(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支軸と前記ラッチ軸とは、それぞれ、導電性材料で形成されて、前記金属フレームを介して導通して前記金属フレームとともに接地されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記金属フレームは、中空の角柱構造体であって、その内部にハーネスと電装部品とのうち少なくとも一方が設置されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
前記開閉カバーは、閉扉状態でその上面に記録媒体が載置されるように形成されて、幅方向中央部に前記他端側から前記一端側に向けて上方に傾斜するように形成された凹部を具備し、
前記金属フレームは、前記凹部が形成されていない幅方向端部の位置に設置されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、
図1及び
図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(中間転写体)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)が並設されている。
【0012】
図2を参照して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電装置4Y(帯電部)、現像装置5Y(現像部)、クリーニング装置2Y(クリーニング部)、除電部、トナー容器60(現像剤容器)等と、が1つのユニットとして画像形成装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に構成されている。そして、感光体ドラム1Yの表面で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。すなわち、プロセスカートリッジ6Yは、1次転写ローラ9Y(1次転写装置)などとともに、作像部を構成している。
【0013】
なお、他の3つのプロセスカートリッジ6M、6C、6K(作像部)も、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Y(作像部)とほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つのプロセスカートリッジ6M、6C、6K(作像部)の説明を適宜に省略して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Y(作像部)のみの説明をおこなうことにする。
【0014】
図2を参照して、感光体ドラム1Y(像担持体)は、モータによって時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Y(帯電ローラ)の位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(
図1を参照できる。)から発せられた露光光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Y(現像装置主部50)との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0016】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング装置2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
なお、上述した作像プロセスは、他のプロセスカートリッジ6M、6C、6K(作像部)でも、イエロー用のプロセスカートリッジ6Y(作像部)と同様におこなわれる。すなわち、作像部の上方に配設された露光装置7から、画像情報に基いた露光光が、各プロセスカートリッジ6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8の表面に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0018】
ここで、中間転写ベルト装置15は、
図1を参照して、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y(
図2を参照できる。)、駆動ローラ、従動ローラ、等で構成される。中間転写ベルト8は、駆動ローラと従動ローラと1次転写ローラとによって張架・支持されるとともに、駆動ローラの回転駆動によって
図1中の矢印方向(反時計方向)に無端移動される。
【0019】
1次転写ローラ9Yは、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Yとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Yに、トナーの極性とは逆の転写電圧(転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写ローラ(9Y)の1次転写ニップを順次通過する。こうして、各感光体ドラム(1Y)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0020】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19(2次転写装置)との対向位置に達する。この位置では、駆動ローラ(2次転写対向ローラ)が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8の表面に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0021】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置16(中間転写クリーニングブレード)の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが、中間転写ベルト8に圧接する中間転写クリーニングブレード(中間転写クリーニング装置16)によって機械的に除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0022】
ここで、
図1を参照して、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28(タイミングローラ対)等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体P(用紙)が複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が
図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0023】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28(タイミングローラ対)が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0024】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置(定着ニップ)に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21(定着部材)及び加圧ローラ22(加圧部材)による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像(トナー像)が記録媒体P上に定着される(定着工程である。)。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、排紙トレイ(スタック部)として機能する開閉カバー110上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0025】
次に、
図2を用いて、画像形成装置における作像部について詳述する。
図2に示すように、着脱ユニットとしてのプロセスカートリッジ6Yは、感光体ドラム1Y(像担持体)、帯電装置4Y(帯電ローラ)、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、トナー容器60(現像剤容器)、等で構成される。
像担持体としての感光体ドラム1Yは、負帯電の有機感光体であって、装置本体100側に設置されたモータから駆動力を受けて
図2の時計方向に回転駆動される。
【0026】
帯電装置4Y(帯電ローラ)は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層を形成した弾性を有するローラ部材である。帯電装置4Y(帯電ローラ)の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。
クリーニング装置2Yは、感光体ドラム1Yに摺接するクリーニングブレード2aが設置されていて、感光体ドラム1Y上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。クリーニングブレード2aは、ウレタンゴム等の弾性材料で形成された略板状部材であって、感光体ドラム1Yに対して所定の当接圧及び当接角で当接している。
【0027】
現像装置5Yは、現像剤担持体としての現像ローラ51が感光体ドラム1Yに対して微小ギャップをあけて対向するように配置されていて、双方の部材1Y、51の間(対向位置)には現像領域が形成される。現像装置5Y内には、現像剤としてのトナー(非磁性又は磁性の1成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置5Yは、感光体ドラム1Y上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
【0028】
図2を参照して、現像装置5Yは、非接触1成分現像方式の現像装置であって、主として、感光体ドラム1Y上に形成される静電潜像を現像する現像装置主部50と、現像装置主部50に補給するためのトナー(1成分現像剤)が収容された現像剤容器としてのトナー容器60と、で構成されている。
現像装置5Yは、プロセスカートリッジ6Yとして他の作像部材1Y、2Y、4Yとともに装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に設置される。そして、開閉カバー110(
図1を参照できる。)を支軸112(回動中心)を中心に回動させて開扉(開放)した状態で、着脱ユニットとしてのプロセスカートリッジ6Yの着脱作業(交換作業)をおこなうことになる。
ここで、本実施の形態において、開閉カバー110には露光装置7が設置されていて、支軸112を中心にして開閉カバー110を回動させることによって、露光装置7も開閉カバー110とともに回動することになる。これにより、開閉カバー110が開扉状態にあるときに、露光装置7に遮られることなく、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)が露呈することになる。
【0029】
なお、本実施の形態では、トナー容器60がプロセスカートリッジ6Yの構成部材として現像装置主部50とともに、装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に設置されるように構成したが、現像装置主部50(プロセスカートリッジ6Y)からトナー容器60を分離してトナー容器60のみを着脱(交換)したり、トナー容器60が装着された状態の現像装置主部50(プロセスカートリッジ6Y)を着脱(交換)したりできるように構成することもできる。
【0030】
図2を参照して、現像装置主部50は、現像剤担持体としての現像ローラ51、現像剤供給部材としての供給ローラ53、現像剤規制部材としてのドクターブレード52、複数の搬送部材としての搬送スクリュ54、55、第1搬送スクリュ54による第1搬送経路B1と第2搬送スクリュ55による第2搬送経路B2とを隔絶する仕切部材56、トナー容器60からトナーが補給される主部側補給口57、等で構成されている。
【0031】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
まず、トナー容器60から補給口57、63を介して第2搬送経路B2内に補給されたトナーは、現像装置主部50内を循環するトナーとともに、第2搬送スクリュ55によって撹拌・混合されながら、第1搬送経路B1に供給される。そして、第1搬送経路B1に搬送されたトナーは、第1搬送スクリュ54に搬送されながら、その一部が供給ローラ53に供給され担持される。供給ローラ53に担持されたトナーは、現像ローラ51との圧接部(当接位置)で摩擦帯電された後に、現像ローラ51上に移動して担持される。その後、現像ローラ51上に担持されたトナーは、ドクターブレード52との当接位置で、薄層化・均一化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域)に達する。そして、この位置で、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0032】
以下、本実施の形態における画像形成装置100において、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に
図1及び
図2を用いて説明したように、本実施の形態における画像形成装置100には、着脱ユニットとしてのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが画像形成装置本体100に対して着脱可能に設置されている。詳しくは、
図1、
図4等を参照して、X方向(幅方向となるY方向に直交する方向である。)の一端側と他端側との間に、複数のプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)が並設されている。
【0033】
さらに、本実施の形態における画像形成装置100には、開扉時に画像形成装置本体100の内部に設置されたプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)が露呈されるように幅方向(図のY方向である。)に延在する支軸112を中心に回動して、開閉可能に形成された開閉カバー110が設けられている。
具体的に、
図4(及び、
図1、
図3)に示すように、通常時は開閉カバー110が閉じた状態(閉扉状態であって、装置本体100の内部が露呈していない状態である。)で、先に説明した画像形成プロセスがおこなわれる。そして、
図5に示すように、開閉カバー110を支軸112を中心に回動させて開いた状態(開扉状態であって、装置本体100の内部が上方に露呈している状態である。)にして、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの交換作業などをおこなって、再び開閉カバー110を閉扉状態(閉鎖状態)に戻すことになる。
【0034】
このように、画像形成装置本体100はそれほど高さ方向の寸法が大きなものではなくて、開閉カバー110は、画像形成装置本体100の内部を上方に向けて露呈させるものであるため、ユーザー(作業者)は、自身の手元を上方から確認しながらプロセスカートリッジ6Yの交換ユニットの交換作業をスムーズにおこなうことができる。
【0035】
なお、本実施の形態における開閉カバー110は、
図1、
図3、
図4に示すように、閉扉状態でその上面に記録媒体Pが載置される排紙トレイ(スタック部)としても機能する。
詳しくは、開閉カバー110は、幅方向中央部(Y方向の中央部である。)に、X方向の他端側(
図4の右方である。)から一端側(
図4の左方である。)に向けて上方に傾斜するように形成された凹部111aが設けられている。この傾斜した凹部111aは、閉扉状態でその上面に記録媒体Pが載置されるように形成されている。そして、凹部111a(開閉カバー110)の上面に、画像形成装置本体100において画像が形成された後の記録媒体Pが排出されて載置されることになる。
【0036】
そして、ユーザーは、開閉カバー110の凹部111aに載置された記録媒体Pを、上方から掴んで取り出すことになる。そのとき、凹部111aの側部に形成された壁部が邪魔にならないように、その壁部の一部が低くなるように側端凹部111bが形成されているため、凹部111aに載置された記録媒体Pを比較的容易に取り出すことができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置本体100(開閉カバー110)の上方の空間を画像形成後の記録媒体Pを積載する排紙スペースとして利用することで、画像形成装置本体100の側方の空間を排紙スペースとして利用する場合に比べて、画像形成装置の設置面積(上方からみた装置の投影面積である。)を小さくすることができる。
【0037】
ここで、本実施の形態において、開閉カバー110には、上述した凹部111aや側端凹部111bなどが形成された樹脂材料からなるカバー本体111とは別に、ラッチレバー113や金属フレーム114(補強部材)が設置されている。
【0038】
図3〜
図5を参照して、ラッチレバー113は、
図4に示すように閉扉時には画像形成装置本体100に設置された嵌合部130に嵌合して、
図5に示すように開扉時には嵌合部130との嵌合が解除されるように、幅方向(Y方向)に延在するラッチ軸113aを中心にして回動可能に形成されている。ラッチレバー113は、開閉カバー110において支軸112が設置されたX方向の一端側の反対側となる他端側に、ラッチ軸113aとともに設置されている。ラッチレバー113は、片側の端部に嵌合部130に嵌合する被嵌合部113cが形成されていて、反対側の端部に凹部111aに露呈する把持部113bが形成されている。また、ラッチレバー113には、ラッチレバー113をラッチ軸113aを中心にして
図4の反時計方向に回動させるように付勢するスプリングが接続されている。
【0039】
そして、通常時には、スプリングの付勢力によって、ラッチレバー113の被嵌合部113cが装置本体100の嵌合部130に嵌合した状態が維持されて、開閉カバー110の閉扉状態が維持されることになる。これに対して、開閉カバー110を開扉するときには、ユーザーは、把持部113bを把持した状態で
図4の破線矢印方向にラッチレバー113をラッチ軸113aを中心にして回動させて、
図5に示すように、被嵌合部113cと嵌合部130との嵌合を解除して開閉カバー110を一点鎖線矢印方向に回動することになる。
【0040】
図4、
図6等を参照して、金属フレーム114は、略コの字状に形成された板金部材であって、開閉カバー110における幅方向端部(
図6の右方である。)に相当する位置において支軸112とラッチ軸113aとに懸架されるように設置されている。また、金属フレーム114には、閉扉時において、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)を画像形成装置本体100への装着方向(下方である。)に付勢する付勢部材としての圧縮スプリング115が、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kにそれぞれ対応するように設けられている。
このように、閉扉時において、開閉カバー110に設置した圧縮スプリング115(付勢部材)によって、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kを付勢してやることで、中間転写ベルト装置15に対してプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが上方に浮いてしまって、1次転写不良など、正常な画像形成プロセスがおこなわれなくなってしまう不具合を防止することができる。
【0041】
このように、本実施の形態では、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kを付勢する圧縮スプリング115が、樹脂材料からなる開閉カバー110のカバー本体111に直接的に設置されているのではなく、開閉カバー110に保持された金属フレーム114に直接的に設置されているため、圧縮スプリング115の付勢力の反力によって開閉カバー110(カバー本体111)に撓みが生じる不具合が生じにくくなる。すなわち、開閉カバー110の強度が高められることになる。そして、このように開閉カバー110の強度を高めるための金属フレーム114は、開閉カバー110の底部の全域にわたって設置されているのではなく、必要最小限の狭い範囲に設置されているため、開閉カバー110がそれほど重量化してしまうことなく、開閉カバー110を開閉するときの操作性が低下してしまう不具合や、開閉カバー110が重量によって変形してしまう不具合、などが生じてしまうことはない。
【0042】
ここで、本実施の形態では、
図6等を参照して、支軸112とラッチ軸113aとが、それぞれ、金属材料などの導電性材料で形成されていて、金属フレーム114を介して電気的に導通して金属フレーム114とともに接地(アース)されるように構成されている。
詳しくは、支軸112は、装置本体100に形成された穴部(軸受部)に挿入されるように(又は、装置本体100との間にヒンジ機構を構成するように)、開閉カバー110に保持されている。これに対して、ラッチ軸113aは、開閉カバー110の開閉動作をおこなっても装置本体100に干渉しないように、開閉カバー110に保持されている。そして、支軸112は、上述した穴部の位置で、装置本体100に設置されたアース経路131に接続されることで、開閉カバー110における金属材料のすべて(支軸112、金属フレーム114、ラッチ軸113aである。)が接地されることになる。
このように構成することで、装置本体100に対して開閉される開閉カバー110を、閉扉状態でるか開扉状態であるかに関わらず、装置本体100と同じように、接地することができるため、開閉カバー110に静電気が蓄積されることによる不具合を防止することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、
図4、
図6等を参照して、金属フレーム114が、開閉カバー110の主部(カバー本体111である。)に対して接触しないように隙間をあけて設置されている。
このように構成することで、圧縮スプリング115の付勢力の反力などによって金属フレーム114が変形してしまっても、その変形の影響がカバー本体111に及びにくくなる。すなわち、開閉カバー110(カバー本体111)に撓みが生じる不具合がさらに生じにくくなる。
【0044】
また、本実施の形態では、
図6等を参照して、金属フレーム114が、凹部111aが形成されていない幅方向端部の位置に設置されている。
このように構成することで、金属フレーム114を設置することによって開閉カバー110が上下方向に大型化してしまう不具合を防止することができる。
なお、本実施の形態では、金属フレーム114が、幅方向端部の位置において、側端凹部111b(
図3を参照できる。)に干渉しないように、その内側に設置されている。
【0045】
<変形例1>
図7は、変形例1を示す図であって、開閉カバー110が開閉される状態を示す図である。
図7に示すように、変形例1では、金属フレーム114に、X方向の一端側から他端側に向けて延在するようにレール溝部114aが形成されている。また、一方の端部(回転軸116a)が画像形成装置本体100に回動可能に保持されて、他方の端部(破線で囲んだ部分である。)がレール溝部114aに嵌合するアーム116が設けられている。
【0046】
そして、開扉時(
図7(A)に示す閉扉状態から
図7(B)に示す開扉状態に変化するときである。)に、アーム116が、他方の端部(破線で囲んだ部分である。)がレール溝部114aに沿って移動しながら回転軸116a(一方の端部)を中心に回動して、
図7(B)に示すようにレール溝部114aの終端に当接することで、開閉カバー110の開扉時の回動位置が規制されることになる。すなわち、開閉カバー110は、
図7(B)に示すように、アーム116の他方の端部と、レール溝部114aの終端と、が当接する位置を超えて回動しないことになる。
このように構成することで、開閉カバー110が無制限に開扉されてしまって開閉カバー110が破損する不具合を防止することができる。
【0047】
また、変形例1では、
図7に示すように、レール溝部114aの始端114a1と、アーム116における他方の端部(破線で囲んだ部分である。)と、の間に弾性部材としての圧縮スプリング117が設置されている。
このように設置された圧縮スプリング117(弾性部材)は、開閉カバー110を開扉方向(
図7(B)の一点鎖線矢印方向である。)に付勢する部材として機能することになる。
このように構成することで、開扉状態にある開閉カバー110が閉扉方向に勢いよく倒れてしまう不具合を軽減することができる。
【0048】
<変形例2>
図8は、変形例2を示す図であって、金属フレーム114を示す概略斜視図である。
図8に示すように、変形例2では、金属フレーム114が、コの字状の柱構造体ではなくて、中空の角柱構造体で形成されている。そして、その金属フレーム114の内部には、ハーネス119やICチップ118などの電装部品が設置されている。
このように構成することで、開閉カバー110にハーネスや電装部品を配置する場合であっても、それらが剛体で囲まれることになるため、開閉カバー110の開閉動作をおこなっても、それらの部品の破損を防止することができる。さらに、ハーネスや電装部品は、接地された金属フレーム114の内部に設置されることになるため、これらの部品が電気的な誤動作するような不具合も生じにくくなる。
【0049】
<変形例3>
図9は、変形例3を示す図であって、
図9(A)は本実施の形態における
図3に対応する図であって、
図9(B)は本実施の形態における
図6に対応する図である。
図9(B)に示すように、変形例3では、金属フレーム114が、幅方向両端部にそれぞれ設置されている。このような構成は、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)を幅方向(Y方向)の両端部で加圧する構成とする場合に有効であって、幅方向両端部に設置される圧縮スプリング115にそれぞれ対応するように金属フレーム114が設置されることになる。このような場合にも、2つの金属フレーム114をそれぞれ本実施の形態のものとほぼ同様に構成することで、本実施の形態のものと同様に、開閉カバー110がそれほど重量化されることなく、開閉カバー110を開閉するときの操作性が低下してしまう不具合や、開閉カバー110が変形してしまう不具合、などが生じることなく、開閉カバー110の強度を高めることができる。
【0050】
なお、変形例3では、
図9(A)に示すように、右利きのユーザーに対しても、左利きのユーザーに対しても、凹部111aに載置された記録媒体P(用紙)の取り出し性を同等に向上させるために、カバー本体111の幅方向両端部にそれぞれ側端凹部111bを形成している。
そして、変形例3では、2つの金属フレーム114が、それぞれ幅方向端部の位置において、側端凹部111bに干渉しないように、その内側に設置されている。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置100は、開閉カバー110に、回動中心となる支軸112が設置された一端側の反対側となる他端側に、ラッチレバー113がラッチ軸113aを中心に回動可能に設置されている。そして、開閉カバー110における幅方向端部に相当する位置において支軸112とラッチ軸113aとに懸架されるように金属フレーム114が設置されていて、その金属フレーム114にはプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(着脱ユニット)を装着方向に付勢する圧縮スプリング115(付勢部材)が設置されている。
これにより、開閉カバー110がそれほど重量化されることなく、開閉カバー110を開閉するときの操作性が低下してしまう不具合や、開閉カバー110が変形してしまう不具合、などが生じることなく、開閉カバー110の強度を高めることができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、カラーの画像形成装置100に対して本発明を適用したが、モノクロの画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置100に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、オフセット印刷機などである。)に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、画像形成後の記録媒体Pが排出・積載される開閉カバー110に対して本発明を適用した。これに対して、原稿を自動搬送して原稿情報を読み取った後に排紙トレイ(原稿排紙トレイ)に排出する原稿自動搬送装置が設置された複写機などにおいて、その排紙トレイが開閉カバーとして機能している場合にも、その開閉カバーに対して当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、開閉カバー110に設置された付勢部材によって付勢される着脱ユニットとしてプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが設置された画像形成装置100に対して、本発明を適用した。しかし、開閉カバーに設置された付勢部材によって付勢される着脱ユニットは、これに限定されることなく、例えば、開閉カバーに設置された付勢部材によって付勢される着脱ユニットとして、トナー容器のみが付勢されるように構成された画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。