(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
K本(Kは2以上の自然数)の入力コアを有する光ファイバで構成されるM1本(M1は2以上の自然数)の入力方路と、K本の出力コアを有する光ファイバで構成されるM2(M2は2以上の自然数)本の出力方路とに接続され、Addポート及びDropポートを備える光クロスコネクト装置内に設けられ、前記入力方路より入力される複数の波長の光信号が多重化された第1多重化光信号を処理する光クロスコネクト装置であって、
前記AddポートからAdd光信号を入力するN(Nは1以上の自然数)個の入力ポートと、前記Add光信号を出力するK個の出力ポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとの接続の切替えを行うL(Lは1以上の自然数)個の第1コア切替スイッチと、
前記入力方路から前記第1多重化光信号を入力するM1個の入力ポートと、前記第1コア切替スイッチから前記Add光信号を入力するL個の入力ポートと、前記第1多重化光信号又は前記Add光信号に基づく第2多重化光信号を第2コア切替スイッチに出力するM2個の出力ポートと、前記第2多重化信号を第3コア切替スイッチに出力するL個の出力ポートとを有し、入力した前記第1多重化光信号を波長別の光信号である第1光信号に分波し、分波後の第1光信号の各波長と、前記入力コアに応じてM1+L個の前記入力ポートとM2+L個の前記出力ポートとの接続の切替えを行うことで前記第1光信号又は前記Add光信号が多重化された前記第2多重化光信号を出力するK個の方路切替スイッチと、
前記方路切替スイッチから前記第2多重化光信号を入力するK個の入力ポートと、入力した前記第2多重化光信号に基づく第3多重化光信号を出力するK個の出力ポートとを有し、入力した前記第2多重化光信号を波長別の光信号である第2光信号に分波し、分波後の第2光信号の各波長及び各前記出力コアに応じてK個の前記入力ポートとK個の前記出力ポートとの接続の切替えを行うことで前記第2光信号が多重化された前記第3多重化光信号を出力するM2個の第2コア切替スイッチと、
前記方路切替スイッチから前記第2多重化光信号を入力するK個の入力ポートと、入力した前記第2多重化光信号を前記Dropポートに出力するN個の出力ポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとの接続の切替えを行うL個の第3コア切替スイッチと、
を備える光クロスコネクト装置。
K本(Kは2以上の自然数)の入力コアを有する光ファイバで構成されるM1本(M1は2以上の自然数)の入力方路と、K本の出力コアを有する光ファイバで構成されるM2(M2は2以上の自然数)本の出力方路とが接続され、Addポート及びDropポートを備える光クロスコネクト装置内に設けられ、前記入力方路より入力される複数の波長の光信号が多重化された第1多重化光信号を処理する光クロスコネクト装置であって、
前記AddポートからAdd光信号を入力するN(Nは1以上の自然数)個の入力ポートと、前記Add光信号を出力するK個の出力ポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとの接続の切替えを行うL(Lは1以上の自然数)個の第1コア切替スイッチと、
前記入力方路から前記第1多重化光信号を入力するK個の入力ポートと、入力した前記第1多重化光信号に基づく第2多重化光信号を出力するK個の出力ポートとを有し、入力した前記第1多重化光信号を波長別の光信号である第1光信号に分波し、分波後の第1光信号の各波長及び各前記入力コアに応じてK個の前記入力ポートとK個の前記出力ポートとの接続の切替えを行うことで前記第1光信号が多重化された前記第2多重化光信号を出力するM1個の第2コア切替スイッチと、
前記第1コア切替スイッチから前記Add光信号を入力するL個の入力ポートと、前記第2コア切替スイッチから前記第2多重化光信号を入力するM1個の入力ポートと、前記第2多重化光信号又は前記Add光信号に基づく第3多重化光信号を前記出力方路に出力するM2個の出力ポートと、前記第3多重化光信号を第3コア切替スイッチに出力するL個の出力ポートとを有し、入力した前記第2多重化光信号を波長別の光信号である第2光信号に分波し、分波後の第2光信号の各波長と、前記出力コアとに応じてM1+L個の前記入力ポートとM2+L個の前記出力ポートとの接続の切替えを行うことで前記第2光信号又は前記Add光信号が多重化された前記第3多重化光信号を出力するK個の方路切替スイッチと、
前記方路切替スイッチから前記第3多重化光信号を入力するK個の入力ポートと、入力した前記第3多重化光信号を前記Dropポートに出力するN個の出力ポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとの接続の切替えを行うL個の第3コア切替スイッチと、
を備える光クロスコネクト装置。
前記光クロスコネクト装置において閉塞が発生した場合に、前記第1コア切替スイッチの入力ポートと前記方路切替スイッチの出力ポート間に設定された前記閉塞に関係する接続経路を、同一方路となる別の経路に変更する再配置機能部をさらに備える
請求項1に記載の光クロスコネクト装置。
前記光クロスコネクト装置において閉塞が発生した場合に、前記第1コア切替スイッチの入力ポートと前記方路切替スイッチの出力ポート間に設定された前記閉塞に関係する接続経路を、同一方路となる別の経路に変更する再配置機能部をさらに備える
請求項2に記載の光クロスコネクト装置。
K本(Kは2以上の自然数)の入力コアを有する光ファイバで構成されるM1本(M1は2以上の自然数)の入力方路と、K本の出力コアを有する光ファイバで構成されるM2(M2は2以上の自然数)本の出力方路とが接続され、Addポート及びDropポートを備える光クロスコネクト装置内に設けられ、前記入力方路より入力される複数の波長の光信号が多重化された第1多重化光信号を処理する光クロスコネクト装置であって、
前記AddポートからAdd光信号を入力するN(Nは1以上の自然数)個の入力ポートと、前記Add光信号を出力するK×M2個の出力ポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとの接続の切替えを行う第1コア切替スイッチと、
前記入力方路から前記第1多重化光信号を入力するK個の入力ポートと、入力した前記第1多重化光信号に基づく第2多重化光信号を出力するK×(M2+1)個の出力ポートとを有し、入力した前記第1多重化光信号を波長別の光信号である第1光信号に分波し、分波後の第1光信号の各波長及び各前記入力コアに応じてK個の前記入力ポートとK×(M2+1)個の前記出力ポートとの接続の切替えを行うことで前記第1光信号が多重化された前記第2多重化光信号を方路切替スイッチ及び第3コア切替スイッチに出力するM1個の第2コア切替スイッチと、
前記第1コア切替スイッチから前記Add光信号を入力するK個の入力ポートと、前記第2コア切替スイッチから前記第2多重化光信号を入力するK×M1個の入力ポートと、前記第2多重化光信号又は前記Add光信号に基づく第3多重化光信号を前記出力方路に出力するK個の出力ポートを有し、入力した前記第2多重化光信号及び前記Add光信号を波長別の光信号である第2光信号に分波し、分波後の第2光信号の各波長と、前記出力コアとに応じてK×(M1+1)個の前記入力ポートとK個の前記出力ポートとの接続の切替えを行うことで前記第2光信号又は前記Add光信号が多重化された前記第3多重化光信号を出力するM2個の方路切替スイッチと、
前記第2コア切替スイッチから前記第2多重化光信号を入力するK×M1個の入力ポートと、入力した前記第2多重化光信号を前記Dropポートに出力するN個の出力ポートとを有し、前記入力ポートと前記出力ポートとの接続の切替えを行う第3コア切替スイッチと、
を備え、
前記第1コア切替スイッチの構成は、
N個の入力ポートと接続されるN個の1入力K出力の波長選択スイッチと、K×M2個の出力ポートに接続されるK個のN入力M2出力の波長選択スイッチ間を、フルメッシュで接続した構成、
N個の入力ポートと接続されるN個の1入力K出力の光カプラと、K×M2個の出力ポートに接続されるK個のN入力M2出力の波長選択スイッチ間を、フルメッシュで接続した構成、
又は、N個の入力ポートと接続されるN個の1入力K出力の波長選択スイッチと、K×M2個の出力ポートに接続されるK個のN入力M2出力の光カプラ間を、フルメッシュで接続した構成のいずれかであり、
前記第1コア切替スイッチのK×M2個の出力をK個ずつM2個の前記方路切替スイッチのそれぞれに入力する、
光クロスコネクト装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の光ノード間を接続する光ファイバで構成された光ネットワークが知られている。
図18は、従来の光ネットワークを示す図である。光ネットワーク6は、光ノードである光クロスコネクト装置(Optical Cross-connect:OXC)7、OXC7同士を接続するシングルコアファイバである光ファイバ8、各OXC7に接続されるクライアント装置9を備える。光ネットワーク6は、送信側及び受信側となるクライアント装置9間で通信が行われる場合、送信側OXC7と受信側OXC7との間の光パス10、11によってクライアント装置9の信号を送信する。送信側OXC7は、送信側クライアント装置9が接続されるOXC7である。受信側OXC7は、受信側クライアント装置9が接続されるOXC7である。
【0003】
図19は、M本(Mは2以上の自然数)の方路に対して信号の送受信が可能なOXC7の機能ブロックを示す図である。
OXC7は、NNI(Network Node Interface)機能部71−1〜71−M、73−1〜73−Mと、光スイッチ機能部72と、UNI(User Network Interface)機能部74とを備える。なお、以降の記載において、符号71−1〜71−Mを71−1〜Mと表記し、符号73−1〜73−Mを73−1〜Mと表記する。本明細書において「−」を含む他の符号も同様の表現とする。NNI機能部71−1〜Mは、M本ある各入力方路801−1〜Mに対応して設けられ、各入力方路801−1〜Mから入力される波長多重信号(Wavelength Division Multiplexing信号:WDM信号)を増幅する処理および光パス品質の監視を行う。
【0004】
光スイッチ機能部72は、WXC(Wavelength Cross-connect)機能部721と、Add/Drop機能部722と、を備える。NNI機能部73−1〜Mは、M本ある各出力方路802−1〜Mに対応して設けられる。NNI機能部73−1〜Mは、光スイッチ機能部72からのWDM信号を各出力方路802−1〜Mへ出力する際に、WDM信号の増幅および光パス品質の監視を行う。UNI機能部74は、光パスの終端となる機能を有し、UNI入力ポートと、UNI出力ポートと、クライアント信号の光信号への収容を行うトランスポンダとを備える。
【0005】
次に、光スイッチ機能部72の詳細について説明する。WXC機能部721は、WDM信号を各波長の光信号に分波し、分波後の光信号の通過(Through)、取り出し(Drop)、追加(Add)の選択を行う。Add/Drop機能部722は、WXC機能部721から取り出された光信号を受信するDropポートと、UNI機能部74から追加される光信号をWXC機能部721へ出力するためのAddポートとを有する。また、Add/Drop機能部722は、DropポートおよびAddポートと、UNI機能部74内にある所望のトランスポンダとを接続する機能を有する。
【0006】
WXC機能部721は、波長毎に分波した光信号に対して、通過させるか取り出しさせるかの選択を行う。WXC機能部721は、各方路に対して通過させる光信号を合波することでWDM信号を生成して対応するNNI機能部73−1〜Mへ出力する。
【0007】
Add/Drop機能部722は、WXC機能部721で取り出しされる光信号を所望のUNI入力ポートへ出力する。UNI機能部74は、UNI入力ポートを介して受信した、取り出しされた光信号を、広域転送用の信号様式からクライアント装置9で用いる信用様式であるクライアント信号に変換して、各UNI出力ポートよりクライアント装置9へ出力する。
【0008】
また、クライアント装置9側から新たに光信号を光スイッチ機能部72へ追加する場合、UNI機能部74は、クライアント装置9から受信したクライアント信号を、広域転送用の信号様式の光信号に変換して、その光信号をAdd/Drop機能部722へ出力する。Add/Drop機能部722は、UNI機能部74から受信した光信号を、WXC機能部721へ送信する。WXC機能部721は、受信した光信号に対して、所望のNNI機能部73−1〜MのNNI出力ポートから出力されるようにスイッチングを行う。NNI機能部73−1〜Mは、WXC機能部721を経て各方路から入力された信号を合波して、対応する各出力方路802−1〜Mへ出力する。
【0009】
次に、WXC機能部721及びAdd/Drop機能部722を備える光スイッチ機能部72の構成について、公知の構成を示し説明する。WXC機能部721及びAdd/Drop機能部722の公知の構成として、例えば特許文献1に記載された構成がある。
図20は、WXC機能部721及びAdd/Drop機能部722を備える光スイッチ機能部72の構成を示す図である。この図に示されるNは、方路の数をM本とすると、N=Mで規定される数である。但し、
図20において、入力方路801−1〜M又は出力方路802−1〜Mと、WXC機能部721との間に設けられるNNI機能部71−1〜M又はNNI機能部73−1〜Mは、省略されている。
【0010】
WXC機能部721は、NNI機能部71−1〜MのNNI入力ポート毎に設けられた1×(N+1) WSS(Wavelength Selective Switch)181−1〜Mと、NNI機能部73−1〜MのNNI出力ポート毎に設けられた(N+1)×1 WSS182−1〜Mとを備える。また、全ての1×(N+1) WSS181−1〜Mと(N+1)×1 WSS182−1〜Mとの間は、メッシュ状に光ファイバで接続された構成(フルメッシュ)である。1×(N+1) WSS181−1〜Mとして、例えば、現在市販されている1×9 WSSを用いると、最大で8方路に対応できるOXC7を構成できる。
【0011】
Add/Drop機能部722は、各Add/Dropポートにおいて任意の波長で任意の方路にAdd/Dropすることができる。このような機能を実現する構成として、Add/Drop機能部722は、D×N WSS183を備え、D×N WSS183のDポート側をAddポートに接続し、Nポート側を(N+1)×1 WSS182−1〜Mの入力ポートと接続する。Add/Drop機能部722は、N×D WSS184を備え、N×D WSS184のDポート側をDropポートに接続し、Nポート側を1×(N+1) WSS181−1〜Mの出力ポートと接続する。N×D WSSの代わりにN×D MCS(Multi cast switch)を用いてもよい。尚、N×D MCSとは、N個の1×DカプラとD個のN×1セレクタをメッシュ状に接続したデバイスであり、N=8、D=12のポート数のデバイスが報告されている(非特許文献1)。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1〜第4の実施形態に共通の構成)
図1は、本実施形態における光ネットワークの概略を示す図である。光ネットワーク1は、光ノードであるOXC2と、OXC2同士を接続するマルチコアファイバである光ファイバ3と、各OXC2に接続されるクライアント装置9とを備える。光ネットワーク1は、送信側および受信側となるクライアント装置9間で通信を行う際、送信側クライアント装置9が接続されるOXC2と、受信側クライアント装置9が接続されるOXC2との間で、光信号の経路となる光パス10、11を設定し、クライアント装置9間の信号を転送する。光ファイバ3は、K本(Kは2以上の自然数)のコアを含むマルチコアファイバである。クライアント装置9は、例えばコンピュータ等であり、光ネットワーク1を介した通信が可能な端末装置である。
【0041】
図2は、本実施形態におけるOXC2の機能ブロックを示す図である。
図2において、OXC2は、NNI機能部21−1〜M、23−1〜Mと、光スイッチ機能部22と、UNI機能部24とを備える。各入力方路301−1〜Mは、マルチコアファイバとして入力コア301−11〜1K、・・・、301−M1〜MKを備える。各出力方路302−1〜Mは、マルチコアファイバとして出力コア302−11〜1K、・・・、302−M1〜MKを備える。OXC2は、マルチコアファイバを用いた光ネットワーク1に対応した装置である。OXC2は、任意の入力コア301−11〜MKから得た任意の波長を、任意の出力コア302−11〜MKへ選択的に出力するWXC機能を有する。
【0042】
NNI機能部21−1〜Mは、M本ある各入力方路301−1〜Mに対応して設けられ、各入力方路301−1〜Mに含まれる入力コア301−11〜MKからNNI入力ポートに入力されるWDM信号を増幅し、光パス品質の監視を行う。光スイッチ機能部22は、WXC機能部(波長クロスコネクト装置)221と、Add/Drop機能部222とを備える。
WXC機能部221は、NNI機能部21−1〜Mから入力されるWDM信号を分波する機能と、分波後の光信号の通過(Through)、取り出し(Drop)、追加(Add)の選択を行う機能とを有する。Add/Drop機能部222は、WXC機能部221から取り出しされた光信号を受信するDropポートと、UNI機能部24から追加される光信号をWXC機能部221へ出力するためのAddポートとを備える。Add/Drop機能部222は、DropポートおよびAddポートと、UNI機能部24内にある所望のトランスポンダとを接続する機能を有する。
【0043】
NNI機能部23−1〜Mは、M本ある各出力方路302−1〜Mに対応して設けられ、光スイッチ機能部22からのWDM信号を増幅し、光パス品質の監視を行う。NNI機能部23−1〜Mは、NNI出力ポートを介して、各出力方路302−1〜Mに含まれる出力コア302−11〜MKへ増幅したWDM信号を出力する。NNI機能部21−1〜MのNNI入力ポート及びNNI機能部23−1〜MのNNI出力ポートの数は、共にM×K個である。UNI機能部24は、光パスの終端となる機能を有し、UNI入力ポートと、UNI出力ポートと、クライアント信号の光信号への収容を行うトランスポンダとを備える。
【0044】
次に、OXC2の動作について説明する。NNI機能部21−1〜Mは、各入力方路301−1〜Mに含まれる入力コア301−11〜MKから入力されるWDM信号を増幅し、WXC機能部221へ出力する。WXC機能部221は、NNI機能部21−1〜Mから受信したWDM信号を分波し、分波後の光信号に対して、通過させるか取り出しさせるかの選択を行う。
【0045】
Add/Drop機能部222は、WXC機能部221で取り出しされる光信号を所望のUNI入力ポートへ出力する。UNI機能部24は、UNI入力ポートを介して受信した、取り出しされた光信号を、広域転送用の信号様式からクライアント装置9で用いる信用様式であるクライアント信号に変換して、各UNI出力ポートよりクライアント装置9へ出力する。
【0046】
また、クライアント装置9側から新たに光信号を光スイッチ機能部22へ追加する場合、UNI機能部24は、クライアント装置9から受信したクライアント信号を、広域転送用の信号様式の光信号に変換して、その光信号をAdd/Drop機能部722へ出力する。Add/Drop機能部222は、UNI機能部24から受信した光信号を、WXC機能部221へ送信する。WXC機能部221は、受信した光信号に対して、所望のNNI機能部23−MのNNI出力ポートから出力されるようにスイッチングを行い、各出力ポートに対応して合波を行うことでWDM信号を生成して出力する。NNI機能部23−1Mは、WXC機能部221から出力されたWDM信号を増幅して、対応する出力方路302−1〜Mの出力コア302−11〜MKへ出力する。
【0047】
次に、光スイッチ機能部22の具体的な構成を、
図3〜5、9〜11、13、14に光スイッチ機能部22A〜22Eとして示し、第1〜第4の実施形態として説明する。なお、
図3〜5、9〜11、13、14は、入力方路301−1〜M又は出力方路302−1〜Mと、WXC機能部221A〜221Dとの間に設けられるNNI機能部21−1〜M及びNNI機能部23−1〜Mが省略されている。第1〜第4の実施形態の光スイッチ機能部22A〜22Eにおいては、入力方路と出力方路とが共にM本の同じ本数となる構成を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、光スイッチ機能部22A〜22Eは、M1本(M1は2以上の自然数)の入力方路及びM2本(M2は2以上の自然数)の出力方路に対応する構成とし、第1〜第4の実施形態に示すM1=M2の構成の他に、M1とM2が異なる本数となる構成であってもよい。
【0048】
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態におけるWXC機能部221A及びAdd/Drop機能部222Aを備える光スイッチ機能部22Aの構成例を示す図である。
図3に示すように、WXC機能部221Aは、M本の入力方路301−1〜M及び出力方路302−1〜Mであって、各方路がK本のコアで構成されたマルチコアファイバである構成に対応するものである。WXC機能部221Aは、各方路及び各波長のそれぞれについて独立して出力先となるコアを切替え可能なコア切替機能部31と、コア切替機能部31から出力された光信号に対して、各コア及び各波長のそれぞれについて独立して出力先となる方路を切替え可能な方路切替機能部32とを備える。コア切替機能部31及び方路切替機能部32は、各入力ポートから入力したWDM信号を、分波して、分波後の光信号を波長毎に任意の出力ポートを選択して出力し、各出力ポートにおいて受信した複数の光信号を合波して、WDM信号として出力する。
【0049】
コア切替機能部31は、各入力方路301−1〜Mに対応して1つ設けられるM個のK入力K出力のコア切替スイッチ31−1〜Mを備える。コア切替機能部31は、方路毎に独立した切替えを行う為、M個のコア切替スイッチ31−1〜Mで構成されている。方路切替機能部32は、K個のM’入力M’出力の方路切替スイッチ32−1〜Kを備える。方路切替機能部32は、コア毎に独立した切替えを行う為、K個の方路切替スイッチ32−1〜Kで構成されている。WXC機能部221Aの入力ポートの数(=NNI入力ポートの数)及び出力ポートの数(=NNI出力ポートの数)は、それぞれMK本となる。
【0050】
各コア切替スイッチ31−1〜Mが有するK個の入力ポートは、各入力方路301−1〜Mを構成するK本の入力コア301−11〜MKと接続されたK本のNNI入力ポートに接続される。各コア切替スイッチ31−1〜Mが有するK本の出力ポートはそれぞれ別の方路切替スイッチ32−1〜Mに接続される。コア切替スイッチ31−1〜Mの入力ポートは、各入力方路301−1〜Mを構成するK本の入力コア301−11〜MKと、NNI入力ポートを介して接続される。コア切替スイッチ31−1〜Mの各々の出力ポートには、K本の光ファイバが接続される。各コア切替スイッチ31−1〜Mの出力ポートに接続されたK本の光ファイバは、各方路切替スイッチ32−1〜Kの対応する入力ポートにそれぞれ接続される。Add/Drop機能部222Aは、Addポート及びDropポートをそれぞれD個備える。ここで、D=N×Lと表すことができる。Lは、Add/Drop機能部222A用の方路数であり、1以上の自然数である。Nは、Add/Drop機能部222A用の各方路が備えるシングルコアファイバの本数である。
【0051】
各方路切替スイッチ32−1〜Kは、M’個の入力ポートとM’個の出力ポートを有する(M’=M+L)。各方路切替スイッチ32−1〜Kの入力ポートにおけるM個は、それぞれ別のコア切替スイッチ31−1〜Mと接続される。方路切替スイッチ32−1〜Kの出力ポートにおけるM個は、出力方路302を構成するMK本の出力コア302−11〜MKと、NNI出力ポートを介して接続される。各方路切替スイッチ32−1〜Kの入力ポートにおけるL個は、それぞれ別のコア切替スイッチ33−1〜Lと接続される。方路切替スイッチ32−1〜Kの出力ポートにおけるL個は、それぞれ別のコア切替スイッチ34−1〜Lと接続される。
【0052】
第1の実施形態の光スイッチ機能部22AにおけるAdd/Drop機能部222Aについて説明する。Add/Drop機能部222Aは、Add部コア切替機能部33と、Drop部コア切替機能部34とを備える。Add/Drop機能部222AのAddポートは、各シングルコアファイバ、各波長毎に独立して切替可能なAdd部コア切替機能部33の入力ポートとD本のシングルコアファイバを介して接続される。Add部コア切替機能部33の出力ポートは、L個毎に方路切替機能部32の各方路切替スイッチ32−1〜Kの一部の入力ポートに接続される。よって、Add部コア切替機能部33の出力ポートは、L×K個である。
【0053】
方路切替機能部32の各方路切替スイッチ32−1〜KのL個の出力ポートは、各コア、各波長毎に独立して切替可能なDrop部コア切替機能部34に接続されている。Drop部コア切替機能部34の出力ポートは、Add/Drop機能部222AのDropポートにD本のシングルコアファイバを介して接続される。Add部コア切替機能部33は、L個のコア切替スイッチ33−1〜Lで構成される。Drop部コア切替機能部34は、L個のコア切替スイッチ34−1〜Lで構成される。
【0054】
各コア切替スイッチ33−1〜Lは、N個の入力ポートとK個の出力ポートを有し、入力ポートはAddポートと接続され、出力ポートはそれぞれK個の方路切替スイッチ32−1〜Kの入力ポートに接続される。各コア切替スイッチ34−1〜Lは、K個の入力ポートとN個の出力ポートを有し、入力ポートはK個の方路切替スイッチ32−1〜Kの出力ポートと接続され、出力ポートはDropポートと接続される。Addポート及びDropポートは、それぞれDポート(D=N×L)を有する。
【0055】
第1の実施形態のAdd/Drop機能部222Aは、各Addポートから入力した任意の波長の信号が、任意の方路、任意のコアに出力できる構成である。各Addポートから入力された信号は、Add部コア切替機能部33にて、出力するコアを選択する。続いて、方路切替機能部32にて出力する方路を選択する。このようにして、Addポートから入力した光信号は、波長独立で動作するAdd部コア切替機能部33及び方路切替機能部32により、任意の波長の信号を任意の方路、任意のコアに出力することができる。
【0056】
同様に、第1の実施形態のAdd/Drop機能部222Aは、各Dropポートに、任意の方路、任意のコアから任意の波長の信号を出力できる構成である。方路切替機能部32にて出力する方路を選択して、Drop部コア切替機能部34にて出力するコアを選択する。このようにして、波長独立で動作するDrop部コア切替機能部34及び方路切替機能部32により、任意の波長、任意の方路、任意のコアの信号を選択してDropできる。
【0057】
図3に示す光スイッチ機能部22Aにおいて、光パスを設定する際の制御方法を説明する。指定された入力方路及び入力コアに対応する特定のNNI入力ポート又はAddポートから、指定された出力方路及び出力コアに対応する特定のNNI出力ポートまでの光パスを設定する場合における制御方法を説明する。この場合、NNI入力ポート又はAddポートに接続されているコア切替スイッチ31−1〜M又はコア切替スイッチ33−1〜Lと、NNI出力ポートに接続されている方路切替スイッチ32−1〜Kをそれぞれ制御する。
【0058】
コア切替スイッチ31−1〜M又はコア切替スイッチ33−1〜Lにおける制御は、NNI入力ポート又はAddポートに接続されている入力ポートと、方路切替スイッチ32−1〜Kに接続されている出力ポートを接続する制御を行う。方路切替スイッチ32−1〜Kにおける制御は、コア切替スイッチ31−1〜M又はコア切替スイッチ33−1〜Lに接続されている入力ポートと、NNI出力ポートに接続されている出力ポートを接続する制御を行う。このように、コア切替スイッチ31−1〜M又はコア切替スイッチ33−1〜Lと方路切替スイッチ32−1〜Kとを制御することにより、NNI入力ポート又はAddポートから入力された光信号が、NNI出力ポートに到達することができ、指定された入力方路及び入力コア又は指定されたAddポートから指定した出力方路及び出力コアに光パスを設定することができる。
【0059】
指定された入力方路及び入力コアのNNI入力ポートから、指定されたDropポートに接続する場合を説明する。この場合、NNI入力ポートに接続されているコア切替スイッチ31−1〜Mと、いずれかの方路切替スイッチ32−1〜Kと、Dropポートに接続されているコア切替スイッチ34−1〜Lをそれぞれ制御する。方路切替スイッチ32−1〜Kは、コア切替スイッチ31−1〜M→方路切替スイッチ32−1〜K→コア切替スイッチ34−1〜Lの経路が空いていればどれを選択しても良い。
【0060】
コア切替スイッチ31−1〜Mにおける制御は、NNI入力ポートに接続されている入力ポートと、方路切替スイッチ32−1〜Kに接続されている出力ポートを接続する制御を行う。方路切替スイッチ32−1〜Kにおける制御は、コア切替スイッチ31−1〜Mに接続されている入力ポートと、コア切替スイッチ34−1〜Lに接続されている出力ポートを接続する制御を行う。コア切替スイッチ34−1〜Lにおける制御は、方路切替スイッチ32−1〜Kに接続されている入力ポートと、Dropポートに接続されている出力ポートを接続する制御を行う。このように、コア切替スイッチ31−1〜M、方路切替スイッチ32−1〜K及びコア切替スイッチ34−1〜Lを制御することにより、NNI入力ポートから入力された光信号が、Dropポートに到達することができ、指定した入力方路、コアから指定したDropポートに光パスを設定することができる。
【0061】
第1の実施形態における
図3に示す光スイッチ機能部22Aは、従来構成の
図21に示す光スイッチ機能部19と比べて以下の利点がある。
図3に示す光スイッチ機能部22Aにおいて、Add部コア切替機能部33の出力ポート数及びDrop部コア切替機能部34の入力ポート数は、それぞれK個である。これに対して、
図21の光スイッチ機能部19のAdd/Drop機能部195では、それぞれMK個必要であった。このように、
図3に示す光スイッチ機能部22Aは、Add/Drop機能部222Aに必要なポート数を低減することができる。つまり、任意の方路、任意のコアに任意の波長でAdd/DropするAdd/Drop機能部222Aを、装置規模の増大を抑制して実現することができる。
【0062】
図3に示したWXC機能部221Aの構成は、
図21に示したWXC機能部190の構成案と比較して、コア切替スイッチ31−1〜Mの出力ポート数及び方路切替スイッチ32−1〜Kの入力ポート数を、従来と比較して大幅に低減することができた。このように第1の実施形態のWXC機能部221Aは、より小型化された光クロスコネクト装置を実現することができる。そして、WXC機能部221Aを備える光クロスコネクト装置は、小型化と低コスト化を実現することができる。
【0063】
(第1の実施形態の変形例1)
次に、
図3に示したWXC機能部221A及びAdd/Drop機能部222Aを備える光スイッチ機能部22Aの変形例1について説明する。
図4に示すような、コア切替機能部31と、方路切替機能部32の順番を
図3と逆にした構成のWXC機能部221Bについて説明する。
図4は、第1の実施形態の変形例となるWXC機能部221B及びAdd/Drop機能部222Bを備える光スイッチ機能部22Bの構成例を示す図である。なお、
図4に示す構成要素において、
図3と同じ構成のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。
【0064】
図4に示すように、WXC機能部221Bは、入力方路301−1〜MからのWDM信号が入力される方路切替機能部32と、方路切替機能部32から出力された光信号に対して処理を行うコア切替機能部31とを備える。Add/Drop機能部222Bは、Add部コア切替機能部33と、Drop部コア切替機能部34とを備える。
【0065】
方路切替機能部32は、K個のM入力M出力の方路切替スイッチ32−1〜Kを備える。各方路切替スイッチ32−1〜Kが有するM’個の入力ポートは、NNI入力ポート及びAdd部コア切替機能部33の出力ポートに接続される。方路切替スイッチ32−1〜Kが有するM’個の出力ポートはそれぞれ別のコア切替スイッチ31−1〜Mの入力ポート及びDrop部コア切替機能部34の入力ポートに接続される。コア切替スイッチ31−1〜Mの各々の出力ポートには、K本の光ファイバが接続される。各コア切替スイッチ31−1〜Mの出力ポートに接続されたK本の光ファイバは、出力方路302を構成するMK本の出力コア302−11〜MKと、NNI出力ポートを介して接続される。
【0066】
図4に示した光スイッチ機能部22Bの構成にした場合も、
図3に示した光スイッチ機能部22Aと同様の効果を得ることができる。すなわち、第1の実施形態の変形例となる光スイッチ機能部22Bは、
図21に示した従来構成と比較して、Add/Drop機能部222Bにおける光スイッチの入出力ポート数を低減することができる。
【0067】
(第1の実施形態の具体例)
次に、
図3に示したコア切替スイッチ31−1〜M、コア切替スイッチ33−1〜L、コア切替スイッチ34−1〜L及び方路切替スイッチ32−1〜Kの具体例として波長選択スイッチ(WSS)を用いた構成について説明する。
図5は、第1の実施形態におけるコア切替スイッチ及び方路切替スイッチの具体例を示す図である。なお、
図5に示す構成要素において、
図3と同じ構成のもの又は同じ機能のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。
【0068】
図5に示すように、
図3のコア切替スイッチ31−1〜Mは、M個のK×K WSS31a−1〜Mで構成することができる。
図3のコア切替スイッチ33−1〜Lは、L個のN×K WSS33a−1〜Lで構成することができる。
図3のコア切替スイッチ34−1〜Lは、L個のK×N WSS34a−1〜Lで構成することができる。
図3の方路切替スイッチ32−1〜Kは、K個のM’×M’ WSS32a−1〜Kで構成することができる(M’=M+L)。K×K WSS31a−1〜Mは、WDM信号を入力する入力ポート及びWDM信号を出力する出力ポートをK個有する波長選択スイッチである。波長選択スイッチ(WSS)は、WDM信号を分波して得た光信号を波長単位で任意の出力ポートに出力することができる機能を有したデバイスである。本実施形態におけるWSSは、入力された信号に対して、波長毎、入力ポート毎にそれぞれ制約なく出力ポートを選択できるコンテンションレスな機能を有している。
【0069】
コア切替スイッチ31−1〜Mとして、K×K WSS31a−1〜Mを用いることで、各コア及び各波長毎に出力コアを選択できるコア切替機能部31が実現できる。方路切替スイッチ32−1〜Kとして、M’×M’ WSS32a−1〜Kを用いることで、各方路及び各波長毎に出力方路を選択できる方路切替機能部32が実現できる。
【0070】
第1の実施形態におけるAdd/Drop機能部222Aは、Add部コア切替機能部33をL個のN×K WSS33a−1〜Lで構成し、Drop部コア切替機能部34をL個のK×N WSS34a−1〜Lで構成する。これにより、Add/Drop機能部222Aは、任意の方路、任意のコア、任意の波長の信号をAdd又はDropする機能を、少ないポート数のスイッチで実現できる。
【0071】
(第1の実施形態のAdd/Drop機能部222Aの具体例)
図6〜
図8は、
図5に示すAdd/Drop機能部222Aの具体例を示す図である。Add/Drop機能部222AのN×K WSS33a−1〜L及びK×N WSS34a−1〜Lを現在技術が成熟している1×N WSS、セレクタ及び光カプラのいずれか一つ又は組み合わせで実現する構成を示している。
【0072】
図6は、N×K WSS33a−1及びK×N WSS34a−1の構成例を示す図である。Add部コア切替機能部33におけるN×K WSSは、N個の1×K WSSとK個のN×1 WSSとを備え、各WSSをフルメッシュで接続した構成である。Drop部コア切替機能部34におけるK×N WSSは、K個の1×N WSSとN個のK×1 WSSとを備え、各WSSをフルメッシュで接続した構成である。Add/Drop機能部222AのAdd部コア切替機能部33及びDrop部コア切替機能部34において、方路切替機能部32に対して出力又は入力する信号は波長多重信号である。Add部コア切替機能部33及びDrop部コア切替機能部34において、Addポートから入力又はDropポートへ出力する信号は、単一チャンネル信号である。このため、
図6に示した構成とした場合、Add部コア切替機能部33におけるN個の1×K WSS及びDrop部コア切替機能部34におけるN個のK×1 WSSは、単一チャンネル信号しか通過せず、波長毎に切替る機能は不要である。よって、Add部コア切替機能部33におけるN個の1×K WSS及びDrop部コア切替機能部34におけるN個のK×1 WSSは、それぞれセレクタに置き換えてもよい。
【0073】
図7は、
図6におけるAdd部コア切替機能部33におけるN個の1×K WSS及びDrop部コア切替機能部34におけるN個のK×1 WSSを光カプラに変更した構成である。このように、WSSを光カプラに変更しても、Add部コア切替機能部33又はDrop部コア切替機能部34全体としては、
図6と同じ機能を果たす。
【0074】
図8は、
図6におけるAdd部コア切替機能部33におけるK個のN×1 WSS及びDrop部コア切替機能部34におけるK個の1×N WSSを光カプラに変更した構成である。こちらも
図7と同様に、WSSを光カプラに変更しても、Add部コア切替機能部33又はDrop部コア切替機能部34全体としては、
図6と同じ機能を果たす。さらに、
図8において、光カプラとセレクタの2段構成となっているが、この構成は、MCSと同様の構成になる。
【0075】
以上のように、
図5に示すN×K WSS33a−1〜L及びK×N WSS34a−1〜Lの構成を、
図6〜
図8に示した構成に置き換えることができる。つまり、任意の方路、任意のコア、任意の波長の信号をAdd/Drop機能部222Aは、1×N WSS、セレクタ及び光カプラのいずれか一つ又は組み合わせで実現することができ、現在確立された技術を用いて実現することができる。
【0076】
(第1の実施形態の詳細な具体例)
次に、
図5に示したコア切替スイッチであるK×K WSS31a−1〜Mの詳細な具体例として1×K WSS及びK×1 WSSを用いた構成について説明する。
図5に示した方路切替スイッチであるM’×M’ WSS32a−1〜Kの詳細な具体例として1×M’ WSS及びM’×1 WSSを用いた構成について説明する。
図9は、第1の実施形態におけるコア切替スイッチ及び方路切替スイッチの詳細な具体例を示す図である。なお、
図9に示す構成要素において、
図5と同じ構成のもの又は同じ機能のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。
【0077】
図9に示すように、
図5に示した各K×K WSS31a−1〜Mを、K個の1×K WSS31a−111〜11K及びK個のK×1 WSS31a−121〜12Kで構成する。なお、
図9においては、図面が複雑になることを防ぐためコア切替機能部31内の1×K WSS31a−11K、K×1 WSS31a−12K及びK×K WSS31a−M等を省略している。また、同じ理由でK×K WSS31a−2内にある1×K WSS及びK×1 WSSに対する符号も省略している。また、図面が複雑になることを防ぐため方路切替機能部32内のM’×M’ WSS32a−Kを省略し、M’×M’ WSS32a−2内にある1×M’ WSS及びM’×1 WSSに対する符号を省略している。
【0078】
K個の1×K WSS31a−111〜11Kの出力ポートは、K個のK×1 WSS31a−121〜12Kの入力ポートとフルメッシュで接続される。1×K WSSは、WDM信号を入力する1個の入力ポートとWDM信号を出力するK個の出力ポートを有し、波長単位で出力ポートを選択できる機能を有したデバイスである。K×1 WSSは、WDM信号を入力するK個の入力ポートとWDM信号を出力する1個の出力ポートを有し、波長単位で入力ポートを選択できる機能を有したデバイスである。この1×K WSSはK=20以下であれば製造技術が確立されており、製品として市場で販売されているデバイスである。
【0079】
図9に示すように、
図5に示した各M’×M’ WSS32a−1〜Kを、M個の1×M’ WSS32a−111〜11M及びL個の1×M WSS32a−11M’’〜11M’及びM個のM’×1 WSS32a−121〜12Kで構成する。但し、M’=M+Lであり、M’’=M+1である。K個の1×M’ WSS32a−111〜11Kの出力ポートは、K個のM’×1 WSS32a−121〜12Kの入力ポートとフルメッシュで接続される。
【0080】
図9のAdd部コア切替機能部33及びDrop部コア切替機能部34は、
図6〜
図8に示した構成のいずれかの構成を用いる。Add部コア切替機能部33は、L個のN×K WSS33a−1〜Lを備える。N×K WSS33a−1は、N個の1×K WSS33a−111〜11Nと、K個のN×1 WSS33a−121〜12Kとを備える。Drop部コア切替機能部34は、L個のK×N WSS34a−1〜Lを備える。K×N WSS34a−1は、K個の1×N WSS34a−111〜11Kと、N個のK×1 WSS34a−121〜12Nとを備える。
【0081】
なお、
図9においては、図面が複雑になることを防ぐためAdd部コア切替機能部33内には、N×K WSS33a−1に対応する構成のみを示している。同様に、N×K WSS33a−1内の1×K WSS33a−11N、N×1 WSS33a−12K等を省略している。同様に、Drop部コア切替機能部34内の1×N WSS34a−11K、K×1 WSS34a−12N及びK×N WSS34a−L等を省略している。1×N WSSは本出願時点において技術が成熟しており、N≦20の製品が市場で販売されている。つまり、任意の方路、任意のコア、任意の波長の信号をAdd/Dropできる機能を、技術が成熟された1×N WSSを用いて実現することができる。
【0082】
図9に示す光スイッチ機能部22Aおいて、光パスを設定する際の制御方法を説明する。指定されたAddポートから、指定された出力方路及び出力コアに対応する特定のNNI出力ポートまでの光パスを設定する場合における制御方法を説明する。この場合、Addポートに接続されている1×K WSS又はSELと、NNI出力ポートに接続されているM’×1 WSSと、1×K WSSとM’×1 WSSに接続されているN×1 WSSと1×M’ WSSをそれぞれ制御する。(N×1 WSS、1×M’ WSSは、お互い接続されており、且つ、1×K WSSがN×1 WSSに接続され、M’×1 WSSが1×M’ WSSに接続されているN×1 WSS、1×M’ WSSを選択する。)ここで、1×K WSSの制御では入力ポートをN×1 WSSに接続されている出力ポートに接続する制御を行う。N×1 WSSの制御では1×K WSSより接続されている入力ポートを出力ポートに接続する制御を行う。1×M’ WSSの制御では入力ポートをM’×1 WSSに接続されている出力ポートに接続する制御を行う。M’×1 WSSの制御では1×M’ WSSより接続されている入力ポートを出力ポートに接続する制御を行う。このように、1×K WSSとN×1 WSSと1×M’ WSSとM’×1 WSSを制御することにより、Addポートから入力された光信号が、NNI出力ポートに到達することができ、指定したAddポートから指定した出力方路、出力コアに光パスを設定することができる。
【0083】
指定した入力方路、入力コアのNNI入力ポートから、指定したDropポートに接続する場合を説明する。この場合、NNI入力ポートに接続されている1×K WSSと、1×K WSSに接続されているK×1 WSSと、K×1 WSSに接続されている1×M’ WSSと、1×M’ WSSに接続されているM’×1 WSSと、M’×1 WSSに接続されている1×N WSSと、1×N WSSに接続され、且つ、Dropポートに接続されているK×1 WSS又はSELをそれぞれ制御する。ここで、K×1 WSSについて、1×K WSSに接続されているK×1 WSSは複数あるが、経路1×K WSS→K×1 WSS→1×M’ WSS→M’×1 WSS→1×N WSS→K×1 WSSが空いていれば、どのK×1 WSSを選択しても良い。K×1 WSSが確定すると、1×M’ WSSはK×1 WSSに接続されている1×M’ WSSを選択して、M’×1 WSS、1×N WSSは、それぞれ1×M’ WSS、K×1 WSSに接続されており、且つ、M’×1 WSSと1×N WSSが接続さているM’×1 WSSと1×N WSSを選択する。各スイッチへの制御は、前後に接続されているスイッチと接続できるように、入出力ポートの接続を行う制御を行う。このように、1×K WSSからK×1 WSSを制御することにより、NNI入力ポートから入力された光信号が、Dropポートに到達することができ、指定した入力方路、コアから指定したDropポートに光パスを設定することができる。
【0084】
このように、
図9に示す光スイッチ機能部22Aは、光ネットワークの技術分野において、技術が成熟している1×N(Nは2以上の自然数)の波長選択スイッチ(WSS)を利用してN×N WSSを実現する。これにより、
図9に示す光スイッチ機能部22Aは、上述した
図3に示す光スイッチ機能部22Aの効果に加えて、装置の信頼性を高めるとともにコストを抑制することができる。
【0085】
図9においてWSSをより廉価なデバイスである光カプラに置き換えても良い。具体的には、
図9に示すWXC機能部221Aの構成において、1×K WSS及びK×1 WSSのどちらか一方を1×Kの光カプラ又はK×1の光カプラに置き換えてもよいし、1×M’ WSS及びM’×1 WSSのどちらか一方を1×M’の光カプラ又はM’×1の光カプラに置き換えてもよい。光カプラはWDM信号の分配(又は集約)を行う機能のみあるので、2つのWSSの一方と置き換える。これにより、他方のWSSにより、各波長毎に入力ポート(又は出力ポート)を選択することができる。
【0086】
このように
図9に示すWXC機能部221Aの1×K WSS及びK×1 WSSのどちらか一方を1×Kの光カプラ又はK×1の光カプラに置き換えても、
図9に示すWXC機能部221Aと同様の効果を奏することができる。また、
図9に示すWXC機能部221Aの1×M’ WSS及びM’×1 WSSのどちらか一方を1×M’の光カプラ又はM’×1の光カプラに置き換えた場合も同様である。これにより、
図9に示すWXC機能部221Aの効果に加えて、より廉価な光デバイスを用いて実現することができる。なお、
図9の構成においても、上述した変形例に示したように、コア切替機能部31及び方路切替機能部32の順番を逆にした構成とすることが可能である。
【0087】
(第1の実施形態の変形例2)
次に、本発明における第1の実施形態の変形例2について説明する。
図10は、第1の実施形態の変形例2における光スイッチ機能部22Aaの構成例を示す図である。
図10に示す光スイッチ機能部22Aaは、
図9に示す光スイッチ機能部22AとWSSの構成は同じである。
図10の光スイッチ機能部22Aaにおいて
図9の光スイッチ機能部22Aと異なる点は、複数のWSSを一つのモジュールに集積している点である。例えば、K個のWSSをK連のWSSとして一つのモジュール(波長クロスコネクトモジュール)に集積している。なお、
図10に示す構成要素において、
図9と同じ構成のもの又は同じ機能のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。
【0088】
光スイッチ機能部22Aaは、WXC機能部221A及びAdd/Drop機能部222Aaを備える。
図10において、Add側モジュール33A−1は、N個の1×K SEL33a−111〜11Nと、K個のN×1 WSS33a−121〜12Kを1つのモジュールに集積する。同様に、Drop側モジュール34A−1は、K個の1×N WSS34a−111〜11Kと、N個のK×1 SEL34a−121〜12Nとを一つのモジュールに集積する。
【0089】
なお、1×K SEL33a−111〜11N及びN個のK×1 SEL34a−121〜12Nは、セレクタ(SEL)に限られるものではなく、
図7に示したように光カプラ(CPL)であってもよい。すなわち、1×K SEL33a−111〜11N及びN個のK×1 SEL34a−121〜12Nは、1×K CPL33a−111〜11N及びN個のK×1 CPL34a−121〜12Nに置き換えることができる。Add部コア切替機能部33は、L個のAdd側モジュール33A−1〜Lを備える。Drop部コア切替機能部34は、L個のDrop側モジュール34A−1〜Lを備える。
【0090】
図10に示す光スイッチ機能部22Aaは、複数のWSSを1つのモジュールに集積化することで、以下の利点を有する。
図10に示す光スイッチ機能部22Aaは、
図9に示す光スイッチ機能部22Aと比べると、WSSの数よりも少ないモジュール数で光クロスコネクト装置を実現することができる。
図10に示す光スイッチ機能部22Aaは、集積化したモジュールを用いることにより、部品点数を削減でき、ノード構成をよりシンプルに実現することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
図11は、第2の実施形態における光スイッチ機能部22Cの構成例を示す図である。
図11に示す光スイッチ機能部22Cは、
図9に示す光スイッチ機能部22Aの構成をさらにシンプル化した構成である。
図11に示す光スイッチ機能部22Cは、
図9におけるAdd部コア切替機能部33内のN×1 WSSと、方路切替機能部32内の1×M’ WSSとを1つのN×Mのコンテンション有りのWSSに置き換えた構成である。同様に、
図9の方路切替機能部32内のM’×1 WSSと、Drop部コア切替機能部34内の1×N WSSとを1つのM×Nのコンテンション有りのWSSに置き換えた構成である。同様に、
図9のコア切替機能部31内のK×1 WSSと、方路切替機能部32内の1×M’ WSSとを1つのK×M’のコンテンション有りのWSSに置き換えた構成である。
【0092】
図11に示すように、光スイッチ機能部22Cは、WXC機能部221CとAdd/Drop機能部222Cとを備える。WXC機能部221Cは、各入力方路301−1〜Mに対応してK個ずつ設けられる1入力K出力の1×K WSS81−11〜MKと、各入力方路301−1〜Mに対応してK個ずつ設けられるK入力M’出力のK×M’ WSS82−11〜M’Kと、各出力方路302−1〜Mに対応してK個ずつ設けられるM’入力1出力のM’×1 WSS83−11〜M’Kとを備える。
【0093】
Add/Drop機能部222Cは、Add部コア切替機能部33と、Drop部コア切替機能部34とを備える。Add部コア切替機能部33は、L個のN×(K×M) WSS33a−1〜Lを備える。N×(K×M) WSS33a−1は、N個の1×K WSS84−11〜1Nと、K個のN×M WSS85−11〜1Kとを備える。Drop部コア切替機能部34は、L個の(K×M)×N WSS34a−1〜Lを備える。(K×M)×N WSS34a−1は、K個のM×N WSS86−11〜1Kと、N個のK×1 WSS87−11〜1Kとを備える。
【0094】
なお、
図11に示す構成要素において、
図9と同じ構成のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。また、
図11においては、図面が複雑になることを防ぐため各入力方路のK番目の入力コアに接続される1×K WSS81−1K、1×K WSS81−2K、…、1×K WSS81−MKを省略している。同様に上記1×K WSS81−1K等に対応するK×M’ WSS82−1K、K×M’ WSS82−2K、…、K×M’ WSS82−MK及び各出力方路のK番目の出力コアに接続されるM’×1 WSS83−1K、M’×1 WSS83−2K、…、M’×1 WSS83−MKを省略している。また、
図11のAdd/Drop機能部222Cにおいても、
図9と同様の省略を行っている。
【0095】
図11に示す光スイッチ機能部22Cは、光ネットワークの技術分野において技術が成熟しているコンテンションを有するK×M’ WSSを用いた構成である。
図11に示す光スイッチ機能部22Cは、
図9に示すコア切替機能部31のK×1 WSSと、方路切替機能部32の1×M’ WSSとを1個のK×M’ WSSに置き換えた構成である。コンテンションを有するK×M’ WSSとは、WDM信号を入力するK個の入力ポートと、WDM信号を出力するM’個の出力ポートとを有し、WDM信号を分波した光信号の波長単位で出力ポート(又は入力ポート)を選択できる機能を有するデバイスである。ここで、コンテンションを有するとは、各波長につき入力ポートと出力ポートは1つしか選択できず、同じ波長の信号を2つ以上同時に通すことはできない制約を有することを意味する。
【0096】
図11に示す光スイッチ機能部22Cにおいて、光パスを設定する際の制御方法を説明する。指定されたAddポートから、指定された出力方路及び出力コアに対応する特定のNNI出力ポートまでの光パスを設定する場合における制御方法を説明する。この場合、Addポートに接続されている1×K WSS、又はSELと、NNI出力ポートに接続されているM’×1 WSSと、1×K WSSとM’×1 WSSに接続されているN×M WSSとをそれぞれ制御する。ここで、1×K WSSの制御では入力ポートをN×M WSSに接続されている出力ポートに接続する制御を行う。N×M WSSの制御では1×K WSSより接続されている入力ポートをM’×1 WSSに接続されている出力ポートに接続する制御を行う。M’×1 WSSの制御ではN×M WSSより接続されている入力ポートを出力ポートに接続する制御を行う。このように、1×K WSSとN×M WSSとM’×1 WSSを制御することにより、Addポートから入力された光信号が、NNI出力ポートに到達することができ、指定したAddポートから指定した出力方路、コアに光パスを設定することができる。
【0097】
指定した入力方路、コアのNNI入力ポートから、指定したDropポートに接続する場合を説明する。この場合、NNI入力ポートに接続されている1×K WSSと、1×K WSSに接続されているK×M’ WSSと、K×M’ WSSに接続されているM×N WSSと、M×N WSSに接続され、かつ、Dropポートに接続されているK×1 WSS又はSELとをそれぞれ制御する。ここで、K×M’ WSSについて、1×K WSSに接続されているK×M’ WSSは複数あるが、経路1×K WSS→K×M’ WSS→M×N WSS→K×1 WSSが空いていれば、どのK×M’ WSSを選択しても良い。K×M’ WSSが確定すると、M×N WSSはK×M’ WSSとK×1 WSSに接続されているM×N WSSを選択する。各スイッチの制御は、前後に接続されているスイッチと接続できるように、入出力ポートの接続を行う制御を行う。このように、1×K WSSからK×1 WSSを制御することにより、NNI入力ポートから入力された光信号が、Dropポートに到達することができ、指定した入力方路、コアから指定したDropポートに光パスを設定することができる。
【0098】
このように、
図11に示す光スイッチ機能部22Cは、コンテンションを有するK×M’ WSSを用いることにより、成熟された技術を用いることの利点に加え、部品点数及びノード内損失を減らす効果を得ることができる。なお、
図11の構成において、1×K WSS→K×M’ WSS→M’×1 WSSとした順番を逆にした1×M’ WSS→M’×K WSS→K×1 WSSという構成としてもよい。
【0099】
(第2の実施形態の変形例)
次に、本発明における第2の実施形態の変形例について説明する。
図11に示す光スイッチ機能部22Cの構成において、1部のWSSを光カプラ(CPL)又は光スプリッタ(SPL)と置き換えた構成としてもよい。第1の変形例として、
図11に示すWXC機能部221Cの構成において、K×M’ WSSをK×M’の光カプラに置き換えた構成とする。この構成の場合には、K×M’ 光カプラは、WDM信号の集約と分配を行う。前段の1×K WSSの出力ポート及び後段のM’×1 WSSの入力ポートが選択されることにより、K×M’ 光カプラの入力ポートと出力ポートが選択される。これにより、K×M’ WSSをK×M’ 光カプラに置き換えた構成は、
図11に示すWXC機能部221Cの構成よりもWSSの個数をさらに減らすことができ、装置の廉価化を実現できる。尚、光パスを設定する際の制御方法は、
図11に示すWXC機能部221Cにおける制御方法とほぼ同じである。そして、K×M’ WSSからK×M’ 光カプラに置き換えることで、K×M’ WSSでは必要であった光スイッチの制御が不要になる。つまり、K×M’ WSSをK×M’ 光カプラに置き換えた構成は、
図11に示すWXC機能部221Cよりも制御が簡単になる。
【0100】
第2の変形例として、
図11に示すWXC機能部221Cの構成において、1×K WSSを1×Kの光スプリッタに置き換え、M’×1 WSSをM’×1の光スプリッタに置き換えた構成としてもよい。この構成の場合には、1×Kの光スプリッタは、WDM信号の分配を行い、M’×1 光スプリッタは、WDM信号の集約を行う。K×M’ WSSの入力ポート、出力ポートを選択することにより、それぞれ、光スプリッタの位置の出力ポートと入力ポートを選択することになる。1×K WSS及びM’×1 WSSを1×K 光スプリッタ及びM’×1 光スプリッタに置き換えた構成(以下、「光スプリッタに置き換えた構成」という。)は、
図11に示すWXC機能部221Cと同じ機能を実現している。光スプリッタに置き換えた構成は、
図11に示す光スイッチ機能部22Cよりも、装置内のWSSの個数を減らし、廉価化を実現することができる。尚、光パスを設定する際の制御方法は、
図11に示すWXC機能部221Cにおける制御方法とほぼ同じである。そして、光スプリッタに置き換えた構成は、1×K WSS及びM’×1 WSSでは必要であった光スイッチの制御が不要になる。つまり、光スプリッタに置き換えた構成は、
図11に示すWXC機能部221Cよりも制御が簡単になる。
【0101】
(第3の実施形態)
次に、本発明における第3の実施形態について説明する。
図12は、第3の実施形態における光スイッチ機能部22Dの構成例を示す図である。
図12に示すように、
図11とWSSの機能的な構成は同じである。
図12において
図11と異なる点は、複数のWSSを一つのモジュールに集積している点である。例えば、K個のWSSをK連のWSSとして一つのモジュール(波長クロスコネクトモジュール)に集積している。なお、
図12に示す構成要素において、
図11と同じ構成のもの又は同じ機能のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。
図12においても、
図11と同様の省略が行われている。
【0102】
光スイッチ機能部22Dは、WXC機能部221D及びAdd/Drop機能部222Dを備える。
図12において、K連(1×K WSS)モジュール81−1は、入力方路301−1のK個の入力コアに接続されたK個の1×K WSS81−11〜1Kを1つのモジュールに集積する。同様に、K連(1×K WSS)モジュール81−2は、入力方路301−2のK個の入力コアに接続されたK個の1×K WSS81−21〜2Kを1つのモジュールに集積する。同様に、K連(1×K WSS)モジュール81−Mは、入力方路301−MのK個の入力コアに接続されたK個の1×K WSS81−M1〜MKを1つのモジュールに集積する。
【0103】
K連(K×M’ WSS)モジュール82−1は、2段目のK個のK×M’ WSS82−11〜1Kを一つのモジュールに集積する。K連(K×M’ WSS)モジュール82−2は、K個のK×M’ WSS82−21〜2Kを一つのモジュールに集積する。K連(K×M’ WSS)モジュール82−Mは、K個のK×M’ WSS82−M1〜MKを一つのモジュールに集積する。
【0104】
K連(M’×1 WSS)モジュール83−1は、3段目のK個のM’×1 WSS83−11〜1Kを一つのモジュールに集積する。K連(M’×1 WSS)モジュール83−2は、K個のM’×1 WSS83−21〜2Kを一つのモジュールに集積する。K連(M’×1 WSS)モジュール83−Mは、K個のM’×1 WSS83−M1〜MKを一つのモジュールに集積する。
【0105】
Add/Drop機能部222Dは、Add部コア切替機能部33と、Drop部コア切替機能部34とを備える。Add部コア切替機能部33は、L個のN×(K×M) WSS33a−1〜Lを備える。N×(K×M) WSS33a−1は、N個の1×K WSS84−11〜1Nと、K個のN×M WSS85−11〜1Kとを備える。Drop部コア切替機能部34は、L個の(K×M)×N WSS34a−1〜Lを備える。(K×M)×N WSS34a−1は、K個のM×N WSS86−11〜1Kと、N個のK×1 WSS87−11〜1Nとを備える。
【0106】
モジュール85−1は、K個のN×M WSS85−11〜1KとN個の1×Kセレクタ84−11〜1Nを1つのモジュールに集積する。モジュール86−1は、K個のM×N WSS86−11〜1KとN個のK×1セレクタ87−11〜1Nを1つのモジュールに集積する。
【0107】
図12に示す光スイッチ機能部22Dは、複数のWSSを1つのモジュールに集積化することで、以下の利点を有する。
図12に示す光スイッチ機能部22Dは、
図11に示す光スイッチ機能部22Cと比べると、WSSの数よりも少ないモジュール数で光クロスコネクト装置を実現することができる。
図12に示す光スイッチ機能部22Dは、集積化したモジュールを用いることにより、部品点数を削減でき、ノード構成をよりシンプルに実現することができる。
【0108】
(第3の実施形態の変形例)
次に、本発明における第3の実施形態の変形例について説明する。
第3の実施形態の変形例は、複数のWSSと光カプラを1つのモジュールに集積化する。
図13は、第3の実施形態の変形例における光スイッチ機能部22Daの構成例を示す図である。なお、
図13に示す構成要素において、
図12と同じ構成のもの又は同じ機能のものには同じ符号を付与し、説明を簡略化又は省略する。
【0109】
図13に示すAdd部コア切替機能部33のモジュール85a−1は、
図12に示したAdd部コア切替機能部33のモジュール85−1に含まれるK個のN×M WSS85−11〜1Kを、K個のN×M CPL85a−11〜1Kに置き換えた構成である。
図13に示すモジュール85a−1は、N個の1×K WSS84−11〜1N及びK個のN×M CPL85a−11〜1Kを1つのモジュールに集積化する。
【0110】
図13に示すDrop部コア切替機能部34のモジュール86a−1は、
図12に示したAdd部コア切替機能部33のモジュール86−1に含まれるK個のM×N WSS86−11〜1Kを、K個のK個のM×N CPL86a−11〜1Kに置き換えた構成である。
図13に示すモジュール86a−1は、N個のK×1 WSS87−11〜1N及びK個のM×N CPL86a−11〜1Kを1つのモジュールに集積化する。
【0111】
図13に示した光スイッチ機能部22Daは、複数のWSS及び光カプラを1つのモジュールに集積化することで、以下の利点がある。
図13に示した光スイッチ機能部22Daは、
図12に示した光スイッチ機能部22Dよりも少ないモジュール数で、同様の機能を実現することができる。
【0112】
次に、
図12に示した複数のWSSを集積したモジュール(波長クロスコネクトモジュール)の具体的な構成例について説明する。
【0113】
(第3の実施形態の構成例)
図14は、第3の実施形態における1×K WSSをK個集積したK連(1×K WSS)モジュール81−1の構成例1を示す図である。
図14に示すK連(1×K WSS)モジュール81−1は、K=3の場合のモジュールの構成例を示している。
【0114】
K連(1×K WSS)モジュール81−1は、コリメータ等である光入力部101−1〜3と、コリメータ等である光出力部102−11、12、13、21、22、23、31、32、33(以下、光出力部102−11〜33と表記する。)と、回折格子103と、レンズ104−1〜3と、スイッチ素子105とを備える。回折格子103は、光入力部101−1〜3から入力されるWDM信号に対して、波長に応じて異なる角度に回折して反射することで分波を行い、かつ、スイッチ素子105で反射された光出力部102−11〜33へ出力する光信号の合波を行う。レンズ104−1〜3は、回折格子103で分波された光信号をスイッチ素子105の所定の領域に伝搬し、かつ、スイッチ素子105により偏向角を制御された光信号を回折格子103の所定の領域に伝搬させる。
【0115】
スイッチ素子105は、K個のスイッチ素子105−1〜3から構成され、回折格子103で分波された光信号を、波長ごとに任意の光出力部102−11〜33へ入力するために、光信号のビーム偏向角の制御を行う。具体的には、スイッチ素子105−1は、回折格子103で分波された光信号を、波長ごとに光出力部102−11、102−12、102−13のいずれかに入力する制御を行う。同様に、スイッチ素子105−2は、回折格子103で分波された光信号を、波長ごとに光出力部102−21、102−22、102−23のいずれかに入力する制御を行う。スイッチ素子105−3は、回折格子103で分波された光信号を、波長ごとに光出力部102−31、102−32、102−33のいずれかに入力する制御を行う。
【0116】
図12の1×K WSS81−11は、例えば、
図14の光入力部101−1と、光出力部102−11、102−12、102−13と、回折格子103と、レンズ104−1と、スイッチ素子105−1とから構成されている。そして、K個の1×K WSSが垂直方向に並んで集積されている。なお、光入力部101−1〜3及び光出力部102−11〜33は、例えば、ファイバコリメータで構成される。また、スイッチ素子105は、例えば、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)で構成される。
【0117】
次に、
図14に示したK連(1×K WSS)モジュール81−1のように、複数のWSSを1台のモジュールに集積するための光学系の構成について説明する。複数のWSSの光入力部101−1〜3および光出力部102−11〜33を、
図14の垂直方向に並べて配置することで、複数のWSSの光学系を空間的に分離することができる。この時、各WSSの入出力ポートに対応した光入力部101−1〜3および光出力部102−11〜33は、入射された光信号が、回折格子103およびスイッチ素子105の同一の領域に入射するように配置される。なお、
図14のK連(1×K WSS)モジュール81−1は、1つの回折格子103と、1つのスイッチ素子105とを、複数のWSSで共用した構成である。
【0118】
また、
図14のK連(1×K WSS)モジュール81−1は、1×3 WSSを3個集積する構成例を示しているが、これに限定されるものではない。K及びM’の値が2以上となるK×M’ WSSをK個集積する構成にも、
図14の構成を適用可能である。すなわち、
図14と同一の光学系部材を用いて、一部の光学系部材の配置と制御方式を変更することによって、K、M’が2以上となるK×M’ WSSを複数集積したモジュールを実現することが可能である。すなわち、
図14の構成を適用して、
図12に示したK連(K×M’ WSS)モジュール82−1〜M及びK連(M’×1 WSS)モジュール83−1〜Mを実現することができる。
【0119】
(第4の実施形態)
次に、本発明における第4の実施形態について説明する。
図15は、第4の実施形態における光スイッチ機能部22Eの構成例及び再配置の処理を示す図である。第4の実施形態における光スイッチ機能部22Eは、コア切替機能部31及び方路切替機能部32内部において、閉塞が発生した場合に、これを解消できる構成である。
図15に示す光スイッチ機能部22Eは、
図5に示した光スイッチ機能部22Aが、再配置機能部35をさらに備える構成である。再配置機能部35は、閉塞が発生した場合に、他の入出力ポート間に設定された閉塞に関係する接続経路を、同じ方路となる別の経路に変更することにより(再配置することにより)、閉塞を回避できるようコア切替機能部31及び方路切替機能部32の各光スイッチを制御する。
【0120】
図15に示す光スイッチ機能部22Eにおいて、閉塞した光パスに対して非閉塞となるよう再配置を制御する動作について
図15及び
図16を用いて説明する。
図15は、光スイッチ機能部22Eを2つ用いた構成であって、再配置前の閉塞により一部の光パスを設定できない状態を示す図である。
図16は、光スイッチ機能部22Eを2つ用いた構成であって、再配置後の全ての光パスを設定できる状態を示す図である。
【0121】
図15は、光スイッチ機能部22E−1、2における再配置前の3つの光パスであるパス1〜パス3の設定状態を示している。以下の説明において、
図15、
図16に示す入力方路又は出力方路に接続されたK本のコアは、上から順にコア1、コア2、…、コアKと称する。パス1は、Addポートのa番目のポートから方路1に対応する方路36−1のコア1を経由し、出力方路302−1のコア1までの経路に設定された光パスである。パス2は、方路2となる入力方路301−2のコア1から方路2となる方路36−2のコア2までの経路に設定された光パスである。
【0122】
図15は、パス1及びパス2が設定された状態において、Addポートのb番目のポートから方路36−2のコア1までの経路に新たな光パスであるパス3を設定した場合の設定状態を示している。新たに光パスを設定しようとするAddポートのb番目のポートと、方路36−2のコア1とは、どちらもコアが空いている状態である。しかし、
図15に示すように、光スイッチ機能部22E−1のM’×M’ WSS32a−1内部の経路上でスイッチ接続ができない内部閉塞が発生しているため、パス3が設定できない状況である。
【0123】
図15の場合において再配置により光パス3が設定できることを説明する。
図16は、再配置後の光パスの設定状態を示している。光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、閉塞が発生していることを検知すると、パス1の経路を以下のように再配置する。光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、Addポートのa番目のポートからM’×M’ WSS32a−1を経由して方路36−1のコア1を経由し、出力方路302−1のコア1までの経路を、Addポートのa番目のポートからM’×M’ WSS32a−2を経由して方路36−1のコア2を経由し、出力方路302−1のコア1までの経路に再配置する。これにより、パス1の経路は、
図15に示すM’×M’ WSS32a−1を通過する経路から、再配置後の
図16に示すM’×M’ WSS32a−2を通過する経路に変更される。光パス1は、この再配置の制御によって出力されるコアがコア1→コア2に変わることになるが、方路36−1は変わらない。よって、方路36−1に接続される次のノードとなる光スイッチ機能部22E−2において、再配置機能部35は1段目のK×K WSS31a−1でコアを元に戻すようコア2→コア1へと切替える。これにより、送受信ノード間における正しい光パスの接続を維持することができる。
【0124】
図15、
図16に示した再配置における光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35の動作について詳細に説明する。
図17は、
図15、
図16に示した再配置における光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35の動作のフロー図である。
図17に示すように、光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、光スイッチ機能部22E−1内において閉塞が生じているか否かを検出する(ステップS101)。ここで、光スイッチ機能部22E−1内において閉塞が生じていると判断した場合(ステップS101のYES)には、光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、N×K WSS33a−1を制御して、パス1の経路をM’×M’ WSS32a−1を通過する経路から、M’×M’ WSS32a−2を通過する経路に切替える(ステップS102)。
【0125】
光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、M’×M’ WSS32a−2を制御して、N×K WSS33a−1からの入力を、方路36−1へ出力する経路へ切替える(ステップS103)。光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、M’×M’ WSS32a−1を制御して、パス1の旧経路となるN×K WSS33a−1からの入力を、方路36−1へ出力する経路を切断する(ステップS104)。
【0126】
光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、光スイッチ機能部22E−2の再配置機能部35に対して、コア1からの入力を所定の出力ポートへ出力する旧経路をコア2からの入力を所定の出力ポートへ出力する新経路に切替えるよう指示する指示信号を送信する(ステップS105)。これにより、光スイッチ機能部22E−2の再配置機能部35は、方路36−1のコア1からの入力を所定の出力ポート(出力方路302−1のコア1)へ出力する旧経路を、方路36−1のコア2からの入力を所定の出力ポートへ出力する新経路に切替える。光スイッチ機能部22E−1の再配置機能部35は、光スイッチ機能部22E−1内において閉塞が生じていないと判断した場合(ステップS101のNO)には、再配置の処理は必要ないので、処理を終了する。
【0127】
このように、第4の実施形態における光スイッチ機能部22Eは、閉塞が生じた際に再配置を行うことにより、閉塞を回避することができる。
【0128】
上述した第1〜第4の実施形態では、入出力ポートにマルチコアファイバを接続した例を示したが、これに限定されるものではない。入出力ポートには、シングルコアファイバを複数束ねたマルチファイバを接続しても構わない。例えば、
図3に示した入力方路のマルチコアファイバを、K本のシングルコアファイバ(入力側光ファイバ)の束に置き換えた構成及び出力方路のマルチコアファイバを、K本のシングルコアファイバ(出力側光ファイバ)の束に置き換えた構成となる。
【0129】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。