特許第6624057号(P6624057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6624057
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物
(51)【国際特許分類】
   C08L 13/00 20060101AFI20191216BHJP
   C08K 5/205 20060101ALI20191216BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   C08L13/00
   C08K5/205
   C08K3/04
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-535797(P2016-535797)
(86)(22)【出願日】2015年7月22日
(86)【国際出願番号】JP2015003676
(87)【国際公開番号】WO2016013218
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2018年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-152283(P2014-152283)
(32)【優先日】2014年7月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(72)【発明者】
【氏名】堅田 有信
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−001475(JP,A)
【文献】 特開2008−163074(JP,A)
【文献】 特開2013−194234(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/098170(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00− 13/08
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムと、
融点が50℃以上180℃以下のアミン系架橋剤と、
カーボンナノチューブと、
を含有し、
前記ゴムが、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位0.1質量%以上20質量%以下、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位5質量%以上60質量%以下、ジエン単量体単位20質量%以上89.5質量%以下、および、その他の単量体単位0質量%以上50質量%未満から構成されるカルボキシル化ニトリルゴムまたはその水素化物であり、
前記その他の単量体単位が、芳香族ビニル単量体単位、フッ素含有ビニル単量体単位または共重合性老化防止剤単位である、架橋性ゴム組成物。

【請求項2】
前記カーボンナノチューブのBET比表面積が600m2/g以上2000m2/g以下である、請求項1に記載の架橋性ゴム組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の架橋性ゴム組成物を架橋して得られる、ゴム架橋物。
【請求項4】
流動温度Tfが330℃以上で、且つ、硬さが20以上95以下である、請求項3に記載のゴム架橋物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物に関し、特には、カーボンナノチューブを含有する架橋性ゴム組成物および当該架橋性ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、耐熱性や機械的特性に優れる材料として、ゴム等のエラストマーにカーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)を配合してなる複合材料が注目されている。
【0003】
そして、例えば特許文献1には、耐熱性および機械的特性に優れる複合材料として、水素化カルボキシル化ニトリルゴムと、過酸化物よりなる架橋剤と、CNTとを含む架橋性ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−1475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のゴム架橋物には、耐熱性を更に向上させるという点において改善の余地があった。特に、複合材料として用いられるゴム架橋物には加工性が高いことも求められているところ、上記従来のゴム架橋物には、加工性を確保しつつ耐熱性を更に向上させるという点において改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物、並びに、当該ゴム架橋物を形成可能な架橋性ゴム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。そして、本発明者は、特定の単量体単位を有するゴムと、所定の融点を有するアミン系架橋剤と、カーボンナノチューブとを含む架橋性ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物が、加工性および耐熱性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の架橋性ゴム組成物は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムと、融点が50℃以上180℃以下のアミン系架橋剤と、カーボンナノチューブとを含有することを特徴とする。このような、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムと、融点が50℃以上180℃以下のアミン系架橋剤と、カーボンナノチューブとを含有する架橋性ゴム組成物を架橋すれば、加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物が得られる。
なお、本発明において、「単量体単位を有する」とは、「その単量体を用いて得た重合体(ゴム)中に単量体由来の構造単位が含まれている」ことを意味する。
【0009】
ここで、本発明の架橋性ゴム組成物は、前記カーボンナノチューブのBET比表面積が600m2/g以上2000m2/g以下であることが好ましい。BET比表面積が600m2/g以上2000m2/g以下のカーボンナノチューブを使用すれば、加工性を確保しつつゴム架橋物の耐熱性を更に向上させることができるからである。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
【0010】
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のゴム架橋物は、上述した架橋性ゴム組成物を架橋して得られることを特徴とする。上述した架橋性ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物は、加工性および耐熱性の双方に優れている。
【0011】
そして、本発明のゴム架橋物は、流動温度Tfが330℃以上で、且つ、硬さが20以上95以下であることが好ましい。流動温度Tfが330℃以上であれば、十分に高い耐熱性を得ることができるからである。また、硬さが20以上95以下であれば、ゴム架橋物に弾性体としての機能を発揮させることができると共に、加工性を十分に確保することができるからである。
なお、本発明において、「流動温度Tf」とは、熱機械分析(TMA)を用いて求めた流動温度を指す。また、本発明において、「硬さ」とは、JIS K6253に準拠したデュロメータータイプAの硬さを指す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物、並びに、当該ゴム架橋物を形成可能な架橋性ゴム組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の架橋性ゴム組成物は、架橋可能なゴム組成物であり、本発明のゴム架橋物を製造する際に用いることができる。そして、本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ゴム組成物を架橋して得られる架橋物であり、加工性および耐熱性に優れている。なお、本発明のゴム架橋物は、特に限定されることなく、ベルト、ホース、ガスケット、パッキン、オイルシールなどの種々の用途に使用することができる。
【0014】
(架橋性ゴム組成物)
本発明の実施形態に係る架橋性ゴム組成物は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムと、融点が50℃以上180℃以下のアミン系架橋剤と、カーボンナノチューブとを含有する。そして、本発明の実施形態に係る架橋性ゴム組成物は、特定の単量体単位を有するゴムと、所定の融点を有するアミン系架橋剤と、カーボンナノチューブとを含んでいるので、当該架橋性ゴム組成物を架橋させて得られるゴム架橋物は、加工性および耐熱性に優れている。なお、本発明の実施形態に係る架橋性ゴム組成物は、上記成分以外に、ゴムの加工分野において通常使用される配合剤を含んでいてもよい。
【0015】
<ゴム>
架橋性ゴム組成物は、ゴム成分として、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムを少なくとも含むことを必要とする。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムは、アミン系架橋剤との架橋反応性に優れている。従って、当該カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムをゴム成分として使用すれば、アミン系架橋剤を用いた架橋反応を良好に進行させてゴム架橋物の耐熱性を十分に高めることができる。
なお、架橋性ゴム組成物は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム以外に、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有さないゴムを更に含んでいてもよい。
【0016】
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム]
ここで、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムとしては、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体由来の構造単位がゴム中に含まれている任意の合成ゴムを使用することができる。
【0017】
そして、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムの調製に使用し得るカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されることなく、カルボキシル基を一つ以上有するエチレン性不飽和単量体を用いることができる。具体的には、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸(2−エチルアクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などのカルボン酸単量体;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ−n−ブチルなどのブテンジオン酸モノアルキルエステル単量体;などが挙げられる。なお、カルボキシル基はカルボン酸無水物基であってもよく、カルボン酸無水物基含有エチレン性不飽和単量体である無水カルボン酸単量体の具体例としては無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、ブテンジオン酸モノアルキルエステル単量体を用いることが好ましく、特にマレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ−n−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するものを用いることがより好ましい。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
ここで、架橋性ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物の耐熱性の観点からは、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムとしては、上述したカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を用いて合成されるニトリルゴム(カルボキシル化ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴム(水素化カルボキシル化ニトリルゴム)およびアクリルゴム(カルボキシル化アクリルゴム)が好ましい。中でも、ゴム架橋物の耐熱性を更に向上させる観点からは、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムとしては、水素化カルボキシル化ニトリルゴムおよびカルボキシル化アクリルゴムがより好ましく、水素化カルボキシル化ニトリルゴムが更に好ましい。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
[カルボキシル化ニトリルゴム]
架橋性ゴム組成物に配合し得るカルボキシル化ニトリルゴムとしては、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、ジエン単量体単位と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位とを含み、任意に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能なその他の単量体単位を更に含有するニトリルゴムが挙げられる。
【0020】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、特に限定されることなく、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリルなどのニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和ニトリル化合物が挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
カルボキシル化ニトリルゴム中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量がこの範囲であると、ゴム架橋物に優れた物性(例えば、耐油性や耐寒性)を発揮させることができる。
【0022】
ジエン単量体単位を形成するジエン単量体の例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの炭素数が4以上の共役ジエン単量体;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの炭素数が好ましくは5〜12の非共役ジエン単量体が挙げられる。これらの中でも、ジエン単量体としては、共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
【0023】
カルボキシル化ニトリルゴム中のジエン単量体単位の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上であり、また、好ましくは89.5質量%以下、より好ましくは81質量%以下、更に好ましくは74.5質量%以下、特に好ましくは69.5質量%以下である。ジエン単量体単位の含有量がこの範囲であると、ゴム架橋物に優れた物性(例えば、ゴム弾性、耐熱性、耐油性および化学的安定性)を発揮させることができる。
【0024】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を形成するカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されることなく、前述したカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を用いることができる。中でも、架橋性および後述するCNTの分散性の観点からは、カルボキシル化ニトリルゴム中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を形成するカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−ブチルを用いることが好ましく、マレイン酸モノ−n−ブチルを用いることがより好ましい。
【0025】
カルボキシル化ニトリルゴム中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有量が少なすぎると、アミン系架橋剤との架橋反応が十分に起こらず、ゴム架橋物の耐熱性を十分に向上させ難い。一方で、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有量が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり過ぎてゴム架橋物の加工性が低下するおそれがある。
【0026】
その他の単量体単位を形成するその他の単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、ジエン単量体単位およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位と共重合可能な既知の単量体が挙げられる。具体的には、その他の単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの1価のアルコールと1価の(メタ)アクリル酸とのエステル((メタ)アクリル酸アルキルエステル);スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル単量体;フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル単量体;N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどの共重合性老化防止剤;などが挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
【0027】
カルボキシル化ニトリルゴム中のその他の単量体単位の含有量は、本発明の効果を実質的に阻害しない量であり、通常50質量%未満、好ましくは0質量%以上10質量%以下、より好ましくは0質量%以上5質量%以下である。
【0028】
そして、カルボキシル化ニトリルゴムのポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは15以上200以下、より好ましくは15以上150以下、更に好ましくは15以上100以下である。ムーニー粘度が小さすぎるとゴム架橋物の機械的強度が劣る場合がある。一方、ムーニー粘度が大きすぎるとゴム架橋物の加工性が劣る場合がある。
【0029】
なお、カルボキシル化ニトリルゴムは、上記各単量体を含んでなる単量体混合物を重合することにより得ることができる。重合反応の形態としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液重合法のいずれも用いることができるが、重合反応の制御の容易性などから、常圧下での乳化重合法を用いることが好ましい。そして、乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれで行ってもよい。
【0030】
[水素化カルボキシル化ニトリルゴム]
架橋性ゴム組成物に配合し得る水素化カルボキシル化ニトリルゴムとしては、上述したカルボキシル化ニトリルゴム中のジエン単量体単位を既知の方法で水素化して得られる水素化ゴムが挙げられる。そして、上述したカルボキシル化ニトリルゴムを既知の方法で水素化して得られる水素化カルボキシル化ニトリルゴムでは、カルボキシル化ニトリルゴムのジエン単量体単位の一部または全部が水素化されてα−オレフィン単量体となっている。即ち、架橋性ゴム組成物に配合し得る水素化カルボキシル化ニトリルゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、ジエン単量体単位および/またはα−オレフィン単量体単位と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位とを含み、任意に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能なその他の単量体単位を更に含有する。
【0031】
ここで、上述したカルボキシル化ニトリルゴム中のジエン単量体単位の選択的な水素化は、油層水素化法や水層水素化法などの公知の方法を用いて行なうことができる。
【0032】
そして、水素化カルボキシル化ニトリルゴムは、ヨウ素価が120以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、25以下であることが更に好ましく、15以下であることが特に好ましい。水素化カルボキシル化ニトリルゴムのヨウ素価が高すぎると、ゴム架橋物の物性(例えば、熱安定性、耐オゾン性など)が低下するおそれがある。
【0033】
なお、水素化カルボキシル化ニトリルゴムのポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは15以上200以下、より好ましくは15以上150以下、更に好ましくは15以上100以下である。ムーニー粘度が小さすぎるとゴム架橋物の機械的強度が劣る場合がある。一方、ムーニー粘度が大きすぎるとゴム架橋物の加工性が劣る場合がある。
【0034】
[カルボキシル化アクリルゴム]
架橋性ゴム組成物に配合し得るカルボキシル化アクリルゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位とを含み、任意に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能なその他の単量体単位を更に含有するアクリルゴムが挙げられる。
【0035】
ここで、カルボキシル化アクリルゴムの主成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、特に限定されることなく、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などを挙げることができる。
【0036】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく、アクリル酸エチルおよびアクリル酸n−ブチルが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0037】
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましく、アクリル酸2−エトキシエチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
カルボキシル化アクリルゴム中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、通常50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは92質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、更に好ましくは99質量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が少なすぎると、ゴム架橋物の耐熱性などが低下するおそれがある。
なお、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位の割合は、30質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
【0039】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を形成するカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されることなく、前述したカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を用いることができる。中でも、架橋性および後述するCNTの分散性の観点からは、カルボキシル化アクリルゴム中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を形成するカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ−n−ブチルを用いることが好ましく、フマル酸モノメチルを用いることがより好ましい。
【0040】
カルボキシル化アクリルゴム中のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有量が少なすぎると、アミン系架橋剤との架橋反応が十分に起こらず、ゴム架橋物の耐熱性を十分に向上させ難い。一方で、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位の含有量が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり過ぎてゴム架橋物の加工性が低下するおそれがある。
【0041】
その他の単量体単位を形成するその他の単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な既知の単量体が挙げられる。具体的には、その他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン、ピペリレン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ヘキサジエン、ノルボルナジエン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
なお、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートは、上述した(メタ)アクリル酸エステル単量体には含まれないものとする。
【0042】
カルボキシル化アクリルゴム中のその他の単量体単位の含有量は、本発明の効果を実質的に阻害しない量であり、通常50質量%未満、好ましくは0質量%以上10質量%以下、より好ましくは0質量%以上5質量%以下である。
【0043】
そして、カルボキシル化アクリルゴムのポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10以上80以下、より好ましくは20以上70以下である。ムーニー粘度が小さすぎるとゴム架橋物の機械的強度が劣る場合がある。一方、ムーニー粘度が大きすぎるとゴム架橋物の加工性が劣る場合がある。
【0044】
なお、カルボキシル化アクリルゴムは、上記各単量体を含んでなる単量体混合物を重合することにより得ることができる。重合反応の形態としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液重合法のいずれも用いることができるが、重合反応の制御の容易性などから、常圧下での乳化重合法を用いることが好ましい。そして、乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれで行ってもよい。
【0045】
<アミン系架橋剤>
アミン系架橋剤は、架橋性ゴム組成物を架橋してゴム架橋物を得る際に、上記ゴム中のカルボキシル基などと反応し、ゴム架橋物中に架橋構造を形成してゴム架橋物の耐熱性を良好に向上させる。そして、アミン系架橋剤としては、特に限定されることなく、(1)2つ以上のアミノ基を有する化合物、或いは、(2)架橋時に2つ以上のアミノ基を有する形態になる化合物などのポリアミン系架橋剤を用いることができる。具体的には、アミン系架橋剤としては、例えば、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素原子が、アミノ基またはヒドラジド構造(−CONHNH2で表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換されたポリアミン系架橋剤を用いることができる。
【0046】
ここで、架橋性ゴム組成物に用いるアミン系架橋剤は、融点が50℃以上180℃以下である必要があり、アミン系架橋剤の融点は、80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、140℃以上であることが更に好ましく、150℃以上であることが特に好ましく、170℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましい。融点が180℃超のアミン系架橋剤は、ゴム中のカルボキシル基などとの架橋反応を進行させ難く、ゴム架橋物の耐熱性を向上させ難いからである。また、一般に、架橋性ゴム組成物中においてCNTを良好に分散させるためには架橋性ゴム組成物の調製時に架橋性ゴム組成物に比較的高いせん断力を与えてゴムとCNT等とを混練する必要があるところ、高いせん断力を与えて混練すると架橋性ゴム組成物は発熱する。そのため、アミン系架橋剤の融点が50℃未満であると、架橋性ゴム組成物の調製中(特に、混練中)に架橋反応が進行してしまい、その結果、適切な架橋度を有するゴム架橋物の形成が困難になって加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物が得られないからである。
【0047】
そして、上述した融点を有するアミン系架橋剤としては、特に限定されることなく、例えば、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(融点:155℃)、ヘキサメチレンジアミンシンナムアルデヒド付加物(融点:80℃)などの脂肪族多価アミン類;2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(融点:128℃)、4,4’−メチレンジアニリン(融点:92℃)、m−フェニレンジアミン(融点:64℃)、p−フェニレンジアミン(融点:64℃)、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(融点:102℃)などの芳香族多価アミン類;アジピン酸ジヒドラジド(融点:177℃)などのヒドラジド構造を2つ以上有する化合物;などが挙げられる。これらの中でも、架橋の容易性、並びに、得られるゴム架橋物の加工性および耐熱性の観点からは、アミン系架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミンカルバメートおよび2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが好ましく、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが特に好ましい。なお、アミン系架橋剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
なお、アミン系架橋剤の配合量は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム100質量部当たり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることが更に好ましく、10質量部以下であることが好ましく、9質量部以下であることがより好ましく、8質量部以下であることが更に好ましい。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム100質量部当たりのアミン系架橋剤の量を0.1質量部以上とすれば、ゴム架橋物中に架橋構造を十分に形成してゴム架橋物の耐熱性を十分に向上させることができる。また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム100質量部当たりのアミン系架橋剤の量を10質量部以下とすれば、ゴム架橋物が硬くなり過ぎてゴム架橋物の加工性が低下するのを抑制することができる。また、未反応のアミン系架橋剤がゴム架橋物からブリードアウトするのを抑制することができる。
【0049】
<カーボンナノチューブ(CNT)>
CNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、少ない添加量でゴム架橋物の耐熱性を向上させることができるので、得られるゴム架橋物の硬さの増加(即ち、加工性の低下)を抑制しつつ、ゴム架橋物の耐熱性を十分に向上させることができる。
【0050】
また、CNTの平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制してCNTの分散性を高めることができる。また、CNTの平均直径(Av)が15nm以下であれば、得られるゴム架橋物の耐熱性を十分に高めることができる。
【0051】
また、CNTは、合成時における構造体の平均長さが100μm以上5000μm以下であることが好ましい。
【0052】
なお、CNTの平均直径(Av)および平均長さは、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径(外径)および長さを測定して求めることができる。
そして、CNTの平均直径(Av)や平均長さは、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
【0053】
更に、CNTのBET比表面積は、600m2/g以上であることが好ましく、700m2/g以上であることがより好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2000m2/g以下であることが好ましく、1800m2/g以下であることがより好ましく、1500m2/g以下であることが更に好ましい。また、CNTが主として開口したものにあっては、BET比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。CNTのBET比表面積が600m2/g以上であれば、得られるゴム架橋物の耐熱性を十分に高めることができる。また、CNTのBET比表面積が2000m2/g以下であれば、CNTの凝集を抑制してCNTの分散性を高めることができると共に、ゴム架橋物が硬くなり過ぎて加工性が低下するのを抑制することができる。
【0054】
更に、CNTは、後述のスーパーグロース法によれば、カーボンナノチューブ成長用の触媒層を表面に有する基材上に、基材に略垂直な方向に配向した集合体(CNT配向集合体)として得られるが、当該集合体としての、CNTの質量密度は、0.002g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましい。質量密度が0.2g/cm3以下であれば、CNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを均質に分散させることができる。また、質量密度が0.002g/cm3以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
【0055】
なお、上述した性状を有するCNTは、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)により製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
【0056】
なお、CNTの配合量は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム100質量部当たり、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、3質量部以上であることが特に好ましく、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム100質量部当たりのCNTの量を0.01質量部以上とすれば、ゴム架橋物の耐熱性を十分に向上させることができる。また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム100質量部当たりのCNTの量を20質量部以下とすれば、ゴム架橋物が硬くなり過ぎてゴム架橋物の加工性が低下するのを抑制することができる。
【0057】
<配合剤>
架橋性ゴム組成物に任意に配合される配合剤としては、例えば、架橋促進剤、架橋助剤、架橋遅延剤、補強性充填材(カーボンブラック、シリカなど)、非補強性充填材(炭酸カルシウム、クレー、タルク、珪藻土など)、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジノルマルアルキル、アジピン酸ジアルキル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジアルキル、セバシン酸ジオクチル、クエン酸トリアルキル、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエーテルエステル等)、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤、帯電防止剤、磁性化合物、着色剤などが挙げられる。そして、これらの配合剤の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量とすることができる。
【0058】
<架橋性ゴム組成物の調製方法>
上記架橋性ゴム組成物は、上述したカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴム(以下、単に「ゴム」と称することがある。)と、融点が50℃以上180℃以下のアミン系架橋剤と、CNTと、任意に配合される配合剤とを既知の方法で混合して調製することができる。
【0059】
ここで、上述したゴムの調製に乳化重合法を用いた場合など、ゴムが水などの分散媒に分散した状態(ラテックス状態)で得られた場合には、ゴムは既知の方法で凝固および乾燥させた後にアミン系架橋剤およびCNT等と混練することが好ましい。水などの分散媒中にゴムが分散しているラテックス中にCNTを混合して分散させた場合、加わるせん断力が不十分であり、良好な分散状態が得られ難いからである。
【0060】
そして、ゴムと、アミン系架橋剤と、CNTと、任意の配合剤との混合は、例えばバンバリーミキサーやロールを用いて行うことができる。具体的には、ゴムと、アミン系架橋剤と、CNTと、任意の配合剤とは、例えば、ゴムと、CNTと、任意の配合剤とを混練した後、アミン系架橋剤を添加して更に混練することにより混合することができる。なお、配合剤は、その種類および用途などに応じてゴムとCNTとの混練後に添加してもよい。
【0061】
ここで、一般にCNTは凝集し易く、ゴム中で分散させ難い。そのため、CNTをゴム中で良好に分散させて所期の性能を有するゴム架橋物を得るためには、ゴムとCNTとを混練する際に大きなせん断力を付与する必要がある。特に、ゴムに配合するCNTのBET比表面積が大きい場合や、CNTの配合量が多い場合には、CNTの凝集を抑制してCNTを良好に分散させるために大きなせん断力を付与する必要がある。一方で、大きなせん断力を与えつつゴムとCNT等とを混練した場合には、せん断時に発生する熱により架橋性ゴム組成物の温度が上昇し、アミン系架橋剤を介した架橋反応が進行してしまう虞がある。しかしながら、本発明の実施形態に係る架橋性ゴム組成物では、融点が所定値以上のアミン系架橋剤を使用しているので、架橋反応の進行を抑制しつつ、CNTおよびアミン系架橋剤などがゴム中に良好に分散した架橋性ゴム組成物を得ることができる。そして、当該架橋性ゴム組成物を用いれば、加工性および耐熱性に優れたゴム架橋物を形成することができる。
【0062】
なお、混練中の架橋反応の進行を抑制する観点からは、ゴムと、アミン系架橋剤と、CNTと、任意の配合剤との混練は、アミン系架橋剤の融点未満の温度で行うことが好ましく、150℃以下で行うことがより好ましく、100℃以下で行うことが更に好ましい。また、混練時間は、用いられる原料の種類や量によって適宜設定されるが、通常、1分以上180分以下である。
【0063】
(ゴム架橋物)
本発明の実施形態に係るゴム架橋物は、上述した架橋性ゴム組成物を架橋して得られるものである。
【0064】
ここで、架橋性ゴム組成物の架橋方法としては、金型内での加圧および加熱などの既知の手法を用いることができる。そして、架橋性ゴム組成物を架橋する際の温度は、通常50℃以上250℃以下であり、アミン系架橋剤の融点以上であることが好ましい。また、架橋性ゴム組成物を架橋する際のプレス圧力は、通常1MPa以上100MPa以下である。
【0065】
そして、上述した架橋性ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物は、耐熱性に優れており、例えば流動温度Tfが、好ましくは330℃以上、より好ましくは350℃以上、更に好ましくは385℃以上である。また、ゴム架橋物は、加工性に優れており、例えば硬さが、好ましくは95以下、より好ましくは90以下、更に好ましくは85以下である。なお、ゴム弾性を発揮させる観点からは、ゴム架橋物の硬さは、20以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、60以上であることが更に好ましい。
【実施例】
【0066】
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例および比較例において、ゴムのヨウ素価およびポリマームーニー粘度、カーボンナノチューブのBET比表面積、架橋剤の融点、並びに、ゴム架橋物の流動温度および硬さは、下記の方法で測定および評価した。
【0067】
<ヨウ素価>
ゴムのヨウ素価は、JIS K6235に準じて測定した。
<ポリマームーニー粘度>
ゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、JIS K6300−1に従って測定した。
<BET比表面積>
CNTのBET比表面積は、JIS Z8830に準拠し、BET比表面積測定装置((株)マウンテック製、HM model−1210)を用いて測定した。
<融点>
架橋剤の融点は、JIS K0064に準拠して測定した。測定装置としては、ヤマト科学(株)製のMP−21を使用し、固体の架橋剤を入れたガラス毛細管をシリコンオイル中に浸漬して目視で融点を測定した。
<流動温度>
ゴム架橋物の流動温度Tfは、熱機械分析(TMA)装置(SII社製、「TMA/SS6100」)を用いて評価した。
具体的には、得られたゴム架橋物から、厚さ0.2cm、寸法0.5cm×0.5cmの大きさの試験片を切り出した。そして、試験片について、JIS K7197に準拠し、試験片の厚さ方向に荷重を負荷してTMA曲線(横軸:温度−縦軸:変形量)を測定した。なお、測定は、窒素雰囲気下にて、圧縮モードで行った。昇温速度は毎分10℃、荷重は1.0Nとした。
そして、ゴム架橋物の流動温度Tfを、次のようにして算出した。即ち、検出されたTMA曲線(横軸:温度−縦軸:変形量)のうち、変形量が最大となる温度をTmaxとした。そして、Tmaxより5℃低い温度(Tmax−5℃)におけるTMA曲線の接線と、Tmaxより2℃高い温度(Tmax+2℃)におけるTMA曲線の接線との交点の温度を流動温度Tfとした。
<硬さ>
ゴム架橋物の硬さは、デュロメータータイプAを使用し、JIS K6253に準拠して測定した。
【0068】
(実施例1)
<水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)の合成>
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としてのアクリロニトリル35部、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としてのマレイン酸モノn−ブチル6部、および、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部を順次投入し、内部の気体を窒素で3回置換した後、共役ジエン単量体としての1,3−ブタジエン59部を投入した。その後、金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を添加した。そして、金属製ボトルを回転させながら16時間重合させた。次いで、濃度10%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去し、カルボキシル化ニトリルゴムのラテックス(固形分濃度約30%)を得た。
次に、上記で得られたラテックスに含有されるゴムの乾燥重量に対するパラジウム含有量が1,000ppmになるように、オートクレーブ中に、上記にて製造したラテックスと、パラジウム触媒(1%酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水とを混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間水素添加反応を行い、水素化カルボキシル化ニトリルゴムのラテックスを得た。
最後に、上記で得られた水素化カルボキシル化ニトリルゴムのラテックスに2倍容量のメタノールを加えて凝固させた後、ろ過して固形物(クラム)を取り出し、それを60℃で12時間真空乾燥することにより、水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)を得た。そして、得られた水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)のヨウ素価およびムーニー粘度を上述の方法により測定したところ、ヨウ素価は11であり、ムーニー粘度は45であった。
なお、得られた水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)について、ゴム中にカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位として含まれているマレイン酸モノn−ブチル単位の量を以下の手順で確認した。即ち、得られたゴムから約2mm角の試料0.2gを切り出し、2−ブタノン100mLを加えて4時間攪拌した後、エタノール20mLおよび水10mLを加えた。そして、攪拌下、水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、ゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求めた。そして、求めたモル数をマレイン酸モノn−ブチルの量に換算したところ、ゴム中にはマレイン酸モノn−ブチル単位が6%含まれていた。
<架橋性ゴム組成物の調製>
表1に示す配合量に従い、バンバリーミキサーを用いて、得られた水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)100部と、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)5部と、加工助剤としてのステアリン酸1部およびポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸(商品名「フォスファノールRL−210」、東邦化学社製)1部とを混練した。なお、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)としては、ナノシル社製の商品名「NC7000」(BET比表面積:256m2/g、平均直径(Av):9.5nm、平均長さ:1.5μm)を使用した。
次いで、得られた混練物をロールに移した後、アミン系架橋剤としてのヘキサメチレンジアミンカーバメート(HMDAC;融点:155℃、商品名「DIAK#1」、デュポン・ダウ・エラストマー社製)2.4部を添加して更に混練し、架橋性ゴム組成物を得た。なお、混練中の架橋性ゴム組成物の温度は100℃以下とした。
<ゴム架橋物の調製>
得られた架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状の架橋物を得た。次いで、得られた架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋してゴム架橋物を得た
そして、得られたゴム架橋物について、流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例2〜4)
架橋性ゴム組成物の調製時に、MWCNTに替えて、単層カーボンナノチューブ(SWCNT−1〜SWCNT−3)を使用した以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
なお、単層カーボンナノチューブであるSWCNT−1は、NanoIntegris Inc.社製の商品名「HiPco(登録商標)」(BET比表面積:512m2/g、平均直径(Av):1.1nm、平均長さ:3.0μm)である。
また、単層カーボンナノチューブであるSWCNT−2およびSWCNT−3は、スーパーグロース法を用いて調製したSGCNTである。そして、SWCNT−2は、BET比表面積が706m2/g、平均直径(Av)が3.8nm、平均長さが2500μmであった。また、SWCNT−3は、BET比表面積が865m2/g、平均直径(Av)が3.4nm、平均長さが2350μmであった。
【0070】
(実施例5〜6)
架橋性ゴム組成物の調製時に、SWCNT−3の配合量を表1に示す量に変更した以外は実施例4と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0071】
(実施例7)
架橋性ゴム組成物の調製時に、MWCNT5部に替えて、単層カーボンナノチューブ(SWCNT−4)1部を配合した以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
なお、単層カーボンナノチューブであるSWCNT−4は、スーパーグロース法を用いて調製したSGCNTである。そして、SWCNT−4は、BET比表面積が1756m2/g、平均直径(Av)が2.2nm、平均長さが2580μmであった。
【0072】
(実施例8)
架橋性ゴム組成物の調製時に、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(HMDAC)2.4部に替えて、アミン系架橋剤として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPOPP;融点:128℃、和歌山精化工業社製)6.7部を用いた以外は実施例4と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0073】
(実施例9)
架橋性ゴム組成物の調製時に、水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)100部に替えて以下のようにして合成したカルボキシル化アクリルゴム(XACM)100部を使用し、MWCNTおよびヘキサメチレンジアミンカーバメート(HMDAC)の配合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
<カルボキシル化アクリルゴム(XACM)の合成>
温度計および攪拌装置を備えた重合反応器に、イオン交換水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、(メタ)アクリル酸エステル単量体としてのアクリル酸エチル49部およびアクリル酸n−ブチル49部、並びに、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としてのフマル酸モノメチル2部を投入した。その後、減圧脱気および窒素置換を2度行って酸素を十分に除去した後、クメンハイドロパーオキシド0.005部およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.002部を加えて、常圧下、30℃で乳化重合を開始し、重合転化率が95%に達するまで反応させた。そして、得られたラテックスを塩化カルシウム水溶液で凝固させ、水洗、乾燥してカルボキシル化アクリルゴム(XACM)を得た。得られたカルボキシル化アクリルゴム(XACM)のムーニー粘度を上述の方法により測定したところ、ムーニー粘度は35であった。
なお、得られたカルボキシル化アクリルゴム(XACM)について、ゴム中にカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位として含まれているフマル酸モノメチル単位の量を以下の手順で確認した。即ち、得られたゴムから約2mm角の試料0.2gを切り出し、2−ブタノン100mLを加えて4時間攪拌した後、エタノール20mLおよび水10mLを加えた。そして、攪拌下、水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、ゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求めた。そして、求めたモル数をフマル酸モノメチルの量に換算したところ、ゴム中にはフマル酸モノメチル単位が2%含まれていた。
【0074】
(実施例10〜12)
架橋性ゴム組成物の調製時に、MWCNTに替えて、単層カーボンナノチューブ(SWCNT−3)を表1に示す量で配合した以外は実施例9と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0075】
(比較例1)
架橋性ゴム組成物の調製時に、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(HMDAC)2.4部に替えて、過酸化物である1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(BIBP;ハーキュレス社製)8.0部を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0076】
(比較例2)
架橋性ゴム組成物の調製時に、水素化カルボキシル化ニトリルゴム(HXNBR)100部に替えてカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を含まない水素化ニトリルゴム(HNBR;日本ゼオン製、商品名「Zetpol(登録商標)2010L」、ヨウ素価11、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)57.5)を使用した以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0077】
(比較例3)
架橋性ゴム組成物の調製時に、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(HMDAC)に替えて、アミン系架橋剤として1,5−ジアミノナフタレン(DAN;融点:190℃、東京化成工業株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
【0078】
(比較例4)
架橋性ゴム組成物の調製時に、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(HMDAC)に替えて、アミン系架橋剤として1,3−ジアミノプロパン(DAP;融点:49℃、東京化成工業株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物を調製した。そして、実施例1と同様にして流動温度Tfおよび硬さの評価および測定を行った。結果を表1に示す。
なお、比較例4では、ロールを用いた混練中に1,3−ジアミノプロパン(DAP)を介した架橋反応が進行し、ゴム架橋物に架橋ムラができた。
【0079】
【表1】
【0080】
表1より、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムと、融点が50℃以上180℃以下のアミン系架橋剤と、カーボンナノチューブとを併用した実施例1〜12のゴム架橋物は、アミン系架橋剤を使用していない比較例1のゴム架橋物、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するゴムを使用していない比較例2のゴム架橋物、並びに、融点が50℃未満または180℃超のアミン系架橋剤を使用している比較例3および4のゴム架橋物と比較し、十分な加工性を確保しつつ耐熱性を向上することができることが分かる。
【0081】
また、表1の実施例1〜7および9〜12より、単層のCNT、特にBET比表面積の大きな単層CNTを使用することにより、ゴム架橋物の耐熱性を向上させ得ることが分かる。また、実施例4〜6および10〜12、並びに、比較例4より、融点が50℃以上のアミン系架橋剤を使用すれば、BET比表面積が大きく、凝集し易いCNTを多量に使用した場合であっても、混練によりCNTを良好に分散させつつ混練中の架橋の進行を抑制して加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物が得られることが分かる。
更に、表1の実施例4および8より、アミン系架橋剤の融点を変更することにより混練中の架橋の進行を抑制して加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物が得られることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、加工性および耐熱性に優れるゴム架橋物、並びに、当該ゴム架橋物を形成可能な架橋性ゴム組成物を提供することができる。