特許第6619689号(P6619689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6619689
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】回路設計装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20191202BHJP
【FI】
   G06F17/50 670Z
   G06F17/50 662G
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-96561(P2016-96561)
(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公開番号】特開2017-204202(P2017-204202A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2019年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 利一
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 任布
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−335226(JP,A)
【文献】 特開2015−122065(JP,A)
【文献】 特開平06−208602(JP,A)
【文献】 特開2000−348074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象回路を設計するための回路設計装置であって、
前記対象回路を示す対象回路データを設定する対象回路設定部と、
前記対象回路に付加される付加回路を示す付加回路データを設定する付加回路設定部と、
前記対象回路データに前記付加回路データを付加した検証用回路データを出力するデータ出力部と、
前記データ出力部に前記検証用回路データを出力させる検証用回路設定モードと、その他のモードとを切り替えるモード切替部と
を備え、
前記対象回路データの少なくとも一部が、前記検証用回路設定モードにおいて、編集不能に設定されている
回路設計装置。
【請求項2】
前記データ出力部は、前記検証用回路設定モードにおいて、前記対象回路の少なくとも一部の回路を無効化する
請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項3】
前記付加回路設定部は、前記無効化された回路に置き換えられる第1の置換回路が前記付加回路に含まれるように前記付加回路データを設定する
請求項2に記載の回路設計装置。
【請求項4】
前記第1の置換回路は、前記無効化された回路が有するパラメータと、異なるパラメータを有する
請求項3に記載の回路設計装置。
【請求項5】
前記データ出力部は、前記検証用回路設定モードにおいて、前記対象回路に含まれる一部の回路を有効化する
請求項1から4のいずれか一項に記載の回路設計装置。
【請求項6】
前記付加回路設定部は、前記有効化されていない回路に置き換えられる第2の置換回路が前記付加回路に含まれるように付加回路データを設定する
請求項5に記載の回路設計装置。
【請求項7】
前記第2の置換回路は、前記有効化されていない回路が出力する信号と同等の信号を出力する
請求項6に記載の回路設計装置。
【請求項8】
前記対象回路データに関する対象回路情報、および前記付加回路データに関する付加回路情報を記憶する記憶部を更に備える
請求項1から7のいずれか一項に記載の回路設計装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記対象回路情報に関連する複数の前記付加回路情報を記憶し、
前記付加回路設定部は、複数の前記付加回路情報から選択された前記付加回路情報に対応する付加回路データを設定する
請求項8に記載の回路設計装置。
【請求項10】
前記付加回路設定部は、設定した前記付加回路データに関する付加回路情報が変更された場合に、変更後の前記付加回路情報に対応する付加回路データを設定する
請求項9に記載の回路設計装置。
【請求項11】
外部からの入力信号を前記データ出力部に入力するための入力装置を更に備え、
前記データ出力部は、前記入力装置の出力に応じて、前記付加回路データを変更するが、変更した前記付加回路データに対応する前記付加回路情報を変更しない
請求項8から10のいずれか一項に記載の回路設計装置。
【請求項12】
前記データ出力部は、前記対象回路データを編集するための対象回路設定モードを更に有する
請求項1から11のいずれか一項に記載の回路設計装置。
【請求項13】
前記対象回路設定モードにおいて、前記データ出力部が出力した前記対象回路データに応じた対象回路を外部に表示し、前記検証用回路設定モードにおいて、前記データ出力部が出力した前記検証用回路データに応じた検証用回路を外部に表示するための表示部を更に備える
請求項12に記載の回路設計装置。
【請求項14】
前記データ出力部が出力した前記検証用回路データに基づくシミュレーションを実行する実行部を更に備える
請求項1から13のいずれか一項に記載の回路設計装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路設計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シミュレーション用のデータを作成する回路設計装置において、対象回路に付加回路を付加した検証用回路を作成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開平8−335226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の回路設計装置は、対象回路を示す対象回路データと検証用回路を示す検証用回路データとを識別する機構がないので、対象回路データと検証用回路データとを別個独立に管理する必要があった。そのため、対象回路データを変更した場合に、検証用回路データに反映されないので、データの取り扱いが煩雑になる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、対象回路を設計するための回路設計装置であって、対象回路を示す対象回路データを設定する対象回路設定部と、対象回路に付加される付加回路を示す付加回路データを設定する付加回路設定部と、対象回路データに付加回路データを付加した検証用回路データを出力するデータ出力部と、データ出力部に検証用回路データを出力させる検証用回路設定モードと、その他のモードとを切り替えるモード切替部とを備え、対象回路データの少なくとも一部が、検証用回路設定モードにおいて、編集不能に設定されている回路設計装置を提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】回路設計装置100の構成の概要を示す。
図2A】実施例1に係る対象回路11の構成の一例を示す。
図2B】実施例1に係る付加回路21の構成の一例を示す。
図2C】実施例1に係る検証用回路41の構成の一例を示す。
図3A】比較例1に係る対象回路511aの構成の一例を示す。
図3B】比較例1に係る対象回路511bの構成の一例を示す。
図3C】比較例1に係る検証用回路541の構成の一例を示す。
図4A】比較例2に係る対象回路511aの構成の一例を示す。
図4B】比較例2に係る対象回路511bの構成の一例を示す。
図4C】比較例2に係る検証用回路541の構成の一例を示す。
図5】回路設計装置100の構成の一例を示す。
図6A】実施例2に係る対象回路11の構成の一例を示す。
図6B】実施例2に係る付加回路21の構成の一例を示す。
図6C】実施例2に係る検証用回路41の構成の一例を示す。
図7A】実施例3に係る対象回路11の構成の一例を示す。
図7B】実施例3に係る付加回路21の構成の一例を示す。
図7C】実施例3に係る検証用回路41の構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、回路設計装置100の構成の概要を示す。本例の回路設計装置100は、対象回路設定部10、付加回路設定部20、入力装置30、データ出力部40、モード切替部50、記憶部60、表示部70および実行部80を備える。回路設計装置100は、シミュレーション用の回路の設計等に用いられる。
【0009】
対象回路設定部10は、対象回路を示す対象回路データを一時的に記憶する。対象回路設定部10は、記憶した対象回路データを実行用のデータとして設定する。対象回路とは、回路設計装置100が設計の対象としている回路である。即ち、対象回路は、シミュレーションの対象となる回路である。対象回路データは、対象回路の回路図を示すデータである。対象回路データは、シミュレーションの対象となる回路部品等に関するデータを含む。
【0010】
付加回路設定部20は、対象回路データに付加するための付加回路を示す付加回路データを一時的に記憶する。付加回路設定部20は、記憶した付加回路データを実行用のデータとして設定する。付加回路データとは、対象回路をシミュレーションするために、対象回路に付加されるデータである。例えば、付加回路データには、対象回路に付加される回路部品に関するデータが含まれる。
【0011】
入力装置30は、回路設計装置100の設計者が回路を設計するために必要な情報を入力するための装置である。例えば、入力装置30には、対象回路データおよび付加回路データを編集するための信号が入力される。また、入力装置30には、回路設計装置100を操作するための信号が入力されてよい。例えば、入力装置30は、キーボードやマウス等の入力装置である。
【0012】
データ出力部40は、対象回路設定部10が設定した対象回路データおよび付加回路設定部20が設定した付加回路データに基づいたデータを出力する。一例において、データ出力部40は、対象回路データに付加回路データを付加することにより、検証用回路データを生成する。また、データ出力部40は、対象回路データおよび検証用回路データのいずれかのデータを選択的に出力してよい。
【0013】
モード切替部50は、データ出力部40の動作モードを、検証用回路設定モードと、その他のモードとに切り替える。一例において、モード切替部50は、データ出力部40の動作モードを、検証用回路設定モードと対象回路設定モードとのいずれかに切り替える。対象回路設定モードにおいて、モード切替部50は、データ出力部40に対象回路データを出力させる。一方、検証用回路設定モードにおいて、モード切替部50は、データ出力部40に検証用回路データを出力させる。
【0014】
記憶部60は、データ出力部40に入力するための対象回路情報および付加回路情報を記録する。対象回路情報とは、対象回路データに対応したデータファイルである。付加回路情報とは、付加回路データに対応したデータファイルである。一例において、記憶部60は、設計者が作成した対象回路情報および付加回路情報を記録する。記憶部60は、記録した対象回路情報および付加回路情報を必要に応じて、データ出力部40に出力する。例えば、記憶部60は、入力装置30から入力された設計者の指示に応じて、記録した情報をデータ出力部40に出力する。なお、記憶部60は、記憶した対象回路情報および付加回路情報を対象回路設定部10および付加回路設定部20に直接出力してもよい。
【0015】
表示部70は、データ出力部40が出力したデータを設計者に表示する。一例において、表示部70は、モニタ等の画像表示部にデータ出力部40が出力したデータを表示させる。例えば、表示部70は、対象回路設定モードにおいて、対象回路データに対応する対象回路を表示させ、検証用回路設定モードにおいて、対象回路と付加回路からなる検証用回路を表示させる。即ち、表示部70は、対象回路設定モードおよび検証用回路設定モードにおいて、付加回路を単独で表示させなくてもよい。
【0016】
実行部80は、データ出力部40が出力したデータに基づいて、シミュレーションを実行する。実行部80は、検証用回路設定モードにおいて、検証用回路データに基づくシミュレーションを実行する。なお、実行部80は、対象回路設定モードにおいて、対象回路データに基づくシミュレーションを実行してもよい。
【0017】
本例の回路設計装置100は、対象回路データの少なくとも一部を、検証用回路設定モードにおいて、編集不能に設定する。一例において、編集不能に設定された対象回路データは、入力装置30からの入力信号によって設計者が対象回路データを編集できなくなっている。編集不能に設定された対象回路データは、表示部70によって外部に表示されてよい。
【0018】
一方、回路設計装置100は、対象回路設定モードにおいて、検証用回路設定モードで編集不能にされた対象回路データを編集することができる。これにより、回路設計装置100は、次に検証用回路設定モードに切り替えられた場合に、編集された対象回路データを自動的に反映させることができる。即ち、回路設計装置100は、対象回路データと当該対象回路データに対応する検証用回路データとを識別し、関連付けて管理しているので、対象回路データの変更前のデータと変更後のデータが混在することがない。よって、本例の回路設計装置100は、データの変更前後において、データの管理を容易にできる。
【0019】
[実施例1]
図2Aは、実施例1に係る対象回路11の構成の一例を示す。図2Bは、実施例1に係る付加回路21の構成の一例を示す。図2Cは、実施例1に係る検証用回路41の構成の一例を示す。
【0020】
対象回路11は、回路ブロック12および回路ブロック13を備える。回路ブロック12および回路ブロック13は、回路設計装置100が設計対象とする具体的な回路ブロックの一例である。
【0021】
回路ブロック12には、対象回路11への入力信号が入力される。回路ブロック12は、入力された信号に応じた信号を回路ブロック13に出力する。本例の回路ブロック12は、アナログ回路で構成される。但し、回路ブロック12は、デジタル回路で構成されてよい。
【0022】
回路ブロック13は、回路ブロック12が出力した信号が入力される。回路ブロック13は、回路ブロック12から入力された信号に応じた信号を出力する。本例の回路ブロック13は、アナログ回路で構成される。但し、回路ブロック13は、デジタル回路で構成されてよい。
【0023】
付加回路21は、電圧源22a,22b,22c、抵抗素子23a,23b、電圧計24a,24b,24cおよび交流電源25を備える。付加回路21は、対象回路11のシミュレーションのために用いられる回路部品である。なお、図2Bで示されている付加回路21は、付加回路21を説明するために便宜的に記載した回路である。そのため、表示部70は、実際には、付加回路21を単独で表示しなくてよい。
【0024】
検証用回路41は、対象回路11および付加回路21を備える。本例の検証用回路41は、対象回路11の上から、付加回路21が重ね合わせられるようにして付加された回路である。このように、検証用回路41は、対象回路11に付加回路21が付加されることにより、対象回路11のシミュレーションを実行できる。例えば、検証用回路設定モードにおいて表示部70が検証用回路41を表示している場合、当然に対象回路11も表示されている。しかし、回路設計装置100は、検証用回路設定モードにおいて、対象回路11を表示させるが、対象回路11を編集不可に設定してよい。これにより、回路設計装置100は、検証用回路設定モードにおいて、設計者が対象回路11を誤って変更することを防止できる。
【0025】
[比較例1]
図3Aは、比較例1に係る対象回路511aの構成の一例を示す。図3Bは、比較例1に係るコピーにより生成された対象回路511bの構成の一例を示す。図3Cは、比較例1に係る検証用回路541aの構成の一例を示す。
【0026】
対象回路511aは、回路ブロック12および回路ブロック13を有する。対象回路511bは、対象回路511aのコピーである。そのため、対象回路511aが編集された場合であっても、対象回路511bには対象回路511aの変更が反映されない。対象回路511bは、設計者によって異なるファイル名を付される等によって、対象回路511aと区別して管理される。
【0027】
検証用回路541aは、対象回路511aを検証するために用いられる。検証用回路541aは、対象回路511bを検証するために必要な付加回路を、対象回路511bに追記することによって作成される。即ち、検証用回路541aは、コピーされた対象回路511bを上書きすることにより、付加回路が付加されたものであって、対象回路511aとは関連付けられていない。なお、本例の付加回路は、図2Bで示した付加回路21と同一の回路を有している。
【0028】
本例の対象回路511aと対象回路511bとは、独立した回路図であるため、対象回路511aを変更してもその内容は、対象回路511bに反映されない。そのため、対象回路511aの検証結果に問題があり対象回路511aを変更し、対象回路511bを作成した場合には、再度、最新の対象回路511aをコピーした対象回路511bを作成し、検証のために必要な回路を追記し直すことにより、検証用回路541aを作成し直す必要があった。このように、比較例1に係る方法では、対象回路511aを修正した場合に、最新の検証用回路541aを得るための処理が煩雑であり、処理を誤る場合がある。
【0029】
また、本例の場合、対象回路511aと対象回路511bとは独立した回路図であるため、対象回路511bにおいて、対象回路511aからコピーした部分を誤って変更してしまうと、対象回路511aとは異なる回路に対し検証を実施してしまう場合がある。
【0030】
[比較例2]
図4Aは、比較例2に係る対象回路511cの構成の一例を示す。図4Bは、比較例2に係る対象回路511dの構成の一例を示す。図4Cは、比較例2に係る検証用回路541bの構成の一例を示す。
【0031】
対象回路511cは、回路ブロック12および回路ブロック13を備える。回路ブロック12および回路ブロック13は、回路部品514として登録されている。回路部品514は、部品として登録されることにより、任意の回路図に呼び出して配置することができる。即ち、回路部品514への修正は、回路部品514を含む全ての回路図に反映される。
【0032】
対象回路511dは、新規の回路図を作成し、そこに対象回路511cで登録した回路部品514をコピーしたものである。即ち、対象回路511dは、対象回路511cと同一の回路を有するが、別ファイルとして管理されている。
【0033】
検証用回路541bは、対象回路511cを検証するために必要な付加回路を、対象回路511dに追記することによって作成される。本例の付加回路は、図2Bで示した付加回路21と同一の回路を有している。
【0034】
本例の回路設計装置は、対象回路511dにおける回路部品514の内容を変更する場合がある。この場合、対象回路511dにおいて、回路部品514を検証する際に、誤って回路部品514の内容を変更してしまうと、単に回路部品514とは異なる回路に対し検証を実施してしまうのみでなく、回路部品514を部品として取り込んでいるすべての回路図を変更してしまう恐れがある。
【0035】
また、本例の回路設計装置は、回路部品514を部品として取り込んでいるすべての回路図を変更してしまう恐れをなくすため、回路部品514を編集不可に設定する場合もある。しかしながら、回路部品514を編集不可に設定すると、回路部品514の変更ができないため、対象回路511dを用いて回路部品514の検証を実施するにあたって、回路部品514の内部の状態を確認する必要があるような検証は実施できなくなり、検証の自由度が制約される。このような検証が必要とされた場合には、対象回路511cにおいて、確認を必要とする部分を、端子として回路設計装置の外部に出力するといった変更を行わなければならず、結果として、回路部品514を部品として取り込んでいるすべての回路図が変更されることとなってしまう。
【0036】
図5は、回路設計装置100の構成の一例を示す。本例の記憶部60は、第1の記憶装置61および第2の記憶装置62を備える。
【0037】
第1の記憶装置61は、対象回路情報を記憶する。本例の第1の記憶装置61は、1つの対象回路情報を記憶する場合について示すが、複数の対象回路情報を記憶してもよい。
【0038】
第2の記憶装置62は、対象回路情報に関連する複数の付加回路情報を記憶する。本例の第2の記憶装置62は、付加回路情報1から付加回路情報nまでのn個の付加回路情報を記憶している。また、第2の記憶装置62の記憶するn個の付加回路情報は、第1の記憶装置61が記憶した対象回路情報に対応している。
【0039】
対象回路設定部10は、第1の記憶装置61に記憶された対象回路情報に応じた対象回路データを設定する。記憶部60が複数の対象回路情報を有する場合、対象回路設定部10は、入力装置30からの入力信号に基づいて、任意の対象回路情報を選択してよい。
【0040】
付加回路設定部20は、対象回路設定部10が設定した対象回路情報に関連する複数の付加回路情報から選択された付加回路情報に対応する付加回路データを設定する。本例の付加回路設定部20は、第2の記憶装置62に記憶されたn個の付加回路情報から任意の付加回路情報を選択する。付加回路設定部20は、入力装置30からの入力信号に基づいて、付加回路情報を選択してよい。なお、付加回路設定部20は、設定した付加回路データに関する付加回路情報が変更された場合に、変更後の付加回路情報に対応する付加回路データを設定してよい。
【0041】
データ出力部40は、対象回路設定部10が設定した対象回路データおよび付加回路設定部20が設定した付加回路データに基づいて、検証用回路データを出力する。本例のデータ出力部40は、1個の対象回路データと、対応するn個の付加回路情報を組み合わせることにより、n個の検証用回路データを出力する。よって、データ出力部40は、対象回路データと関連付けられたn個の検証用回路データを出力できる。
【0042】
本例の回路設計装置100は、記憶部60に記憶された対象回路情報および付加回路情報と、対象回路データおよび検証用回路データとを関連付けることにより、対象回路の設計の管理が容易になる。また、本例の回路設計装置100は、複数の検証用回路データに基づくシミュレーションを速やかに実行できる。
【0043】
[実施例2]
図6Aは、実施例2に係る対象回路11の構成の一例を示す。図6Bは、実施例2に係る付加回路21の構成の一例を示す。図6Cは、実施例2に係る検証用回路41の構成の一例を示す。
【0044】
本例の回路設計装置100は、対象回路11の一部を無効化することにより、対象回路11の一部を付加回路21が有する回路部品に置き換えてシミュレーションする。例えば、データ出力部40は、検証用回路設定モードにおいて、対象回路の少なくとも一部の回路を無効化する。
【0045】
対象回路11は、回路ブロック12と回路ブロック13との間に抵抗素子23cを備える。本例の抵抗素子23cは、無効化の対象となる回路素子である。但し、対象回路11は、抵抗素子と異なる種類の素子を無効化の対象となる回路素子に設定してよい。
【0046】
付加回路21は、抵抗素子23cに対応する位置に無効領域90を有する。付加回路21は、無効領域90と重なる領域の回路を無効化する。これにより、付加回路21により無効化された回路は、検証用回路41において動作しない。
【0047】
無効領域90は、検証用回路41が表示部70に表示される場合であっても、表示されなくなる領域である。一方、無効領域90以外の対象回路11は、検証用回路41が表示部70に表示される場合に表示されてよい。設計者は、無効領域90に回路が存在しないものと認識するので、検証用回路41の状態を直感的に理解することができる。
【0048】
置換回路96は、無効領域90により無効化された抵抗素子23cと置き換えられる回路である。一例において、付加回路設定部20は、無効化の対象となる回路が、置換回路97に置き換えられるように付加回路データを設定する。本例の置換回路96は、無効化の対象となる回路と異なるパラメータを有する。一例において、置換回路96は、抵抗素子23cと異なる抵抗値の抵抗素子を有する。例えば、回路設計装置100は、対象回路11において抵抗素子23cが1kΩである場合に、置換回路96の抵抗値を0.9kΩに設定することにより、検証用回路41において抵抗素子23cを0.9kΩに置き換えたのと同様の状態でシミュレーションできる。このように、本明細書において、パラメータとは、任意の回路素子において、回路素子の特性を示す値を指す。
【0049】
検証用回路41は、抵抗素子23cが無効領域90に対応するため無効にされ、置換回路96が抵抗素子23cに置き換えられて接続された回路である。検証用回路41は、付加回路21に対応する対象回路データを変更することなく、置換回路96のパラメータを変更してシミュレーションできる。
【0050】
本例の回路設計装置100は、対象回路情報を1つ有すればよく、複数の付加回路情報毎にパラメータを変化させればよい。本例の回路設計装置100は、無効領域90を設定し、置換回路96を用いることにより、対象回路11に影響を与えることなく、検証用回路41のパラメータの変更が可能である。これにより、本例の回路設計装置100は、対象回路11の検証の自由度を高められる。
【0051】
[実施例3]
図7Aは、実施例3に係る対象回路11の構成の一例を示す。図7Bは、実施例3に係る付加回路21の構成の一例を示す。図7Cは、実施例3に係る検証用回路41の構成の一例を示す。本例の回路設計装置100は、対象回路11の一部を有効化する。一例において、データ出力部40は、検証用回路設定モードにおいて、対象回路11に含まれる一部の回路を有効化する。
【0052】
対象回路11は、回路ブロック12および回路ブロック13を備える。対象回路11は、回路ブロック12と回路ブロック13との間に抵抗素子23cを有する。データ出力部40は、対象回路11において、破線で囲まれた有効領域95を有効化する。
【0053】
有効領域95は、検証用回路41が表示部70に表示される場合に、有効化されて外部に表示される領域である。一方、有効領域95以外の対象回路11は、検証用回路41が表示部70に表示される場合に表示されない。そのため、有効領域95以外の領域は、回路が存在しないものと認識される。
【0054】
置換回路97は、付加回路21において有効化されていない回路に置き換えられる。一例において、付加回路設定部20は、有効化されていない回路が、置換回路97に置き換えられるように付加回路データを設定する。置換回路97は、有効領域95以外の回路の出力と同等の信号を出力する。本例の置換回路97は、回路ブロック12が出力する信号と同等の信号を出力する。例えば、置換回路97は、回路ブロック12の出力信号に対応する信号として、回路ブロック12の出力信号と同一の信号を出力する。また、置換回路97は、回路ブロック12によって理想的に出力されるべき信号を出力してもよい。
【0055】
検証用回路41は、対象回路11の有効領域95に、付加回路21が付加された回路である。本例の検証用回路41は、回路ブロック12の替わりに置換回路97を有する。例えば、回路ブロック13がアナログ回路であり、回路ブロック12が回路ブロック13を制御するためのデジタル回路である場合、回路ブロック13の制御信号を置換回路97が出力することにより、回路ブロック13が期待される制御信号により正しく動作するかどうかを検証することができる。
【0056】
本明細書に係る回路設計装置100は、対象回路情報を修正すれば、対象回路情報に関連付けられた複数の検証用回路データに対しても修正が反映される。そのため、回路設計装置100は、速やかに検証用回路データに変更を反映できる。よって、回路設計装置100は、非常に高い検証の自由度で対象回路を検証できる。
【0057】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0058】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0059】
10・・・対象回路設定部、11・・・対象回路、12・・・回路ブロック、13・・・回路ブロック、20・・・付加回路設定部、21・・・付加回路、22・・・電圧源、23・・・抵抗素子、24・・・電圧計、25・・・交流電源、30・・・入力装置、40・・・データ出力部、41・・・検証用回路、50・・・モード切替部、60・・・記憶部、61・・・第1の記憶装置、62・・・第2の記憶装置、70・・・表示部、80・・・実行部、90・・・無効領域、95・・・有効領域、96・・・置換回路、97・・・置換回路、100・・・回路設計装置、511・・・対象回路、514・・・回路部品、541・・・検証用回路
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C