特許第6621093号(P6621093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6621093
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】送信装置、プログラム、及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/238 20110101AFI20191209BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20191209BHJP
【FI】
   H04N21/238
   H04H20/28
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-27402(P2019-27402)
(22)【出願日】2019年2月19日
(62)【分割の表示】特願2016-45655(P2016-45655)の分割
【原出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2019-110579(P2019-110579A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】特願2015-48062(P2015-48062)
(32)【優先日】2015年3月11日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、総務省、「平成26年度電波資源拡大のための研究開発」における「超高精細度衛星・地上放送の周波数有効利用技術の研究開発」に係わる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀一
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−174299(JP,A)
【文献】 特開2016−116213(JP,A)
【文献】 特開2009−130678(JP,A)
【文献】 特開2011−103568(JP,A)
【文献】 特開2010−130473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H20/00−20/46
20/51−20/86
20/91−40/27
40/90−60/98
H04L12/00−12/26
12/50−12/955
13/02−13/18
29/00−29/12
H04N5/76−5/775
5/80−5/956
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TLVパケットを取得するTLVパケット取得部と、
前記TLVパケット取得部が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部と、
前記スロットフレーム構成部が構成した伝送フレームを送信する送信部と、
を備え、
前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットの大きさと前記伝送スロットを含む伝送フレームの残容量との比較結果に応じて、前記TLVパケットを伝送スロットに格納すると該伝送スロットを含む伝送フレームの最終スロットの残容量がヌルタイプTLVパケットの最小データ量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納せず次の伝送フレームに格納するとともに、該伝送フレームの空き領域に前記ヌルタイプTLVパケットを埋め込むものであり、
前記TLVパケットは、IPパケットと、ヘッダを圧縮したIPパケットと、伝送制御信号との少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
コンピュータを、
TLVパケットを取得するTLVパケット取得部、
前記TLVパケット取得部が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットの大きさと前記伝送スロットを含む伝送フレームの残容量との比較結果に応じて、前記TLVパケットを伝送スロットに格納すると該伝送スロットを含む伝送フレームの最終スロットの残容量がヌルタイプTLVパケットの最小データ量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納せず次の伝送フレームに格納するとともに、該伝送フレームの空き領域に前記ヌルタイプTLVパケットを埋め込むものであり、
前記TLVパケットは、IPパケットと、ヘッダを圧縮したIPパケットと、伝送制御信号との少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
TLVパケットを取得するTLVパケット取得部と、
前記TLVパケット取得部が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部と、
を備え、
前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットの大きさと前記伝送スロットを含む伝送フレームの残容量との比較結果に応じて、前記TLVパケットを伝送スロットに格納すると該伝送スロットを含む伝送フレームの最終スロットの残容量がヌルタイプTLVパケットの最小データ量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納せず次の伝送フレームに格納するとともに、該伝送フレームの空き領域に前記ヌルタイプTLVパケットを埋め込むものであり、
前記TLVパケットは、IPパケットと、ヘッダを圧縮したIPパケットと、伝送制御信号との少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、プログラム、及び集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP(Interenet Protocol)パケットを放送伝送路を介して伝送することが行われている。例えば、非特許文献1には、TLV(Type Length Value)多重化方式が規定されている。このTLV多重化方式において、IPパケットは、TLVパケットにカプセル化される。そして、カプセル化後のTLVパケットは、伝送スロットに格納されて放送される。
【0003】
ここで、伝送スロットとは、非特許文献2において規定される高度広帯域衛星デジタル放送(高度BS(Broadcasting Satellite)放送)の伝送路符号化の単位である。伝送スロットは、14960ビット(1870バイト)から40392ビット(5049バイト)の主信号領域を有し、この主信号領域に、可変長のTLVパケットが格納される。伝送スロットは固定長であるのに対し、伝送スロットに格納されるTLVパケットは可変長であるため、伝送スロットにTLVパケットを格納していくと、一つのTLVパケットをそのまま格納するには容量が不十分な空き領域が発生することがある。
【0004】
他方、高度BS放送では、時間に応じて変調方式が変更されることがあり、一つのTLVパケットが複数の伝送フレームに跨がって格納されることは望ましくない。そのため、伝送スロットの残容量が一つのTLVパケットをそのまま格納するには不十分である場合には、伝送スロットの空き領域をダミーデータで埋める(パディングする)ことが考えられている。非特許文献1には、このようなダミーデータとして、可変長のヌルタイプTLVパケットが規定されている。伝送路符号化は、このヌルタイプTLVパケットにより伝送スロットの空き領域を埋めてから行われることが考えられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「デジタル放送における映像符号化、音声符号化及び多重化方式 標準規格 ARIB STD−B32 3.0版」、平成26年7月31日、一般社団法人 電波産業会
【非特許文献2】「高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式 標準規格 ARIB STD−B44 2.0版」、平成26年7月31日、一般社団法人 電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ヌルタイプTLVパケットは、データフィールドの他に、固定ビットパターン、パケット種別フィールド、及びデータ長フィールドを有する。従って、データ領域を0バイトとしても、ヌルタイプTLVパケット全体の大きさは0バイトにはならない。そのため、伝送スロットの空き領域によっては、完全な形式のヌルタイプTLVパケットを格納することができない場合があった。このとき、不完全な形式のヌルタイプTLVパケットが放送されてしまい、受信装置がTLVパケットを適切に処理することができない可能性があった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、完全な形式のTLVパケットを送信することができる送信装置、プログラム、及び集積回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、TLVパケットを取得するTLVパケット取得部と、前記TLVパケット取得部が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部と、前記スロットフレーム構成部が構成した伝送フレームを送信する送信部と、を備え、前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットを伝送スロットに格納すると、該伝送スロットを含む伝送フレームの残容量が0より大きく所定量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納しないことを特徴とする送信装置である。
【0009】
(2)本発明の一態様は、上述した(1)記載の送信装置であって、前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットを伝送フレームに格納しない場合に、該伝送フレームにヌルタイプTLVパケットを格納することを特徴とする。
【0010】
(3)本発明の一態様は、上述した(1)又は(2)記載の送信装置であって、前記所定量とは、前記ヌルタイプTLVパケットの最小データ量であることを特徴とする。
【0011】
(4)本発明の一態様は、コンピュータを、TLVパケットを取得するTLVパケット取得部、前記TLVパケット取得部が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部、として機能させるためのプログラムであって、前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットを伝送スロットに格納すると、該伝送スロットを含む伝送フレームの残容量が0より大きく所定量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納しないことを特徴とするプログラムである。
【0012】
(5)本発明の一態様は、TLVパケットを取得するTLVパケット取得部と、前記TLVパケット取得部が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部と、を備え、前記スロットフレーム構成部は、前記TLVパケットを伝送スロットに格納すると、該伝送スロットを含む伝送フレームの残容量が0より大きく所定量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納しないことを特徴とする集積回路である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、完全な形式のTLVパケットを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る送信装置による伝送スロットへのTLVパケットの格納の概要を表す模式図である。
図2】同実施形態に係る伝送スロットとTLVパケットとの関係を表す模式図である。
図3】同実施形態に係るTLVパケットのデータ構成を表す模式図である。
図4】同実施形態に係るTLVに格納するパケット種別の割当ての一例を表す図である。
図5】同実施形態に係る放送システムの概略機能構成の一例を表すブロック図である。
図6】同実施形態に係る送信装置による処理の流れの一例を表す図である。
図7】従来技術に係る送信装置による伝送スロットへのTLVパケットの格納の概要を表す第1の模式図である。
図8】従来技術に係る送信装置による伝送スロットへのTLVパケットの格納の概要を表す第2の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
〔放送システムの概要〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る放送システム1の概要について説明する。
本実施形態に係る放送システム1は、放送伝送路を介してTLVパケットを送受信するシステムである。放送システム1は、TLVパケットを送信する送信装置10と、送信装置10から送信されたTLVパケットを受信する受信装置20とを備える。受信装置20は、例えば、テレビジョン受信機、携帯端末装置、多機能携帯電話機等の電子機器である。
【0016】
ここで、本実施形態に係る送信装置10による伝送スロットへのTLVパケットの格納と、従来技術に係る送信装置による伝送スロットへのTLVパケットの格納とについて説明する。また、本実施形態では、一例として、120の伝送スロットにより、一つの伝送フレームが構成される場合について説明する。
図1は、本実施形態に係る送信装置10による伝送スロットへのTLVパケットの格納の概要を表す模式図である。
図7及び図8は、従来技術に係る送信装置による伝送スロットへのTLVパケットの格納の概要を表す模式図である。
図1図7、及び図8において、TLVパケット、伝送スロット、伝送フレームには、送信順に番号が割当てられている。具体的には、TLVパケットには、「#1」〜「#20」が割当てられ、伝送スロットには、「#1」〜「#120」が割当てられ、伝送フレームには「#1」、「#2」が割当てられている。
【0017】
図1図7、及び図8に示す例において、「伝送フレーム#1」の各伝送スロットにTLVパケットを順に格納していくと、最後尾の「伝送スロット#120」に「TLVパケット#10」を格納した場合、最小サイズのヌルタイプTLVパケットの全長を格納するだけの空き容量が存在していない。
このとき、従来技術に係る送信装置は、図7に示すように、最小サイズのヌルタイプTLVパケットを分割し、その前半の領域を「伝送フレーム#1」の「伝送スロット#120」の空き領域に埋め込み、残りの後半の領域を「伝送フレーム#2」の「伝送スロット#1」に埋め込む。また、或いは、従来技術に係る送信装置は、図8に示すように、最小サイズのヌルタイプTLVパケットを分割し、その前半の領域を「伝送フレーム#1」の「伝送スロット#120」の空き領域に埋め込み、残りの後半の領域を廃棄する。そして、「伝送フレーム#2」では、「TLV#11」からTLVパケットの格納を開始する。
このように、従来技術に係る送信装置は、複数の伝送フレームを跨いで一つのTLVパケットを格納しないように、伝送スロットの空き領域をヌルタイプTLVパケットで埋める場合に、不完全な形式のヌルタイプTLVパケットを伝送スロットに含めてしまう場合があった。
【0018】
これに対して、本実施形態に係る送信装置10は、TLVパケットを取得するTLVパケット生成部121と、TLVパケット生成部121が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部122と、スロットフレーム構成部122が構成した伝送フレームを送信する送信部130と、を備える。そして、スロットフレーム構成部122は、TLVパケットを伝送スロットに格納すると、該伝送スロットを含む伝送フレームの残容量が0より大きく所定量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納しない。この所定量とは、例えば、ヌルタイプTLVパケットの最小データ量である。
【0019】
これにより、送信装置10は、TLVパケットを伝送スロットに格納すると最小サイズのヌルタイプTLVを格納するだけの残容量がなくなってしまう場合には、その伝送フレームにはTLVパケットを格納しない。具体的には、送信装置10は、例えば、図1に示すように、「TLVパケット#10」を「伝送フレーム#1」の「伝送スロット#120」には格納せず、これにより増加した「伝送スロット#120」の空き領域に完全な形式のヌルタイプTLVパケットを埋め込む。そして、「TLVパケット#10」を、次の「伝送フレーム#2」の「伝送スロット#1」に格納して伝送する。このように、送信装置10は、不完全な形式のヌルタイプTLVパケットを伝送スロットに格納することがない。また、送信装置10は、複数の伝送フレームを跨いで一つのTLVパケットを格納することもない。以上のように、送信装置10は、不完全な形式のTLVパケットを伝送スロットに含めることがないため、常に完全な形式のTLVパケットを送信することができる。
【0020】
〔伝送スロット及びTLVパケットの構成〕
次に、本実施形態に係る伝送スロット及びTLVパケットの構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る伝送スロットとTLVパケットとの関係を表す模式図である。
本実施形態に係る伝送スロットには、TLVパケットのサイズに応じて複数のTLVパケットを格納することができる。伝送スロットには、スロットヘッダが付加され、該スロットヘッダには、伝送スロットに格納されるTLVパケットの先頭位置を示すポインタが記述される。
【0021】
本実施形態に係るTLVパケットには、コンテンツファイルやメタデータを含むIPパケット、IPアドレスや放送波の識別情報等を含む伝送制御信号等を含めることができる。ここでは、一例として、IPパケットのヘッダを圧縮してTLVパケットに含める場合について説明する。まず、送信装置10は、IPパケットのヘッダ情報を圧縮して圧縮ヘッダを生成し、生成した圧縮ヘッダをIPパケットのデータフィールドに付加する。そして、送信装置10は、固定ビットパターン、パケット種別フィールド、データ長フィールドを、圧縮ヘッダ及びデータフィールドにさらに付加してカプセル化することによりTLVパケットを構成する。
【0022】
図3は、本実施形態に係るTLVパケットのデータ構成を表す模式図である。
図3に示すように、TLVパケットは、その先頭から2ビット「01」、6ビット「111111」の計1バイトの固定ビットパターンを有する。また、TLVパケットは、8ビット(1バイト)のパケット種別フィールドと、16ビット(2バイト)のデータ長フィールドと可変長のデータフィールドとを有する。このように、TLVパケットにおいて、データフィールドを除いた4バイトの領域は必須である。従って、TLVパケットの最小サイズは、データフィールドのサイズが0バイトのときの4バイトである。
パケット種別フィールドには、TLVに格納するパケットの種別を識別するための情報が記述される。
データ長フィールドには、データフィールドに記述されるデータのデータバイト数が記述される。ヌルタイプTLVパケットの場合、データ長フィールドには、伝送スロットの空き容量に応じたデータバイト数が記述される。
【0023】
ここで、TLVパケット種別の割当てについて説明する。
図4は、本実施形態に係るパケット種別の割当ての一例を表す図である。
具体的には、パケット種別フィールドの値が「0x01」である場合、データフィールドには、IPv4パケットが記述される。また、パケット種別フィールドの値が「0x03」である場合、データフィールドには、ヘッダ圧縮したIPパケットが記述される。また、例えば、パケット種別フィールドの値が「0xFE」である場合、データフィールドには、伝送制御信号パケットが記述される。また、例えば、パケット種別フィールドの値が「0xFF」である場合、そのTLVパケットは、ヌルタイプTLVパケットである。
ヌルタイプTLVパケットの場合、データフィールドには、データ長フィールドに記述する長さのダミーデータが記述される。ダミーデータは、例えば、「0xFF」を繰り返したバイト列である。
【0024】
〔放送システムの構成〕
次に、本実施形態に係る放送システム1の構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る放送システム1の概略機能構成の一例を表すブロック図である。
放送システム1は、送信装置10と、受信装置20とを備える。
まず、送信装置10の構成について説明する。
送信装置10は、データ入力部110と、多重化部120と、送信部130と、を備える。
【0025】
データ入力部110は、例えば、コンテンツ編集装置、録画装置等の他機器から、放送伝送路を介して送信するIPパケット、伝送制御信号等のデータを有線又は無線で取得する。このIPパケットには、例えば、符号化されたメディアコンポーネントが含まれる。
データ入力部110は、取得したデータを多重化部120に出力する。
【0026】
ここで、データ入力部110は、メディア信号を取得した場合、そのメディアの種類に応じた方式で該メディア信号を符号化してメディアコンポーネントを生成する符号化部を備えてもよい。符号化部は、例えば、映像信号をMPEG−4 AVC(Advanced Video Coding)方式で符号化してもよい。また、符号化部は、例えば、音声信号をMPEG−4オーディオ符号化方式で符号化してもよい。そして、データ入力部110は、生成したメディアコンポーネントを含むデータを多重化部120に出力する。
【0027】
多重化部は、データ入力部110から取得したデータを、TLV多重化方式により多重化する。多重化部120は、TLVパケット生成部121と、スロットフレーム構成部122とを備える。
TLVパケット生成部121は、TLVパケットを生成する。具体的には、TLVパケット生成部121は、データ入力部110から取得したデータをカプセル化してTLVパケットを生成する。このTLVパケットは、送信装置10から送信される送信対象のTLVパケットである。以下では、このTLVパケットを送信対象TLVパケットと称し、ヌルタイプTLVパケットと区別する。TLVパケット生成部121は、生成した送信対象TLVパケットをスロットフレーム構成部122に出力する。
【0028】
スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットを伝送スロットに格納する。このとき、スロットフレーム構成部122は、フレーム毎の伝送スロットの空き領域の容量を確認し、送信対象TLVパケットのデータサイズと比較する。そして、スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットのサイズと伝送フレームの残容量との比較結果に応じた処理を実行する。以下では、伝送フレームの残容量とは、その伝送フレームを構成する全ての伝送スロットの残容量の合計であるとして説明する。
【0029】
送信対象TLVパケットのサイズが現在の伝送フレームの残容量より大きい場合、伝送スロットに送信対象TLVパケットを格納することができない。従って、この場合は、スロットフレーム構成部122は、現在の伝送フレームの空き領域をヌルタイプTLVパケットで埋めるとともに、送信対象TLVパケットを次の伝送フレームの伝送スロットに格納する。
【0030】
また、送信対象TLVパケットのサイズが現在の伝送フレームの残容量未満であっても、送信対象TLVパケットを格納したときに残容量が4バイト未満になる場合には、完全な形式のヌルタイプTLVパケットを格納することができない。従って、この場合は、スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットを現在の伝送フレームには格納せず、これにより増えた空き領域を完全な形式のヌルタイプTLVパケットで埋める。そして、スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットを次の伝送フレームの伝送スロットに格納する。
【0031】
また、送信対象TLVパケットのサイズが現在の伝送フレームの残容量と一致する場合、空き領域を発生させることなく現在の伝送フレームに送信対象TLVパケットを格納することができる。従って、この場合は、スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットを現在の伝送フレームの伝送スロットに格納し、次の送信対象TLVパケットから次の伝送フレームの伝送スロットに格納していく。
また、送信対象TLVパケットのサイズが現在の伝送フレームの残容量から4バイト少ない量以下である場合、送信対象TLVパケットを格納してもなお、少なくとも完全な形式のヌルタイプTLVパケットを格納することができる。従って、この場合は、スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットを現在の伝送フレームの伝送スロットに格納し、次の送信対象TLVパケットから次の伝送フレームの伝送スロットに格納していく。
【0032】
スロットフレーム構成部122は、全ての送信対象TLVパケットを伝送フレームの伝送スロットに格納すると、その伝送フレームの空き領域をヌルタイプTLVパケットで埋め、伝送フレームを構成する。ただし、このとき、伝送フレームの空き領域が0バイトである場合には、ヌルタイプTLVパケットで埋める必要はない。スロットフレーム構成部122は、構成した伝送フレームを表す放送用データを送信部130に出力する。
【0033】
送信部130は、スロットフレーム構成部122から取得した放送用データを所定の時間間隔で放送する。具体的には、送信部130は、放送用データを変調し、所定の情報量(例えば、5610バイト)、所定の時間間隔(例えば、5ms)で放送する。このとき、送信部130は、変調方式を変更する場合は、伝送フレーム単位で変更を行う。
【0034】
次に、受信装置20の構成について説明する。
受信装置20は、受信復調部210と、メディア処理部220と、を備える。
受信復調部210は、例えば、チューナーパックを備える。受信復調部210は、送信装置10から放送された放送用データを取得する。次に、受信復調部210は、取得した放送用データを復調し、伝送スロットに格納されているTLVパケットを分離する。そして、受信復調部210は、分離したTLVパケットをメディア処理部220に出力する。
このとき、出力されるTLVパケットは、送信対象TLVパケットとヌルタイプTLVパケットとの両方であってもよいし、送信対象TLVパケットのみであってもよい。ここでは、一例として、送信対象TLVパケットとヌルタイプTLVパケットとの両方が出力される場合について説明する。
【0035】
メディア処理部220は、受信復調部210からTLVパケットを取得する。次に、メディア処理部220は、取得したTLVパケットのうち、ヌルタイプTLVパケットを廃棄する。次に、メディア処理部220は、取得した送信対象TLVパケットからIPパケットを分離する。そして、メディア処理部220は、分離したIPパケットに含まれるコンテンツファイルやメタデータを再生する。
このように、送信装置10は、不完全なヌルタイプTLVパケットを送信しないので、受信装置20では、受信したTLVパケットの全てを適切に処理することができる。また、受信装置20は、不完全なヌルタイプTLVパケットを受信することを想定して、不完全なヌルタイプTLVパケットを処理するための特別な構成を備える必要もない。
【0036】
〔送信装置の動作〕
次に、送信装置10の動作について説明する。
(ステップS100)データ入力部110は、外部装置からIPパケット、伝送制御信号等のデータを取得する。データ入力部110は、取得したデータを多重化部120のTLVパケット生成部121に出力する。その後、送信装置10は、ステップS102に処理を進める。
【0037】
(ステップS102)TLVパケット生成部121は、データ入力部110から取得したIPパケット、伝送制御信号等のデータをカプセル化して、送信対象TLVパケットを生成する。TLVパケット生成部121は、送信対象TLVパケットをスロットフレーム構成部122に出力する。その後、送信装置10は、ステップS104に処理を進める。
(ステップS104)スロットフレーム構成部122は、取得した全ての送信対象TLVパケットについて、ステップS106〜S118の処理を実行する。スロットフレーム構成部122は、未処理の送信対象TLVパケットがなくなるまで、ステップS106〜S118の処理を繰り返し実行する。その後、送信装置10は、ステップS120に処理を進める。
【0038】
(ステップS106)スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットのサイズが、現在の伝送フレームの残容量から4バイト少ない量以下((TLVパケットサイズ)≦(残容量−4バイト))であるか否かを判定する。この4バイトとは、ヌルタイプTLVパケットの最小サイズである。送信対象TLVパケットのサイズが、現在の伝送フレームの残容量から4バイト少ない量より大きい場合(ステップS106;NO)、送信装置10は、ステップS108に処理を進める。また、送信対象TLVパケットのサイズが、現在の伝送フレームの残容量から4バイト少ない量以下である場合(ステップS106;YES)、送信装置10は、ステップS114に処理を進める。
【0039】
(ステップS108)スロットフレーム構成部122は、送信対象TLVパケットのサイズが、現在の伝送フレームの残容量に一致((TLVパケットサイズ)=(残容量))するか否かを判定する。送信対象TLVパケットのサイズが、現在の伝送フレームの残容量に一致しない場合(ステップS108;NO)、送信装置10は、ステップS110に処理を進める。送信対象TLVパケットのサイズが、現在の伝送フレームの残容量に一致する場合(ステップS108;YES)、送信装置10は、ステップS114に処理を進める。
【0040】
(ステップS110)スロットフレーム構成部122は、現在の伝送フレームの空き領域にヌルタイプTLVパケットを埋め込む。その後、送信装置10は、ステップS112に処理を進める。
(ステップS112)スロットフレーム構成部122は、次の伝送フレームの伝送スロットに送信対象TLVパケットを格納する。その後、送信装置10は、ステップS116に処理を進める。
【0041】
(ステップS114)スロットフレーム構成部122は、現在の伝送フレームの伝送スロットに送信対象TLVパケットを格納する。その後、送信装置10は、ステップS116に処理を進める。
(ステップS116)スロットフレーム構成部122は、未処理のTLVパケットがあるか否かを判定する。未処理のTLVパケットがない場合(ステップS116;NO)、送信装置10は、ステップS118に処理を進める。また、未処理のTLVパケットがある場合(ステップS116;YES)、送信装置10は、ステップS104に処理を戻す。
【0042】
(ステップS118)スロットフレーム構成部122は、現在の伝送フレームの空き領域にヌルタイプTLVパケットを埋め込む。ただし、現在の伝送フレームにデータが格納されていない場合には、スロットフレーム構成部122は、処理を行わなくてよい。その後、ステップS120に処理を進める。
(ステップS120)スロットフレーム構成部122は、送信装置10に構成した伝送フレームを表す放送用データを送信部130に出力する。送信部130は、取得した放送用データを放送する。その後、送信装置10は、図6に示す処理を終了する。
【0043】
〔第1の実施形態のまとめ〕
以上説明したように、本実施形態に係る送信装置10は、TLVパケットを取得するTLVパケット生成部121(パケット取得部の一例)と、TLVパケット生成部121が取得したTLVパケットを伝送スロットに格納し、伝送フレームを構成するスロットフレーム構成部122と、スロットフレーム構成部122が構成した伝送フレームを送信する送信部130と、を備え、スロットフレーム構成部122は、TLVパケットを伝送スロットに格納すると、該伝送スロットを含む伝送フレームの残容量が0より大きく所定量未満になる場合に、該TLVパケットを該伝送フレームに格納しない。
これにより、送信装置10は、残容量が所定量未満となった場合に、TLVパケットを伝送スロットに格納しないため、伝送フレームの残容量を増加させることができる。従って、送信装置10は、例えば、残容量とサイズが一致する別のTLVパケットや完全な形式のヌルタイプTLVパケット等の完全な形式のデータを格納するために必要な伝送フレームの空き領域を常に確保することができる。
【0044】
また、スロットフレーム構成部122は、TLVパケットを伝送フレームに格納しない場合に、該伝送フレームにヌルタイプTLVパケットを格納する。
これにより、送信装置10は、伝送フレームの空き領域にヌルタイプTLVパケットを埋め込むことができるため、伝送フレームを適切に構成することができる。
【0045】
また、所定量とは、ヌルタイプTLVパケットの最小データ量である。
これにより、送信装置10は、不完全なヌルタイプTLVパケットが伝送フレームに格納され、送信されることを防ぐことができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、予め定められた順序で送信対象TLVパケットが格納される場合について説明したが、これには限られない。例えば、スロットフレーム構成部122は、全ての送信対象TLVパケットのサイズを確認し、伝送フレーム毎の残容量ができるだけ少なくなるように送信対象TLVパケットを格納してもよい。これにより、送信装置10は、伝送効率を向上させることができる。
【0047】
また、上述の送信装置10及び受信装置20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより送信装置10及び受信装置20としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0048】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。
【0049】
配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0050】
また、上述した実施形態における送信装置10及び受信装置20の一部、又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。送信装置10及び受信装置20の各機能部は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0051】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 放送システム
10 送信装置
110 データ入力部
120 多重化部
121 TLVパケット生成部
122 スロットフレーム構成部
130 送信部
20 受信装置
210 受信復調部
220 メディア処理部
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