに組み合わされることが可能であると考えられる。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。