【実施例1】
【0031】
以下、本発明に関する加熱部310としてのガス配管用ヒータ22について説明する。
【0032】
図4(a)に、
図1におけるAで示される部分を拡大したものであり、ガス配管10を加熱部310で装着した状態のガス配管10のガス流れ方向の断面図を拡大した一例を示す。
図4(b)は、
図4(a)のA−1断面図であり、ガス配管10の外周に加熱部310が取り付けられている様子を示すものである。
図4(c)は、
図4(b)のA−2部分を拡大した図である。
図4(c)では、説明の都合上、配管10を一番下にし、加熱部310が積層構造であることを分かりやすく示している。以後、主に
図4(b)及び
図4(c)を用いて、加熱部310の構成について説明する。
【0033】
図4(b)及び
図4(c) に示すように、SUS等の金属部材で構成されるガス配管10の表面を覆うように取り付けられた状態で、ガス配管10を加熱する加熱部310は、包囲体としてのガス配管10側の内層部510及び大気側の外層部500に囲まれている。この包囲体は、加熱源である例えばヒータ素線等の発熱体530と、該発熱体530の外側に配置される断熱部520と、を少なくとも包囲するように構成されている。また、加熱部310は、包囲体(外層部500)の外側に設けられ、包囲体(外層部500)の一端側と他端側とが隣接した状態で一端側と他端側を留める留め部700と、包囲体(内層部510)よりもガス配管10側であって、ガス配管10の表面と対向する位置に配置され、ガス配管10側を主面として板状に形成された温度検知部555とを備えるように構成されている。好適には、
図4に示すように、例えばヒータ素線等の発熱体530と、発熱体530と外層部500の間に配置される断熱部520と、発熱体530および断熱部520を包囲する包囲体(内層部510と外層部500)とを有する。また、加熱部310は、発熱体530と、該発熱体530を支持するための支持部としての断熱部材540を含む発熱部と、発熱体530の外側に配置される断熱部520とを積層したものを備えている。更に、
図4(c)に示すように、発熱部と内層部510との間には、金属薄板400が介在されており、また、内層部510とガス配管10との間に絶縁部材600を介在するように構成されている。発熱体530は糸のような繊維状のもので断熱部材540に縫い付けられる等により、断熱部材540に支持されるように構成されている。そして、
図4(b)には、加熱部310をガス配管10の外周に装着する際、包囲体の一端側と他端側を隣接させ、一端側と他端側との間の僅かな隙間を留め部700により覆う様子が示されている。尚、留め部700に関しては後述する。
【0034】
この断熱部材540の材質は、ガラスクロス材にて構成されている。また、包囲体の材質は、内層部510及び外層部500の両方共にフッ素樹脂材、好適にはフッ素樹脂材の一つであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材で構成されると良い。絶縁部材600は、好適には包囲体と材質が異なる断熱部材で構成されると良い。絶縁部材600には、包囲体よりも熱の蓄熱度の大きい材質を用いると、ガス配管10の加熱具合を均一にしやすくなるため、好適である。例えば、絶縁部材600は、ガラスクロス材よりも蓄熱度の大きいアルミナクロス材で構成すると良い。また、金属薄板400も金属である必要はなく、例えば、グラファイトであってもよい。断熱部520の部材は、発熱体530からの熱逃げを抑制するための断熱部材であればよく、例えば、ガラスファイバーやセラミックファイバー、シリカファイバー等を集成し、ニードル加工を施した無機繊維マットを使用できる。また、コロイダルシリカやアルミナゾル、ケイ酸ソーダ等の無機質バインダーや、でんぷんなどの有機質バインダーでマット状に成形してもよい。あるいは、アラミドやポリアミド、ポリイミド等の耐熱性の有機樹脂製多孔質成形体とすることもできる。
【0035】
また、加熱部310は、絶縁部材600とガス配管10の隙間に、例えば板状に形成された集熱板等の温度検知部555を備えている。例えば、温度検知部555に熱電対550が接続されるように構成されると良い。好適には、ガス配管10の温度が所定温度以上になると通電を遮断するための温度スイッチとしてのサーモスタット560を設けると良い。尚、図では、サーモスタット560が包囲体の外側に設けられているが、加熱部310の内側に設置されていてもよい。これらにより、加熱部310では、ガス配管10を所定の温度を保つようにサーモスタット560や熱電対550等を含む温度検知部を用いて発熱体への通電を制御している。
【0036】
加熱部310がガス配管10を覆うときに、温度検知部555とガス配管10が近接するように構成される。
図5に、温度検知部555とガス配管10との位置関係を示す。
図5(a)〜(c)に示す温度検知部555は、全て、板状に形成されており、ガス配管10側を主面として板状に形成されて構成されている。
【0037】
図5(a)は、温度検知部555が平坦な板状に形成されており、その中央部分がガス配管10と接触している第一の実施例を示す断面図である。このように構成することで、ガス配管10との接触部分から温度検知部555に熱が直接伝わりやすく、かつ、ガス配管10に対向している主面の表面積が大きいため、温度検知部555がガス配管10の熱状態を感知しやすく、より正確にガス配管10の温度を検知しやすくすることができる。このため、測定温度が安定するため、ガス配管10全体の温度は安定するので、温度再現性が向上したり、温度均一性が向上したりすることができる。
【0038】
また、
図5(b)は、温度検知部555が板状に形成されており、さらに、ガス配管10に沿うように湾曲しており、その大部分がガス配管10と接触している第二の実施例を示す断面図である。好適には、温度検知部555の湾曲具合は、温度検知部555のガス配管10側の主面がガス配管10の外周の湾曲具合と同じにして、温度検知部555のガス配管10側の全ての主面がガス配管10の外周と接触するように構成すると良い。このように構成することで、ガス配管10との接触面積をより大きくすることができる。そのため、ガス配管10との接触部分から温度検知部555に熱が直接伝わりやすく、温度を取得する面積が大きくすることでより正確な温度が安定して取得できるようになり、検出する温度の信頼性が向上する。このため、測定温度が安定するため、ガス配管10全体の温度は安定するので、温度再現性が向上したり、温度均一性が向上したりする。
【0039】
また、
図5(c)は、温度検知部555が平坦な板状に形成されており、ガス配管10と離間し、非接触とした第三の実施例を示す断面図である。このように構成すると、ガス配管10に近接した空隙部分の温度を、表面積が大きい温度検知部555が測定することになり、ガス配管10全体の温度を測定しやすくすることができる。このため、測定温度が安定するため、ガス配管10全体の温度は安定するので、温度再現性が向上したり、温度均一性が向上したりする。特にガス配管10の大きさが箇所によりばらつきがあったり、直管よりも比較的熱容量が小さく、ガス配管10内の温度が急激に上昇したり降下したりしやすい、フレキシブル管等の構成において有用である。また、好適には、ガス配管10との間に中間材を介在するようにしてもよい。なお、温度検知部555の形状は、円状、楕円状、多角形状から選択される一つであるように構成されていてもよい。好適には、ガス配管10と対向する面が主面となるようその厚みは主面よりも小さく構成すると集熱しやすくなる。
【0040】
加熱部310は、後述する
図11に示すように、包囲体を展開すると、ガス配管10の延在方向が長手方向として略長方形に構成されている。ガス配管10の外周に装着し、包囲体の長手方向の一端側と他端側とが隣接した状態とすると、ガス配管10の外周全周を覆うようになる。すなわち、包囲体は、ガス配管10に装着した際に、包囲体の一端側と他端側とが隣接した状態でガス配管10の外周を覆うように構成されている。
【0041】
以上、
図4、
図5に示されるように、加熱部310は、熱電対550に板状の温度検知部555が設けられ、この温度検知部555をガス配管10と対向する位置に設けられる構成であるため、温度検知部555を用いない場合より、ガス配管10の測定温度が安定するので、温度再現性及び温度均一性を確保することができ、ガス配管10を均等に所定温度程度に加熱することができる。更に、温度検知部555の形状をガス配管10の曲げ形状に合致させることにより、ガス配管10の測定温度の安定性及び温度再現性がよりいっそう確保でき、ガス配管10の温度制御の信頼性が向上する。
【0042】
また、加熱部310は、
図4に示すように、内層部510よりも蓄熱度が大きい絶縁部材600がガス配管10と内層部510との間に設けられ、発熱体530からの熱エネルギーがこの絶縁部材600に吸収され、絶縁部材600からの熱伝導でガス配管10を加熱する構成としている。この構成により、発熱体530の形状に起因する加熱ムラが緩和され、均等にガス配管10を加熱することができ、温度均一性が向上すると期待される。
【0043】
図6は、加熱部310でガス配管10を覆ったときの概観図である。包囲体をガス配管10に装着した際に、包囲体の一端側と他端側とが隣接した状態でガス配管10の外周を覆うように一端側と他端側とを留める留め部700が構成されている。
【0044】
好適には、留め部700は、線705を基準に留め部700の先端部が揃うように固定するようにすると良い。このように、基準となる線705を設けることにより、作業者がその線705を基準に取り付け作業を行うことにより、取り付け状態のばらつきを抑え、作業性を向上しつつ、加熱部310の密着度の均一性を向上させている。
【0045】
図6のように、直線状に形成された直管部と該直管部間を連接する屈曲された屈曲部を有するガス配管であっても、ガス配管10の直管部において、線705を基準に留め部700の先端を揃えるようにすることで、作業者によらず加熱部310の密着具合を均一にすることができる。よって、温度検知部555とガス配管10の位置関係が複数の直管部において同じ位置に配置されると推測されるので、ガス配管10の温度を各直管部で均等に制御することが期待できる。
【0046】
図6の点線で囲まれている部分Cは、ガス配管10の屈曲部を示している。
図7(a)は、その
図6における屈曲部C周縁の留め部700を展開した図を示す。また、
図7(b)は、カバー部701のD−1断面図であり、
図7(c)は、補助カバー部702のD−2断面図である。
【0047】
留め部700は、カバー部701とカバー部701に設けられた接着部704と、包囲体の外層部500に設けられた接着部703とで構成されている。例えば、接着部704および接着部703は、面ファスナーとして構成されており、接着部703と接着部704とを合せて押し付けると貼り付き、カバー部701の一部を掴み、外層部500から引き離すように引っ張ると接着部703と接着部704とが剥がれるように、貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできるように構成されている。カバー部701の材質は、PTFE等のフッ素樹脂材で構成されている。好適にはカバー部701は、フッ素樹脂材720、721の複数枚(ここでは2枚)で構成し、接着部704をフッ素樹脂材の外層部500側に縫い、取付け、外層部500側と反対側となる加熱部310の外側には接着部704の縫い目が見えなくなるように構成されている。好適には、
図7(b)に断面図で示す通り、フッ素樹脂材720、721の中に例えばガラスクロス材等の補強材722を内包するように構成すると、カバー部701の強度が高まり、形状が安定し、接着しやすくなり、隣接した状態の一端側と他端側との間のわずかな間隙からの熱逃げを抑制しやすくなる等の効果を奏することができる。
【0048】
好適には、ガス配管10の屈曲部からの熱逃げを抑制しやすくするために、屈曲部を覆う補助カバー部702を備えるように構成すると良い。補助カバー部702をカバー部701に巻き込んでガス配管10の屈曲部を覆うように構成されている。好適には、補助カバー部702は、隣接する直管部それぞれにある屈曲部に直近しているカバー部701のうち一方側のカバー部701のガス配管10側で補助カバー部702の一端が固定されている。補助カバー部702の他端を他方側のカバー部701のガス配管10側に延在させてそれぞれのカバー部701で補助カバー部702を巻き込むことでガス配管10の屈曲部を覆うように構成するとよりいっそうガス配管10の屈曲部からの熱逃げを抑制することができる。補助カバー部702の材質は、PTFE等のフッ素樹脂材で構成されている。補助カバー部702は、フッ素樹脂材1枚で構成することで、柔軟性を確保しつつ複雑な形状部分である屈曲部をより密着度を増しつつ覆いやすくすることができ、ガス配管10の屈曲部からの熱逃げを抑制しやすくすることができる。好適には、補助カバー部702を
図7(c)に示すように、フッ素樹脂材720、721の複数枚(ここでは2枚)で構成すると、補助カバー部702は、柔軟性を確保しつつよりいっそう複雑な形状部分である屈曲部をより密着度を増しつつ覆う構成となり、ガス配管10の屈曲部からの熱逃げをよりいっそう抑制しやすくすることができる。
【0049】
ここで、カバー部701は、その内部に強度を維持するための補強材(ガラスクロス材)722が設けられており、一方、ガス配管10の露出防止のための補助カバー部702は、その内部に、柔軟性を確保するため、断熱材(ガラスクロス)等は設けられていない。これにより、補助カバー部702は、カバー部701に巻き込みやすく、複雑な形状でも覆うことができ、作業性が良い。更に、補助カバー部702を隣接するカバー部701で挟み込み固定すると、より密着度が良くなる。尚、カバー部701の補強材722としては、シート状の断熱材が好ましい。断熱材が厚すぎるとカバー部701の接着部704と接着部703との貼り付け及び剥がし作業に影響が出る恐れがある。また、シート状であれば、複数枚の断熱材を補強材722としてカバー部701に内包させることができ、カバー部701の強度を維持することができる。
【0050】
このように、ガス配管10が屈曲している屈曲部であっても、カバー部701、補助カバー部702を設けることにより、ガス配管10の露出をなくすことができ、局所的な温度低下が抑制されるため、ガス配管10全体の温度均一性を向上できる。
【0051】
次に、ベローズ(蛇腹状に形成された配管)等のフレキシブルな配管を覆う場合に使用される加熱部310の構成について説明する。
【0052】
図10(a)は、
図1におけるBで示される部分を拡大した図である。ガス配管10のうち、特にフレキシブル管10を覆う場合に使用される加熱部310により、フレキシブル管10に装着した状態のフレキシブル管10のガス流れ方向の断面図の一例である。
図10(b)に示されるように、B−1断面図には、加熱部310をフレキシブル管10の外周に装着する際、包囲体の一端側と他端側を隣接させ、一端側と他端側との間の僅かな隙間を留め部700により覆う様子が示されている。
図10(c)は、
図10(a)のB−2断面を拡大した図である。以後、
図10(b)及び
図10(c)により、加熱部310について説明する。
【0053】
図10(b)に示す断面図からわかるように、加熱部310とフレキシブル管10間に間隙が形成されている。これは、加熱部310の内径をフレキシブル管10の径よりも大きくしているためである。形成した間隙を加熱していることで温度安定性の確保を図っている。また、内径を大きくすることで曲げに対する追従性の確保も図っている。
【0054】
図10(c)に示すように、フレキシブル管10に装着される加熱部310は、包囲体としての内層部510及び外層部500との間に、発熱体530と該発熱体530を支持するための支持部としての断熱部材540を含む発熱部と発熱体530のガス配管10とは反対側に配置される断熱部520とを積層したもので主として構成されている。尚、発熱体530の断熱部材540の取り付けは、
図4(c)で示す発熱体530と同様であるので説明は省略する。
【0055】
フレキシブル管10(
図1に示すB)は、ガス配管10の一部である直管部(
図1に示すA)に対し熱容量が小さい為、温度検知部をフレキシブル管10に設置し温度制御すると、フレキシブル管10の温度は、直管部の温度よりも上昇し、1つのガス配管10内で温度差が生じ、温度均一性が悪化する。よって、
図10(c)に示す加熱部310でフレキシブル管10を加熱し、熱電対550は、発熱部に設置するように構成される。例えば、熱電対550は、発熱体530と同様に断熱部材540に縫製して取り付けられている。
【0056】
また、
図10(c)に示すように、包囲体の内層部510とフレキシブル管10との間に間隙が形成される。この間隙には、サーモスタット560と、該サーモスタット560とフレキシブル管10を隔離するための隔離部で構成されている。尚、サーモスタット560は包囲体の外側に設置されているが、加熱部310の内側に設置されていてもよく、例えば、熱電対550と同様に断熱部材540に縫製して取り付けられるのが好ましい。
【0057】
このように、本実施における加熱部310は、フレキシブル管10と加熱部310の内層部510との間に間隙を設けており、熱電対550を加熱部310内部に設置(発熱部に設置)しているので、熱電対550とフレキシブル管10を接触させることによる局所的な温度変化の測定に起因する温度制御の不安定さが解消され、フレキシブル管10全体を均等に加熱することができる。また、このように熱電対550を発熱体530と同様に断熱部材540に取り付けた構造であるので、あらゆる曲げ形状に対しても追従可能で、加熱部310の取り付け及び取り外しが容易となり作業性が向上する。
【0058】
また、このような熱電対550の構造であるので、測定温度の安定性が向上し、温度再現性が確保される。よって、フレキシブル管10内の温度均一性を向上することができる。
【0059】
また、発熱体530は、フレキシブル管10を基軸としてフレキシブル管10の蛇腹状の山折部と谷折部とに一部が平行となるように形成されている。好適には、発熱体530は、その主部がフレキシブル管10を基軸としてフレキシブル管10の折曲げ方向と平行方向に延在するように蛇行状に形成されることで、よりいっそうフレキブル管10の折曲げ可能な機能を抑制することを防ぐことができる。
【0060】
図10(c)の断面図に示すように、発熱体530を覆う断熱部520は、複数の断熱層で構成される積層構造(本実施例では2層)となっている。ここで、上側 (外層部500側) の断熱層を断熱層521、下側 (発熱体530側) の断熱層を断熱層522と称する。更に、各断熱層において、断熱部520がそれぞれ分割構造となっている。ここで、
図10に示すように、断熱層521は、521a、521b、521c、521dの4つの断熱領域に分割されており、断熱層522は、522a、522b、522cの3つの断熱領域に分割されている。
【0061】
断熱層521,522は、それぞれフレキシブル管10内のガスの流れ方向に対して垂直方向に切断(分割)されて、複数の断熱領域に切り分けられている。例えば、断熱層522は、522a、522b、522cの3つの断熱領域に分割すると、曲げに対する応力を吸収することができ、加熱部310を柔軟に折り曲げることができる。また、この切れ込み(スリット)は、断熱層それぞれにおいて位置がずらされて断熱層521,522がそれぞれ配置されている。これにより、熱逃げを抑えることができる。好適には、断熱領域を分割することに替えて、断熱領域をそれぞれの間にスリットを設けるようにしてもよい。これにより、曲げに対する応力の吸収力は分割構造に比べて小さくなるが、分割部分を接続させるための縫い作業等をする必要がなくなる等の製作効率を向上させることができる。好適には、断熱層521,522の材質は、ガラスマット材で構成すると良い。
【0062】
図11に示すように、フレキシブル管10に使用される加熱部310は、包囲体を展開すると、フレキシブル管10の延在方向が長手方向として略長方形に構成されている。そして、フレキシブル管10の外周に装着し、包囲体の長手方向の一端側と他端側とが隣接した状態とすると、フレキシブル管10の外周全周を覆うようになる。
【0063】
図11に発熱体530が点線で示されており、発熱体530は、その主部がフレキシブル管10を基軸としてフレキシブル管10の折曲げ方向と平行方向に延在するように蛇行状に形成されるよう構成されている。このような構成によれば、フレキシブル管10の曲げ形状に対する追従性が向上する。
【0064】
また、発熱体530は、コネクタ308を介してここでは図示しないコントローラ321に接続され、図示しない熱電対550及びサーモスタット560と共にコントローラ321により制御されるよう構成される。
【0065】
図8(a)は、フレキシブル管10に使用される加熱部310の留め部700を展開したときの図であり、
図8(b)は、加熱部310をフレキシブル管10に装着しときの斜視図である。ここで、
図6及び
図7と同じ番号を付加している部分は、構成及び材質等は同じであり、既に記述済であるためここでは説明を簡略化する。
【0066】
包囲体の一端側と他端側とが隣接した状態で一端側と他端側を留める留め部700は、カバー部701とカバー部701に設けられた接着部704と、包囲体の外層部500に設けられた接着部703とで構成されている。このような構成により、隣接した状態の一端側と他端側との間のわずかな間隙からの熱逃げを抑制することができる。
【0067】
外層部500には、フレキシブル管10内のガス流れ方向に対して垂直方向に延在する折り目710が設けられている。この折り目710により、フレキシブル管10を覆うために曲げることができるようになっている。
【0068】
また、本実施の形態によれば、加熱部310の固定を留め部700でおこなっているが、本実施形態に特に限定されず、固定手段として、面ファスナーの他、ホック・バックル等の公知のものを使用できる。
【0069】
<本実施形態における効果>
本実施形態によれば、以下の(a)乃至(h)のうち、少なくとも一つ、又は複数の効果を奏する。
【0070】
(a)本実施形態によれば、熱電対に板状の温度検知部が設けられ、この温度検知部をガス配管と対向する位置に設けられる構成であるため、原料ガスを供給するガス配管に温度検知部を近接させて温度を取得できるので、ガス配管を均等に加熱することができる。特に、温度検知部をガス配管の形状に沿って設けることにより、ガス配管を均等に加熱の信頼性が向上する。
【0071】
(b)本実施形態によれば、板状の温度検知部をガス配管と対向する位置に設けられる構成であるため、温度検知部が無い場合に比べて、ガス配管に対向している主面の表面積が大きいため、ガス配管の熱状態を感知しやすく、より正確にガス配管の温度を検知しやすくすることができる。このため、測定温度が安定することにより、ガス配管全体の温度は安定するので、温度再現性が向上したり、温度均一性が向上したりすることができる。
【0072】
(c)本実施形態によれば、直線状に形成された複数の直管部と該直管部間を連接する屈曲された屈曲部を有するガス配管であっても、加熱部を包囲体の一端側と他端側とが隣接させて固定する際に、ガス配管の各直管部分において、作業者によらず加熱部の密着性を均一にすることができる。
【0073】
(d)本実施形態によれば、直線状に形成された複数の直管部と該直管部間を連接する屈曲された屈曲部を有するガス配管であっても、ガス配管の屈曲部において、加熱部を包囲体の一端側と他端側とが隣接させて固定する際に、補助カバー部を該補助カバー部に隣接するカバー部が巻き込んで屈曲部を覆うので、ガス配管全体で均等に加熱することができる。
【0074】
(e)本実施形態によれば、原料ガスを供給するガス配管が蛇腹状に形成されたフレキシブル管であっても、ガス配管から温度検知部を離間させて、該ガス配管の温度を取得できるので、ガス配管の温度を的確に制御できる。
【0075】
(f)本実施形態によれば、原料ガスを供給するガス配管が蛇腹状に形成されたフレキシブル管であっても、加熱部の包囲体との間を離間させているので、温度変動の影響を受けずにフレキシブル管全体の温度を取得できるので、ガス配管の温度を的確に制御できる。
【0076】
(g)本実施形態によれば、成膜用の液体原料に応じて液化しない温度にムラなくガス配管を加熱することができるので、例えば、気化された液体原料ガスの液化が生じないよう制御された温度で、ガス流量を安定して処理室に供給することができる。又、同様に、原料ガスと反応させる反応ガスを、原料ガスの液化が生じないよう制御された温度で加熱することができるので、混合される際に原料ガスの温度が低下して液化してしまうことを防止することができ、安定して原料ガスを処理室内に供給することができ、処理室内のガス温度が安定し、均一な成膜をすることができる。
【0077】
(h)本実施形態によれば、排気配管を所定の温度にムラなく配管を加熱することができるので、成膜時に未反応ガス(未反応の原料ガス)の残渣及び副生成物の付着を抑えることができる。
【0078】
(i)上述の効果は、原料ガスとしてHCDSガス以外のガスを用いる場合や、N含有ガスとしてNH
3ガス以外のガスを用いる場合や、パージガスとしてN
2ガス以外の不活性ガスを用いる場合にも、同様に得ることができる。
【0079】
本実施例ではガス配管及び排気配管の両方をヒータで加熱する例を挙げたがこれに限らず、ガス配管及び排気配管のいずれか一方をヒータで加熱するようにしてもよい。
【0080】
尚、ガス供給器4からMFC41までを加熱する構成が示されているが、ガス供給器4からMFC41までは、常時加熱する必要はなく、非定常作業時(メンテナンス、修理等)に加熱するようにしてもよい。
【0081】
<他の実施例>
次に、他の実施形態について
図9を用いて説明する。
【0082】
図9に示すように、加熱部311は、包囲体としての内層部510及び外層部500との間に、発熱体530と該発熱体530を支持するための支持部としての断熱部材540を含む発熱部と発熱体530のガス配管10とは反対側に配置される断熱部520とを積層したもので主として構成されている。尚、発熱体530の断熱部材540の取り付けは、
図4(c)で示す発熱体530と同様であるので説明は省略する。
【0083】
断熱部520は、更に、空隙部610と断熱部525の積層構造となっており、空隙部610は、上側囲い部511と下側囲い部512との間に構成される空間である。このように、発熱部からの熱の断熱効果を強化した形態である。これにより、熱逃げを抑制することで、温度性能の向上を図っている。
【0084】
尚、外層部500、内層部510、上側囲い部511と下側囲い部512は、断熱部材であり、それぞれ同じ材質でなくても構わない。また、本実施の形態においても、金属薄板400、絶縁部材600を設ける様に構成してもよい。
【0085】
以上、本発明の実施形態及び実施例を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0086】
本実施形態によれば、原料ガスをノズル234を介して処理室201に供給する流路を構成するガス配管10に加熱部310を使用することにより、従来のリボンヒータにおけるリボンヒータ、絶縁材、断熱材を別々に施行することに起因する、作業者による取り付け状態のばらつきによる基板処理装置毎の温度再現性の低下を抑えられる。
【0087】
また、従来のリボンヒータでは、リボンヒータ、絶縁材、断熱材を別々に施行するため、作業者による取り付け状態のばらつきがあり、ヒータの密着度の違いやガス配管10の露出等に起因する温度均一性の悪化が生じていたが、本実施形態における加熱部310を、原料ガスを処理室201(またはノズル234)に供給する流路を構成するガス配管10に使用することにより、作業性が向上し、配管ヒータの密着性が均一になった。更に、このヒータの密着性の違いやガス配管10の露出等に起因するガス配管10の温度均一性の低下が抑えられる。
【0088】
本実施形態によれば、従来のリボンヒータに比べ、リボンヒータ、絶縁材、断熱材を別々に施行する必要が無い為、加熱部310の取り付けに係る時間を短縮することができる。
【0089】
また、上述の実施形態では、ウエハ200上に膜を堆積させる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、ウエハ200やウエハ200上に形成された膜等に対して、酸化処理、拡散処理、アニール処理、エッチング処理等の処理を行う場合にも、好適に適用可能である。
【0090】
また、実施例ではバッチ処理の縦型基板処理装置について説明したが、それに限定されるものではなく、枚葉処理の基板処理装置に適用することができる。
【0091】
また、本発明は、本実施例に係る基板処理装置のような半導体ウエハを処理する半導体製造装置などに限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置にも適用することができる。