(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0048】
以下、製造例、参考製造例、製剤例及び試験例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【0049】
1H−NMRはプロトン核磁気共鳴スペクトルであり、内部標準物質としてテトラメチルシランを用い、ケミカルシフト(δ)をppmで表記した。
製造例1
後述する参考製造例4に記載の中間体(16A)0.42g、2−クロロ−5−フルオロピリミジン0.18ml、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物0.02g、リン酸三カリウム0.64g、1,2−ジメトキシエタン4ml及び水0.4mlの混合物を85℃で4時間攪拌した。冷却後、反応混合物を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記で示される本発明化合物1を0.25g得た。
【0050】
製造例1に記載の方法に準じて製造した化合物及びその物性値を以下に示す。
式(a)
【0051】
で示される化合物において、Z
21、Z
22、Z
23及びR
21が[表1]で示される化合物。
【0052】
【表1】
【0053】
本発明化合物1
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.62 (2H, d), 8.25 (1H, dd), 8.22 (1H, d), 7.79 (1H, brs), 7.48 (1H, brs), 7.29 (1H, t), 7.09 (1H, d), 7.01 (1H, d), 5.17 (2H, s), 3.75 (3H, s), 2.43 (3H, s), 2.30 (3H, s)
本発明化合物2
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.61 (2H, s), 8.23-8.21 (2H, m), 8.01 (1H, brs), 7.64 (1H, brs), 7.42-7.37 (1H, m), 7.35-7.32 (1H, m), 7.12-7.10 (1H, m), 7.06-7.05 (1H, m), 5.17 (2H, s), 3.77 (3H, s), 2.34 (3H, s)
本発明化合物3
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.46 (1H, d), 8.25-8.21 (2H, m), 7.78 (1H, brs), 7.49 (1H, brs), 7.28 (1H, t), 7.07 (1H, d), 7.00 (1H, d), 5.17 (2H, s), 3.75 (3H, s), 2.59 (3H, d), 2.43 (3H, s), 2.29 (3H, s)
本発明化合物4
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.45 (1H, d), 8.22-8.21 (2H, m), 8.02 (1H, brs), 7.67 (1H, brs), 7.41-7.38 (1H, m), 7.34-7.32 (1H, m), 7.10 (1H, td), 7.04 (1H, d), 5.16 (2H, s), 3.77 (3H, s), 2.58 (3H, d), 2.33 (3H, s)
次に、上記の本発明化合物の製造中間体の参考製造例を示す。
参考製造例1
2−(ブロモメチル)−3−メチルニトロベンゼン4.0g、4−ブロモ−2−メチルフェノール2.4g、炭酸カリウム4.8g及びアセトニトリル40mlの混合物を5時間加熱還流した。反応液をセライト(登録商標)でろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記で示される中間体(1A)3.2gを得た。
【0054】
参考製造例1に記載の方法に準じて製造した化合物及びその物性値を以下に示す。
式(aA)
【0055】
で示される化合物において、R
21、R
31、R
41及びR
51が[表2]で示される化合物。
【0056】
【表2】
【0057】
中間体(1A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 7.74 (1H, d), 7.62 (1H, d), 7.53 (1H, t), 7.39-7.32 (2H, m), 7.04 (1H, d), 5.20 (2H, s), 2.50 (3H, s), 2.03 (3H, s)
中間体(2A)
1H NMR (CDCl
3) δ: 8.17 (1H, d), 7.87 (1H, d), 7.70 (1H, t), 7.51 (1H, t), 7.31 (1H, d), 7.24 (1H, d), 6.74 (1H, d), 5.46 (2H, s), 2.31 (3H, s)
中間体(3A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.10 (1H, d), 7.65 (1H, s), 7.34-7.21 (3H, m), 6.75 (1H, d), 5.44 (2H, s), 2.47 (3H, s), 2.31(3H, s).
中間体(4A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.98 (1H, s), 7.71 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.32-7.18 (2H, m), 6.72 (1H, d), 5.41 (2H, s), 2.46 (3H, s), 2.29 (3H, s)
中間体(5A)
1H NMR (CDCl
3) δ: 7.50-7.38 (2H, m), 7.32-7.18 (3H, m), 6.67 (1H, d), 5.09 (2H, s), 2.39 (3H, s), 2.22 (3H, s)
参考製造例2
中間体(1A)3.2g、塩化銅(I)2.9g及びメタノール50mlの混合物に氷冷下、水素化ホウ素カリウム3.3gを加え、氷冷下で1時間攪拌した。反応液をセライト(登録商標)でろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮して、下記で示される中間体(6A)2.0gを得た。
【0058】
参考製造例2に記載の方法に準じて製造した化合物及びその物性値を以下に示す。
式(bA)
【0059】
で示される化合物において、R
21、R
31、R
41及びR
51が[表3]で示される化合物。
【0060】
【表3】
【0061】
中間体(6A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.32-7.25 (2H, m), 7.07 (1H, t), 6.88 (1H, d), 6.68-6.56 (2H, m), 5.03 (2H, s), 3.96 (2H, brs), 2.34 (3H, s), 2.16 (3H, s)
中間体(7A)
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.36-7.7.28 (2H, m), 7.22-7.7.16 (1H, m), 7.06-6.97 (2H, m), 6.67 (1H, d), 6.60-6.54 (1H, m), 5.05 (2H, brs), 4.96 (2H, s), 2.17 (3H, s)
中間体(8A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 7.33-7.20 (2H, m), 6.99 (2H, d), 6.79-6.88 (1H, m), 6.65 (1H, d), 4.97 (2H, s), 3.91 (2H, brs), 2.26 (3H, s), 2.19 (3H, s)
中間体(9A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.30-7.21 (2H, m), 7.07 (1H, d), 6.83 (1H, d), 6.62-6.49 (2H, m), 4.98 (2H, s), 3.95 (2H, brs), 2.27 (3H, s), 2.18 (3H, s)
中間体(10A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 7.26-7.21 (2H, m), 7.21-7.01 (2H, m), 6.90-6.81 (1H, s), 6.70 (1H, t), 5.02 (2H, s), 4.05 (2H, brs), 2.20 (3H, s), 2.19 (3H, s)
参考製造例3
中間体(6A)を2.0g、クロロホルム25ml及びピリジン1.1mlの混合溶液に、氷冷下でクロロギ酸メチルを0.5ml加え、室温下で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記で示される中間体(11A)を1.7g得た。
【0062】
参考製造例3に記載の方法に準じて製造した化合物及びその物性値を以下に示す。
式(cA)
【0063】
で示される化合物において、R
21、R
31、R
41及びR
51が[表4]で示される化合物。
【0064】
【表4】
【0065】
中間体(11A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 9.07 (1H, brs), 7.30-7.38 (2H, m), 7.25 (2H, d), 7.12-6.96 (2H, m), 5.05 (2H, s), 3.60 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.06 (3H, s)
中間体(12A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 9.0 (1H, brs), 7.47 (2H, t), 7.40-7.22 (3H, m), 7.25-7.16 (1H, m), 6.92 (1H, d), 5.12 (2H, s), 3.65 (3H, s), 2.17 (3H, s)
中間体(13A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.89 (1H, brs), 7.38-7.23 (4H, m), 7.16-7.08 (1H, m), 6.92 (1H, d), 5.07 (2H, s), 3.63 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.16 (3H, s)
中間体(14A)
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 8.93 (1H, brs), 7.35-7.30 (4H, m), 6.98 (1H, d), 6.90 (1H, d), 5.07 (2H, s), 3.64 (3H, s), 2.29 (3H, s), 2.15 (3H, s)
中間体(15A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.80 (1H, brs), 7.34 (1H, d), 7.31-7.25 (2H, m), 7.26-7.17 (2H, m), 6.86 (1H, d), 5.05 (2H, s), 3.62 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.18 (3H, s)
参考製造例4
中間体(11A)0.50g、ビス(ピナコラト)ジボロン0.42g、酢酸カリウム0.40g、1,4−ジオキサン10ml及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物0.06gの混合物を16時間加熱還流した。反応液をセライト(登録商標)でろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、下記で示される中間体(16A)0.35gを得た。
【0066】
参考製造例4に記載の方法に準じて製造した化合物及びその物性値を以下に示す。
式(dA)
【0067】
で示される化合物において、R
21、R
31、R
41及びR
51が[表5]で示される化合物。
【0068】
【表5】
【0069】
中間体(16A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 9.08 (1H, brs), 7.51 (1H, d), 7.44 (1H, s), 7.25 (2H, t), 7.12-7.02 (2H, m), 5.09 (2H, s), 3.61 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.07 (3H, s), 1.27 (12H, s)
中間体(17A)
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 9.01 (1H, brs), 7.42-7.56 (4H, m), 7.38-7.26 (1H, m), 7.24-7.13 (1H, m), 6.97 (1H, d), 5.17 (2H, s), 3.66 (3H, s), 2.19 (3H, s), 1.27 (12H, s)
中間体(18A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.89 (1H, brs), 7.48 (2H, d), 7.24-7.36 (2H, m), 7.11 (1H, dd), 6.96 (1H, d), 5.10 (2H, s), 3.63 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.18 (3H, s), 1.27 (12H, s)
中間体(19A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.93 (1H, brs), 7.47 (2H, d), 7.32 (2H, t), 6.97 (2H, t), 5.11 (2H, s), 3.64 (3H, s), 2.29 (3H, s), 2.16 (3H, s), 1.27 (12H, s)
中間体(20A)
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.8 (1H, brs), 7.46 (2H, d), 7.31 (1H, dd), 7.25-7.17 (2H, m), 6.91 (1H, d), 5.09 (2H, s), 3.62 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.19 (3H, s), 1.27 (12H, s)
上記の方法に準じて化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50を得ることができる。化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50は、下記で示されるカルバメート化合物〔式中、Eは、以下に示す置換基番号1〜50のいずれかを表す。〕である。下記の[置換基番号;E]において、Meはメチルを表し、Etはエチルを表し、Fはフルオロを表し、Clはクロロを表し、Brはブロモを表し、Iはヨードを表し、PYR2はピリミジン−2−イル基を表す。
【0070】
【0071】
[置換基番号;E]
[1;4-F-PYR2], [2;4-Cl-PYR2], [3;4-Br-PYR2], [4;4-I-PYR2], [5;5-F-PYR2], [6;5-Cl-PYR2], [7;5-Br-PYR2], [8;5-I-PYR2], [9;4-Me-5-F-PYR2], [10;4-Me-5-Cl-PYR2], [11;4-Me-5-Br-PYR2], [12;4-Me-5-I-PYR2], [13;4-Et-5-F-PYR2], [14;4-Et-5-Cl-PYR2], [15;4-Et-5-Br-PYR2], [16;4-Et-5-I-PYR2], [17;4-F-5-F-PYR2], [18;4-F-5-Cl-PYR2], [19;4-F-5-Br-PYR2], [20;4-F-5-I-PYR2], [21;4-F-5-Me-PYR2], [22;4-Cl-5-F-PYR2], [23;4-Cl-5-Cl-PYR2], [24;4-Cl-5-Br-PYR2], [25;4-Cl-5-I-PYR2], [26;4-Cl-5-Me-PYR2], [27;4-Cl-5-Et-PYR2], [28;4-Br-5-F-PYR2], [29;4-Br-5-Cl-PYR2], [30;4-Br-5-Br-PYR2], [31;4-Br-5-I-PYR2], [32;4-Br-5-Me-PYR2], [33;4-Br-5-Et-PYR2], [34;4-I-5-F-PYR2], [35;4-I-5-Cl-PYR2], [36;4-I-5-Br-PYR2], [37;4-I-5-I-PYR2], [38;4-I-5-Me-PYR2], [39;4-I-5-Et-PYR2], [40;4-F-5-F-6-F-PYR2], [41;4-Me-5-F-6-Me-PYR2], [42;4-Et-5-F-6-Me-PYR2], [43;4-F-5-F-6-Me-PYR2], [44;4-Cl-5-F-6-Me-PYR2], [45;4-Me-5-Cl-6-Me-PYR2], [46;4-Et-5-Cl-6-Me-PYR2], [47;4-Me-5-Br-6-Me-PYR2], [48;4-Et-5-Br-6-Me-PYR2], [49;4-Me-5-I-6-Me-PYR2], [50;4-Et-5-I-6-Me-PYR2]
例えばHA1001-20とは、式(HA1001)で示される化合物において、置換基番号が20である化合物であり、下記構造の化合物である。
【0072】
次に製剤例を示す。以下の製剤例において、部は重量部を意味する。
製剤例1
化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50のいずれか50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより製剤を得る。
製剤例2
化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50のいずれか20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコ−ル2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケ−ト0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコ−ル10部を加えて攪拌混合して製剤を得る。
製剤例3
化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50のいずれか2部、カオリンクレ−88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより製剤を得る。
製剤例4
化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50のいずれか5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより製剤を得る。
製剤例5
化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50のいずれか2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレ−65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより製剤を得る。
製剤例6
化合物HA1001−1〜化合物HA1036−50のいずれか20部、ホワイトカ−ボンとポリオキシエチレンアルキルエ−テルサルフェ−トアンモニウム塩との混合物(重量割合1:1)35部及び水45部を混合し、粉砕機で処理することにより製剤を得る。
次に、試験例を示す。
試験例1
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにオオムギ(品種;ミカモゴールデン)を播種し、温室で7日間生育させた。製剤例6に準じて製剤化された本発明化合物1、3又は4に水を加えて所定濃度(500ppm)に調製した液を、上記オオムギの葉面に充分付着するように、各々茎葉散布した。散布後植物を風乾し、2日後にオオムギ網斑病菌(Pyrenophora teres)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後植物を昼間23℃、夜間20℃の温室内で多湿下に3日間置き、次に温室内で7日間栽培した後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物1、3又は4を処理した植物における病斑面積はいずれも、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
試験例2
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにコムギ(品種;シロガネ)を播種し、温室内で9日間生育させた。製剤例6に準じて製剤化された本発明化合物1、3又は4に水を加えて所定濃度(500ppm)に調製した液を、上記コムギの葉面に充分付着するように各々茎葉散布した。散布後植物を風乾し、20℃、照明下で5日間栽培した後、コムギのさび病菌(Puccinia recondita)の胞子をふりかけ接種した。接種後植物を23℃、暗黒多湿下に1日間置いた後、20℃、照明下で8日間栽培し、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物1、3又は4を処理した植物における病斑面積はいずれも、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
試験例3
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにイネ(品種;日本晴)を播種し、温室内で20日間生育させた。その後、製剤例6に準じて製剤化された本発明化合物1又は3に水を加えて所定濃度(500ppm)に調製した液を、上記イネの葉面に充分付着するように各々茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、昼間24℃、夜間20℃多湿下で、前記散布処理をしたイネと、イネいもち病菌(Magnaporthe grisea)に罹病したイネ苗(品種;日本晴)とを接触させながら6日間置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物1又は3を処理した植物における病斑面積はいずれも、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
試験例4
プラスチックポットに土壌を詰め、インゲン(品種;長鶉菜豆)を播種し、温室内で8日間生育させた。製剤例6に準じて製剤化された本発明化合物1、3又は4に水を加えて所定濃度(500ppm)に調製した液を、上記インゲン葉面に充分付着するように各々茎葉散布した。散布後植物を風乾し、インゲン菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌糸含有PDA培地をインゲン葉面上に置いた。接種後全てのインゲンは夜間のみ多湿下におき、接種4日後に病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物1、3又は4を処理した植物における病斑面積はいずれも、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
試験例5
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにコムギ(品種;アポジ−)を播種し、温室内で10日間生育させた。製剤例6に準じて製剤化された本発明化合物1又は3に水を加えて所定濃度(500ppm)に調製した液を、上記コムギの葉面に充分付着するように各々茎葉散布した。散布後植物を風乾し、4日後にコムギ葉枯病菌(Septoria tritici)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後植物を18℃多湿下に3日間置き、次に照明下に14日から18日間置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物1又は3を処理した植物における病斑面積はいずれも、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
試験例6
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにキュウリ(品種;相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。製剤例6に準じて製剤化された本発明化合物1、2、3又は4に水を加えて所定濃度(500ppm)に調製した液を、上記キュウリ葉面に充分付着するように各々茎葉散布した。散布後植物を風乾し、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea、チトクロームbをコードする遺伝子のうち、チトクロームbの143番目のアミノ酸残基がグリシンからアラニンに変異したQoI耐性株)胞子をふりかけ接種した。植物を昼間24℃、夜間20℃の温室で8日間栽培した後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物1、2、3又は4を処理した植物における病斑面積はいずれも、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0073】
一方、上記の本発明化合物に代えてN−(2−{[4−(ピリミジン−2−イル)フェノキシ]メチル}フェニル)カルバミン酸メチルを用いた同じ試験の結果は、無処理のコムギにおける病斑面積の70%以上であった。