(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可動部の径よりも大きい幅を有して該可動部と前記変形ステージとの間に設けられ、前記可動部の当接を受けて該可動部からの力を前記変形ステージに対して分散して付与する分散部材
を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の接合装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する接合装
置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
なお、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、鉛直上向きをZ軸の正方向とする直交座標系を示す場合がある。
【0014】
<1.接合システムの構成>
まず、本実施形態に係る接合システムの構成について、
図1〜
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図であり、
図2は、同模式側面図である。また、
図3は、上ウェハおよび下ウェハの模式側面図である。
【0015】
図1に示す本実施形態に係る接合システム1は、第1基板W1と第2基板W2とを接合することによって重合ウェハTを形成する(
図3参照)。
【0016】
第1基板W1は、たとえばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板に複数の電子回路が形成された基板である。また、第2基板W2は、たとえば電子回路が形成されていないベアウェハである。第1基板W1と第2基板W2とは、略同径を有する。なお、第2基板W2に電子回路が形成されていてもよい。
【0017】
以下では、第1基板W1を「上ウェハW1」と記載し、第2基板W2を「下ウェハW2」と記載する。
【0018】
また、以下では、
図3に示すように、上ウェハW1の板面のうち、下ウェハW2と接合される側の板面を「接合面W1j」と記載し、接合面W1jとは反対側の板面を「非接合面W1n」と記載する。また、下ウェハW2の板面のうち、上ウェハW1と接合される側の板面を「接合面W2j」と記載し、接合面W2jとは反対側の板面を「非接合面W2n」と記載する。
【0019】
また、
図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2および処理ステーション3は、X軸正方向に沿って、搬入出ステーション2および処理ステーション3の順番で並べて配置される。また、搬入出ステーション2および処理ステーション3は、一体的に接続される。
【0020】
搬入出ステーション2は、載置台10と、搬送領域20とを備える。載置台10は、複数の載置板11を備える。各載置板11には、複数枚(たとえば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットC1,C2,C3がそれぞれ載置される。たとえば、カセットC1は上ウェハW1を収容するカセットであり、カセットC2は下ウェハW2を収容するカセットであり、カセットC3は重合ウェハTを収容するカセットである。
【0021】
搬送領域20は、載置台10のX軸正方向側に隣接して配置される。かかる搬送領域20には、Y軸方向に延在する搬送路21と、この搬送路21に沿って移動可能な搬送装置22とが設けられる。搬送装置22は、Y軸方向だけでなく、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能であり、載置板11に載置されたカセットC1〜C3と、後述する処理ステーション3の第3処理ブロックG3との間で、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬送を行う。
【0022】
なお、載置板11に載置されるカセットC1〜C3の個数は、図示のものに限定されない。また、載置板11には、カセットC1,C2,C3以外に、不具合が生じた基板を回収するためのカセット等が載置されてもよい。
【0023】
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数の処理ブロック、たとえば3つの処理ブロックG1,G2,G3が設けられる。たとえば処理ステーション3の正面側(
図1のY軸負方向側)には、第1処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(
図1のY軸正方向側)には、第2処理ブロックG2が設けられる。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(
図1のX軸負方向側)には、第3処理ブロックG3が設けられる。
【0024】
第1処理ブロックG1には、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを改質する表面改質装置30が配置される。表面改質装置30は、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jにおけるSiO2の結合を切断して単結合のSiOとすることで、その後親水化されやすくするように当該接合面W1j,W2jを改質する。
【0025】
なお、表面改質装置30では、たとえば減圧雰囲気下において処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。そして、かかる酸素イオンが、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jに照射されることにより、接合面W1j,W2jがプラズマ処理されて改質される。
【0026】
第2処理ブロックG2には、表面親水化装置40と、接合装置41とが配置される。表面親水化装置40は、たとえば純水によって上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを親水化するとともに、接合面W1j,W2jを洗浄する。表面親水化装置40では、たとえばスピンチャックに保持された上ウェハW1または下ウェハW2を回転させながら、当該上ウェハW1または下ウェハW2上に純水を供給する。これにより、上ウェハW1または下ウェハW2上に供給された純水が上ウェハW1または下ウェハW2の接合面W1j,W2j上を拡散し、接合面W1j,W2jが親水化される。接合装置41は、上ウェハW1および下ウェハW2を接合する。接合装置41の構成については、後述する。
【0027】
第3処理ブロックG3には、
図2に示すように、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのトランジション(TRS)装置50,51が下から順に2段に設けられる。
【0028】
また、
図1に示すように、第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3に囲まれた領域には、搬送領域60が形成される。搬送領域60には、搬送装置61が配置される。搬送装置61は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。かかる搬送装置61は、搬送領域60内を移動し、搬送領域60に隣接する第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3内の所定の装置に上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
【0029】
また、
図1に示すように、接合システム1は、制御装置70を備える。制御装置70は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置70は、たとえばコンピュータであり、図示しない制御部および記憶部を備える。記憶部には、接合処理等の各種処理を制御するプログラムが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって接合システム1の動作を制御する。
【0030】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置70の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0031】
<2.接合装置の構成>
次に、接合装置41の構成について
図4〜
図11を参照して説明する。
図4は、接合装置41の構成を示す模式平面図であり、
図5は、同模式側面図である。また、
図6は、位置調節機構210の構成を示す模式側面図である。また、
図7は、反転機構220の構成を示す模式平面図であり、
図8および
図9は、同模式側面図(その1)および(その2)である。また、
図10は、保持アーム221および保持部材222の構成を示す模式側面図であり、
図11は、接合装置41の内部構成を示す模式側面図である。
【0032】
図4に示すように、接合装置41は、内部を密閉可能な処理容器190を有する。処理容器190の搬送領域60側の側面には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口191が形成され、当該搬入出口191には開閉シャッタ192が設けられる。
【0033】
処理容器190の内部は、内壁193によって搬送領域T1と処理領域T2に区画される。上述した搬入出口191は、搬送領域T1における処理容器190の側面に形成される。また、内壁193にも、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口194が形成される。
【0034】
搬送領域T1のY軸負方向側には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを一時的に載置するためのトランジション200が設けられる。トランジション200は、たとえば2段に形成され、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのいずれか2つを同時に載置することができる。
【0035】
搬送領域T1には、搬送機構201が設けられる。搬送機構201は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。そして、搬送機構201は、搬送領域T1内、または搬送領域T1と処理領域T2との間で上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
【0036】
搬送領域T1のY軸正方向側には、上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する位置調節機構210が設けられる。位置調節機構210は、
図6に示すように基台211と、上ウェハW1および下ウェハW2を吸着保持して回転させる保持部212と、上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出する検出部213とを有する。
【0037】
かかる位置調節機構210では、保持部212に吸着保持された上ウェハW1および下ウェハW2を回転させながら検出部213で上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する。
【0038】
また、搬送領域T1には、上ウェハW1の表裏面を反転させる反転機構220が設けられる。反転機構220は、
図7〜
図10に示すように上ウェハW1を保持する保持アーム221を有する。
【0039】
保持アーム221は、水平方向に延在する。また保持アーム221には、上ウェハW1を保持する保持部材222がたとえば4箇所に設けられる。保持部材222は、
図10に示すように保持アーム221に対して水平方向に移動可能に構成されている。また保持部材222の側面には、上ウェハW1の外周部を保持するための切り欠き223が形成される。これら保持部材222は、上ウェハW1を挟み込んで保持することができる。
【0040】
保持アーム221は、
図7〜
図9に示すように、たとえばモータなどを備えた第1駆動部224に支持される。保持アーム221は、この第1駆動部224によって、水平軸周りに回動自在である。また保持アーム221は、第1駆動部224を中心に回動自在であると共に、水平方向に移動自在である。
【0041】
第1駆動部224の下方には、たとえばモータなどを備えた第2駆動部225が設けられる。第1駆動部224は、この第2駆動部225によって、鉛直方向に延在する支持柱226に沿って鉛直方向に移動可能である。
【0042】
このように、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1駆動部224と第2駆動部225によって、水平軸周りに回動することができるとともに鉛直方向および水平方向に移動することができる。また、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1駆動部224を中心に回動して、位置調節機構210から後述する上チャック230との間を移動することができる。
【0043】
また、
図5に示すように、処理領域T2には、上チャック230と下チャック231とが設けられる。上チャック230は、上ウェハW1を上方から吸着保持する。また、下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、下ウェハW2を下方から吸着保持する。
【0044】
また、上チャック230および下チャック231は、破線で示すように、それぞれ上ウェハW1および下ウェハW2を吸着保持した状態で、保持面を凸変形させることができる。すなわち、上ウェハW1および下ウェハW2も保持面上で、保持面の凸変形に応じて変形することとなる。以下、かかる保持面を「変形ステージ」と記載する。変形ステージの具体的な構成については、
図12A以降を参照して後述する。
【0045】
上チャック230は、
図5に示すように、処理容器190の天井面に設けられた支持部材280に支持される。支持部材280には、下チャック231に保持された下ウェハW2の接合面W2jを撮像する上部撮像部281(
図11参照)が設けられる。上部撮像部281は、上チャック230に隣接して設けられる。
【0046】
また、
図4、
図5および
図11に示すように、下チャック231は、当該下チャック231の下方に設けられた第1下チャック移動部290に支持される。第1下チャック移動部290は、後述するように下チャック231を水平方向(Y軸方向)に移動させる。また、第1下チャック移動部290は、下チャック231を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成される。
【0047】
第1下チャック移動部290には、上チャック230に保持された上ウェハW1の接合面W1jを撮像する下部撮像部291が設けられている。下部撮像部291は、下チャック231に隣接して設けられる。
【0048】
また、
図4、
図5および
図11に示すように、第1下チャック移動部290は、当該第1下チャック移動部290の下面側に設けられ、水平方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール295に取り付けられる。第1下チャック移動部290は、レール295に沿って移動自在に構成される。
【0049】
一対のレール295は、第2下チャック移動部296に設けられる。第2下チャック移動部296は、当該第2下チャック移動部296の下面側に設けられ、水平方向(X軸方向)に延伸する一対のレール297に取り付けられる。そして、第2下チャック移動部296は、レール297に沿って移動自在に、すなわち下チャック231を水平方向(X軸方向)に移動させるように構成される。なお、一対のレール297は、処理容器190の底面に設けられた載置台298上に設けられる。
【0050】
次に、上チャック230と下チャック231の構成について
図12A〜
図12Dを参照して説明する。なお、既に述べたように、本実施形態では、上チャック230および下チャック231はともに、凸変形が可能な保持面である変形ステージを有する。かかる凸変形においては、上チャック230および下チャック231は互いに同じ挙動を示すことが好ましいため、本実施形態では、上チャック230および下チャック231を、配置される向きが天地逆である点を除いて同様の構成としている。
【0051】
このため、
図12A〜
図12Dでは、主に下チャック231側の各構成要素を例示した。ただし、
図12A〜
図12Dには、対応する上チャック230側の各構成要素の符号も括弧付きで示している。
【0052】
図12Aは、下チャック231の構成を示す斜視図である。また、
図12Bは、下チャック231の変形説明図である。また、
図12Cは、上チャック230および下チャック231の構成を示す模式断面図である。
図12Dは、下チャック231を上方から視た場合の模式平面図である。
【0053】
図12Aおよび
図12Bに示すように、下チャック231は、変形ステージ231aと、固定リング231bと、ベース部231cとを備える。変形ステージ231aは、平面視において略円状を有するように、かつ、変形していない非変形状態においては下ウェハW2を保持する表面側が平板状となるように形成される。
【0054】
変形ステージ231aの周縁部は、略環状に形成された固定リング231bによって、ベース部231cに対し固定される。ベース部231cは、上述の第1下チャック移動部290(
図4等参照)に対し固定される。
【0055】
また、変形ステージ231aは、凸変形が可能に設けられている(
図12Bの矢印1201参照)。なお、ここに言う「凸変形」とは、変形ステージ231aの中央部が周縁部よりも高い位置へ変位するように変形することを指し、
図12Bに示すように、変形ステージ231aの周縁部から中央部にかけて膨らんで、変形ステージ231aが略球面状の一部となる場合を含むものとする。
【0056】
なお、変形ステージ231aを凸変形させる構造については限定されるものではなく、たとえばエア圧を利用するものであってもよいし、ピエゾアクチュエータ等を利用するものであってもよい。ここでは、変形ステージ231aは、制御装置70による制御に基づいて凸変形するまでに説明を留め、より具体的な構造については、
図15A〜
図16Bを用いて後述する。
【0057】
また、
図12Cに示すように、下チャック231の変形ステージ231aは、複数、たとえば3つの領域231aa,231ab,231acに区画される。これら領域231aa,231ab,231acは、
図12Dに示すように、下チャック231の中央部から周縁部(外周部)に向けてこの順で設けられる。領域231aaは平面視において円形状を有し、領域231ab,231acは平面視において環状形状を有する。
【0058】
各領域231aa,231ab,231acには、
図12Cに示すように下ウェハW2を吸着保持するための吸引管260a,260b,260cがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管260a,260b,260cには、異なる真空ポンプ261a,261b,261cがそれぞれ接続される。このように、下チャック231は、各領域231aa,231ab,231acごとに上ウェハW1の真空引きを設定可能に構成されている。
【0059】
なお、
図12Dには、領域231aaに吸引管260aの吸引口が、領域231abに吸引管260bの吸引口が、領域231acに吸引管260cの吸引口が、それぞれ2個ずつ1直線に並べて配置されている例を示しているが、各吸引口の個数や配置位置等を限定するものではない。
【0060】
また、上チャック230側の領域230aa,230ab,230ac、吸引管240a,240b,240c、真空ポンプ241a,241b,241cはそれぞれ、下チャック231側の領域231aa,231ab,231ac、吸引管260a,260b,260c、真空ポンプ261a,261b,261cに対応する。
【0061】
<3.接合システムの表面改質装置、表面親水化装置、接合装置の具体的動作>
次に、以上のように構成された表面改質装置30、表面親水化装置40、接合装置41の具体的な動作について、
図13〜
図14Iを参照して説明する。
【0062】
図13は、接合システム1が実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。また、
図14A〜
図14Iは、接合装置41の動作説明図(その1)〜(その9)である。なお、
図13に示す各種の処理は、制御装置70による制御に基づいて実行される。
【0063】
まず、複数枚の上ウェハW1を収容したカセットC1、複数枚の下ウェハW2を収容したカセットC2、および空のカセットC3が、搬入出ステーション2の所定の載置板11に載置される。その後、搬送装置22によりカセットC1内の上ウェハW1が取り出され、処理ステーション3の第3処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
【0064】
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。表面改質装置30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオンが上ウェハW1の接合面W1jに照射されて、当該接合面W1jがプラズマ処理される。これにより、上ウェハW1の接合面W1jが改質される(ステップS101)。
【0065】
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハW1を回転させながら、当該上ウェハW1上に純水を供給する。そうすると、供給された純水は上ウェハW1の接合面W1j上を拡散し、表面改質装置30において改質された上ウェハW1の接合面W1jに水酸基(シラノール基)が付着して当該接合面W1jが親水化される。また、当該純水によって、上ウェハW1の接合面W1jが洗浄される(ステップS102)。
【0066】
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハW1は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、上ウェハW1の水平方向の向きが調節される(ステップS103)。
【0067】
その後、位置調節機構210から反転機構220の保持アーム221に上ウェハW1が受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム221を反転させることにより、上ウェハW1の表裏面が反転される(ステップS104)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jが下方に向けられる。
【0068】
その後、反転機構220の保持アーム221が、第1駆動部224を中心に回動して上チャック230の下方に移動する。そして、反転機構220から上チャック230に上ウェハW1が受け渡される。上ウェハW1は、上チャック230にその非接合面W1nが吸着保持される(ステップS105)。
【0069】
このとき、すべての真空ポンプ241a,241b,241cを作動させ、上チャック230のすべての領域230aa,230ab,230acにおいて、上ウェハW1を真空引きしている。上ウェハW1は、後述する下ウェハW2が接合装置41に搬送されるまで上チャック230で待機する。
【0070】
上ウェハW1に上述したステップS101〜S105の処理が行われている間、下ウェハW2の処理が行われる。まず、搬送装置22によりカセットC2内の下ウェハW2が取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
【0071】
次に、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが改質される(ステップS106)。なお、ステップS106における下ウェハW2の接合面W2jの改質は、上述したステップS101と同様である。
【0072】
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが親水化されるとともに当該接合面W2jが洗浄される(ステップS107)。なお、ステップS107における下ウェハW2の接合面W2jの親水化および洗浄は、上述したステップS102と同様である。
【0073】
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハW2は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、下ウェハW2の水平方向の向きが調節される(ステップS108)。
【0074】
その後、下ウェハW2は、搬送機構201によって下チャック231に搬送され、下チャック231に吸着保持される(ステップS109)。このとき、すべての真空ポンプ261a,261b,261cを作動させ、下チャック231のすべての領域231aa,231ab,231acにおいて、下ウェハW2を真空引きしている。そして、下ウェハW2の接合面W2jが上方を向くように、当該下ウェハW2の非接合面W2nが下チャック231に吸着保持される。
【0075】
次に、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS110)。
【0076】
なお、位置調節に先立っては、
図14Aに示すように、上ウェハW1の接合面W1jには予め定められた複数、たとえば3点の基準点A1〜A3が設定され、同様に下ウェハW2の接合面W2jには予め定められた複数、たとえば3点の基準点B1〜B3が設定される。これら基準点A1〜A3,B1〜B3としては、たとえば上ウェハW1および下ウェハW2上に形成された所定のパターンがそれぞれ用いられる。なお、基準点の数は任意に設定可能である。
【0077】
まず、
図14Aに示すように、上部撮像部281および下部撮像部291の水平方向位置の調節を行う。具体的には、下部撮像部291が上部撮像部281の略下方に位置するように、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させる。そして、上部撮像部281と下部撮像部291とで共通のターゲットXを確認し、上部撮像部281と下部撮像部291の水平方向位置が一致するように、下部撮像部291の水平方向位置が微調節される。
【0078】
次に、
図14Bに示すように、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上向きに移動させた後、上チャック230と下チャック231の水平方向位置の調節を行う。
【0079】
具体的には、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させながら、上部撮像部281を用いて下ウェハW2の接合面W2jの基準点B1〜B3を順次撮像する。同時に、下チャック231を水平方向に移動させながら、下部撮像部291を用いて上ウェハW1の接合面W1jの基準点A1〜A3を順次撮像する。なお、
図14Bは上部撮像部281によって下ウェハW2の基準点B1を撮像するとともに、下部撮像部291によって上ウェハW1の基準点A1を撮像する様子を示している。
【0080】
撮像された画像データは、制御装置70に出力される。制御装置70では、上部撮像部281で撮像された画像データと下部撮像部291で撮像された画像データとに基づいて、上ウェハW1の基準点A1〜A3と下ウェハW2の基準点B1〜B3とがそれぞれ合致するように、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231の水平方向位置を調節させる。こうして上チャック230と下チャック231の水平方向位置が調節され、上ウェハW1と下ウェハW2の水平方向位置が調節される。
【0081】
図14Cは、上述したステップS110までの処理が終わった後の上チャック230、上ウェハW1、下チャック231および下ウェハW2の様子を示している。
図14Cに示すように、上ウェハW1は、上チャック230のすべての領域230aa,230ab,230acにおいて真空引きされて保持され、下ウェハW2も下チャック231のすべての領域231aa,231ab,231acにおいて真空引きされて保持されている。
【0082】
次に、
図14Dに示すように、上ウェハW1および下ウェハW2がともに真空引きされて保持された状態で、上チャック230および下チャック231それぞれの変形ステージ230a,231aを凸変形させる(図中の矢印1401参照,ステップS111)。これにより、上ウェハW1および下ウェハW2は互いに反り、中心部Cが最も近づき、周縁部Eが最も離れた状態で対向することとなる。
【0083】
次に、
図14Eに示すように、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上向きに移動させて、上チャック230と下チャック231の鉛直方向位置の調節を行い、当該上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との鉛直方向位置の調節を行う(ステップS112)。なお、かかる調節は以降、上ウェハW1と下ウェハW2を接合させる過程で適宜行われる。
【0084】
次に、上ウェハW1と下ウェハW2の接合処理が行われる。具体的には、
図14Fに示すように、互いに変形ステージ230a,231aを凸変形させて反らせた上ウェハW1と下ウェハW2を接近させるべく第1下チャック移動部290により下チャック231を鉛直上向きに移動させる(図中の矢印1402参照)。そして、上ウェハW1と下ウェハW2の中心部C同士を接触させる(ステップS113)。
【0085】
そして、上ウェハW1と下ウェハW2の中心部C同士が接触したならば、
図14Gに示すように、変形ステージ230a,231aの凸形状が徐々に平板状へ戻るように、変形ステージ230a,231aの凸変形を徐々に解除する(図中の矢印1403参照,ステップS114)。また、このとき、上ウェハW1と下ウェハW2の接触部分が中心部Cから周縁部Eの方へ徐々に拡がるように、第1下チャック移動部290により下チャック231を鉛直上向きに移動させる(図中の矢印1404参照,ステップS114)。
【0086】
これにより、上ウェハW1と下ウェハW2とが徐々に接合されてゆく。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS101,S106において改質されているため、まず、接合面W1j,W2j間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該接合面W1j,W2j同士が接合される。
【0087】
さらに、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS102,S107において親水化されているため、接合面W1j,W2j間の親水基が水素結合し、接合面W1j,W2j同士が強固に接合される。かかる接合面W1j,W2j間のファンデルワールス力と水素結合による接合は、下チャック231が上チャック230へ接近するに連れて、中心部Cから周縁部Eに向けて順次拡がることとなる。
【0088】
なお、ステップS114における変形ステージ230a,231aの凸変形の解除、および、下チャック231の鉛直上向きへの移動は、一定速で行われるだけでなく、たとえば下チャック231が上チャック230へ近づき、上ウェハW1と下ウェハW2の接触部分が拡がるに連れて、低速となるように行われてもよい。これにより、接合後の上ウェハW1と下ウェハW2の周縁部E付近に気泡が生じるのを抑制することができる。
【0089】
そして、
図14Hに示すように、変形ステージ230a,231aが平板状へ戻るとともに、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jが全面で当接し、上ウェハW1と下ウェハW2が接合される(ステップS115)。そして、上チャック230側の真空ポンプ241a,241b,241cの作動を停止して、吸引管240a,240b,240cからの上ウェハW1の真空引きを停止する。
【0090】
その後、
図14Iに示すように、第1下チャック移動部290により下チャック231を鉛直下向きに移動させる(図中の矢印1405参照)。そして、下チャック231側の真空ポンプ261a,261b,261cの作動を停止して、吸引管260a,260b,260cからの下ウェハW2の真空引きを停止し、下チャック231による下ウェハW2の吸着保持を解除する。これにより、接合装置41での接合処理が終了する。
【0091】
<4.上チャックおよび下チャックの変形構造の具体例>
次に、上チャック230および下チャック231の変形構造の具体例について、
図15A〜
図16Bを参照して説明する。なお、
図15A〜
図16Bにおいても、主に下チャック231側を例示するが、上チャック230側についても配置される向きが天地逆であるのみで同様の構成であるものとする。
【0092】
まず、一例として、変形構造がエア圧を利用したものである場合について、
図15A〜
図15Dを参照して説明する。
図15Aは、変形ステージ231aの変形構造を示す模式断面図である。また、
図15Bは、変形ステージ231aの変形構造を示す模式平面図である。また、
図15Cおよび
図15Dは、変形ステージ231aのZ方向の変位(Z変位)およびX方向の変位(X変位)の説明図(その1)および(その2)である。
【0093】
図15Aおよび
図15Bに示すように、エア圧を利用する場合、ベース部231cには、ベース部231cの上面に供給口を開口させて、エア供給管270aが設けられる。エア供給管270aは、真空ポンプ270bに接続されて、真空ポンプ270bの作動により、ベース部231cの上面および変形ステージ231aの裏面に囲まれた内部空間へエアを給排する(
図15Aの矢印1501参照)。
【0094】
変形ステージ231aは、かかるエア供給管270aからのエアの給排による内圧の変化に応じて変形する。すなわち、変形ステージ231aは、エア供給管270aからエアが供給されて前述の内部空間の内圧が上がることにより凸変形し、エア供給管270aからエアが排出されて内部空間の内圧が下がることにより表面が平板状に戻る(
図15Aの矢印1502参照)。なお、
図15Aおよび
図15Bでは、エア供給管270aを1つとしているが、複数個設けられていてもよい。
【0095】
また、変形ステージ231aの素材としては、アルミ材や炭化ケイ素(SIC)、ジルコニア(ZrO2)等、種々の素材を用いることができる。
【0096】
また、
図15Aに示すように、変形ステージ231aは、裏面側が略球面状となるように、すなわち、裏面側の断面視での輪郭が中心部CTから周縁部ETへかけて弧を描き、肉厚Thが徐々に小さくなる形状に形成される。
【0097】
これは、
図15Cに示すように、鉛直方向をZ方向および変形ステージ231aの径方向をX方向として、変形ステージ231aを凸変形させたときのZ変位およびX変位をみた場合、変形ステージ231aの裏面側を
図15Aに示した肉厚Thが徐々に小さくなる形状とすることで、
図15Dに示すようにX変位を線形に近くすることができるからである。
【0098】
これにより、変形ステージ231aを円周方向(径方向の集まり)において均一に変位させることが可能となる。すなわち、変形ステージ231aの全面を円周方向において偏りなく凸変形させることができ、接合精度を向上させるのに資することができる。
【0099】
また、
図15Aおよび
図15Bに示すように、変形ステージ231aは、その裏面側に中心部CTを中心に同心円状に配置される環状突起231ad,231aeを有する。なお、ここでは2つであるが、その数を限定するものではない。
【0100】
環状突起231ad,231aeは、たとえば領域231aa,231abの境界に対応して環状突起231adが、領域231ab,231acの境界に対応して環状突起231aeが、それぞれ設けられ、変形ステージ231aの裏面側を領域231aa,231ab,231acに対応させて区切っている。
【0101】
これにより、変形させる変形ステージ231aが凸変形してゆく過程で、
図15Bに示すように、真空ポンプ270bからエア供給管270aを介して供給されたエアを、環状突起231ae,231adを越えて径方向沿いに中心部CTの方へ供給しつつ、各領域231ac,231ab,231aaごとに周方向に沿っても行き渡らせやすくすることができる(図中の変形ステージ231a上の各矢印参照)。
【0102】
すなわち、変形ステージ231aの裏面側に均一にエアを供給することができ、変形ステージ231aを偏りなく凸変形させるのに資することができる。
【0103】
次に、その他の例として、変形構造がピエゾアクチュエータを利用したものである場合について、
図16Aおよび
図16Bを参照して説明する。
【0104】
図16Aは、変形ステージ231aのその他の変形構造を示す模式断面図である。また、
図16Bは、変形ステージ231aのその他の変形構造を示す模式平面図である。なお、
図16Aおよび
図16Bでは、下チャックに符号「231A」を付している。
【0105】
図16Aおよび
図16Bに示すように、ピエゾアクチュエータを利用する場合、ベース部231cの内部には、複数、たとえば1個のピエゾアクチュエータPZ−Cと4個のピエゾアクチュエータPZ−Eとが設けられる。
【0106】
ピエゾアクチュエータPZ−C,PZ−Eはそれぞれ、可動部であるトップピースTPが鉛直上向きとなるように配置され、たとえばピエゾアクチュエータPZ−Cは変形ステージ231aの中心部CTに対応する位置に、ピエゾアクチュエータPZ−Eは変形ステージ231aの周縁部ET付近の同一円上の等間隔位置に、それぞれ配置される。すなわち、ピエゾアクチュエータPZ−C,PZ−Eは、それぞれの配置位置により全体で対称性を有するように配置されることが好ましい。これにより、変形ステージ231aに対し、均一に力を付与するのに資することができる。
【0107】
また、ピエゾアクチュエータPZ−Cの上方には、平面視でトップピースTPより径の大きい略円状に形成されたセンタ部材231caが配置される。また、ピエゾアクチュエータPZ−Eの上方には、平面視でトップピースTPの径より大きな幅で延在する略環状に形成されたリング部材231cbが配置される。
【0108】
ピエゾアクチュエータPZ_C,PZ_Eは、内部に積層されたピエゾ素子を有しており、それぞれに接続された図示略の電圧発生器からの電圧の変化に応じて各トップピースTPを昇降させる。変形ステージ231aは、かかる各トップピースTPの動きに応じて変形する。
【0109】
具体的には、ピエゾアクチュエータPZ_Cは、そのトップピースTPに当接したセンタ部材231caをトップピースTPにより昇降させる(
図16A中の矢印1601参照)。また、ピエゾアクチュエータPZ_Eは、その各トップピースTPに当接したリング部材231cbをトップピースTPにより昇降させる(
図16A中の矢印1602参照)。
【0110】
そして、かかるセンタ部材231caおよびリング部材231cbの動きに応じて、変形ステージ231aが、凸変形したり、表面が平板状に戻ったりすることとなる(
図16A中の矢印1603参照)。なお、センタ部材231caおよびリング部材231cbは、荷重を分散させ、変形ステージ231aを均一に変形させる役割を担う「分散部材」の一例である。
【0111】
このように、ピエゾアクチュエータPZ_C,PZ_Eを用いることによっても、変形ステージ231aの変形構造を構成することができる。なお、入力されたエネルギーを鉛直方向への物理運動に変換可能なアクチュエータであれば、ピエゾアクチュエータPZ_C,PZ_Eに限定されないことは言うまでもない。
【0112】
以上のように構成された本実施形態に係る接合システム1では、接合装置41において、上チャック230および下チャック231を同じ挙動で凸変形させ、これらに保持された状態の上ウェハW1および下ウェハW2を略同一に反らせたうえで接合することとしたので、上ウェハW1および下ウェハW2のうちの一方が他方より伸びてしまう現象を防ぐことができる。したがって、本実施形態によれば、基板の接合品質を向上させることができる。
【0113】
また、本実施形態に係る接合システム1では、接合装置41において、上ウェハW1および下ウェハW2を事前に温めるという手法を用いる必要がない。したがって、温度分布差による歪みを生じさせない。すなわち、本実施形態によれば、基板の接合品質を向上させることができる。
【0114】
また、本実施形態に係る接合システム1では、接合装置41において、上チャック230および下チャック231を接近させるに際し、上ウェハW1と下ウェハW2の接触部分が拡がるに連れて、たとえば低速に接近させることとしたので、接合後の上ウェハW1と下ウェハW2の周縁部E付近に気泡が生じるのを抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、基板の接合品質を向上させることができる。
【0115】
上述してきたように、本実施形態に係る接合装置41は、上チャック230(「第1保持部」の一例に相当)と、下チャック231(「第2保持部」の一例に相当)と、変形ステージ230a,231aと、制御装置70(「制御部」の一例に相当)とを備える。
【0116】
上チャック230は、下面側に上ウェハW1(「第1基板」の一例に相当)を保持する。下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、上面側に下ウェハW2(「第2基板」の一例に相当)を上ウェハW1に対向させて保持する。
【0117】
変形ステージ230a,231aは、上チャック230の下面および下チャック231の上面として配置され、上ウェハW1および下ウェハW2をそれぞれ保持した状態で凸変形が可能に設けられる。
【0118】
制御装置70は、変形ステージ230a,231aをそれぞれ凸変形させた状態で上チャック230および下チャック231を接近させることによって上ウェハW1および下ウェハW2の中心部C同士を接触させた後、変形ステージ230a,231aの凸変形を解除しつつさらに上チャック230および下チャック231を接近させることによって上ウェハW1および下ウェハW2を接合させる。
【0119】
したがって、本実施形態に係る接合装置41によれば、基板の接合品質を向上させることができる。
【0120】
なお、上述した実施形態では、上チャック230に対し、下チャック231を鉛直方向沿いに接近させる場合を例に挙げたが、下チャック231に対し、上チャック230を接近させる構成としてもよい。
【0121】
また、上述した実施形態では、真空ポンプ等を用いてエアを供給する場合を例に挙げたが、所定の圧力のエアを厳密に制御しつつ供給することが可能な電空レギュレータ等を用いてもよい。
【0122】
また、上述した実施形態では、変形ステージ230a,231aの裏面側の内部空間にエアを給排する場合を例に挙げたが、内部空間の内圧を変化させられればよく、エアに限らず流体であればよい。
【0123】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。