特許第6622911号(P6622911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6622911電極板に湾入部が形成されている電極アセンブリおよびこれを含む二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622911
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】電極板に湾入部が形成されている電極アセンブリおよびこれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20191209BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20191209BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20191209BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20191209BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20191209BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
   H01M2/30 D
   H01M2/02 K
   H01M2/08 K
   H01M2/06 K
   H01M10/04 Z
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-518420(P2018-518420)
(86)(22)【出願日】2016年10月18日
(65)【公表番号】特表2018-534737(P2018-534737A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】KR2016011696
(87)【国際公開番号】WO2017104956
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2018年4月9日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0177861
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】シ・ウン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ミン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ファク・ウ
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−073757(JP,A)
【文献】 特開2013−187077(JP,A)
【文献】 実開昭51−051432(JP,U)
【文献】 特開平07−226197(JP,A)
【文献】 特開2012−178326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 2/02
H01M 2/06
H01M 2/08
H01M 2/30
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の電極板と、前記電極板の間に介在する分離膜とを含む電極アセンブリであって、
前記電極板は、電極活物質を含む電極合剤が集電体の一面または両面に塗布されている電極本体と、前記電極本体の一辺から外向き延長されており、集電体に電極合剤が塗布されていない1つ以上の電極タブとを含んでおり;
前記電極タブが外向き延長されている電極本体の一辺には、電極タブの両側下端から、電極タブの外向き延長方向の反対方向に導入された湾入部がそれぞれ形成されており;
前記電極板の電極タブは、電極リードに結合されている極アセンブリが電解液の含浸された状態で電池ケースに内蔵されており、正極リードおよび負極リードの一側端部部位が前記電池ケースの外部に突出しており、
前記電池ケースは、前記電極アセンブリを収納する凹状の収納部と、前記収納部の外周面に形成され、前記電池ケースの密封性を担保するシーリング部と、を含んでおり、前記シーリング部の下端は、前記電極タブと前記電極リードとの溶接部の上端部に接しており、
前記電池ケースの前記収納部の上辺は、前記電極タブと前記電極リードとの前記溶接部の下端部に接している二次電池
【請求項2】
前記電極板は、正極板および負極板からなり、負極板の面積は、正極板の面積より相対的に大きいことを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項3】
前記負極板に形成されている湾入部の面積は、正極板に形成されている湾入部の面積より相対的に大きいことを特徴とする請求項2に記載の二次電池
【請求項4】
前記正極板に形成されている湾入部と負極板に形成されている湾入部は、互いに対応する形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の二次電池
【請求項5】
前記湾入部は、それぞれ平面上に多角形、半円形、半楕円形、または少なくとも1つの変異曲線からなる多角形のいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項6】
前記湾入部の外周辺は、それぞれ平面上半円形の曲線部と、前記曲線部の半円から延びた1つまたは2つの直線部とからなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項7】
前記曲線部の半径は、1mm〜6mmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の二次電池
【請求項8】
前記直線部の長さは、それぞれ0mm〜5mmの範囲以内であることを特徴とする請求項6に記載の二次電池
【請求項9】
前記湾入部は、それぞれ10.0mm〜40.0mmの範囲以内の面積を有していることを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項10】
前記湾入部は、電極タブを基準にそれぞれ相互対称または非対称形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項11】
前記電極タブの長さは、2.0mm〜10.0mmの範囲以内であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項12】
前記電極アセンブリは、スタック型、またはスタック/フォールディング型、またはラミネーション/スタック型の電極アセンブリであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池
【請求項13】
正極タブと正極リードとの結合部位および負極タブと負極リードとの結合部位には、それぞれ溶接部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記正極リードおよび負極リードは、それぞれ1つの正極板および負極板と同一平面上に位置しており、
正極リードおよび負極リードと同一平面上に位置した正極板および負極板から遠くなるほど、両側湾入部の最内側を連結した仮想線の部位は、漸進的に増加する角度に折曲げられていることを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項15】
正極リードおよび負極リードには、それぞれリードフィルムが付着しており、前記リードフィルムは、シーリング部に介在していることを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記電池ケースは、樹脂層および金属層を含むラミネートシートからなることを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項17】
請求項に記載の二次電池を単位電池として1つ以上含んでいることを特徴とする電池パック。
【請求項18】
請求項17に記載の電池パックを電源として含んでいるデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年12月14日付の韓国特許出願第10−2015−0177861号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極アセンブリおよびこれを含む二次電池に関し、より詳しくは、電極板の一辺から外向き延長されている電極タブを含み、前記電極タブの両側下端から電極タブの延長方向の反対方向に導入された湾入部が形成されている電極アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する需要が増加し、化石燃料の代替エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、このような二次電池の中でも、リチウム二次電池は高いエネルギー密度と放電電圧を有していて、これに対する多くの研究が行われており、また、商用化されて幅広く用いられている。
【0004】
一般に、リチウム二次電池は、正極、負極、および前記正極と負極との間に介在する分離膜から構成された電極アセンブリを積層したり巻取った状態で、金属缶またはラミネートシートの電池ケースに内蔵した後、電解液を注入したり含浸させるものから構成されている。
【0005】
最近は、電池の高容量化によってケースの大面積化および薄い素材への加工が多くの関心を集めており、これにより、スタック型またはスタック/フォールディング型電極アセンブリをアルミニウムラミネートシートのパウチ型電池ケースに内蔵した構造のパウチ型電池が、低い製造費、小さい重量、容易な形態変形などを理由に、使用量が次第に増加している。
【0006】
図1には、従来の代表的なパウチ型二次電池の一般的な構造が分解斜視図として模式的に示されている。
【0007】
図1を参照すれば、パウチ型二次電池10は、電池ケース20と、電解液に含浸された状態で電池ケースの収納部に収容される電極アセンブリ30とから構成されている。
電極アセンブリ30は、分離膜が介在した状態で、電極板30aのような正極板、負極板が順次に積層されている発電素子であって、スタック型、スタック/フォールディング型、またはラミネーション/スタック型構造からなる。電極タブ33、34は、電極アセンブリ30の各電極板から延びており、電極リード35、36は、各極板から延びた複数の電極タブ33、34と、例えば、溶接によってそれぞれ電気的に連結されており、電池ケース20の外部に一部が露出している。また、電極リード35、36の上下面の一部には、電池ケース20との密封度を高め、同時に電気的絶縁状態を確保するためのリードフィルム37、38が付着している。
【0008】
一方、電極アセンブリ30をなしている電極板は、一般に、金属集電体に電極活物質が含まれている電極合剤を塗布した後、剛性および密度を高めるために、乾燥および圧延を行って製造される。
【0009】
図2には、図1の電極アセンブリを構成する電極板30aの平面図が模式的に示されている。
【0010】
電極板30aは、電極本体31と、一辺から延びた電極タブ33とを含み、電極本体31には、上端部を除いて電極活物質を含む電極合剤が塗布されている。
【0011】
電極タブ33は、電極リード35と溶接などによって連結され、これらの連結空間を確保するために、電極板は、電極合剤が塗布されていない無地部を含むようになるが、集電体の露出している無地部は薄い金属箔で、物理的衝撃に弱く、特に電極合剤の熱間圧延時に破断および損傷が起こることがある。
【0012】
また、前記無地部の面積が増加するほど、相対的に電極板が収容する活物質の量が減少するので、容量対比体積が増加する問題点があった。
したがって、このような問題点を一挙に解決できる技術に対する必要性が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の従来技術の問題点と過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0014】
具体的には、本発明の目的は、電極タブが延びる両側下端に湾入部を形成して、電極タブと電極リードとの結合空間を確保すると同時に、無地部の面積を減少させることによって、圧延工程の安定性および容易性が向上した電極アセンブリを提供することである。
【0015】
本発明の目的はまた、前記電極アセンブリを含み、体積対比容量が増加した二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するための、本発明による電極アセンブリは、2以上の電極板と、前記電極板の間に介在する分離膜とを含む電極アセンブリであって、
前記電極板は、電極活物質を含む電極合剤が集電体の一面または両面に塗布されている電極本体と、前記電極本体の一辺から外向き延長されており、集電体に電極合剤が塗布されていない1つ以上の電極タブとを含んでおり;
前記電極タブが外向き延長されている電極本体の一辺には、電極タブの両側下端から、電極タブの外向き延長方向の反対方向に導入された湾入部がそれぞれ形成されており;
前記電極板の電極タブは、電極リードに結合されていることを特徴とする。
【0017】
つまり、本発明による電極アセンブリは、電極タブの両側下端に、電極タブの外向き延長方向の反対方向に導入された湾入部が形成されている電極板を含み、溶接に必要な無地部を減少させるので、工程性が向上し、体積対比容量が増加した二次電池を提供する。
【0018】
スタック型電極アセンブリにおいて、電極板と分離膜とが交差積層されている積層体は、電極本体から外向き延長されている電極タブに連結される電極リードと厚さに差がある。
例えば、分離膜と電極板との積層体は10mmの厚さを有しており、電極リードは0.2mmの厚さを有している場合、電極リードと同一平面上に位置した電極タブは折曲げられる必要がないが、これらから遠くなるほど、厚さの差によって電極タブの折曲角度が増加し、高い応力が作用する。
【0019】
したがって、電極タブは、所定の長さを確保しなければならず、電極リードから遠方に位置した電極板であるほど、長さの長い電極タブを必要とする。
【0020】
電極タブには電極合剤が塗布されておらず、上記のような理由から、従来の電極板は、電極タブを含む所定範囲の無地部を確保しなければならなかった。
【0021】
そこで、本発明による電極アセンブリは、電極タブの両側下端に湾入部を導入して、電極タブを含む無地部の面積を減少させているので、集電体の折曲角度および応力を緩和すると同時に、圧延時にも破断せず、工程性が向上するという利点を有する。
【0022】
具体的には、前記電極板は、正極板および負極板からなり、負極板の面積は、正極板の面積より相対的に大きい構造からなっていてもよい。
この時、前記負極板に形成されている湾入部の面積は、正極板に形成されている湾入部の面積より相対的に大きいことが好ましい。
【0023】
前記正極板に形成されている湾入部と負極板に形成されている湾入部は、互いに対応する形状を有していて、正極タブと負極タブを横切る中心線を基準に対称構造を有していてもよい。
【0024】
具体的には、一方向に正極タブおよび負極タブが形成されている場合であって、相対的に小さい正極板より大きい負極板が、電極本体の電極タブが形成されている一辺方向に突出している場合、互いに対応する形状を有するためには、負極タブの湾入部の面積が正極タブの湾入部の面積より広くなければならない。
【0025】
このような湾入部は、それぞれ平面上に多角形、半円形、半楕円形、または少なくとも1つの変異曲線をなす多角形のいずれか1つであってもよい。
【0026】
具体的には、前記湾入部の外周辺は、それぞれ平面上半円形の曲線部と、前記曲線部の半円から延びた1つまたは2つの直線部とからなっていてもよい。
【0027】
前記直線部は、実質的に既存の電極板の形態において外向きに突出している電極タブと同一の役割を果たす。直線部の長さが長いほど、応力を緩和するための部位が増加し、したがって、電極リードから遠い電極板であるほど、湾入部の直線部が増加する構造からなっていてもよい。
【0028】
前記曲線部は、応力を最小化すると同時に、電極板が破断しないようにする。湾入部の外周辺が曲線部を含まず、単純に直線のみからなる場合、弱点が形成され得て、好ましくない。
【0029】
この時、前記曲線部の半径は、1mm〜6mmの範囲であってもよく、詳しくは、2mm〜4mmの範囲であってもよい。
【0030】
前記範囲を外れて、曲線部の半径が6mmを超える場合には、直径12mmで、湾入部の幅が過度に大きくなり得るので、好ましくなく、1mm未満の場合には、曲線部を形成しにくい問題点があり、好ましくない。
【0031】
一方、前記曲線部の形態は、頂点を有しないものであれば特に制限されず、すべての地点での曲率が必ずしも半径と同一である必要はない。
【0032】
前記直線部の長さは、それぞれ0mm〜5mmの範囲以内であってもよく、詳しくは、1mm〜3mmの範囲であってもよい。
【0033】
先に説明したように、直線部の長さが長いほど、応力を緩和するための部位が増加し、実質的に電極タブの長さが増加するのと同一の効果を有する。
したがって、電極アセンブリは、電極リードから遠い電極板であるほど、湾入部の直線部が漸進的に増加する構造からなっていてもよい。ただし、この際にも、直線部の長さは前記範囲を満足することが好ましく、前記範囲を外れて、直線部の長さが長すぎる場合には、電極合剤層に破断が起こることがあり、特に、電極板の長さの50%を超える場合、電極板が分離され得て、好ましくない。
【0034】
前記直線部は必ずしも含まれる必要はなく、この時、直線部の長さは0mmであり、湾入部は、半円形または半楕円形の形態を有する。
【0035】
このように多様な大きさおよび形態の前記湾入部は、それぞれ10.0mm〜40.0mmの範囲以内の面積を有していてもよいし、詳しくは、15.0mm〜30.0mmの範囲以内の面積を有していてもよいが、二次電池の用途および形状に応じて多様に適用可能であり、特に制限されるわけではない。
【0036】
前記湾入部は、電極タブを基準にそれぞれ相互対称または非対称形状をなしており、具体的には、相互対称形状をなしていてもよい。
【0037】
このような湾入部は、電極板を打抜いて形成することができ、このような打抜工程は、集電体を用意する過程で行われてもよいが、電極合剤を塗布し、圧延および乾燥工程の後に行われることが好ましい。
【0038】
一方、前記電極タブの長さは、2.0mm〜10.0mmの範囲以内であってもよく、詳しくは、3.0mm〜8.0mmの範囲であってもよい。
【0039】
一般的な電極タブと電極リードとの連結過程は、溶接、具体的には超音波溶接により行われるが、溶接ホーンが接触し、結合力を維持できるように、最小2.0mmの幅を有していなければならない。つまり、電極タブの長さが2.0mm未満の場合、電極リードとの結合が難しいので、好ましくない。
【0040】
また、電極タブの端部では溶接を行いにくいので、電極タブは、1.0mm程度の余裕空間をおいて、詳しくは、3.0mm以上であることが好ましい。
【0041】
先に説明したように、電極タブには電極合剤が塗布されていない無地部に相当し、本発明による電極アセンブリにおいて、無地部は、電極合剤層にクラックが発生せず、溶接などの過程で破断が起こらない範囲で決定可能である。
【0042】
したがって、電極タブを含む無地部は、必ずしも電極本体の一辺を基準としたり、湾入部の最内側を基準とする必要はなく、溶接の適合性、安定性などを考慮して決定可能である。
一方、電極板積層体に介在している分離膜の面積は、正極板と負極板の絶縁性を担保できるように、これら電極板の面積より大きい構造からなっていてもよい。
【0043】
具体的には、分離膜の面積は、湾入部と電極本体の面積を合わせた面積より相対的に広い面積を有することができ、電極板−分離膜積層体を収容する収納部は、一般に、分離膜対比縦横0.5mm程度大きい面積で作製される。
【0044】
前記電極アセンブリは、スタック型、またはスタック/フォールディング型、またはラミネーション/スタック型の電極アセンブリであってもよい。
【0045】
つまり、本発明で導入している湾入部は、外側に延びている電極タブ群を集合して電極リードに連結して、応力が作用し得る構造であれば特に制限されるわけではないが、電極アセンブリの積層型構造に好ましく使用できる。
【0046】
前記スタック型電極アセンブリは、所定単位に切り取った複数の正極と負極板を分離膜の介在した状態で順次に積層した構造を有し、スタック/フォールディング型電極アセンブリは、所定単位の正極と負極を分離膜の介在した状態で積層した単位セルを分離フィルム上に位置させた状態で順次に巻取った構造を有し、ラミネーション/スタック型電極アセンブリは、ラミネーションされている電極板−分離膜単位体を順次に積層した構造を有する。
【0047】
本発明はまた、前記電極アセンブリが電解液の含浸された状態で電池ケースに内蔵されており、正極リードおよび負極リードの一側端部部位が電池ケースの外部に突出していることを特徴とする二次電池を提供する。
【0048】
正極タブと正極リードとの結合部位および負極タブと負極リードとの結合部位には、それぞれ溶接部が形成されていてよい。
【0049】
つまり、電極タブと電極リードとの連結方法は特に制限されるわけではないが、溶接によって行われ、このような溶接部は、先に説明したように、約2.0mm〜5.0mm程度に離隔した面積を必要とする。
【0050】
一方、電池ケースは、電極アセンブリを収納する凹状の収納部と、前記収納部の外周面に形成されて電池ケースの密封性を担保するシーリング部とを含んでおり、前記シーリング部は、電極タブと電極リードとの溶接部の上端部に位置する構造であってもよい。
また、前記収納部の一辺は、電極タブと電極リードとの溶接部の下端部に位置する構造であってもよい。
つまり、本発明による二次電池は、電池ケースにおけるシーリング部と収納部との離隔距離を溶接部とほぼ一致するように構成して、電池ケースにおける電極タブおよび電極リードの介在する、いわゆるテラス部の長さを減少させることができる。
【0051】
本発明による二次電池の前記正極リードおよび負極リードは、それぞれ1つの正極板および負極板と同一平面上に位置しており、
【0052】
正極リードおよび負極リードと同一平面上に位置した正極板および負極板から遠くなるほど、両側湾入部の最内側を連結した仮想線の部位は、漸進的に増加する角度に折曲げられている構造を有することができる。
【0053】
従来、電極アセンブリに含まれている電極板は、電極本体と電極タブとの接する部位で折曲げられて、応力を緩和したが、本発明による電極アセンブリは、折曲部位を電極本体の内側に移動させて不必要な面積を減少させる。
【0054】
また、電極タブが電極リードで直接集合される場合、上述のように、電極板の位置が電極リードから遠くなるほど、応力が大きく作用して、折曲角度が漸進的に増加する。図1のように、電極リードと連結される前に集合地点が別途に形成されている場合には、集合地点から遠くなるほど、前記仮想線の折曲角度が漸進的に増加する。
【0055】
一方、前記電池ケースは、樹脂層および金属層を含むラミネートシートからなっていてもよい。つまり、特に制限されるわけではないが、本発明による二次電池は、パウチ型電池に好ましく適用可能である。
【0056】
本発明はまた、前記二次電池を単位電池として1つ以上含んでいることを特徴とする電池パックおよび前記電池パックを電源として含んでいるデバイスを提供する。
前記電池パックは、小型デバイスの電源として用いられる電池セルに使用できるだけでなく、中大型デバイスの電源として用いられる複数の電池セルを含む中大型電池モジュールに単位電池としても好ましく使用できる。
【0057】
つまり、本発明による電池パックは、ノートパソコン、スマートフォン、ウェアラブル電子機器などの小型デバイスだけでなく、電池的モータによって動力を受けて動くパワーツール(power tool)、電気自転車(E-bike)、電気スクーター(E-scooter)を含む電気二輪車、電気ゴルフカート(electric golf cart)、電力貯蔵装置(Energy Storage System)などの大型デバイスなどにも適用可能であるが、これらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】従来の一般的なパウチ型二次電池の一般的な構造を模式的に示す分解斜視図である。
図2図1のパウチ型二次電池の一部として、電極板30aの構造を模式的に示す平面図である。
図3】本発明の一実施例による電極アセンブリの一部として、電極板の構造を模式的に示す平面図である。
図4図2の電極タブ部分と、図3の電極タブ部分を模式的に示す拡大平面図である。
図5図4の湾入部311の構造を模式的に示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施例による図面を参照して説明するが、これは本発明のより容易な理解のためのものであって、本発明の範疇がそれによって限定されるものではない。
【0060】
図3には、本発明の一実施例による電極アセンブリの一部として、電極板の構造を示す平面図が模式的に示されている。
【0061】
図3を参照すれば、電極板300は、長方形電極本体310と、電極タブ330とを含む構造からなる。
【0062】
集電体に電極合剤が塗布されている長方形電極本体310には、電極本体の一辺から外向き延長されており、集電体に電極合剤が塗布されていない電極タブ330が連結されている。
【0063】
電極タブ330の下端両側には、半円形湾入部311、313が形成されている。電極合剤が塗布されている維持部は、電極本体310における湾入部311、313の最内側を連結した仮想線から電極タブ330を除いた電極板の全面に相当する。
【0064】
電極タブ330は、溶接部を介して電極リード350に連結されており、他の電極板の電極タブと溶接される電極リード350は、この後、電池ケースのシーリング部の間に介在して、その一部が露出することから、密封性および絶縁性を向上させることができるようにリードフィルム370が付着している。
【0065】
従来の図2の電極板30aと、本発明による図3の電極板300とを比較すれば、電極板300が、電極板30aより電極板の全体面積対比維持部の面積が増加したことを確認できる。
【0066】
一具体例において、幅が90mm、長さが260mmのパウチ型電池セル(二次電池)の場合、従来の電池セルと比較して、本発明による電池セルの容量が2.5%以上増加することを確認し、湾入部311、313の大きさが小さいほど、容量増加の効果はさらに増加することを確認できた。
【0067】
そこで、図2における二点鎖線で表されている電極タブ部分と、図3における二点鎖線で表されている電極タブ部分を拡大して示した図4を参照して、これらの構造をより詳しく説明する。
【0068】
図4を参照すれば、左側には本発明による電極アセンブリの電極板、つまり、図3に示されている電極板300の拡大図が示されており、右側には従来の一般的な電極アセンブリの電極板、つまり、図2に示されている電極板30aの拡大図が示されている。
【0069】
電極板300の電極タブの下端には湾入部311、313が形成されており、湾入部311と湾入部313とを結ぶ仮想線Lまで電極合剤が塗布されていて、上端に電極合剤が塗布されていない従来の電極板30aより維持部の面積が広い。
【0070】
電極板300の電極タブ330は、仮想線Lで折曲げられて応力を緩和させ、電極板30aの電極タブ33は、仮想線lで折曲げられて応力を緩和させることから、本発明による電極アセンブリは、タブの折曲部位が相対的に電極本体の内側に位置する。
【0071】
折曲げられた各電極タブ33、330は、溶接部33’、330’で電極リードとそれぞれ溶接されて電気的に連結されるが、この時、電極板300に含まれている溶接部330’は、電極板30aに含まれている溶接部33’より下側に位置する。
【0072】
一方、図4で電池ケースの収納部の外周辺は破線(−−−)で表されており、シーリング部は斜線(////)で表されている。溶接部330’の上端部は、破線で表されているシーリング部の下端に接しており、溶接部330’の下端部は、破線で表されている収納部の上辺と接している。
【0073】
反面、溶接部33’の上端部は、斜線で表されているシーリング部の下端と接しているが、溶接部33’の下端部は、破線で表されている収納部から所定距離離隔している。
【0074】
これによって、電極板300を用いる二次電池の電池ケースにおいて、テラス部の高さTは、電極板30aを用いる二次電池のテラス部の高さtより小さい長さを有する。
【0075】
溶接部は、少なくとも2.0mm〜5.0mmの高さを有していることが好ましく、一具体例において、従来のテラス部の高さtからシーリング部(////)の高さを引いた長さは9.5mmであるが、本発明におけるテラス部の高さTからシーリング部(////)の高さを引いた長さは4.5mm程度と縮小させることができる。
【0076】
この場合、電池セルの幅が90mm、長さが260mmのパウチ型電池セル(二次電池)は、相対的に収納部の体積が増加して、全体的に2.5%程度容量が増加する。
【0077】
このように、無地部の減少による容量増加の効果は湾入部の大きさが小さいほどさらに増大可能であり、一具体例において、湾入部の外周辺は、平面上半円形の曲線部と、前記半円から延びた2つの直線部とからなってもよい。
【0078】
図5は、図4の湾入部311の構造を模式的に示す拡大平面図が示されていることから、これを参照して、湾入部の形態および大きさをより詳しく説明する。
【0079】
図5を参照すれば、湾入部311の外周辺は、2つの直線部Sと曲線部Rとからなり、前記直線部の長さs1、s2は、0mm〜5mmであることが好ましい。
【0080】
曲線部Rは、半円形に1mm〜6mmの範囲以内の半径rを有することができる。
以上、本発明による実施例を参照して発明の内容を詳述したが、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明による電極アセンブリは、電極タブの両側下端から電極タブの外向き延長方向の反対方向に導入された湾入部を形成して、無地部の面積を減少させるので、圧延時に集電体の破断を防止し、容量を増加させる効果がある。
また、前記湾入部は、電極タブの折曲部位を電極本体の内側に移動させ、収納部とシーリング部との離隔距離を減少させることによって、テラス部の長さを減少させるので、コンパクトな構造の二次電池を提供する効果がある。
【符号の説明】
【0082】
10 パウチ型二次電池
12 直径
20 電池ケース
30 電極アセンブリ
31 電極本体
33 電極タブ
33’ 溶接部
34 電極タブ
35 電極リード
36 電極リード
37 リードフィルム
38 リードフィルム
300 電極板
310 電極本体
311 湾入部
313 湾入部
330 電極タブ
330’ 溶接部
350 電極リード
370 リードフィルム
図1
図2
図3
図4
図5