特許第6623069号(P6623069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6623069ワイヤハーネス支持具取付部材及びワイヤハーネス支持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623069
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス支持具取付部材及びワイヤハーネス支持装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20191209BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   H02G3/30
   B60R16/02 623Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-12119(P2016-12119)
(22)【出願日】2016年1月26日
(65)【公開番号】特開2017-135796(P2017-135796A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】岡 諭志
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 祐造
(72)【発明者】
【氏名】大井 康正
(72)【発明者】
【氏名】小澤 政智
(72)【発明者】
【氏名】古屋 隆徳
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−234424(JP,A)
【文献】 実開平5−52316(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/30
B60R 16/02
F16B 19/00
F16B 5/12
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスの中途部を支持する支持具を取付可能なワイヤハーネス支持具取付部材において、
複数の面が合わさることで立体状に構成されており、複数の面に、前記支持具を取付可能な支持具取付孔が形成されているボックス部と、
前記ボックス部の少なくとも1つの面に配置されており、車体に取付可能な車体取付部と、
を備え、
前記支持具取付孔には、前記支持具が着脱可能に取り付けられ、
前記ボックス部は、多面体から2つの隣り合う面を無くすことで、前記支持具取付孔に取り付けた前記支持具を取り外す作業を行うための開口部として開口させた部分を含む形状であることを特徴とするワイヤハーネス支持具取付部材。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤハーネス支持具取付部材であって、
前記車体取付部が前記ボックス部に対して着脱可能であり、
前記ボックス部は、前記車体取付部と係合可能な係合部が多面体の2つの面にそれぞれ形成されている部分を含む形状であることを特徴とするワイヤハーネス支持具取付部材。
【請求項3】
請求項に記載のワイヤハーネス支持具取付部材であって、
前記ボックス部は、正方形の面と長方形の面を組み合わせた六面体であり、
前記係合部は、前記正方形の面と前記長方形の面にそれぞれ形成されていることを特徴とするワイヤハーネス支持具取付部材。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のワイヤハーネス支持具取付部材であって、
前記係合部は前記ボックス部の外表面に形成された部分であり、前記車体取付部を前記ボックス部に対して当該外表面に沿う方向にスライドさせることで、前記車体取付部が前記係合部に係合することを特徴とするワイヤハーネス支持具取付部材。
【請求項5】
請求項1からまでの何れか一項に記載のワイヤハーネス支持具取付部材であって、
前記支持具取付孔が楕円状又は長円状に形成されていることを特徴とするワイヤハーネス支持具取付部材。
【請求項6】
請求項に記載のワイヤハーネス支持具取付部材であって、
前記支持具取付孔が形成されている前記ボックス部の面が長方形状であり、当該ボックス部の少なくとも1面では、当該面の長辺と、前記支持具取付孔の楕円又は長円の長手方向と、が平行であることを特徴とするワイヤハーネス支持具取付部材。
【請求項7】
ワイヤハーネスの中途部を支持する支持具と、
複数の面が合わさることで立体状に構成されており、複数の面に、前記支持具を取付可能な支持具取付孔が形成されており、そのうちの1つの面に前記支持具が取り付けられているボックス部と、
前記ボックス部の少なくとも1つの面に配置されており、車体に取付可能な車体取付部と、
を備え、
前記支持具取付孔には、前記支持具が着脱可能に取り付けられ、
前記ボックス部は、多面体から2つの隣り合う面を無くすことで、前記支持具取付孔に取り付けた前記支持具を取り外す作業を行うための開口部として開口させた部分を含む形状であることを特徴とするワイヤハーネス支持装置。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤハーネス支持装置であって、
前記車体取付部が前記ボックス部に対して着脱可能であり、
前記ボックス部は、前記車体取付部と係合可能な係合部が多面体の2つの面にそれぞれ形成されている部分を含む形状であることを特徴とするワイヤハーネス支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、車体に配置されるワイヤハーネスを支持する支持具を取り付けるためのワイヤハーネス支持具取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤハーネスは、複数の電線を束ねるとともに、その端部にコネクタを取り付けたものである。ワイヤハーネスは、自動車等の車両が備える各種電気機器へ電力又は制御信号を送信するために用いられる。ワイヤハーネスは、所定の支持具に支持されることにより、自動車等の車両に配置される。
【0003】
特許文献1は、ワイヤハーネスのコネクタを固定するコネクタホルダを開示する。特許文献1のコネクタホルダには、複数のコネクタ装着部が形成されている。また、ワイヤハーネスにはホルダ装着部が形成されており、ホルダ装着部をコネクタ挿着部に合わせた状態でコネクタをスライドさせることで、コネクタホルダにコネクタを装着させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−176619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1は、ワイヤハーネスのコネクタを固定する構成であり、ワイヤハーネスの中途部(電線が束ねられた部分であってコネクタ以外の部分)を支持する構成については、記載されていない。更に、コネクタをスライドさせてコネクタホルダに装着させる構成であるため、ホルダ挿着部及びコネクタ挿着部の構造が複雑になるとともに、コネクタの挿着作業が手間になる。
【0006】
また、一般的に自動車等では、限られた空間を有効活用する観点から、ワイヤハーネスが通る経路は非常に詳細に設計されている。そのため、ワイヤハーネスの中途部を支持する支持具は、ワイヤハーネスが所定の位置を所定の向きで通過するように当該ワイヤハーネスを案内している。このような機能を支持具に求める場合、ワイヤハーネスの経路に応じて支持具を個別に設計及び製造する必要があり、コストが増大する。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、ワイヤハーネスの中途部を支持する支持具を取り付けるためのワイヤハーネス支持具取付部材において、様々な経路にワイヤハーネスを案内可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、ワイヤハーネスの中途部を支持する支持具を取付可能なワイヤハーネス支持具取付部材において、以下の構成が提供される。即ち、このワイヤハーネス支持具取付部材は、ボックス部と、車体取付部と、を備える。前記ボックス部は、複数の面が合わさることで立体状に構成されており、複数の面に、前記支持具を取付可能な支持具取付孔が形成されている。前記車体取付部は、前記ボックス部の少なくとも1つの面に配置されており、車体に取付可能である。前記支持具取付孔には、前記支持具が着脱可能に取り付けられている。前記ボックス部は、多面体から2つの隣り合う面を無くすことで、前記支持具取付孔に取り付けた前記支持具を取り外す作業を行うための開口部として開口させた部分を含む形状である。
【0010】
これにより、支持具の取付位置が複数存在するため、支持具の取付位置を変更することで、様々な経路にワイヤハーネスを案内することができる。従って、1種類のワイヤハーネス支持具取付部材を用いて様々な経路を実現できる。そのため、ワイヤハーネス支持具取付部材の種類を減らすことができるので、設計及び製造のコストを低減できる。また、支持具取付孔に支持具を取り付ける構成であるため、支持具の取付けが容易である。また、無くした面(開口部)からボックス部の内部にアクセスできるため、支持具を容易に取り外すことができる。また、面を無くすことで、型からボックス部を抜くことができるので、型を用いてボックス部を製造することができる。
【0011】
前記のワイヤハーネス支持具取付部材においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記車体取付部が前記ボックス部に対して着脱可能である。前記ボックス部は、前記車体取付部と係合可能な係合部が多面体の2つの面にそれぞれ形成されている部分を含む形状である。
【0012】
これにより、車体取付部の位置を変更することで、ワイヤハーネスの経路のパターンを増やすことができる。
【0013】
前記のワイヤハーネス支持具取付部材においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボックス部は、正方形の面と長方形の面を組み合わせた六面体である。前記係合部は、前記正方形の面と前記長方形の面にそれぞれ形成されている。
前記のワイヤハーネス支持具取付部材においては、前記係合部は前記ボックス部の外表面に形成された部分であり、前記車体取付部を前記ボックス部に対して当該外表面に沿う方向にスライドさせることで、前記車体取付部が前記係合部に係合することが好ましい。
【0019】
前記のワイヤハーネス支持具取付部材においては、前記支持具取付孔が楕円状又は長円状に形成されていることが好ましい。
【0020】
これにより、支持具取付孔を円状に形成する構成と比較して、支持具を回りにくくすることができる。
【0021】
前記のワイヤハーネス支持具取付部材においては、前記支持具取付孔が形成されている前記ボックス部の面が長方形状であり、当該ボックス部の少なくとも1面では、当該面の長辺と、前記支持具取付孔の楕円又は長円の長手方向と、が平行であることが好ましい。
【0022】
これにより、ボックス部の面形状を効率的に利用できるため、ワイヤハーネス支持具取付部材をコンパクトにすることができる。
【0027】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成のワイヤハーネス支持装置が提供される。即ち、このワイヤハーネス支持装置は、支持具と、ボックス部と、車体取付部と、を備える。前記支持具は、ワイヤハーネスの中途部を支持する。前記ボックス部は、複数の面が合わさることで立体状に構成されており、複数の面に、前記支持具を取付可能な支持具取付孔が形成されており、そのうちの1つの面に前記支持具が取り付けられている。前記車体取付部は、前記ボックス部の少なくとも1つの面に配置されており、車体に取付可能である。前記支持具取付孔には、前記支持具が着脱可能に取り付けられている。前記ボックス部は、多面体から2つの隣り合う面を無くすことで、前記支持具取付孔に取り付けた前記支持具を取り外す作業を行うための開口部として開口させた部分を含む形状である。
【0028】
これにより、支持具の取付位置が複数存在するため、支持具の取付位置を変更することで、様々な経路にワイヤハーネスを案内することができる。従って、1種類のワイヤハーネス支持具取付部材を用いて様々な経路を実現できる。そのため、ワイヤハーネス支持具取付部材の種類を減らすことができるので、設計及び製造のコストを低減できる。また、支持具取付孔に支持具を取り付ける構成であるため、支持具の取付けが容易である。また、無くした面(開口部)からボックス部の内部にアクセスできるため、支持具を容易に取り外すことができる。また、面を無くすことで、型からボックス部を抜くことができるので、型を用いてボックス部を製造することができる。
また、前記のワイヤハーネス支持装置においては、以下の構成であることが好ましい。即ち、前記車体取付部が前記ボックス部に対して着脱可能である。前記ボックス部は、前記車体取付部と係合可能な係合部が多面体の2つの面にそれぞれ形成されている部分を含む形状である。
これにより、車体取付部の位置を変更することで、ワイヤハーネスの経路のパターンを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態に係る、ボックス部に車体取付部を取り付ける様子を示す斜視図、及び、車体取付部の取付後の取付部材を示す斜視図。
図2】取付部材を車体に取り付ける様子を示す斜視図。
図3】取付部材に支持具を取り付ける様子を示す斜視図。
図4】支持具にワイヤハーネスを取り付けた後の様子を示す斜視図。
図5】取付部材に別の支持具を取り付けてワイヤハーネスを支持する様子を示す斜視図。
図6】ボックス部に係合部が複数形成される第2実施形態を示す斜視図。
図7】ボックス部に開口部が複数形成される第3実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。初めに、図1から図4を参照して、ワイヤハーネス支持装置1について説明する。
【0031】
図4に示すように、ワイヤハーネス支持装置1は、車体10に取り付けられ、ワイヤハーネス40が所定の位置及び所定の向きとなるように、当該ワイヤハーネス40を支持する。ワイヤハーネス40は、複数の電線が束ねられたものであり、通常は分岐が存在し、端部には他の電気機器等と接続するためのコネクタ(図略)が配置されている。ワイヤハーネス支持装置1は、ワイヤハーネス40のコネクタではなく中途部(電線が束ねられた部分であってコネクタ以外の部分)を支持する。
【0032】
図4に示すように、ワイヤハーネス支持装置1は、取付部材20と、支持具30と、を備える。取付部材20は、車体10に取り付けられる。支持具30は、取付部材20に取り付けられ、ワイヤハーネス40の中途部を支持する。以下、取付部材20及び支持具30について詳細に説明する。
【0033】
図1(b)に示すように、取付部材20は、ボックス部21と、車体取付部22と、を備える。
【0034】
ボックス部21は、金型等を用いて一体成型された樹脂製の部材であり、複数の面が合わさることで立体状(箱状)に構成されている。具体的には、ボックス部21は、6つの矩形状の面から構成される多面体(六面体)から、1つの面を無くした(1つの面を開口部21cとして開口させた)形状である。このように開口部21cを形成することで、金型からボックス部21を抜くことができるので、金型を用いてボックス部21を容易に製造できる。また、ボックス部21の上面及び下面は正方形状であり、側面は長方形状である。ボックス部21の各面の外表面には、支持具取付孔21a又は係合部21bが形成されている。
【0035】
支持具取付孔21aは、図1における下面(正方形状の面)と、開口部21cが形成されていない3つの側面と、にそれぞれ形成された長円状の貫通孔である。ボックス部21の側面においては、長円の長手方向と、長方形状の面の長辺と、が平行である。ただし、長円の長手方向と、長方形状の面の長辺と、が垂直であっても良い。
【0036】
係合部21bは、図1における上面(正方形状の面)に形成されている。係合部21bは、車体取付部22を取り付けるための部材である。係合部21bは、車体取付部22の取付面(図1の下面)に形成された図略の係合部と対応する形状である。図1(a)及び図1(b)に示すように、ボックス部21の係合部21bと、車体取付部22と、を合わせてスライドさせることで、ボックス部21に車体取付部22を取り付けることができる。なお、車体取付部22は、スナップフィット等によりボックス部21に取り付けられているため、ボックス部21から車体取付部22を取り外すこともできる。
【0037】
車体取付部22は、金型等を用いて一体成型された樹脂製の部材であり、上述のようにボックス部21に着脱可能に構成されるとともに、その反対側の面において、車体10に着脱可能に取り付けられる。具体的には、図2に示すように、車体10には、円、楕円、長円、又は矩形等の貫通孔10aが形成されている。一方、車体取付部22は、当該車体取付部22の先端側(貫通穴10aの挿入方向奥側)に進むに従って、幅が小さくなるテーパ状に構成されている。また、車体取付部22のテーパ状の部分の内側には空間が設けられており、当該テーパ状の部分は、外側から内側に押圧されることで弾性変形してサイズが小さくなるように構成されている。この構成により、図2に示すように、車体取付部22を貫通孔10aに挿入することで、貫通孔10aの縁によって車体取付部22が内側に押圧される。そして、車体取付部22を十分に貫通孔10aに挿入することで、車体取付部22が貫通孔10aの奥に位置するようになるため、車体取付部22のサイズが元に戻る。この構成により、取付部材20(詳細には車体取付部22)を車体10に取り付けることができる。なお、本実施形態では、初めに車体10に取付部材20を取り付け、次に取付部材20に支持具30を取り付ける。これに代えて、初めに取付部材20に支持具30を取り付け、次に支持具30付きの取付部材20(即ちワイヤハーネス支持装置1)を車体10に取り付けても良い。
【0038】
図3に示すように、支持具30は、金型等を用いて一体成型された樹脂製の部材であり、ボックス部取付部31と、経路調整部32と、ワイヤハーネス取付部33と、を備える。
【0039】
ボックス部取付部31は、ボックス部21に取り付けるための部材である。ボックス部取付部31は、車体取付部22と同様の構成であり、支持具取付孔21aに取付可能に構成されている。ここで、支持具取付孔21aは長円状であるため、取付部材20に取り付けた支持具30が回転することを防止できる。ボックス部取付部31は、ボックス部21への取付後にボックス部取付部31を外側から内側に押圧することで、ボックス部取付部31をボックス部21から取り外すことができる。本実施形態では、開口部21cが形成されているため、治具等を挿入してボックス部取付部31を内側に押圧する作業(即ち、ボックス部取付部31を取外す作業)を容易に行うことができる。特に、本実施形態では、開口部21cの手前から奥に向かう方向と、ボックス部取付部31が弾性変形する方向(支持具取付孔21aの長手方向)と、が垂直であるため、ボックス部取付部31を内側に押圧する作業の作業性を高めることができる。なお、本実施形態では、全ての支持具取付孔21aについて、この条件を満たす。しかし、図5の変形例に示すように、少なくとも1つの支持具取付孔21aについて、この条件を満たさないように構成されていても良い。
【0040】
経路調整部32は、ボックス部取付部31に接続されている。経路調整部32は、ワイヤハーネス40の経路をオフセットするために設けられている。
【0041】
ワイヤハーネス取付部33は、経路調整部32に接続されている。ワイヤハーネス取付部33は、細長状の部材である。図4に示すように、ワイヤハーネス40は、ワイヤハーネス取付部33に沿うように配置された後に、テープ50等によって当該ワイヤハーネス取付部33に固定される。これにより、ワイヤハーネス40を所定の位置及び向きに配置することができる。
【0042】
上述のように、本実施形態では、ボックス部21の複数の面に支持具取付孔21aが形成されている。従って、支持具30の取付位置を変更するだけで、ワイヤハーネス40の異なる経路が実現できる。また、支持具取付孔21a及びボックス部取付部31が対称である場合、支持具30の取付向きを変更することでも、ワイヤハーネス40の異なる経路が実現できる。更に、支持具取付孔21aは汎用的な取付孔であり、図5の変形例に示すように他の支持具35を取り付けることもできる。
【0043】
支持具35は、支持具30と同様に、ボックス部取付部36と、経路調整部37と、ワイヤハーネス取付部38と、を備える。支持具35の各部の構成は、支持具30と同様なので説明を省略する。支持具30と支持具35はワイヤハーネス40を案内する向き及びオフセット量等が異なるため、設計された経路に応じて使い分けることで、取付部材20の汎用性を一層向上させることができる。
【0044】
次に、第2実施形態を説明する。図6は、ボックス部21に係合部21bが複数形成される第2実施形態を示す斜視図である。なお、第2実施形態及び後述の第3実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0045】
上記実施形態では、ボックス部21には係合部21bが1つの面のにみ形成されていたが、第2実施形態では、2つの面に係合部21bが形成されている。具体的には、図6に示すように、ボックス部21の正方形状の面(上面)と長方形状の面(側面、開口部21cに隣接する面)とに係合部21bが形成されている。
【0046】
この構成により、車体取付部22の取付位置を変更することで、車体取付部22と開口部21cの位置関係も異なるため、同じ支持具30を用いて、ワイヤハーネス40の更に異なる経路が実現できる。
【0047】
次に、第3実施形態を説明する。図7は、ボックス部21に開口部21cが複数形成される第3実施形態を示す斜視図である。
【0048】
上記実施形態では、開口部21cが1箇所のみであったが、第3実施形態では、開口部21cが2箇所に形成されている。この構成により、ボックス部21の内部にアクセスし易くなるため、一方の開口部21cが他の部材等によって支持具30を一層容易に取り外すことができる。また、ボックス部21の材料が少なくて良いため、コストを低減できる。
【0049】
図7(a)では、互いに向かい合う2面を共に開口部21cとした例が示されている。この構成により、2面を開放した場合であっても強度を確保することができる。図7(b)では、隣り合う2面を共に開口部21cとした例が示されている。この構成により、ボックス部21の内部に一層アクセスし易くなる。なお、図7(b)では、隣り合う開口部21cの間に柱が形成されているが、無くしても良い。
【0050】
以上に説明したように、取付部材20は、ボックス部21と、車体取付部22と、を備える。ボックス部21は、複数の面が合わさることで立体状に構成されており、複数の面に、支持具30,35を取付可能な支持具取付孔21aが形成されている。車体取付部22は、ボックス部21の少なくとも1つの面に配置されており、車体10に取付可能である。
【0051】
これにより、支持具30,35の取付位置が複数存在するため、支持具30,35の取付位置を変更することで、様々な経路にワイヤハーネス40を案内することができる。従って、1種類の取付部材20を用いて様々な経路を実現できる。そのため、取付部材20の種類を減らすことができるので、設計及び製造のコストを低減できる。また、支持具取付孔21aに支持具30,35を取り付ける構成であるため、支持具30,35の取付けが容易である。
【0052】
また、取付部材20において、支持具取付孔21aには、支持具30,35が着脱可能に取り付けられる。ボックス部21には、支持具取付孔21aに取り付けた支持具30,35を取り外す作業を行うための開口部21cが形成されている。
【0053】
これにより、無くした面からボックス部21の内部にアクセスできるため、支持具30,35を容易に取り外すことができる。
【0054】
また、取付部材20においては、支持具取付孔21aが形成されているボックス部21の面が長方形状であり、当該ボックス部21の少なくとも1面(開口部21cに対抗する面)では、当該面の長辺と、支持具取付孔21aの楕円又は長円の長手方向と、が平行である。
【0055】
これにより、ボックス部21の面形状を効率的に利用できるため、取付部材20をコンパクトにすることができる。
【0056】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0057】
ボックス部21の形状は六面体に限られず、他の多面体(例えば、三角柱、四面体、六面体、八面体)であっても良いし、当該多面体から1又は複数の面を無くした形状であっても良い。
【0058】
ボックス部21には、各面に1つずつ、支持具取付孔21a又は係合部21bが形成されているが、何も形成されない面が存在しても良いし、複数の支持具取付孔21aが1面に形成されていても良いし、支持具取付孔21aと係合部21bの両方が1面に形成されていても良いし、複数の係合部21bが1面に形成されていても良い。
【0059】
支持具取付孔21a、係合部21b、開口部21cの位置関係は任意であり上記実施形態で開示した構成に限られない。
【0060】
ボックス部21の各面は、正方形状と長方形状の組合せに限られず、正方形状のみであっても良いし、長方形状のみであっても良いし、矩形以外の形状(三角形及び台形等)が含まれていても良い。
【0061】
支持具取付孔21aは、長円状に限られず、楕円状、円状、矩形状であっても良い。また、支持具取付孔21aが長円状又は楕円状であって、長方形状の面に形成されている場合、支持具取付孔21aの長手方向と、長方形状の面の長辺方向と、は第1実施形態のように全ての面で平行であっても良いし、全ての面で垂直であっても良いし、平行と垂直が両方存在していても良い。更には、支持具取付孔21aの長手方向と、長方形状の面の長辺方向と、が垂直以外の角度をなしていても良い。
【0062】
開口部21cの個数及び位置は任意であり、上記で説明した構成に限られない。例えば、開口部21cが3面以上形成されていても良い(この場合、ボックス部21の面数が6より多いことが好ましい。)。また、車体10を取付部材20に取り付けた後に開口部21cが上方(取付部材20を挟んで車体10の反対側)に位置していても良い。また、開口部21cは、支持具30の取外作業を行うことができる大きさであれば良く、多面体の1面全体を無くさなくても良い。例えば、多面体の1面に形成した貫通孔(取外作業ができる程度のサイズ)を開口部21cとすることもできる。
【0063】
取付部材20に、複数の支持具30が同時に取り付けられていても良い。また、取付部材20は、ワイヤハーネス40を支持する支持具30に加え、他の部材(オーディオケーブル、ウォッシャーホース等)を支持する支持具が取付可能であっても良い。
【0064】
上記実施形態では、車体10と取付部材20、取付部材20と支持具30、ボックス部21と車体取付部22は、それぞれ着脱可能であるが、取付後に取り外せない構成であっても良い。
【符号の説明】
【0065】
1 ワイヤハーネス支持装置
10 車体
20 取付部材(ワイヤハーネス支持具取付部材)
21 ボックス部
21a 支持具取付孔
21b 係合部
21c 開口部
22 車体取付部
30,35 支持具
40 ワイヤハーネス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7