特許第6615320号(P6615320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615320
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20191125BHJP
【FI】
   G01N35/00 C
   G01N35/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-508434(P2018-508434)
(86)(22)【出願日】2017年1月23日
(86)【国際出願番号】JP2017002048
(87)【国際公開番号】WO2017168993
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年9月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-62975(P2016-62975)
(32)【優先日】2016年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】平間 芳輝
(72)【発明者】
【氏名】福垣 達也
【審査官】 長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/025616(WO,A1)
【文献】 特開平05−149957(JP,A)
【文献】 特開2001−352969(JP,A)
【文献】 特開2011−027663(JP,A)
【文献】 特開2008−096201(JP,A)
【文献】 特開2013−007688(JP,A)
【文献】 特表2013−508237(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01225450(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留した容器を温調して保管する保管庫と、
前記保管庫の一部に設けられた開口部と、
前記開口部を介して前記保管庫内外へ移動することで、前記保管庫へ容器を出し入れするためのローダ機構と、を備え、
前記ローダ機構は、重力方向下側から上側へ動くことで前記保管庫の内から外へと移動し、重力方向上側から下側へ動くことで前記保管庫の外から内へと移動し、
前記ローダ機構は、前記保管庫内における、移動範囲の下端に位置する状態で前記開口部を閉鎖する第一の閉鎖部材と、前記保管庫外における、移動範囲の上端に位置する状態で前記開口部を閉鎖する第二の閉鎖部材を有し、
前記第一の閉鎖部材の下面であって前記保管庫の上面に当接する部分に設けられる第一の弾性体と、
前記保管庫の蓋の下面であって前記第二の閉鎖部材の上面に当接する部分に設けられる第二の弾性体を備える、自動分析装置。
【請求項2】
前記ローダ機構が移動範囲の上端に位置するときに、前記容器は前記ローダ機構のスロットに投入され、
前記ローダ機構が移動範囲の下端に位置するときに、前記容器は前記ローダ機構の前記スロットから前記保管庫内の空きスロットに移動させられる、請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記ローダ機構が移動範囲の上端に位置するときに、前記保管庫の蓋の上面と前記第二の閉鎖部材の上面が滑らかに接続される、請求項1又は2記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記ローダ機構が移動範囲の上端に位置するときに、前記保管庫の蓋の上面と前記第二の閉鎖部材の上面が滑らかに接続されるように、前記保管庫の蓋の下面であって前記第二の閉鎖部材の上面に当接する部分の厚さと、前記第二の閉鎖部材の上面であって前記保管庫の蓋の下面に当接する部分の厚さが他に比べて薄く形成される、請求項3記載の自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査における生化学分析や免疫分析等の化学分析に用いる自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査における生化学分析装置や免疫分析装置等の化学分析に用いる自動分析装置は、分析項目に応じて複数種類の試薬(試薬容器)を保管し、保管した試薬容器を冷却する試薬庫を備え、試薬庫内で冷却された試薬を分析するものが知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、試薬庫内で試薬容器の蓋を開閉することが可能な試薬蓋開閉機構を備えた自動分析装置が記載されている。この装置においては、オペレータは試薬容器の開口部が密閉された状態で試薬庫内に試薬を投入する。試薬を使用するタイミングで試薬容器の蓋が自動で開放され、開口部から試薬を吸引することが可能となる。試薬を使用した後は、再び開口部を密閉することできるので、試薬の劣化や液もれの可能性を低減することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−194071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の試薬庫は、試薬庫内に試薬容器を搬出する際に熱の流入出が発生する。試薬の温度変化による劣化を防止するため、試薬庫に試薬容器を搬入出する際にもできるだけ試薬庫を密閉し、空気の出入りを防ぐ必要がある。
【0006】
本発明は、上記のような試薬容器保管装置において、試薬容器保管装置内の温度変化を低減することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本願発明の構成は以下の通りである。
【0008】
すなわち、液体を貯留した容器を温調して保管する保管庫と、前記保管庫の一部に設けられた開口部と、前記開口部を介して前記容器を移動させることで、前記保管庫内外へ当該容器を出し入れするためのローダ機構と、を備えた自動分析装置において、前記ローダ機構と前記保管庫は弾性体を介して閉鎖されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、試薬庫内に試薬容器を搬入出する際にも、外部および内部からの熱の流入出を低減することが可能となる為、試薬容器内の試薬の保管温度のばらつきを小さくすることが可能となる。その結果、試薬の長期保存を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の免疫自動分析装置の全体の上面図である。
図2】本発明の試薬ローダ機構を示す斜視図である。
図3】試薬容器の正面図および斜視図である。
図4】試薬ローダ機構および試薬保管庫の断面を示す図である。
図5-1】試薬ローダ機構の各位置を示す図である。
図5-2】試薬ローダ機構の各位置を示す図である。
図6】試薬ローダ機構、試薬保管庫の密閉部材の位置を示す図である。
図7】待機位置にある試薬ローダ機構の状態を示す図である。
図8】待機位置にある試薬ローダ機構へ試薬容器を投入する状態を示す図である。
図9】待機位置にある試薬ローダ機構へ試薬容器を投入した状態を示す図である。
図10】待機位置にある試薬ローダ機構へ試薬容器を投入した状態を示す図である。
図11】収納位置にある試薬ローダ機構の状態を示す図である。
図12】試薬ローダ機構が収納位置にある状態を示す図である。
図13】収納位置から試薬保冷庫に試薬容器を移動させる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における一実施例を、図を用いて説明する。
【0012】
本発明における試薬容器制御機構100を備えた装置の一例として、免疫自動分析装置の全体構成および検出までの流れを説明する。
【0013】
図1は本発明の一例である免疫自動分析装置の上面図を示す。
【0014】
免疫自動分析装置の主な構成は、試薬容器101を自動的に内部に搬入・搬出する試薬ローダ機構102を備えた試薬保管庫103、試薬保管庫103内の試薬(特に磁性粒子を含む試薬)を攪拌する磁性粒子撹拌装置105、分析に必要な消耗品(例えば反応容器や検体分注チップなど)を複数保持するマガジン127、マガジン127上の消耗品を適切な位置に搬送する反応容器/検体分注チップ搬送装置128、検体分注チップを装着した状態で、搬送ライン上の検体133から所定量を反応容器に分注する検体分注装置129、検体を収容した反応容器を所定の温度で保持する反応槽108、試薬保管庫103内の試薬を所定量吸引して反応容器内に吐出する試薬分注装置106、反応容器中の検体と試薬を混合するために攪拌する反応液撹拌装置121、反応容器中の測定対象成分以外の成分を除去する反応液洗浄装置122、反応液中の測定対象成分を定量測定するための検出部123となる。
【0015】
試薬保管庫103は上方に開口部を有するハウジングの中に、試薬容器を保持する複数のスロットを有する試薬ディスクを収容している。試薬ディスクは複数の試薬容器のうち、任意の試薬容器を回転して移動させ、所望位置へ位置付けることが可能である。ハウジングの開口部は蓋(図示しない)により密閉されている。蓋の一部には、それぞれ、試薬ローダ機構102、磁性粒子攪拌装置105の攪拌子、試薬分注装置106のプローブを通過させることができる複数の開口が設けられている。
【0016】
試薬容器移動装置125は試薬保管庫103内に収容されており、円周方向に回転することができると共に、試薬保管庫の直径方向に伸縮することが可能である。試薬ローダ機構102と試薬ディスク124のスロット、および、磁性粒子攪拌装置105による攪拌位置と試薬ディスク124のスロットの間で、試薬容器101を移動させることができる。
【0017】
試薬容器蓋開閉装置126も試薬保管庫103内に収容されている。磁性粒子攪拌装置105あるいは試薬分注装置106によって処理される前に、適切なタイミングで試薬容器101の蓋を開放して攪拌装置や分注装置が試薬容器内の試薬にアクセスできるようにし、処理が終了した後には試薬の使用後に閉じて試薬の劣化を防ぐことができる。構造については特に限定されず、試薬容器の蓋を自動的に開閉できる公知の構成を採用することが可能である。なお、試薬容器蓋開閉装置126が試薬容器蓋の密閉状態を開放することができる場合には、ハーフオープナを試薬投入部100に備えていなくても良い。
【0018】
分析開始前の準備として、最初に、分析に使用する試薬容器101を試薬保管庫103内の試薬ディスク124に設置するため、オペレータは、試薬容器101を試薬容器投入部100を介して試薬ローダ機構102に設置する。
【0019】
その後、指示ボタンを入力し試薬ローダ機構102を下降させて試薬保管庫103内へ移動させる。試薬ローダ機構102に載っている試薬容器101は、試薬容器移動装置125により試薬ディスク124の空きスロットへ移動させる。試薬ディスク124へ移動させた試薬容器101は、適切な準備処理が行われたのち分析処理に使用される。
【0020】
試薬保管庫103の外部には、磁性粒子撹拌装置105や試薬分注装置106などを備えており、撹拌分注位置104にて、試薬ディスク124に搭載された試薬容器101内へアクセスできる。
【0021】
試薬ディスク124は、水平方向に回転駆動可能であり、分析過程においては、搭載された試薬容器101を撹拌分注位置104まで移動させ、試薬容器蓋開閉装置126により当該試薬容器101の蓋部を開けて、磁性粒子撹拌装置105で試薬容器101内の磁性粒子の撹拌、試薬分注装置106にて試薬容器101に収容された試薬の分取、分注を行う。磁性粒子の撹拌および試薬の分取、分注の終了した試薬容器101の蓋部は、試薬容器蓋開閉装置126により閉められる。
【0022】
分析処理では、まず反応容器/検体分注チップ搬送装置128により、マガジン127に搭載されている新規の反応容器を反応槽108内に移送し、さらに新規の検体分注チップを検体分注装置129のプローブの先端に装着させる位置まで移送する。反応槽108は複数の反応容器を保持した状態で水平回転駆動することができ、反応槽108が試薬分注位置まで回転し、まず試薬容器101内の試薬が反応容器に分注される。試薬容器101内の試薬が分注されるまでの処理は、実施例1の中で記載しているため割愛する。同時に、検体分注チップを装着した検体分注装置129が検体ラック107に搭載された検体を吸引し、試薬が分注された反応容器を、反応槽108の回転により検体分注位置まで移動させ、検体分注装置129により反応容器内に検体が分注される。その後、試薬と検体を反応容器内で反応させるために、反応槽108上で一定時間保温される。
【0023】
その後、再び反応容器は試薬分注位置まで移動して、試薬分注装置106により試薬容器101内の磁性粒子が分注される。そして、反応槽108が回転した後、反応容器/検体分注チップ搬送装置128により反応槽108上の反応容器を反応液撹拌装置121へ移動させて、反応液撹拌装置121により磁性粒子および一定時間反応させた試薬および検体を撹拌する。撹拌終了した反応容器を再び反応容器/検体分注チップ搬送装置128により反応槽108へ戻し、さらに反応槽108上で一定時間反応させた後、反応容器内の反応液(試薬/検体/磁性粒子)を検出部123内へ導入し、検出を行う。ここで、分析項目によっては、検出処理の前に、反応液洗浄装置122にて、反応液に含まれる不純物を除去する目的で、反応液の洗浄処理を行うこともある。この一連の処理を、連続して実施することが可能である。
【0024】
図2は、本発明の自動分析装置の一実施形態の試薬ローダ機構102近傍の斜視図である。本来は装置上面から前面にかけて分析操作中のオペレータのアクセスを防止するためのカバーが設けられている。本発明に関連する機構部を見やすくするために全ての図に関して当該カバーの図示は省略している。また、ここでは、試料の分析に磁性粒子試薬を用いる自動分析装置を例に挙げて説明するが、試薬の種類等に特に限定はない。
【0025】
本発明を適用する自動分析装置における試薬保管庫103は保冷機能を有する。試薬保管庫103には、試薬容器101を複数組設置可能な試薬ローダ機構102と、試薬容器投入部100、試薬ローダカバー107が設けられている。オペレータは試薬容器を試薬容器投入部100の試薬投入ガイド130をスライドさせることで、適切な角度かつ適切な位置で試薬容器を試薬ローダ機構102へ搬入することができる。試薬ローダ機構102に対して試薬容器を出し入れしない場合には、試薬ローダカバー107を閉めることで、試薬ローダ機構102に異物が挟まることを防止可能となる。
【0026】
試薬容器投入部100は、試薬保管庫103の蓋の上かつ試薬ローダ機構102の前に設けられている。試薬容器投入部100は、試薬投入ガイド130およびハーフオープナ131を有する。試薬投入ガイド130は、試薬ローダ機構102のスロット132に試薬容器を投入する経路上であって、試薬ローダ機構102のスロットに隣接して配置されている。試薬容器を試薬ローダ機構102へ搬入する際に、試薬容器の底面および側面の一部に接触して、試薬容器が正しい角度及び正しい位置で試薬ローダ機構102へ搬入されるようにする。本実施例においては、試薬容器を設置する溝部(凹部)と、その溝部の両側に配置されたブロック(凸部)により形成されているが、この形態に限られない。また、ハーフオープナ131は、試薬投入ガイド130により試薬ローダ機構102に試薬を搬入する際に、試薬容器上部に設けられた試薬容器蓋と接触して、蓋の密閉状態を開放した半開状態にすることが可能である。
【0027】
試薬ローダ機構102は、試薬保管庫103内に搬入出するための試薬容器を保持する複数のスロット132を有している。試薬保管庫103内において、試薬容器移動装置125で試薬容器をスライドさせて出し入れするため、試薬ローダ機構102の各スロット132は円周上に配置された試薬ディスクのスロットと等角度で設けられている。また、試薬保管庫内と試薬保管庫の蓋の上の間で試薬容器を移動させることができるよう、試薬ローダ機構102を上下方向に移動させる図示しないモータを備える。さらに、試薬ローダ機構102の駆動をオペレータが指示する指示ボタンを有する。試薬ローダ機構102の上下動作は、自動分析装置を操作するための画面から実施できるようにしても良い。
【0028】
図3は、本発明に適用する試薬容器101の一例である。
【0029】
試薬容器101は、一つの分析に用いる複数の試薬を一組とした構成としており、例えば図3では3つの試薬収容部133を一組とした形状を有する。各試薬収容部の上部には開閉可能な蓋134が取り付けられた開口部を有しており、前述の試薬容器蓋開閉装置126によって開放・閉鎖することができる。蓋の取り付け方は特に限定されないが、図3においては、蓋の一端を回転軸とし、他端を持ち上げながら回転させることで開口部を開放・閉鎖することができる。試薬容器の側面には、内部に収容された試薬や、当該試薬を用いて実行される測定に関する情報が記憶された記憶媒体として、バーコードラベルやRFIDタグが張り付けられていることが望ましい。
【0030】
図4は、本発明における試薬ローダ機構102の断面図である。
【0031】
試薬ローダ機構は、上下に離間して配置された、閉鎖部材としての、試薬ローダ蓋135と試薬ローダ台136を有する。試薬ローダ蓋135および試薬ローダ台136は、試薬ローダ機構102が通過するために試薬保冷庫蓋に設けられた開口部137よりも十分に大きい面積を有する。そのため、試薬ローダ機構102が収納位置にある状態(試薬ローダ機構が最も下降した状態、つまり、試薬保管庫内に試薬容器を搬入出可能な状態)や待機位置にある状態(試薬ローダ機構が最も上昇した状態、つまり、試薬ローダ機構102に対してオペレータが試薬容器を搬入出できる状態)において、開口部137を完全に覆うことが可能である。
【0032】
さらに、試薬ローダ蓋135の下面には弾性体からなる密閉部材119が設けられており、試薬ローダ機構102が収容位置にある状態で、試薬保管庫蓋の上面と接触して試薬ローダ機構が通過する開口部を密閉することができる。また、試薬ローダ台136は試薬ローダ機構が通過する開口部よりも大きな平面を持っており、試薬ローダ機構102が待機位置にある状態で、上面が試薬保管庫蓋の下面に設けられた弾性体からなる密閉部材120と接触して、試薬ローダ機構が通過する開口部を密閉することができる。弾性体は例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、水素化ニトリルゴムなどが適用可能であり、耐候性や耐薬品性に優れたゴムやゴム発泡体が用いられる。
【0033】
図5−1および図5−2は、本発明における試薬ローダ機構のとりうる状態を示す図である。
【0034】
まず、試薬ローダ機構が待機位置にある状態を図5−1の(a)に示す。待機位置とは、試薬ローダ機構に対してオペレータが試薬容器を設置あるいは取出すことができる位置であり、具体的には試薬ローダ機構102が試薬保管庫蓋の上にある状態である。
【0035】
次に、オペレータからの指示または所定のトリガを検出することにより、試薬ローダは下降を開始し、図5−1の(b)に示す中間位置に位置付けられる。中間位置では必要に応じて試薬容器101に添付されているバーコードやRFIDタグ等の試薬識別子の情報の読取りを行っても良い。特に読む情報が無い場合には、中間位置では何もせずそのまま下降を継続する。
【0036】
次に、試薬ローダ機構102を更に下降させ、図5−2の(c)に示す収納位置に位置付けられる。収納位置とは、試薬容器101を搭載した試薬ローダ機構が下降して試薬保管庫内に収容されている状態であって、具体的には試薬ローダ機構102が試薬保管庫内に収納されている状態である。試薬容器移動機構は、この状態の試薬ローダ機構102上の試薬容器に対してアクセスし、試薬容器を移動させることができる。
【0037】
図6は、本発明における試薬ローダ機構の周辺の密閉部材の配置を示す図である。
【0038】
試薬オートローダ機構102の試薬ローダ蓋135の下面には、図中の点線で囲われた領域に密閉部材119を有する。密閉部材119は試薬ローダ蓋102に設けられた開口部137の外周を囲む形状を有する。本実施例では、開口部137が扇形形状をしているため、弾性体119は開口部137よりも一回り大きい扇形を有する。
【0039】
同様に、試薬保管庫蓋の下面に配置された密閉部材120は、試薬保管庫蓋に設けられた開口部の周囲を囲むように配置されている。このように、試薬ローダ蓋の周および、試薬保管庫蓋の開口部の周を囲む密閉部材119,120を備えることにより、試薬ローダ機構が上昇した状態および下降した状態で、開口部を密閉することができるので、試薬保管庫内から熱が逃げるあるいは外部から入り込むことを防ぎ、庫内の温度を一定にすることができる。なお、試薬待機位置に存在する時間を短くできる場合は、弾性体120は設けないような構成としても良い。
【0040】
図7乃至図10は、待機位置における試薬ローダ機構と試薬保管庫の配置関係を示す図である。
【0041】
試薬ローダ機構102が待機位置に位置する状態では、図8に示すように開口部137が試薬ローダ台により覆われる。さらに、試薬保管庫蓋138の下面に設けられた密閉部材120が試薬ローダ台136の上面に押しつけられることにより、試薬ローダ台と試薬保管庫蓋の隙間が密閉され、試薬保管庫103内の空気の出入りによる温度変動を防ぐ。
【0042】
この状態で、オペレータは試薬投入ガイド130上をスライドさせて、試薬容器101を試薬ローダ機構102のスロット132内に投入する。試薬容器101がスライド移動する経路には、密閉部材が存在しないため、試薬容器101の底面と密閉部材がこすれることで、密閉部材が摩耗し密閉性能が低下することがない。
【0043】
なお、試薬投入ガイド130と試薬ローダ台136は、試薬ローダ機構が待機位置にある状態で、滑らかに接続されていることが望ましい。本実施例では、試薬保管庫蓋138は開口部137の周囲であって、試薬ローダ台が当接する領域の厚みを薄く形成する。同様に、試薬ローダ台136の外周縁であって試薬保管庫蓋138に当接する領域の厚みは薄く形成されている。待機状態において、試薬保管庫蓋138と試薬ローダ台136の薄く形成された領域同士が重なることで、試薬容器101の底面が接触する、試薬投入ガイド130から試薬ローダ136の面が滑らかに接続され、試薬容器が引っ掛かることなくスムーズに移動できる。弾性体120は試薬保管庫蓋138の薄く形成された領域に設けられる。
【0044】
図11乃至図13は、収納位置における試薬ローダ機構と試薬保管庫の配置関係を示す図である。
【0045】
試薬ローダ機構102が収納位置に位置する状態では、図11に示すように、開口部137は試薬ローダ蓋135により覆われる。さらに、試薬ローダ蓋の下面に設けられた密閉部材119が試薬保管庫蓋138の上面と当接することにより、開口部137と試薬ローダ蓋135の隙間を塞ぎ、試薬保管庫内への空気の搬入出を防ぐ。
【0046】
この状態で、試薬容器移動機構125が試薬容器101にアクセスし、試薬ローダ機構102上のスロットから試薬ディスク124上の空きスロットにスライドして移動させる。試薬容器101がスライドして移動する経路上には密閉部材が存在しないため、試薬容器101の底面と密閉部材がこすれて摩耗し、密閉性能が低下することはない。
【0047】
本実施例では、試薬容器101を外部から試薬ローダ機構102に設置可能な待機位置および、試薬容器101を試薬ローダ機構102から試薬保管庫103へ設置可能な収納位置の両方において、試薬保管庫103に設けられた開口部が密閉された状態であるため、複数個の試薬容器を同時に搬入出可能な大型の試薬ローダ機構を備えながらも、試薬保管庫からの熱の流入出を防ぐことができる。
【0048】
また、密閉部材が試薬保管庫蓋の下面および試薬ローダ蓋の下面に設けられているため、長期間使用してもほこりが堆積し、密閉性能が低下することはない。
【0049】
なお、本実施例では円周上に試薬容器を配置するタイプの試薬保管庫を例として説明したが、本願発明はこの形態に限られるものではない。例えば複数の試薬容器を一列に配置して保管するタイプの試薬保管庫や、アレイ状に配置するタイプの試薬保管庫であっても良い。
【0050】
また、本実施例では免疫自動分析装置を例にとって説明したが、本願はこれに限られたものではなく、例えば生化学自動分析装置や凝固自動分析装置、散乱自動分析装置など、保冷された試薬を利用して分析を行う装置であれば、他のものであっても良い。
【0051】
また、試薬保管庫に限られず、液体を収容した容器が温調して収容される保管庫であれば、他のものであっても良い。例えば、試料容器を保管する恒温槽やインキュベータであっても良い。
【0052】
また、試薬ローダ機構は試薬保管庫に対して上下方向に駆動するものに限られず、水平方向に移動して試薬容器を搬入出するものであっても良い。
【符号の説明】
【0053】
100 試薬容器投入部
101 試薬容器
102 試薬ローダ機構
103 試薬保管庫
104 撹拌分注位置
105 磁性粒子撹拌装置
106 試薬分注装置
107 検体ラック
108 反応槽
119 密閉部材(試薬ローダ機構)
120 密閉部材(試薬保管庫)
121 反応液撹拌装置
122 反応液洗浄装置
123 検出部
124 試薬ディスク
125 試薬容器移動装置
126 試薬容器蓋開閉装置
127 マガジン
128 反応容器/検体分注チップ搬送装置
129 検体分注装置
130 試薬投入ガイド
131 ハーフオープナ
132 スロット
133 試薬収納部
134 試薬蓋
135 試薬ローダ蓋
136 試薬ローダ台
137 開口部
138 試薬保管庫蓋
139 ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13