【実施例】
【0050】
次に、本発明を、実施例を示しながらさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
【0051】
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体及びブロック共重合体水素化物の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製、HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[D]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、
1H−NMRスペクトルを測定して算出した。
(3)透明粘着シートの透明性
透明粘着シートを厚さ0.7mm、長さ50mm、幅50mmの2枚の白板ガラスの間に挟み、真空ラミネータを使用して、温度50℃で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧成形して白板ガラスで挟まれた試験片を作製した。この試験片を、紫外可視分光光度計(製品名「V−570」、日本分光社製)を使用して、波長470nm、550nm及び650nmでの光線透過率を測定した。
【0052】
(4)透明粘着シートの面内位相差(Re)
透明粘着シートを厚さ0.5mm、長さ100mm、幅100mmの2枚の白板ガラスの間に挟み、真空ラミネータを使用して脱気しながら重ね合わせた後、オートクレーブに移設して、温度50℃、圧力0.9MPaの条件で20分処理して、白板ガラスで挟まれた試験片を作製した。自動複屈折計(製品名「KOBLA−21ADH」、王子計測機器社製)を使用して、波長550nmにおける、試験片の面内位相差Reを測定し、別途測定した白板ガラスの面内位相差Reとの差を透明粘着シートの面内位相差Reとして算出した。
(5)透明粘着シートの粘着性
透明粘着シートをPETフィルム(製品名「ルミラー(登録商標)S10」、厚さ100μm、東レ社製)に重ね合わせた後、オートクレーブに投入して、温度50℃、圧力0.9MPaの条件下で10分処理して貼り合せた。オートクレーブから取り出し、常温(25℃)にて120分間静置した後、幅20mm、長さ100mmに切断して剥離試験用の試験片を作製した。オートグラフ(製品名「AGS−10KNX」、島津製作所社製)を使用して、引張速度300mm/分で、透明粘着シートをPETフィルムから剥離させたときの180°ピール剥離強度を測定した。ピール剥離強度が3〜6N/cmの場合を「○」(良好)、1N/cm以上〜3N/cm未満の場合及び6N/mを超え〜10N/m以下の場合を「△」(適用可)、1N/cm未満及び10N/cmを超える場合を「×」(不良)として評価した。また、透明粘着シートのブロック共重合体水素化物[D]からなるフィルムが破断し、透明粘着シートが剥離できない場合も「×」(不良)として評価した。
(6)透明シートのリワーク性
透明粘着シートを介して、片面にITO膜を蒸着した、縦125cmm、横125mm、厚さ0.1mmのPETフィルムのITO膜面と、表面がトリアセチルセルロース(以降、「TAC」と略記する)保護フィルムである、縦12.5cm、横12.5cm、厚さ0.2mmの偏光フィルム(テックジャム社販売)とを重ね合わせた。次いで、このものを、オートクレーブに投入して、温度50℃、圧力0.9MPaの条件で10分処理して貼り合せた。オートクレーブから取り出し、常温(25℃)にて120分間静置した後、偏光フィルム及びITO蒸着PETフィルムと透明粘着シートを剥がした。偏光フィルム表面、ITO蒸着PETフィルム表面及び透明粘着シートを目視で観察し、偏光フィルム表面及びITO蒸着PETフィルム表面に粘着剤[E]が残っていない場合を「○」(良好)、粘着剤[E]の剥離残りがある場合を「×」(不良)として評価した。
【0053】
[参考例1]
ブロック共重合体水素化物[D1]
(ブロック共重合体[C1]の製造)
内部が充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン 550部、脱水スチレン 35.0部、及びn−ジブチルエーテル 0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウムの15重量%シクロヘキサン溶液 0.70部を加えて、重合反応を開始させた。その後、全容を攪拌しながら60℃で60分反応させた。この時点における、ガスクロマトグラフィーにより測定した重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に脱水イソプレン 30.0部を加え。そのまま30分攪拌を続けた。この時点での重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、脱水スチレンを35.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。
次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて、反応を停止させた。得られたブロック共重合体[C1]の重量平均分子量(Mw)は61,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、wA:wB=70:30であった。
【0054】
(ブロック共重合体水素化物[D1]の製造)
次に、上記で得られた重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)8.0部、及び脱水シクロヘキサン 100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は65,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
【0055】
水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「Songnox1010」(登録商標)、コーヨ化学研究所社製)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にてろ過して、微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。連続して溶融ポリマーを、濃縮乾燥器に連結した孔径5μmのステンレス製焼結フィルターを備えたポリマーフィルター(富士フィルター社製)により、温度260℃でろ過した後、ダイから溶融ポリマーをストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物[D1]のペレット95部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は64,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.11、水素化率はほぼ100%であった。
【0056】
[参考例2]
ブロック共重合体水素化物[D2]
(ブロック共重合体[C2]の製造)
スチレンとイソプレンを5回に分け、スチレン 28.0部、イソプレン 9.0部、スチレン 26.0部、イソプレン 9.0部、及びスチレン 28.0部をこの順に加え、n−ブチルリチウムの15重量%シクロヘキサン溶液を0.58部とする以外は参考例1と同様に重合反応を行い、反応を停止させた。
得られたブロック共重合体[C2]の重量平均分子量(Mw)は76,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.07、wA:wB=82:18であった。
【0057】
(ブロック共重合体水素化物[D2]の製造)
次に、上記重合体溶液を、参考例1と同様にして水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D2]の重量平均分子量(Mw)は80,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。
【0058】
水素化反応終了後、参考例1と同様に酸化防止剤を添加した後、濃縮乾燥してブロック共重合体水素化物[D2]のペレット96部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D2]の重量平均分子量(Mw)は80,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.13、水素化率は99.5%であった。
【0059】
[参考例3]
ブロック共重合体水素化物[D3]
(ブロック共重合体[C3]の製造)
スチレンとイソプレンを3回に分け、スチレン 25.0部、イソプレン 50.0部、スチレン 25.0部をこの順に加え、n−ブチルリチウムの15重量%シクロヘキサン溶液を0.78部に変えて、重合を開始する以外は、参考例1と同様に重合反応を行い、反応を停止させた。
得られたブロック共重合体[C3]の重量平均分子量(Mw)は53,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、wA:wB=50:50であった。
【0060】
(ブロック共重合体水素化物[D3]の製造)
次に、上記重合体溶液を、参考例1と同様にして水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D3]の重量平均分子量(Mw)は56,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
【0061】
水素化反応終了後、参考例1と同様に酸化防止剤を添加した後、濃縮乾燥してブロック共重合体水素化物[D3]のペレット95部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D3]の重量平均分子量(Mw)は55,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.12、水素化率は99.5%であった。
【0062】
[参考例4]
ブロック共重合体水素化物[D4]
(ブロック共重合体[C4]の製造)
スチレンとイソプレンを3回に分け、スチレン 45.0部、イソプレン 10.0部、スチレン 45.0部をこの順に加え、n−ブチルリチウムの15重量%シクロヘキサン溶液を0.58部とする以外は、参考例1と同様に重合反応を行い、反応を停止させた。
得られたブロック共重合体[C4]の重量平均分子量(Mw)は77,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、wA:wB=90:10であった。
【0063】
(ブロック共重合体水素化物[D4]の製造)
次に、上記重合体溶液を、参考例1と同様にして水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D4]の重量平均分子量(Mw)は81,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
【0064】
水素化反応終了後、参考例1と同様に酸化防止剤を添加した後、濃縮乾燥してブロック共重合体水素化物[D4]のペレット92部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D’4]の重量平均分子量(Mw)は80,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.18、水素化率はほぼ100%であった。
【0065】
[参考例5]
ブロック共重合体水素化物[D5]
(ブロック共重合体[C5]の製造)
スチレンとイソプレンを3回に分け、スチレン 15.0部、イソプレン 70.0部、スチレン 15.0部をこの順に加える以外は、参考例1と同様に重合反応を行い、反応を停止させた。
得られたブロック共重合体[C5]の重量平均分子量(Mw)は58,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、wA:wB=30:70であった。
【0066】
(ブロック共重合体水素化物[D5]の製造)
次に、上記重合体溶液を、参考例1と同様にして水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D5]の重量平均分子量(Mw)は62,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
【0067】
水素化反応終了後、参考例1と同様に酸化防止剤を添加した後、濃縮乾燥してブロック共重合体水素化物[D5]のペレット90部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D5]の重量平均分子量(Mw)は61,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.17、水素化率はほぼ100%であった。
【0068】
[参考例6]アクリル系粘着剤[E1]
内部が充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に、酢酸エチル 150部、イソボルニルアクリレート 40.0部、2−エチルヘキシルアクリレート 58.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 2.0部、及び、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.1部を仕込み、温度55℃で10時間重合反応を行った。その後、反応液に酢酸エチル83部を加えて、重量平均分子量(Mw)82万のアクリル系ポリマーの溶液(ポリマー濃度:30重量%)を得た。
【0069】
次いで、得られたアクリル系ポリマー溶液に、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(製品名「コロネート(登録商標)L」、日本ポリウレタン工業社製)0.5部を配合してアクリル系粘着剤[E1]の溶液を調製した。
【0070】
[参考例7]アクリル系粘着剤[E2]
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの組成を、n−ブチルアクリレート 79.0部、メチルアクリレート 19.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 2.0部に変える以外は、参考例6と同様にして、重量平均分子量(Mw)70万のアクリル系ポリマーの溶液(ポリマー濃度:30重量%)を得た。
【0071】
次いで、得られたアクリル系ポリマー溶液に、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート0.5部を配合して、アクリル系粘着剤[E2]の溶液を調製した。
【0072】
[実施例1]
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物[D1]を、20mmφのスクリューを備えた単軸押出し機を有するTダイ式フィルム成形機(Tダイ幅300mm)、及びキャストロールを備えたシート引取機を使用し、樹脂温度230℃、Tダイ温度230℃、キャストロール温度70℃の条件で押出し、厚さ50μm、幅230mmのフィルム[D1F]を作製した。
【0073】
得られたフィルム[D1F]の一方の面に、乾燥後の厚さが約25μmとなるように、参考例6で製造したアクリル系粘着剤[E1]の溶液をバーコーターにより塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して、粘着剤[E1]層を形成した。
粘着剤[E1]層の上に離型処理したPETフィルム(厚さ40μm)を貼り合せた後、さらにフィルム[D1F]のもう一方の面に、乾燥後の厚さが約25μmとなるように参考例6で製造したアクリル系粘着剤[E1]の溶液を、同様に塗布し、再度100℃で10分間加熱乾燥して、フィルム[D1F]の両面に粘着剤[E1]層が形成された透明粘着シート[E1/D1F/E1]を作製した。
【0074】
得られた溶融押出しフィルム[D1F]、透明粘着シート[E1/D1F/E1]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差Re、粘着性、リワーク性を評価した。
評価結果を表1に示した。
【0075】
[実施例2]
実施例1で作製したブロック共重合体水素化物[D1]のフィルム[D1F]の両面を、コロナ処理装置(出力300W、電極長240mm、ワーク電極間3.0mm、春日電機社製)を用いて、搬送速度4m/minの条件で放電処理したこと、及び、参考例7で作製したアクリル系粘着剤[E2]の溶液を使用すること以外は、実施例1と同様にして、フィルム[D1F]の両面に粘着剤[E2]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E2/D1F/E2]を作製した。
得られた透明粘着シート[E2/D1F/E2]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0076】
[実施例3]
参考例2で得られたブロック共重合体水素化物[D2]を使用し、樹脂温度240℃、Tダイ温度240℃、キャストロール温度80℃とする以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μm、幅230mmのフィルム[D2F]を作製した。
【0077】
得られたフィルム[D2F]を使用して実施例2と同様にコロナ放電処理した後、参考例7で作成したアクリル系粘着剤[E2]の溶液を使用する以外は、実施例1と同様にして、フィルム[D2F]の両面に粘着剤[E2]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E2/D2F/E2]を作製した。
得られた透明粘着シート[E2/D2F/E2]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0078】
[実施例4]
参考例3で得られたブロック共重合体水素化物[D3]を使用し、樹脂温度220℃、Tダイ温度220℃、キャストロール温度50℃とする以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μm、幅230mmのフィルム[D3F]を作製した。
【0079】
得られたフィルム[D3F]及び参考例6で作成したアクリル系粘着剤[E1]の溶液を使用する以外は実施例1と同様にして、フィルム[D3F]の両面に粘着剤[E1]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E1/D3F/E1]を作製した。得られた透明粘着シート[E1/D3F/E1]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0080】
[実施例5]
実施例4で得られたフィルム[D3F]を使用して実施例2と同様にコロナ放電処理した後、参考例7で作成したアクリル系粘着剤[E2]の溶液を使用する以外は、実施例1と同様にして、フィルム[D3F]の両面に粘着剤[E2]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E2/D3F/E2]を作製した。
得られた透明粘着シート[E2/D3F/E2]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0081】
[比較例1]
参考例4で得られたブロック共重合体水素化物[D4]を使用し、樹脂温度250℃、Tダイ温度250℃、キャストロール温度80℃とする以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μm、幅230mmのフィルム[D4F]を作製した。
【0082】
得られたフィルム[D4F]を使用して実施例1と同様に参考例6で作成したアクリル系粘着剤[E1]の溶液を使用する以外は実施例1と同様にして、フィルム[D4F]の両面に粘着剤[E1]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E1/D4F/E1]を作成した。得られた透明粘着シート[E1/D4F/E1]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0083】
[比較例2]
比較例1で作成したブロック共重合体水素化物[D4]のフィルム[D4F]を使用して実施例2と同様にコロナ放電処理した後、参考例7で作成したアクリル系粘着剤[E2]の溶液を使用する以外は実施例1と同様にして、フィルム[D4F]の両面に粘着剤[E2]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E2/D4F/E2]を作成した。得られた透明粘着シート[E2/D4F/E2]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0084】
[比較例3]
参考例5で得られたブロック共重合体水素化物[D5]を使用し、樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、キャストロール温度30℃とする以外はとする以外は実施例1と同様にして、厚さ50μm、幅230mmのフィルム[D5F]を作成した。
【0085】
得られたフィルム[D5F]及び参考例6で作成したアクリル系粘着剤[E1]の溶液を使用する以外は実施例1と同様にして、フィルム[D5F]の両面に粘着剤[E1]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E1/D5F/E1]を作成した。得られた透明粘着シート[E1/D5F/E1]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0086】
[比較例4]
比較例3で作成したブロック共重合体水素化物[D5]のフィルム[D5F]を使用して実施例2と同様にコロナ放電処理した後、参考例7で製造したアクリル系粘着剤[E2]の溶液を使用する以外は実施例1と同様にして、フィルム[D5F]の両面に粘着剤[E2]層(厚さ25μm)を形成した透明粘着シート[E2/D5F/E2]を作製した。得られた透明粘着シート[E2/D5F/E2]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差(Re)、粘着性、リワーク性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0087】
【表1】
【0088】
[実施例6]
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物[D1]使用し、実施例1と同様にして、厚さ30μm、幅230mmのフィルム[D1F2]を作製した。得られたフィルム[D1F2]に、実施例1と同様にして、両面にそれぞれ厚さ25μmの粘着剤[E1]層が形成された透明粘着シート[E1/D1F2/E1]を作製した。
得られた溶融押出しフィルム[D1F2]、透明粘着シート[E1/D1F2/E1]を使用して、透明粘着シートの透明性、面内位相差Re、粘着性、リワーク性を評価した。面内位相差Reは0.7nm、粘着性の評価は「○」、リワーク性の評価は「○」であった。
【0089】
本実施例及び比較例の結果から以下のことがわかる。
本発明の透明粘着シートは、可視光領域での光線透過率が高く、且つ、面内位相差が小さく光学特性に優れている他、PETフィルムやTACフィルムに対する粘着性も良好で、リワークも可能である(実施例1〜6)。
一方、本発明の範囲よりも共役ジエンの含有率が少ないブロック共重合体水素化物[D4]からなるフィルム[D4F]を使用した透明粘着シートの場合(比較例1、2)は、PETフィルム及びTACフィルムを保護層とする偏光フィルムに貼り合せた後で、これらのフィルムから剥離しようとすると、フィルム[D4F]が破断し、粘着剤[E]がPETフィルム表面及びTACフィルム表面から除去し難くなり、リワーク性が劣る。また、本発明の範囲よりも共役ジエンの含有率が多いブロック共重合体水素化物[D5]からなるフィルム[D5F]を使用した透明粘着シートの場合(比較例3、4)は、透明粘着シートの面内位相差が大きくなり過ぎ、光学用透明粘着シートとしては使用困難となる。