特許第6620714号(P6620714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6620714
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】フィルム材料及びパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/023 20190101AFI20191209BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20191209BHJP
   C08L 83/14 20060101ALI20191209BHJP
   C08K 5/16 20060101ALI20191209BHJP
   C08G 77/52 20060101ALI20191209BHJP
   G03F 7/038 20060101ALI20191209BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20191209BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   B32B7/023
   B32B27/00 101
   C08L83/14
   C08K5/16
   C08G77/52
   G03F7/038 601
   G03F7/038
   G03F7/004 501
   G03F7/20 521
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-202294(P2016-202294)
(22)【出願日】2016年10月14日
(65)【公開番号】特開2018-62140(P2018-62140A)
(43)【公開日】2018年4月19日
【審査請求日】2018年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】特許業務法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淺井 聡
(72)【発明者】
【氏名】曽我 恭子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英人
【審査官】 市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−071355(JP,A)
【文献】 特開2014−006507(JP,A)
【文献】 特開2015−172759(JP,A)
【文献】 特開2008−003569(JP,A)
【文献】 特開2014−056194(JP,A)
【文献】 特表2015−529853(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0258315(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00−43/00
C08G77/00−77/62
C08K3/00−13/08
C08L1/00−101/14
G03C3/00
G03F7/004−7/04
7/06
7/075−7/115
7/16−7/24
9/00−9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長300〜450nmの光透過率が60%以上である支持フィルムと、その片方の面上に分子量10,000以下の塩基性化合物を0.001〜10質量%含む膜厚1〜100μmの樹脂層とを備え、前記樹脂層を化学増幅ネガ型レジスト層上に形成するためのフィルム材料。
【請求項2】
前記樹脂層に含まれる樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれる樹脂である請求項1記載のフィルム材料。
【請求項3】
前記樹脂層に含まれる樹脂が、重量平均分子量3,000〜500,000のシロキサン骨格含有樹脂である請求項2記載のフィルム材料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のフィルム材料の樹脂層と、ウエハ上に形成された化学増幅ネガ型レジスト層とを貼り合わせる工程、
前記レジスト層を露光する工程、
露光したレジスト層に加熱処理をする工程、及び
加熱処理されたレジスト層を現像処理する工程
を含むパターン形成方法。
【請求項5】
前記露光工程において用いる露光光が、波長190〜500nmの光である請求項4記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記化学増幅ネガ型レジスト層が、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有樹脂を含むものである請求項4又は5記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記化学増幅ネガ型レジスト層が、
(A)下記式(1)で表される、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有高分子化合物、
【化1】
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。mは、1〜100の整数である。a、b、c及びdは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1、0<a+b≦1、及びa+b+c+d=1を満たす数である。Xは、下記式(2)で表される2価の有機基である。Yは、下記式(3)で表される2価の有機基である。
【化2】
(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、単結合、又は
【化3】
から選ばれる2価の有機基である。また、R5〜R8は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。k及びhは、それぞれ独立に、0、1又は2である。)]
(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、
(C)波長190〜500nmの光によって分解し、酸を発生する光酸発生剤、及び
(D)ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合体、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を含むフェノール化合物、及び多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物から選ばれる1種又は2種以上の架橋剤
を含むものである請求項4又は5記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記化学増幅ネガ型レジスト層が、
(A)下記式(1)で表される、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有高分子化合物、
【化4】
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。mは、1〜100の整数である。a、b、c及びdは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1、0<a+b≦1、及びa+b+c+d=1を満たす数である。Xは、下記式(2)で表される2価の有機基である。Yは、下記式(3)で表される2価の有機基である。
【化5】
(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、単結合、又は
【化6】
から選ばれる2価の有機基である。また、R5〜R8は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。k及びhは、それぞれ独立に、0、1又は2である。)]
(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、
(C)波長190〜500nmの光によって分解し、酸を発生する光酸発生剤、
(D)ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合体、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を含むフェノール化合物、及び多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物から選ばれる1種又は2種以上の架橋剤、及び
(E)溶剤
を含む組成物を用いて形成されるものである請求項4又は5記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム材料及びパターン形成方法に関し、詳しくは、塩基性化合物を含むフィルム材料、及びこれを用いたネガ型レジストパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等様々な電子機器の小型化や高性能化に伴い、半導体素子においても更なる小型化、薄型化及び高密度化への要求が急速に高まっている。このため、生産性向上における基板面積の増大に対応でき、かつ、チップサイズパッケージあるいはチップスケールパッケージ(CSP)又は三次元積層といった高密度実装技術において、基板上に微細でアスペクト比の高い凹凸を持つような構造体に対応できる感光性絶縁材料の開発が望まれている。
【0003】
更に、近年、チップサイズパッケージ若しくはチップスケールパッケージ(CSP)又は三次元積層といった高密度実装技術において、基板上に微細でアスペクト比の高いパターンを形成し、得られたパターンへ銅等の金属を積層することでチップから再配線を施す技術が盛んである。チップの高密度化、高集積化に伴い、再配線技術におけるパターン線幅や基板間を接続するためのコンタクトホールサイズの微細化要求は極めて強い。微細なパターンを得る方法としてはリソグラフィー技術が一般的であって、中でも化学増幅ネガ型レジスト材料が微細なパターンを得ることに相応しい。また、再配線に用いられるパターンは、永久にデバイスチップ、チップ間に存在し、硬化する特徴を有しながら、可撓性、耐熱性、電気特性、密着性、信頼性及び薬品耐性に優れる電気・電子部品保護用皮膜として働く必要があるため、パターンを得るレジスト材料はネガ型が相応しいとされる。
【0004】
したがって、微細な再配線を加工可能なパターン形成材料であって、可撓性、耐熱性、電気特性、密着性、信頼性及び薬品耐性に優れる電気・電子部品保護用皮膜の形成には、化学増幅ネガ型レジスト材料を好適に使用することができる。
【0005】
一方、近年用いられるネガ型レジスト材料には、微細な再配線を加工するために開口部形状が制御された材料開発が求められている。膜厚が厚くなるにつれパターン形成時の露光量が大きくなるため、露光表層での光酸発生剤の酸発生効率が露光底部と比べて相対的に大きくなり、パターン表層部にある開口部形状がTトップ形状になりやすい。Tトップ形状が存在すると、その後の再配線処理工程による被膜形成時の欠陥や種々の環境負荷試験において、パターンのクラック発生等の不良原因となる。Tトップ形状になる原因として、化学増幅ネガ型レジスト材料を用いた場合は、露光によって発生した酸による架橋によりパターンが形成されることが挙げられる。よって、パターン形成時に塩基性成分が表層に適量存在すればこの問題を解決することが可能であるが、組成物中に塩基化合物を共存させても表層に偏在させることができないため解決が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−094115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、化学増幅ネガ型レジスト材料を用いた場合でも開口部形状に優れたパターン形成を可能にするフィルム材料、及び該フィルム材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、パターン形成面に塩基性化合物分を含む薄膜を形成することによって、パターン形成時の表層に効果的に塩基成分を添加することができ、開口部の形状を大幅に改善することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
したがって、本発明は、下記フィルム材料及びパターン形成方法を提供する。
1.波長300〜450nmの光透過率が60%以上である支持フィルムと、その片方の面上に分子量10,000以下の塩基性化合物を0.001〜10質量%含む膜厚1〜100μmの樹脂層とを備え、前記樹脂層を化学増幅ネガ型レジスト層上に形成するためのフィルム材料。
2.前記樹脂層に含まれる樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれる樹脂である1のフィルム材料。
3.前記樹脂層に含まれる樹脂が、重量平均分子量3,000〜500,000のシロキサン骨格含有樹脂である2のフィルム材料。
4.1〜3のいずれかのフィルム材料の樹脂層と、ウエハ上に形成された化学増幅ネガ型レジスト層とを貼り合わせる工程、
前記レジスト層を露光する工程、
露光したレジスト層に加熱処理をする工程、及び
加熱処理されたレジスト層を現像処理する工程
を含むパターン形成方法。
5.前記露光工程において用いる露光光が、波長190〜500nmの光である4のパターン形成方法。
6.前記化学増幅ネガ型レジスト層が、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有樹脂を含むものである4又は5のパターン形成方法。
7.前記化学増幅ネガ型レジスト層が、
(A)下記式(1)で表される、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有高分子化合物、
【化1】
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。mは、1〜100の整数である。a、b、c及びdは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1、0<a+b≦1、及びa+b+c+d=1を満たす数である。Xは、下記式(2)で表される2価の有機基である。Yは、下記式(3)で表される2価の有機基である。
【化2】
(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、単結合、又は
【化3】
から選ばれる2価の有機基である。また、R5〜R8は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。k及びhは、それぞれ独立に、0、1又は2である。)]
(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、
(C)波長190〜500nmの光によって分解し、酸を発生する光酸発生剤、及び
(D)ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合体、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を含むフェノール化合物、及び多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物から選ばれる1種又は2種以上の架橋剤
を含むものである4又は5のパターン形成方法。
8.前記化学増幅ネガ型レジスト層が、
(A)下記式(1)で表される、重量平均分子量が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有高分子化合物、
【化4】
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。mは、1〜100の整数である。a、b、c及びdは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1、0<a+b≦1、及びa+b+c+d=1を満たす数である。Xは、下記式(2)で表される2価の有機基である。Yは、下記式(3)で表される2価の有機基である。
【化5】
(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、単結合、又は
【化6】
から選ばれる2価の有機基である。また、R5〜R8は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。k及びhは、それぞれ独立に、0、1又は2である。)]
(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、
(C)波長190〜500nmの光によって分解し、酸を発生する光酸発生剤、
(D)ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合体、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を含むフェノール化合物、及び多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物から選ばれる1種又は2種以上の架橋剤、及び
(E)溶剤
を含む組成物を用いて形成されるものである4又は5のパターン形成方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフィルム材料を用いることによって、化学増幅ネガ型レジスト材料の開口部のパターン形状をTトップから矩形形状へ、大幅に改善することができる。すなわち、本発明によれば、化学増幅ネガ型レジスト材料の開口部のパターン形状に優れたパターン形成方法を提供でき、幅広い波長領域において微細なパターンの形成が可能で、かつチップの高密度化、高集積化に伴う再配線技術におけるパターンの微細化が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[フィルム材料]
本発明のフィルム材料は、波長300〜450nmの光透過率が60%以上である支持フィルムと、その片方の面上に分子量10,000以下の塩基性化合物を0.001〜10質量%含む膜厚1〜100μmの樹脂層とを備えるものである。
【0012】
分子量10,000以下の塩基性化合物としては、第1級、第2級又は第3級脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。前記塩基性化合物の分子量の下限は、15が好ましく、100がより好ましい。また、その上限は、2,000が好ましく、1,500がより好ましい。
【0013】
第1級脂肪族アミン類としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
【0014】
第2級脂肪族アミン類としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
【0015】
第3級脂肪族アミン類としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリエタノールアミン、tert−ブチルジエタノールアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
【0016】
混成アミン類としては、ジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
【0017】
芳香族アミン類及び複素環アミン類としては、アニリン誘導体(例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えば、ピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えば、オキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えば、チアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えば、ピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えば、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えば、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えば、キノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が挙げられる。
【0018】
カルボキシル基を有する含窒素化合物としては、アミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えば、ニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン等)等が挙げられる。
【0019】
スルホニル基を有する含窒素化合物としては、3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が挙げられる。
【0020】
ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物及びアルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2'−イミノジエタノール、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が挙げられる。
【0021】
アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が挙げられる。
【0022】
イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が挙げられる。
【0023】
また、下記式(5)で表される塩基性化合物も、好ましく使用することができる。
【化7】
【0024】
式(5)中、pは、1、2又は3である。R11は、下記式(6)〜(8)で表される置換基から選ばれるいずれかの置換基である。R12は、水素原子、又は直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基を表し、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでもよい。また、R11が2以上存在する場合は、2つのR11が、互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。R11が2以上存在する場合は、これらは同一でも異なっていてもよい。R12が2以上存在する場合は、これらは同一でも異なっていてもよい。
【化8】
【0025】
式(6)〜(8)中、R101、R103及びR106は、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルキレン基である。R102及びR105は、それぞれ独立に、水素原子、又は直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。R104は、単結合、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルキレン基である。R107は、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0026】
式(5)で表される化合物としては、トリス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミン、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン、トリス[2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル]アミン、トリス[2−(1−メトキシエトキシ)エチル]アミン、トリス[2−(1−エトキシエトキシ)エチル]アミン、トリス[2−(1−エトキシプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、及びβ−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
前記塩基性化合物の含有量は、感度の観点から、樹脂層中0.001〜10質量%であり、0.003〜5質量%が好ましい。塩基性化合物の含有量が多すぎると、下層に形成された化学増幅ネガ型レジスト層の解像性が悪くなり、露光部表面のパターン劣化が起こることがある。前記塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
また、前記塩基性化合物含有樹脂層に含まれる樹脂としては、前記塩基性化合物と相溶できるものであれば特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましい。中でも、シリコーン樹脂が好ましく、特に後述する化学増幅ネガ型レジスト層に用いられる式(1)で表されるシロキサン骨格含有高分子化合物が好ましい。
【0029】
なお、前記塩基性化合物含有樹脂層の膜厚は100μm以下であり、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは5〜50μmであり、更に好ましくは10〜30μmである。100μmを超えると、レジスト層のパターン形成が困難になることがある。
【0030】
前記支持フィルムは、単一層からなるものであっても、複数のフィルムを積層した多層からなるものであってもよいが、波長300〜450nmの光透過率が60%以上である必要がある。支持フィルムの光透過率が60%未満であると、レジスト層の感度が著しく悪くなりパターン形成が困難になるので好ましくない。
【0031】
前記支持フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。これらのうち、透過率、適度の可撓性、機械的強度及び耐熱性を有するポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、これらのフィルムについては、コロナ処理や剥離剤塗布等の各種処理が行われたものでもよい。これらは市販品を使用することができ、例えば、セラピールWZ(RX)、セラピールBX8(R)(以上、東レフィルム加工(株)製)、E7302、E7304(以上、東洋紡(株)製)、ピューレックスG31、ピューレックスG71T1(以上、帝人デュポンフィルム(株)製)、PET38×1-A3、PET38×1-V8、PET38×1-X08(以上、ニッパ(株)製)等が挙げられる。
【0032】
本発明のフィルム材料は、更に、前記塩基性化合物含有樹脂層上に保護フィルムを備えていてもよい。前記保護フィルムは、前述した支持フィルムと同様のものを用いることができるが、適度の可撓性を有するポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンが好ましい。これらは市販品を使用することができ、ポリエチレンテレフタレートとしてはすでに例示したもの、ポリエチレンとしては、例えば、GF-8(タマポリ(株)製)、PEフィルム0タイプ(ニッパ(株)製)が挙げられる。
【0033】
本発明のフィルム材料の膜厚は、5〜150μmであり、10〜100μmであることが好ましい。
【0034】
本発明のフィルム材料は、前記塩基性化合物及び樹脂を含む塩基性化合物含有樹脂組成物を支持フィルムの片面に塗布し、皮膜形成することで製造することができる。
【0035】
前記塩基性化合物含有樹脂組成物は、有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては、公知の溶剤で構わないが、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。有機溶剤の含有量は、塩基性化合物及び樹脂の合計100質量部に対し、10〜1,000質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましい。なお、前記塩基性化合物含有樹脂組成物をフィルム化したときには、フィルム中の有機溶剤の含有量は、塩基性化合物及び樹脂の合計に対し、0〜30質量部が好ましく、0〜15質量部がより好ましい。
【0036】
支持フィルムをフィルムコーターの巻出軸から巻き出し、フィルムコーターのコーターヘッドを通過させるとき、支持フィルム上に前記塩基性化合物含有樹脂組成物を所定の厚みで塗布して、所定の温度と所定の時間で熱風循環オーブンを通過させ、前記支持フィルム上で乾燥させた前記樹脂層をフィルムコーターの別の巻出軸から巻き出された保護フィルムと共に、所定の圧力でラミネートロールを通過させて支持フィルム上の前記樹脂層と貼り合わせた後、フィルムコーターの巻取軸に巻き取ることによってフィルム化され製造される。この場合、熱風循環オーブンの温度としては25〜150℃が好ましく、通過時間としては1〜100分間が好ましく、ラミネートロールの圧力としては0.01〜5MPaが好ましい。
【0037】
前記フィルムコ−ターとしては、一般的に粘着剤製品を製造するためのフィルムコーターが使用できる。前記フィルムコーターとしては、例えば、コンマコーター、コンマリバースコーター、マルチコーター、ダイコーター、リップコーター、リップリバースコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、3本ボトムリバースコーター、4本ボトムリバースコーター等が挙げられる。
【0038】
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、前記フィルム材料の樹脂層と、ウエハ上に形成されたネガ型レジスト層とを貼り合わせる工程、前記レジスト層を露光する工程、前記露光したレジスト層に加熱処理をする工程、及び前記加熱処理されたレジスト層を現像処理する工程を含むものである。
【0039】
フィルム材料を貼り合わせるための装置としては、真空ラミネーターが好ましい。前記フィルム材料をフィルム貼り付け装置に取り付け、前記フィルム材料の保護フィルムを剥離し露出した塩基性化合物含有樹脂層を、所定の真空度の真空チャンバー内において、所定の圧力の貼り付けロールを用いて、所定の温度のテーブル上で、基板上に形成した化学増幅ネガ型レジスト層に密着させる。なお、テーブルの温度としては60〜120℃が好ましく、貼り付けロールの圧力としては0〜5.0MPaが好ましく、真空チャンバーの真空度としては50〜500Paが好ましい。このように真空ラミネートを行うことで、前記フィルム材料と化学増幅ネガ型レジスト層との間に空隙を発生させることがないため、好ましい。
【0040】
また、フィルム材料は、パターンに合わせて位置合わせすることで密着させればよいが、基板と同じ面積又は基板全体を覆う構成としても構わない。
【0041】
なお、本発明では、更に支持フィルムを剥離しても、そのまま支持フィルムを形成したまま、補正フィルムとして使用しても構わない。
【0042】
次に、前記化学増幅ネガ型レジスト層上に塩基性化合物含有樹脂層が形成された基板に対し、マスクを介したリソグラフィーによってパターニングを行う。このパターニングでは、露光し、露光後加熱処理(ポストエクスポージャーベーク:PEB)を行い、現像し、更に、必要に応じて後硬化してパターンを形成する。すなわち、公知のリソグラフィー技術を用いてパターンの形成を行うことができる。
【0043】
また、塩基性化合物を含むフィルム材料をラミネートする前に、化学増幅ネガ型レジスト層の光硬化反応を効率的に行うため、又は密着した化学増幅ネガ型レジスト層の平坦性を向上させるため、必要に応じて予備加熱(プリベーク)を行ってもよい。プリベークは、例えば40〜140℃で1分間〜1時間程度行うことができる。
【0044】
次いで、フォトマスクを介して波長190〜500nmの光で露光し、硬化させる。フォトマスクは、例えば所望のパターンをくり貫いたものであってもよい。なお、フォトマスクの材質は、波長190〜500nmの光を遮蔽するものが好ましく、例えばクロム等が好適に用いられるが、これに限定されない。
【0045】
波長190〜500nmの光としては、放射線発生装置により発生させた種々の波長の光、例えば、g線、i線等の紫外線、遠紫外線(248nm、193nm)等が挙げられる。そして、波長は、好ましくは300〜450nmである。露光量は、10〜3,000mJ/cm2が好ましい。このように露光することで、露光部分が架橋して後述の現像液に不溶なパターンが形成される。
【0046】
更に、現像感度を高めるために、PEBを行う。PEBは、例えば40〜140℃で0.5〜10分間とすることができる。
【0047】
その後、現像液にて現像する。好ましい現像液としては、一般的に現像液として知られている溶剤でよく、2−プロパノール(IPA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等の有機溶剤が挙げられる。しかし、有機溶剤現像は現像後の廃液の処理、環境に対する負荷等を考慮した場合、好ましくないと考える向きがあり、有機溶剤現像液は高価であることから、リソグラフィーパターニングにおいて安価でかつ汎用的に用いられるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ水溶液を用いることも可能である。本発明のパターン形成方法では、現像液としては有機溶剤が好ましく用いられる。この際にパターン形状を補正するための本発明のフィルム層は硬化しないため、除去される。
【0048】
現像は、通常の方法、例えばパターンが形成された基板を現像液に浸漬すること等により行うことができる。その後、必要に応じて、洗浄、リンス、乾燥等を行い、所望のパターンを有する化学増幅ネガ型レジスト層が得られる。
【0049】
半導体素子の小型化・薄型化・多層化が進み、層間絶縁層は薄くなる傾向にあるが、凹凸のある基板上での平坦性と段差被覆性を考慮すると、レジスト層の膜厚は、その平坦性及び段差被覆性の観点から、10〜100μmが好ましく、10〜70μmがより好ましく、10〜50μmが更に好ましい。
【0050】
更に、現像後にベークすることで、化学増幅ネガ型レジスト層のパターニングによって得られたパターンを硬化させる。前記パターニングによって得られたパターンをオーブンやホットプレートを用いて、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜220℃、更に好ましくは170〜190℃でベークし、硬化させる(後硬化)。後硬化温度が100〜250℃であれば、化学増幅ネガ型レジスト層の架橋密度を上げ、残存する揮発成分を除去でき、基板に対する密着力、耐熱性や強度、更に電気特性の観点から好ましい。後硬化時間は10分間〜10時間とすることができる。
【0051】
前記化学増幅ネガ型レジスト層としては、重量平均分子量(Mw)が3,000〜500,000のシロキサン骨格含有樹脂を含むものが好ましく、特に、
(A)下記式(1)で表される、Mwが3,000〜500,000のシロキサン骨格含有高分子化合物、
【化9】
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。mは、1〜100の整数である。a、b、c及びdは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1、0<a+b≦1、及びa+b+c+d=1を満たす数である。Xは、下記式(2)で表される2価の有機基である。Yは、下記式(3)で表される2価の有機基である。
【化10】
(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立に、単結合、又は
【化11】
から選ばれる2価の有機基である。また、R5〜R8は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。k及びhは、それぞれ独立に、0、1又は2である。)]
(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、
(C)波長190〜500nmの光によって分解し、酸を発生する光酸発生剤、及び
(D)ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合体、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を含むフェノール化合物、及び多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物から選ばれる1種又は2種以上の架橋剤
を含むものが好ましい。
【0052】
式(1)中、前記1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基等が挙げられる。また、a、b、c及びdは、好ましくは0.05≦a≦0.9、0.05≦b≦0.9、0<c≦0.7、0<d≦0.7である。
【0053】
(A)成分のシロキサン骨格含有樹脂のMwは、3,000〜500,000がより好ましく、5,000〜200,000が更に好ましい。(A)成分のシロキサン骨格含有樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
(B)成分のヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物としては、フェノールやビスフェノールA、p−tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、p−フェニルフェノール、クレゾール等を原料として調製したレゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。
【0056】
(C)成分の酸発生剤としては、波長190〜500nmの光照射により分解し、酸を発生するものであれば特に限定されない。このような光酸発生剤としては、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミド−イル−スルホネート誘導体、オキシムスルホネート誘導体、イミノスルホネート誘導体、トリアジン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜20質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
【0058】
(D)成分の架橋剤のうち、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合物としては、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたメラミン縮合物、又はホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド−アルコールにより変性された尿素縮合物が挙げられる。1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を有するフェノール化合物としては、(2−ヒドロキシ−5−メチル)−1,3−ベンゼンジメタノール、2,2',6,6'−テトラメトキシメチルビスフェノールA等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜50質量部が好ましく、配合する場合は特に1〜30質量部が好ましい。
【0060】
また、前記化学増幅ネガ型レジスト層は、(E)成分として硬化促進剤を含んでいてもよい。(E)硬化促進剤は、シロキサン骨格含有高分子化合物がエポキシ基を有する場合、この化合物が硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。硬化促進剤としては、3級アミン類又はその塩、イミダゾール類等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0061】
(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜3質量部が好ましく、0〜1質量部がより好ましい。
【0062】
更に、前記化学増幅ネガ型レジスト層は、(F)成分として塩基性化合物を含んでいてもよい。(F)塩基性化合物としては、前記フィルム材料に用いられる塩基性化合物が好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
【0064】
前記化学増幅ネガ型レジスト層は、(A)〜(D)成分及び必要に応じて(E)〜(F)成分を含むドライフィルムをウエハに張り合わせることで形成してもよく、前記(A)〜(D)及び必要に応じて(E)〜(F)成分と(G)溶剤とを含む化学増幅ネガ型レジスト組成物を用いて形成してもよい。
【0065】
(G)成分の溶剤としては、(A)〜(D)成分が溶解可能であれば特に限定されない。このような溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0066】
(G)成分である溶剤の配合量は、レジスト材料の相溶性、粘度及び塗布性の観点から、前述した(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。
【実施例】
【0067】
以下、合成例、調製例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に限定されない。なお、下記例において、重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶剤として用いたGPCによるポリスチレン換算測定値である。また、下記合成例において使用した化合物(M−1)〜(M−7)の構造式を以下に示す。
【0068】
【化12】
【0069】
[合成例1]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した5Lフラスコに、トルエン1,875gを入れ、そこへ化合物(M−1)405.0g及び化合物(M−4)40.0gを加え、溶解した後、更に化合物(M−6)949.6g及び化合物(M−7)6.1gを加え、60℃に加温した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温したのを確認した後、更に、3時間かけて熟成し、次いで60℃まで冷却して、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、化合物(M−5)107.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は78℃まで上昇した。滴下終了後、更に、90℃で1.5時間熟成した後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン1,700gを加え、本反応溶液を加圧濾過して白金触媒を取り除いた。更に、得られた溶液に純水760gを加え、攪拌、静置分液を行い、下層の水層を除去した。この分液水洗操作を6回繰り返し、溶液中の微量酸成分を取り除いた。この溶液中の溶剤を減圧留去し、シクロペンタノンを950g添加して、固形分濃度60質量%のシクロペンタノンを主溶剤とする、高分子化合物(A−1)の溶液を得た。高分子化合物(A−1)の構造は下記式のとおりであり、そのMwは31,000であった。なお、各繰り返し単位の組成比は、原料化合物の物質量により算出した。なお、下記式中、mは、1又は40である。
【化13】
【0070】
[合成例2]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した5Lフラスコに、トルエン2,000gを入れ、そこへ化合物(M−1)325.0g及び化合物(M−2)150.0g加え、溶解した後、更に化合物(M−6)949.6g及び化合物(M−7)6.1gを加え、60℃に加温した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温したのを確認した後、更に、3時間かけて熟成し、次いで60℃まで冷却して、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、化合物(M−5)107.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は80℃まで上昇した。滴下終了後、更に、90℃で3時間熟成した後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン1,800gを加え、本反応溶液を加圧濾過して白金触媒を取り除いた。更に、得られた溶液に純水760gを加え、攪拌、静置分液を行い、下層の水層を除去した。この分液水洗操作を6回繰り返し、溶液中の微量酸成分を取り除いた。この溶液中の溶剤を減圧留去し、シクロペンタノンを900g添加して、固形分濃度60質量%のシクロペンタノンを主溶剤とする、高分子化合物(A−2)の溶液を得た。高分子化合物(A−2)の構造は下記式のとおりであり、そのMwは55,000であった。なお、各繰り返し単位の組成比は、原料化合物の物質量により算出した。なお、下記式中、mは、1又は40である。
【化14】
【0071】
[合成例3]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した5Lフラスコに、トルエン1,875gを入れ、そこへ化合物(M−2)405.0g及び化合物(M−3)80.0gを加え、溶解した後、更に化合物(M−6)949.6g及び化合物(M−7)6.1gを加え、60℃に加温した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温したのを確認した後、更に、3時間かけて90℃で熟成し、次いで60℃まで冷却して、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、化合物(M−5)107.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は80℃まで上昇した。滴下終了後、更に、90℃で8時間熟成した後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン1,700gを加え、本反応溶液を加圧濾過して白金触媒を取り除いた。更に、得られた溶液に純水760gを加え、攪拌、静置分液を行い、下層の水層を除去した。この分液水洗操作を6回繰り返し、溶液中の微量酸成分を取り除いた。この溶液中の溶剤を減圧留去し、シクロペンタノンを950g添加して、固形分濃度60質量%のシクロペンタノンを主溶剤とする、高分子化合物(A−3)の溶液を得た。高分子化合物(A−3)の構造は下記式のとおりであり、そのMwは73,000であった。なお、各繰り返し単位の組成比は、原料化合物の物質量により算出した。なお、下記式中、mは、1又は40である。
【化15】
【0072】
[調製例1〜4]レジスト組成物の調製
下記表1に記載した組成に従って、高分子化合物、多価フェノール化合物、光酸発生剤、架橋剤、硬化促進剤及び溶剤を配合し、その後、常温にて攪拌、混合、溶解させ、テフロン(登録商標)製0.2μmフィルターで精密ろ過を行い、レジスト組成物R1〜R4を得た。
【0073】
【表1】
【0074】
表1中、光酸発生剤PAG−1及びPAG−2、架橋剤XL−1、並びに多価フェノール化合物PH−1〜PH−3は、以下のとおりである。
【0075】
【化16】
【0076】
【化17】
【0077】
【化18】
【0078】
また、表1に記載された硬化促進剤は、以下のとおりである。
U−CAT5002(サンアプロ(株)製、DBU系テトラフェニルボレート塩)
【0079】
[調製例5〜15]樹脂層形成用組成物の調製
下記表2に記載した組成に従って、高分子化合物、塩基性化合物及び溶剤を配合し、その後、常温にて攪拌、混合、溶解させ、テフロン(登録商標)製0.2μmフィルターで精密ろ過を行い、樹脂層形成用組成物B1〜B11を得た。
【0080】
【表2】
【0081】
表2に記載された塩基性化合物は、以下のとおりである。
【化19】
【0082】
[実施例1〜9、比較例1〜2]
支持フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)上に、樹脂層形成用組成物B1〜B11を、それぞれダイコーターを用いて塗布した。次いで、100℃に設定された熱風循環オーブン(長さ4m)を5分間でこれらを通過させることにより、支持フィルム上に樹脂層を形成した。前記樹脂層と、保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚さ50μm)とを、圧力1MPaにて貼り合わせ、樹脂層を備えるフィルム材料を作製した。各フィルム層の膜厚を表2に示す。なお、膜厚は光干渉式厚膜測定機により測定した(以下同じ)。支持フィルムの光透過率は、分光光度計U-3000(日立製作所(株)製)により15点測定し、その平均値を算出した。
【0083】
また、樹脂層形成用組成物B1〜B11のかわりにレジスト組成物R1〜R4を用いた以外は前記方法と同じ方法で、ネガ型レジスト層を備える光硬化性ドライフィルムを作製した。
【0084】
前記光硬化性ドライフィルムから保護フィルムを剥離し、真空ラミネーターTEAM-100RF((株)タカトリ製)を用いて、真空チャンバー内の真空度80Paに設定し、ネガ型レジスト層をSi基板に密着させた。温度条件は110℃とした。常圧に戻した後、前記基板を真空ラミネーターから取り出し、支持フィルムを剥離した。次に、基板との密着性を高めるため、ホットプレートにより130℃で5分間プリベークを行った。
前記樹脂層を備えるフィルム材料の保護フィルムを剥離し、真空ラミネーターTEAM-100RF((株)タカトリ製)を用いて、真空チャンバー内の真空度80Paに設定し、Si基板上の化学増幅ネガ型レジスト層に密着させた。更に、前記フィルム材料の支持フィルムは剥離せずに、100umφのホールパターンを形成するためにマスクを介し、405nmの露光条件でコンタクトアライナ型露光装置を使用して1,000mJ/cm2で前記レジスト層を露光し、パターンを形成した。
光照射後、支持フィルムを剥離し、ホットプレートにより120℃で5分間PEBを行った後冷却し、前記レジスト層をPGMEAにて300秒スプレーして現像を行った。パターンを形成した前記レジスト層をオーブンを用いて180℃で2時間、窒素パージしながら後硬化した。各フィルム材料を用いてパターン形成を行った際の、開口部形状及びパターン形成結果を表3及び4に示す。パターンの形状は、SEMにより観察した。実施例のパターンは矩形であり、Tトップ形状は存在しなかった。
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】