【実施例】
【0023】
実施例1
内径1/2インチ、長さ30cmのインコネル合金製の管型反応器に、不活性アルミナ30mlを仕込み、反応器を370℃に昇温し、反応器に窒素ガスとジシクロペンタジエンとを同時に投入し、窒素ガスとジシクロペンタジエンとのモル比1:1.5、接触時間15s、反応圧力0.1MPaに制御した。反応生成物を0℃の氷浴中で冷却した後、シクロペンタジエンが得られた。ガスクロマトグラフィーにより、シクロペンタジエンの収率を確定した。結果を表1に示す。
【0024】
ここで、当該ガスクロマトグラフィーの条件は、以下の通りである。
分析機器:上海海欣クロマトグラフGC−930、水素炎検出器、クロマトグラフカラムがキャピラリーカラムAl
2O
3/S「50m×0.320mm×0.25μm」(中国科学院蘭州化学物理研究所色譜技術研究開発中心製)。
【0025】
ガスクロマトグラフィー分析方法:高純度の窒素(99.999%)をキャリアガスとして用いる。検出条件は、気化室の温度250℃、燃焼炉2の温度250℃、検出器の温度250℃である。カラムは初期温度40℃で、10分間保持し、昇温速度15℃/min(分)、最終温度230℃で、3分間保持した。スプリット比は20:1である。
【0026】
なお、以下の各実施例において、いずれも実施例1と同様なガスクロマトグラフィー条件により生成物の収率を確定した。
【0027】
実施例2
反応温度を300℃に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0028】
実施例3
反応温度を330℃に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0029】
実施例4
反応温度を410℃に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0030】
実施例5
反応温度を450℃に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0031】
実施例6
接触時間を2sに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0032】
実施例7
接触時間を10sに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0033】
実施例8
接触時間を20sに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0034】
実施例9
接触時間を30sに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0035】
実施例10
窒素ガスとジシクロペンタジエンとのモル比を1:0.5に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0036】
実施例11
窒素ガスとジシクロペンタジエンとのモル比を1:1に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0037】
実施例12
窒素ガスとジシクロペンタジエンとのモル比を1:2に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0038】
実施例13
窒素ガスとジシクロペンタジエンとのモル比を1:3に変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0039】
実施例14
反応圧力を0.5MPaに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0040】
実施例15
反応圧力を1.0MPaに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0041】
実施例16
反応圧力を1.5MPaに変更した以外、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【表1】
【0042】
実施例17
オートクレーブに、シクロペンタジエンと塩素ガスとを同時に加え、シクロペンタジエンと塩素ガスとのモル比を1:1.5、オートクレーブの温度を20℃、反応時間を5hに制御し、生成物を水洗浄、アルカリ洗浄し、その後、4Aモレキュラーシーブで乾燥させて、1,2,3,4−テトラクロロシクロペンタンが得られ、ガスクロマトグラフィーにより、1,2,3,4−テトラクロロシクロペンタンの収率を確定した。結果を表2に示す。
【0043】
実施例18
シクロペンタジエンと塩素ガスとのモル比を1:1に変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0044】
実施例19
シクロペンタジエンと塩素ガスとのモル比を1:2に変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0045】
実施例20
シクロペンタジエンと塩素ガスとのモル比を1:3に変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0046】
実施例21
反応温度を0℃に変更し、反応時間を10hに変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0047】
実施例22
反応温度を10℃に変更し、反応時間を7hに変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0048】
実施例23
反応温度を30℃に変更し、反応時間を3hに変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0049】
実施例24
反応温度を40℃に変更し、反応時間を1hに変更した以外、実施例17と同様にした。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例25〜28におけるクロム系触媒の調製方法は以下の通りである。
硝酸クロムを水に溶解し、60℃で沈殿剤であるアンモニア水を添加し、溶液をpH値7.5〜8.5の範囲に制御して、撹拌条件下で充分に沈殿させた。形成されたスラリーをろ過し、脱イオン水で中性になるまで洗浄し、その後150℃で12時間乾燥させて、水酸化クロムを得た。
【0052】
得られた水酸化クロムと金属粉末(金属粉末は、タングステン粉末、モリブデン粉末及び/又はインジウム粉末である)とを、質量百分率組成が95%〜99.9%:0.1%〜5%になるように均一に混合し、加圧成形して触媒前駆体を得た。その後、触媒前駆体を窒素ガス雰囲気下、450℃で10時間焼成した後、60〜450℃で、モル比1:10のフッ化水素ガスと窒素ガスとからなる混合ガス雰囲気で12時間活性化し、クロム系触媒を調製した。
【0053】
実施例25
内径1/2インチ、長さ30cmのインコネル合金製の管型反応器に、水酸化クロムとタングステンとを質量百分率組成が97%:3%になるように混合、加圧成形して得られた活性化温度300℃のクロム系触媒前駆体を10ml仕込み、反応器を370℃に昇温し、無水フッ化水素と、1,2,3,4−テトラクロロシクロペンタンと、塩素ガスとを同時に投入し、無水フッ化水素と1,2,3,4−テトラクロロシクロペンタンと塩素ガスとのモル比12:1:5、接触時間15s、反応圧力0.1MPaに制御し、20h反応させた後、反応生成物を水洗浄、アルカリ洗浄し、分離して有機物が得られた。乾燥、脱水後、生成物を得て、ガスクロマトグラフィー−マスクロマトグラフィー(GC−MS)技術及び核磁気共鳴(
19F NMR)で生成物を分析する。具体的には、以下の通りである。
【0054】
GC−MS:
装置及び条件:GC−MS−QP2010 Ultra(島津)、クロマトグラフカラム:DB−5、内径0.25mm、長さ30m(J&W Scientific Inc.)、昇温手順は、40℃で4min保持し、10℃/minで230℃に昇温し、5min保持した。インジェクション口温度と検出器温度を200℃に保持し、キャリヤーガスHeは、10mL/minに保持した。
【0055】
テスト結果:
m/z:244(M
+);225(M
+−F);209(M
+−Cl);194(M
+−CF
2);175(M
+−CF
3);159(M
+−CF
2Cl);155(M
+−FCl
2);140(M
+−CF
3Cl);125(M
+−CF
2Cl
2);109(M
+−C
2F
4Cl);90(M
+−C
2F
5Cl);85(M
+−C
4F
4Cl);69(M
+−C
4F
3Cl
2);55(M
+−C
2F
5Cl
2);31(M
+−C
4F
5Cl
2);18(M
+−C
5F
5Cl
2)。
19F NMR:25℃で生成物のフッ素スペクトル(
19F NMR)を測定する。内標準物質は、CFCl
3を採用し、溶媒はCDCL
3であり、測定結果は、δ−113.75(dt,4F);−129.73(ddt,2F)である。
【0056】
上記のGC−MS及び核磁のデータから、実施例25の生成物が1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンであると確認した。ガスクロマトグラフィーにより1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンの収率を確定した。結果を表3に示す。
【0057】
実施例26
クロム系触媒前駆体を、水酸化クロムとインジウム粉末とを質量百分率組成が97%:3%になるように混合し、加圧成形して得られたものに変更し、反応温度を300℃に変更した以外、実施例25と同様にした。結果を表3に示す。
【0058】
実施例27
クロム系触媒前駆体を、水酸化クロムとタングステン粉末とを質量百分率組成が99.9%:0.1%になるように混合し、加圧成形して得られたものに変更し、反応温度を330℃に変更した以外、実施例25と同様にした。結果を表3に示す。
【0059】
実施例28
クロム系触媒前駆体におけるタングステン粉末をモリブデン粉末に変更し、活性化温度を60℃に変更し、反応温度を410℃に変更した以外、実施例25と同様にした。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
以上に記載されたものは、本発明の好適な実施例のみであり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨及び原則を逸脱しない範囲における各種の変更、同等の置換、改良などはいずれも本発明の保護範囲に含まれる。