特許第6619080号(P6619080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6619080
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20191202BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   G01N35/02 G
   G01N35/04 H
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-507087(P2018-507087)
(86)(22)【出願日】2017年1月30日
(86)【国際出願番号】JP2017003086
(87)【国際公開番号】WO2017163607
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2018年8月28日
(31)【優先権主張番号】特願2016-57821(P2016-57821)
(32)【優先日】2016年3月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】野田 和広
(72)【発明者】
【氏名】福垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 孝宏
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0000389(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104108603(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第104020309(CN,A)
【文献】 特開2005−249650(JP,A)
【文献】 特表2015−511313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品を保持する上面と、下方に設けられたツバ部を有する消耗品ラックを供給する消耗品供給装置を備えた自動分析装置において、
前記消耗品ラックを複数積み重ねた状態で保持することができる台と、
前記消耗品ラックを水平状態で保持する台を垂直方向に移動させる駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部と、
水平方向に一定距離離間した状態で配置され、積み重ねられた状態の前記消耗品ラックから、最上段の消耗品ラックを分離する一対の分離機構を備え、
前記一対の分離機構は、それぞれ、前記ツバ部の下面に当接して消耗品ラックを支持する可動式の支持部と、前記ツバ部の側面に当接して消耗品ラックの位置を補正する固定式の補正部を有する、自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御部は、最上段の消耗品ラックのツバ部が前記支持部よりも上方であって、前記最上段の消耗品ラックの下に位置する消耗品ラックのツバ部が前記支持部よりも下方に位置付けられるよう、前記台を第一の距離だけ上昇させた後に、前記第一の距離よりも短い第二の距離だけ前記台を下降させる、自動分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記支持部と前記補正部が交互に配置されている、自動分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記一対の分離機構は、前記支持部を前記消耗品ラックに向かって付勢する弾性体を有する、自動分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記支持部と前記補正部が隣接して配置されている、自動分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記支持部は、前記消耗品ラックを支持可能な第一の位置と、前記支持部の間を前記消耗品ラックが通過可能な第二の位置の間を移動可能であり、
前記支持部が第一の位置にある状態では、前記ツバ部の先端の間隔Lが、前記支持部の間の距離L2よりも大きく、かつ、前記支持部の間の距離L1よりも小さい、自動分析装置。
【請求項7】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記支持部は、前記消耗品ラックを支持可能な第一の位置と、前記支持部の間を前記消耗品ラックが通過可能な第二の位置の間を移動可能であり、
前記支持部が第二の位置にある状態で、前記ツバ部の先端の間隔Lが前記支持部の間の距離L2と略同じである、自動分析装置。
【請求項8】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記消耗品は、チップ、容器、またはその両方である、自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査における生化学分析や免疫分析等の化学分析に用いる自動分析装置及び、血液・尿などの検体を検査室で検査する際に検体の処理を自動的に行う検体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サンプル間のコンタミネーションを防止するため、サンプルと接触するノズルチップや反応容器等をディスポーザブルな部品(以下、消耗品と称する)とすることがある。
【0003】
特許文献1には、ディスポーザブルなノズルチップや反応容器等の部品を用いてサンプルの分析検査を行う自動分析装置において、未使用の部品を供給する未使用部品ラックの供給と、使用済み部品ラックの回収をコンパクトな装置構成で行うことができる自動分析装置が開示されている。具体的には、未使用部品を保持している部品ラックは、供給用昇降機により最大下降位置からラック分離ステーションまで上昇され、積み重ねられている最上段の部品ラックだけがラック分離ステーション上に残るように分離される。分離された部品ラックは部品取り出しステーションに移動され、その場所で部品ラック上の部品が可動把持部により次々と取り出される。部品消費後、部品取り出しステーションの床部を開くことにより、使用済みの部品ラックは落下され、回収用昇降機の昇降台上に回収されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4454904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示された部品ラック供給機構は消耗品ラックの一部をひっかける爪を有する分離機構により、最上段に位置付けられた部品ラックのみを他の部品ラックから分離している。しかし、積み重ねられた部品ラックの段数が多い場合には、部品ラックの列は重ね方向に対して傾き、位置ずれを起こす可能性がある。また、部品ラックの分離機構と積み重ねられた部品ラックの対称性が維持されていない場合にも位置ずれが発生する可能性がある。位置ずれが発生すると、分離機構の爪が部品ラックを左右均等に引っ掛けて保持することができず、最上段の部品ラックが分離できない、もしくは落下する可能性があり、ひいてはノズルチップや反応容器などの消耗品を装置へ供給することができず、分析結果の遅延や停止することで分析および検体処理に使用される検体サンプルの損失につながる恐れがある。
【0006】
そこで本発明は、積み重ねられた部品ラックの位置ズレの影響を受けることなく、安定して最上段の部品ラックのみを他の部品ラックから分離し分析部へ供給することが可能な部品ラックの分離機構を備えた自動分析装置および自動検体処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑みた本発明の特徴は以下の通りである。すなわち、消耗品を保持する上面と、下方に設けられたツバ部を有する消耗品ラックを供給する消耗品供給装置を備えた自動分析装置において、前記消耗品ラックを複数積み重ねた状態で保持することができる台と、前記消耗品ラックを水平状態で保持する台を垂直方向に移動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部と、水平方向に一定距離離間した状態で配置され、積み重ねられた状態の前記消耗品ラックから、最上段の消耗品ラックを分離する一対の分離機構を備え、前記一対の分離機構は、それぞれ、前記ツバ部の下面に当接して消耗品ラックを支持する可動式の支持部と、前記ツバ部の側面に当接して消耗品ラックの位置を補正する固定式の補正部を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、積み重ねられた部品ラックの位置ズレの影響を受けることなく、安定して最上段の部品ラックのみを他の部品ラックから分離し分析部へ供給することが可能な部品ラックの分離機構を備えた自動分析装置および自動検体処理システムを提供することができる。本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】自動分析装置の各構成について示す平面図
図2】昇降室に設置される消耗品供給装置の各構成について示す斜視図
図3】本発明における部品ラック分離機構部の構成を示す斜視図
図4】本発明における分離機構の構成を示す斜視図
図5】本発明における分離機構の動作について示す断面図
図6】部品ラック分離機構部に部品ラックが存在しない状態を示す断面図
図7】部品ラック分離機構部へ部品ラックを供給する状態を示す断面図
図8】最上段の部品ラックの分離前の状態を示す断面図
図9】最上段の部品ラックの分離後の状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、各図中、同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【0011】
以下に本発明を適用した実施例に基づき図面を参照して説明する。実施例として自動分析装置における使用例を用いて説明する。自動分析装置は、サンプルに接触し分注を行い、サンプル毎に交換されるディスポーザブルな部品(以下、消耗品)を用いてサンプルの分析操作を進める。この例では、消耗品として、ノズルチップ及び反応容器を用いることを説明しているが、これらの両方の部品は必ず用いなければならないわけではなく、片方だけでも良い。また、ノズルチップ及び反応容器以外の消耗品を用いるように構成しても良い。消耗品は部品ラック上に2次元的に保持され、昇降台上に部品ラック同士が積み重なる状態でセットされ供給される。
【0012】
第1図は本発明における自動分析装置の上面図を示す図である。自動分析装置は、血漿,血清,尿などの生体サンプルを種々の試薬で処理し測定することにより、生化学分析項目、免疫分析項目、または遺伝子分析項目などの多種類の分析項目に関し有益な測定情報を得ることができる装置である。例えば、免疫分析等では測定対象物を含む試料に、磁性粒子、標識物質を含む標識抗体、及び磁性粒子を測定対象物に結合させる抗体を混合して抗原抗体反応を起こさせ、測定対象物、磁性粒子及び標識物質が結合した反応生成物を磁気分離手段で捕捉し、捕捉した反応生成物に電圧を印加してその発光量を計測することで測定対象物を定量化する。また自動検体処理システムにおいて、検査室に集約された各患者検体の血漿,血清,尿などの生体サンプルを検査内容に応じた容量となるように自動で生体サンプルの小分け分注処理行い、自動分析装置に至る検体処理の過程を効率化することができる。
【0013】
自動分析装置1の各構成機構部分は、制御装置2によって動作制御される。自動分析装置1は、検体投入部3,検体搬送ライン4及び検体収納部5を有する検体ラックの搬送系と、反応ディスク6,試薬ディスク7及び測定部8を有する分析測定系と、消耗品供給装置9及び部品運搬装置10を有する消耗品取り扱い系を有している。分析測定されるべきサンプルは、サンプル容器11に収容されており、各検体ラック12には複数本のサンプル容器11が装填されている。1つの検体ラック12に複数本(単体でも良い)のサンプル容器を保持される。自動分析装置1によって分析測定されるサンプルは、血漿,血清,尿などの生体サンプルである。サンプル容器11内のサンプルに関する情報及び分析項目の依頼情報は、予め制御装置の入力部を通して入力される。各分析項目の分析条件は、制御装置2に記憶されている。
【0014】
各サンプル容器11の外壁にはバーコードのような検体識別情報媒体が設けられており、各検体ラック12にはバーコードのようなキャリア識別情報媒体が設けられている。上方媒体はバーコードに限定されず、例えばRFIDタグやICチップ、二次元バーコードでも良い。検体容器を装填した状態の検体ラック12は、操作者によって検体投入部3にセットされる。検体投入部3はその一旦が検体搬送ライン4に接続されており、検体搬送ラインに向けて1ステップずつ検体ラック12を押し出して送り出す。
【0015】
検体ラック12を受け取った検体搬送ライン4は、サンプル採取位置Sまで検体ラックを搬送する。なお、検体ラックを移動させる方式としては、搬送ベルトの駆動やラック搬送アームの移動等、方式は限定されない。サンプル採取位置へ搬送される前に、各検体ラックのキャリア識別情報及び各サンプル容器の検体識別情報が、バーコード読み取り装置のような識別情報読み取り器(図示せず)により読み取られ、その情報は制御装置2に伝達される。制御装置2は、読み取り情報に基づいて検体サンプリング機構13試薬ディスク7,試薬分注機構14,反応ディスク6,測定部8などの動作を制御する。サンプル採取位置Sにてサンプル採取処理を受けた検体ラック12は、検体搬送ライン4により検体収納部5に搬送され、そこに収納される。
【0016】
消耗品取り扱い系では、消耗品供給装置9がサンプル間のキャリオーバ又はコンタミネーションを避けるために使用されるノズルチップ29及び反応容器30を提供する。これらの消耗品は、部品ラック15に2次元的(アレイ的)に保持された状態で消耗品供給装置9内を移動される。部品運搬装置10は、消耗品の取り出し機構部Bに位置づけられた部品ラック15上から消耗品の反応容器の1つを掴んで搬出し、反応ディスク6上にセットする。次いで同じ部品ラック上から消耗品のノズルチップの1つを掴んで搬出し、チップ装着位置16にセットする。検体サンプリング機構13のチップ結合用ノズルは、チップ装着位置16にてノズルチップを結合し、その後検体サンプリング機構13はサンプル採取動作を実行する。
【0017】
消耗品供給装置9は、部品ラック分離機構部A及び消耗品の取り出し機構部Bを備えている。後述するように、部品ラック分離機構部Aの下方には未使用の部品ラック15の供給用昇降台17が配置され、消耗品の取り出し機構部Bの下方には使用済みの部品ラック15の回収用昇降台18が配置される。
【0018】
次に、消耗品供給装置9の構成について第2図を参照して説明する。
【0019】
消耗品供給装置9には、部品ラック分離機構部Aと消耗品の取り出し機構部Bと部品ラック廃棄機構部が設けられる。部品ラック分離機構部Aの下方には供給用の昇降機19が配置され、消耗品の取り出し機構部Bの下方には回収用の昇降機20が配置される。これらの昇降機19,20は消耗品供給装置9のラック昇降室21(図1参照)内に収納される。また、これらの昇降機は可動式の台22に取り付けられる。これにより、ユーザはラック昇降室21(図1参照)から台22ごと前面側に引き出した状態で、供給用の昇降台17へ新たな部品ラック15をセットすることができ、さらに回収用の台18上から使用済みの部品ラック15を除去することができる。ラック昇降室21(図1参照)の奥には、第1図における部品廃棄位置23の下方に位置するように、取り外し可能な二つの廃棄部品回収箱24a,24bが配置されている。引き出した台22を所定位置まで押し込むことにより、昇降機19,20は元のように台17,18が昇降可能な場所に落ち着く。
【0020】
消耗品供給装置9のラック供給部の上方に位置される部品ラック分離機構部Aには、供給用の昇降機19によって部品ラック廃棄機構部の方へ上方に持ち上げられた積み重ね状態の複数部品ラックの内、最上段の部品ラック15のみを部品ラック廃棄機構部に残すように他の部品ラック15から分離して保持する分離機構25と、昇降台17の下降により他の部品ラックから分離された最上段であった部品ラック15を部品ラック分離機構部Aから消耗品の取り出し機構部Bの方へ移動させるラック移送装置26と、消耗品の取り出し機構部Bに送られた部品ラックを複数箇所にて押圧することにより所定位置に落ち着かせるように位置決めをするラック位置決め装置27と、部品取り出しステーションから回収用の昇降機の台18が部品ラックを受け取るときに、消耗品の取り出し機構部Bにおいて部品ラックを載置している床部(開閉可能部材)を開き、その後床部を閉じる床部開閉装置28などを備えている。
【0021】
次に、消耗品供給装置9における部品ラック分離機構部Aの構成および部品ラックについて図3を参照して説明する。
【0022】
部品ラック分離機構部Aは部品ラック15の両側に一対の分離機構25を対向して配置している。分離機構25は左右対称となり、両側面が同様の構造となっている。分離機構25は、積みかさねられた部品ラック15のうち、最上段の部品ラックと二段目以下の部品ラックとの分離を目的としている。
【0023】
部品ラック15の側壁は、部品が設置された上縁41よりも下縁42が大きく形成されるよう下縁に向かって広がる傾斜面を有し、断面は台形状である。側壁の内側は空洞であり、下部には底壁がないため、部品ラック15同士を上下に積み重ねることが容易となる箱形である。
【0024】
部品ラック15の上縁41はほぼ四角形であり、消耗品を多数装填し得る孔が2次元的に配列されそれぞれに消耗品となる部品が挿入されている。実施例における1つの部品ラック15には、消耗品のノズルチップ29及び消耗品の反応容器30をそれぞれ複数ずつ装填できる。第3図の場合にはノズルチップ29及び反応容器30は同数量を部品ラック15に装填している。
【0025】
部品ラック15の少なくとも対向する二つの側壁の下端には、所定の幅と長さを持つツバ部31a,31bが形成されている。これらの一対のツバ部31a,31bは、後述する分離機構25の支持部32a,32bによって下面を支持されることで、部品ラック同士の分離を容易にするように働く。また部品ラック15の重ね方向に対する位置ズレや部品ラックと分離機構の非対称性による位置ズレが発生していた場合には、分離機構の補正部35a,35bと当接することで位置ズレを補正するように働く。実施例においては所定の幅と長さを持つツバ部31a,31bとするが、後述する分離機構の下降阻止部材を有する可動機構33a,33bに当接して部品ラック同士の分離を容易にするように働く構造であれば、穴等にて下降阻止部材と当接し、引っ掛ける構造であれば良い。
【0026】
次に、本発明における分離機構25の構成について図4および図5を用いて説明する。
【0027】
分離機構25は、部品ラックの幅に適合するような間隔に離間された一対の支持部(下降阻止部材)32aを有する可動部33aと、部品ラック15の位置の補正を目的とし、部品ラックの幅に適合するような間隔に離間された一対の補正部(補正板)35aを有する補正機構34aを有している。可動機構33aと補正機構34aは、部品ラック15のツバ部31aが形成されている方向に対してそれぞれ一対を成し、交互に配置される。なお、可動機構33aと補正機構34aは、必ずしも交互に配置されていなくても良く、例えば一つずつ並べて配置していても良い。
【0028】
支持部32aを有する一対の可動機構33aは、横長方向が互いに平行であるように回転軸36aに取り付けられている。可動機構33aは比較的薄い金属(例えばステンレス鋼)を屈曲させて形成した支持部32aとストッパー40aを有する。また、薄い金属により形成されるので多少の弾性を有する。
【0029】
弾性体39aは、例えばねじりバネであり、可動機構33aに接触して配置され、左右に配置された一対の可動機構33aがマガジンに向かって張り出すように押しつけている。ストッパー40aは支持部32aの上面が後述するツバ部を保持するのに最適な位置となるよう、固定端37あるいは固定端37に固定された板片に接触して、可動機構33aの位置を固定させる。そのため、可動機構33aは、回転軸36aを中心軸として、可動機構33aの固定端37と支持部32aによる可動端により回動することができる(図5(a),(b)参照)。図5(a)の状態では、支持部32aの上面がツバ部31aと接触して、当該ツバ部を有する部品ラックを支持部32aの上に保持する。図5(b)の状態では、支持部32a引っ込んでいるので、部品ラックは支持部32aに引っかかることなく上下方向に移動することが可能となる。
【0030】
補正部35aを有する補正機構34aは可動機構33aと同様に横長方向が平行であるように取り付けられている。固定端37と結合しているため回動などの動作をすることなく、一対の分離機構25の補正部35aの間隔が、部品ラックの幅に適合するように固定されている。
【0031】
次に、第6図乃至第9図を参照して分離機構の動作について説明する。
【0032】
第6図は、部品ラック分離機構部Aに一切の部品ラックが存在しないときの状態を示す。支持部32a,32bの上端がストッパー40a,40bに当接しているため、一対の棚部38a,38bの先端の間隔L2は、部品ラック15の一対のツバ部31a,31bの先端部間の距離Lより狭くなるように設けられ、しかも、部品ラック15のツバ部31a,31bを除いた幅の距離L3よりも広くなるように配設されている。
【0033】
また、一対の補正機構34a,34bは固定端37と結合しており、その間隔は、部品ラックの幅と等しいあるいはわずかだけ大きいような一定の間隔L1に固定されている。具体的には、支持部32a,32bの上端がストッパー40a,40bに当接している状態(図5(a)および図6の状態)で、棚部38a,38bの上端の間隔L1と同一となり、部品ラック15の一対のツバ部31a,31bの先端部間の距離Lより一定距離で離間された位置となる。
【0034】
第7図は、未使用の積み重ねられた消耗品29,30を保持した部品ラック15が、供給用昇降台17によって上昇されている状態を示す。なお、以下では、部品ラックは上から部品ラック15a,15b,15c・・・と複数重ねて配置されているものとする。最上段にある部品ラック15aが一対の棚部32a,32bの間を上昇して通過するとき、支持部32a,32bの側面にツバ部31a,31bが当接し、可動部33a,33bを押し広げて回動させる。つまり、供給用昇降機19から付与された部品ラック15aの上昇する力は、棚部を押し出すように働いている弾性体39a,39bの力に抗して支持部32a,32bを外側へ押し広げる。
【0035】
これによって、支持部32a,32bは押し広げられ、一対の支持部32a,32bの先端部間の距離は、当接したツバ部31a,31bと同じ幅L2’(= L)となる。さらに棚部38a,38bの上端の間隔L1’は、支持部32a,32bと一体として回転軸36a,36bを中心に回動するため、部品ラックの分離機構部Aに一切の部品ラックが存在しない時(図6)の部品ラック15の一対のツバ部31a,31bの先端部間Lの距離より広い距離L1’(>L1>L)となる。
【0036】
なお、積み重ねられた部品ラックの位置ずれや歪みが生じていた場合であっても、補正部35a,35bがツバ部31a,31bの側面に接触することにより位置ずれおよび歪みを補正することが可能である。これにより、積み重ねられた複数の部品ラック15aの位置ズレが発生し、部品ラック15aのツバ部の一方のみが支持部32a,32bと接触することで、一対の可動機構33a,33bが均等に回動できず、結果として、最上段の部品ラックを確実に分離することができない場合や部品ラックを落とすことなどを防止できる。
【0037】
第8図は、供給用昇降台17がさらに上昇し、最上段の部品ラック15aのツバ部31a,31bが支持部32a,32bを通り過ぎた状態を示す。支持部32a,32bを押し広げていた部品ラック15aのツバ部と棚部との接触が解消させることにより、棚部は再び弾性体39a,39bにより押され、一対の棚部38a,38bの先端部間の間隔L2’(= L2<L)となる。
【0038】
この場合、最上段の部品ラック15aは支持部32の上に保持されるが、上から二段目以下の部品ラック15bのツバ部は、支持部32a,32bに接触することはない。したがって、可動機構33a,33bは閉じたままの状態を維持される。本状態においても補正機構34a,34bの存在が重要となる。補正機構34a,34bが存在しない場合、可動機構33a,33bは閉じた状態を維持しているが、積み重ねられた部品ラックの位置ズレが発生している状態では、部品ラック15aのツバ部31a,31bが支持部32a,32bより上方の位置と片あたりで接触し、回動可能な可動機構33a,33bは意図しない状態として下降阻止部材32a,32bを押し広げられてしまい、この後の動作にて、均等な部品ラックとの接触が不可となる場合が考えられる。そのため、補正機構34a,34bを備えることで最上段の部品ラック15aのツバ部31a,31bと当接し位置ズレを抑制し、この後の支持部32a,32bと部品ラックとの均等な接触に貢献する。
【0039】
第9図は、供給用昇降台17が下降した状態を示す。この時、一対の支持部32a,32bの先端部の間隔L2は、部品ラック15aのツバ部31a,31bの先端部間の距離Lより狭いため(L2<L)、部品ラック15aは供給用昇降台17の下降に伴って下降することはできない。一方、支持部32a,32bより下方に位置する、部品ラック15b,15c,…などは、供給用昇降台17の下降動作に従って自重により下降する。これにより、最上段の部品ラック15aは、ツバ部31a,31bが棚部38a,38bの上に乗った状態となり、かつ補正部35a,35bにより部品ラック15の位置ズレを抑制し棚部38a,38bと部品ラックのツバ部31a,31bとの均等に接触した状態となり下降されない。これにより、最上段であった部品ラック15aと他の部品ラック15b,15c,…との安定した分離が達成される。
【0040】
なお、この実施例においては、自動分析装置について述べたが部品ラックを使用し使いまわしを許さない消耗品の供給を行うという観点では、自動検体処理システムに搭載される消耗品供給装置も同等の構成にて達成される。
【0041】
本発明によれば、複数個積み重ねた部品ラックの積み上げ状態および部品ラックと分離機構の非対称性などによる位置ズレが発生した場合にも、位置ズレの影響を受けることなく、安定して先頭段の部品ラックのみを他の部品ラックから分離し分析部へ供給することが可能となるため、安定した分析性能及び動作性能に貢献が可能となる。
【0042】
また通常、部品ラックのいわゆる消耗品の装置本体への供給は使用者(ユーザー等)が行うため、部品ラックの積み上げは積み上げかたによって積み上げ方向に位置は不定となりやすく供給時の積み上げに際しての負担となるリスクを考慮しなければならないが、本発明では複数個積み重ねた部品ラックの積み上げ状態および部品ラックと分離機構の非対称性などによる位置ズレに対する抑制可能となるため、供給時の積み上げに際しての使用者への負担となるリスクが低減可能となる。
【0043】
また、部品ラックにかかわらず、積み重ねられて先頭段と二段目との間を分離する動作を行い、分離に使用される一対以上をなしたツバや穴等の引っ掛け部を有する容器等の構造物に対して、本発明内容が適用可能であり自動分析装置及び自動検体処理システムへの実装として汎用性を伴うことが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1:自動分析装置 2:制御装置 3:検体投入部 4:検体搬送ライン 5:検体収納部 6:反応ディスク 7:試薬ディスク 8:測定部 9:消耗品供給装置 10:部品運搬装置 11:サンプル容器 12:検体ラック 13:検体サンプリング機構 14:試薬分注機構 15, 15a,15b,15c:部品ラック 16:チップ装着位置 17,18:台 19,20:昇降機 21:ラック昇降室 22:台 23:部品廃棄位置 24a,24b:廃棄部品回収箱 25:分離機構 26:ラック移送装置 27:ラック位置決め装置 28:床部開閉装置 29:ノズルチップ 30:反応容器 31a,31b:ツバ部 32a,32b:支持部 33a,33b:可動機構 34a,34b:補正機構 35a,35b:補正部 36a,36b:回転軸 37:固定端 38a,38b:棚部 39a,39b:弾性体 40a,40b:ストッパー A: 部品ラック分離機構部 B:消耗品の取り出し機構部 S:サンプル採取位置
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図9